JPH08268886A - 血管新生抑制剤 - Google Patents
血管新生抑制剤Info
- Publication number
- JPH08268886A JPH08268886A JP7474495A JP7474495A JPH08268886A JP H08268886 A JPH08268886 A JP H08268886A JP 7474495 A JP7474495 A JP 7474495A JP 7474495 A JP7474495 A JP 7474495A JP H08268886 A JPH08268886 A JP H08268886A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- agent
- cancer
- angiogenesis
- satigrel
- aspirin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 血管新生抑制作用に基づく、血管新生抑制作
用が有効な疾患の予防・治療・改善剤、特に胃癌、肺
癌、肝癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、前立腺
癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、乳癌、皮膚癌、
悪性黒腫あるいは基底細胞癌、ケロイド、炎症または糖
尿病性網膜症等の予防・治療・改善剤を提供する。 【構成】 下記一般式で表されるサチグレル 【化1】 またはアスピリンから選ばれた1種以上またはその薬理
学的に許容される塩を有効成分とする、血管新生抑制作
用が有効な疾患の予防・治療・改善剤。
用が有効な疾患の予防・治療・改善剤、特に胃癌、肺
癌、肝癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、前立腺
癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、乳癌、皮膚癌、
悪性黒腫あるいは基底細胞癌、ケロイド、炎症または糖
尿病性網膜症等の予防・治療・改善剤を提供する。 【構成】 下記一般式で表されるサチグレル 【化1】 またはアスピリンから選ばれた1種以上またはその薬理
学的に許容される塩を有効成分とする、血管新生抑制作
用が有効な疾患の予防・治療・改善剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管新生の抑制作用に
基づく、胃癌、肺癌、肝癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、
膵臓癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、
乳癌、皮膚癌、悪性黒腫あるいは基底細胞癌、ケロイ
ド、炎症または糖尿病性網膜症等の予防・治療・改善剤
に関する。
基づく、胃癌、肺癌、肝癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、
膵臓癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、
乳癌、皮膚癌、悪性黒腫あるいは基底細胞癌、ケロイ
ド、炎症または糖尿病性網膜症等の予防・治療・改善剤
に関する。
【0002】
【発明の背景】血管新生は、胎生期の血管網形成から固
形腫瘍の成長、創傷治癒などの病理的過程において広く
認められる。その機序は、従来は既存の細静脈、毛細血
管からの血管内皮細胞の遊走、増殖あるいは管腔形成に
よると考えられていたが、近年線維芽細胞が内皮細胞へ
分化し、新たな血管が形成されることが見出された。こ
うした血管新生は、固形腫瘍やケロイド等の疾患に特に
深く関わっている。
形腫瘍の成長、創傷治癒などの病理的過程において広く
認められる。その機序は、従来は既存の細静脈、毛細血
管からの血管内皮細胞の遊走、増殖あるいは管腔形成に
よると考えられていたが、近年線維芽細胞が内皮細胞へ
分化し、新たな血管が形成されることが見出された。こ
うした血管新生は、固形腫瘍やケロイド等の疾患に特に
深く関わっている。
【0003】近年、疾患治療あるいは療養において、ク
オリティ・オブ・ライフ(生命・生存の質)を重要視す
る傾向が全社会的に高まりつつあり、従来の制癌剤、抗
癌剤、癌増殖抑制剤または抗悪性腫瘍剤のように副作用
の強い薬剤に変わる、有効性を保ちつつ、長期投与して
も安全性の高い薬剤が求められていた。
オリティ・オブ・ライフ(生命・生存の質)を重要視す
る傾向が全社会的に高まりつつあり、従来の制癌剤、抗
癌剤、癌増殖抑制剤または抗悪性腫瘍剤のように副作用
の強い薬剤に変わる、有効性を保ちつつ、長期投与して
も安全性の高い薬剤が求められていた。
【0004】また、やけど等の創傷治癒の過程において
形成されるケロイドも、身体的あるいは精神的な後遺症
として多大な影響が残り、また治癒後の社会活動におい
ても大きな影響がある。そこで前記と同様クオリティ・
オブ・ライフを追求する理由により、有用性の高い予防
・治療・改善剤が求められていた。
形成されるケロイドも、身体的あるいは精神的な後遺症
として多大な影響が残り、また治癒後の社会活動におい
ても大きな影響がある。そこで前記と同様クオリティ・
オブ・ライフを追求する理由により、有用性の高い予防
・治療・改善剤が求められていた。
【0005】さらに、炎症あるいは糖尿病性網膜症にお
いても血管新生が関与していることが知られているが、
有効な治療薬はないのが現状であり、有用性の高い予防
・治療・改善剤が求められていた。
いても血管新生が関与していることが知られているが、
有効な治療薬はないのが現状であり、有用性の高い予防
・治療・改善剤が求められていた。
【0006】
【従来技術】例えば、WO94/14851号公報には、2-O,3-O-
デスルフェイテッド(Desulfated)ヘパリンが血管新生抑
制に有効であることが開示されている。
デスルフェイテッド(Desulfated)ヘパリンが血管新生抑
制に有効であることが開示されている。
【0007】また特公表6-506702号公報あるいは特公表
6-509116号公報には、遺伝子組替等によって得られる血
小板第四因子あるいはその関連ポリペプチドが、血管新
生抑制に有効であることが開示されている。
6-509116号公報には、遺伝子組替等によって得られる血
小板第四因子あるいはその関連ポリペプチドが、血管新
生抑制に有効であることが開示されている。
【0008】さらに、EP-499544号公報には、テトラヒ
ドロチエノピリジン誘導体が同様に有効であることが開
示されている。
ドロチエノピリジン誘導体が同様に有効であることが開
示されている。
【0009】
【本発明が解決しようとする問題点】WO94/14851号公報
に開示されている、2-O,3-O-デスルフェイテッド(Desul
fated)ヘパリンは、抗血液凝固剤であるヘパリンの誘導
体であるが、ヘパリンは静脈内注射以外の経路では投与
できず、また出血を生じさせやすくする副作用があっ
た。また2-O,3-O-でスルフェイテッド(Desulfated)ヘパ
リン自体は新規化合物であり、臨床における有効性・安
全性が全く確認されていなかった。
に開示されている、2-O,3-O-デスルフェイテッド(Desul
fated)ヘパリンは、抗血液凝固剤であるヘパリンの誘導
体であるが、ヘパリンは静脈内注射以外の経路では投与
できず、また出血を生じさせやすくする副作用があっ
た。また2-O,3-O-でスルフェイテッド(Desulfated)ヘパ
リン自体は新規化合物であり、臨床における有効性・安
全性が全く確認されていなかった。
【0010】次に特公表6-506702号公報あるいは特公表
6-509116号公報に開示されている、血小板第四因子ある
いはその関連ポリペプチドについても、蛋白質であるた
め静脈内注射以外の経路では投与できず、かつ臨床にお
ける有効性・安全性は全く確認されておらず、アナフィ
ラキシーショックの恐れもあった。
6-509116号公報に開示されている、血小板第四因子ある
いはその関連ポリペプチドについても、蛋白質であるた
め静脈内注射以外の経路では投与できず、かつ臨床にお
ける有効性・安全性は全く確認されておらず、アナフィ
ラキシーショックの恐れもあった。
【0011】また、EP-499544号公報に開示されてい
る、テトラヒドロチエノピリジン誘導体では経口投与が
可能になると思われるが、やはり新規化合物であり、臨
床における有効性・安全性が全く確認されていなかっ
た。
る、テトラヒドロチエノピリジン誘導体では経口投与が
可能になると思われるが、やはり新規化合物であり、臨
床における有効性・安全性が全く確認されていなかっ
た。
【0012】このような背景のもとに、安全性が高く、
有用性の高い、血管新生抑制剤、特に、各種固形癌、ケ
ロイド、炎症または糖尿病性網膜症等の予防・治療・改
善剤が強く望まれていた。
有用性の高い、血管新生抑制剤、特に、各種固形癌、ケ
ロイド、炎症または糖尿病性網膜症等の予防・治療・改
善剤が強く望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
記の要件を備えている化合物について鋭意研究を行って
きた。その結果、血小板凝集抑制剤として既に臨床で広
く利用されているサチグレルまたはアスピリンから選ば
れた1種以上またはその薬理学的に許容される塩が、血
管新生抑制作用が有効な疾患の予防・治療・改善剤とし
て所期の目的を達することを見い出し本発明を完成し
た。
記の要件を備えている化合物について鋭意研究を行って
きた。その結果、血小板凝集抑制剤として既に臨床で広
く利用されているサチグレルまたはアスピリンから選ば
れた1種以上またはその薬理学的に許容される塩が、血
管新生抑制作用が有効な疾患の予防・治療・改善剤とし
て所期の目的を達することを見い出し本発明を完成し
た。
【0014】したがって、本発明の目的は、血管新生の
抑制作用に基づく、胃癌、肺癌、肝癌、大腸癌、結腸
癌、直腸癌、膵臓癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣
癌、子宮癌、乳癌、皮膚癌、悪性黒腫あるいは基底細胞
癌、ケロイド、炎症または糖尿病性網膜症等における臨
床的有用性の高い予防・治療・改善剤を提供することに
ある。
抑制作用に基づく、胃癌、肺癌、肝癌、大腸癌、結腸
癌、直腸癌、膵臓癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣
癌、子宮癌、乳癌、皮膚癌、悪性黒腫あるいは基底細胞
癌、ケロイド、炎症または糖尿病性網膜症等における臨
床的有用性の高い予防・治療・改善剤を提供することに
ある。
【0015】本発明にかかるサチグレル(Satigrel、INN
登録名)とは、特開昭63-10743号公報に記載されている
4-Cyano-5,5-bis(4-methoxyphenyl)-4-pentanoic acid
(CAS登録番号;111753-73-2)であり、下記化学式で表さ
れる製造承認申請中の血小板凝集抑制剤である。
登録名)とは、特開昭63-10743号公報に記載されている
4-Cyano-5,5-bis(4-methoxyphenyl)-4-pentanoic acid
(CAS登録番号;111753-73-2)であり、下記化学式で表さ
れる製造承認申請中の血小板凝集抑制剤である。
【0016】
【化1】
【0017】またその薬理学的に許容される塩とは、サ
チグレルと塩を形成するものであれば限定されないが、
具体的には例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩等のアルカリ金属の付加塩、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩等のアルカリ土類金属の付加塩、アミンの付加
塩、アミノ酸の付加塩などを挙げることができる。
チグレルと塩を形成するものであれば限定されないが、
具体的には例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩等のアルカリ金属の付加塩、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩等のアルカリ土類金属の付加塩、アミンの付加
塩、アミノ酸の付加塩などを挙げることができる。
【0018】次に、本発明にかかるアスピリン(Aspiri
n)とは、CAS登録番号が 50-78-2 である血小板凝集抑制
剤あるいは解熱剤であり、ナトリウム塩等の塩を形成し
ていてもよい。
n)とは、CAS登録番号が 50-78-2 である血小板凝集抑制
剤あるいは解熱剤であり、ナトリウム塩等の塩を形成し
ていてもよい。
【0019】続いて、本発明化合物の代表例として、サ
チグレルの急性毒性試験結果を示す。
チグレルの急性毒性試験結果を示す。
【急性毒性試験】7〜8 週齢の Slc:SD ラットおよび Sl
c:ICRマウスを各群雌雄各5匹を用い、経口、腹腔内およ
び皮下投与による単回投与毒性試験を実施した。(腹腔
内および皮下投与の媒体;生理食塩水)LD50値を下表に
まとめる。
c:ICRマウスを各群雌雄各5匹を用い、経口、腹腔内およ
び皮下投与による単回投与毒性試験を実施した。(腹腔
内および皮下投与の媒体;生理食塩水)LD50値を下表に
まとめる。
【0020】
【表1】
【0021】これらの LD50値は、静脈内投与での臨床
用量の約500倍以上であり、安全性は極めて高い。
用量の約500倍以上であり、安全性は極めて高い。
【0022】次に本発明化合物の投与剤型としては、例
えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル
剤などの経口製剤、軟膏、貼付剤、坐剤等の外用剤およ
び注射製剤が挙げられる。製剤化の際には、通常の製剤
担体を用いて常法により製造することができる。
えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル
剤などの経口製剤、軟膏、貼付剤、坐剤等の外用剤およ
び注射製剤が挙げられる。製剤化の際には、通常の製剤
担体を用いて常法により製造することができる。
【0023】すなわち経口製剤を製造するには、サチグ
レルまたはアスピリンから選ばれた1種以上またはその
薬理学的に許容される塩と、賦形剤、さらに必要に応じ
て結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを
加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被
覆錠剤、カプセル剤等とする。
レルまたはアスピリンから選ばれた1種以上またはその
薬理学的に許容される塩と、賦形剤、さらに必要に応じ
て結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを
加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被
覆錠剤、カプセル剤等とする。
【0024】賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスタ
ーチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結
晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、
例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メ
チルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ト
ラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリ
オキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなど
が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、
結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カ
ルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポ
リエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色
剤としては医薬品に添加することが許可されているもの
が、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香
散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの
錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティ
ングすることはもちろん差支えない。
ーチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結
晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、
例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メ
チルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ト
ラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリ
オキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなど
が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、
結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カ
ルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポ
リエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色
剤としては医薬品に添加することが許可されているもの
が、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香
散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの
錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティ
ングすることはもちろん差支えない。
【0025】また注射用製剤を製造する際には、主剤に
pH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて溶解
補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化す
る。
pH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて溶解
補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化す
る。
【0026】外用剤を製造する際の方法は限定されず、
常法により製造することができる。すなわち製剤化にあ
たり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、
化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能
である。
常法により製造することができる。すなわち製剤化にあ
たり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、
化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能
である。
【0027】使用する基剤原料として具体的には、例え
ば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級ア
ルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン
脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分
子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さら
に必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐
防黴剤、着色料、香料などを添加することができるが、
本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定されな
い。また必要に応じて他の分化誘導作用を有する成分、
血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン
類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合する
こともできる。なお上記基剤原料の添加量は、通常外用
剤の製造にあたり設定される濃度になる量である。
ば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級ア
ルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン
脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分
子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さら
に必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐
防黴剤、着色料、香料などを添加することができるが、
本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定されな
い。また必要に応じて他の分化誘導作用を有する成分、
血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン
類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合する
こともできる。なお上記基剤原料の添加量は、通常外用
剤の製造にあたり設定される濃度になる量である。
【0028】本発明におけるサチグレルまたはアスピリ
ンの臨床投与量は、症状、重症度、年齢、合併症、塩形
成の有無などによって異なり限定されず、また塩の種類
・投与経路などによっても異なるが、通常成人1日あた
り0.01mg〜2000mgであり、好ましくは0.1mg〜1500mgで
あり、さらに好ましくは1mg〜1000mgであり、これを経
口、静脈内、坐剤としてまたは経皮投与する。
ンの臨床投与量は、症状、重症度、年齢、合併症、塩形
成の有無などによって異なり限定されず、また塩の種類
・投与経路などによっても異なるが、通常成人1日あた
り0.01mg〜2000mgであり、好ましくは0.1mg〜1500mgで
あり、さらに好ましくは1mg〜1000mgであり、これを経
口、静脈内、坐剤としてまたは経皮投与する。
【0029】次に本発明化合物の代表例として、サチグ
レルを有効成分とする錠剤および注射用製剤の製剤例を
実施例として示す。しかし本発明の実施例がこれらに限
定されないことは言うまでもない。
レルを有効成分とする錠剤および注射用製剤の製剤例を
実施例として示す。しかし本発明の実施例がこれらに限
定されないことは言うまでもない。
【0030】
【実施例】実施例1 サチグレルの錠剤 下記処方に従って、常法によりサチグレルの錠剤を得
た。
た。
【0031】
【表2】
【0032】実施例2 サチグレルの注射用製剤 下記処方を注射用蒸留水または生理食塩水に溶解し、ク
エン酸でpHを調整し、次いで無菌濾過後、凍結乾燥して
注射用製剤を得た。
エン酸でpHを調整し、次いで無菌濾過後、凍結乾燥して
注射用製剤を得た。
【0033】
【表3】
【0034】次に本発明の効果を示すため、代表例とし
てサチグレルの血管新生抑制作用試験例を掲げる。
てサチグレルの血管新生抑制作用試験例を掲げる。
【0035】
(実験方法) (1) 被験化合物 前記実施例2で得たサチグレル注射用製剤を、注射用蒸
留水に溶解して試験に用いた。
留水に溶解して試験に用いた。
【0036】(2) 実験デザイン 方法は Asano らの方法(Bull. Inst. Publ. Health, 1
2:34-44, 1963.)に準拠して行った。詳細を以下に示
す。被験動物として、体重2500〜3000gの成熟家兎21羽
を、一群5〜6羽、4群に分け、無麻酔下で自然腹臥位に
ドラム固定した。家兎を金属性のドラムに固定後、耳介
を剃毛し、ペントバルビタールで麻酔(40mg/Kg)した。
次に、耳介中心動脈が左右に分岐して形成されているア
ーケードになるべく近接する部位を観察窓の装着部位と
して、特殊なパンチャーで円形に打ち抜き、次いでその
周囲の内・外側の皮膚を小型のメスで鈍的に剥離して切
除した(直径6mmφ×深さ100μm)。耳介両面から透明ア
クリル板で挟んで観察窓をつくり、生理食塩水を注入し
た後、ネジで固定した。一方、観察用顕微鏡には写真、
ビデオ装置を取り付け、観察窓内に現れてくる血管網を
観察した。その後1日1回、コントロール群(n=6)には
生理食塩水を、本発明化合物群(各n=5)には、サチグレ
ル・ナトリウム(0.6, 1.7, 17μg/Kg)をそれぞれ3週間
投与した。3週間、イメージアナライザーで血管の新生
度を観察評価した。
2:34-44, 1963.)に準拠して行った。詳細を以下に示
す。被験動物として、体重2500〜3000gの成熟家兎21羽
を、一群5〜6羽、4群に分け、無麻酔下で自然腹臥位に
ドラム固定した。家兎を金属性のドラムに固定後、耳介
を剃毛し、ペントバルビタールで麻酔(40mg/Kg)した。
次に、耳介中心動脈が左右に分岐して形成されているア
ーケードになるべく近接する部位を観察窓の装着部位と
して、特殊なパンチャーで円形に打ち抜き、次いでその
周囲の内・外側の皮膚を小型のメスで鈍的に剥離して切
除した(直径6mmφ×深さ100μm)。耳介両面から透明ア
クリル板で挟んで観察窓をつくり、生理食塩水を注入し
た後、ネジで固定した。一方、観察用顕微鏡には写真、
ビデオ装置を取り付け、観察窓内に現れてくる血管網を
観察した。その後1日1回、コントロール群(n=6)には
生理食塩水を、本発明化合物群(各n=5)には、サチグレ
ル・ナトリウム(0.6, 1.7, 17μg/Kg)をそれぞれ3週間
投与した。3週間、イメージアナライザーで血管の新生
度を観察評価した。
【0037】(3) 結果 被験化合物としてサチグレル・ナトリウム(0.6, 1.7, 1
7μg/Kg)をそれぞれ投与した群のチャンバー内に占める
新生血管網の割合を、生理食塩水投与群のそれと比較し
た結果を、表4および図1に示した。(それぞれ平均±
標準偏差で示す。)
7μg/Kg)をそれぞれ投与した群のチャンバー内に占める
新生血管網の割合を、生理食塩水投与群のそれと比較し
た結果を、表4および図1に示した。(それぞれ平均±
標準偏差で示す。)
【0038】
【表4】
【0039】表4および図1から明らかなように、生理
食塩水を投与したコントロール群と比較して、サチグレ
ル・ナトリウムを 1.7μg/Kg あるいは 17μg/Kg 投与
した群では、有意に血管新生が抑制されていた。(曲線
下面積群間比較検定法;p<0.05、p<0.01)従って、本発
明にかかる化合物は、その安全性が極めて高いこととあ
わせて、臨床上有用性の高い血管新生の抑制作用に基づ
く、胃癌、肺癌、肝癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓
癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、乳
癌、皮膚癌、悪性黒腫あるいは基底細胞癌、ケロイド、
炎症または糖尿病性網膜症等の予防・治療・改善剤とな
り得ることが示された。
食塩水を投与したコントロール群と比較して、サチグレ
ル・ナトリウムを 1.7μg/Kg あるいは 17μg/Kg 投与
した群では、有意に血管新生が抑制されていた。(曲線
下面積群間比較検定法;p<0.05、p<0.01)従って、本発
明にかかる化合物は、その安全性が極めて高いこととあ
わせて、臨床上有用性の高い血管新生の抑制作用に基づ
く、胃癌、肺癌、肝癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓
癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、乳
癌、皮膚癌、悪性黒腫あるいは基底細胞癌、ケロイド、
炎症または糖尿病性網膜症等の予防・治療・改善剤とな
り得ることが示された。
【0040】
【図1】 処置群およびコントロール群における、血管
新生の経時変化を示した図である。(平均±標準偏差で
示す。)
新生の経時変化を示した図である。(平均±標準偏差で
示す。)
Claims (5)
- 【請求項1】 サチグレルまたはアスピリンから選ばれ
た1種以上またはその薬理学的に許容される塩を有効成
分とする血管新生抑制作用が有効な疾患の予防・治療・
改善剤。 - 【請求項2】 制癌剤、抗癌剤、癌増殖抑制剤または抗
悪性腫瘍剤である請求項1記載の血管新生抑制作用が有
効な疾患の予防・治療・改善剤。 - 【請求項3】 ケロイド抑制剤である請求項1記載の血
管新生抑制作用が有効な疾患の予防・治療・改善剤。 - 【請求項4】 抗炎症剤である請求項1記載の血管新生
抑制作用が有効な疾患の予防・治療・改善剤。 - 【請求項5】 抗糖尿病性網膜症剤である請求項1記載
の血管新生抑制作用が有効な疾患の予防・治療・改善
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7474495A JPH08268886A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 血管新生抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7474495A JPH08268886A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 血管新生抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08268886A true JPH08268886A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=13556073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7474495A Pending JPH08268886A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 血管新生抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08268886A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001030324A3 (de) * | 1999-10-27 | 2001-11-22 | Joachim G Aufsess | Verwendung von acetylsalicylsäure sowie zubereitung zur behandlung von prostatahyperplasie |
WO2004030676A1 (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-15 | Teikoku Seiyaku Co., Ltd. | ケロイド等の形成抑制外用剤 |
US7879905B2 (en) | 2004-11-09 | 2011-02-01 | Alcon, Inc. | 5,6,7-trihydroxyheptanoic acid and analogs for the treatment of ocular diseases and diseases associated with hyperproliferative and angiogenic responses |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7474495A patent/JPH08268886A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001030324A3 (de) * | 1999-10-27 | 2001-11-22 | Joachim G Aufsess | Verwendung von acetylsalicylsäure sowie zubereitung zur behandlung von prostatahyperplasie |
WO2004030676A1 (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-15 | Teikoku Seiyaku Co., Ltd. | ケロイド等の形成抑制外用剤 |
JP2004123551A (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-22 | Teikoku Seiyaku Co Ltd | ケロイド等の形成抑制外用剤 |
CN100364543C (zh) * | 2002-09-30 | 2008-01-30 | 帝国制药株式会社 | 用于抑制瘢痕瘤形成的外用制剂 |
US7879905B2 (en) | 2004-11-09 | 2011-02-01 | Alcon, Inc. | 5,6,7-trihydroxyheptanoic acid and analogs for the treatment of ocular diseases and diseases associated with hyperproliferative and angiogenic responses |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20210059985A1 (en) | Method for preventing and/or treating aging-associated cognitive impairment and neuroinflammation | |
EP1477166B1 (de) | Verwendung von Riluzole kombiniert mit geeigneten Hilfs-und Zusatzstoffen zur Behandlung von Krankheiten, die durch eine Hyperproliferation von Keratinozyten gekennzeichnet sind, insbesondere Neurodermitis und Psoriasis | |
JP2002510618A (ja) | 皮膚科症状の治療へのポリアミンの使用 | |
JP2003515557A (ja) | 腫瘍を治療する方法 | |
JPH09510202A (ja) | カルボン酸エステルを用いる胎児ヘモグロビンレベルの上昇 | |
KR20070116632A (ko) | 프로스타글란딘 F2a 유도체를 유효 성분으로서 함유하는망막신경세포 보호제 | |
KR20080016556A (ko) | 각결막 장애의 예방 또는 치료제 | |
KR101869185B1 (ko) | 혈액학적 장애의 치료에 사용하기 위한 glyt1 억제제 | |
US20150190413A1 (en) | Compositions and methods for the treatment of bladder cancer | |
JP2004530699A (ja) | ドライアイ障害を処置するためのプロテオソームインヒビターの使用 | |
JP3208437B2 (ja) | 癌転移抑制剤 | |
PT1604991E (pt) | Potenciador do efeito antitumoral e agente antitumoral | |
JP2015038092A (ja) | 線維性障害を処置する方法 | |
JPH08268886A (ja) | 血管新生抑制剤 | |
WO2020002056A1 (en) | Cis-oxoplatin for treating stomach cancer | |
CA2279943C (en) | Treatment of skin disorders | |
WO1992004028A1 (fr) | Potentialisateur d'effets antineoplasique et agent antineoplasique | |
CN109876000A (zh) | 帕布昔利布在黏膜恶性黑色素瘤中的应用 | |
TW201500042A (zh) | 與血液透析有關的低血壓的治療 | |
US7378401B2 (en) | Use of Fosfluridine Tidoxil (FT) for the treatment of intraepithelial proliferative diseases | |
CA3199530A1 (en) | Use of cyclosporine analogues as antithrombotic agents | |
JPH09221425A (ja) | チオールプロテアーゼ阻害剤 | |
JP2714678B2 (ja) | 虚血性臓器障害予防・治療剤 | |
JP3450399B2 (ja) | 血管新生阻害剤 | |
JP2503836B2 (ja) | ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤 |