JPH08267476A - 樹脂製表皮材及びその製造方法並びに樹脂製表皮材を用いた自動車用ドアトリム - Google Patents

樹脂製表皮材及びその製造方法並びに樹脂製表皮材を用いた自動車用ドアトリム

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JPH08267476A
JPH08267476A JP7746695A JP7746695A JPH08267476A JP H08267476 A JPH08267476 A JP H08267476A JP 7746695 A JP7746695 A JP 7746695A JP 7746695 A JP7746695 A JP 7746695A JP H08267476 A JPH08267476 A JP H08267476A
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color powder
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Shingo Niimi
慎悟 新見
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Daikyo Nishikawa Corp
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Nishikawa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常のパウダースラッシュ成形法によって設
備費用の高騰を招くことなく短時間に布調、木目調等の
装飾模様を表皮材に施す。 【構成】 樹脂製表皮材3をスラッシュ成形された表側
及び裏側表皮5,7で構成する。表側表皮5を第1表皮
5aと第2表皮5bとを互いに隣接させて構成する。裏
側表皮7を発泡層で構成する。第2表皮5bの原料とし
て混色パウダー樹脂を用い、混色パウダー樹脂の溶融時
における流動により布調、木目調等の装飾模様を施す。
この表皮材3を硬質発泡樹脂製基材1に被着して自動車
用ドアトリムAを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パウダースラッシュ成
形法により成形される樹脂製表皮材及びその製造方法並
びに樹脂製表皮材を用いた自動車用ドアトリムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の内装品としてのドアト
リムは、見栄えを良くする観点から表皮材を基材の表面
に被着して構成されている。この表皮材として、アーム
レスト部の上方部分を布地に、その周りを合成樹脂地に
して部分的に材質を異ならせることによりさらに見栄え
を良くすることも行われている。
【0003】そのやり方として、合成樹脂地の布地貼り
合わせ部以外をマスキング治具でマスキングした状態で
上記布地貼り合わせ部に接着剤を塗布した後、該接着剤
塗布部に布地を重ね合わせて貼り合わせるやり方がある
が、このやり方では、合成樹脂地の布地との重ね合わせ
部が無駄になるとともに、マスキング治具が必要で設備
費用が高騰し、さらには、接着剤塗布工程やマスキング
工程が必要で製作に時間が掛かるという問題がある。
【0004】また、基材上に合成樹脂地をセットした状
態で、布地貼り合わせ部を取り囲むように基材に形成し
た溝に木目込み治具を用いて布地外周を木目込むやり方
もあるが、このやり方も上記の場合と同様に、合成樹脂
地の布地との重ね合わせ部が無駄になるとともに、木目
込み治具が必要で設備費用が高騰する。
【0005】そこで、特開平2−32820号公報に開
示されているように、成形型の成形面に布地をセットし
た状態で該布地をプレス治具で上方から覆い、布地の外
周を上記プレス治具で押さえ込んだ後、その周りの成形
面に樹脂原料を塗布して合成樹脂地を成形することによ
り、布地と合成樹脂地とが重なり合うことなく一体とな
った表皮材を製造する方法を本願出願人は既に出願して
いる。
【0006】また、本願出願人は、別の製造方法とし
て、特公平5−62568号公報に開示されているよう
に、パウダースラッシュ成形法により表皮材を製造する
方法も既に出願している。この製造方法は、原料供給ボ
ックスの内部を仕切板により2つの樹脂収容室に分割し
て各々の樹脂収容室に色の異なるパウダー樹脂を収容
し、所定温度に加熱されたスラッシュ成形型を上記原料
供給ボックスにセットした状態で、該原料供給ボックス
を上下方向に反転させて上記色の異なるパウダー樹脂を
上記スラッシュ成形型の成形面に供給して該パウダー樹
脂を型温により溶融させた後、上記スラッシュ成形型を
冷却して溶融状態のパウダー樹脂を固化させることによ
り表皮材を得るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の本願
出願人の2つの出願例は共に、重ね合わせ部がなくその
分だけ材料の無駄をなくすことができるものの、前者の
場合にあっては、プレス治具が必要で依然として設備費
用の高騰は避けられず、また、布地のセット工程、プレ
ス治具によるプレス工程及び樹脂原料の塗布工程等が必
要で製作に時間が掛かるという点も解決されていない。
【0008】一方、後者の場合にあっては、原料供給ボ
ックスの内部を仕切板で仕切るだけでそれ以外に特別な
治具がいらず、設備費用の高騰を避けることができると
ともに、製造工程も通常のパウダースラッシュ成形法と
変わらず、製作に長時間を要しないが、得られた表皮材
は色が部分的に異なるだけで合成樹脂地の域を脱せず、
前者の場合の布地に比べて見劣りすることは否めない。
樹脂製表皮材に布調、木目調等の模様を施すことができ
れば本物に近づけることができて好ましい。
【0009】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記の後者の如くパウ
ダースラッシュ成形法により表皮材を成形することと
し、この場合、パウダー樹脂とスラッシュ成形型の姿勢
とを工夫することにより、別途に治具を用いることなく
通常のパウダースラッシュ成形法で上記パウダー樹脂の
流動によって布調、木目調等の装飾模様を表皮材に施
し、設備費用の高騰を回避するとともに製作時間の短縮
化を図らんとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、樹脂製表皮材及びその製造方法並びに樹
脂製表皮材を用いた自動車用ドアトリムを対象とし、次
のような解決手段を講じた。
【0011】すなわち、本発明の第1〜3の解決手段
は、樹脂製表皮材に関するものであり、本発明の第1の
解決手段は、樹脂製表皮材を色の異なるパウダー樹脂を
混合してなる混色パウダー樹脂を原料としてパウダース
ラッシュ成形法により成形し、該混色パウダー樹脂の溶
融時における流動により布調、木目調等の装飾模様を施
したことを特徴とする。
【0012】本発明の第2の解決手段は、樹脂製表皮材
を第1表皮と第2表皮とを互いに隣接させて構成する。
そして、該第1及び第2表皮の少なくとも一方を色の異
なるパウダー樹脂を混合してなる混色パウダー樹脂を原
料としてパウダースラッシュ成形法により成形し、該混
色パウダー樹脂の溶融時における流動により布調、木目
調等の装飾模様を施したことを特徴とする。
【0013】本発明の第3の解決手段は、第1又は第2
の解決手段において、裏面に発泡層を被着したことを特
徴とする。
【0014】本発明の第4〜6の解決手段は、樹脂製表
皮材の製造方法に関するものであり、本発明の第4の解
決手段は、まず、所定温度に加熱されたスラッシュ成形
型を色の異なるパウダー樹脂を混合してなる混色パウダ
ー樹脂が収容された原料供給ボックスにセットし、該原
料供給ボックスの反転動作により上記スラッシュ成形型
の成形面に混色パウダー樹脂を供給して該混色パウダー
樹脂を型温により溶融させる。次いで、この混色パウダ
ー樹脂の溶融状態で上記スラッシュ成形型をその成形面
がほぼ鉛直になるように姿勢変更して上記溶融状態の混
色パウダー樹脂を流動させ、この混色パウダー樹脂の流
動により布調、木目調等の装飾模様を施す。その後、上
記スラッシュ成形型を冷却して溶融状態の混色パウダー
樹脂を固化させることを特徴とする。
【0015】本発明の第5の解決手段は、第4の解決手
段において、原料供給ボックスの内部を仕切板により第
1及び第2樹脂収容室に分割し、該第1及び第2樹脂収
容室の少なくとも一方に混色パウダー樹脂を収容してい
ることを特徴とする。
【0016】本発明の第6の解決手段は、第4又は第5
の解決手段において、混色パウダー樹脂の溶融により布
調、木目調等の装飾模様が施された表側表皮を得た後、
スラッシュ成形型を発泡パウダー樹脂が収容された原料
供給ボックスにセットする。次いで、該原料供給ボック
スを反転させて上記スラッシュ成形型に発泡パウダー樹
脂を供給して該発泡パウダー樹脂を上記表側表皮の裏面
に付着させる。その後、上記スラッシュ成形型を加熱し
て発泡パウダー樹脂を溶融発泡させた後、上記スラッシ
ュ成形型を冷却して上記溶融状態の発泡パウダー樹脂を
固化させ、上記表側表皮の裏面に発泡層からなる裏側表
皮が被着された樹脂製表皮材を得ることを特徴とする。
【0017】本発明の第7の解決手段は、樹脂製表皮材
を用いた自動車用ドアトリムに関するものであり、第1
〜3の解決手段のいずれか1の解決手段に記載の樹脂製
表皮材を硬質発泡樹脂製基材に被着して自動車用ドアト
リムを構成したことを特徴とする。
【0018】
【作用】上記の構成により、本発明の第1〜3の解決手
段では、色の異なるパウダー樹脂を混合してなる混色パ
ウダー樹脂がスラッシュ成形型の成形面に付着してその
型温によって溶融し、その溶融による個々のパウダー樹
脂の流動によって布調、木目調等の装飾模様が施される
ことから、合成樹脂地でありながら本物に近い模様が得
られる。特に第3の解決手段では、裏面に被着された発
泡層(裏側表皮)によって表皮材にソフト感が与えられ
て高級感が現出されるとともに、表側表皮が2種類の表
皮である場合には両者の隣接部が発泡層によって強固に
接合される。
【0019】本発明の第4〜6の解決手段では、スラッ
シュ成形型の成形面に付着した混色パウダー樹脂が型温
により溶融している間に、上記スラッシュ成形型が姿勢
変更されてその成形面がほぼ鉛直になされ、上記溶融状
態の混色パウダー樹脂が流動して布調、木目調等の装飾
模様が施された樹脂製表皮材が得られることから、スラ
ッシュ成形型を立てるだけで別途に治具を用いる必要が
なく、かつ製造工数を増加せずに通常のパウダースラッ
シュ成形法によって設備費用の高騰を招くことなく短時
間に表皮材が得られる。
【0020】本発明の第7の解決手段では、硬質発泡樹
脂製基材に被着された表皮材により、布調、木目調等の
装飾模様を有する自動車用ドアトリムとなる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1及び図2は本発明の実施例に係る自動
車用ドアトリムAを示し、該ドアトリムAは硬質発泡ウ
レタン等からなる硬質発泡樹脂製基材1と、該基材1の
表面に被着されたポリ塩化ビニル等からなる樹脂製表皮
材3とで構成されている。
【0023】図3にも示すように、該表皮材3は、ソリ
ッド層からなる表側表皮5と、該表側表皮5の裏面に被
着された発泡層からなる裏側表皮7とで構成され、上記
表側表皮5は、ドアトリムAのアームレスト部上方部分
を除く領域に被着された第1表皮5aと、上記アームレ
スト部上方部分の矩形領域に被着された第2表皮5bと
が互いに隣接して構成されている。上記第1及び第2表
皮5a,5bは共にパウダー樹脂を原料としてパウダー
スラッシュ成形法により成形され、第1表皮5aの原料
は1種類の色に着色された単色パウダー樹脂5´a(図
5以下に表れる)であり、第2表皮5bの原料は2種類
以上の異なる色に着色された色の異なるパウダー樹脂を
混合してなる混色パウダー樹脂5´b(図5以下に表れ
る)である。
【0024】そして、本発明の特徴として、上記第2表
皮5bには、混色パウダー樹脂5´bの溶融時における
流動により、布調、木目調等の装飾模様が施されてい
る。なお、図面では木目調の流れ模様からなる装飾模様
を施している。
【0025】次に、上述の如き表皮材3を製造する要領
について説明する。
【0026】成形に先立って、図4に示すようなドアト
リムAの表面形状が形成された成形面9aを有するスラ
ッシュ成形型9と、図5に示すような原料供給ボックス
11とを用意する。この原料供給ボックス11の内部は
仕切板13により第1及び第2樹脂収容室15a,15
bに分割され、第1樹脂収容室15aには単色パウダー
樹脂5´aが、第2樹脂収容室15bには混色パウダー
樹脂5´bがそれぞれ収容されている。
【0027】まず、図6に示すように、スラッシュ成形
型9の成形面9aを熱17によって所定温度に加熱し、
図7〜9に示すように、この加熱されたスラッシュ成形
型9を原料供給ボックス11にセットする。
【0028】次いで、図示しないが、上記原料供給ボッ
クス11を上下方向に180°反転させてスラッシュ成
形型9を下に、原料供給ボックス11を上にし、この反
転動作により上記スラッシュ成形型9の成形面9aに単
色パウダー樹脂5´a及び混色パウダー樹脂5´bを供
給して該単色パウダー樹脂5´a及び混色パウダー樹脂
5´bを型温により溶融させる。
【0029】その後、上記原料供給ボックス11を再度
上下方向に180°反転させてスラッシュ成形型9を上
に、原料供給ボックス11を下にした元の姿勢に戻す。
これにより、図10に示すように、スラッシュ成形型9
の成形面9aには、型温により溶融した単色パウダー樹
脂5´a及び混色パウダー樹脂5´bの溶融樹脂(各々
のパウダー樹脂と同じ符号で表す)が付着している。ま
た、溶融していない単色パウダー樹脂5´a及び混色パ
ウダー樹脂5´bは原料供給ボックス11の各々の第1
及び第2樹脂収容室15a,15bにそれぞれ収容され
る。
【0030】しかる後、スラッシュ成形型9を原料供給
ボックス11から取り外し、図11に示すように、スラ
ッシュ成形型9の成形面9aに付着する単色パウダー樹
脂5´a及び混色パウダー樹脂5´bが溶融した状態
で、上記スラッシュ成形型9を立ててその成形面9aが
ほぼ鉛直になるように姿勢変更し、この状態でスラッシ
ュ成形型9の成形面9aに向けて熱風17を吹き付けて
上記溶融状態にある単色パウダー樹脂5´a及び混色パ
ウダー樹脂5´b(溶融樹脂)を流動させ、この溶融状
態にある混色パウダー樹脂5´bの流動により布調、木
目調等の装飾模様が施される。一方、単色パウダー樹脂
5´aは流動するが、パウダー樹脂が単色であるため布
調、木目調等のような装飾模様は得られない。これによ
り、単色パウダー樹脂5´a部分で第1表皮5aが、混
色パウダー樹脂5´b部分で第2表皮5bが得られる。
つまり、表側表皮5が得られる。なお、表側表皮5に木
目調の流れ模様からなる装飾を施す場合には、例えば混
色パウダー樹脂5´bとしては茶色のパウダー樹脂をベ
ースにして黒色のパウダー樹脂を少量だけ混合したもの
を用いればよい。この混色パウダー樹脂5´bを構成す
るパウダー樹脂の種類や色の数は、得ようとする装飾模
様によって任意であり、適宜のものを自由に選定すれば
よい。
【0031】次いで、図12に示すように、上述の如く
表側表皮5が付着したままのスラッシュ成形型9を発泡
パウダー樹脂7´が収容された別の原料供給ボックス1
9にセットした後、図示しないが、上記原料供給ボック
ス19を上下方向に180°反転させてスラッシュ成形
型9を下に、原料供給ボックス19を上にし、この反転
動作により上記スラッシュ成形型9に発泡パウダー樹脂
7´を供給する。
【0032】その後、上記原料供給ボックス19を再度
上下方向に180°反転させてスラッシュ成形型9を上
に、原料供給ボックス19を下にした元の姿勢に戻す。
これにより、図13に示すように、スラッシュ成形型9
の表側表皮5上には、型温により溶融しかかった発泡パ
ウダー樹脂7´が付着している。
【0033】しかる後、スラッシュ成形型9を原料供給
ボックス19から取り外し、図14に示すように、スラ
ッシュ成形型9の成形面9aに向けて熱風17を吹き付
けて上記発泡パウダー樹脂7´を完全に溶融させて発泡
させた後、図15に示すように、上記スラッシュ成形型
13の背面に冷水21を吹き付けて該スラッシュ成形型
9を冷却し、上記溶融状態の発泡パウダー樹脂7´を固
化させる。これにより、表側表皮5の裏面に発泡パウダ
ー樹脂7´の発泡層からなる裏側表皮7が被着された表
皮材3が得られる。
【0034】このようにして得られた表皮材3は、図1
及び図2に示すように基材1に被着され、ドアトリムA
となる。
【0035】このように、本実施例では、表皮材3の表
側表皮5を構成する第2表皮5bを混色パウダー樹脂5
´bの溶融樹脂を流動させ、この流動によって布調、木
目調等の装飾模様を施していることから、合成樹脂地で
ありながら本物に近い模様を得ることができ、これを基
材1に被着することで布調、木目調等の装飾模様を有す
る自動車用ドアトリムAを得ることができる。また、表
側表皮5の裏面に被着した裏側表皮7によって表皮材3
にソフト感を与えることができて高級感を現出すること
ができるとともに、表側表皮5を構成する第1表皮5a
と第2表皮5bとの隣接部を強固に接合することができ
る。
【0036】さらに、上記実施例では、混色パウダー樹
脂5´bの溶融樹脂を流動させるのにスラッシュ成形型
9を鉛直に立てるだけでよく、そのほかは通常のパウダ
ースラッシュ成形法と同じでよいことから、別途に特別
な治具を用いずに済み、かつ製造工数を増加せずに設備
費用の高騰を招くことなく短時間に表皮材3を得ること
ができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3に係
る本発明によれば、色の異なるパウダー樹脂を混合して
なる混色パウダー樹脂をスラッシュ成形型の成形面に付
着させてその型温によって溶融させ、その溶融による個
々のパウダー樹脂の流動によって布調、木目調等の装飾
模様を施すので、合成樹脂地でありながら本物に近い模
様を得ることができる。特に請求項3に係る本発明によ
れば、裏面に被着された発泡層(裏側表皮)によって表
皮材にソフト感を与えて高級感を現出することができる
とともに、表側表皮が2種類の表皮である場合には両者
を発泡層によって強固に接合することができる。
【0038】請求項4〜6に係る本発明によれば、スラ
ッシュ成形型の成形面に付着した混色パウダー樹脂を型
温により溶融している間に、上記スラッシュ成形型を姿
勢変更してその成形面をほぼ鉛直にし、上記溶融状態の
混色パウダー樹脂を流動させて布調、木目調等の装飾模
様が施された樹脂製表皮材を得ることから、スラッシュ
成形型を立てるだけで別途に特別な治具を用いずに、か
つ製造工数を増加せずに通常のパウダースラッシュ成形
法によって設備費用の高騰を招くことなく短時間に表皮
材を得ることができる。
【0039】請求項7に係る本発明によれば、硬質発泡
樹脂製基材に被着された表皮材により、布調、木目調等
の装飾模様を有する自動車用ドアトリムを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドアトリムの左側半分を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】表皮材の断面図である。
【図4】スラッシュ成形型の正面図である。
【図5】単色パウダー樹脂及び混色パウダー樹脂が収容
された原料供給ボックスの斜視図である。
【図6】成形に備えてスラッシュ成形型を加熱する状態
を示す工程図である。
【図7】スラッシュ成形型を原料供給ボックスにセット
した状態を示す工程図である。
【図8】図7のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】図7のIX−IX線における断面図である。
【図10】スラッシュ成形型の成形面に単色パウダー樹
脂及び混色パウダー樹脂の溶融樹脂が付着した状態を示
す工程図である。
【図11】スラッシュ成形型を鉛直姿勢で加熱する工程
図である。
【図12】表側表皮が付着したスラッシュ成形型を発泡
パウダー樹脂原料供給ボックスにセットした状態を示す
工程図である。
【図13】スラッシュ成形型の表側表皮裏面上に発泡パ
ウダー樹脂が付着した状態を示す工程図である。
【図14】発泡パウダー樹脂の加熱状態を示す工程図で
ある。
【図15】スラッシュ成形型を冷却する状態を示す工程
図である。
【符号の説明】
1 基材 3 表皮材 5 表側表皮 5a 第1表皮 5b 第2表皮 5´a 単色パウダー樹脂 5´b 混色パウダー樹脂 7 裏側表皮(発泡層) 9 スラッシュ成形型 9a 成形面 11 原料供給ボックス 13 仕切板 15a 第1樹脂収容室 15b 第2樹脂収容室 19 原料供給ボックス A ドアトリム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色の異なるパウダー樹脂を混合してなる
    混色パウダー樹脂を原料としてパウダースラッシュ成形
    法により成形され、該混色パウダー樹脂の溶融時におけ
    る流動により布調、木目調等の装飾模様が施されている
    ことを特徴とする樹脂製表皮材。
  2. 【請求項2】 第1表皮と第2表皮とが互いに隣接し、 該第1及び第2表皮の少なくとも一方は、色の異なるパ
    ウダー樹脂を混合してなる混色パウダー樹脂を原料とし
    てパウダースラッシュ成形法により成形され、該混色パ
    ウダー樹脂の溶融時における流動により布調、木目調等
    の装飾模様が施されていることを特徴とする樹脂製表皮
    材。
  3. 【請求項3】 裏面に発泡層が被着されていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の樹脂製表皮材。
  4. 【請求項4】 所定温度に加熱されたスラッシュ成形型
    を色の異なるパウダー樹脂を混合してなる混色パウダー
    樹脂が収容された原料供給ボックスにセットし、該原料
    供給ボックスの反転動作により上記スラッシュ成形型の
    成形面に混色パウダー樹脂を供給して該混色パウダー樹
    脂を型温により溶融させ、 次いで、この混色パウダー樹脂の溶融状態で上記スラッ
    シュ成形型をその成形面がほぼ鉛直になるように姿勢変
    更して上記溶融状態の混色パウダー樹脂を流動させ、こ
    の混色パウダー樹脂の流動により布調、木目調等の装飾
    模様を施し、その後、上記スラッシュ成形型を冷却して
    溶融状態の混色パウダー樹脂を固化させることを特徴と
    する樹脂製表皮材の製造方法。
  5. 【請求項5】 原料供給ボックスの内部が仕切板により
    第1及び第2樹脂収容室に分割され、該第1及び第2樹
    脂収容室の少なくとも一方には混色パウダー樹脂が収容
    されていることを特徴とする請求項4記載の樹脂製表皮
    材の製造方法。
  6. 【請求項6】 混色パウダー樹脂の溶融により布調、木
    目調等の装飾模様が施された表側表皮を得た後、スラッ
    シュ成形型を発泡パウダー樹脂が収容された原料供給ボ
    ックスにセットし、 次いで、該原料供給ボックスを反転させて上記スラッシ
    ュ成形型に発泡パウダー樹脂を供給して該発泡パウダー
    樹脂を上記表側表皮の裏面に付着させ、 その後、上記スラッシュ成形型を加熱して発泡パウダー
    樹脂を溶融発泡させた後、上記スラッシュ成形型を冷却
    して上記溶融状態の発泡パウダー樹脂を固化させ、上記
    表側表皮の裏面に発泡層からなる裏側表皮が被着された
    樹脂製表皮材を得ることを特徴とする請求項4又は5記
    載の樹脂製表皮材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹
    脂製表皮材が硬質発泡樹脂製基材に被着されて構成され
    ていることを特徴とする樹脂製表皮材を用いた自動車用
    ドアトリム。
JP7746695A 1995-04-03 1995-04-03 樹脂製表皮材及びその製造方法並びに樹脂製表皮材を用いた自動車用ドアトリム Withdrawn JPH08267476A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004500263A (ja) * 2000-03-20 2004-01-08 テクストロン オートモーティブ カンパニー インク. ダブルキャストスラッシュ成形方法及び装置
US20120139160A1 (en) * 2009-06-11 2012-06-07 Genius Solutions Engineering Company Low cte slush molds with textured surface, and method of making and using the same

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