JPH08268330A - 車体のピラー結合構造 - Google Patents

車体のピラー結合構造

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JPH08268330A
JPH08268330A JP7420395A JP7420395A JPH08268330A JP H08268330 A JPH08268330 A JP H08268330A JP 7420395 A JP7420395 A JP 7420395A JP 7420395 A JP7420395 A JP 7420395A JP H08268330 A JPH08268330 A JP H08268330A
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sill
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出材による車体に適用しても溶接熱による
歪みが発生せず、ピラーをサイドシルに対して確実に結
合することができる車体のピラー結合構造を提供する。 【構成】 ピラー7の前面部及び後面部の下端をサイド
シル12の上面部に溶接すると共に、ピラー7の内面部
及び外面部の下端に形成したフランジ19等をサイドシ
ル12の上面部に形成した溝部21、22内に上下移動
不能な状態で係合させ、少なくともピラー12の下端が
溶接される部分のサイドシル12の上面部と、該上面部
に対向する下面部とをリブ23にて連結した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車体のピラー結合構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に自動車の車体は、ルーフやピラ
ー等を有する上部構造体と、サイドメンバやサイドシル
等を有する下部構造体とから成っている。そして、この
上部構造体のピラーは下部構造体のサイドシルに結合さ
れた構造になっている。
【0003】ピラーをサイドシルに結合する従来の構造
としては、例えば図13に示すようなものがある(特表
平6−504013号公報参照)。サイドシル1は車体
の前後方向に配された閉断面部材であり、その上面部1
eには取付口2が形成されている。ピラー3は上下方向
に配された閉断面部材であり、その下部が前記取付口2
からサイドシル1内に挿入され、該ピラー3の下端とサ
イドシル1の底面、ならびにピラー3の側面と取付口2
とがシーム溶接Yにより結合されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、ピラー3をサイドシル1の
取付口2から挿入してシーム溶接する構造となっていた
ため、シーム溶接を行う際にサイドシル1の溶接部が熱
の影響により熱変形するおそれがある。特に最近では、
車体の軽量化を図るために、車体を軽合金の押出材で形
成する構造が提案されているが、このような押出材を溶
接する場合は特に熱収縮による歪みの発生が顕著であ
る。そしていったん歪みが生じてしまうと、その歪みを
修正するのに多大な工数を費やす必要があり、作業性の
面で大変に不利である。
【0005】この発明はこのような従来の技術に着目し
たものであり、押出材による車体に適用しても溶接熱に
よる歪みが発生せず、ピラーをサイドシルに対して確実
に結合することができる車体のピラー結合構造を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
閉断面の押出材で形成されたピラーの下端を、閉断面の
押出材で形成されたサイドシルの上面部に結合する車体
のピラー結合構造において、前記ピラーの前面部及び後
面部の下端をサイドシルの上面部に溶接すると共に、ピ
ラーの内面部及び外面部の下端に形成したフランジをサ
イドシルの上面部に形成した溝部内に上下移動不能な状
態で係合させ、少なくともピラーの下端が溶接される部
分のサイドシルの上面部と、該上面部に対向する下面部
とをリブにて連結したものである。
【0007】請求項2記載の発明は、ピラーの前面部及
び後面部を、内面部及び外面部よりも肉厚にしたもので
ある。
【0008】請求項3記載の発明は、閉断面の押出材で
形成されたピラーの下部をサイドシルの上面部に形成さ
れた取付口から内部へ挿入して結合する車体のピラー結
合構造において、前記サイドシルのシルインナを閉断面
の押出材で形成し、該シルインナの外面部にピラーの内
面部の前後端を上下方向に沿って溶接すると共に、少な
くともピラーの内面部が溶接される部分のシルインナの
外面部と、該外面部に対向する内面部とをリブにて連結
したものである。
【0009】請求項4記載の発明は、閉断面の押出材で
形成されたピラーの下部をサイドシルの上面部に形成さ
れた取付口から内部へ挿入して結合する車体のピラー結
合構造において、前記サイドシルのシルインナを閉断面
の押出材で形成し、該シルインナの外面部にピラーに相
応する前後幅の開口を形成すると共に、該開口内に該開
口の前後縁に合致する前面部及び後面部を有するブレー
スを挿入し、前記ピラーの内面部の前後端を、前記開口
の前後縁及びブレースの前面部及び後面部にそれぞれ溶
接したものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明によれば、サイドシルの上
面部と下面部をリブで連結したため、サイドシルが溶接
熱を発散させ易い大熱容量部となる。従って、ピラーの
下端をサイドシルの上面部に溶接する際の熱は、該上面
部からリブ等を伝達してサイドシル全体へ発散されるた
め、溶接部付近に溶接歪みが生じにくい。万一、溶接熱
が溜まり、ピラーが軸収縮しようとしてもピラー下端の
フランジがサイドシル上面部の溝部に係合しているため
軸収縮は阻止される。また、溶接熱の影響により、サイ
ドシルの上面部が下側へ変形しようとしても、上面部の
下側にリブが形成されているため、該上面部の変形は阻
止される。更に、ピラーの前後傾き方向での結合剛性
は、リブの形成でピラーの付け根となるサイドシル上面
部の剛性が高められることにより向上し、内外傾き方向
での結合剛性はフランジと溝部との係合により向上す
る。
【0011】請求項2記載の発明によれば、ピラーの前
面部及び後面部を、内面部及び外面部よりも肉厚にした
ため、ピラー自体が大熱容量部となり、ピラーに熱が発
散し易くなる。
【0012】請求項3記載の発明によれば、サイドシル
のシルインナが閉断面にリブを追加した大熱容量部とな
っており、ピラーをそのシルインナの外面部に溶接して
いるため、溶接熱はリブ等を介してサイドシル全体に発
散され、溶接歪みが生じにくい。また、ピラーをシルイ
ンナの外面部に溶接しており、ピラーに加わる入力を該
外面部の面内力として伝達できるため前後傾き方向での
結合強度が高く、内外傾き方向での結合剛性はリブの形
成でシルインナ外面部の剛性が高められることにより向
上する。
【0013】請求項4記載の発明によれば、ピラーの内
面部の前後端を、開口の前後縁とブレースの前面部及び
後面部にそれぞれ溶接するため、溶接熱がブレースの前
面部と後面部からブレース全体に発散され易く、溶接歪
みが生じにくい。つまり、ブレース自体が大熱容量部で
あるため、リブが形成されていない単なる閉断面のシル
インナでも、内部にブレースを設けるだけでシルインナ
が大熱容量部となる。また、リブが形成されたシルイン
ナの内部にブレースを設ければ、シルインナが更に大熱
容量部となり、溶接熱の発散性が更に高まる。
【0014】
【実施例】以下この発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。尚、以下の説明では、図中のAを前側、B
を後側、Cを外側、Dを内側として説明する。
【0015】図1〜図3はこの発明の第1実施例であ
る。この実施例の車体は上部構造体4と下部構造体5か
ら成り、それぞれがアルミ軽合金による押出材を主体と
して形成されたものである(図1参照)。上部構造体4
には各種パネルやガラスが取付けられる構造になってい
るが図示は省略している。上部構造体4の前後にはサス
ペンション入力を受けるストラットハウジング6a、6
bが設けられている。そして、7はフロントピラー、8
はセンタピラー、9はリヤピラーである。下部構造体5
は、前方にフロントサイドメンバ10が、後方には車室
部分からリヤ部分に至るフロアサイドメンバ11が配さ
れ、車室部分の左右両側にはサイドシル12が配されて
いる。また、下部構造体5には、複数のクロスメンバ1
3、14、15、16、17等も設けられている。そし
て、この下部構造体5のサイドシル12に前記各ピラー
7、8、9が結合される。
【0016】次に、各ピラー7、8、9のサイドシル1
2に対する結合構造を、フロントピラー7の場合を例に
して説明する(図2、図3参照)。このフロントピラー
7は断面台形の押出材により上下方向に沿って配される
ものであり、前面部7a及び後面部7bが斜面で、外面
部7c及び内面部7dは互いに前後方向に沿った平面と
なっている。前面部7a及び後面部7bの下端は溶接さ
れる部分であり、該外面部7c及び内面部7dよりも肉
厚に形成されている。また、内面部7dの後側にはフラ
ンジ18が形成されている。更に、外面部7c及び内面
部7dの下端にはそれぞれ開き方向へ曲折したフランジ
19、20が形成されている。
【0017】サイドシル12も押出材による閉断面構造
で前後方向に沿って配されている。このサイドシル12
の上面部12eには前記フロントピラー7のフランジ1
9、20が係合する溝部21、22が前後方向に沿って
形成されている。この溝部21、22はフランジ19、
20に相応した形状であり、係合状態において、フラン
ジ19、20は前後方向ではスライド可能だが、上下に
は移動不能となる。そして、この上面部12eの中間部
と下面部12fの中間部とがリブ23にて連結されてい
る。このリブ23はサイドシル12の内面部12d及び
外面部12cと平行で且つ前後方向(長手方向)に沿っ
て連続形成されている。従って、サイドシル12の上面
部12eと下面部12fとが、内面部12d、外面部1
2c、リブ23という3枚の平行な「縦壁」で接続され
た状態となっている。尚、内側の溝部22の隣接部位に
は上向きのフランジ24が形成されている。また、サイ
ドシル12の内面部12dには、フロアパネル25とク
ロスメンバ14の端部が接合されている(図3参照)。
【0018】次に、フロントピラー7の結合手順を説明
する。まず、フロントピラー7の下端のフランジ19、
20を、サイドシル12の上面部12eの溝部21、2
2内に前側から挿入して係合させる。そして、フロント
ピラー7を所定の前後位置に位置決めした後、フロント
ピラー7の前面部7a及び後面部7bの下端をサイドシ
ル12の上面部12eに溶接して結合する。この結合状
態において、サイドシル12の上面部12eのフランジ
24はフロントピラー7の内面部7dに当接する。尚、
サイドシル12の上面部12eにおけるフロントピラー
7の結合部以外の部位には、キッキングプレート等の艤
装部品が取付けられる。
【0019】次に、熱歪み防止に関する作用と、結合剛
性に関する作用の説明をする。
【0020】熱歪み防止:
【0021】フロントピラー7とサイドシル12との溶
接部Yに加えられた溶接熱Hの一部は、まずフロントピ
ラー7の前面部7a及び後面部7bを介してフロントピ
ラー7の上方へ発散される。フロントピラー7の前面部
7a及び後面部7bは、肉厚形成されて大熱容量部とな
っているため、前記フロントピラー7への溶接熱Hの発
散は確実且つ十分に行われる。
【0022】また、溶接熱Hはサイドシル12側にも発
散される。この実施例のサイドシル12には、上面部1
2eと下面部12fを連結するリブ23が形成されてい
るため、リブ23がない単なる閉断面構造のものに比べ
て、溶接熱Hを発散させ易い大熱容量部となっている。
従って、サイドシル12の上面部12eに加わる溶接熱
Hは、内面部12d、外面部12c、そしてリブ23と
いう3枚の縦壁を伝達してサイドシル12全体に発散さ
れるため、溶接部Y付近のフロントピラー7やサイドシ
ル12に歪みが生じにくい。
【0023】万一、溶接部Y近辺に溶接熱が溜まり、フ
ロントピラー7が軸収縮しようとしても、フロントピラ
ー7の下端のフランジ19、20がサイドシル12の溝
部21、22内に係合しているため、該フロントピラー
7の軸収縮は防止される。また、サイドシル12上面部
12eが溶接熱Hの影響により下側へ変形しようとして
も、該上面部12eの下側に形成されているリブ23に
て阻止される。
【0024】結合剛性:
【0025】フロントピラー7に該フロントピラー7を
前後方向に倒すようなモーメントM 1 が加わった場合、
そのモーメントM1 は溶接部Yからサイドシル12の上
面部12eへ集中的に作用するが、該上面部12eが前
後方向に沿う縦壁としてのリブ23にて下面部12fと
連結されており、上面部12eの変形が防止されるた
め、フロントピラー7が前後方向に倒れるようなことは
なく、前後傾き方向における結合剛性が高い。
【0026】また、フロントピラー7に該フロントピラ
ー7を内外方向に倒すようなモーメントM2 が加わった
場合、そのモーメントM2 はフロントピラー7の下端の
各フランジ19、20に集中するが、該フランジ19、
20がサイドシル12の溝部21、22内に係合されて
おり、上下に移動不能な状態になっているため、フロン
トピラー7が内外方向に倒れるようなことはなく、内外
倒れ方向における結合剛性が高い。特に、2本の溝部2
1、22がそれぞれサイドシル12の内面部12d及び
外面部12cの近傍位置に形成されていることから、溝
部21、22に加わった力はすぐに前記内面部12d及
び外面部12cに伝達されるため、この点も、フロント
ピラー7の内外倒れ方向における結合剛性の向上に寄与
している。また、サイドシル21の上面部21eに形成
された上向きのフランジ24がフロントピラー7の内面
部7dに当接していることも、フロントピラー7の内倒
れ防止に寄与している。
【0027】図4及び図5はこの発明の第2実施例を示
す図である。この実施例のサイドシル26は、プレス成
形した鋼板(樹脂成形品でも可)によるシルアウタ27
と、閉断面の押出材で形成されたシルインナ28とを接
合して一体化した構造をしている。このシルアウタ27
とシルインナ28の接合は図示せぬリベット手段(ボル
ト手段、接着手段、溶接手段でも可)により行われる。
また、フロントピラー29は均等な断面厚さの前面部2
9a、後面部29b、外面部29c、内面部29dから
成り、先の実施例のように前面部29aと後面部29b
のみが肉厚に形成されたものではない。
【0028】シルアウタ27の上面部には、シルインナ
28に接合されて取付口30となる部分が凹設されてい
る。シルインナ28の外面部28cの上下には、該外面
部28cに連続して上下に突出したフランジ31が各々
形成されている。また、シルインナ28の外面部28c
と内面部28dとの中央部同士は水平なリブ32にて連
結されている。更に、内面部28dの中央部には前記リ
ブ32に連続した状態の水平なフランジ33が内向きに
突出形成されている。そして、この水平なフランジ33
にフロアパネル25の端部が接続され、シルインナ28
の下面部28fにクロスメンバ14の端部が接続されて
いる。
【0029】フロントピラー29の下部は前記取付口3
0からサイドシル26内に挿入され、該フロントピラー
29の内面部29dの前後端が、シルインナ28の外面
部28cに対して上下方向に沿って溶接されている。
【0030】次に、熱歪み防止に関する作用と、結合剛
性に関する作用の説明をする。
【0031】熱歪み防止:
【0032】溶接部Yに加えられた溶接熱Hの一部は、
先の実施例同様にフロントピラー29を伝達して上方へ
発散される。
【0033】また、溶接熱Hはサイドシル26側にも発
散される。この実施例のサイドシル26のシルインナ2
8は、外面部28cと内面部28dを連結するリブ32
が形成されているため、リブ32がない単なる閉断面構
造のものに比べて、溶接熱Hを発散させ易い大熱容量部
となっている。従って、シルインナ28の外面部28c
に加わる溶接熱Hは、上面部28e、下面部28f、そ
してリブ32という3枚の横壁を伝達してシルインナ2
8全体に発散されると共に、フロアパネル25やクロス
メンバ14へも発散されるため、溶接部Y付近のフロン
トピラー29やシルインナ28に歪みが生じにくい。
【0034】万一、溶接部Y近辺に溶接熱が溜まり、シ
ルインナ28の外面部28cに歪みが生じようとして
も、その歪み力がシルインナ28の上面部28e、リブ
32、下面部28fの3枚の壁を介して内面部28dに
伝わり、更にその力が内面部28dからフロアパネル2
5やクロスメンバ14に分散されるため歪みの発生が抑
えられる。
【0035】結合剛性:
【0036】フロントピラー29に該フロントピラー2
9を前後方向に倒すようなモーメントM1 が加わった場
合、そのモーメントM1 は溶接部Yからシルインナ28
の外面部28cに面内力として伝達されるため、フロン
トピラー29の前後方向に倒れることはなく、前後傾き
方向における結合剛性が高まる。また、前記モーメント
1 による面外変形が生じようとした場合でも、リブ3
2によってその変形を抑えることができる。
【0037】図6はこの発明の第3実施例を示す図であ
る。この実施例のサイドシル34では、シルインナ35
内のリブ36の形状を横向きV形にしたものである。リ
ブ36の形状をこのようにしたことにより、先の第2実
施例の水平なリブ32に比べて、溶接熱の発散性及び結
合剛性が向上する。
【0038】図7はこの発明の第4実施例を示す図であ
る。この実施例のサイドシル37では、シルインナ38
内のリブ39の形状を断面X形にしたものである。リブ
39の形状をこのようにしたことにより、先の第3実施
例のV形のリブ36に比べて、溶接熱の発散性及び結合
剛性が更に向上する。
【0039】図8はこの発明の第5実施例を示す図であ
る。この実施例のサイドシル40のシルインナ41は、
シルインナ41の内面部41dが外面部41cよりも低
く設定された変形五角形の閉断面に、水平なリブ42を
追加した形状をしている。この実施例によれば、シルイ
ンナ41の上面部41eが斜面となるため、その分、車
室内スペースの拡大を図ることができる。
【0040】図9〜図11はこの発明の第6実施例を示
す図である。この実施例に係るサイドシル43のシルイ
ンナ44は単なる閉断面で、内部にリブがない構造にな
っている。そして、このシルインナ44の外面部44c
のフロントピラー29に対応する部位には開口45が形
成されている。この開口45はフロントピラー29の内
面部29dの幅に相応する前後幅で、シルインナ44の
上面部44eから下面部44fに至る上下幅を有したサ
イズとなっている。
【0041】そして、この開口45内にはブレース46
が挿入される。このブレース46は、開口45に略相応
する形状の内面部45d及び外面部45cと、シルイン
ナ44に略相応する幅の前面部45a及び後面部45b
とから成る閉断面部材である。このブレース46を開口
45からシルインナ44内に挿入することにより、ブレ
ース46の内面部46dがシルインナ44の内面部44
dに当接すると共に、ブレース46の外面部46cがシ
ルインナ44の外面部44cと同一面となる。そして、
フロントピラー29の内面部29dの前後端を、開口4
5の前後縁部及びブレース46の前面部46a及び後面
部46bに対応させると共に、その対応部を上下方向に
沿って溶接し、その溶接部Yよりシルインナ44とブレ
ース46とフロントピラー29の三者を結合させる。ま
た、シルインナ44の内面部44dにおけるブレース4
6の前面部46a及び後面部46bに対応する部位には
部分的なスリット46が形成されており、該スリット4
6における溶接部Yによりシルインナ44の内面部44
dとブレース46の前面部46a(及び後面部46b)
が溶接されている。
【0042】この実施例によれば、開口45内に収納さ
れたブレース46の前面部46a及び後面部46bが、
溶接部Yとなるフロントピラー29の内面部29dの前
後端に合致しているため、熱がブレース46の前面部4
6aと後面部46bからブレース46全体に発散され易
く、溶接歪みが生じにくい。このように、「リブ」が形
成されていない単なる閉断面のシルインナ44でも、内
部にこのようなブレース46を設けることによりシルイ
ンナ44が大熱容量部となる。
【0043】図12はこの発明の第7実施例を示す図で
ある。この実施例に係るサイドシルのシルインナ49
は、第4実施例と同様に内部にX形のリブ50を備えた
構造のもので、このシルインナ49の外面部49cに先
の実施例と同様の開口51が形成されている。そして、
この開口51内に、該開口51に臨む断面三角形の内部
スペースに相応する立体形状のブレース52が挿入され
ている。このブレース52は内部に空間を有する密閉容
器形状で、その前面部52a及び後面部52bが、先の
第6実施例と同様に、開口51の前後端と共に、フロン
トピラー29の内面部29dの前後端に溶接されるよう
になっている。
【0044】従って、この実施例の場合も、溶接熱がブ
レース52の前面部52aと後面部52bからブレース
52全体に発散され易く、溶接歪みが生じにくい。ま
た、この実施例のシルインナ49は内部にX形のリブ5
0が備えられており、このリブ50を介してシルインナ
49の全体にも溶接熱が発散されるため、熱の発散性が
特に優れる。
【0045】以上の各実施例では、フロントピラー7、
29をサイドシル12、26…に結合する例を示した
が、他のセンタピラー8やリヤピラー9も同じ構造で結
合されている。
【0046】また、以上の各実施例の説明では、サイド
シル12内に形成されるリブ23や、シルインナ28等
内に形成されるリブ23等を、前後方向(長手方向)に
沿って連続的に形成するようにしたが、「リブ」は少な
くも「ピラー」が溶接される部分だけに形成してあれば
良い。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、サイドシ
ルの上面部と下面部をリブで連結したため、サイドシル
が溶接熱を発散させ易い大熱容量部となる。従って、ピ
ラーの下端をサイドシルの上面部に溶接する際の熱は、
該上面部からリブ等を伝達してサイドシル全体へ発散さ
れるため、溶接部付近に溶接歪みが生じにくい。万一、
溶接熱が溜まり、ピラーが軸収縮しようとしてもピラー
下端のフランジがサイドシル上面部の溝部に係合してい
るため軸収縮は阻止される。また、溶接熱の影響によ
り、サイドシルの上面部が下側へ変形しようとしても、
上面部の下側にリブが形成されているため、該上面部の
変形は阻止される。更に、ピラーの前後傾き方向での結
合剛性は、リブの形成でピラーの付け根となるサイドシ
ル上面部の剛性が高められることにより向上し、内外傾
き方向での結合剛性はフランジと溝部との係合により向
上する。
【0048】請求項2記載の発明によれば、ピラーの前
面部及び後面部を、内面部及び外面部よりも肉厚にした
ため、ピラー自体が大熱容量部となり、ピラーに熱が発
散し易くなる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、サイドシル
のシルインナが閉断面にリブを追加した大熱容量部とな
っており、ピラーをそのシルインナの外面部に溶接して
いるため、溶接熱はリブ等を介してサイドシル全体に発
散され、溶接歪みが生じにくい。また、ピラーをシルイ
ンナの外面部に溶接しており、ピラーに加わる入力を該
外面部の面内力として伝達できるため前後傾き方向での
結合強度が高く、内外傾き方向での結合剛性はリブの形
成でシルインナ外面部の剛性が高められることにより向
上する。
【0050】請求項4記載の発明によれば、ピラーの内
面部の前後端を、開口の前後縁とブレースの前面部及び
後面部にそれぞれ溶接するため、溶接熱がブレースの前
面部と後面部からブレース全体に発散され易く、溶接歪
みが生じにくい。つまり、ブレース自体が大熱容量部で
あるため、リブが形成されていない単なる閉断面のシル
インナでも、内部にブレースを設けるだけでシルインナ
が大熱容量部となる。また、リブが形成されたシルイン
ナの内部にブレースを設ければ、シルインナが更に大熱
容量部となり、溶接熱の発散性が更に高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る車体の全体構造を
示す斜視図である。
【図2】フロントピラーをサイドシルに結合した状態を
示す図1中DA部分の拡大分解斜視図である。
【図3】図2中矢示SA−SA線に沿う断面図である。
【図4】この発明の第2実施例を示す図2相当の斜視図
である。
【図5】図4中矢示SB−SB線に沿う断面図である。
【図6】この発明の第3実施例を示す図5相当の断面図
である。
【図7】この発明の第4実施例を示す図5相当の断面図
である。
【図8】この発明の第5実施例を示す図5相当の断面図
である。
【図9】この発明の第6実施例を示す図4相当の斜視図
である。
【図10】図9中矢示SC−SC線に沿う断面図であ
る。
【図11】図9中矢示SD−SD線に沿う断面図であ
る。
【図12】この発明の第7実施例を示す図9相当の斜視
図である。
【図13】従来の車体のピラー結合構造を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
7、29 フロントピラー 8 センタピラー 9 リヤピラー 12、26、34、37 サイドシル 19、20 フランジ 21、22 溝部 23 リブ 40、43 サイドシル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉断面の押出材で形成されたピラーの下
    端を、閉断面の押出材で形成されたサイドシルの上面部
    に結合する車体のピラー結合構造において、 前記ピラーの前面部及び後面部の下端をサイドシルの上
    面部に溶接すると共に、ピラーの内面部及び外面部の下
    端に形成したフランジをサイドシルの上面部に形成した
    溝部内に上下移動不能な状態で係合させ、 少なくともピラーの下端が溶接される部分のサイドシル
    の上面部と、該上面部に対向する下面部とをリブにて連
    結したことを特徴とする車体のピラー結合構造。
  2. 【請求項2】 ピラーの前面部及び後面部を、内面部及
    び外面部よりも肉厚にした請求項1記載の車体のピラー
    結合構造。
  3. 【請求項3】 閉断面の押出材で形成されたピラーの下
    部をサイドシルの上面部に形成された取付口から内部へ
    挿入して結合する車体のピラー結合構造において、 前記サイドシルのシルインナを閉断面の押出材で形成
    し、該シルインナの外面部にピラーの内面部の前後端を
    上下方向に沿って溶接すると共に、 少なくともピラーの内面部が溶接される部分のシルイン
    ナの外面部と、該外面部に対向する内面部とをリブにて
    連結したことを特徴とする車体のピラー結合構造。
  4. 【請求項4】 閉断面の押出材で形成されたピラーの下
    部をサイドシルの上面部に形成された取付口から内部へ
    挿入して結合する車体のピラー結合構造において、 前記サイドシルのシルインナを閉断面の押出材で形成
    し、該シルインナの外面部にピラーに相応する前後幅の
    開口を形成すると共に、該開口内に該開口の前後縁に合
    致する前面部及び後面部を有するブレースを挿入し、 前記ピラーの内面部の前後端を、前記開口の前後縁及び
    ブレースの前面部及び後面部にそれぞれ溶接したことを
    特徴とする車体のピラー結合構造。
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