JP6383509B1 - 金属装飾品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異種金属を複数回鋳造して成形した結合体の周面を適切に切削して、意匠性に優れた金属装飾品を提供する。【解決手段】金属装飾品の製造方法は、第1金属を用いて鋳造することで、空洞12及び貫通孔14を有する円筒状の第1本体10を取得する工程(ステップS102〜S108)と、空洞12及び貫通孔14を充填すると共に第1本体10を覆うようにワックスを塗布したワックス塗布部150であって、周面に周方向において所定間隔で形成された複数のワックス溝部152を含むワックス塗布部150を成形する工程(ステップS110)と、ワックス塗布部150に覆われた第1本体10を用いて成形した石膏型から、ワックス塗布部150を除去した鋳型を成形する工程(ステップS112、S114)と、鋳型に第1金属よりも融点が低い第2金属を流し込んで、ワックス溝部152に対応した複数の金属溝部32を含む第2金属体30を第1本体10に結合させた結合体40を成形する工程(ステップS116)と、金属溝部32を旋盤70のチャック部材72に支持させて結合体40を位置決めした状態で、結合体40を回転させながら刃物75によって第2金属体30の周面を切削して、第1本体10の周面を露出させる工程(ステップS120)とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、金属装飾品の製造方法に関する。
金属装飾品である指輪は、例えばロストワックス鋳造法により製造されている。近年、異種金属を鋳造により一体成形した金属装飾品が提案されている。
下記の特許文献1には、プラチナから成る土台金属と金から成る二次鋳造金属とが結合されている装飾品(指輪)が開示されている。この指輪は、ロストワックス鋳造を2回行うことで製造されている。すなわち、1回目のロストワックス鋳造によって土台金属を成形し、2回目のロストワックス鋳造によって土台金属に二次鋳造金属を充填して結合した結合体を成形する。そして、結合体の表面を切削等することで、指輪が製造される。
特開2011−239877号公報
ところで、周面の模様を2つの金属で形成した指輪を製造する観点から、土台金属(第1金属体)に孔部等を形成し、当該孔部に二次鋳造金属を充填して結合させた結合体を成形するケースがある。この場合、2回目のロストワックス鋳造の際に、土台金属の周囲にワックスを塗って、結合体を成形する。このため、ワックスの塗布状態に起因して結合体の周面が不均一になりやすく、また結合体において二次鋳造金属によって土台金属が覆われているため、精巧に周面を切削することが困難である。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、異種金属を複数回鋳造して成形した結合体の周面を適切に切削して、意匠性に優れた金属装飾品を提供することを目的とする。
本発明の一の態様においては、第1金属を用いて鋳造することで、空洞部及び孔部を有する円筒状の第1金属体を取得する第1金属体取得工程と、前記空洞部及び前記孔部を充填すると共に前記第1金属体を覆うようにワックスを塗布したワックス塗布部であって、周面に周方向において所定間隔で形成された複数のワックス溝部を含むワックス塗布部を成形する塗布部成形工程と、前記ワックス塗布部に覆われた前記第1金属体を用いて成形した石膏型から、前記ワックス塗布部を除去した鋳型を成形する鋳型成形工程と、前記鋳型に前記第1金属よりも融点が低い第2金属を流し込んで、前記複数のワックス溝部に対応した複数の金属溝部を含む第2金属体を前記第1金属体に結合させた結合体を成形する結合体成形工程と、前記複数の金属溝部を旋盤のチャックに支持させて前記結合体を位置決めした状態で、前記旋盤が前記結合体を回転させながら刃物によって前記第2金属体の周面を切削して、前記第1金属体の周面を露出させる切削工程と、を備える、金属装飾品の製造方法を提供する。
また、前記塗布部成形工程において、前記ワックス溝部を、前記ワックス塗布部の外周面に前記第1金属体の軸方向に沿って形成することとしてもよい。
また、前記切削工程は、前記第2金属体の外周面に形成された前記金属溝部を前記チャックに支持させて前記結合体を位置決めした状態で、前記旋盤が前記結合体を回転させながら前記刃物によって前記第2金属体の内周面を切削して、前記第1金属体の内周面を露出させる第1切削工程と、前記第1切削工程後に、前記第1金属体の前記内周面を前記チャックに支持させて前記結合体を位置決めした状態で、前記第2金属体の前記金属溝部を含む前記外周面を切削して、前記第1金属体の外周面を露出させる第2切削工程と、を含むこととしてもよい。
また、前記金属装飾品の製造方法は、前記結合体成形工程で成形された前記第2金属体の前記金属溝部の底部を切削して、前記第1金属体の外周面を露出させる溝部加工工程を更に備え、前記切削工程においては、前記溝部加工工程によって前記底部が切削された前記金属溝部を前記チャックに支持させて前記結合体を位置決めすることとしてもよい。
本発明によれば、異種金属を複数回鋳造して成形した結合体の周面を適切に切削して、意匠性に優れた金属装飾品を提供できるという効果を奏する。
本発明の一の実施形態に係る金属装飾品1の構成の一例を説明するための図である。 図1のA−A断面図である。 金属装飾品1の幾何学模様の一例を説明するための図である。 第1本体10の構成の一例を説明するための図である。 金属装飾品1の製造工程を説明するためのフローチャートである。 第1原型110の構成の一例を示す模式図である。 第1原型110が連結されているツリー200を示す模式図である。 第2原型120を説明するための模式図である。 結合体40の構成の一部を説明するための模式図である。 金属溝部32が加工された後の結合体40を示す模式図である。 第1切削工程を説明するための模式図である。 第2切削工程を説明するための模式図である。
<金属装飾品の構成>
図1〜図4を参照しながら、本発明の一の実施形態に係る金属装飾品1の構成について説明する。
図1は、一の実施形態に係る金属装飾品1の構成の一例を説明するための図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、金属装飾品1の幾何学模様の一例を説明するための図である。図4は、第1本体10の構成の一例を説明するための図である。
金属装飾品1は、ここでは一例として指輪であり、例えばロストワックス鋳造法によって成形されている。金属装飾品1は、図3に示すように表面全体に幾何学模様を成している。金属装飾品1は、図2に示すように、異種金属から成る第1本体10と第2本体20とを有する。第1本体10は、第2本体20を囲むように構成されている。具体的には、第1本体10と第2本体20は、強固に結合されており、遊離しない構成となっている。
第1本体10は、第1金属(例えば、プラチナ)から成る。第1本体10は、金属装飾品1である指輪の中空の輪郭部となっている。具体的には、第1本体10は、図4に示すように、輪状に形成された中空体である。また、第1本体10の外周面は、全体が曲面となっている。第1本体10は、図2及び図4に示すように、空洞12と、外面部13と、複数の貫通孔14とを有する。
空洞12は、第1本体10の内部に周方向(主方向の一例)に沿って、輪状に形成されている。空洞12は、例えば第1本体10の断面積が周方向において一定となるように、図2に示すように楕円状に形成されている。
外面部13は、図2に示すように、空洞12を囲む部分であり、外部に露出している。外面部13は一定の厚さとなっており、外面部13の厚さ(図2のt2)は、空洞12の厚さ(図2のt1)よりも小さい。すなわち、第1本体10においては、空洞12が支配的に空間を占めている。なお、第1本体10の周方向に直交するA−A断面において、空洞12の幅(図2のt1)は、外面部13の幅(図2のt2)よりも大きい。
貫通孔14は、外面部13を貫通している複数の孔である。貫通孔14は、図4に示すように、輪状の第1本体10の外周面10aと内周面10bの間を貫通している。また、複数の貫通孔14の各々は、図4に示すように空洞12と連通している。このように空洞12及び貫通孔14を有する複雑な構造の第1本体10は、後述するように、3Dプリンタで原型を製作した後にロストワックス鋳造を行うことで、成形可能となっている。
複数の貫通孔14は、図4に示すように、外面部13に散在するように設けられている。具体的には、複数の貫通孔14が外面部13に規則的に散在していることで、外面部13の全体が幾何学模様部となっている。幾何学模様は、ここでは図4に示すように七宝模様であるが、これに限定されず、市松模様等の他の模様であってもよい。このように金属装飾品1の外周面に様々な模様を形成することで、意匠性の高い金属装飾品1を実現できる。
第2本体20は、第1金属とは異なる第2金属(例えば、金)から成る。第2金属である金の融点は、第1本体10の第1金属であるプラチナの融点よりも低い。このように融点が異なる金属を用いることで、第1本体10及び第2本体20をそれぞれ鋳造法で成形できる。また、第2本体20の第2金属の色は、第1本体10の第1金属の色と異なる。これにより、色彩が美しい金属装飾品1を実現できる。
第2本体20は、中空体である第1本体10と充填結合している。具体的には、第2本体20は、第1本体10の互いに連通している空洞12及び貫通孔14を充填するように形成されていることで、第1本体10と強固に結合している。第2本体20は、図2に示すように、空洞充填部22と、孔充填部24とを有する。
空洞充填部22は、第1本体10の空洞12を充填している充填部である。空洞充填部22は、第1本体10の輪状に形成された空洞12を充填しているので、輪状の部分となっている。また、図2に示すように、空洞充填部22の厚さ(t1)は、第1本体10の外面部13の厚さ(t2)よりも大きい。
孔充填部24は、第1本体10の貫通孔14を充填している充填部である。孔充填部24は、外面部13に離散している全ての貫通孔14を充填している。孔充填部24は、図2に示すように、空洞充填部22と繋がっている。また、孔充填部24の表面は、第1本体10の外面部13の表面と同一面上に位置している。例えば、金属装飾品1の表面は、凹凸が無い滑らかな曲面となっていてもよい。ただし、これに限定されず、孔充填部24の表面と外面部13の表面に、微細な凹凸が形成されていてもよい。これにより、美感に優れた金属装飾品1を実現できる。
なお、上記では、空洞12の厚さ(図2のt1)が外面部13の厚さ(図2のt2)よりも大きいこととしたが、これに限定されない。例えば、空洞12の厚さ(t1)が外面部13の厚さ(t2)よりも小さいこととしてもよい。
<金属装飾品の製造方法>
図5を参照しながら、上述した異種金属から成る金属装飾品1の製造方法について説明する。以下に説明する金属装飾品1の製造方法では、第1金属で第1本体10を成形した後に、第1本体10に対して第2金属を充填結合した第2金属体を含む結合体40を成形し、結合体40の周面を切削して、金属装飾品1を取得している。
図5は、金属装飾品1の製造工程を説明するためのフローチャートである。以下では、図5のフローチャートの工程毎に説明する。
(第1原型の成形工程:ステップS102)
第1本体10の原型である第1原型110を成形する。第1原型110は、例えば、3D−CADで設計されたモデルに基づいて、インクジェット方式の3Dプリンタで成形されている。これにより、複雑な形状の第1本体10(図4参照)の第1原型110を成形できる。
図6は、第1原型110の構成の一例を示す模式図である。第1原型110は、ワックス(蝋)から成るワックス原型である。第1原型110は、図6に示すように、型部112と、湯道114とを有する。
型部112は、第1本体10と同じ形状となっている。すなわち、型部112は、空洞12及び貫通孔14を有する第1本体10と同じ形状となっている。なお、図6では、説明の便宜上、空洞12及び貫通孔14が省略されている。
湯道114は、後述する一次鋳造の際に金属が流れる通路部となる部分である。湯道114は、型部112の中央に位置する中央部114aと、中央部114aから放射状に延びるように配置されている複数の放射部114bとを有する。複数の放射部114bの各々は、中央部114aと、型部112の内周面112aとを連結している。なお、中央部114aは、図6の紙面から前方へ向かって突出している。
このように湯道114が中央部114a及び放射部114bを有することで、後述する一次鋳造の際に第1金属(プラチナ)を流し込む際に、微細な形状となっている型部112に金属が適切に充填されやすくなる。特に、融点が高いプラチナは充填時の流動性が低いが、複数の放射部114bを設けることで、型部112にプラチナを早期に充填させやすくなる。
(第1石膏型の成形工程:ステップS104)
第1原型110を用いて、第1石膏型を成形する。まず、図6に示す第1原型110を、図7に示すツリー200に連結する。
図7は、第1原型110が連結されているツリー200を示す模式図である。ツリー200は、ワックスから成る。ツリー200は、一次鋳造の際に、第1金属(プラチナ)が流れる湯道となる部分でもある。ツリー200に対しては、図7に示すように一つの第1原型110が連結されているが、これに限定されず、複数の第1原型110が連結されていてもよい。
そして、第1原型110が連結されたツリー200を円筒体の内部にセットした後に、当該円筒体にゲル状の石膏を注入することで、第1石膏型が成形される。なお、第1石膏型の成形の際に、成形精度を高めるために真空脱泡が行われてもよい。
(第1石膏キャビティの成形工程:ステップS106)
第1石膏型から第1原型110及びツリー200を形成しているワックスを除去して、一次鋳造用の鋳型である第1石膏キャビティを成形する。例えば、第1石膏型を熱源により加熱することで、第1石膏型内のワックスが溶解して気化する。これにより、第1石膏型内には、第1原型110と同型の第1石膏キャビティが成形される。
(一次鋳造工程:ステップS108)
第1石膏キャビティと第1金属であるプラチナとを用いて一次鋳造することで、第1本体10を成形する。具体的には、第1石膏キャビティ内にプラチナを流し込んで冷却した後に、湯道を含む一次鋳造品を第1石膏キャビティから取り出す。そして、一次鋳造品から湯道に相当する部分を切断除去することで、プラチナ製の第1本体10が成形される。
一次鋳造で成形された第1本体10は、図4に示すように、空洞12及び貫通孔14を有する円筒状の第1金属体である。なお、本実施形態では、上述したステップS102〜S108の工程が、第1本体10を取得する第1金属体取得工程に該当する。
(ワックス塗布工程:ステップS110)
第1本体10の空洞12及び貫通孔14を充填すると共に第1本体10を覆うようにワックスを塗布して、第1本体10にワックス塗布部を成形する。例えば、作業者は、手作業で、第1本体10の周囲にワックスを塗布して硬化させることで、ワックス塗布部を成形する。なお、以下では、ワックスが塗布された第1本体10を、第2原型120とする。
図8は、第2原型120を説明するための模式図である。図8に示すように、第2原型120においては、ワックス塗布部150が、第1本体10の全体を覆っている。ワックス塗布部150は、後述する二次鋳造の際に第2金属(金)を充填するために供される。ワックス塗布部150は、図8には示されていないが、第1本体10の空洞12及び貫通孔14にワックスが充填されている部分も含む。
ワックス塗布部150は、図8に示すように、複数のワックス溝部152を含む。ワックス溝部152は、ワックス塗布部150の周面に周方向において所定間隔で、複数形成されている。ここでは、ワックス溝部152は、周方向において120度間隔で3つ形成されている。3つのワックス溝部152は、第2原型120の中心から半径方向において、同じ位置に形成されている。また、ワックス溝部152は、円筒状の第1本体10を覆うワックス塗布部150の外周面において、第1本体10の軸方向に沿って形成されている。ワックス溝部152の断面形状は、例えば逆台形形状である。
なお、上記では、ワックス溝部152が、第1本体10を覆うワックス塗布部150の外周面に形成されていることとしたが、これに限定されない。例えば、ワックス溝部152は、ワックス塗布部150の内周面に形成されていてもよい。
(第2石膏型の成形工程:ステップS112)
第2原型120を用いて、第2石膏型を成形する。まず、図8に示す第2原型120を、ワックスから成るツリー(ここでは、図7に示すツリー200とする)に連結する。
ツリー200は、二次鋳造の際に、第2金属(金)が流れる湯道となる部分でもある。ツリー200に対しては、1つ又は複数の第2原型120が連結可能である。そして、第2原型120が連結されたツリーを円筒体の内部にセットした後に、当該円筒体にゲル状の石膏を注入することで、第2石膏型が成形される。第2石膏型の成形の際にも、真空脱泡が行われてもよい。
(第2石膏キャビティの成形工程:ステップS114)
第2石膏型から第2原型120のワックス塗布部150とツリー200を除去して、二次鋳造用の鋳型である第2石膏キャビティを成形する。例えば、第2石膏型を熱源により加熱することで、第2石膏型内のワックスが溶解して気化する。これにより、第2石膏型内には、第2原型120と同型の第2石膏キャビティが成形される。なお、第2石膏キャビティ内には、プラチナ製の第1本体10が含まれている。
(二次鋳造工程:ステップS116)
第2石膏キャビティに、第1金属(プラチナ)よりも融点が低い第2金属(金)を流し込んで二次鋳造することで、プラチナから成る第1本体10に金から成る第2金属体30を結合させた結合体40(図9参照)を成形する。具体的には、第2石膏キャビティ内に金を流し込んで冷却した後に、湯道を含む二次鋳造品を第2石膏キャビティから取り出す。そして、二次鋳造品から、湯道に相当する部分を切断削除することで、結合体40を取得する。結合体40の第2金属体30は、第2本体20になる部分である。
図9は、結合体40の構成の一部を説明するための模式図である。結合体40においては、第2金属体30が第1本体10全体を覆っている。第2金属体30は、図9に示すように外周面にワックス溝部152に対応した金属溝部32を複数含む。金属溝部32は、外周面において周方向に120度間隔で3つ設けられている。3つの金属溝部32は、結合体40の中心から半径方向において同じ位置に設けられている。金属溝部32の断面形状は、例えば逆台形形状である。
(溝部加工工程:ステップS118)
溝部加工工程では、第2金属体30の複数の金属溝部32の底部32a(図9)をそれぞれ切削して、第1本体10の外周面10aを露出させる。例えば、工作機械や金属ヤスリ等を用いて、薄肉部分である底部32aを切削加工する。
図10は、金属溝部32が加工された後の結合体40を示す模式図である。上記のように複数の金属溝部32の底部32a(図9)をそれぞれ切削することで、図10に示すように、第1本体10の外周面10aにおいて金属溝部32に対応する部分が、露出する。なお、底部32aに加えて、金属溝部32の側壁32b(図9)の部分も切削してもよい。
(切削工程:ステップS120)
切削工程では、旋盤(図11に示す旋盤70)を用いて、第1本体10を覆っている第2金属体30の周面を切削して、第1本体10の外周面10a及び内周面10bを露出させる。具体的には、第2金属体30の複数の金属溝部32を旋盤のチャック部材に支持させて結合体40を位置決めした状態で、結合体40を回転させながら刃物(バイト)によって第2金属体30の周面を切削する。
上述したように第1本体10にワックスを塗布した後に二次鋳造する場合には、ワックスの塗布状態に起因して二次鋳造された第2金属体30の周面が不均一になりやすい。また、第2金属体30によって第1本体10が覆われているため、第1本体10の外周面10a及び内周面10bが均一に露出するように第2金属体30を切削することが困難である。
これに対して、本実施形態のように複数の金属溝部32をチャック部材(図11に示すチャック部材72)に支持させることで、円筒状の結合体40の中心軸が旋盤の回転中心軸と同じになるように、結合体40を位置決めできる。これにより、結合体40の周面を旋盤の刃物によって高精度に切削できる。
なお、ステップS118で金属溝部32の底部を切削することで、第1本体10の外周面10aが露出するように底部32aが切削された金属溝部32がチャック部材に支持されることになる。これにより、例えば、チャック部材は、金属溝部32から露出する第1本体10の外周面10aに接するように結合体40を位置決めすることで、結合体40の中心軸が旋盤の回転中心軸と同一になるように、結合体40を支持できる。
また、切削工程では、第1本体10全体を覆っている第2金属体30の内周面及び外周面を切削する。ここでは、第2金属体30の内周面を切削する第1切削工程に続いて、第2金属体30の外周面を切削する第2切削工程が行われる。
図11は、第1切削工程を説明するための模式図である。第1切削工程では、図11に示すように、3箇所の金属溝部32を3つのチャック部材72にそれぞれ支持させて結合体40を位置決めした状態で、旋盤70が結合体40を回転させながら刃物75によって第2金属体30の内周面30bを切削する。具体的には、第2金属体30で覆われていた第1本体10の内周面10bが露出するように、第2金属体30の内周面30bを切削する。3つのチャック部材72の接触部72aが金属溝部32に接触して結合体40を位置決めすることで、円筒状の結合体40の軸と、旋盤70の回転中心軸とが、同一線上に位置することになり、第2金属体30の内周面30bを高精度に切削できる。この結果、意匠性に優れた第1本体10の内周面10bが露出される。
図12は、第2切削工程を説明するための模式図である。第2切削工程では、第1切削工程後に、露出した第1本体10の内周面10bを3つのチャック部材72に支持させて結合体40を位置決めした状態で、第2金属体30の金属溝部32を含む外周面30aを切削する。具体的には、第2金属体30で覆われていた第1本体10の外周面10aが露出するように、第2金属体30の外周面30aを切削する。3つのチャック部材72の接触部72aが、第1切削工程によって露出した内周面10bに接触して結合体40を位置決めすることで、結合体40の軸と旋盤70の回転中心軸とが同一線上に位置することになり、第2金属体30の金属溝部32を含む外周面30aを高精度に切削できる。
上記のように第2金属体30の内周面30b及び外周面30aを切削することで、第2本体20が第1本体10の空洞12及び貫通孔14を充填すると共に、第1本体10の周面と第2本体20の周面が均一な面として露出する金属装飾品1が成形される。
なお、上記では、金属溝部32が第2金属体30の外周面30aに形成されていることとしたが、これに限定されない。例えば、金属溝部32が第2金属体の内周面30bに形成されていてもよい。この場合、第1切削工程では、チャック部材72が金属溝部32を支持した状態で第2金属体30の外周面30aを切削して、第1本体10の外周面10aを露出させる。そして、第2切削工程では、チャック部材72が外周面10aを支持した状態で、第2金属体30の内周面30bを切削して、第1本体10の内周面10bを露出させる。
<本実施形態における効果>
上述した金属装飾品1(指輪)の製造方法においては、プラチナ製の第1本体10を覆うと共に、周面に所定間隔で配置された複数のワックス溝部152を含むワックス塗布部150を成形する。そして、二次鋳造の際に、ワックス塗布部150を除去した鋳型に第2金属(ここでは金)を流し込んで、複数のワックス溝部152に対応した複数の金属溝部32を含む第2金属体30を第1本体10に結合させた結合体40を成形する。さらに、複数の金属溝部32を旋盤70のチャック部材72に支持させて結合体40を位置決めした状態で、結合体40を回転させながら刃物75によって第2金属体30の周面を切削する。
上述した製造方法によれば、複数の金属溝部32を旋盤70のチャック部材72に支持させて結合体40を位置決めさせることで、第2金属体30が第1本体10を覆っている結合体40の中心軸が旋盤70の回転中心軸と同一線上に位置することになる。これにより、第1本体10の周面が均一に露出するように、第2金属体30を刃物75で切削できる。この結果、第2金属体30を高精度に切削できるので、図3に示すような第1本体10及び第2本体20が結合した意匠性の高い指輪を実現しやすくなる。
なお、上記では、第1本体10がプラチナ製であり、第2本体20が金製であることとしたが、これに限定されない。例えば、第1本体10が金製であり、第2本体20がプラチナ製であることとしてもよい。この場合には、プラチナを用いて第2本体20を鋳造した後に、金を用いて、第2本体20と結合する第1本体10を成形することになる。
また、上記では、金属装飾品1において貫通孔14が散在していることで幾何学模様が形成されていることとしたが、これに限定されない。例えば、幾何学模様に代えて、貫通孔14によって図柄や文字が形成されていてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
1 金属装飾品
10 第1本体
12 空洞
13 外面部
14 貫通孔
20 第2本体
22 空洞充填部
24 孔充填部
30 第2金属体
32 金属溝部
40 結合体
70 旋盤
72 チャック部材
75 刃物
110 第1原型
120 第2原型
150 ワックス塗布部
152 ワックス溝部

Claims (4)

  1. 第1金属を用いて鋳造することで、空洞部及び孔部を有する円筒状の第1金属体を取得する第1金属体取得工程と、
    前記空洞部及び前記孔部を充填すると共に前記第1金属体を覆うようにワックスを塗布したワックス塗布部であって、周面に周方向において所定間隔で形成された複数のワックス溝部を含むワックス塗布部を成形する塗布部成形工程と、
    前記ワックス塗布部に覆われた前記第1金属体を用いて成形した石膏型から、前記ワックス塗布部を除去した鋳型を成形する鋳型成形工程と、
    前記鋳型に前記第1金属よりも融点が低い第2金属を流し込んで、前記複数のワックス溝部に対応した複数の金属溝部を含む第2金属体を前記第1金属体に結合させた結合体を成形する結合体成形工程と、
    前記複数の金属溝部を旋盤のチャックに支持させて前記結合体を位置決めした状態で、前記旋盤が前記結合体を回転させながら刃物によって前記第2金属体の周面を切削して、前記第1金属体の周面を露出させる切削工程と、
    を備える、金属装飾品の製造方法。
  2. 前記塗布部成形工程において、前記ワックス溝部を、前記ワックス塗布部の外周面に前記第1金属体の軸方向に沿って形成する、
    請求項1に記載の金属装飾品の製造方法。
  3. 前記切削工程は、
    前記第2金属体の外周面に形成された前記金属溝部を前記チャックに支持させて前記結合体を位置決めした状態で、前記旋盤が前記結合体を回転させながら前記刃物によって前記第2金属体の内周面を切削して、前記第1金属体の内周面を露出させる第1切削工程と、
    前記第1切削工程後に、前記第1金属体の前記内周面を前記チャックに支持させて前記結合体を位置決めした状態で、前記第2金属体の前記金属溝部を含む前記外周面を切削して、前記第1金属体の外周面を露出させる第2切削工程と、を含む、
    請求項1又は2に記載の金属装飾品の製造方法。
  4. 前記結合体成形工程で成形された前記第2金属体の前記金属溝部の底部を切削して、前記第1金属体の外周面を露出させる溝部加工工程を更に備え、
    前記切削工程においては、前記溝部加工工程によって前記底部が切削された前記金属溝部を前記チャックに支持させて前記結合体を位置決めする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の金属装飾品の製造方法。

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