JPH08267176A - ディスクブレーキ用ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキ用ディスクおよびその製造方法

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JPH08267176A
JPH08267176A JP18020895A JP18020895A JPH08267176A JP H08267176 A JPH08267176 A JP H08267176A JP 18020895 A JP18020895 A JP 18020895A JP 18020895 A JP18020895 A JP 18020895A JP H08267176 A JPH08267176 A JP H08267176A
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disc
disk
cavity
manufacturing
disc brake
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JP18020895A
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Katsuyuki Sugitani
勝幸 杉谷
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度に優れる2層構造のディスクブレー
キ用ディスクを少ない工数で製造可能とする。 【解決手段】 減圧チャンバ59内にロストワックス鋳
型55を収納する。高周波誘導炉62内の溶湯63に鋳
型55の注湯口57aを浸漬した後、高周波誘導炉62
内を昇圧し減圧チャンバ59内を減圧する。この圧力差
によって、各キャビティ56の隅々まで溶湯63が給湯
される。固化した鋳造体からディスクに相当する部分を
切り離し、表面仕上げ等を施してディスクが完成する。
ロストワックス鋳型55はきわめて精密な鋳型であり溶
湯63はキャビティ56の内に均一に充填されるので、
ディスクは、寸法精度に優れている。ディスクプレート
とスペーサとを組立る工程が不要となり、工程が簡素化
され製造工数も少なくて済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や自動二輪
車等に装着されるディスクブレーキ用ディスクおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車や自動二輪車等に装着され
るディスクブレーキ用ディスク(以下、単にディスクと
もいう)としては、単板をプレス等でリング状に成形し
た単板ディスクがあった。しかし、この単板ディスク
は、放熱性が低く軽量化も難しかった。
【0003】一方、一対のディスクプレート間にスペー
サを介装してボルト止めや溶接等により連結した2層構
造のディスクが知られている。この2層構造のディスク
は、放熱性、軽量化とも単板ディスクに対して優れてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機械加
工によって製造された2枚のディスクプレートと多数の
スペーサとをボルト止めや溶接により連結する構造であ
ることから、ボルト用の穴加工や溶接歪などによる寸法
誤差は避けられず、寸法精度の向上において限度があっ
た。また、その構造から組立には多工程を要し組立工数
も多かった。
【0005】本発明は、寸法精度に優れ少ない工数で製
造可能なディスクブレーキ用ディスクおよびその製造方
法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、請求項1記載のディスクブレーキ用ディスクは、一
対のディスクプレートと、これらディスクプレート間に
配されたスペーサとを備えるディスクブレーキ用ディス
クにおいて、前記一対のディスクプレートを前記スペー
サにて連結する形態で一体的に鋳造されていることを特
徴とする。
【0007】請求項2記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法は、一対のディスクプレートと、これらデ
ィスクプレート間に配されたスペーサとを備えるディス
クブレーキ用ディスクを製造するに当たって、金属材料
を加熱溶融した溶湯を、ディスクブレーキ用ディスクの
外周形状に整合するキャビティを有するロストワックス
鋳型内に鋳込むことを特徴とする。
【0008】請求項3記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法は、請求項2記載のディスクブレーキ用デ
ィスクの製造方法において、前記キャビティと、一端に
注湯口を備え他端を閉鎖された湯道と、前記湯道と前記
キャビティとを連通する湯口とを有する前記ロストワッ
クス鋳型を用いることを特徴とする。
【0009】請求項4記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法は、請求項3記載のディスクブレーキ用デ
ィスクの製造方法において、前記湯道が前記キャビティ
の中心部を貫通していることを特徴とする。請求項5記
載のディスクブレーキ用ディスクの製造方法は、請求項
3または4記載のディスクブレーキ用ディスクの製造方
法において、前記湯口は、前記キャビティの中心側から
外縁側に向かう方向に沿って放射状に配置されているこ
とを特徴とする。
【0010】請求項6記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法は、請求項3ないし5のいずれか記載のデ
ィスクブレーキ用ディスクの製造方法において、前記ロ
ストワックス鋳型を前記注湯口を突出させて減圧チャン
バ内に収容し、前記注湯口を前記溶湯中に浸漬した後、
前記減圧チャンバ内を減圧して前記溶湯を前記キャビテ
ィ内に鋳込むことを特徴とする。
【0011】請求項7記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法は、請求項2ないし6のいずれか記載のデ
ィスクブレーキ用ディスクの製造方法において、前記キ
ャビティの前記ディスクプレートのいずれか一方の内面
を形成する面に凹条または凸条を設けたことを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のディスクブレーキ用ディ
スクは、一対のディスクプレートをスペーサにて連結す
る形態で一体的に鋳造されている。この鋳造によりディ
スクプレートとスペーサとを連結するための組立工程自
体が不要となるので、工程および製造工数の削減が可能
となる。また、ボルト用の穴加工や溶接などが不要とな
ることにより寸法精度の向上が可能となる。
【0013】本発明のディスクブレーキ用ディスクの製
造方法では、金属材料を加熱溶融した溶湯を、ディスク
ブレーキ用ディスクの外周形状に整合するキャビティを
有するロストワックス鋳型(以下、単に鋳型ともいう)
内に鋳込む。金属材料は、ディスクブレーキ用ディスク
に要求される性能、例えば強度や耐熱性等に応じて適宜
選定されればよいが、軽量化を考量するとアルミニウム
合金やチタン合金等が優れている。なお、湯温制御や鋳
型の予熱等の鋳込み条件は、使用される金属材料に応じ
て設定すればよい。
【0014】ロストワックス鋳型は、例えば図1に示す
ように、ディスクブレーキ用ディスクと同一形状のディ
スク模型1をワックスで成形し、これに同質のワックス
を用いて成形した湯口模型2を介して、やはり同質のワ
ックスで成形され各ディスク模型1の中央部を貫通する
湯道模型3と接続して製造したツリー状の消失模型4
を、コロイダルシリカ、水、ジルコンフラワー、溶融シ
リカ、ムライトフラワー等からなるスラリーに浸漬し、
その表面にジルコンサンド、アルミナサンド、シリカサ
ンド等からなる砂を付着させる浸漬・付着工程を7〜8
回繰り返してから乾燥し、急速加熱により脱ろうし、焼
成することによって製造される。ただし、ロストワック
ス鋳型の製造方法は、この例に限定されるものではな
い。また、ディスク模型1は、図示は3個であるが4個
以上使用することや2個以下とすることも差し支えな
い。
【0015】このように製造された鋳型55は、図2に
示されるような構造をしている。この鋳型55では、各
ディスク模型1が消失した部分がそれぞれキャビティ5
6に、湯道模型3が消失した部分が湯道57になってお
り、湯口模型2が消失した部分に形成された湯口58に
よって、各キャビティ56と湯道57とが連通されてい
る。また、湯道57の上端は閉じられ、下端は開放され
て注湯口57aが形成されている。なお、この鋳型55
は、キャビティ56側から外面側への気体の流通が可能
な多孔質のものとして形成されている。
【0016】この図2に示される鋳型55のように、多
数のディスク模型1を組み合わせたツリー状の消失模型
4を使用して製造された鋳型55は、多数のキャビティ
56を有するので、一回の鋳込みで多数のディスクを製
造でき、製造効率を向上させることができる。
【0017】また、湯口58が、各キャビティ56の中
心側から外縁側に向かう方向に沿って放射状に配置され
ているので、キャビティ56への給湯性および収流性が
均等化される。鋳型は、例えば図3に示すように、湯道
模型5から突出させた湯口模型6によって、湯道模型5
にディスク模型7を連結させた形状の消失模型8を使用
して、上述と同様にして製造されることもある。この消
失模型8による鋳型9は、図4に示される構造となり、
ディスク模型7が消失した部分がキャビティ10に、湯
道模型5が消失した部分が湯道11になっており、湯口
模型6が消失した部分に形成された湯口12によってキ
ャビティ10と湯道11とが連通されている。このよう
な形状の鋳型9は、湯道11の上端の注湯口11aから
溶湯を鋳込む鋳造方式に適している。この鋳型9におい
ても、湯口12が、各キャビティ10の中心側から外縁
側に向かう方向に沿って放射状に配置されているので、
キャビティ10への給湯性および収流性が均等化され
る。
【0018】なお、この例の鋳型9において、複数のデ
ィスク模型7を使用して複数のキャビティ10を対称位
置に設けることも可能である。次に、ロストワックス鋳
型を使用する鋳込みについて説明する。鋳型9を使用す
る鋳込みは、図4に示すとおりであるので、鋳型55を
使用する場合について図2を参照して詳述する。
【0019】図2に示すように、鋳型55は、注湯口5
7aを下方に突出させて、減圧チャンバ59内に収納さ
れる。減圧チャンバ59には、吸引口60が設けられて
おり、吸引口60に接続されている真空ポンプ(図示
略)により減圧チャンバ59内から気体を排出して減圧
することができる。
【0020】減圧チャンバ59の下方には、高周波誘導
炉62が配される。この高周波誘導炉62内には、予
め、製造されるディスクの組成に対応して調整された金
属材料が投入され、真空下で加熱されて溶湯63が得ら
れている。この高周波誘導炉62内の溶湯63に、図示
のように鋳型55の注湯口57aを浸漬した後、高周波
誘導炉62内にアルゴンガスを導入して約1気圧に昇圧
すると共に減圧チャンバ59内の圧力を1/2気圧以下
に減圧すると、高周波誘導炉62と減圧チャンバ59と
の間に生じた圧力差に基づく吸引力によって、ロストワ
ックス鋳型55の各キャビティ56の隅々まで溶湯63
が給湯される。この際、湯道57を中心として放射状に
配されている湯口58により、各キャビティ56内にお
ける給湯の偏りが防止される。このため、給湯性および
収流性が均等化され、製品としてのディスクの金属組織
は均質化される。
【0021】なお、高周波誘導炉62内を約1気圧に加
圧し、減圧チャンバ59内を約1/2気圧に減圧するの
は、あくまでも例示であり、高周波誘導炉62内と減圧
チャンバ59内との圧力差も1/2気圧に限定されるも
のではない。これらの条件は、例えば金属材料の組成、
製品としてのディスクのサイズや形状、ロストワックス
鋳型の形状等に応じて、実験等によって決定されること
が好ましい。
【0022】その後、キャビティ56内の溶湯63が完
全に固化するのを待って鋳型55を破壊し、ツリー状の
鋳造体を取出す。このツリー状の鋳造体からディスクに
相当する部分を切り離し、これに表面仕上げ等を施せば
ディスクが完成する。ディスクは、以上のように鋳造さ
れるが、ロストワックス鋳型55は、その性質上、きわ
めて精密な鋳型であり、減圧チャンバ59と高周波誘導
炉62との圧力差によって鋳型55内に給湯された溶湯
63は、湯道57に連通している湯口58からキャビテ
ィ56の内に均一に充填される。したがって、鋳造され
たディスクは、寸法精度に優れると共に金属組織も均質
化されている。この鋳造されたディスクは、ディスクプ
レートとスペーサとのボルト止めや溶接等を要さないの
で、工程が簡素化され製造工数も少なくて済む。
【0023】さらに、ディスク模型1の形状を変えるだ
けで、さまざまな形状のディスクを製造することが可能
であり、例えばディスクに通気用の貫通穴を設けること
や、表面の溝や凸条等の凹凸を設けること等も自在であ
る。次に、本発明の方法で製造されたディスクの具体例
を示す。 (具体例1)図5に示すように、この例のディスクブレ
ーキ用ディスク30のディスクプレート32は、ほぼ真
円の外周34と図示しない車軸に装着するための凹凸を
備える内孔36を有し、多数の放熱孔38が設けられて
いる。放熱孔38は、4個ずつ1列の孔組40を形成し
ており、各孔組40の放熱孔38の中心を結ぶ直線は、
ディスクプレート32の半径に対して傾斜している。
【0024】図6に示すように、ディスクプレート32
は2枚で対となっており、両ディスクプレート32間に
配された複数のスペーサ42により、ディスクプレート
32間に所定の間隔を保持して連結されている。なお、
ディスクプレート32とスペーサ42とは鋳造により一
体的に製造されている。
【0025】図5に示すように、各スペーサ42はディ
スクプレート32の内孔36から外周34にわたって、
且つディスクプレート32の半径と交差する方向に沿っ
て直線状に設けられている。また、各スペーサ42間の
間隔は、内孔36側で狭く外周34側で広く設定されて
おり、全体として放射状に配されている。これらのスペ
ーサ42が、ディスクプレート32を補強すると共にデ
ィスク30全体の剛性を高めている。
【0026】こうした構成により、ディスクプレート3
2間には、ディスクプレート32とスペーサ42で囲ま
れる空洞部が形成されており、ディスクプレート32の
放熱孔38は、この空洞部に対応して設けられている。
このため、空洞部は、内孔36側の開口、外周34側の
開口および放熱孔38を介して通気されることになり、
図示しないブレーキパッドとの摩擦によりディスク30
が昇温した際の放熱性は良好となる。また、放熱孔38
自体がディスク30の表面積を増加するので、放射ない
し外気との接触による放熱効果を高めている。なお、放
熱孔38は、ディスク30を軽量化する効果も発揮して
いる。
【0027】次に、ディスクに設けられるスペーサと放
熱孔の配置パターンについて、いくつかの例を示す。な
お、以下の説明で使用する図7〜図10では、スペーサ
のパターンを明瞭に示すためにディスクプレートの裏面
側にあるスペーサを実線で描き、ディスクの内孔の凹凸
等は省略している。 (具体例2)この例は、スペーサを渦巻状に配した例で
ある。
【0028】図7に示すように、ディスク70のスペー
サ72は、円弧状に湾曲しており、全体としてディスク
70の中心から放射される渦巻状に配されている。ま
た、放熱孔74も、スペーサ72と同様に渦巻状に配置
されている。このように、円弧状のスペーサ72を放射
渦巻状に配置すると、スペーサ72がタービン翼の働き
をして、スペーサ72間の空洞の通気性を高めることが
できる。 (具体例3)この例は、スペーサを渦巻状に且つ内孔側
と外周側とに分離して配した例である。
【0029】図8に示すように、ディスク80は、円弧
状に湾曲して内孔82から外周84側に延伸された内ス
ペーサ86、同様の円弧状で外周84から内孔82側に
延伸された外スペーサ88を備えている。内スペーサ8
6並びに外スペーサ88は、図示のように全体として渦
巻状に配されている。また、放熱孔89は、内スペーサ
86および外スペーサ88を避けて配されている。
【0030】円弧状の内スペーサ86および外スペーサ
88を放射渦巻状に配置することにより、内外スペーサ
86、88間の空洞の通気性を高めることができるの
は、具体例2と同様である。また、具体例2に比べれ
ば、スペーサの数はほぼ2倍になっているが、内外スペ
ーサ86、88の長さが具体例2に比べて短いので、全
体としての重量増加は少ない。一方、内外スペーサ8
6、88の数が多いので、ディスク80の剛性はきわめ
て高くなっている。 (具体例4)この例は、直線状の内スペーサと外スペー
サを備える例である。
【0031】図9に示すように、ディスク90は、直線
状で内孔92からディスク90の半径に沿って延伸され
た内スペーサ94、同様に直線状で外周96から内孔9
2側に向かってディスク90の半径に沿って延伸された
外スペーサ98を備えている。内スペーサ94並びに外
スペーサ98は、全体としてディスク90の中心から放
射状に配されている。
【0032】このように配置すれば、内孔92から外周
96にわたる1本のスペーサの中間部分を除去したのと
同様になり、ディスク90の剛性をほとんど低下させる
ことなくディスク90を軽量化できる。 (具体例5)この例は、スペーサ間に補強リブを備える
例である。
【0033】図10に示すディスク100では、ディス
クプレート101の内面側において、隣接するスペーサ
102間に周方向に沿った補強リブ104が複数本設け
られている。このように補強リブ104を設けることで
ディスクプレート101の強度が増すので、スペーサ1
02の数を低減することができる。また、補強リブ10
4は、ディスク100の表面積を増加して放熱性をたか
める役割も果たしている。
【0034】なお、具体例5で示した補強リブ104
は、ディスクプレート101の内面を形成する面に凹条
を設けることによって形成されるが、ディスクプレート
の内面を形成するキャビティの内面に凸条を設ければデ
ィスクプレートの内面に溝を形成することができる。デ
ィスクプレートの内面に溝を設ければ、ディスクの表面
積を増加して放熱性を高めるだけでなく、ディスクの軽
量化の効果もある。
【0035】また、補強リブ104のような凸条や溝
は、図10に示されるようにディスクプレートの周方向
に沿って設ける他に、具体例1〜5で示すスペーサの配
置のように、放射状ないしは渦巻状に設けることもで
き、凸状や溝の方向性については特に制限はない。
【0036】以上、発明の実施の形態を示して本発明に
ついて説明したが、この実施の形態は例示であり、本発
明はこのような例に限定されるものではない。本発明
は、その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できる
ことは言うまでもない。例えば、鋳造方法自体は、ロス
トワックス鋳型を用いるものであればよいのであり、重
力鋳造法や低圧鋳造法を用いることもできる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のデ
ィスクブレーキ用ディスクは、一対のディスクプレート
をスペーサにて連結する形態で一体的に鋳造されてい
る。この鋳造によりリング板とスペーサとを連結するた
めの組立工程自体が不要となるので、工程および製造工
数の削減が可能となる。また、ボルト用の穴加工や溶接
などが不要となることにより寸法精度の向上が可能とな
る。さらに、鋳造によっているので、量産も容易であ
る。
【0038】請求項2記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法によれば、寸法精度に優れるディスクブレ
ーキ用ディスクを少工程、少工数で製造できる。さら
に、ディスク模型の形状を変えるだけで、さまざまな形
状のディスクを製造することが可能であり、例えばディ
スクに通気用の貫通穴を設けることや、表面の溝や凸条
等の凹凸を設けること等も自在である。
【0039】請求項3記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法によれば、複数のキャビティを湯口を介し
て湯道に連通させた鋳型を使用して、1回の鋳込みで多
数のディスクを製造でき、製造効率が向上される。請求
項4記載のディスクブレーキ用ディスクの製造方法によ
れば、湯道がキャビティの中心部を貫通しているので、
湯道と各キャビティとの距離をほぼ等しくすることがで
きる。従って、各キャビティに偏りなく溶湯を供給でき
る。
【0040】請求項5記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法によれば、湯口は、キャビティの中心側か
ら外縁側に向かう方向に沿って放射状に配置されている
ので、1個のキャビティ内における給湯の偏りは少な
く、給湯性および収流性が均等化されるので、製品とし
てのディスクの金属組織が均質化される。
【0041】請求項6記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法によれば、ロストワックス鋳型を収容する
減圧チャンバ内を減圧して、その吸引力によって溶湯を
キャビティ内に鋳込むので、溶湯はキャビティ内に均一
に充填される。こうして鋳造されたディスクは、寸法精
度に優れると共に金属組織も均質化されている。
【0042】請求項7記載のディスクブレーキ用ディス
クの製造方法では、キャビティのディスクプレートのい
ずれか一方の内面を形成する面に凹条または凸条を設け
たので、ディスクプレートの内面に凸条や溝を形成する
ことができる。これらの凸条や溝は、ディスクの放熱性
を向上させる。また、凸条はディスクプレートの補強と
して効果があり、溝は軽量化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロストワックス鋳型の製造に使用する消滅模
型の説明図である。
【図2】 図1の消滅模型で製造したロストワックス鋳
型への鋳込みを説明する説明図である。
【図3】 他のロストワックス鋳型の製造に使用する消
滅模型の説明図である。
【図4】 図3の消滅模型で製造したロストワックス鋳
型への鋳込みを説明する説明図である。
【図5】 具体例1のディスクブレーキ用ディスクの平
面図である。
【図6】 具体例1のディスクブレーキ用ディスクの図
5におけるA−A断面図である。
【図7】 具体例2のディスクブレーキ用ディスクの平
面図である。
【図8】 具体例3のディスクブレーキ用ディスクの平
面図である。
【図9】 具体例4のディスクブレーキ用ディスクの平
面図である。
【図10】 具体例5のディスクブレーキ用ディスクの
形状の説明図であり、図10(a)はその一部平面図、
図10(b)は一部断面図である。
【符号の説明】
9、55・・・ロストワックス鋳型、 10、56・・・キャビティ、 11、57・・・湯道、 11a、57a・・・注湯口、 12、58・・・湯口、 30、70、80、90、100・・・ディスクブレー
キ用ディスク、 32、101・・・ディスクプレート、 34、84、96・・・外周、 36、82、92・・・内孔(内周)、 38、74、89・・・放熱孔、 42、72、102・・・スペーサ、 86、94・・・内スペーサ、 88、98・・・外スペーサ、 59・・・減圧チャンバ、 62・・・高周波誘導炉、 63・・・溶湯。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のディスクプレートと、これらディ
    スクプレート間に配されたスペーサとを備えるディスク
    ブレーキ用ディスクにおいて、 前記一対のディスクプレートを前記スペーサにて連結す
    る形態で一体的に鋳造されていることを特徴とするディ
    スクブレーキ用ディスク。
  2. 【請求項2】 一対のディスクプレートと、これらディ
    スクプレート間に配されたスペーサとを備えるディスク
    ブレーキ用ディスクを製造するに当たって、 金属材料を加熱溶融した溶湯を、ディスクブレーキ用デ
    ィスクの外周形状に整合するキャビティを有するロスト
    ワックス鋳型内に鋳込むことを特徴とするディスクブレ
    ーキ用ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のディスクブレーキ用ディ
    スクの製造方法において、 前記キャビティと、一端に注湯口を備え他端を閉鎖され
    た湯道と、前記湯道と前記キャビティとを連通する湯口
    とを有する前記ロストワックス鋳型を用いることを特徴
    とするディスクブレーキ用ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のディスクブレーキ用ディ
    スクの製造方法において、 前記湯道が前記キャビティの中心部を貫通していること
    を特徴とするディスクブレーキ用ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載のディスクブレー
    キ用ディスクの製造方法において、 前記湯口は、前記キャビティの中心側から外縁側に向か
    う方向に沿って放射状に配置されていることを特徴とす
    るディスクブレーキ用ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれか記載のディ
    スクブレーキ用ディスクの製造方法において、 前記ロストワックス鋳型を前記注湯口を突出させて減圧
    チャンバ内に収容し、 前記注湯口を前記溶湯中に浸漬した後、 前記減圧チャンバ内を減圧して前記溶湯を前記キャビテ
    ィ内に鋳込むことを特徴とするディスクブレーキ用ディ
    スクの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6のいずれか記載のディ
    スクブレーキ用ディスクの製造方法において、 前記キャビティの前記ディスクプレートのいずれか一方
    の内面を形成する面に凹条または凸条を設けたことを特
    徴とするディスクブレーキ用ディスクの製造方法。
JP18020895A 1995-02-01 1995-07-17 ディスクブレーキ用ディスクおよびその製造方法 Pending JPH08267176A (ja)

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