JPH08268203A - エアバッグドア部を有する車室側部材の構造およびその製法 - Google Patents

エアバッグドア部を有する車室側部材の構造およびその製法

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JPH08268203A
JPH08268203A JP7099640A JP9964095A JPH08268203A JP H08268203 A JPH08268203 A JP H08268203A JP 7099640 A JP7099640 A JP 7099640A JP 9964095 A JP9964095 A JP 9964095A JP H08268203 A JPH08268203 A JP H08268203A
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thick
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airbag
resin
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JP7099640A
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English (en)
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Katsuhiro Tange
勝博 丹下
Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮の破断予定部が表皮の劣化、収縮により
亀裂等の外観不良を生ずることなく、しかもエアバッグ
の膨張時には確実に破断されることができる、新規なエ
アバッグドア部を有する車室側部材の構造およびその製
法を提供する。 【構成】 表皮用樹脂材料による表皮のパウダースラッ
シュ成形時の前記表皮用樹脂材料が未だ溶融状態にある
間に、表皮破断予定部に沿って表皮12を構成する樹脂
と同種または相溶性のある樹脂からなる補強体18を一
体に接合して、前記表皮の裏面側に厚肉帯13を形成
し、前記厚肉帯が一体に形成された表皮裏面側に合成樹
脂発泡材料を注入し合成樹脂発泡層12を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車のエアバッグ
装置に関連し、特にはそのエアバッグドア部を有する車
室側部材の構造およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の助手席側に設けられるエ
アバッグ装置は、添付の図面の図19に示すように、折
り畳まれたエアバッグAがキャニスタと呼ばれる収容部
材(容器)C内に作動装置Iとともに収容されて助手席
前面の車室側部材Pであるインストルメントパネル内に
格納されている。エアバッグ収容部材Cの上部はエアバ
ッグAが車室内に展開するための開口部Oとして構成さ
れていて、この展開開口部Oは平時はエアバッグドア部
Dによって覆われており、一旦自動車が大きな衝撃を受
けた有事の際には、前記作動装置Iが作動し、膨張した
エアバッグAが当該エアバッグドア部Dを内部から押し
開いて車室内に展開するように構成されている。
【0003】このエアバッグの展開開口部Oを覆うエア
バッグドア部の構造としては、エアバッグドア部材を別
成形してこれを車室側部材の該当空所に取り付けるタイ
プのものと、車室側部材と一体にエアバッグドア部を形
成するタイプのものがあるが、この発明は後者の構造に
関する。
【0004】すなわち、図19ないし図20は車室側部
材Pに一体にエアバッグドア部Dを形成した従来例を示
すものであるが、この車室側部材(インストルメントパ
ネル)Pは合成樹脂発泡層71上面に表皮72を一体に
有し、該表皮72のエアバッグ展開開口部Oに対応する
所定位置にはエアバックドア部Dを画定する薄肉の破断
予定部73が形成されている。この表皮72の薄肉の破
断予定部73は、表皮72の成形後に高周波ウェルダー
や熱刃またはコールドプレスカッター等によって切込み
やV溝を入れることにより形成される。図中の符号74
は車室側部材Pの裏面に設けられた芯材、75はエアバ
ッグドア部Dの裏面に設けられたエアバッグドア用芯
材、76はエアバッグ収容部材Cと芯材74(およびエ
アバッグドア用芯材75)とを固定する取付部材、Tは
車室側部材Pの破断予定部である。
【0005】この構造にあっては、前記したように、エ
アバッグAが作動膨張すると、エアバッグ展開開口部O
上部の車室側部材Pにおけるエアバッグドア部Dが裏面
側から押され、エアバッグドア用芯材75を押し上げ、
その押上力によって表皮72の薄肉の破断予定部73に
応力が集中して破断し、車室側部材Pがその開裂(予
定)部Tから開裂し、図21のように、エアバッグドア
部Dが開く。図21の符号73a,73bは分断された
表皮72の破断(予定)部で、Ta,Tbは同じく分断
された車室側部材Pのその開裂(予定)部を表わす。エ
アバッグドア部Dの開放に伴ってエアバッグAは車室内
に展開する。
【0006】しかるに、前記車室側部材Pの表皮72に
おけるエアバッグドア部Dを画定する薄肉の破断予定部
73は、該破断予定部73がエアバッグ膨張時に確実に
破断できるよう概ね0.3mm以下の厚みに形成され
る。しかしながら、一般に自動車のインストルメントパ
ネルのような車室側部材Pは、車室内に照射される太陽
光線や車室内の高熱にさらされ、時間の経過とともにそ
の表皮72が劣化、収縮することが知られている。そし
て、この車室側部材Pの表皮72に0.3mm以下の薄
肉の破断予定部73が形成された場合には、前記した表
皮72の劣化、収縮の影響が強度の低い当該薄肉の破断
予定部73において最も大きくなり、その結果として、
該破断予定部73に亀裂が生じたり、内側の合成樹脂発
泡体層71が露出するなどの外観不良を生じ易いという
問題が指摘されている。
【0007】この問題に対し、当該破断予定部73にお
ける表皮72の厚みを、劣化による亀裂を生じ難くなる
まで大きくすると、今度はエアバッグAの膨張時に該破
断予定部73がスムーズに破断しなくなる恐れがある。
【0008】また、前記表皮72の劣化は、該表皮72
を構成する塩化ビニル樹脂等に含まれる可塑剤が表皮7
2と接する合成樹脂発泡層71中に移行することによ
り、あるいは合成樹脂発泡層71中に架橋剤あるいは触
媒等として含まれるアミンが表皮72に移行することに
よって促進され、これも強度の弱い薄肉の破断予定部7
3に亀裂を生じさせる原因ともなると考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な問題点に鑑み提案されたものであって、表皮の破断予
定部が表皮の劣化、収縮により亀裂等の外観不良を生ず
ることなく、しかもエアバッグの膨張時には確実に破断
されることができる、新規なエアバッグドア部を有する
車室側部材の構造およびその製法を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
合成樹脂発泡層上面にエアバッグドア部を画定する破断
予定部が形成された表皮を一体に有する車室側部材にお
いて、前記表皮の裏面側には前記破断予定部に沿って前
記表皮を構成する樹脂と同種または相溶性のある樹脂か
らなる補強体が一体に接合された厚肉帯が形成されてい
ることを特徴とするエアバッグドア部を有する車室側部
材の構造を提供するものである。
【0011】そして、前記構造を実現する方法として、
表皮用樹脂材料による表皮のパウダースラッシュ成形時
の前記表皮用樹脂材料が未だ溶融状態にある間に、表皮
破断予定部に沿って前記表皮を構成する樹脂と同種また
は相溶性のある樹脂からなる補強体を一体に接合して該
接合部分が厚肉帯として形成された表皮を得る工程と、
前記厚肉帯が一体に形成された表皮裏面側に合成樹脂発
泡材料を注入し合成樹脂発泡層を形成する工程とを含む
ことを特徴とするエアバッグドア部を有する車室側部材
の製法を提供しようとするものである。
【0012】
【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図1はこの発明構造の一実施例を示す自動車の
インストルメントパネルの概略斜視図、図2はそのエア
バッグ装置が取り付けられた部分の断面図、図3は図2
の矢印3部分の拡大断面図、図4はこの発明構造のエア
バッグドア部が開口した状態を示す断面図である。
【0013】また、図5ないし図13はこの発明のエア
バッグドア部を有する車室側部材の製法に関するもので
あって、図5は表皮の成形に用いられるパウダースラッ
シュ成形型を示す断面図、図6は図5に示したパウダー
スラッシュ成形型の表皮成形状態を示す断面図、図7は
パウダースラッシュ成形型内の表皮用樹脂材料に補強体
を接合する状態を示す断面図、図8は図7の矢印8部分
の拡大断面図、図9は補強体が接合された状態の表皮を
示す断面図、図10は前記補強体によって厚肉帯が形成
された状態を示す断面図、図11はその矢印11部分の
拡大断面図、図12は表皮の裏面側に合成樹脂発泡材料
を注入する状態を示す断面図、図13はその発泡成形状
態を示す断面図である。
【0014】そして、図14ないし図18はこの発明の
他の例を示すものである。図14は厚肉帯と表皮一般部
との境界に溝部が形成された表皮の一例を示す要部の断
面図、図15はその成形状態を示す断面図、図16は図
14の他の例を示す断面図、図17は破断予定部の両側
に沿って外側厚肉帯と内側厚肉帯とが形成された表皮の
一例を示す断面図、図18はその他の例を示す断面図で
ある。
【0015】図1ないし図4に示したように、この発明
は、インストルメントパネルのような車室側部材10に
係り、特に合成樹脂発泡層11上面にエアバッグドア部
Dを画定する破断予定部14が形成された表皮12を一
体に有するものに係る。なお、図示したエアバッグ装置
は先の従来技術の項で説明したものと同様の構造を有
し、符号Aはエアバッグ、Iは前記エアバッグAの作動
装置、Cはエアバッグ収容部材、Oはエアバッグの展開
開口部、Tは車室側部材の開裂(予定)部、20は車室
側部材の芯材、21はエアバッグ展開開口部上方に配置
されたエアバッグドア用芯材、22,23は前記車室側
部材10にエアバッグ収容部材Cを固定する取付部材で
ある。
【0016】この発明構造は、図3の拡大断面図からよ
く理解されるように、前記車室側部材10の表皮12の
裏面側に、破断予定部14に沿って厚肉帯13が形成さ
れていることを特徴とする。
【0017】車室側部材10は所定のインストルメント
パネル形状に形成されたもので、発泡ポリウレタンなど
からなる合成樹脂発泡層11の上面が表皮12によって
覆われている。この表皮12はたとえば公知のパウダー
スラッシュ成形などによって成形され、その材質として
は一般的に軟質PVC、PVC−ウレタン共重合体また
は熱可塑性ポリオレフィンエラストマーなどが使用され
る。
【0018】前記表皮12の裏面12a側には、破断予
定部14に沿って一定幅をもって一般部よりも強度を有
する厚肉帯13が形成されている。この厚肉帯13は、
エアバッグAの膨張によってエアバッグドア部Dが内側
から押圧された際に、前記破断予定部14を容易にかつ
確実に破断させるだけでなく、表皮12の破断予定部1
4の経時的な劣化による不都合を回避するためのもの
で、前記表皮12を構成する樹脂と同種または相溶性の
ある樹脂からなる補強体18を表皮12に接合すること
によって形成し、当該表皮12の一般部分よりも厚みが
大となるように構成されている。本例において前記厚肉
帯13は、表皮12の一般部分の厚みが約0.7〜1.
3mmである場合に、約0.5〜1.0mmの補強体1
8が接合されてなり、前記厚肉帯13の厚みは、約1.
2〜2.3mm程度とされる。なお、前記厚肉帯13の
厚みや幅は、形成される車室側部材の種類や材質などに
よって適宜に決定され、前記補強体18の厚みや幅を変
えることにより容易に実施することができる。
【0019】前記補強体18は、表皮用の樹脂材料の射
出成形品または押出成形品などからなり、前記破断予定
部14の形状に合わせて形成されている。たとえば、図
1に示すような概略U字形状の破断予定部14(つまり
厚肉体13)を有する場合には、これと同様な概略U字
形状となる。また、補強体18の断面形状としては、図
示したような四角形のほか、断面半円形や三角形などが
あり、厚肉帯13の材質や形状および車室側部材の種類
などによって適宜に選択される。
【0020】この厚肉帯13を形成したことにより、当
該部分の表皮12の強度が他の一般部分に比して相対的
に大となり、エアバッグAが膨張しエアバッグドア部D
を裏面から押圧した際には、当該厚肉帯13と一般部分
との境界部分に強い応力集中を生じ、この境界部分にお
いて表皮を確実に破断させることができる。また、エア
バッグの展開時には、破断予定部の周囲の表皮に亀裂が
生じるのを防ぎ、当該破断部分の破片などが飛散するこ
とが減少される。
【0021】また、前記厚肉帯13を設けることによ
り、従来、破断予定部を表皮の薄肉部によって構成する
ことで生じていた、太陽光線や車室内の高熱による経時
的な表皮の劣化および収縮などによる表皮の亀裂などの
発生を抑えることができる。
【0022】なお、本実施例においては厚肉帯13は破
断予定部14に沿って外側に配置されているが、破断予
定部14の内側に配置してもよい。さらに、厚肉帯13
は、破断予定部14に沿って断続的に形成することもで
きる。
【0023】次に、図5ないし図13に従って、この発
明構造の車室側部材の製法について説明する。ここに提
案されるエアバッグドア部を有する車室側部材の製法
は、厚肉帯が形成された表皮を得る工程と、前記表皮裏
面側に合成樹脂発泡層を一体に形成する工程とを含む。
【0024】まず表皮の形成工程について説明すると、
図5および図6に示すように、公知のパウダースラッシ
ュ成形型40によって表皮の成形がなされる。図5に示
すように、パウダースラッシュ成形型40のバケット4
1のパウダー収容部42に軟質PVCパウダーなどの熱
可塑性合成樹脂パウダーからなる表皮用樹脂材料50が
収容される。
【0025】そして、熱媒循環パイプ55,55,…に
加熱オイル等の熱媒を供給し所定の表皮の表面形状に形
成された成形型43を加熱しながら、バケット41と前
記成形型43とをクランプして矢印aのように所定回数
回転させる。その回転により、図6に示すように、バケ
ット41内の表皮用樹脂材料50が成形型43内に移動
してその型面44に接触する。前記表皮用樹脂材料50
は前記型面44の熱により溶融し該型面44に所定厚み
で層状に付着して、表皮51が形成される。
【0026】この表皮成形時において、図7ないし図9
に示すように、型面44に接触した前記表皮用樹脂材料
が未だ溶融状態(たとえば材料温度が約190℃ないし
210℃)の層状体51aである間に、所定の破断予定
部56に沿って厚肉帯52が形成される。
【0027】この厚肉帯52は、表皮が溶融状態の層状
体51aである間に、表皮を構成する表皮用樹脂材料5
0と同種または相溶性のある樹脂からなる補強体45を
接合することによって形成される。図7および図8に示
されるように、公知の駆動機構33によって前記層状体
51aに対して前進後退可能に形成された補強体保持装
置30の先端に補強体45が保持される。そして、図9
に示されるように、前記補強体45が層状体51aの所
定位置に配置されるかあるいは所望により若干押圧され
る。その際、この補強体45は、前記したように表皮用
樹脂材料50と同種または相溶性のある樹脂からなって
いるため、加熱された成形型43の熱によって表面が軟
化溶融した状態となっている。そのため、層状体51a
上で当該層状体51aと溶着して一体に接合される。補
強体45の構成については既に述べたとおりである。な
お、補強体45の接合を確実とするため、当該補強体4
5を配置した際に表皮の裏面側(図では上側)からさら
にヒーターなどで加熱してもよい。
【0028】このような補強体45によれば、未だ溶融
状態の表皮の層状体51aに押圧することによって、前
記層状体51aに接合されるので、破断予定部56に沿
った厚肉帯52を有する表皮51を簡単かつ確実に得る
ことができる。なお、前記補強体45の厚みは、形成さ
れる厚肉帯52の厚みによって適当に決定される。ま
た、前記したようにこの補強体45は表皮用樹脂材料5
0と同種または相溶性のある樹脂よりなるので、表皮の
層状体51aへ接合するに際しては、表皮の成形温度に
よって完全に溶融することはなく、表面部分のみが軟化
溶融した状態で保持されて層状体51aに接合すること
ができる。
【0029】しかる後、図10および図11に示したよ
うに、前記成形型40を冷却して層状体51aおよび補
強体45を固化させてから、前記補強体保持装置30を
上昇させる。前記補強体45は前記表皮41の裏面に一
体に接合され厚肉帯52を形成している。
【0030】次いで、上記のようにして得られた厚肉帯
52が形成された表皮51の裏面側に合成樹脂発泡層が
一体に形成される。すなわち、図12および図13に示
したように、発泡成形型60の下型61の型面63に、
前記表皮51を前記厚肉帯52が形成されている側が内
側となるようにして配置する。一方、前記発泡成形型6
0の上型62の型面64には、車室側部材用芯材53お
よびエアバッグドア部用芯材54を適宜手段で保持して
配置する。
【0031】そして、前記下型61に配置された表皮5
1の裏面側に、注入機65よりポリウレタン原料などの
合成樹脂発泡原料66が所定量注入された後、前記上型
62を閉じて発泡成形を行なう。合成樹脂発泡原料66
は発泡硬化して表皮51裏面に一体に合成樹脂発泡層6
7を形成し、上面側(型内では下面側)にエアバッグド
ア部Dを画定する破断予定部56を備えた表皮51を有
する車室側部材68が得られる。
【0032】このように本発明の製法によれば、厚肉帯
が破断予定部の表皮裏面に一体に形成された表皮を合成
樹脂発泡層の上面に一体に有する車室側部材を簡単かつ
容易にしかも確実に得ることができる。
【0033】図14ないし図18は表皮の他の例を示し
たものである。図14および図15に示される表皮25
は、厚肉帯26と表皮の一般部26aとの一方の境界
に、当該厚肉帯26に沿って溝部27が設けられたもの
である。この溝部27は、エアバッグドア部を画定する
破断予定部の裏面を周囲に比してやや薄肉とすることに
よりその強度を弱め、エアバッグ膨張時の破断をより確
実とするためのもので、破断予定部上に設けることが望
ましい。なお、この溝部27は破断予定部に沿った連続
した形状の他、断続したミシン目形状であってもよい。
【0034】図から理解されるように、前記溝部27は
厚肉帯26の境界に設けられるので、従来構造と比して
表皮の当該部分を薄肉としなくても充分な強度差が得ら
れ、エアバッグの膨張の際の応力を溝部27に確実に集
中させることができる。すなわち、前記溝部27部分の
表皮の厚みは、表皮一般部の厚みが0.7〜1.3mm
である場合に0.4〜0.6mm程度でよい。この溝部
27は、図14に示されるように、補強体保持装置28
の先端に沿って型刃28aを設け、前記補強体29を表
皮の層状体裏面に配置する際に、前記型刃28aによっ
て層状体の所定位置を押圧することによって形成するこ
とができる。なお、前記型刃28aの長さは溝部の表皮
厚みに応じて適当に形成されるが、補強体29の厚みよ
り大とすることが好ましい。
【0035】図16は溝部を表皮の表面側に設けた例で
ある。図中の符号35は表皮、36は厚肉帯、37は溝
部である。この構造によれば、溝部が表皮の表面側に現
れるので、後の工程でエアバッグ装置などを取り付ける
際の位置合わせの目安とすることができる。
【0036】図17は破断予定部に沿って両側に厚肉帯
を設けた例である。図中の符号45は表皮、46aは内
側厚肉帯で車室側部材のエアバッグドア部D側に設けら
れている。また、46bは外側厚肉帯で破断予定部47
を介して車室側部材の一般部分側dに設けられている。
この構造によれば、破断予定部47の両側が厚肉帯46
a,46bによって補強されているので、溝前記破断予
定部47に容易に応力を集中させることができる。
【0037】図18はさらに他の例を示したもので、破
断予定部57aに沿って両側に厚肉帯を設け、しかも両
厚肉帯の間に溝部を設けた例である。符号57は表皮、
58aは内側厚肉帯、58bは外側厚肉帯、59は溝部
である。なお、本例において、溝部59は表皮57の表
面側に設けたが、裏面側であってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
エアバッグドア部を有する車室側部材の構造によれば、
表皮の裏面に破断予定部に沿って厚肉帯が設けられてい
るものであるから、経時的な表皮の劣化によって破断予
定部に亀裂が発生するのを回避することができる。
【0039】また、破断予定部に沿って厚肉帯を設ける
ことにより、表皮の他の一般部分との強度差が著しく大
きくなる。そのため、エアバッグがエアバッグドア部を
内側から押圧した場合には、薄肉部分を設けなくても、
両者の境界部分すなわち破断予定部に効果的に応力を集
中させて、当該破断予定部を確実に破断させることがで
きる。
【0040】さらに、ここに開示された発明製法によれ
ば、上の構造を有する車室側部材を簡単かつ容易にしか
も確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明構造の一実施例を示す自動車のインス
トルメントパネルの概略斜視図である。
【図2】そのエアバッグ装置が取り付けられた部分の断
面図である。
【図3】図2の矢印3部分の拡大断面図である。
【図4】この発明構造のエアバッグドア部が開口した状
態を示す断面図である。
【図5】この発明のエアバッグドア部を有する車室側部
材の製法に関するものであって、表皮の成形に用いられ
るパウダースラッシュ成形型を示す断面図である。
【図6】図5に示したパウダースラッシュ成形型の表皮
成形状態を示す断面図である。
【図7】パウダースラッシュ成形型内の表皮用樹脂材料
に補強体を接合する状態を示す断面図である。
【図8】図7の矢印8部分の拡大断面図である。
【図9】補強体が接合された状態を示す断面図である。
【図10】前記補強体によって厚肉帯が形成された状態
を示す断面図である。
【図11】その矢印11部分の拡大断面図である。
【図12】表皮の裏面側に合成樹脂発泡材料を注入する
状態を示す断面図である。
【図13】その発泡成形状態を示す断面図である。
【図14】この発明の他の例を示すもので、厚肉帯と表
皮一般部との境界に溝部が形成された表皮の一例を示す
要部の断面図である。
【図15】その成形状態を示す断面図である。
【図16】図14の他の例を示す断面図である。
【図17】破断予定部の両側に沿って外側厚肉帯と内側
厚肉帯とが形成された表皮の一例を示す断面図である。
【図18】その他の例を示す断面図である。
【図19】一般的なエアバッグドア部を有する車室側部
材の断面図である。
【図20】その要部の拡大断面図である。
【図21】図19に示した車室側部材のエアバッグドア
部が展開した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 車室側部材 11 合成樹脂発泡層 12 表皮 13 厚肉帯 14 破断予定部 18 補強体 D エアバッグドア部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡層上面にエアバッグドア部
    を画定する破断予定部が形成された表皮を一体に有する
    車室側部材において、 前記表皮の裏面側には前記破断予定部に沿って前記表皮
    を構成する樹脂と同種または相溶性のある樹脂からなる
    補強体が一体に接合された厚肉帯が形成されていること
    を特徴とするエアバッグドア部を有する車室側部材の構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記厚肉帯と表皮一
    般部との境界に溝部が形成されたエアバッグドア部を有
    する車室側部材の構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記表皮の裏面側に
    前記破断予定部の両側に沿って外側厚肉帯と内側厚肉帯
    とが形成されたエアバッグドア部を有する車室側部材の
    構造。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記外側厚肉帯と内
    側厚肉帯との間に溝部が形成されたエアバッグドア部を
    有する車室側部材の構造。
  5. 【請求項5】 表皮用樹脂材料による表皮のパウダース
    ラッシュ成形時の前記表皮用樹脂材料が未だ溶融状態に
    ある間に、表皮破断予定部に沿って前記表皮を構成する
    樹脂と同種または相溶性のある樹脂からなる補強体を一
    体に接合して該接合部分が厚肉帯として形成された表皮
    を得る工程と、 前記厚肉帯が一体に形成された表皮裏面側に合成樹脂発
    泡材料を注入し合成樹脂発泡層を形成する工程とを含む
    ことを特徴とするエアバッグドア部を有する車室側部材
    の製法。
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