JPH08267905A - インクジェット記録用シート及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用シート及びその製造方法

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JPH08267905A
JPH08267905A JP7076800A JP7680095A JPH08267905A JP H08267905 A JPH08267905 A JP H08267905A JP 7076800 A JP7076800 A JP 7076800A JP 7680095 A JP7680095 A JP 7680095A JP H08267905 A JPH08267905 A JP H08267905A
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JP
Japan
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electron beam
recording sheet
ink
layer
inner layer
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JP7076800A
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English (en)
Inventor
Koichi Yasui
広一 保井
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インク吸収性、乾燥性が良く、滲みやべとつき
が無く、良好な画像が得らるインクジェット記録用シー
ト及びその製造方法を提供すること。 【構成】支持体上に、ポリビニルピロリドンと水性電子
線硬化型化合物を主成分とする電子線硬化した内層とポ
リアルキレンオキシド系水溶性高分子及び必要に応じて
水性電子線硬化型化合物を含む電子線硬化した外層を有
するインクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用シ
ート及びその製造方法に関するものであり、特にフルカ
ラーのインクジェット記録用シートに好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴を飛翔させ、記録媒体に付着させ、記録を行うも
のであり、記録パターンの融通性が大きく、多色化が容
易であり、装置のコストも安価であることから、ハード
コピー装置として急速に普及してきている。
【0003】一方、光透過性記録媒体は、OHP用とし
て会議、学会、説明会、講演等に広く利用されており、
その他に看板、ショウウィンドウ用等の記録媒体として
の需要も増えている。そして、従来の光透過性記録媒体
としては、主に電子複写方式(PPC)が用いられてき
たが、カラー化の要請が増えるにつれ、最近ではインク
ジェット記録方式が注目されるようになっている。
【0004】このインクジェット記録方式では、通常、
バインダー、染料、溶媒、添加剤等を水に溶解したイン
クが使用されるため、記録用シートは、適度の吸水性を
備える必要があり、一般に水溶性高分子や吸水性顔料を
主成分とする記録層を設けた紙やポリエチレンテレフタ
レ−ト等のプラスチックフィルムが用いられている。例
えば、特開昭59−174381号公報、60−132
785号公報、60−145879号公報、60−22
4578号公報、61−32788号公報には、プラス
チックフィルムに適度のインク吸収性を持たせるため
に、フィルム上に澱粉、水溶性セルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高
分子による記録層を設けることが提案されている。しか
し、この方法では、インクの吸収性はある程度改良され
るが、依然としてインクの吸収が遅いため、インクが滲
みやすく、乾燥性も不充分なため印字面のべとつきが長
期間残り、取り扱い難いと言った問題がある。更に記録
層の耐水性が不充分なため、高湿下でべとついたり、水
滴や汗の付着で記録画像が滲んでしまうといった問題が
残されている。
【0005】ここで、インク吸収性とは、記録装置より
吐出したインク液滴を記録層の深さ方向への取り込み度
合いを意味し、本性能が劣ると画像形成時あるいは経時
によりインクの滲みといった問題を生じる。また、イン
ク乾燥性とは、記録装置により印字された部分の乾燥度
合いを意味し、本性能が劣ると印字表面のべとつき等が
生じる。上記性能は、インクジェット記録方式を用いて
記録する上で必要とされる重要な特性であり、その他、
画質、耐水性等も重要特性として挙げられる。
【0006】画質においては、記録装置より吐出したイ
ンク液滴に対し、適度な拡散性と均一性が同時に要求さ
れ、形成されるインクドットが真円に近い形状を有する
ことが望ましい。これを以後「一様なドット拡散性」と
言う。この性質により、べた部において、滲みやムラの
ない均一性の高い画像が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題が無く、インキ吸収性、乾燥性が良く、滲みやべと
つきが無く、良好な画質が得られるインクジェット記録
用シートを提供するものである。さらに、その製造方法
を改善して記録層及び印字部の透明性に優れてた特にO
HP用等の光透過性記録媒体として好適なインクジェッ
ト記録用シートを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用シ−トは支持体上に、ポリビニルピロリドンと水
性電子線硬化型化合物を主成分とする電子線硬化した内
層とポリアルキレンオキシド系水溶性高分子及び必要に
応じて水性電子線硬化型化合物を含む電子線硬化した外
層を有する。
【0009】支持体が透明であると光透過性記録媒体と
して好適になる。本発明のインクジェット記録用シ−ト
の製造方法は、支持体上に、ポリビニルピロリドンと水
性電子線硬化型化合物を主成分とする内層を設け、この
上に、ポリアルキレンオキシド系水溶性高分子及び必要
に応じて水性電子線硬化型化合物を含む水系の外層塗被
組成物を塗被後、外層を乾燥させずに電子線を照射し、
しかる後に乾燥することを特徴とする。
【0010】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。本発明
者等は、フルカラ−用インクジェット記録シ−トに適し
た材料を色々と探索した結果、ポリアルキレンオキシド
系の水溶性高分子が、インク吸収性がやや劣りはするも
のの、一様なドット拡散性に優れ、且つインク乾燥性に
優れるため、べとつきが無く、取扱が容易な優れた材料
であることを見出した。
【0011】しかし、問題点として、このポリアルキレ
ンオキシド系水溶性高分子を主成分とする一層から成る
インク受理層では、インク定着性及び耐水性等が不十分
であることが分かった。この場合の記録シ−トを、以後
簡単に記録シ−トAと呼ぶ。
【0012】ここで、インク定着性とは、記録後の画像
の保存安定性を意味し、インクジェット記録方式の重要
な特性の一つである。前記記録シ−トAでは、ポリビニ
ルピロリドンを用いたものと比較するとインク定着性が
かなり劣り、記録後数日間室温で放置しただけで記録画
像の滲みを生じることから、実際の使用には耐えられな
いことが判明した。
【0013】そこで、以下に示す過程により上記問題点
の改良を試みた。まず、インキ定着性の改善について、
インキ定着性の良好なポリビニルピロリドンを主成分と
する層を内層とし、ポリアルキレンオキシド系水溶性高
分子よりなる組成物を外層にした2層タイプについて試
行を行った。この場合を以後簡単に記録シ−トBと呼
ぶ。その結果、インキ定着性が改善された。
【0014】しかし、この記録シ−トBでは、耐水性な
どの問題点については、未解決であった。そこで、耐水
性の改良を期待して、前記記録シ−トBの内層に水性電
子線硬化型化合物を加え電子線照射を試みた。その結
果、この記録シ−トは、耐水性について、十分な改良効
果が認められた。更に、この記録シ−トでは耐水性だけ
ではなく、一様なドット拡散性に優れ、インキ吸収性、
乾燥性とも上記記録シ−トBあるいはそれ以前に検討し
てきたものを飛躍的に向上させるものであることが分か
った。
【0015】この記録シ−トの製造方法として、我々は
支持体上に内層組成物を設けた後、更にその上に水性系
の外層組成物を塗抹し、乾燥後、電子線を照射するとい
う、極めて一般的な手順をとっていた。このようにして
得られた記録シートを、以後簡単に記録シ−トCと呼
ぶ。ところが、この記録シートCでは、印字部が若干不
透明となり、OHP適性の点では最良とはいえないもの
になることが分かった。
【0016】尚、ここで、OHP適性が良好であると
は、インクジェット記録シ−トを印字後、OHPにより
スクリ−ン上に投影された画像が、鮮明かつ良好な色調
を有することを言う。これは、記録シ−トの未印字部及
び印字部の透明性が関与し、例えば印字部の透明性が悪
い場合、OHP投影時の画像は色調の異なった不鮮明な
ものとなる。
【0017】そこで、この点を改善するために種々の試
行を発明者等は繰り返した。その結果、前記記録シ−ト
の製造方法として、内層上に水性系の外層組成物を塗抹
後、乾燥させないで、速やかに電子線を照射し、しかる
後に乾燥することにより、OHP適性の非常に優れたも
のが得られることが分かった。この場合を以後簡単に記
録シ−トDと呼ぶ。
【0018】ここで、前期記録シ−トCとDでは、耐水
性などOHP適性以外のインクジェット記録特性におい
てはほとんど差が見られないことから、水が架橋度の向
上に作用しているとは考えられない。また、記録シ−ト
Aに水性電子線硬化型化合物を加え電子線を照射したも
のは、水の有無に係わらずOHP適性が良好であること
から、水が単に上層のみに作用するものではなく、両層
間に影響を及ぼすものと考えられる。
【0019】また、前記記録シ−トD及びEの印字部表
面を光学顕微鏡にて観察したところ、記録シ−トCでは
印字部表面にひび割れが観察され、これにより記録層を
透過しようとする光が乱反射されるため、OHP適性が
低下するものと推定さた。一方、記録シ−トDでは、記
録シ−トCのような印字部表面のひび割れはほとんど観
察されず、印字部の透明性が高くOHP適性の非常に良
好なものであることが分かった。
【0020】さらに、記録シ−トC及びDの印字部の断
面を光学顕微鏡にて観察したところ、外層及び内層の両
方においてインキ中の染料が定着していることが判っ
た。以上のことから、本発明のインクジェット記録用シ
ートが、優れたインクジェット記録特性を有する理由
は、必ずしも明らかでなく推定の域を出ないが、インク
ジェト記録装置より吐出されたインク液滴に対し、外層
においては一様なドット拡散性を有する画像を形成しな
がら、外層及び内層の相乗効果により速やかにインクを
吸収し、さらに外層ではインキ中の染料を保持し、内層
ではインキ中の溶媒及び外層で吸収しきれなかったイン
キ中の染料を吸収・保持するものと考えられる。また、
電子線の照射により内層と外層間界面において架橋構造
が形成されるため記録層全体において耐水性が向上する
が、電子線照射時に存在する水により、適度な架橋バラ
ンスが形成されるため、OHP適性が損なわれないもの
と思われる。
【0021】以下、本発明について、さらに詳細に説明
する。本発明で用いられる支持体は特に限定するもので
はないが、OHP用等の光透過性記録媒体として用いる
場合、透明性が優れ且つ可とう性のプラスチックフィル
ムが使用され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、トリ
アセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げら
れる。また紙や合成紙、白色フィルム等の不透明性基材
も使用することができ、この場合、本発明による記録層
は本質的に透明であるため、光沢に優れ、記録画像の濃
度と鮮明さに優れたインクジェット記録用シートを得る
ことができる。尚、紙としては上質紙、中質紙、コート
紙、アート紙、キャストコート紙、中性紙等が挙げられ
る。
【0022】本発明の記録シ−トは、上記支持体上に、
記載の内層及び外層を順次塗布し記録層を形成する。ま
ず、外層用組成物としては、ポリアルキレンオキシド系
水溶性高分子を必須成分として配合する。上記ポリアル
キレンオキシド系水溶性高分子としては、特に限定され
るものではないが、重量平均分子量1万以上の水溶性化
合物が好ましく、例えばポリエチレンオキシド、ポリプ
ロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキ
シド共重合体等があり、更にはポリアルキレンオキシド
化合物と多価カルボン酸、その無水物若しくはその低級
アルキルエステルとを又はジイソシアネ−トとを反応さ
せて得られる化合物等も挙げられる。
【0023】前記ポリアルキレンオキシド化合物と反応
させる多価カルボン酸としては、例えばフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、またはそのジメ
チルエステルまたはジエチルエステル等、またはピロメ
リット酸無水物や他の無水テトラカルボン酸類等が挙げ
られる。また、ジイソシアネ−トとしては、トリレンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イ
ソホロンジイソシアネ−ト等の通常のジイソシアネ−ト
はすべて使用できる。
【0024】また、外層組成物として、水性電子線硬化
型化合物を適当量配合すると、記録層の耐水性が向上す
るため好ましい。水溶性又は水分散性電子線硬化型化合
物である水性電子線硬化型化合物とは、分子内に(メ
タ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニ
ル基等の電子線硬化性基を含有するモノマーやオリゴマ
ーのことであり、且つ(a)分子内に水酸基、カルボキ
シル基(及びその金属塩)、アミド基、スルホン基、ア
ンモニウム塩基、リン酸塩基、ポリエチレングリコ−ル
基等の親水性基を有し、それ自体が水溶性或いは水分散
性(自己乳化型エマルジョン)であるもの、あるいは
(b)それ自体は水溶性或いは水分散性でなく、界面活
性剤を添加し強攪拌し水分散性としたもの(強制乳化型
エマルジョン)である。ここで、(a)のタイプのもの
を用いた方が、透明な記録層が得られ易く、耐水化の効
果が高く、更に塗布液の安定性にも優れる傾向があるた
め好ましい。
【0025】(a)のタイプとしては、例えばポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリルアミド、ポリエチレング
リコールジグリシジルジ(メタ)アクリレート、グリセ
リンポリ(メタ)アクリレート、自己乳化型アクリレー
トエマルジョン、自己乳化型ポリエステルアクリレート
エマルジョン等が挙げられる。
【0026】(b)のタイプとしては、(a)以外の電
子線硬化型化合物、例えば1,6−ヘキサンジオ−ルジ
アクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、
ポリプロピレングリコ−ルジアクリレ−ト、トリメチロ
−ルプロパントリアクリレ−ト、ポリエステルアクリレ
−ト、ウレタンアクリレ−ト等に界面活性剤を添加し強
攪拌し水分散体としたものが挙げられる。
【0027】尚、上記の水性電子線硬化型化合物は、2
種類以上を併用することももちろん可能である。
【0028】外層で用いられる水性電子線硬化型化合物
の配合量は、その種類によっても異なってくるが、ポリ
アルキレンオキシド系水溶性高分子100重量部に対し
100重量部以下が好ましく、100重量部より多いと
インク吸収性が低下しやすくなる。
【0029】次に、 内層組成物としては、ポリビニル
ピロリドン(以下PVPと称す)と水性電子線硬化型化
合物を必須成分とする。PVPは、一般に市販されてい
るものが使用でき、特に限定するものではないが、分子
量が小さすぎると、電子線を照射しても耐水性向上の効
果は少なく、分子量が大きすぎると、品質上は特に問題
はないが、水に溶解しにくく溶解後も高粘度となり取扱
が困難になるため、平均分子量としては10万〜100
万程度が好ましい。
【0030】また、PVPにポリビニルアルコール(以
下PVAと称す)を適当量配合すると、インクの吸収性
や、記録層の耐水性が向上するため好ましい。PVA
は、一般に市販されている完全けん化或いは部分けん化
のものが使用できる。重合度としては、100〜300
0程度が好ましく、重合度が小さすぎると耐水性が劣り
易くなり、重合度が大きすぎる場合は品質上特に問題は
ないが、水に溶解しにくくなり、また上記PVPとの相
溶性が劣り易くなる。
【0031】PVAを配合する場合、上記したPVP3
0〜95重量部に対し、PVA70〜5重量部、好まし
くはPVP60〜90重量部に対し、PVA40〜10
重量部である。ここで、PVAが5重量部より少ない
と、記録層の耐水性及びインク吸収性向上の効果が少な
くなる。また、70重量部より多くても、記録層の耐水
性、インクの吸収性が低下する恐れがある。
【0032】次に、内層組成物である水性電子線硬化型
化合物は、外層のものと必ずしも同じものである必要は
なく、2種類以上を併用することも可能である。水性電
子線硬化型化合物の配合量は、その種類によっても異な
ってくるが、PVP或いはPVPとPVAの合計100
重量部に対し0.1〜100重量部程度が好ましく、さ
らに好ましくは、0.5〜50重量部程度である。ここ
で0.1重量部より少ないと耐水化の効果が発揮されに
くく、100重量部より多いとインク吸収性が低下しや
すくなる。
【0033】尚、本発明では、電子線の照射によりはじ
めて所望の効果が得られるものであり、紫外線等の照射
では充分な架橋構造が形成されず、満足できる性能のイ
ンクジェット用記録シートは得られない。
【0034】本発明における、内層を形成する塗布組成
物には、上述したPVP、PVA以外の水溶性高分子、
例えば、デンプン、デンプン誘導体、水溶性セルロース
誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、
ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、カゼイ
ン、ゼラチン等を加えることができる。その他カチオン
性ポリマー等を配合し、インクの乾燥性、耐水性、定着
性を更に向上させることもできる。
【0035】さらに、本記録用シート表面のべたつきや
ブロッキングを防止したり、インクのにじみを調整した
りする目的で、内層若しくは外層に、或いは両層に各種
の無機や有機の顔料、例えば、シリカ、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミ、合成ゼオライト、
アルミナ、酸化亜鉛等、さらにセルロース粉末、でんぷ
ん粉末、ポリエチレン微粒子、ポリスチレン微粒子、ポ
リアクリレ−ト微粒子、シリコ−ン樹脂粒子等の微粉末
を添加することもできる。また、界面活性剤、分散剤、
消泡剤、潤滑剤、染料、蛍光染料、防腐剤、紫外線吸収
剤等の各種添加剤を加えることもできる。
【0036】上記記録層組成物は水性系であり、基材上
に、公知の塗布手段例えば、バーコーティング法、ブレ
ードコーティング法、エアーナイフコーティング法、グ
ラビアコーティング法、カ−テンコ−ティング法、ロ−
ルコ−ティング法等により塗布される。内層の塗布量
は、乾燥後重量として1〜50g/m2 程度が好まし
く、さらに好ましくは3〜20g/m2 程度である。こ
の時一度のコ−ティングで所望の塗布量がえられない場
合は、数回のコ−ティングを繰り返して、この内層を多
層に構成することも良い。ここで1g/m2 より少ない
とインクの吸収が不十分となり易く、50g/m2 より
多いと発色が薄くなったり、カールが発生しやすくな
る。
【0037】また、外層の塗布量は、乾燥後重量として
0.1〜10g/m2 が好ましく、より好ましくは0.
5〜5g/m2 程度である。ここで0.1g/m2 より
少ないとインクの拡散が不十分となり画質向上の効果が
得られ難くなり、またインク乾燥性向上の効果が得られ
難くなる。また10g/m2 より多いと発色が薄くなっ
たり滲みを生じる恐れがある。
【0038】尚、記録層は吸湿性があるため、湿度変化
により、記録シートがカールする場合があり、特に記録
層内層のコート量が多い場合、その傾向が大きい。この
現象は、内層のポリビニルピロリドンに起因すると考え
られる。このためカールを改良するためには、裏面にポ
リビニルピロリドンを含有する層を設けると効果的であ
る。
【0039】本発明においては、次いで塗布層に電子線
が照射されるが、その際内層を形成したのち電子線を照
射し、しかる後内層上に外層を形成し更に電子線を照射
しても良いが、内層上に外層を塗工したのち、電子線を
一度に照射した方が効率が良い。またこの時、内層上に
水性系の外層組成物を塗布した後は、乾燥を行わずに水
を含んだ状態で直ちに電子線照射を行い、しかる後ちに
乾燥を行う。
【0040】ここで、外層塗布後は水を含んだ状態で電
子線照射を行うことが重要であり、乾燥状態で電子線照
射を行う場合に較べ、印字部の透明性が優れ、OHP適
性の優れたものになる。この際、水の含有率としては、
20〜99%であることが好ましく、より好ましくは4
0〜98%である。ここで、水の含有率が20%より低
いと所望の効果が得られず、99%より高いと乾燥に多
大のエネルギ−を必要とし、経済的には不利になるばか
りか、塗膜の強度及び耐水性等も低下してしまう。
【0041】電子線の照射量は、吸収線量で5〜500
kGy、より好ましくは10〜200kGy程度の範囲
が望ましい。因に5kGy未満では充分な架橋効果が得
られず、耐水性、インク吸収性が不十分となり易く、5
00kGyを越えるような過度の電子線照射は、効果が
飽和となるばかりか、支持体の種類によっては強度の低
下を引き起す恐れもある。さらに電子線を照射する際の
加速電圧は、100〜300kV程度が適当である。
【0042】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の部および%は、特にことわらない限りそれぞ
れ重量%および重量部を示す。
【0043】実施例1、3〜9 支持体として、100μmの厚さの易接着処理したポリ
エチレンテレフタレートフィルム(商品名;A730
0、東洋紡製)を用い、この上に、表3に示した内層組
成と外層組成(表2及び表3参照)に従って、内層、外
層を形成した。表1に記した配合の内層用水性系塗布組
成物(塗料濃度は10%とした)を、バーコーティング
により乾燥重量が8g/m2 となるように塗抹し、80
℃で3分間乾燥した。さらに上記内層の上に、表2に記
した配合の外層用水性系塗布組成物(塗料濃度は5%と
した)を、バーコーティングにより乾燥重量が1g/m
2 となるように塗抹した。
【0044】この後、内層及び外層からなる記録層上
に、外層が乾燥する前、具体的には塗布後数十秒以内に
電子線照射装置(CB−150、ESI社製)を用い
て、165kV50kGyの条件で照射を行い、その後
60℃で2分間乾燥し、インクジェット記録用シートを
得た。
【0045】実施例2 表2に記した配合の外層用水性系塗布組成物の塗料濃度
を60%とした他は実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを得た。
【0046】実施例10 支持体として、100μmの厚さの易接着処理したポリ
エチレンテレフタレートフィルム(商品名;A730
0、東洋紡製)を用い、この上に、表1に記した配合の
内層用水性系塗布組成物(塗料濃度は10%とした)
を、バーコーティングにより乾燥重量が8g/m2 とな
るように塗抹し、80℃で3分間乾燥した。さらに上記
内層の上に、表2に記した配合の外層用水性系塗布組成
物(塗料濃度は5%とした)を、バーコーティングによ
り乾燥重量が1g/m2 となるように塗抹し、60℃で
2分間乾燥した。
【0047】この後、内層及び外層からなる記録層上
に、電子線照射装置(CB−150、ESI社製)を用
いて、165kV50kGyの条件で照射を行いインク
ジェット記録用シートを得た。
【0048】比較例1 記録層として表1に記した配合の内層のみを形成した以
外は実施例1と同様の方法で、インクジェット記録用シ
ートを得た。
【0049】比較例2 支持体として、100μmの厚さの易接着処理したポリ
エチレンテレフタレートフィルム(商品名;A730
0、東洋紡製)を用い、この上に、表2に記した配合の
外層用水性系塗布組成物(塗料濃度は10%とした)
を、バーコーティングにより乾燥重量が8g/m2 とな
るように塗抹し、80℃で3分間乾燥した。
【0050】この後、前記記録層上に、電子線照射装置
(CB−150、ESI社製)を用いて、165kV5
0kGyの条件で照射を行いインクジェット記録用シー
トを得た。
【0051】比較例3 上記実施例1において、電子線照射を行わなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】〔表中の記号の説明〕 K-90 ;ポリビニルピロリドン(商品名;ルビスコー
ルK-90、BASF製) PVA105 ;ポリビニルアルコール(商品名;PVA105、ク
ラレ製) UE7250 ;ポリウレタンアクリレ−トエマルジョン(商
品名;UE-7250 、東亜合成製) PE600 ;ポリエチレングリコールジアクリレート(商
品名;ニューフロンティアPE600 、第一工業製薬製) BR160 ;アクリルアミドエ−テル系モノマ−( 商品
名;BR160 、マテリアルサイエンス製) 400EA ;ポリエチレングリコールジグリシジルジアク
リレート(商品名;エポキシエステル400EA 、共栄社化
学製) SR-1001 ;カチオンポリマー( 商品名;スミレッツレジ
ンSR-1001 、住友化学製) パオゲンEP-15;ポリアルキレンオキシド化合物を主成分
とした共重合体(商品名;パオゲンEP-15 、第一工業製
薬製) PEO-1 ;ポリエチレンオキサイド( 商品名;PEO-1 、
住友精化) ST-0 ;コロイダルシリカ( 商品名;スノ−テックス
O、日産化学工業製)
【0055】以上の様にして得られた13種類のインク
ジェット用記録シートについて、以下の項目の評価を行
った。尚、印字はキャノン製インクジェットプリンター
(BJC600J)を使用し、ブラック、イエロー、シ
アン、マゼンタの4色のインクにより記録画像を形成さ
せた。評価結果を表3にまとめて示す。
【0056】
【表3】
【0057】〔画質〕記録画像の鮮明さを目視により評
価した。 ○ :にじみやむらがなく均一性の高い鮮明な画像であ
る。 △ :にじみやむらがやや目立ち、実用上やや問題とな
るレベルである。 × :にじみやむらが著しい。 〔インク乾燥性〕印字後、記録物を室温で放置し、記録
部に指で触れてもインクが付着しなくなるまでの時間
(乾燥時間)を測定した。 ◎ :印字後1分以内で乾燥した。 ○ :印字後2分以内で乾燥した。 △ :印字後5〜30分で乾燥した。 × :印字後1時間後も乾燥しない。
【0058】〔耐水性〕記録層上にスポイドで水をたら
し、直ぐにガーゼで軽く拭き取った。 ◎ :塗膜に殆ど損傷が無い。 ○ :塗膜に僅かに損傷があるが、実用上問題の無いレ
ベルである。 ○’:塗膜に僅かに損傷があり、実用上やや問題となる
レベルである。 △ :塗膜が一部溶解した。 × :塗膜が溶解し殆どとれた。 〔インキ定着性〕 ○ :印字後、室温、7日間放置でにじみ等の画像変化
が目視により観察されなかった。 × :印字後、室温、7日間放置でにじみ等の画像変化
が目視により観察された 〔OHP適性〕OHP投影時にスクリ−ン上に映し出さ
れた記録画像を目視により評価した。 ◎ :彩度の非常に優れた鮮明な画像である。 ○ :彩度の良好な鮮明な画像である。 △ :彩度がやや低くOHP用としては実用上若干問題
となるレベルである。 × :彩度が低い。
【0059】〔評価〕ここで、上記実施例及び比較例の
評価結果について簡単に説明する。実施例1〜9は、記
録シ−トDに相当し、OHP適性が非常に優れていた。
また、実施例7においては上層にコロイダルシリカを配
合することにより更にOHP適性の優れたものとなっ
た。
【0060】実施例8、9においては、内層にカチオン
ポリマ−を配合しており、これによりインク乾燥性及び
耐水性が他の実施例よりも更に向上している。実施例1
0は、記録シ−トCに相当し、比較例3に比べて耐水性
が向上し、画質、インク乾燥性、インク定着性について
も著しい向上が見られたが、OHP適性が若干劣る。
【0061】比較例1は、記録層として内層のみを用い
たものであり、耐水性、インク定着性及びOHP適性は
良好であるが、インク乾燥性に劣り印字表面のべたつき
等が観られる。また、一様なドット拡散性に劣り、べた
部においてムラを生じる。比較例2は、インク乾燥性は
前記比較例1より優れているが、耐水性、インキ定着性
に劣る。OHP適性は良好である。
【0062】比較例3は、記録シ−トBに相当し、比較
例2に比べインク定着性が向上した。しかし、耐水性が
不十分である。
【0063】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、いずれも画質、インク吸収性・乾燥性・定着性、耐
水性に優れるものであった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、ポリビニルピロリドンと水性
    電子線硬化型化合物を主成分とする電子線硬化した内層
    とポリアルキレンオキシド系水溶性高分子及び必要に応
    じて水性電子線硬化型化合物を含む電子線硬化した外層
    を有するインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】前記支持体が透明である請求項1記載のイ
    ンクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】支持体上に、ポリビニルピロリドンと水性
    電子線硬化型化合物を主成分とする内層を設け、この上
    に、ポリアルキレンオキシド系水溶性高分子及び必要に
    応じて水性電子線硬化型化合物を含む水系の外層塗被組
    成物を塗被後、外層を乾燥させずに電子線を照射する請
    求項1又は2記載のインクジェット記録用シートの製造
    方法。
JP7076800A 1995-03-31 1995-03-31 インクジェット記録用シート及びその製造方法 Pending JPH08267905A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6562441B1 (en) 1999-11-19 2003-05-13 Oji Paper Co., Ltd. Ink jet recording medium
US6800342B2 (en) 2002-02-06 2004-10-05 Eastman Kodak Company Ink recording element containing a laminate adhesion promoting inner layer

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