JPH08266555A - 手術用顕微鏡装置 - Google Patents

手術用顕微鏡装置

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JPH08266555A
JPH08266555A JP7075209A JP7520995A JPH08266555A JP H08266555 A JPH08266555 A JP H08266555A JP 7075209 A JP7075209 A JP 7075209A JP 7520995 A JP7520995 A JP 7520995A JP H08266555 A JPH08266555 A JP H08266555A
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arm
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rotation
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Koji Yasunaga
浩二 安永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、鏡体を移動させてもバランスを取る
ための重りの突出がなく、コンパクトで操作力が軽く安
定性も高い手術用顕微鏡を提供する。 【構成】回動可能に接続された第1および第2のの平行
四辺形リンク2,3と、これを連動する連動機構と、前
記リンクのアーム3dに接続されたカウンターウエイト
39aと、前記鏡体の回転軸O9 ,O10まわりの傾斜運
動を直接的に前記傾斜ロッド25の回転軸O21,O12ま
わりの傾斜運動に同一比で伝達する可撓性の運動伝達部
材と、前記傾斜ロッド25の移動軌跡を所定位置に限定
可能な運動規制機構とを備え、前記鉛直軸O0 を含む面
と平行な面内で回転軸O1 ,O4 ,O10をそれぞれ結ぶ
三角形が、同一面内で回転軸O5 ,O8 ,O12をそれぞ
れ結ぶ三角形と相似形になるべく、各回転軸を配置して
成り、前記第1の連動機構および/または第2の連動機
構のそれぞれ一方の移動に連動して動く部材に補助カウ
ンターウエイトを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば脳神経外科の手
術においてのマイクロサージャリーに使用される手術用
顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、手術手法や手術用具の発達に伴
い、マイクロサージャリーが頻繁に行われるようになっ
てきている。マイクロサージャリーにおいては、術部を
拡大観察するために手術用顕微鏡装置が用いられる。手
術用顕微鏡装置は、一般に、術部を拡大観察するための
鏡体(顕微鏡)と、術者の所望する任意の位置に鏡体を
移動し、かつ所望の姿勢に変位可能な支持装置とを備え
て構成されている。
【0003】特に、脳神経外科の手術においては、その
術部を様々な方向から観察するため、鏡体の位置や角度
(姿勢)を頻繁に変える必要性がある。そこで、従来か
ら、鏡体を迅速かつ正確に目的の位置に移動させて任意
の姿勢をとらせるとともに、その鏡体の移動軌跡を限定
可能な種々の支持装置が提案されている。
【0004】この種の支持装置の技術としては、例えば
特公昭63−36481号公報、USP第517380
2号明細書、及び特開平5−168648号公報を挙げ
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭63−3648
1号公報における支持装置はそれぞれ平行リンク機構か
らなる下側旋回系と上側旋回系を支柱に支承し、その両
旋回系の平衡を保つため、少なくとも1個の重錘が棒に
よって下側旋回系に担持されて設けられている。この公
報のものの問題点は平衡用重錘及びこの平衡用重錘を担
持している棒が、顕微鏡の鏡体の移動にともなって大き
く後方に突出して手術室内の他の機器との干渉、及び術
者や介助者にとって大変邪魔になるということである。
さらに、この公報のものでは下側に位置する旋回系にお
ける支柱に支持するための前記軸が比較的上方に位置し
て設けられてあり、支持装置全体の重心位置が高く、安
定性が良くない。
【0006】ところで、平衡用重錘の前記軸まわりの突
出量を小さくするために前記軸の部分から前記棒の部分
まで延出するアーム部材を短く構成することが考えられ
るが、このようにすると、旋回系が回動したとき、逆に
平衡用重錘が上方に突出することになり、術者および介
助者にとって大変邪魔になってしまう。
【0007】また、前記軸の位置を下方に下げた場合に
は鏡体の移動範囲を確保するためには旋回アームを長く
する必要があるが、そうすると、旋回系のバランスを保
つために平衡用重錘を大型にするか、その平衡用重錘を
担持している棒およびアーム部材を長くする必要があ
り、いずれも突出量が大きくなってしまう。いずれにせ
よ、このような構成では平衡用重錘の突出量を小さく抑
えることはできない。
【0008】USP第5173802号明細書のもの
は、その平衡用重りが旋回系のアーム部材に直接的に取
り付けられる点で重りの配置が異なるのみであり、その
他は前述した特公昭63−36481号公報のものと同
様である。
【0009】また、特開平5−168648号公報のも
のも、それぞれ平行リンク機構からなる下側旋回系と上
側旋回系を支柱に支承し、前側の平行リンク機構の傾
斜、すなわち鏡体の傾斜を伝達機構により下側旋回系の
平行リンク機構の軸に伝達したものであり、これはカウ
ンタウエイトの前記軸まわりの突き出しが大きくなり、
これが邪魔になること、ならびに前記軸が高い位置にあ
ることによる安定性が悪いといった点が、特公昭63−
36481号公報と同様の欠点がある。すなわち、カウ
ンタウエイトが顕微鏡の鏡体の移動にともなって大きく
後方に突出して手術室内の他の機器との干渉、及び術者
や介助者にとって大変邪魔になるとともにその支持装置
の安定性が悪い。
【0010】一方、カウンタバランス式の機構におい
て、そのバランスを保つ重りは回転軸近傍に配置されて
いることが慣性力を低減する上では望ましいが、前記特
公昭63−36481号公報、USP第5173802
号明細書、及び特開平5−168648号公報の構造で
は重りを回転軸に近付けられる限界がある。その理由は
バランスを保った状態で重りを回転軸に近付けるために
は、当然ながら重りの重量を増加される必要がある。そ
のために、比重の大きい材料で重りを製作するか重り自
体を大型化にすることが必要となる。重りが大型化する
と、従来の問題である術者および介助者の邪魔になると
いう問題が解決されない。また、比重の大きい材料で重
りを作ると高価なものになり、適切なものではない。
【0011】本発明は前記課題に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは鏡体を移動させても、
バランスを取るための重りの突出がなく、コンパクトで
あり、また慣性力も小さく操作力が軽いとともに、安定
性も高い手術用顕微鏡の提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】顕微鏡の鏡体1
2を支持し、その鏡体12を3次元的に移動可能な移動
機構と、前記鏡体を3軸まわりに傾斜可能な傾斜機構を
備えた手術用顕微鏡装置において、前記移動機構は、臨
床室の床や天井等の被設置部位に対して取り付けられ、
鉛直軸O0 まわりに回動可能な支柱1と、前記支柱1に
対して、前記鉛直軸O0 と異なる回転軸O1 まわりに回
動可能に接続され、複数のアーム2a〜2dを前記回転
軸O1 を含む互いに平行な回転軸O1 〜O4 まわりにそ
れぞれ回動可能に接続してなる第1の平行四辺形リンク
2と、前記第1の平行四辺形リンク2の上方および下方
の一方の側に配置され、前記支柱1に対し、前記回転軸
O1 と平行な回転軸O5 まわりに回動可能に接続され、
複数のアーム3a〜3dを前記回転軸O5 を含む互いに
平行な回転軸O5 〜O8 まわりにそれぞれ回動可能に接
続してなる第2の平行四辺形リンク3と、前記アーム3
dに接続されたカウンターウエイト39aと、前記第1
の平行四辺形リンク2における面内においてその回転軸
O1 とこれに隣接する一方の回転軸O4 とを結ぶ線分に
平行な線分と、前記第2の平行四辺形リンク3における
面内において前記回転軸O1 と回転軸O4 に対応したそ
の第2の平行四辺形リンク3における前記回転軸O5 と
これに隣接する一方の回転軸O8 とを結ぶ線分に平行な
線分とが、常に平行になるべく、前記回転軸O1 を中心
として回転する第1の平行四辺形リンク2における一方
のアーム2aと前記回転軸O5 を中心とした前記第2の
平行四辺形リンク3における一方のアーム3aとの回動
を連動させる第1の連動機構と、前記第1の平行四辺形
リンク2における面内においてその回転軸O1 とこれに
隣接した他方の回転軸O2 とを結ぶ線分に平行な線分
と、前記第2の平行四辺形リンク3における面内におい
てその回転軸O5 とこれに隣接する他方の回転軸O6 と
を結ぶ線分に平行な線分とが、常に平行になるべく前記
回転軸O1 を中心として回動する前記第1の平行四辺形
リンク2における他方のアーム2bと、前記回転軸O5
を中心として回動する前記第2の平行四辺形リンク3に
おける他方のアーム3bの回動を連動させる第2の連動
機構と、前記第1の連動機構および/または第2の連動
機構のそれぞれ一方の移動に連動して動く部材に補助カ
ウンターウエイトを備えたものである。これによれば、
鏡体を3次元的に移動させると、その動きが第1の平行
四辺形リンク機構から第1の伝達機構及び第2の伝達機
構により第2の平行四辺形リンク機構に伝達され、カウ
ンタウエイト並びに補助カウンタウエイトが連動して移
動して回転モーメントは常に相殺される。
【0013】
【実施例】図1ないし図11に従って、本発明の第1の
実施例を説明する。 (構成)図1はこの第1の実施例に係る手術用顕微鏡装
置の全体の概略的な構成を示している。同図中、符号1
は支持装置における支柱であり、この支柱1は支持台4
に支持されている。支持台4は底面にキャスターを有し
た底板4aと立柱4bを備えてなり、その立柱4bの上
端部は水平に前方へ屈曲されている。立柱4bの屈曲前
方端には前記支柱1が鉛直軸O0 を中心として回転自在
に取り付けられている。支柱1の上部には上側の第1の
平行四辺形リンク(変位機構)2が接続されており、そ
の支柱1の下部には下側の第2の平行四辺形リンク(変
位機構)3が接続されている。
【0014】上側に位置する第1の平行四辺形リンク2
は平行四辺形を形成するように4本のアーム2a〜2d
を配置し、これらを互いに平行な回転軸O1 〜O4 まわ
りに回動可能に連結してなるものである。そして、この
第1の平行四辺形リンク2は前記支柱1の上端部に対
し、上方支持部材5を介してその回転軸O1 まわりに回
動可能に接続されている。回転軸O1 と鉛直軸O0 とは
直交している。
【0015】また、下側に位置する第2の平行四辺形リ
ンク3は平行四辺形を形成するように4本のアーム3a
〜3dを配置し、これらを互いに平行な回転軸O5 〜O
8 まわりに回動可能に連結してなるものである。そし
て、第2の平行四辺形リンク3は前記支柱1の下端部に
下方支持部材6を介し、その回転軸O5 まわりに回動可
能に接続されている。回転軸O5 と鉛直軸O0 とは直交
し、かつ前記回転軸O1と平行である。第1の平行四辺
形リンク2と第2の平行四辺形リンク3は支柱1の上下
の位置に分離して配置されるとともに、相似的に対応関
係をもって配置されている。そして、後述する第1の連
動機構および第2の連動機構を介して相似的に連繋した
変形動作を行うようになっている。
【0016】つまり、第1の平行四辺形リンク2のアー
ム2aは回転軸O1 下側一端から屈曲するアーム部を突
き出す全体としてL字形の形状をしており、その突出ア
ーム部の先端部分には前記回転軸O1 と平行な回転軸O
13が設けられ、この回転軸O13まわりに回動可能に第1
の伝達ロッド7の上端が接続されている。ここで、紙面
に平行な面内で回転軸O1 と回転軸O4 を結ぶ線分と、
回転軸O1 と回転軸O13を結ぶ線分は直角をなしている
が、これに限られるものではない。また、第2の平行四
辺形リンク3の対応したアーム3aは回転軸O5 で交差
するT字形の形状をしており、その短い中間突出部の先
端部分には回転軸O5 と平行な回転軸O14まわりに回動
可能に前記第1の伝達ロッド7の下端が接続されてい
る。紙面に平行な面内で回転軸O5 と回転軸O8 を結ぶ
線分と、回転軸O5 と回転軸O14を結ぶ線分は前記同様
に直角であるが、前述した第1の平行四辺形リンク2の
アーム2aの屈曲して突出するアーム部のものと平行な
らばこれに限られるものではない。
【0017】しかして、紙面に平行な面内で、回転軸O
1 と回転軸O4 を結ぶ線分と、回転軸O5 と回転軸O8
を結ぶ線分は常に平行をなすが、回転軸O1 ,05 ,O
14,O13を順次結ぶ各線分が常に平行四辺形を形成す
る。そして、この実施例ではアーム2a,3aと、これ
を連結する第1の伝達ロッド7により、回動力を伝達し
てアーム2a,3aを連動させる第1の連動機構を構成
している。
【0018】同様にして、第1の平行四辺形リンク2に
おけるアーム2bの回転軸O2 と、第2の平行四辺形リ
ンク3におけるアーム3bの回転軸O6 とは、それに対
して回動可能な第2の伝達ロッド8によって接続されて
いる。つまり、紙面に平行な面内で、回転軸O1 と回転
軸O2 を結ぶ線分と、回転軸O5 と回転軸O6 を結ぶ線
分とは、常に平行をなす関係にあるように設定されてい
る。そして、この実施例ではアーム2b,3bと、第2
の伝達ロッド8により、アーム2b,3bの間に回動力
を伝達してアーム2b,3bを連動させる第2の連動機
構を構成している。
【0019】第1の平行四辺形リンク2におけるアーム
2dの一端には、紙面に平行な面内にあり、鉛直軸O0
と交差し、回転軸O3 と回転軸O4 を結ぶ線分上の回転
軸O9 まわりにおいて回動可能に支持された接続ブロッ
ク9が取着されている。この接続ブロック9には第3の
平行四辺形リンク機構10が接続されている。すなわ
ち、第3の平行四辺形リンク機構10は5本のアーム1
0a〜10eおよび接続ブロック9を紙面に垂直な回転
軸O15〜O19、O31、O32まわりにそれぞれ回動可能に
接続することにより、2連式の平行四辺形リンク機構を
構成している。接続ブロック9と第3の平行四辺形リン
ク機構10により、互いに直交する2つの回転軸O9 ,
O10を中心にそれぞれ傾斜可能な傾斜機構としての第1
の傾斜アーム11が構成されている。
【0020】前記第3の平行四辺形リンク機構10のア
ーム10bには、バランスウエイト(平衡用重錘)14
が回転軸O15と回転軸032を結ぶ線分と平行に形成され
たねじ部18に沿って移動可能に配設されている。バラ
ンスウエイト14を設ける場所はそのアーム10bに限
定されるものではなく回転軸O15と回転軸O32を結ぶ線
分と平行な動きをする他のアーム10a,10eにあっ
ても良い。
【0021】ここで、顕微鏡鏡体(以下、鏡体という)
12は、アーム10eの下方突出端部に対して回転軸O
17と回転軸O18を結ぶ線分を通る前記回転軸O20まわり
に回動可能に取り付けられた、バランス調整機構を備え
た後述の鏡体支持アーム13を介して支持されている。
これにより、鏡体12は回転軸O9 、回転軸O20および
回転軸O9 と回転軸O20の交点T1を通る紙面に垂直な
仮想の回転軸O10まわりに各軸まわりの回転モーメント
がゼロの状態でそれぞれ回動可能である。鏡体12には
助手用側視鏡16が接続されている。
【0022】次に、第1および第2の平行四辺形リンク
2,3のバランス作用について説明する。第2の平行四
辺形リンク3のアーム3dにはねじ軸41aが固定さ
れ、このねじ軸41aにはカウンターウエイト39aが
その軸線方向に移動可能に支持されている。同様に、第
2平行四辺形リンク3の、前記アーム3dに隣接するア
ーム3aにも回転軸O5 と回転軸O8 を結ぶ線分と平行
にねじ軸41bが固定され、このねじ軸41bにはカウ
ンターウエイト39bが軸線方向に移動可能に支持され
ている。
【0023】さらに、前記第2伝達ロッド8にもカウン
ターウエイト39cが固定されている。前記カウンター
ウエイト39a,39b,39cは、第1の平行四辺形
リンク2、第2の平行四辺形リンク3を連動させたと
き、回転軸O0 ,O1 まわりの回転モーメントが、常に
ゼロになるべく位置および重量配分がなされている。本
実施例ではカウンターウエイト39b,39cより補助
カウンターウエイトが構成されている。
【0024】前記第2の平行四辺形リンク3を構成する
T字形の形状をしたアーム3aは回転軸O5 に対して、
回転軸O8 とは反対側に延長されている。このアーム3
aは回転軸O5 と回転軸O8 を通る直線上にあり、この
延長部分の先端には、回転軸O5 に対して回転軸O8 と
反対側で回転軸O5 と平行な回転軸O50まわりにアーム
3eを回動可能に接続している。アーム3cは回転軸O
6 に対して回転軸O7とは反対側に延長され、この回転
軸O6 と回転軸O7 を通る直線上にある延長部先端に
は、回転軸O6 に対して回転軸O7 とは反対側の位置で
前記回転軸O6 と平行な回転軸O51まわりにアーム3e
を回動可能に接続している。ここで、紙面に平行な平行
四辺形リンクの面内での、回転軸O5 と回転軸O6 を結
ぶ線分と、回転軸O50と回転軸O51とを結ぶ線分とは互
いに平行である。
【0025】前記アーム3eに対して固定的に接続され
た固定台20には紙面に平行な面内にあり、鉛直軸O0
と交差し、回転軸O9 と平行な回転軸O21まわりに回動
可能に支持された回転ブロック21が接続されており、
この回転ブロック21には回転軸O10と平行であり、か
つ回転軸O21と直交する回転軸O12まわりに回動可能に
接続された座22が設けられている。そして、これら固
定台20と回転ブロック21および座22により、傾斜
機構としての第2の傾斜アーム15を構成している。
【0026】前記座22にはスライドロッド23の一端
が接続されており、このスライドロッド23の他端部に
は、前記座22に対して前記回転軸O20を含む紙面に平
行な面内で回転軸O12と直交する回転軸O23まわりに回
動可能にジョイント24が接続されている。この実施例
では、スライドロッド23とジョイント24により傾斜
機構としての傾斜ロッド25が構成されている。なお、
ここで、回転軸O21、回転軸O12、回転軸O23まわりの
それぞれの自重による回転モーメントは常にゼロになる
べく重量配分されている。
【0027】前記鏡体12の回転軸O9 ,O10まわりの
傾斜運動を直接的に前記傾斜ロッド25の回転軸O21,
O12まわりの傾斜運動に同一比で伝達する可撓性の運動
伝達部材が設けられている。すなわち、前記第1の傾斜
アーム11における接続ブロック9には、回転軸O9 と
同軸に配設された回転部材としてのプーリー26aが設
けられており、このプーリー26aには、それぞれ反対
側から巻き付けたワイヤー27a,27bの巻込み端を
固定している。この各ワイヤー27a,27bの導出端
側は、それぞれ可撓性のアウターチューブ28a,28
bの内部に摺動可能に挿通されて案内されるようになっ
ている。アウターチューブ28a,28bの各一端部は
固定金具29aを介してアーム2dに対して固定されて
いる。接続ブロック9は、プーリー26aの回転によっ
て回転させられる。
【0028】同様に、第2の傾斜アーム15の回転ブロ
ック21には回転軸O21と同軸に配設された回転部材と
してのプーリー26bが設けられており、これには、前
記アウターチューブ28a,28bを通じて導かれてき
た前記ワイヤー27a,27bの各他端がそれぞれ反対
側から巻き付けられるとともに、その周面に固定されて
いる。前記アウターチューブ28a,28bの他端部は
固定金具29bを介して前記固定台20に対して固定さ
れている。回転ブロック21は、プーリー26bの回転
によって回転する。
【0029】前述した第1の傾斜アーム11における接
続ブロック9には、これに対するアーム10bに回転軸
O32と同軸的に連結して配設された同じく回転部材とし
てのプーリー26cが設けられており、このプーリー2
6cには、それぞれ反対側から端部を巻き付け、その先
端を固定したワイヤー27c,27dが設けられてい
る。このワイヤー27c,27dはそれぞれ前述したも
のとは別の可撓性のアウターチューブ28c,28dの
内部に摺動可能に挿通されて案内されるようになってい
る。アウターチューブ28c,28dの各端部は固定金
具29cを介して接続ブロック9に対して固定されてい
る。接続ブロック9は、プーリー26cと一体的に回転
するようになっている。
【0030】同様に、第2の傾斜アーム15の座22に
は回転軸O12と同軸に配設された回転部材としてのプー
リー26dが設けられており、このプーリー26dには
前記ワイヤー27c,27dの他端側が反対側から巻き
付けられるとともに、その先端がプーリー26dに固定
されている。このワイヤー27c,27dをガイドする
前記アウターチューブ28c,28dの端部は固定金具
29dを介して回転ブロック21に固定されている。第
2の傾斜アーム15の座22は、プーリー26dと一体
的に回転するようになっている。
【0031】ここで、前記プーリー26aとプーリー2
6bは同一方向から見た場合において、その一方のプー
リーを回動させたとき、他方のプーリーが同じ方向に回
動すべく向きにワイヤー27a,27bが巻かれている
とともに、その回転角度が等しくなるべく、両プーリー
26a,26bは、同一の径で形成されている。
【0032】同様に、前記プーリー26c,26dは、
同一方向から見た場合において、一方のプーリーを回動
させたとき、他方のプーリーが同じ方向に回動すべく向
きにワイヤー27c,27dが巻かれているとともに、
その回転角度が等しくなるべく両プーリー26c,26
dは同一の径に形成されている。
【0033】そして、この実施例では、これらプーリー
26a〜26d、ワイヤー27a〜27d、アウターチ
ューブ28a〜28d、固定金具29a〜29dによ
り、運動伝達機構57を構成し、その可撓性で単一の長
尺な伝達部材からなるワイヤー27a〜27dは、ガイ
ド手段としてのアウターチューブ28a〜28dを通じ
て、座屈やたわみがなくその軸方向に進退するように案
内される構成である。なお、ここで、ワイヤー27a〜
27dは、1本の単線であっても、芯線の有無に拘ら
ず、より線等であってもよい。
【0034】前記支持台4の台部4aには、鉛直軸O25
まわりに回動可能に支持された垂直シャフト30が設け
られている。これにはアーム31a〜31dを互いに平
行な回転軸O26〜O29まわりに回動可能に接続してなる
固定用平行四辺形リンク31が、その回転軸O26まわり
に回動可能に連結されている。ここで、回転軸O26は前
記鉛直軸O25に対して垂直であり、また、垂直シャフト
30にはその鉛直軸O25まわりの回動を規制(制動)す
る電磁ブレーキが配設され、また、アーム31aとアー
ム31bには回転軸O26まわりの回動を規制する後述の
電磁ブレーキが配設されている。
【0035】前記傾斜ロッド25のジョイント24の下
端には、ロッド33の一端が連結されている。このロッ
ド33の他端は、前記固定用平行四辺形リンク31のア
ーム31dの一端に連結されている。そして、この傾斜
ロッド25は、鉛直軸O25を含む紙面に平行な面内にあ
り、回転軸O28と回転軸O29を結ぶ線分を通る線上にお
いて各部に対して回動可能に接続されている。
【0036】このロッド33の一端は前記傾斜ロッド2
5のジョイント24に対して、回転軸O23と直交する回
転軸O24まわりに回動可能に接続されている。これら垂
直シャフト30、固定用平行四辺形リンク31、旋回バ
ー32およびロッド33および後述の電磁ブレーキによ
り運動規制機構40が構成されている。ここで、前記運
動規制機構40の、回転軸O25、O26、O30まわりのそ
れぞれの自重による回転モーメントが、常にゼロになる
べく、重量配分で構成されている。
【0037】また、図1で示すように、前述した鉛直軸
O0 を含む紙面に平行な面内で、回転軸O1 、O4 、O
10をそれぞれ結ぶ三角形が、同一面内で、回転軸O5 、
O50,O12をそれぞれ結ぶ三角形と相似形になるべく、
各回転軸を配置して構成されている。ここで相似比は、 (△O1 ,O4 ,010)/(△5 ,O50,012)=C となっている。Cは、定数である。
【0038】次に、細部の構成について説明する。図1
において、37aは、支持台4に配設され、その支持台
4に対する支柱1の回動を電気的に規制可能な電磁ブレ
ーキである。
【0039】第1の傾斜アーム11および第1の平行四
辺形リンク2のアーム2dとの接続部には、第1の傾斜
アーム11の接続ブロック9に突出して形成される第1
の回転ロッド38が設けられている。この第1の回転ロ
ッド38は、前記アーム2dの内部に配設されたベアリ
ングに嵌挿されることにより、回転軸O9 まわりに回動
可能である。また、アーム2dには、電磁ブレーキ37
dが配設され、この電磁ブレーキ37dはアーム2dに
対する前記第1の回転ロッド38の回動を電気的に規制
する。接続ブロック9にも電磁ブレーキ37eが配設さ
れ、この電磁ブレーキ37eは接続ブロック9に対する
アーム10aの回転軸O31まわり回動を電気的に制動可
能なものである。前記アーム10eにも鏡体支持アーム
13のアーム10eに対する回転軸O20まわりの回転を
規制可能な電磁ブレーキ37fが配設されている。
【0040】次に、図2に従い、上方支持部材5の部分
の詳細を説明する。この図2は図1の矢印a方向から見
た回転軸O1 を含む部分の断面を示すものである。すな
わち、上方支持部材5には上方シャフト34がベアリン
グ36aを介して回転軸O1 まわりに回動可能に支持さ
れており、その上方シャフト34は前記上方支持部材5
に配設された電磁ブレーキ37bにより電気的に規制可
能である。前記アーム2aは前記上方シャフト34の外
周にベアリング36bを介して回転軸O1 まわりに回動
可能に支持されている。前記アーム2bは上方シャフト
34に設けたフランジ部に対してねじにより固定されて
いる。
【0041】次に、図3に従い、下方支持部材6の部分
の詳細を説明する。この図3は図1の矢印b方向から見
た回転軸O5 を含む部分の断面を示すものである。すな
わち、前記下方支持部材6には下方シャフト35が、ベ
アリング36cを介して回転軸O5 まわりに回動可能に
支持されており、その下方シャフト35は、前記下方支
持部材6に配設された電磁ブレーキ37cにより電気的
に規制可能である。前記アーム3aは前記下方シャフト
35のフランジ部に対してねじにより固定されている。
また、前記アーム3bは、前記下方シャフト35の外周
にベアリング36dを介して回転軸O5 まわりに回動可
能に支持されている。
【0042】次に、図4に従い、第2の平行リンク3、
第2の傾斜アーム15、傾斜ロッド25および運動規制
機構40の詳細な構成について説明する。図4中、T2
は回転軸O12と回転軸O21との交点、S2は回転軸O2
3、回転軸O24、回転軸O30の交点を示している。
【0043】43は前記座22に配設され傾斜ロッド2
5のスライドロッド23を回転軸O23の方向に電気的に
移動可能な傾斜ロッド駆動部であり、44は傾斜ロッド
駆動部43に接続された前記傾斜ロッド駆動部43の駆
動量を検出することにより、T2とS2間の直線距離R
2を算出する傾斜ロッド位置検出部である。
【0044】また、支持台4には支持台4に対する垂直
シャフト30の回転軸O25まわりの回動を電気的に規制
可能な電磁ブレーキ37gが配設されている。また、固
定用平行四辺形リンク31を構成するアーム31a,3
1bにはアーム31a,31bの旋回バー32に対する
回転軸O26まわりの回動を電気的に規制可能な電磁ブレ
ーキ37h,37iがそれぞれ配設されている。また、
アーム31aと旋回バー32のそれぞれには回転軸O26
およびO25まわりの回転モーメントを相殺すべく設ける
補助ウエイト42が固定されている。
【0045】次に、鏡体12および電気回路の構成を図
5を参照して説明する。まず、同図中、50は対物レン
ズであり、これは、図示しないズームレンズ、結像レン
ズ、接眼レンズよりなる左右観察光路51R,51L上
に設置され、そのレンズ間隔を変えることにより物体側
の焦点距離が変更可能なものであり、対物レンズ50は
対物レンズ駆動部52に対して機械的に接続されてい
て、それにより焦点距離の調節されるようになってい
る。また、53は例えばエンコーダからなる対物レンズ
位置検出手段であり、これも前記対物レンズ50に機械
的に接続されている。図中T1は、回転軸O9 、回転軸
O10、回転軸O20の交点であり、点Pは観察光軸、すな
わち回転軸O20と鏡体12の焦点面との交点であり、R
fはT1と点Pとの間の直線距離であり、fは前記対物
レンズ50の焦点距離を示している。
【0046】前記対物レンズ駆動部52および対物レン
ズ位置検出手段53は、制御部54に接続される。鏡体
12にはグリップ55が設けられており、これには全方
向フリースイッチSW1、鏡体球面傾斜スイッチSW
2、傾斜中心点設定スイッチSW3、焦点距離可変スイ
ッチSW4、焦点距離設定スイッチSW5などを有し、
これらのスイッチも前記制御部54に接続されている。
また、制御部54には、メモリ手段65、前記傾斜ロッ
ド駆動部43および傾斜ロッド位置検出部44も接続さ
れている。
【0047】さらに電磁ブレーキ37a〜37fは支持
アーム電磁ブレーキ駆動回路56aを介し、電磁ブレー
キ37g,37h,37iは運動規制機構電磁ブレーキ
駆動回路56bを介して、それぞれ前記制御部54に接
続される。
【0048】次に、図6に従い前述の鏡体支持アーム1
3のバランス調整機構について説明する。57はアーム
10eに対して回転軸O20まわりに回動可能に接続され
た接続ロッドであり、下方に前記鏡体12を支持してい
る。58は前記接続ロッド57の外周に形成され凸部5
9と押さえリング60により回転軸O20の軸線方向の動
きを規制され、回転軸O20まわりに回動可能かつノブ6
1により固定可能な回転リングであり、回転軸O20を中
心とする半径方向に突出し接続されたねじ軸62上をバ
ランスウエイト63が移動可能に支持されている。
【0049】(作用)この第1の実施例の手術用顕微鏡
装置における作用を説明する。この手術用顕微鏡装置に
あっては鏡体12の3次元的な移動および直交する3軸
まわりの傾斜(以下6自由度の動き)と観察光軸上の一
点を中心とした傾斜動が、手術スタイルに応じて種々選
択可能なものである。以下、これらの作用を説明する。
【0050】[6自由度の動き]最初に、グリップ55
の全方向フリースイッチSW1を押して操作すると、制
御部54にはそれに応じた信号が入力され、支持アーム
電磁ブレーキ駆動回路56aと運動規制機構電磁ブレー
キ駆動回路56bに対して信号を出力し、全ての電磁ブ
レーキ37a,37b,37c,37d,37e,37
f,37g,37h,37iのブレーキ作用を解除す
る。
【0051】電磁ブレーキ37aのブレーキ作用が解除
されると、支柱1が支持台4に対して鉛直軸O0 まわり
に回動可能になり、このため、第1の平行四辺形リンク
2および第1の傾斜アーム11を介して、鏡体12が支
持台4に対して鉛直軸O0 まわりに回動可能になる。
【0052】図2に示す電磁ブレーキ37bが解除され
ると、アーム2bが上方支持部材5に対して回転軸O1
まわりに回動可能になり、アーム2cを介してアーム2
dがアーム2aに対して回転軸O4 まわりにアーム2b
と平行を保ちながら回動可能となる。従って、鏡体12
は第1の傾斜アーム11を介してアーム2aに対して回
転軸O4 まわりに回動可能となる。
【0053】図3で示す前記電磁ブレーキ37cが解除
されると、アーム3aが下方支持部材6に対して回転軸
O5 まわりに回動可能になり、第1の伝達ロッド7によ
り接続されたアーム2aが上方支持部材5に対し回転軸
O1 まわりに回動可能となる。従って、鏡体12は第1
の平行四辺形リンク2および第1の傾斜アーム11を介
して全体的に上方支持部材5に対して回転軸O1 まわり
に回動可能となる。従って、これらの鏡体12の3方向
の回動の組み合わせにより、鏡体12は3次元的に移動
可能な状況になる。
【0054】一方、電磁ブレーキ37dが解除される
と、第1の傾斜アーム11はアーム2dに対して、回転
軸O9 まわりに回動可能となる。電磁ブレーキ37eが
開放されると、平行四辺形リンク機構10のアーム10
aは、接続ブロック9に対して、回転軸O31まわりに回
動可能となり、アーム10b〜10dにて接続されるア
ーム10eはアーム10aと平行に回転軸O10を中心に
傾斜動可能となる。また、電磁ブレーキ37fが開放さ
れると、鏡体12は、鏡体支持部材13を介して、アー
ム10eの回転軸O20まわりに回動可能になる。すなわ
ち、鏡体12は回転軸O9 と回転軸O10との交点T1を
中心とした転動が可能となる。
【0055】ここで、運動規制機構40の電磁ブレーキ
37g,37h,37iのブレーキ作用はすべて解除さ
れているため、垂直シャフト30の支持台4に対する回
転軸O25まわり、固定用平行リンク31のアーム31
a,31bの旋回バー32に対する回転軸O26まわりの
回動が可能となる。アーム31bの旋回バー32に対す
る回転軸O26まわりの回動はアーム31cによりアーム
31dのアーム31aに対する回転軸O29まわりの回動
へと伝達される。従って、ロッド33もアーム31aに
対して回転軸O29まわりに回動し、かつロッド33はア
ーム31dに対して回転軸O30まわりに回動可能であ
る。従って、鏡体12の動きを規制するものはない状態
である。すなわち、3次元的な移動と直交する3軸まわ
りの傾斜によって鏡体12は6自由度の動きが可能とな
る。
【0056】次に、前述の鏡体12の6自由度の動きと
連動する作用について説明する。アーム2bの、上方支
持部材5に対する回転軸O1 まわりの回動により、第2
の伝達ロッド8に接続されているアーム3bは下方支持
部材6に対し回転軸O5 まわりにアーム2bと常に平行
を保ちながら回動する。そして、アーム3cによりアー
ム3bに対して平行に接続されたアーム3dもアーム3
aに対し回転軸O8 まわりに回動する。このとき、アー
ム3dは常にアーム2dと平行を保っている。
【0057】アーム3aの下方支持部材6に対する回転
軸O5 まわりの回動により、アーム3dも下方支持部材
6に対して回転軸O5 まわりに回動する。また、傾斜ロ
ッド25も第2の傾斜アーム15を介してアーム3dと
ともに移動する。すなわち、アーム2aとアーム3a、
アーム2dとアーム3dは常に平行を保ちながら移動
し、鉛直軸O0 を含む紙面に平行な面内で回転軸O1 ,
O4 ,O10をそれぞれ結ぶ三角形が、同一面内で回転軸
O5 ,O50,O12をそれぞれ結ぶ三角形とは常に相似形
を保っている。
【0058】図7は、第1の平行四辺形リンク2と第2
の平行四辺形リンク3のバランスを説明するためのモデ
ル図である。G1は回転軸O9 上にある第1の傾斜アー
ム11から鏡体12側の部材の合成された重心を表す点
であり、その重量はW1、回転軸O4 からの距離はL1
である。前記カウンターウエイト39aの重量はWa、
回転軸O8 からの距離はL2 、前記カウンターウエイト
39bの重量はWb、回転軸O5 からの距離はr2 、前
記カウンターウエイト39cの重量はWcであり、回転
軸O1 と回転軸O4 の間の距離はr1 、回転軸O5 ,回
転軸O8 間の距離はr3 、回転軸O1 と回転軸O2 の間
の距離はL3 である。
【0059】ここでカウンターウエイト39a〜39c
は以下の2式を満足する位置に設定されている。 W1 ×L1 =Wa×L2 +Wc×L3 W1 ×r1 =Wa×r3 +Wb×r2 すなわち、鏡体12の3次元的な移動に対して常に第1
の平行四辺形リンク2および第2の平行四辺形リンク3
の回転モーメントはゼロを保っている。
【0060】図8は鏡体12の傾斜に関してのバランス
を説明するためのモデル図である。術中、鏡体12に接
続された側視鏡16の位置を変更するなどして、鏡体1
2を含めて回転軸O20まわりに回動する部材の重心が、
回転軸O9 ,O10,O20のまわりの回転モーメントがゼ
ロである点Gaから点Gbへ移動してしまった場合、バ
ランスウエイト63をねじ軸62に対して回転させ、矢
印1方向に移動させる。そうすると、重心はGbからG
cへと移動し、回転軸O20と一致する。重心位置が紙面
垂直方向にずれている場合は、ノブ61を緩め、バラン
スウエイト63を回転リング58と一体に回転軸O20ま
わりに適正な位置に回転させて固定すれば良い。
【0061】しかしながら、GcはGaに対して上方に
移動しているため、回転軸O9 および回転軸O10まわり
に回転モーメントが生じる。これを相殺するために第1
の傾斜アーム11から鏡体12までを含めて回転軸O9
および回転軸O10まわりに回動する部材の重心が、Ga
に一致するように第1の傾斜アーム11のアーム10e
に配設されたバランスウエイト14をねじ部18に対し
て回転させ回転軸O15と回転軸O32を結ぶ線分方向に移
動させればよい。
【0062】これらの作用により、鏡体12は回転モー
メントが常にゼロの状態で6自由度の動きが可能とな
る。実際の手術に際しては鏡体12と術部の間に適正の
作業空間を確保する為に、焦点距離を最適な値に設定す
る必要がある。その作用は焦点距離を伸ばすか縮めるか
どちらか必要な方向に合わせて焦点距離可変スイッチS
W4を押す。その伸縮の入力の方向により制御部54に
信号が入力され、対物レンズ駆動部52は制御部54か
らの信号により、術者の目的とする方向に対物レンズ5
0を移動させる。
【0063】そして、焦点距離設定スイッチSW5を押
すと、対物レンズ位置検出手段53から現在の対物レン
ズ位置を表す対物レンズ位置情報が制御部54を通して
メモリ手段65に対物レンズ基準位置情報として記憶さ
れる。このようにして術式に合わせた焦点距離が記憶さ
れる。
【0064】術中は、観察部位に正確に焦点を合わせる
必要があり、そのために前述のように焦点距離可変スイ
ッチSW4を押して、焦点距離を伸縮させる。すなわち
対物レンズ基準位置と実際の対物レンズ位置はずれてし
まっている。
【0065】次に、鏡体12を目的とする位置へと移動
させるために、全方向フリースイッチSW1を押すと、
制御部54はその信号に従い前述のメモリ手段65に記
憶された対物レンズ基準位置情報と、対物レンズ位置検
出手段53から入力される現在の対物レンズ位置を表す
対物レンズ位置情報の両者を比較し、現在の対物レンズ
位置が対物レンズ基準位置情報と一致するように対物レ
ンズ駆動手段52を駆動させる。
【0066】この作用により術中に焦点合わせのために
対物レンズの焦点距離をいかなる状態に変更しても鏡体
12を移動させる為に全方向フリースイッチSW1を押
すと、対物レンズの焦点距離はあらかじめ設定しておい
た基準位置へと移動する。
【0067】[観察光軸上の一点を中心とした傾斜動]
この場合には、グリップ55の鏡体球面傾斜スイッチS
W2を押すと、制御部54はその信号を入力し、支持ア
ーム電磁ブレーキ駆動回路56aに信号を出力し、それ
らの電磁ブレーキ37a,37b,37c,37d,3
7e,37fのブレーキ作用のみが解除される。これは
前述の6自由度の動きの場合に対して、運動規制機構4
0の電磁ブレーキ37g,37h,37iのみ固定とし
た状態である。
【0068】従って、図9(a)において、傾斜ロッド
25は点S2の移動を拘束され、S2を中心に傾斜のみ
可能となる。ここで、点T2はS2とT2の距離R2を
半径とした球面上を動く。T2の動きは前述のアームの
作用と同様に伝達され、第1の傾斜アーム11の回転軸
O9 と回転軸O10の交点T1は交点T2の移動距離に前
述の相似な三角形の比の定数であるCを乗した距離だけ
反対方向に移動する。
【0069】傾斜ロッド25の傾斜は可撓性のワイヤー
27a〜27dを用いた運動伝達機構57により、その
動きが鏡体12に伝達され、その鏡体12の相似的な動
きとなって現れる。以下に、その作用を図1および図4
に従い説明する。
【0070】すなわち、傾斜ロッド25が回転軸O12ま
わりに回動すると、第2の傾斜アーム15の座22と一
体に配設されたプーリー26dも一体になり回動する。
その結果、プーリー26dの回動方向によりワイヤー2
7c,27dのいずれか一方が引っ張られ、そのワイヤ
ーは両端部を固定金具29dおよび固定金具29cによ
り回転ブロック21dおよび接続ブロック9に固定され
ることによりワイヤーに沿った方向の移動を規制された
いずれかのアウターチューブ28c,28d内をスライ
ドし、第1の傾斜アーム11のアーム10bと一体に配
設されたプーリー26cを前記プーリー26dと同一方
向に同一角度で回動させる。一方、引っ張られない側の
ワイヤーも、それぞれプーリー26d,26cの回動を
1対1で遊び無く伝達する働きをする。アーム10bの
回動は平行四辺形リンク機構10によりアーム10eの
回転軸O10まわりの回動として伝達される。従って,鏡
体12はその回転軸O10まわりに座22の回転軸O12ま
わりの傾斜と同一方向に同一角度で回動する。
【0071】また、傾斜ロッド25が回転軸O21まわり
に回動すると、第2の傾斜アーム15の回転ブロック2
1に配設されたプーリー26bも一体になり回動する。
回動方向によりワイヤー27a,27bのいずれかが引
っ張られ、そのワイヤーは両端部を固定金具29bおよ
び固定金具29aにより固定台20dおよびアーム2d
に固定されることにより、そのワイヤーに沿った方向の
移動を規制されたアウターチューブ28aあるいは他の
アウターチューブ28b内をスライドし、第1の傾斜ア
ーム11の接続ブロック9と一体に配設されたプーリー
26aを前記プーリー26bと同一方向に同一角度で回
動させる。一方、引っ張られない側のワイヤーも、それ
ぞれプーリー26b,26aの回動を1対1で遊び無く
伝達する働きをする。従って、鏡体12は、第1の傾斜
アーム11を介して回転軸O9 まわりに回転ブロック2
1の回転軸O21まわりの傾斜と同一方向に同一角度で回
動する。
【0072】すなわち、傾斜ロッド25の回転軸O23
と、平行四辺形リンク機構10におけるアーム10eの
観察光軸と同軸な回転軸O20とが、常に平行に保つ。こ
のため、図9(a)に示すように、観察光軸と同軸な回
転軸O20の上のT1から、R2×C=R1の距離の点S
1を中心に鏡体12が傾斜可能となる。図9(b)は、
図9(a)に対し鏡体12を右側に傾斜させた場合を示
している。
【0073】また、グリップ55の傾斜中心点設定スイ
ッチSW3を押すと、対物レンズ位置検出部53からの
対物レンズ位置信号および傾斜ロッド位置検出部44か
らの傾斜ロッド位置信号が制御部54に入力される。そ
して、制御部54内で対物レンズ位置信号からT1と鏡
体12の焦点面における観察光軸上の点Pの距離Rfを
算出し、また傾斜ロッド位置信号からT2とS2の距離
R2を算出する。そして距離R2を相似三角形の比であ
るC倍した値R2×C=R1と前記Rfを比較し、両者
が等しくなるように、傾斜ロッド25を移動させるべ
く、駆動信号が傾斜ロッド駆動部43に出力され、傾斜
ロッド駆動部43では図示しないモーターが回動し、図
示しない減速機を介して、傾斜ロッド25のスライドロ
ッド23を回転軸O23の軸線上を必要な方向に必要な距
離移動させる。
【0074】この駆動信号が傾斜ロッド駆動部43に出
力されている間、その制御部54は運動規制機構電磁ブ
レーキ駆動回路56bにも起動信号を出力して、電磁ブ
レーキ37g,37h,37iのブレーキ作用を解除
し、かつ、その他の電磁ブレーキ37a〜37fは固定
している。
【0075】この作用により、術者が鏡体12の傾斜中
心点としたい点を鏡体12の観察視野中心に合わせ、か
つ焦点距離可変スイッチSW4により対物レンズ50の
焦点距離を変化させ、その点に焦点を合わせて(図5
中、点P)、グリップ55の傾斜中心点設定スイッチS
W5を押せば、S1がPと一致するように移動し、自動
的に鏡体12の傾斜中心点が目的とする点に設定され
る。
【0076】この観察光軸上の一点を中心とした傾斜動
すなわち鏡体球面傾斜スイッチSW2を押したときは、
前述の6自由度の動きの場合の対物レンズの焦点距離の
リセット機能は働かない。
【0077】本実施例では、対物レンズ駆動部52、対
物レンズ位置検出部53、傾斜ロッド駆動部43、傾斜
ロッド位置検出部44を備えているので、制御部内の演
算処理により、術者が焦点距離設定スイッチSW5を押
したときに、鏡体12の傾斜中心点S1がその時の鏡体
12の焦点に一致するように制御することも可能であ
る。
【0078】(効果)第1の平行四辺形リンク2と第2
の平行四辺形リンク3の動きを連動する第1の連動機構
および第2の連動機構が、アーム2a,3aと第1の伝
達ロッド7およびアーム2b,3bと第2の伝達ロッド
8によりそれぞれ構成されている。このため、その伝達
において鏡体12の視野ズレの原因となる遊びがないと
ともに剛性がある。したがって、第1の平行四辺形リン
ク2と第2の平行四辺形リンク3の動きを確実に連動さ
せることができる。また、その構成が簡単である。
【0079】また、補助カウンタウエイトとしてのカウ
ンタウエイト39bは、アーム3a上に配設されている
ため鏡体12の移動による後方への突出がない。さらに
補助カウンタウエイトとしてのカウンタウエイト39c
は、第2伝達ロッド8上に配設されているため鏡体12
の移動による突出はほとんどない。
【0080】回転軸O1 まわりのアーム2aの回転方向
のバランスと、アーム2bの回転方向のバランスは、そ
れぞれカウンタウエイト39b、39aにより独立して
調整可能であり、調整作業が容易である。
【0081】また、鏡体支持アーム13のバランス調整
機構は、バランスウエイト63を移動させる方式であ
り、形状がシンプルであるとともに、回転軸O20に対す
る鏡体12の位置は変化しないため、観察焦点を中心と
した傾斜機構を備えた手術用顕微鏡においても、傾斜中
心点が観察焦点とずれることがなく操作し易い。
【0082】鏡体12を移動させる為に全方向フリース
イッチSW1を押すと、対物レンズの焦点距離はあらか
じめ設定しておいた基準位置へと移動するため、焦点を
合わせるための焦点距離の変更と、鏡体12の移動の繰
り返しにより、手術における作業空間が著しく広くなっ
たり、狭くなったりすることなく常時適正な作業区間が
確保できる。また、鏡体球面傾斜スイッチSW2を押し
た時の、鏡体12の観察点を中心とした傾斜移動時に
は、この機能を働かせないため、観察点の焦点が変わる
ことがなく、操作性を損ねない。
【0083】(第1の実施例の変形例)本実施例の鏡体
支持アーム13の変形例を図10に従い説明する。本変
形例はバランスウエイトを移動させることによりバラン
ス調整を行うものであり、原理的には本実施例に記載の
ものと同じことである。
【0084】16aは、助手用側視鏡の設定スタイル
A、16bは、助手用側視鏡の設定スタイルBを示して
いる。130はアーム10eに対して回転軸O20まわり
に回動可能に接続された接続ロッドであり下方に鏡体1
2を一体的に支持している。
【0085】131は、前記接続ロッド130上に配設
されバランスウエイト132を鏡体12に対して、電動
で3次元的に移動可能とするためにモータ135a、1
35b、135cを備えたウエイト駆動手段である。そ
の電気的構成を図11に従い説明する。
【0086】133は制御部でありメモリ手段134、
スタイル選択スイッチSWa、SWb、ウエイト駆動手
段131に内蔵された3つのモータ135a、135
b、135cが接続されている。
【0087】その作用は、術式による助手用側視鏡16
の設定スタイル(スタイルA、スタイルB)に合わせて
バランスが保たれるバランスウエイト132の位置を予
めメモリ手段134に記憶させておき、術中に助手用側
視鏡の位置を変更(スタイルAからスタイルB)した際
に、スタイル選択スイッチSWbを押すと、制御部は、
モータ135a、135b、135cそれぞれに駆動信
号を出力しメモリ手段134に予め記憶されたスタイル
B時にバランスが保たれる位置にバランスウエイト13
2を駆動する。
【0088】この変形例によれば、手術スタイルを変更
するために助手用側視鏡16を鏡体12に対して移動さ
せても、スイッチを押すだけで自動でバランス調整が可
能であり、セッティング時間の短縮になり、術者の負担
の軽減につながる。 (第2の実施例)図12ないし図16に従って、本発明
の第2の実施例を説明する。
【0089】(構成)図12はこの第2の実施例に係る
手術用顕微鏡装置の全体の概略的な構成を示しており、
同図中の符号4は、床に設置された支持台であり、これ
には支柱1が鉛直軸O0 まわりに回動可能に支持されて
いる。また、符号2はアーム2a〜2dを互いに平行な
回転軸O1 〜O4 まわりに順次回動可能に接続して連結
してなる第1の平行四辺形リンクである。第1の平行四
辺形リンク2は前述した第1の実施例と同様の構成をな
し、支柱1の下部に設けた上方支持部材5を介して前記
鉛直軸O0 と直交した回転軸O1 まわりに回動可能に接
続されている。
【0090】符号3は、第2の平行四辺形リンクであ
り、これも前述した第1の実施例と同様にアーム3a〜
3dを互いに平行な回転軸O5 〜O8 まわりに回動可能
に接続してなり、前記支柱1の上部に設けた下方支持部
材6を介して回転軸O5 まわりに回動可能に接続されて
いる。ここでの回転軸O5 は、前記鉛直軸O0 と直交
し、かつ前記回転軸O1 とは平行である。
【0091】また、第1の平行四辺形リンク2のアーム
2aには前記回転軸O1 と同軸上のスプロケット66a
が配設されており、アーム3aには、回転軸O5 と同軸
上に前記スプロケット66aと同一径のスプロケット6
6bが配設されている。このスプロケット66a,66
bの間には、チェーン67aを掛け渡すことにより、相
互に連結されている。このとき、紙面に平行な面内の、
回転軸O1 と回転軸O4 を結ぶ線分と回転軸O5 と回転
軸O8 を結ぶ線分が、常に平行をなすようにしている。
そして、この第2の実施例ではアーム2a,3aと、ス
プロケット66a,66bと、チェーン67aにより、
第1の連動機構を構成している。
【0092】同様に、第1の平行四辺形リンク2におけ
る他のアーム2bには回転軸O1 と同軸上にスプロケッ
ト66cが配設されており、アーム3bには、回転軸O
5 と同軸上にスプロケット66cと同一径のスプロケッ
ト66dが配設されている。そして、このスプロケット
66c,66dの間にはチェーン67bを掛け渡すこと
により相互に連結されている。このとき、紙面に平行な
面内の回転軸O1 と回転軸O2 を結ぶ線分と、回転軸O
5 と回転軸O6 を結ぶ線分が、常に、平行をなしてい
る。そして、この第2の実施例では、アーム2b,3b
と、スプロケット66c,66dと、チェーン67bに
より、第2の連動機構が構成されている。
【0093】符号11は前述した第1の実施例と同様
に、アーム10a〜10e及び接続ブロック9を紙面に
垂直な回転軸O15〜O19,O31,O32のまわりにそれぞ
れ回動可能に接続することにより構成してなる第3の平
行四辺形リンク機構10による第1の傾斜アームであ
る。その第3の平行四辺形リンク機構10のアーム10
bにも同様にバランスウエイト14が配設されている。
【0094】ここで、鏡体12は第3の平行四辺形リン
ク機構10のアーム10eの下方突出端部に対し、回転
軸O17と回転軸O18を結ぶ線分と通る回転軸O20まわり
に回動可能なバランス調整機構を備えた後述の鏡体支持
アーム13を介して支持されている。すなわち、鏡体1
2は、第1の実施例と同様に回転軸O9 、回転軸O20、
及び回転軸O9 、回転軸O20の交点T1 を通る紙面に垂
直な仮想の回転軸O10まわりに各回転軸まわりの回転モ
ーメントがゼロの状態で回動可能である。符号16は鏡
体12に接続された助手用側視鏡である。
【0095】次に、第1及び第2の平行四辺形リンク
2,3をバランスさせる機構について説明する。第2の
平行四辺形リンク3のアーム3dには第1の実施例と同
様にねじ軸41aを介してその軸線方向に移動可能にカ
ウンターウエイト39aが支持されている。また、アー
ム3aにも第1の実施例と同様にねじ軸41bを介して
その軸線方向に移動可能にカウンターウエイト39bが
支持されている。
【0096】第1の平行四辺形リンク2のアーム2aに
は回転軸O1 に対して回転軸O4 と反対側に接続された
ねじ軸41dを介してその軸線方向に移動可能にカウン
ターウエイト39dが支持されている。
【0097】アーム2bには回転軸O2 に対して回転軸
O1 と反対側に接続されたねじ軸41eを介してその軸
線方向に移動可能にカウンターウエイト39eが支持さ
れている。前記カウンターウエイト39a,39b,3
9d,39eは第1の平行四辺形リンク2、第2の平行
四辺形リンク3を連動させたときに、回転軸O0 ,回転
軸O1 まわりの回転モーメントが常にゼロなるべく位置
及び重量配分がなされている。
【0098】本実施例ではカウンターウエイト39b,
39d,39eより補助カウンターウエイトが構成され
ている。15は、第2の平行四辺形リンク3に接続され
た第1実施例と同一の第2の傾斜アームであり、固定台
20、回転ブロック21及び座22より構成され、第1
実施例と同一の傾斜ロッド25を回転モーメントがゼロ
の状態で傾斜可能に支持している。運動規制機構40も
第1の実施例と同様であり、その説明を省略する。ま
た、運動伝達機構57も第1の実施例と同じようなプー
リー、ワイヤー、アウターチューブおよび固定金具等に
より構成されている。第1の実施例と同様、図中T2は
回転軸O12と回転軸O21の交点、S2は回転軸O23と回
転軸O24、回転軸O30の交点、R2はT2とS2の間の
直線距離を示している。
【0099】また、第1の実施例と同様に鉛直軸O0 を
含む紙面に平行な面内で回転軸O1、O4 、O10をそれ
ぞれ結ぶ三角形が、同一面内で回転軸O5 、O50、O12
をそれぞれ結ぶ三角形と相似になるべく、各回転軸を配
置して構成されている。ここで相似比は (△O1 ,O4 ,O10)/(△O5 ,O50,O12)=C となっている。Cは定数である。
【0100】また、回転軸まわりの回動を電気的に規制
する電磁ブレーキ37a〜37iは第1の実施例と同一
部位に配設されている。なお、運動規制機構40の電磁
ブレーキ37a〜37iは第1の実施例での図4に示さ
れている。
【0101】また、この電気的構成も図5に示されてい
るような第1の実施例のものと同様であり、その説明を
省略する。次に、鏡体支持アーム13のバランス調整機
構について説明する。図13は鏡体支持アーム13の正
面図であり、図14はその左方からの側面図である。同
図中、符号70はアーム10eに対して回転軸O20まわ
りに回動可能に接続された接続ロッドであり、下方に円
弧状ガイド部材71が固定されている。前記円弧状ガイ
ド部材71には、後述の鏡体12の傾斜中心である回転
軸O20上の点S1を中心として一定の幅にガイド溝72
が形成され、そのガイド溝72内には、移動体73に回
転軸Oa、Obまわりに回動可能に接続された2個のコ
ロ74a,74bが挿入され、ガイド溝72に沿って移
動可能となっている。
【0102】円弧状ガイド部材71の下面にはラック7
5が形成され、これに噛合すべくピニオンギア76は移
動体73に配設されているノブ77と一体に回転軸Oc
まわりに回動可能になっている。
【0103】移動体73下方には鏡体12に固定された
支持アーム78がベアリング79を介して鏡体12の観
察光軸と同軸の回転軸O40まわりに回動可能に支持され
るとともに、前記移動体73にねじ込まれたレバー80
により固定可能である。本図に示す状態では、回転軸O
20と回転軸O40は同軸である。
【0104】(作用)本実施例の手術用顕微鏡は、第1
の実施例と同様の6自由度の動きと、観察光軸上の一点
を中心とした傾斜運動が可能である。以下、これらを順
に説明する。
【0105】[6自由度の動き]グリップ55の全方向
フリースイッチSW1を押すと、制御部54は信号を入
力し、支持アーム電気ブレーキ駆動回路56aおよび運
動規制機構電磁ブレーキ駆動回路56bに信号を出力
し、全ての電磁ブレーキ37a〜37iを解除する。
【0106】電磁ブレーキ37aが解除されると、支柱
1が支持台4に対して鉛直軸O0 のまわりに回動可能に
なり、第1の平行四辺形リンク2および第1の傾斜アー
ム11を介して、鏡体12が支持台4に対して回転軸O
0 まわりに回動可能になる。
【0107】図2に示す電磁ブレーキ37bが解除され
ると、アーム2bが上方支持部材5に対して回転軸O1
まわりに回動可能になると、アーム2cを介してアーム
2dがアーム2aに対して回転軸O4 まわりにアーム2
bと平行を保ち回動可能となる。従って、鏡体12は第
1の傾斜アーム11を介してアーム2aに対して回転軸
O4 まわりに回動可能となる。
【0108】図3に示す電磁ブレーキ37cが解除され
ると、アーム3aが下方支持部材6に対して回転軸O5
まわりに回動可能になり、アーム3aに配設されたスプ
ロケット66bが回動可能となる。スプロケット66b
の回動はチェーン67aにより、アーム2aに配設され
たスプロケット66aに伝達され、アーム2aは上方支
持部材5に対し回転軸O1 まわりに回動可能となる。従
って、鏡体12は第1の傾斜アーム11を介して上方支
持部材5に対して回転軸O1 まわりに回動可能となる。
このとき、アーム3aとアーム2aは常に平行を保って
いる。
【0109】従って、前述した第1の実施例の場合と同
様に、これらの3つの回動の組み合わせにより、鏡体1
2は3次元的に移動可能となる。電磁ブレーキ37d〜
37fが解除された時の作用は第1の実施例と同様であ
り、鏡体12は3つの回転軸O9 ,O10,O20の交点T
1を中心として転動可能となる。
【0110】ここで、運動規制機構40の電磁ブレーキ
37g,37h,37iはすべて解除されているため、
第1の実施例と同様に、鏡体12の動きを規制するもの
はない状態である。
【0111】すなわち、3次元的な移動と直交する3軸
まわりの傾斜によって鏡体12は6自由度の動きが可能
となる。次に、前述の6自由度の動きと連動する作用に
ついて説明する。
【0112】アーム2bの上方支持部材5に対する回転
軸O1 まわりの回動により、アーム2bに配設されたス
プロケット66cが回動可能となる。スプロケット66
cの回動は、チェーン67bにより、アーム3bに配設
されたスプロケット66dに伝達され、アーム3bは、
下方支持部材6に対し回転軸O5 まわりにアーム2bと
常に平行を保ち回動する。そして、アーム3cによりア
ーム3bに対し平行に接続されたアーム3dもアーム3
aに対し回転軸O8 まわりに回動する。このとき、アー
ム3dは、常にアーム2dと平行を保っている。
【0113】アーム3aの下方支持部材6に対する回転
軸O5 まわりの回動により、アーム3dも下方支持部材
6に対して回転軸O5 まわりに回動する。また、傾斜ロ
ッド25は、第2の傾斜アーム15を介してアーム3d
とともに移動する。
【0114】すなわち、アーム2aとアーム3a、アー
ム2dとアーム3dは、常に平行を保ち移動し、鉛直軸
O0 を含む紙面と平行な面内で回転軸O1 ,O4 ,O10
をそれぞれ結ぶ三角形が、同一面内で回転軸O5 ,O5
0,O12をそれぞれ結ぶ三角形とは常に相似形を保って
いる。
【0115】図15は第1の平行四辺形リンク2、第2
の平行四辺形リンク3のバランスを説明するためのモデ
ル図である。G1は回転軸O9 上にある第1の傾斜アー
ム11から鏡体12側の部材の合成された重心を表す点
であり、その重量はW1、回転軸O4 からの距離はL1
である。
【0116】前記カウンターウエイト39aの重量はW
a、回転軸O8 からの距離はL2 、前記カウンターウエ
イト39bの重量はWb、回転軸O5 からの距離はr2
、前記カウンターウエイト39dの重量はWd、回転
軸O1 からの距離はr4 、前記カウンターウエイト39
eの重量はWe、回転軸O1 からの距離はL4 であり、
回転軸O1 ,O4 間の距離はr1 、回転軸O5 −O8 間
の距離はr3 である。
【0117】ここでカウンターウエイト39a,39
b,39d,39eは以下の2式を満足する位置に設定
されている。 W1 ×L1 =Wa×L2 +We×L4 W1 ×r1 =Wa×r2 +Wb×r2 +Wd×r4 すなわち、鏡体12の3次元的な移動に対して常に第1
の平行四辺形リンク2および第2の平行四辺形リンク3
の回転モーメントはゼロを保っている。
【0118】次に、鏡体12の傾斜に関してのバランス
を説明する。図13、図14において術中、鏡体12に
接続された側視鏡16の位置を変更するなどして、鏡体
12を含めて回転軸O20まわりに回動する部材の重心
が、回転軸O9 、O10、O20まわりの回転モーメントが
ゼロである点GaからGbへ移動してしまった場合、レ
バー80を緩めて鏡体12を支持アーム78を介して鏡
体12の観察光軸と同軸の回転軸O40まわりに回動さ
せ、重心GbがGaを含む図13と平行な紙面内に一致
するようにして、レバー80を締めて固定する。
【0119】そして、ノブ77を回転させると、同軸に
構成されたピニオンギア76と円弧状ガイド部材71に
形成されたラック75の噛み合いにより、図16に示す
ように移動体73はコロ74a,74bとガイド溝72
の摺動により鏡体12の傾斜中心点であるS1を中心と
した円弧上を移動する。
【0120】すなわち,ノブ77をまわして鏡体12を
移動体73と共にS2を中心に傾斜させ、重心Gbを回
転軸O20と一致させれば良い。重心Gbが上下方向に移
動して、回転軸O9 および回転軸O10まわりに回転モー
メントが生じた場合は、これを相殺するために、第1実
施例の図8に示すように、アーム10bに配設されたバ
ランスウエイト14をねじ部18に対して回転させ回転
軸O15と回転軸O32を結ぶ線分方向に移動させれば良
い。
【0121】これらの作用により、鏡体12は回転モー
メントが常にゼロの状態で6自由度の動きが可能とな
る。 [観察光軸上の一点を中心とした傾斜動]グリップ55
の鏡体球面傾斜スイッチSW2を押すと、制御部54
は、信号を入力し、支持アーム電磁ブレーキ駆動回路5
6aのみに信号を出力し、電磁ブレーキ37a〜37f
のブレーキ作用が解除される。すなわち、運動規制機構
40の電磁ブレーキ37g〜37iのみ固定状態であ
る。
【0122】従って、第1の実施例と同様に傾斜ロッド
25は回転軸O23、O24、O30の交点S2の移動が拘束
され、S2を中心に傾斜のみ可能となる。ここで、点T
2はS2とT2の距離R2を半径とした球面上を動く。
T2の動きは前述のアームの作用と同様に伝達され、第
1傾斜アームの回転軸O9 と回転軸O10の交点T1はT
2の移動距離に前述の相似な三角形の比であるCを乗し
た距離だけ反対方向に移動する。第1の実施例と同様の
運動伝達機構57の作用により第1の傾斜アーム11に
伝達される。従って、観察光軸と同軸な回転軸O20上の
T1からR2×C=R1の距離の点S1を中心に鏡体1
2が傾斜可能となる。
【0123】(効果)この第2の本実施例での第1およ
び第2連動機構は、アーム2a,3aとスプロケット6
6a,66bとチェーン67aと、アーム2b、3bと
スプロケット66c,66dとチェーン67bより構成
されているため、回転軸O1 と回転軸O5 を結ぶ直線に
対して突出が少なく小型化が可能である。
【0124】また、補助カウンタウエイトとしてのカウ
ンタウエイト39d、39eはそれぞれ回転軸O1 まわ
りに回動するアーム2a、2b上に配設されており、こ
の位置は術者の腰の高さ近傍であるため、カウンタウエ
イト39a、39bを移動させてバランス調整を行う場
合に比べて、楽な姿勢でバランスが調整できる。
【0125】カウンタウエイト39a、39bが下方に
配設されているため、当然ながらカウンタウエイト39
d、39eは小型でよく、邪魔にならないとともに調整
も楽である。
【0126】また、鏡体支持アーム13のバランス調整
機構は鏡体を円弧状ガイド部材71により、鏡体12の
傾斜中心点S1を中心に鏡体12を回転させる方式であ
るため、観察焦点を中心とした傾斜機構を備えた手術用
顕微鏡においても、傾斜中心点が観察焦点とずれること
がなく操作し易い。 (第3の実施例)図17ないし図24に従って、本発明
の第3の実施例を説明する。
【0127】(構成)図17はこの第3の実施例に係る
手術用顕微鏡装置の全体の概略的な構成を示しており、
同図中、100は天井に設置された支持台であり、これ
には支柱1が鉛直軸O0 まわりに回動可能に支持されて
いる。2はアーム2a〜2dを互いに平行な回転軸O1
〜O4 まわりに順次回動可能に接続して連結してなる第
1の平行四辺形リンクである。前述した第1の実施例と
同様の構成をなす第1の平行四辺形リンク2は、支柱1
の下部に設けた上方支持部材5を介して、前記鉛直軸O
0 と直交した回転軸O1 まわりに回動可能に接続されて
いる。
【0128】3は、第2の平行四辺形リンクであり、こ
れも前述した第1の実施例と同様にアーム3a〜3dを
互いに平行な回転軸O5 〜O8 まわりに回動可能に接続
してなり、前記支柱1の上部に設けた下方支持部材6を
介して回転軸O5 まわりに回動可能に接続されている。
ここでの回転軸O5 は、前記鉛直軸O0 と直交し、かつ
前記回転軸O1 とは平行である。
【0129】この第3の実施例は、第1の連動機構およ
び第2の連動機構は、第1の実施例と同様に、それぞれ
アーム2a,3aと、第1の伝達ロッドおよびアーム2
b,3bと、第2の伝達ロッド8により構成されてい
る。
【0130】符号11は第1の実施例と同様にアーム1
0a〜10e及び接続ブロック9を紙面に垂直な回転軸
O15〜O19、O31、O32まわりにそれぞれ回動可能に接
続することによりなる第3の平行四辺形リンク機構10
よって構成した第1の傾斜アームである。その第1の傾
斜アームのアーム10bにも同様にバランスウエイト1
4が配設されている。
【0131】ここで、鏡体12はアーム10eの下方突
出端部に対して、回転軸O17と回転軸O18を結ぶ線分を
通る回転軸O20まわりに回動可能なバランス調整機構を
備えた後述の鏡体支持アーム13を介して支持されてい
る。
【0132】すなわち、鏡体12は第1の実施例と同様
に回転軸O9 、回転軸O20、及び回転軸O9 、回転軸O
20の交点T1を通る紙面に垂直な仮想の回転軸O10まわ
りに各回転軸まわりの回転モーメントがゼロの状態で回
動可能である。符号16は鏡体12に接続された助手用
側視鏡である。
【0133】次に、第1及び第2の平行四辺形リンク
2,3のバランスについて説明する。第2の平行四辺形
リンク3のアーム3dには第1の実施例と同様、ねじ軸
41aを介してその軸線方向に移動可能にカウンターウ
エイト39aが支持されている。アーム3aにも、ねじ
軸41bに図示しないモータを内蔵した電動駆動手段1
01bを介してその軸線方向に移動可能にカウンターウ
エイト39bが支持されている。アーム3bにも、ねじ
軸41fに図示しないモータを内蔵した電動駆動手段1
01fを介してその軸線方向に移動可能にカウンターウ
エイト39fが支持されている。
【0134】前記カウンターウエイト39a,39b,
39fは第1の平行四辺形リンク2、第2の平行四辺形
リンク3を連動させたときに回転軸O0 、回転軸O1 ま
わりの回転モーメントが常にゼロになるべく位置及び重
力配分が成されている。
【0135】本実施例ではカウンターウエイト39b,
39fより補助カウンターウエイトが構成されている。
なお、前記電動駆動手段は図示しない駆動回路を介して
図示しないバランス調整スイッチと接続されている。
【0136】符号15は第2の平行四辺形リンク3に接
続された第1の実施例と同一の第2の傾斜アームである
が、第1の実施例に対して、180度反転してアーム3
dに接続されている。
【0137】これに伴い、第1の実施例と同一の傾斜ロ
ッド25も180度反転して回転モーメントがゼロの状
態で第2の傾斜アーム15に傾斜可能に支持され、運動
規制機構40も第1の実施例に対し180度反転し、天
井から第2の傾斜アーム15に接続されている。
【0138】運動伝達機構57も第1の実施例と同じく
プーリー、ワイヤー、アウターチューブ、固定金具より
構成されている。第1の実施例と同様に図中T2は回転
軸O12と回転軸O21の交点、S2は回転軸O23と回転軸
O24、回転軸O30の交点、R2はT2とS2の間の直線
距離を示している。
【0139】また、第1の実施例と同様に鉛直軸O0 を
含む紙面に平行な面内で回転軸O1,O4 ,O10をそれ
ぞれ結ぶ三角形が、同一面内で回転軸O5 ,O8 ,O12
をそれぞれ結ぶ三角形と相似になるべく、各回転軸を配
置して構成されている。ここで相似比は (△O1 ,O4 ,O10)/(△O5 ,O8 ,O12)=C となっている。Cは定数である。
【0140】回転軸まわりの回動を電気的に規制する電
磁ブレーキ37a〜37iは第1実施例と同一部位に配
設されている。なお、運動規制機構40の電磁ブレーキ
37a〜37iについては第1の実施例の図4に示され
ている。また、電気的構成も図5に示されているように
第1の実施例と同様であり、その説明を省略する。
【0141】次に、鏡体支持アーム13のバランス調整
機構について説明する。図18は鏡体支持アーム13の
正面図である。符号105はアーム10eに対して回転
軸O20まわりに回動可能に接続された接続部材である。
前記接続部材105には紙面に垂直で互いに平行な回転
軸Oe,Ofまわりに回動可能にアーム106a,10
6bがそれぞれ接続されている。前記アーム106a,
106bの他端はそれぞれ移動体107の紙面に垂直で
互いに平行な回転軸Oh,Ogまわりに回動可能に接続
されている。
【0142】ここで、接続部材105、アーム106
a、106bおよび移動体107は台形のリンク機構1
08を構成している。より詳しくは回転軸Oe,Of,
Og,Ohを結ぶ各線分は以下の関係にある(OeO
f、OgOh、OeOh、OfOgは各点を結ぶ線分を
表す)。 OeOf>OgOh、 OeOh=OfOg 図19は、図18を左側方から見た図であり、接続部材
105は回転軸Oeを通る縦断面を表している。
【0143】符号109はアーム106aに固定され、
ベアリング110を介して接続部材105に対して回転
軸Oeまわりに回動可能なシャフトである。111は前
記シャフト109に回転軸Oeと同軸に固定されたウォ
ームホイール、112は前記ウォームホイールに噛み合
うべくウォームギアであり、前記ウォームギアには図1
8に示すノブ113が同軸に接続部材105に対して回
動可能に固定されている。
【0144】一方、移動体107下方には第1の実施例
と同様、鏡体12に固定された支持アーム78がベアリ
ング79を介して鏡体12の観察光軸と同軸の回転軸O
40まわりに回動可能に支持されるとともに、前記移動体
107にねじ込まれたレバー80により固定可能であ
る。本図に示す状態では、回転軸O20と回転軸O40は同
軸である。
【0145】(作用)本実施例の鏡体12の移動及び傾
斜に関する作用は第1の実施例と同様であり、その説明
を省略し、本実施例特有のバランスに関して説明する。
【0146】図20は第1の平行四辺形リンク2、第2
の平行四辺形リンク3のバランスを説明するためのモデ
ル図である。G1は回転軸O9 上にある第1の傾斜アー
ム11から鏡体12側の部材の合成された重心を表す点
であり、その重量はW1、回転軸O4 からの距離はL1
である。
【0147】前記カウンターウエイト39aの重量はW
a、回転軸O8 からの距離はL2 、前記カウンターウエ
イト39bの重量はWb、回転軸O5 からの距離はr2
、前記カウンターウエイト39dの重量はWf、回転
軸O5 からの距離はL5 であり,回転軸O1 ,O4 間の
距離はr1 、回転軸O5 ,O8 間の距離はr3 である。
【0148】ここで,カウンターウエイト39a,39
b,39fは以下の2式を満足する位置に設定されてい
る。 W1 ×L1 =Wa×L2 +Wf×L5 W1 ×r1 =Wa×r3 +Wb×r2 すなわち、鏡体12の3次元的な移動に対して常に第1
の平行四辺形リンク2および第2の平行四辺形リンク3
の回転モーメントはゼロを保っている。
【0149】ここで第1及び第2の平行四辺形リンクの
バランス調整は、図示しないバランス調整スイッチを操
作することにより図示しない駆動回路を介し、電動駆動
手段101b、101fによりカウウターウエイト39
b、39fを移動することにより行われる。
【0150】次に、鏡体12の傾斜のバランスに関して
説明する。図18及び図19において術中鏡体12に接
続された側視鏡16の位置を変更するなどして、鏡体1
2を含めて回転軸O20まわりに回動する部材の重心が、
回転軸O20まわりの回転モーメントがゼロである点Ga
からGbへ移動してしまった場合、レバー80を緩めて
鏡体12を支持アーム78を介して鏡体12の観察光軸
と同軸の回転軸O40まわりに回動させ、重心GbがGa
を含む図18と平行な紙面内に一致するようにして、レ
バー80を締めて固定する。
【0151】そして、ノブ113を回転させると、同軸
に構成されたウォームギア112とウォームホイール1
11の噛み合いにより、アーム106aが回転軸Oeま
わりに回動する。ここで台形のリンク機構108の作用
により図21に示すように、移動体107及び鏡体12
はS1近傍を中心とした円弧上を移動する。そして、G
bが回転軸O20と一致する位置に設定する。
【0152】すなわちノブ113をまわして鏡体12を
移動体107と共にS1近傍を中心に傾斜させ、重心G
bを回転軸O20と一致させれば回転軸O20まわりの回転
モーメントはゼロになる。
【0153】重心Gb2が上下方向に移動して、回転軸
O9 及び回転軸O10まわりに回転モーメントが生じた場
合は、これを相殺するために、第1実施例の図8に示す
ように、アーム10bに配設されたバランスウエイト1
4をねじ部18に対して回転させ回転軸O15と回転軸O
32を結ぶ線分方向に移動させればよい。
【0154】これらの作用により、鏡体12は回転モー
メントが常にゼロの状態で6自由度の動きが可能とな
る。観察光軸上の一点を中心とした鏡体12の傾斜動も
第1の実施例と同様であり、その説明を省略する。 (効果)本実施例ではカウンタウエイト39b,39f
は、天井近傍に位置するため、術者の邪魔にならない。
さらにはカウンタウエイト39b,39fは電動駆動手
段101b,101fにより電動で移動可能であるた
め、バランス調整が容易である。当然ながらカウンタウ
エイト39aが配設されているため、カウンタウエイト
39b,39fは軽量でも良く、電動駆動手段101
b,101fも小型化が可能である。
【0155】また、鏡体支持アーム13のバランス調整
機構は台形のリンク機構108により構成されているた
め、機構部の突出が少なく、術者の邪魔にならないと共
に外観上シンプルである。 (その他の変形例)鏡体支持アーム13のバランス調整
機構の変形例は種々考えられ、その1例を説明する。図
22は鏡体支持アーム13の正面図、図23は図22の
左方からの中心断面図である。
【0156】符号120はアーム10eに対して回転軸
O20まわりに回動可能に接続されたコの字型をした接続
部材である。前記接続部材120には、コの字の突出部
間を接続するねじ軸121が、回転軸Oiまわりに回動
可能かつ回転軸Oi方向の移動を規制された状態で配設
され、その一端部には同軸にノブ124が固定してい
る。
【0157】符号122は前記ねじ軸121に螺合する
めねじ部材であり回転軸Oiに垂直な回転軸Ojと同軸
にシャフト123が固定されている。シャフト123の
突出部には傾斜腕125が回転軸Ojまわりに回動可能
に接続されている。傾斜腕125の上端部には図23に
示すカムピン126が固定され、これに係合すべく接続
部材120には、カム溝127が形成されている。
【0158】一方、傾斜腕125に下端には第1実施例
同様、鏡体12に固定された支持アーム78がベアリン
グ79を介して鏡体12の観察光軸と同軸の回転軸O40
まわりに回動可能に支持されると共に、前記傾斜腕12
5にねじ込まれたレバー80により固定可能であり、本
図に示す状態では、回転軸O20と回転軸O40は同軸であ
る。
【0159】次に、その作用に関して説明する。図22
及び図23において、術中鏡体12に接続された側視鏡
16の位置を変更するなどして、鏡体12を含めて回転
軸O20まわりに回動する部材の重心が、回転軸O20まわ
りの回転モーメントがゼロである点GaからGbへ移動
してしまった場合、レバー80を緩め鏡体12を支持ア
ーム78を介して鏡体12の観察光軸と同軸の回転軸O
40まわりに回動させ、重心GbがGaを含む図22と平
行な紙面内に一致するようにして、レバー80を締めて
固定する。
【0160】そして、ノブ124を回転させると、同軸
に構成されたねじ軸121が一体に回転する。傾斜腕1
25は上端のカムピン126と接続部材のカム溝127
の係合の作用により、紙面に平行な面内のみ移動可能で
あり、これにシャフト123を介して接続されためねじ
部材122は回転軸Oiまわりの回動が規制されてい
る。すなわちめねじ部材122は前記ねじ軸121の回
転にともない、回転軸Oi上を移動する。それに伴い、
傾斜腕125はカムピン126とカム溝127の作用に
より回転軸Ojを中心として傾斜する。従って、図24
に示すように鏡体12は、S1近傍を中心とした略円弧
上を移動する。
【0161】すなわち、ノブ124をまわして鏡体12
を傾斜腕125と共にS1近傍を中心に傾斜させ、重心
Gbを回転軸O20と一致させれば回転軸O20まわりの回
転モーメントはゼロになる。
【0162】重心Gbが上下方向に移動して、回転軸O
9 及び回転軸O10まわりに回転モーメントが生じた場合
は、これを相殺するために、第1実施例の図8に示すよ
うに、アーム10bに配設されたバランスウエイト14
をねじ部18に対して回転させ、回転軸O15と回転軸O
32を結ぶ線分方向に移動させればよい。
【0163】この変形例も同様に、機構部の突出が少な
く、術者の邪魔にならないとともに、外観上シンプルで
ある。 [付記] 1. 顕微鏡の鏡体12を支持し、その鏡体12を3次
元的に移動可能な移動機構と、前記鏡体を3軸まわりに
傾斜可能な傾斜機構を備えた手術用顕微鏡装置におい
て、前記移動機構は、臨床室の床や天井等の被設置部位
に対して取り付けられ、鉛直軸O0 まわりに回動可能な
支柱1と、前記支柱1に対して、前記鉛直軸O0 と異な
る回転軸O1 まわりに回動可能に接続され、複数のアー
ム2a〜2dを前記回転軸O1 を含む互いに平行な回転
軸O1 〜O4 まわりにそれぞれ回動可能に接続してなる
第1の平行四辺形リンク2と、前記第1の平行四辺形リ
ンク2の上方および下方の一方の側に配置され、前記支
柱1に対し、前記回転軸O1 と平行な回転軸O5 まわり
に回動可能に接続され、複数のアーム3a〜3dを前記
回転軸O5 を含む互いに平行な回転軸O5 〜O8 まわり
にそれぞれ回動可能に接続してなる第2の平行四辺形リ
ンク3と、前記アーム3dに接続されたカウンターウエ
イト39aと、前記第1の平行四辺形リンク2における
面内においてその回転軸O1 とこれに隣接する一方の回
転軸O4 とを結ぶ線分に平行な線分と、前記第2の平行
四辺形リンク3における面内において前記回転軸O1 と
回転軸O4 に対応したその第2の平行四辺形リンク3に
おける前記回転軸O5 とこれに隣接する一方の回転軸O
8 とを結ぶ線分に平行な線分とが、常に平行になるべ
く、前記回転軸O1 を中心として回転する第1の平行四
辺形リンク2における一方のアーム2aと前記回転軸O
5 を中心とした前記第2の平行四辺形リンク3における
一方のアーム3aとの回動を連動させる第1の連動機構
と、前記第1の平行四辺形リンク2における面内におい
てその回転軸O1 とこれに隣接した他方の回転軸O2 と
を結ぶ線分に平行な線分と、前記第2の平行四辺形リン
ク3における面内においてその回転軸O5 とこれに隣接
する他方の回転軸O6 とを結ぶ線分に平行な線分とが、
常に平行になるべく前記回転軸O1 を中心として回動す
る前記第1の平行四辺形リンク2における他方のアーム
2bと、前記回転軸O5 を中心として回動する前記第2
の平行四辺形リンク3における他方のアーム3bの回動
を連動させる第2の連動機構と、前記第1の連動機構お
よび/または第2の連動機構のそれぞれ一方の移動に連
動して動く部材に補助カウンターウエイトを備えたこと
を特徴とする手術用顕微鏡。
【0164】2. 前記第1の連動機構はアーム2a
と、アーム3aと、前記アーム2aと前記アーム3aを
接続する第1の伝達ロッド7よりなり、前記第2の連動
機構はアーム2bと、アーム3bと、前記アーム2bと
前記アーム3bを接続する第2の伝達ロッド8よりなる
ことを特徴とする付記1に記載の手術用顕微鏡。 3. 前記第1の連動機構はアーム2aと、アーム3a
にそれぞれ接続されたスプロケット66a,66bと、
両スプロケット66a,66bを連結するチェーン67
aよりなり、前記アーム2aと前記アーム3aを接続す
る第1の伝達ロッド7よりなり、前記第2の連動機構は
アーム2bと、アーム3bにそれぞれ接続されたスプロ
ケット66c,66dと、両スプロケット66c,66
dを連結するチェーン67bよりなることを特徴とする
付記1に記載の手術用顕微鏡。
【0165】4. 前記補助カウンターウエイトはアー
ム2aおよび/またはアーム3aに接続されていること
を特徴とする付記1に記載の手術用顕微鏡。 5. 前記補助カウンターウエイトはアーム2bおよび
/またはアーム3bに接続されていることを特徴とする
付記1に記載の手術用顕微鏡。 6. 前記補助カウンターウエイトは前記第2の伝達ロ
ッド8に接続されていることを特徴とする付記1に記載
の手術用顕微鏡。
【0166】7. 顕微鏡鏡体の3次元的に移動可能な
鏡体移動機構と、前記鏡体を3軸まわりに傾斜可能な鏡
体傾斜機構と、前記鏡体を観察点を回転中心とした傾斜
に限定可能な注視点不変傾斜機構を備えた手術用顕微鏡
において、前記3軸のうちの観察光軸と一致あるいは交
差する回転軸O20上に、前記観察光軸が回転軸O20と一
致あるいは交差した状態を保ち、前記回転軸O20まわり
に回動する部材の重心を一致させるべくバランス調整機
構を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。 8. 前記バランス調整機構は前記顕微鏡鏡体に対し回
転軸O20まわりの回転モーメントを相殺すべく位置に2
次元あるいは3次元的に移動可能に配設された調整重り
よりなることを特徴とする付記7に記載の手術用顕微
鏡。 9. 前記バランス調整機構は、鏡体を前記回転軸O20
に対して2次元あるいは3次元的に移動および傾斜可能
な鏡体位置調整機構よりなることを特徴とする付記7に
記載の手術用顕微鏡。 10. 前記鏡体位置調整機構は鏡体を光軸まわりに回
動および固定可能に支持する接続部材と、前記回転軸O
20を中心に回動可能でありかつ観察点を中心とした円弧
状ガイドを有し前記接続部材を前記ガイドに摺動すべく
接続してなるガイドアームよりなることを特徴とする付
記9に記載の手術用顕微鏡。
【0167】11. 前記鏡体位置調整機構は鏡体を光
軸まわりに回動および固定可能に支持する接続部材と、
前記接続部材を支持し回転軸O20まわりに回動可能であ
るとともに台形のリンクより構成された鏡体を垂下する
垂下アームよりなることを特徴とする付記9に記載の手
術用顕微鏡。 12. 前記鏡体位置調整機構は鏡体を直線的に移動可
能な移動機構と、前記移動機構と連動し鏡体を傾斜させ
るカム機構よりなることを特徴とする付記9に記載の手
術用顕微鏡。 13. 前記鏡体調整機構は平行四辺形リンク機構10
よりなり、前記平行リンク機構を構成し回転軸O20と平
行を保ち傾斜するアーム10bにバランスウエイトを配
置したことを特徴とする付記7に記載の手術用顕微鏡。
【0168】14. 顕微鏡鏡体を3次元的に移動およ
び3軸まわりに傾斜可能な鏡体移動傾斜機構と、前記鏡
体を、注視点を傾斜中心として傾斜可能な傾斜中心点不
変傾斜機構と、前記鏡体の物体側の焦点位置を観察方向
に連続的に変更可能な焦点位置可変手段と、前記鏡体の
焦点位置を予め設定された基準位置にリセットさせるリ
セット機能を備えた手術用顕微鏡において、前記鏡体移
動および傾斜機構を同時に動作させる第1の信号が入力
された場合は、前記リセット機能を作動させ、前記傾斜
中心点不変傾斜機構を動作させる第2の信号が入力され
た場合は、前記リセット機能を作動させないよう制御さ
れることを特徴とする手術用顕微鏡。
【0169】付記1〜6の従来技術と、その目的および
作用効果は本発明のものと同じである。また、付記7〜
13の従来技術は特公平3−18891号公報、特開昭
56−20448号公報、EP0433426B1であ
る。そして、特公平3−18891号公報は顕微鏡の観
察点(焦点)を中心として、患部を様々な角度から観察
可能にするための顕微鏡傾斜機構を備えた手術用顕微鏡
において、様々な術式に対して最適な観察角度で使用す
ることができるように、平行リンク機構の鉛直線に対し
て、顕微鏡を垂直状態、45°傾倒状態、90°傾倒状
態に切り替えて接続可能としたものである。顕微鏡の接
続状態を変更することにより生じるアンバランスを補正
する為に、顕微鏡の回転に連動したバランスを補正する
機構が記載されている。このバランスを補正する機構
は、平行リンク機構の顕微鏡に対して反対側にカウンタ
ウエイトW1、W2を搭載し、さらに顕微鏡とカウンタ
ウエイトを連動して移動させるためのヘベルギア、リン
クバー、円板等が配設されているため、平行リンク機構
が非常に大型化してしまい、術中大変邪魔になってしま
う。また平行リンク機構が大変重く顕微鏡を移動させる
ときに必要な操作力(慣性力)が大きくなり、使いづら
いものであった。また、顕微鏡にアクセサリーを接続し
たりその位置を変更するなどによって生じる鉛直線Sま
わりの回転モーメントは調整ハンドル等を回転させ、カ
ウンタウエイトを移動させる方式では相殺する事はでき
ない。
【0170】顕微鏡の観察点(焦点)を中心とした傾斜
機構を備えていない手術用顕微鏡においては特開昭56
−20448号公報、EP0433426B1に開示さ
れたバランス調整方式がある。特開昭56−20448
号公報に開示されているものは鏡体の重心を回転軸と一
致させるための手段として玉継手を回動自在の状態にし
て重心を垂下し回転軸と一致させたあと、ピンねじによ
り固定するものである。これは鏡体の重心を回転軸と一
致させた場合には鏡体の観察光軸と回転軸の位置関係を
特定の状態に保つことはできない。すなわち、観察焦点
位置を中心とした傾斜機構を備えた手術用顕微鏡の傾斜
中心点は鏡体を支持する支持架台により定義されている
ためにこの構成を適応することは不可能である。EP0
433426B1に開示されているものは軸まわりのバ
ランス調整を顕微鏡を軸に対して直交する2方向に移動
させて顕微鏡の重心をその軸に一致させるものである。
これも特開昭56−20448号公報と同様にバランス
調整により観察点と回転軸の位置関係が狂ってしまい、
観察焦点位置を中心とした傾斜機構を備えた手術用顕微
鏡に適応することは不可能である。
【0171】すなわち、従来は観察点を中心とした顕微
鏡の傾斜が可能であり、かつ顕微鏡を軽い力で動かせる
状態を保ちながら、顕微鏡に接続されるアクセサリー等
により生じるアンバランスを容易に調整可能な手術用顕
微鏡はなかった。そこで、付記7〜13の目的は観察点
を中心とした顕微鏡の傾斜が可能であり、かつ顕微鏡を
軽い力で動かせる状態を保ちながら、顕微鏡に接続され
るアクセサリー等により生じるアンバランスを容易に調
整可能な手術用顕微鏡を提供することにある。その作用
はバランス調整機構により、回転軸O20上の観察点もし
くはその近傍を鏡体の旋回中心とした状態を保ちなが
ら、回転軸O20まわりに回動する部材の合成させた重心
が回転軸O20上に設定されることである。
【0172】また、付記第14の従来技術は特開平2−
104349号公報である。この特開平2−10434
9号公報には鏡体を粗動させたときに照準機構が基準位
置にリセットさせるものである。実際の手術中におい
て、術者は粗動後に照準機構を駆動させ観察部位に正確
に焦点を合わせて観察している。このため、鏡体の照準
機構は基準位置からずれた状態で使用されている。鏡体
の注視点を傾斜中心として傾斜可能な機構を有した手術
用顕微鏡に前記リセット機能を組み合わせることにおい
て、鏡体を、注視点を傾斜中心に傾斜させるモードで移
動させている時に、前記リセット機能を動作させると、
観察部位の焦点が狂ってしまい、術者は再度焦点合わせ
を行う必要があり大変煩わしものとなっている。
【0173】そこで、付記14の目的は鏡体を、注視点
を傾斜中心として傾斜可能な機能を有した手術用顕微鏡
においても観察の妨げとならない焦準のリセット機構を
提供することにある。付記第14のものの作用は鏡体を
3次元的に移動および3軸まわりに傾斜可能な状態での
操作時には、鏡体の焦点位置が基準位置にリセットさ
れ、鏡体を、注視点を傾斜中心として傾斜可能な状態で
の操作時には前記リセット機能は働かず、焦点位置は観
察位置から変化しない。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、手
術用顕微鏡の鏡体を移動させても、バランスを取るため
の重りの突出がなくコンパクトな作動範囲が得られるも
のであり、また、慣性力も小さく操作力が軽いととも
に、安定性も高い。すなわち、他の機器に干渉したり、
手術中に術者ならびに介助者に邪魔になったりすること
がなく、かつ術者の疲労を大幅に軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る手術用顕微鏡装置
の全体を概略的に示す側面図。
【図2】図1の矢印a方向から見た回転軸O1 を含む付
近部分の断面図。
【図3】図1の矢印b方向から見た回転軸O5 を含む付
近部分の断面図。
【図4】同じく第1の実施例における手術用顕微鏡装置
の運動規制機構の部分を示す斜視図。
【図5】同じく第1の実施例における手術用顕微鏡装置
の鏡体および電気回路の構成を示す説明図。
【図6】同じく第1の実施例における手術用顕微鏡装置
の鏡体支持アームのバランス調整機構の説明図。
【図7】同じく第1の実施例における手術用顕微鏡装置
の第1の平行四辺形リンクと第2の平行四辺形リンクの
バランスを説明するためのモデル図。
【図8】同じく第1の実施例における手術用顕微鏡装置
の鏡体の傾斜に関してのバランスを説明するためのモデ
ル図。
【図9】同じく第1の実施例における手術用顕微鏡装置
の鏡体を観察光軸上の一点を中心とした傾斜動の動きの
説明図。
【図10】第1の実施例の手術用顕微鏡装置の鏡体支持
アームの変形例の説明図。
【図11】同じくその変形例の電気的な構成の説明図。
【図12】本発明の第2の実施例に係る手術用顕微鏡装
置の全体の概略的な構成を示す説明図。
【図13】本発明の第2の実施例に係る手術用顕微鏡装
置の鏡体支持アームのバランス調整機構を概略的に示す
正面図。
【図14】同じくその手術用顕微鏡装置の鏡体支持アー
ムのバランス調整機構を概略的に示す側面図。
【図15】同じくその手術用顕微鏡装置の第1の平行四
辺形リンクと第2の平行四辺形リンクのバランスを説明
するためのモデル図。
【図16】同じくその手術用顕微鏡装置の鏡体支持アー
ムのバランス調整機構の作用を概略的に示す正面図。
【図17】本発明の第3の実施例に係る手術用顕微鏡装
置の全体の概略的な構成を示す説明図。
【図18】同じくその手術用顕微鏡装置の鏡体支持アー
ムのバランス調整機構の正面図。
【図19】同じくその手術用顕微鏡装置の鏡体支持アー
ムのバランス調整機構の側面図。
【図20】同じくその手術用顕微鏡装置の第1の平行四
辺形リンクと第2の平行四辺形リンクのバランスを説明
するためのモデル図。
【図21】同じくその手術用顕微鏡装置における台形の
リンク機構の作用の説明図。
【図22】鏡体支持アームのバランス調整機構の変形例
の正面図。
【図23】同じく鏡体支持アームのバランス調整機構の
変形例の側面図。
【図24】同じく鏡体支持アームのバランス調整機構の
変形例の作用を示す説明図。
【符号の説明】
1…支柱、2…第1の平行四辺形リンク、2a〜2d…
アーム、3…第2の平行四辺形リンク、3a〜3d…ア
ーム、4…支持台、7…第1の伝達ロッド、8…第2の
伝達ロッド、10…平行四辺形リンク機構、12…鏡
体、25…傾斜ロッド、39a…カウンターウエイト、
39b,39c…カウンターウエイト、66a,66
b,66c,66d…スプロケット、67a,67b…
チェーン、68…接続アーム、69…傾斜ブロック、O
1 …回転軸。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顕微鏡の鏡体12を支持し、その鏡体12
    を3次元的に移動可能な移動機構と、前記鏡体を3軸ま
    わりに傾斜可能な傾斜機構を備えた手術用顕微鏡装置に
    おいて、 前記移動機構は、臨床室の床や天井等の被設置部位に対
    して取り付けられ、鉛直軸O0 まわりに回動可能な支柱
    1と、 前記支柱1に対して、前記鉛直軸O0 と異なる回転軸O
    1 まわりに回動可能に接続され、複数のアーム2a〜2
    dを前記回転軸O1 を含む互いに平行な回転軸O1 〜O
    4 まわりにそれぞれ回動可能に接続してなる第1の平行
    四辺形リンク2と、 前記第1の平行四辺形リンク2の上方および下方の一方
    の側に配置され、前記支柱1に対し、前記回転軸O1 と
    平行な回転軸O5 まわりに回動可能に接続され、複数の
    アーム3a〜3dを前記回転軸O5 を含む互いに平行な
    回転軸O5 〜O8 まわりにそれぞれ回動可能に接続して
    なる第2の平行四辺形リンク3と、 前記アーム3dに接続されたカウンターウエイト39a
    と、 前記第1の平行四辺形リンク2における面内においてそ
    の回転軸O1 とこれに隣接する一方の回転軸O4 とを結
    ぶ線分に平行な線分と、前記第2の平行四辺形リンク3
    における面内において前記回転軸O1 と回転軸O4 に対
    応したその第2の平行四辺形リンク3における前記回転
    軸O5 とこれに隣接する一方の回転軸O8 とを結ぶ線分
    に平行な線分とが、常に平行になるべく、前記回転軸O
    1 を中心として回転する第1の平行四辺形リンク2にお
    ける一方のアーム2aと前記回転軸O5 を中心とした前
    記第2の平行四辺形リンク3における一方のアーム3a
    との回動を連動させる第1の連動機構と、 前記第1の平行四辺形リンク2における面内においてそ
    の回転軸O1 とこれに隣接した他方の回転軸O2 とを結
    ぶ線分に平行な線分と、前記第2の平行四辺形リンク3
    における面内においてその回転軸O5 とこれに隣接する
    他方の回転軸O6 とを結ぶ線分に平行な線分とが、常に
    平行になるべく前記回転軸O1 を中心として回動する前
    記第1の平行四辺形リンク2における他方のアーム2b
    と、前記回転軸O5 を中心として回動する前記第2の平
    行四辺形リンク3における他方のアーム3bの回動を連
    動させる第2の連動機構と、 前記第1の連動機構および/または第2の連動機構のそ
    れぞれ一方の移動に連動して動く部材に補助カウンター
    ウエイトを備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
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