JPH08266472A - 眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシミュレーション方法 - Google Patents
眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシミュレーション方法Info
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- JPH08266472A JPH08266472A JP7071502A JP7150295A JPH08266472A JP H08266472 A JPH08266472 A JP H08266472A JP 7071502 A JP7071502 A JP 7071502A JP 7150295 A JP7150295 A JP 7150295A JP H08266472 A JPH08266472 A JP H08266472A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 眼鏡等のレンズを装着した際の色収差を含め
た網膜像をシミュレーションできるようにする。 【構成】 画像分解手段2は、シミュレーションの対象
となる原画像データ1を、波長ごとの複数の単色画像デ
ータ3a〜3cに分解する。単色画像データ3aに対応
する網膜画像生成部10aには、シミュレーションの対
象となる画像が表示される光源画面のデータ、及び人眼
に関するデータが光学系データ14として設定されてい
る。PSF演算手段13は、光学系データ14を基にP
SF12を求める。同様に、単色画像データ3b,3c
それぞれに対応して設けられた網膜画像生成部10b,
10cにおいても単色網膜像データ4b,4cが求めら
れる。網膜像合成手段5は、生成された単色網膜像デー
タ4a〜4cを合成し、1つの網膜像データ6を作成す
る。表示制御手段7は、網膜像データ6を表示装置8の
表示画面上に表示する。表示装置8に表示された網膜像
は、実際に発生する色収差の影響を含めた像である。
た網膜像をシミュレーションできるようにする。 【構成】 画像分解手段2は、シミュレーションの対象
となる原画像データ1を、波長ごとの複数の単色画像デ
ータ3a〜3cに分解する。単色画像データ3aに対応
する網膜画像生成部10aには、シミュレーションの対
象となる画像が表示される光源画面のデータ、及び人眼
に関するデータが光学系データ14として設定されてい
る。PSF演算手段13は、光学系データ14を基にP
SF12を求める。同様に、単色画像データ3b,3c
それぞれに対応して設けられた網膜画像生成部10b,
10cにおいても単色網膜像データ4b,4cが求めら
れる。網膜像合成手段5は、生成された単色網膜像デー
タ4a〜4cを合成し、1つの網膜像データ6を作成す
る。表示制御手段7は、網膜像データ6を表示装置8の
表示画面上に表示する。表示装置8に表示された網膜像
は、実際に発生する色収差の影響を含めた像である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼光学系のシミュレーシ
ョン装置及び眼光学系のシミュレーション方法に関し、
特に眼内レンズ、眼鏡レンズ、コンタクトレンズなどの
光学レンズを装用したときの網膜像をシミュレーション
する眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシ
ミュレーション方法に関する。
ョン装置及び眼光学系のシミュレーション方法に関し、
特に眼内レンズ、眼鏡レンズ、コンタクトレンズなどの
光学レンズを装用したときの網膜像をシミュレーション
する眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシ
ミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】正常な視力を維持するために、眼内レン
ズ、眼鏡レンズ、コンタクトレンズ等の光学レンズが使
用される。このために簡単な方法は光学レンズを装用し
て測定する自覚的な検査方法が一般的である。なお、他
覚的な方法もあるが、実用的な有用性では劣る。
ズ、眼鏡レンズ、コンタクトレンズ等の光学レンズが使
用される。このために簡単な方法は光学レンズを装用し
て測定する自覚的な検査方法が一般的である。なお、他
覚的な方法もあるが、実用的な有用性では劣る。
【0003】さらに、詳細に述べれば、人間の光学系は
角膜、水晶体及び網膜からなるが、白内障で水晶体が透
明性を失うと、水晶体を光が透過せずに視力が低下し、
最悪の場合は失明する。視力を回復するために、水晶体
に代えて人口的な眼内レンズ(IOL)を装着する。た
だし、このIOLは水晶体のような焦点距離の調整がで
きないので、遠方域、中間域、近用域のどの点かに合う
IOLを選定している。そして、IOLを装着したとき
にどのように見えるかは、グルストランドの模型眼での
試算等によって像の大きさ等を推測している。
角膜、水晶体及び網膜からなるが、白内障で水晶体が透
明性を失うと、水晶体を光が透過せずに視力が低下し、
最悪の場合は失明する。視力を回復するために、水晶体
に代えて人口的な眼内レンズ(IOL)を装着する。た
だし、このIOLは水晶体のような焦点距離の調整がで
きないので、遠方域、中間域、近用域のどの点かに合う
IOLを選定している。そして、IOLを装着したとき
にどのように見えるかは、グルストランドの模型眼での
試算等によって像の大きさ等を推測している。
【0004】ところが、推測だけでは患者側からみてI
OLを装着したときにどのように見えるかわからず、非
常に不安である。一方、眼科医にとってもどのような視
力状態になるかが把握できない。特に、IOLの場合は
再度の装着は再手術が必要となるために、事前に患者、
眼科医双方ともに、より客観的に装着後の状態を知りた
い。
OLを装着したときにどのように見えるかわからず、非
常に不安である。一方、眼科医にとってもどのような視
力状態になるかが把握できない。特に、IOLの場合は
再度の装着は再手術が必要となるために、事前に患者、
眼科医双方ともに、より客観的に装着後の状態を知りた
い。
【0005】このような問題点を解決するために、眼内
レンズあるいはその他の光学レンズを装用した時の網膜
像をシミュレーションできる眼光学系のシミュレーショ
ン装置がある。
レンズあるいはその他の光学レンズを装用した時の網膜
像をシミュレーションできる眼光学系のシミュレーショ
ン装置がある。
【0006】眼光学系のシミュレーション装置では、ま
ず光源画面からの平行光線を光学レンズ及び角膜等の光
学系内を追跡し、PSF(Point Spread Function )を
求める。PSFとは、物体上の一点から発した光が像面
上どのように分布するかを表す関数である。このPSF
と原画像データとから網膜像データを演算する。このよ
うにして得られた原画像データに対する網膜像データ
を、表示装置の画面に表示することによって、どのよう
に画像が見えるかを客観的に判断することができる。こ
のような例として本出願人は特願平7−26936号を
出願している。
ず光源画面からの平行光線を光学レンズ及び角膜等の光
学系内を追跡し、PSF(Point Spread Function )を
求める。PSFとは、物体上の一点から発した光が像面
上どのように分布するかを表す関数である。このPSF
と原画像データとから網膜像データを演算する。このよ
うにして得られた原画像データに対する網膜像データ
を、表示装置の画面に表示することによって、どのよう
に画像が見えるかを客観的に判断することができる。こ
のような例として本出願人は特願平7−26936号を
出願している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レンズ等の
光学材料の屈折率は波長に依存し、短波長ほど高い値と
なる。これが原因となり、レンズを通過した光には色収
差が生じる。
光学材料の屈折率は波長に依存し、短波長ほど高い値と
なる。これが原因となり、レンズを通過した光には色収
差が生じる。
【0008】光学材料の波長に対する屈折率の変化は種
類により異なる。波長が短いほど屈折率が高くなること
は同じであるが、屈折率の変化の度合いが光学材料ごと
に相違する。この屈折率の変化の度合いを表すものとし
て分散能が用いられる。
類により異なる。波長が短いほど屈折率が高くなること
は同じであるが、屈折率の変化の度合いが光学材料ごと
に相違する。この屈折率の変化の度合いを表すものとし
て分散能が用いられる。
【0009】一般的には、分散能の逆数であるアッベ数
を用いて、レンズの特性が示されている。アッベ数νd
は、d線を基準として以下の式で定義される。
を用いて、レンズの特性が示されている。アッベ数νd
は、d線を基準として以下の式で定義される。
【0010】
【数1】νd =(nd −1)/(nF −nC ) ここで、nd はd線(He)に対する媒質の屈折率であ
り、nF はF線(H)に対する媒質の屈折率であり、n
C はC線(H)に対する媒質の屈折率である。d線の波
長は589nm(黄)、F線の波長は486nm
(青)、C線の波長は656nm(赤)である。
り、nF はF線(H)に対する媒質の屈折率であり、n
C はC線(H)に対する媒質の屈折率である。d線の波
長は589nm(黄)、F線の波長は486nm
(青)、C線の波長は656nm(赤)である。
【0011】なお、最近ではe線(Hg)を基準とした
アッベ数が用いられている。e線を基準とすると、d線
を基準とした場合よりも若干小さな値になるが、分散の
度合いを表す意味においては同じであるため、以下の説
明では、d線を基準としたアッベ数を用いて説明する。
アッベ数が用いられている。e線を基準とすると、d線
を基準とした場合よりも若干小さな値になるが、分散の
度合いを表す意味においては同じであるため、以下の説
明では、d線を基準としたアッベ数を用いて説明する。
【0012】アッベ数は、値が小さいほど波長の変化に
伴う屈折率の変化が大きい。従って、各種製造販売され
ている眼鏡レンズに表示されているアッベ数が大きいほ
ど、そのレンズの周辺での色収差、すなわち色ズレが少
ない。一般に、眼鏡レンズとして用いる場合、アッベ数
については40以上が望ましいとされており、逆に色収
差の影響が顕著になるのは、レンズの度数がアッベ数の
1/10以上の場合であるとされている。
伴う屈折率の変化が大きい。従って、各種製造販売され
ている眼鏡レンズに表示されているアッベ数が大きいほ
ど、そのレンズの周辺での色収差、すなわち色ズレが少
ない。一般に、眼鏡レンズとして用いる場合、アッベ数
については40以上が望ましいとされており、逆に色収
差の影響が顕著になるのは、レンズの度数がアッベ数の
1/10以上の場合であるとされている。
【0013】しかし、従来の眼光学系のシミュレーショ
ン装置では、色収差の影響までは考慮されていないため
に、全ての波長に対する屈折率が同一であるという条件
に基づく網膜像データしか得ることができなかった。こ
のような、全ての波長に対する屈折率が同一であるよう
な光学材料は、現実には存在しない。そのため、眼鏡を
使用する装用者が眼鏡レンズを選択する際において、色
収差の影響が実際にどの程度であるかは眼鏡レンズを装
着しないと判断できないという問題点があった。
ン装置では、色収差の影響までは考慮されていないため
に、全ての波長に対する屈折率が同一であるという条件
に基づく網膜像データしか得ることができなかった。こ
のような、全ての波長に対する屈折率が同一であるよう
な光学材料は、現実には存在しない。そのため、眼鏡を
使用する装用者が眼鏡レンズを選択する際において、色
収差の影響が実際にどの程度であるかは眼鏡レンズを装
着しないと判断できないという問題点があった。
【0014】しかも、眼鏡店において、アッベ数の異な
るレンズを全てのレンズ度数ごとに在庫に置いておくこ
とは困難である。そのため、装用者はアッベ数の違いに
よる像の見え方の違いを考慮せずに眼鏡レンズを選定し
なければならなかった。
るレンズを全てのレンズ度数ごとに在庫に置いておくこ
とは困難である。そのため、装用者はアッベ数の違いに
よる像の見え方の違いを考慮せずに眼鏡レンズを選定し
なければならなかった。
【0015】また、眼鏡店の店員の立場としては、眼鏡
レンズあるいはコンタクトレンズ等でも、装用者の主観
的な自覚のみでなく、色収差の影響によってどのような
像が見えているのかを客観的に知ることができれば、よ
り適切な眼鏡レンズあるいはコンタクトレンズを処方す
ることができる。特に、装用者が幼児である場合には、
自覚的な視力測定で正確な処方を行うことは困難であ
る。
レンズあるいはコンタクトレンズ等でも、装用者の主観
的な自覚のみでなく、色収差の影響によってどのような
像が見えているのかを客観的に知ることができれば、よ
り適切な眼鏡レンズあるいはコンタクトレンズを処方す
ることができる。特に、装用者が幼児である場合には、
自覚的な視力測定で正確な処方を行うことは困難であ
る。
【0016】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、眼鏡等のレンズを装着した際の色収差を含め
た網膜像をシミュレーションできる眼光学系のシミュレ
ーション装置を提供することを目的とする。
のであり、眼鏡等のレンズを装着した際の色収差を含め
た網膜像をシミュレーションできる眼光学系のシミュレ
ーション装置を提供することを目的とする。
【0017】また、本発明の別の目的は、眼鏡等のレン
ズを装着した際の色収差を含めた網膜像をシミュレーシ
ョンできる眼光学系のシミュレーション方法を提供する
ことである。
ズを装着した際の色収差を含めた網膜像をシミュレーシ
ョンできる眼光学系のシミュレーション方法を提供する
ことである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、光学レンズを装用したときの網膜像をシ
ミュレーションする眼光学系のシミュレーション装置に
おいて、所定の位置に置かれた光源画面と、複数設定さ
れた波長ごとの前記光学レンズ及び人眼に関する光学系
データとに基づいて、前記波長ごとのPSF(Point Sp
read Function)を演算するPSF演算手段と、原画像
データと前記波長ごとの前記PSFとによって、前記波
長ごとの単色網膜像を演算する網膜像演算手段と、前記
波長ごとの前記単色網膜像を合成し、網膜像を生成する
網膜像合成手段と、を有することを特徴とする眼光学系
のシミュレーション装置が提供される。
決するために、光学レンズを装用したときの網膜像をシ
ミュレーションする眼光学系のシミュレーション装置に
おいて、所定の位置に置かれた光源画面と、複数設定さ
れた波長ごとの前記光学レンズ及び人眼に関する光学系
データとに基づいて、前記波長ごとのPSF(Point Sp
read Function)を演算するPSF演算手段と、原画像
データと前記波長ごとの前記PSFとによって、前記波
長ごとの単色網膜像を演算する網膜像演算手段と、前記
波長ごとの前記単色網膜像を合成し、網膜像を生成する
網膜像合成手段と、を有することを特徴とする眼光学系
のシミュレーション装置が提供される。
【0019】また、光学レンズを装用したときの網膜像
をシミュレーションする眼光学系のシミュレーション方
法において、所定の位置に置かれた原画像データを、複
数設定された波長ごとの単色画像データに分解するとと
もに、所定の位置に置かれた光源画面と、前記波長それ
ぞれに対応した前記光学レンズ及び人眼に関する光学系
データとに基づいて、前記波長ごとのPSF(Point Sp
read Function )を演算し、前記波長それぞれに対応し
た前記単色画像データと前記PSFとによって、前記波
長ごとの単色網膜像を演算し、全ての前記単色網膜像を
合成する、ことを特徴とする眼光学系のシミュレーショ
ン方法が提供される。
をシミュレーションする眼光学系のシミュレーション方
法において、所定の位置に置かれた原画像データを、複
数設定された波長ごとの単色画像データに分解するとと
もに、所定の位置に置かれた光源画面と、前記波長それ
ぞれに対応した前記光学レンズ及び人眼に関する光学系
データとに基づいて、前記波長ごとのPSF(Point Sp
read Function )を演算し、前記波長それぞれに対応し
た前記単色画像データと前記PSFとによって、前記波
長ごとの単色網膜像を演算し、全ての前記単色網膜像を
合成する、ことを特徴とする眼光学系のシミュレーショ
ン方法が提供される。
【0020】
【作用】眼光学系のシミュレーション装置において、P
SF演算手段は、所定の位置に置かれた光源画面と、複
数設定された波長ごとの光学レンズ及び人眼に関する光
学系データとに基づいて、前記波長ごとのPSF(Poin
t Spread Function )を演算する。網膜像演算手段は、
原画像データと波長ごとのPSFとによって、前記波長
ごとの単色網膜像を演算する。網膜像合成手段は、波長
ごとの単色網膜像を合成し、網膜像を生成する。
SF演算手段は、所定の位置に置かれた光源画面と、複
数設定された波長ごとの光学レンズ及び人眼に関する光
学系データとに基づいて、前記波長ごとのPSF(Poin
t Spread Function )を演算する。網膜像演算手段は、
原画像データと波長ごとのPSFとによって、前記波長
ごとの単色網膜像を演算する。網膜像合成手段は、波長
ごとの単色網膜像を合成し、網膜像を生成する。
【0021】また、眼光学系のシミュレーション方法に
おいて、まず所定の位置に置かれた原画像データが、複
数設定された波長ごとの単色画像データに分解されると
ともに、所定の位置に置かれた光源画面と、波長それぞ
れに対応した光学レンズ及び人眼に関する光学系データ
とに基づいて、波長ごとのPSF(Point Spread Funct
ion )を演算される。さらに、それぞれの波長に対応し
た単色画像データとPSFとによって、波長ごとの単色
網膜像が演算され、全ての単色網膜像が合成される。
おいて、まず所定の位置に置かれた原画像データが、複
数設定された波長ごとの単色画像データに分解されると
ともに、所定の位置に置かれた光源画面と、波長それぞ
れに対応した光学レンズ及び人眼に関する光学系データ
とに基づいて、波長ごとのPSF(Point Spread Funct
ion )を演算される。さらに、それぞれの波長に対応し
た単色画像データとPSFとによって、波長ごとの単色
網膜像が演算され、全ての単色網膜像が合成される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の眼光学系のシミュレーション装置
の原理図である。まず、画像分解手段2は、シミュレー
ションの対象となる原画像データ1を、波長ごとの複数
の単色画像データ3a〜3cに分解する。この単色画像
データ3a〜3cは、原画像データ1から、一定の波長
のスペクトルのみを抽出することにより得られる画像デ
ータである。つまり、原画像データ1をスペクトル分解
し、予め設定されている波長のスペクトルにより得られ
る画像データを、全ての波長において求めることによ
り、各波長ごとの単色画像データ3a〜3cが生成され
る。この時設定される波長は任意に設定することがで
き、例えば、可視光の波長領域において、数nm間隔に
設定することができる。
する。図1は本発明の眼光学系のシミュレーション装置
の原理図である。まず、画像分解手段2は、シミュレー
ションの対象となる原画像データ1を、波長ごとの複数
の単色画像データ3a〜3cに分解する。この単色画像
データ3a〜3cは、原画像データ1から、一定の波長
のスペクトルのみを抽出することにより得られる画像デ
ータである。つまり、原画像データ1をスペクトル分解
し、予め設定されている波長のスペクトルにより得られ
る画像データを、全ての波長において求めることによ
り、各波長ごとの単色画像データ3a〜3cが生成され
る。この時設定される波長は任意に設定することがで
き、例えば、可視光の波長領域において、数nm間隔に
設定することができる。
【0023】なお、原画像データ1が白黒のデータのよ
うに、一定の色で描かれている場合には、スペクトル分
解した際に各スペクトルにより得られる像の形状は全て
同じとなる。このときは、原画像データ1を分解せず
に、そのまま各波長の単色画像データ3a〜3cとする
ことができる。つまり、このような場合は画像分解手段
2が不要となる。ただし、本実施例においては画像を分
解してシミュレーションを行う場合について説明する。
うに、一定の色で描かれている場合には、スペクトル分
解した際に各スペクトルにより得られる像の形状は全て
同じとなる。このときは、原画像データ1を分解せず
に、そのまま各波長の単色画像データ3a〜3cとする
ことができる。つまり、このような場合は画像分解手段
2が不要となる。ただし、本実施例においては画像を分
解してシミュレーションを行う場合について説明する。
【0024】生成された単色画像データ3a〜3cそれ
ぞれに対応して網膜像生成部10a〜10cが設けられ
ている。単色画像データ3aに対応する網膜画像生成部
10aには、シミュレーションの対象となる画像が表示
される光源画面のデータ、及び光学レンズ、角膜、瞳
孔、水晶体、網膜等の人眼に関するデータが光学系デー
タ14として設定されている。人眼に関する光学系デー
タは、基本的にはグルストランドの模型を使用して求
め、眼軸長の値を装用者の視力に応じて決定する。この
際、光学系の屈折率は、単色画像データ3aの波長に対
する屈折率である。この屈折率は、アッベ数により求め
られる。これにより、特定の視力の人眼に入射される任
意の波長の光に対する光学系データ14が作成できる。
さらに、測定可能なデータを装用者から直接測定するこ
ともできる。
ぞれに対応して網膜像生成部10a〜10cが設けられ
ている。単色画像データ3aに対応する網膜画像生成部
10aには、シミュレーションの対象となる画像が表示
される光源画面のデータ、及び光学レンズ、角膜、瞳
孔、水晶体、網膜等の人眼に関するデータが光学系デー
タ14として設定されている。人眼に関する光学系デー
タは、基本的にはグルストランドの模型を使用して求
め、眼軸長の値を装用者の視力に応じて決定する。この
際、光学系の屈折率は、単色画像データ3aの波長に対
する屈折率である。この屈折率は、アッベ数により求め
られる。これにより、特定の視力の人眼に入射される任
意の波長の光に対する光学系データ14が作成できる。
さらに、測定可能なデータを装用者から直接測定するこ
ともできる。
【0025】PSF(Point Spread Function )演算手
段13は、光学系データ14を基にPSF12を求め
る。PSF12はある点から発した光が像面上にどのよ
うに分布するかを表す関数である。網膜像演算手段11
は単色画像データ3aをPSF12によって、たたみ込
み積分を行い、単色網膜像データ4aを求める。単色網
膜像データ4aの網膜像は、視標に対してボケた状態に
なる。
段13は、光学系データ14を基にPSF12を求め
る。PSF12はある点から発した光が像面上にどのよ
うに分布するかを表す関数である。網膜像演算手段11
は単色画像データ3aをPSF12によって、たたみ込
み積分を行い、単色網膜像データ4aを求める。単色網
膜像データ4aの網膜像は、視標に対してボケた状態に
なる。
【0026】同様に、単色画像データ3b,3cそれぞ
れに対応して設けられた網膜画像生成部10b,10c
においても単色網膜像データ4b,4cが求められる。
網膜像合成手段5は、生成された単色網膜像データ4a
〜4cを合成し、1つの網膜像データ6を作成する。単
色網膜像データ4a〜4cはそれぞれ波長が異なるた
め、網膜像データ6においても、色収差の影響により表
示される像の位置がそれぞれ異なる。表示制御手段7
は、網膜像データ6を表示装置8の表示画面上に表示す
る。表示装置8に表示された網膜像は、実際に発生する
色収差の影響を含めた像であり、客観的にどのように見
えるかを正確に把握することができる。
れに対応して設けられた網膜画像生成部10b,10c
においても単色網膜像データ4b,4cが求められる。
網膜像合成手段5は、生成された単色網膜像データ4a
〜4cを合成し、1つの網膜像データ6を作成する。単
色網膜像データ4a〜4cはそれぞれ波長が異なるた
め、網膜像データ6においても、色収差の影響により表
示される像の位置がそれぞれ異なる。表示制御手段7
は、網膜像データ6を表示装置8の表示画面上に表示す
る。表示装置8に表示された網膜像は、実際に発生する
色収差の影響を含めた像であり、客観的にどのように見
えるかを正確に把握することができる。
【0027】次に、本発明の眼光学系のシミュレーショ
ン装置におけるシミュレーションの手順をさらに詳しく
説明する。まず、シミュレーションによる表示対象とな
る原画像データを設定する。この原画像データは、カラ
ーのデータである。さらに、シミュレーションを行うた
めの光学系データを設定する。なお、以下の例では原画
像データを、F線、d線、C線の3つのスペクトル線そ
れぞれの単色画像データに分解しシミュレーションを実
行するものとする。
ン装置におけるシミュレーションの手順をさらに詳しく
説明する。まず、シミュレーションによる表示対象とな
る原画像データを設定する。この原画像データは、カラ
ーのデータである。さらに、シミュレーションを行うた
めの光学系データを設定する。なお、以下の例では原画
像データを、F線、d線、C線の3つのスペクトル線そ
れぞれの単色画像データに分解しシミュレーションを実
行するものとする。
【0028】図2は第1の実施例の光学系を示す図であ
る。これは、眼鏡により視力の矯正を行った場合の例で
ある。原画像データが描かれる光源画面20から出力さ
れた光36は、眼鏡レンズ21を通り人眼30に入射す
る。人眼30は、光源画面20に真っ直ぐに向いてお
り、前面にレンズの働きをする角膜31を有している。
角膜31の後方には瞳孔32があり、入射光の光量を絞
る働きをする。瞳孔32の後方にはレンズの働きをする
水晶体33がある。水晶体33の後方は硝子体34であ
り、その後方に網膜35が位置している。人間は、この
網膜35により光を感知し像を認識する。
る。これは、眼鏡により視力の矯正を行った場合の例で
ある。原画像データが描かれる光源画面20から出力さ
れた光36は、眼鏡レンズ21を通り人眼30に入射す
る。人眼30は、光源画面20に真っ直ぐに向いてお
り、前面にレンズの働きをする角膜31を有している。
角膜31の後方には瞳孔32があり、入射光の光量を絞
る働きをする。瞳孔32の後方にはレンズの働きをする
水晶体33がある。水晶体33の後方は硝子体34であ
り、その後方に網膜35が位置している。人間は、この
網膜35により光を感知し像を認識する。
【0029】このような光学系に基づき、人眼30に入
射する波長ごとの光学系データを作成する。まず、光源
画面20の距離を定める。この距離は無限遠とし、眼鏡
レンズ21に入射する光は平行光線とみなす。
射する波長ごとの光学系データを作成する。まず、光源
画面20の距離を定める。この距離は無限遠とし、眼鏡
レンズ21に入射する光は平行光線とみなす。
【0030】眼鏡レンズ21は、眼鏡の装用者の視力に
応じた度数のレンズである。この眼鏡レンズ21の材質
を指定するとによりアッベ数が決まり、アッベ数からF
線、d線、C線それぞれの波長ごとの屈折率を算出する
ことができる。また、眼鏡レンズ21の凸面(前面)と
凹面(後面)の曲率半径、および眼鏡レンズ21の厚さ
は、シミュレーションを行おうとするレンズの有する設
計値を使用する。さらに、眼鏡レンズ21から角膜まで
の距離を設定する。
応じた度数のレンズである。この眼鏡レンズ21の材質
を指定するとによりアッベ数が決まり、アッベ数からF
線、d線、C線それぞれの波長ごとの屈折率を算出する
ことができる。また、眼鏡レンズ21の凸面(前面)と
凹面(後面)の曲率半径、および眼鏡レンズ21の厚さ
は、シミュレーションを行おうとするレンズの有する設
計値を使用する。さらに、眼鏡レンズ21から角膜まで
の距離を設定する。
【0031】人眼30に関する光学データはグルストラ
ンドの模型眼を使用する。ただし、このシミュレーショ
ンは眼鏡により視力の矯正を行った場合であるため、人
眼30は遠視、あるいは近視である必要がある。そこ
で、人眼30の眼軸長、または角膜の凸面の曲率だけ
は、視力に応じた値に設定する。なお、人眼30内の光
学系のアッベ数は無限大とする。これにより、任意の視
力の人眼30に関する光学系データが、波長ごとに作成
される。
ンドの模型眼を使用する。ただし、このシミュレーショ
ンは眼鏡により視力の矯正を行った場合であるため、人
眼30は遠視、あるいは近視である必要がある。そこ
で、人眼30の眼軸長、または角膜の凸面の曲率だけ
は、視力に応じた値に設定する。なお、人眼30内の光
学系のアッベ数は無限大とする。これにより、任意の視
力の人眼30に関する光学系データが、波長ごとに作成
される。
【0032】以上のようにして、原画像データと光学系
データとの設定が終了すると、設定されたデータに基づ
き、シミュレーションを行う。図3は第1の実施例の眼
光学系のシミュレーション装置のブロック図である。画
像分解手段2aは、設定された原画像データ1aを、C
線(赤)、d線(黄)、F線(青)の3色の単色画像デ
ータ3aa,3ba,3caに分解する。なお、d線は
実際には黄色であるが、緑色のデータとして取り扱う。
データとの設定が終了すると、設定されたデータに基づ
き、シミュレーションを行う。図3は第1の実施例の眼
光学系のシミュレーション装置のブロック図である。画
像分解手段2aは、設定された原画像データ1aを、C
線(赤)、d線(黄)、F線(青)の3色の単色画像デ
ータ3aa,3ba,3caに分解する。なお、d線は
実際には黄色であるが、緑色のデータとして取り扱う。
【0033】一方、網膜画像生成部10aa,10b
a,10ca内において、PSF演算手段が、C線、d
線、F線それぞれに設定された光学系データに基づき、
各波長ごとのPSFを算出する。PSFはある物体上の
一点から発した光が像面上どのように分布するかを表す
関数である。PSFは、物体面上の一点から像面に向か
って各方向へ均等に配分されたn本の光線を追跡し、像
面と交わる光線の密度を求めることによって得られる。
一般には幾何光学の結像理論から求めるが、収差の少な
い光学系、回折素子を含む光学系では波動光学による結
像理論を適用しなければならない場合があり、そのよう
な光学系ではPSFはフレネル積分によって求められ
る。
a,10ca内において、PSF演算手段が、C線、d
線、F線それぞれに設定された光学系データに基づき、
各波長ごとのPSFを算出する。PSFはある物体上の
一点から発した光が像面上どのように分布するかを表す
関数である。PSFは、物体面上の一点から像面に向か
って各方向へ均等に配分されたn本の光線を追跡し、像
面と交わる光線の密度を求めることによって得られる。
一般には幾何光学の結像理論から求めるが、収差の少な
い光学系、回折素子を含む光学系では波動光学による結
像理論を適用しなければならない場合があり、そのよう
な光学系ではPSFはフレネル積分によって求められ
る。
【0034】網膜像演算手段は、互いに対応関係にある
単色画像データとPSFとの畳み込み積分によって、波
長ごとの単色網膜像データを求める。像面での理想像の
光強度分布をf(y,z)、点(y,z)におけるPS
Fをp(x,y,u,v)とすると、網膜上の点(y,
z)における光強度は、以下の式で表すことができる。
単色画像データとPSFとの畳み込み積分によって、波
長ごとの単色網膜像データを求める。像面での理想像の
光強度分布をf(y,z)、点(y,z)におけるPS
Fをp(x,y,u,v)とすると、網膜上の点(y,
z)における光強度は、以下の式で表すことができる。
【0035】
【数2】
【0036】ここで、p(u,v,u−y,u−z)は
各点(u,v)から(u−y,v−z)離れた点におけ
るPSFの値である。また、aはPSFの広がり半径で
ある。この式を用い、網膜上の全ての点において光強度
を求めることにより、各波長における単色画像データ4
aa,4ba,4caが求められる。各単色画像データ
4aa,4ba,4caは、色収差の影響により、映し
出される座標の位置がそれぞれずれている。
各点(u,v)から(u−y,v−z)離れた点におけ
るPSFの値である。また、aはPSFの広がり半径で
ある。この式を用い、網膜上の全ての点において光強度
を求めることにより、各波長における単色画像データ4
aa,4ba,4caが求められる。各単色画像データ
4aa,4ba,4caは、色収差の影響により、映し
出される座標の位置がそれぞれずれている。
【0037】このようにして得られた単色網膜像データ
4aa,4ba,4caを、網膜像合成手段5aが合成
し、網膜像データ6aを生成する。表示制御手段7a
が、この網膜像データ6aを表示装置8aに表示させる
ことにより、眼光学系を通過し、網膜に写しだされる像
の色収差による影響を表示装置8aの画面上でシミュレ
ーションすることができる。
4aa,4ba,4caを、網膜像合成手段5aが合成
し、網膜像データ6aを生成する。表示制御手段7a
が、この網膜像データ6aを表示装置8aに表示させる
ことにより、眼光学系を通過し、網膜に写しだされる像
の色収差による影響を表示装置8aの画面上でシミュレ
ーションすることができる。
【0038】上記の例では、人眼が正面を向いた状態、
つまり光源画面からの光が眼鏡レンズの中央部を通過し
て人眼に入射する場合であるが、人眼が回旋した状態で
のシミュレーションを行うこともできる。この場合、光
源画面からの光は眼鏡レンズの周辺部に一定の角度を有
して入射する。このようなときに、色収差の影響が顕著
に現れる。以下に、人眼が回旋した状態でのシミュレー
ションの例を具体的に説明する。
つまり光源画面からの光が眼鏡レンズの中央部を通過し
て人眼に入射する場合であるが、人眼が回旋した状態で
のシミュレーションを行うこともできる。この場合、光
源画面からの光は眼鏡レンズの周辺部に一定の角度を有
して入射する。このようなときに、色収差の影響が顕著
に現れる。以下に、人眼が回旋した状態でのシミュレー
ションの例を具体的に説明する。
【0039】図4は第2の実施例の眼光学系を示す図で
ある。この例は、人眼が回旋した場合である。この図に
おいて、眼鏡レンズ21aの中心点と、人眼30aの旋
回中心Oとを結ぶ直線を基準軸37と定める。この例で
は、光源画面20aは、基準軸より下の方向に設定され
る。この光源画面20aから出力された光36aは、眼
鏡レンズ21aの周辺部を斜めに通過し、人眼30aに
入射する。人眼30aは回旋し、光源画面20aに真っ
直ぐに向いており、前面にレンズの働きをする角膜31
aを有している。角膜31aの後方には瞳孔32aがあ
り、入射光の光量を絞る働きをする。瞳孔32aの後方
にはレンズの働きをする水晶体33aがある。水晶体3
3aの後方は硝子体34aであり、その後方に網膜35
aが位置している。
ある。この例は、人眼が回旋した場合である。この図に
おいて、眼鏡レンズ21aの中心点と、人眼30aの旋
回中心Oとを結ぶ直線を基準軸37と定める。この例で
は、光源画面20aは、基準軸より下の方向に設定され
る。この光源画面20aから出力された光36aは、眼
鏡レンズ21aの周辺部を斜めに通過し、人眼30aに
入射する。人眼30aは回旋し、光源画面20aに真っ
直ぐに向いており、前面にレンズの働きをする角膜31
aを有している。角膜31aの後方には瞳孔32aがあ
り、入射光の光量を絞る働きをする。瞳孔32aの後方
にはレンズの働きをする水晶体33aがある。水晶体3
3aの後方は硝子体34aであり、その後方に網膜35
aが位置している。
【0040】このような光学系における各レンズ面に関
するデータを以下の表1に示す。なお、眼鏡レンズ21
aの前面をS1、後面をS2、角膜31aの前面をS
3、後面をS4、瞳孔32aの面をS5、水晶体32a
の第1前面をS6、第1後面をS7、第2前面をS8、
第2後面をS9、網膜の面をS10とする。
するデータを以下の表1に示す。なお、眼鏡レンズ21
aの前面をS1、後面をS2、角膜31aの前面をS
3、後面をS4、瞳孔32aの面をS5、水晶体32a
の第1前面をS6、第1後面をS7、第2前面をS8、
第2後面をS9、網膜の面をS10とする。
【0041】
【表1】
【0042】この表における、曲率半径、有効半径、厚
さ、厚みの累計の単位は「mm」である。また、眼鏡レ
ンズのアッベ数は、νd =32である。ここで、光源画
面20aからの光の方向を基準軸との成す角度θを30
度とする。この光は、眼鏡レンズで屈折するため、人眼
の旋回角度αは、27.7度となる。
さ、厚みの累計の単位は「mm」である。また、眼鏡レ
ンズのアッベ数は、νd =32である。ここで、光源画
面20aからの光の方向を基準軸との成す角度θを30
度とする。この光は、眼鏡レンズで屈折するため、人眼
の旋回角度αは、27.7度となる。
【0043】このような光学系において、原画像データ
としてランドルト眼環を使用する。図5に画像として使
用するランドルト視環を示す。ランドルト視環40はそ
れぞれ、視力0.2用の41、視力0.3用の42、視
力0.4用の43、視力0.5用の44、0.6用の4
5、視力0.7用の46、視力0.8用の47、視力
0.9用の48、視力1.0用の49からなる。このラ
ンドルト視環40全体のサイズは250×250ピクセ
ルとし、ピクセルの間隔は0.001mmとする。ま
た、このランドルト視環40は白の背景に黒字で書かれ
ている。
としてランドルト眼環を使用する。図5に画像として使
用するランドルト視環を示す。ランドルト視環40はそ
れぞれ、視力0.2用の41、視力0.3用の42、視
力0.4用の43、視力0.5用の44、0.6用の4
5、視力0.7用の46、視力0.8用の47、視力
0.9用の48、視力1.0用の49からなる。このラ
ンドルト視環40全体のサイズは250×250ピクセ
ルとし、ピクセルの間隔は0.001mmとする。ま
た、このランドルト視環40は白の背景に黒字で書かれ
ている。
【0044】このランドルト視環40を、F線、d線、
C線の3つのスペクトル線それぞれの単色画像データに
分解しシミュレーションを実行する。図6はF線の単色
画像データから得られる単色網膜像を示す図である。図
中51〜59は,図5のランドルト視環41〜49に対
応する網膜像50である。なお、実際には網膜像は濃淡
が連続的な、いわゆるボケた像になるが、図6ではこれ
を等高線で示している。すなわち、各網膜像の中心程濃
く、外部に向かう程薄くなる。
C線の3つのスペクトル線それぞれの単色画像データに
分解しシミュレーションを実行する。図6はF線の単色
画像データから得られる単色網膜像を示す図である。図
中51〜59は,図5のランドルト視環41〜49に対
応する網膜像50である。なお、実際には網膜像は濃淡
が連続的な、いわゆるボケた像になるが、図6ではこれ
を等高線で示している。すなわち、各網膜像の中心程濃
く、外部に向かう程薄くなる。
【0045】d線、C線についても、図6とほぼ同様な
単色網膜像となるが、Y軸の座標値が少しずつ異なる。
図7は合成後の網膜像50aを示す図である。なお、こ
の図では理想的な網膜像の輪郭線のみを示しており、実
際にはそれぞれの網膜像は輪郭線を中心に図6に示すよ
うなボケた像になる。
単色網膜像となるが、Y軸の座標値が少しずつ異なる。
図7は合成後の網膜像50aを示す図である。なお、こ
の図では理想的な網膜像の輪郭線のみを示しており、実
際にはそれぞれの網膜像は輪郭線を中心に図6に示すよ
うなボケた像になる。
【0046】図中51a〜59aはF線(青)の網膜像
であり、51b〜59bはd線(緑)の網膜像であり、
51c〜59cはC線(赤)の網膜像である。図に示す
ように、F線、d線、C線の網膜像の位置はずれてい
る。F線(青)の網膜像だけがずれている部分の色は、
黄(青の補色)であり、d線(緑)の網膜像だけがずれ
ている部分の色は、紫(緑の補色)であり、C線(赤)
の網膜像だけがずれている部分の色は、水色(赤の補
色)である。この色のずれかたの度合いが、アッベ数の
値に依存する。従って、アッベ数の違うレンズを装用し
た際に、色収差による色のずれがどの程度であるかを、
客観的に認識することができる。
であり、51b〜59bはd線(緑)の網膜像であり、
51c〜59cはC線(赤)の網膜像である。図に示す
ように、F線、d線、C線の網膜像の位置はずれてい
る。F線(青)の網膜像だけがずれている部分の色は、
黄(青の補色)であり、d線(緑)の網膜像だけがずれ
ている部分の色は、紫(緑の補色)であり、C線(赤)
の網膜像だけがずれている部分の色は、水色(赤の補
色)である。この色のずれかたの度合いが、アッベ数の
値に依存する。従って、アッベ数の違うレンズを装用し
た際に、色収差による色のずれがどの程度であるかを、
客観的に認識することができる。
【0047】上記の例では、原画像データを3つのスペ
クトル線に単色画像データに分割し、網膜像データを求
めているが、さらに多くのスペクトル線における単色網
膜像データを求め、合成することもできる。
クトル線に単色画像データに分割し、網膜像データを求
めているが、さらに多くのスペクトル線における単色網
膜像データを求め、合成することもできる。
【0048】例えば、原画像データを380nm〜40
0nmまでの5nm間隔のスペクトルに分割し、それぞ
れにおいて求められた単色網膜像データを合成し、最終
的な網膜像データを作成してもよい。この場合、単色網
膜像データの合成には等色関数を用いる。
0nmまでの5nm間隔のスペクトルに分割し、それぞ
れにおいて求められた単色網膜像データを合成し、最終
的な網膜像データを作成してもよい。この場合、単色網
膜像データの合成には等色関数を用いる。
【0049】基本的な等色関数であるRGB等色系で
は、特定の波長の光が網膜に達したときに、眼細胞に対
しどの程度の刺激が与えられるかを、R(700,n
m)、G(546.3nm)、B(435.8nm)の
3色のスペクトル線の強度で示している。言い換える
と、この等色関数により、任意の色の光を3色の光(R
GB)で置き換えて人間に感知させるための、RGBの
光の強度を特定することができる。
は、特定の波長の光が網膜に達したときに、眼細胞に対
しどの程度の刺激が与えられるかを、R(700,n
m)、G(546.3nm)、B(435.8nm)の
3色のスペクトル線の強度で示している。言い換える
と、この等色関数により、任意の色の光を3色の光(R
GB)で置き換えて人間に感知させるための、RGBの
光の強度を特定することができる。
【0050】ただし、RGB等色系には、3つの値のう
ち1つが負の値になる場合がある。そのため、一般的に
は、RGBによる原刺激の正量の加法混色によって等色
することができるような原刺激X、Y、Zを用いたXY
Z等色系が用いられる。この場合、F線、d線、C線そ
れぞれにおいてXYZ等色系で刺激値を求めた後、RG
B等色系の値に変換することにより、RGBのスペクト
ル線の強度を求める。つまり、各単色網膜像データをR
GBのスペクトル線のデータに変換し、RGBのスペク
トル線ごとに各座標値ごとの強度を加算することによ
り、網膜像データが作成される。
ち1つが負の値になる場合がある。そのため、一般的に
は、RGBによる原刺激の正量の加法混色によって等色
することができるような原刺激X、Y、Zを用いたXY
Z等色系が用いられる。この場合、F線、d線、C線そ
れぞれにおいてXYZ等色系で刺激値を求めた後、RG
B等色系の値に変換することにより、RGBのスペクト
ル線の強度を求める。つまり、各単色網膜像データをR
GBのスペクトル線のデータに変換し、RGBのスペク
トル線ごとに各座標値ごとの強度を加算することによ
り、網膜像データが作成される。
【0051】このように、原画面データを非常に多くの
単色画面データに分割することにより、シミュレーショ
ンにより得られる画像を、実際に網膜に映し出される像
により近づけることができる。
単色画面データに分割することにより、シミュレーショ
ンにより得られる画像を、実際に網膜に映し出される像
により近づけることができる。
【0052】次に上記のようなシミュレーションを行う
ためのハードウェアについて簡単に説明する。図8は上
記のシミュレーションを行うワークステーションのハー
ドウェアのブロック図である。
ためのハードウェアについて簡単に説明する。図8は上
記のシミュレーションを行うワークステーションのハー
ドウェアのブロック図である。
【0053】図に示すように、ワークステーションは、
プロセッサ61、グラフィック制御回路64及び表示装
置65と、マウス66、キーボード67、ハードディス
ク装置(HDD)68、フロッピーディスク装置(FD
D)69、プリンタ70、磁気テープ装置71から構成
されている。これ等の要素はバス72によって結合され
ている。
プロセッサ61、グラフィック制御回路64及び表示装
置65と、マウス66、キーボード67、ハードディス
ク装置(HDD)68、フロッピーディスク装置(FD
D)69、プリンタ70、磁気テープ装置71から構成
されている。これ等の要素はバス72によって結合され
ている。
【0054】プロセッサ61はワークステーション全体
を統括的に制御する。読み取り専用メモリ62には立ち
上げ時に必要なプログラムが格納される。メインメモリ
63にはシミュレーションを行うためのシミュレーショ
ンプログラム等が格納される。
を統括的に制御する。読み取り専用メモリ62には立ち
上げ時に必要なプログラムが格納される。メインメモリ
63にはシミュレーションを行うためのシミュレーショ
ンプログラム等が格納される。
【0055】グラフィック制御回路64はビデオメモリ
を含み、得られた網膜像データを表示信号に変換して、
表示装置65に表示する。マウス66は表示装置上のマ
ウスの制御、各種のアイコン、メニューを選択するポイ
ンティングデバイスである。
を含み、得られた網膜像データを表示信号に変換して、
表示装置65に表示する。マウス66は表示装置上のマ
ウスの制御、各種のアイコン、メニューを選択するポイ
ンティングデバイスである。
【0056】ハードディスク装置68にはシステムプロ
グラム、シミュレーションプログラムが格納され、電源
投入後にメインメモリ63にローディングされる。ま
た、シミュレーションデータ等を一時的に格納する。
グラム、シミュレーションプログラムが格納され、電源
投入後にメインメモリ63にローディングされる。ま
た、シミュレーションデータ等を一時的に格納する。
【0057】フロッピーディスク装置69は原画像デー
タ等の必要なデータをフロッピィ69aから入力した
り、必要に応じてフロッピィ69aにセービィングす
る。プリンタ装置70はPSF、網膜像データ等をプリ
ントアウトするのに使用する。
タ等の必要なデータをフロッピィ69aから入力した
り、必要に応じてフロッピィ69aにセービィングす
る。プリンタ装置70はPSF、網膜像データ等をプリ
ントアウトするのに使用する。
【0058】磁気テープ装置71は必要に応じて、シミ
ュレーションデータを磁気テープにセービィングするの
に使用する。なお、ワークステーション以外に高性能の
パーソナルコンピュータ、あるいは一般の汎用コンピュ
ータを使用することもできる。
ュレーションデータを磁気テープにセービィングするの
に使用する。なお、ワークステーション以外に高性能の
パーソナルコンピュータ、あるいは一般の汎用コンピュ
ータを使用することもできる。
【0059】なお、上記の例では、装用する光学レンズ
を眼鏡レンズとして、光学系を構成したが、コンタクト
レンズあるいは眼内レンズを光学レンズとして光学系を
構成し、シミュレーション画像を得るようにすれば、コ
ンタクトレンズの選定、あるいは眼内レンズの選定に有
用である。
を眼鏡レンズとして、光学系を構成したが、コンタクト
レンズあるいは眼内レンズを光学レンズとして光学系を
構成し、シミュレーション画像を得るようにすれば、コ
ンタクトレンズの選定、あるいは眼内レンズの選定に有
用である。
【0060】また、原画像データを3波長に分解する例
では、d線を基準としたアッベ数の定義に用いられるd
線、F線、C線に分解し、それぞれの単色網膜像を演算
しているが、これらのスペクトル線に限る必要はない。
例えば、e線を基準としたアッベ数の定義に用いられ
る、e線(540.07nm)、F’線(479.99
nm)、C’線(643.85nm)に分解し、それぞ
れの単色網膜像を演算することもできる。なお、e線を
基準としたアッベ数νe は、以下の式で定義される。
では、d線を基準としたアッベ数の定義に用いられるd
線、F線、C線に分解し、それぞれの単色網膜像を演算
しているが、これらのスペクトル線に限る必要はない。
例えば、e線を基準としたアッベ数の定義に用いられ
る、e線(540.07nm)、F’線(479.99
nm)、C’線(643.85nm)に分解し、それぞ
れの単色網膜像を演算することもできる。なお、e線を
基準としたアッベ数νe は、以下の式で定義される。
【0061】
【数3】νe =(ne −1)/(nF'−nC') また、上記の例では光源画面の距離は無限遠方としてい
るが、特に無限遠方に限る必要はなく、近方に光源画面
を設定することもできる。
るが、特に無限遠方に限る必要はなく、近方に光源画面
を設定することもできる。
【0062】さらに、画面表示に際して、アッベ数の異
なる複数の光学レンズの光学系データを用いて生成され
た複数の網膜像を、表示装置の同一の画面内に表示する
こともできる。このようにすることにより、アッベ数が
異なることによる見え方の違いを、容易に比較すること
ができる。
なる複数の光学レンズの光学系データを用いて生成され
た複数の網膜像を、表示装置の同一の画面内に表示する
こともできる。このようにすることにより、アッベ数が
異なることによる見え方の違いを、容易に比較すること
ができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、複数設
定された波長ごとの光学系データを用い、原画像データ
から各波長ごとの単色網膜像データを作成し、それらの
単色網膜像データを合成することにより網膜像を求める
ようにしたため、光学レンズを装着した際の色収差を含
めた網膜像のシミュレーションを行うことができる。そ
の結果、眼鏡等を装用せずにアッベ数の違いによる像の
見え方の違いを客観的に確認することができる。
定された波長ごとの光学系データを用い、原画像データ
から各波長ごとの単色網膜像データを作成し、それらの
単色網膜像データを合成することにより網膜像を求める
ようにしたため、光学レンズを装着した際の色収差を含
めた網膜像のシミュレーションを行うことができる。そ
の結果、眼鏡等を装用せずにアッベ数の違いによる像の
見え方の違いを客観的に確認することができる。
【図1】本発明の眼光学系のシミュレーション装置の原
理図である。
理図である。
【図2】第1の実施例の光学系を示す図である。
【図3】第1の実施例の眼光学系のシミュレーション装
置のブロック図である。
置のブロック図である。
【図4】第2の実施例の眼光学系を示す図である。
【図5】画像として使用するランドルト視環を示す図で
ある。
ある。
【図6】F線の単色画像データから得られる単色網膜像
を示す図である。
を示す図である。
【図7】合成後の網膜像を示す図である。
【図8】上記のシミュレーションを行うワークステーシ
ョンのハードウェアのブロック図である。
ョンのハードウェアのブロック図である。
1 原画像データ 2 画像分解手段 3a,3b,3c 単色画像データ 4a,4b,4c 単色網膜像データ 5 網膜像合成手段 6 網膜像データ 7 表示制御手段 8 表示装置 10a,10b,10c 網膜像生成部 11 網膜像演算手段 12 PSF 13 PSF演算手段 14 光学系データ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】生成された単色画像データ3a〜3cそれ
ぞれに対応して網膜像生成部10a〜10cが設けられ
ている。単色画像データ3aに対応する網膜画像生成部
10aには、シミュレーションの対象となる画像が表示
される光源画面のデータ、及び光学レンズ、角膜、瞳
孔、水晶体、網膜等の人眼に関するデータが光学系デー
タ14として設定されている。人眼に関する光学系デー
タは、基本的にはグルストランドの模型を使用して求
め、眼軸長の値を装用者の視力に応じて決定する。この
際、光学系の屈折率は、単色画像データ3aの波長に対
する屈折率である。これにより、特定の視力の人眼に入
射される任意の波長の光に対する光学系データ14が作
成できる。さらに、測定可能なデータを装用者から直接
測定することもできる。
ぞれに対応して網膜像生成部10a〜10cが設けられ
ている。単色画像データ3aに対応する網膜画像生成部
10aには、シミュレーションの対象となる画像が表示
される光源画面のデータ、及び光学レンズ、角膜、瞳
孔、水晶体、網膜等の人眼に関するデータが光学系デー
タ14として設定されている。人眼に関する光学系デー
タは、基本的にはグルストランドの模型を使用して求
め、眼軸長の値を装用者の視力に応じて決定する。この
際、光学系の屈折率は、単色画像データ3aの波長に対
する屈折率である。これにより、特定の視力の人眼に入
射される任意の波長の光に対する光学系データ14が作
成できる。さらに、測定可能なデータを装用者から直接
測定することもできる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】眼鏡レンズ21は、眼鏡の装用者の視力に
応じた度数のレンズである。この眼鏡レンズ21の材質
を指定するとによりアッベ数が決まる。また、眼鏡レン
ズ21の凸面(前面)と凹面(後面)の曲率半径、およ
び眼鏡レンズ21の厚さは、シミュレーションを行おう
とするレンズの有する設計値を使用する。さらに、眼鏡
レンズ21から角膜までの距離を設定する。
応じた度数のレンズである。この眼鏡レンズ21の材質
を指定するとによりアッベ数が決まる。また、眼鏡レン
ズ21の凸面(前面)と凹面(後面)の曲率半径、およ
び眼鏡レンズ21の厚さは、シミュレーションを行おう
とするレンズの有する設計値を使用する。さらに、眼鏡
レンズ21から角膜までの距離を設定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】例えば、原画像データを380nm〜78
0nmまでの5nm間隔のスペクトルに分割し、それぞ
れにおいて求められた単色網膜像データを合成し、最終
的な網膜像データを作成してもよい。この場合、単色網
膜像データの合成には等色関数を用いる。
0nmまでの5nm間隔のスペクトルに分割し、それぞ
れにおいて求められた単色網膜像データを合成し、最終
的な網膜像データを作成してもよい。この場合、単色網
膜像データの合成には等色関数を用いる。
Claims (8)
- 【請求項1】 光学レンズを装用したときの網膜像をシ
ミュレーションする眼光学系のシミュレーション装置に
おいて、 所定の位置に置かれた光源画面と、複数設定された波長
ごとの前記光学レンズ及び人眼に関する光学系データと
に基づいて、前記波長ごとのPSF(Point Spread Fun
ction )を演算するPSF演算手段と、 原画像データと前記波長ごとの前記PSFとによって、
前記波長ごとの単色網膜像を演算する網膜像演算手段
と、 前記波長ごとの前記単色網膜像を合成し、網膜像を生成
する網膜像合成手段と、 を有することを特徴とする眼光学系のシミュレーション
装置。 - 【請求項2】 光学レンズを装用したときの網膜像をシ
ミュレーションする眼光学系のシミュレーション装置に
おいて、 所定の位置に置かれた原画像データを、複数設定された
波長ごとの単色画像データに分解する画像分解手段と、 所定の位置に置かれた光源画面と、前記波長それぞれに
対応した前記光学レンズ及び人眼に関する光学系データ
とに基づいて、前記波長ごとのPSF(PointSpread Fu
nction )を演算するPSF演算手段と、 前記波長それぞれに対応した前記単色画像データと前記
PSFとによって、前記波長ごとの単色網膜像を演算す
る網膜像演算手段と、 前記波長ごとの前記単色網膜像を合成し、網膜像を生成
する網膜像合成手段と、 を有することを特徴とする眼光学系のシミュレーション
装置。 - 【請求項3】 前記PSF演算手段は、人眼の所望の回
旋角がパラメータにより設定され、設定された前記回旋
角に応じた前記光学系データにより前記PSFを演算す
ることを特徴とする請求項2記載の眼光学系のシミュレ
ーション装置。 - 【請求項4】 前記複数設定された波長は、少なくとも
e線、F’線、C’線の組み合わせ、またはd線、F
線、C線の組み合わせを含むことを特徴とする請求項2
記載の眼光学系のシミュレーション装置。 - 【請求項5】 前記網膜像を表示装置に表示する表示制
御手段をさらに有することを特徴とする請求項2記載の
眼光学系のシミュレーション装置。 - 【請求項6】 前記表示制御手段は、アッベ数の異なる
複数の前記光学レンズの光学系データを用いて生成され
た複数の網膜像を、同一の画面内に表示することを特徴
とする請求項5記載の眼光学系のシミュレーション装
置。 - 【請求項7】 前記網膜像合成手段は、波長ごとの前記
単色網膜像におけるR(赤)G(緑)B(青)の原色の
強度を、等色関数を用いて求めることにより前記網膜像
を生成することを特徴とする請求項2記載の眼光学系の
シミュレーション装置。 - 【請求項8】 光学レンズを装用したときの網膜像をシ
ミュレーションする眼光学系のシミュレーション方法に
おいて、 所定の位置に置かれた原画像データを、複数設定された
波長ごとの単色画像データに分解するとともに、所定の
位置に置かれた光源画面と、前記波長それぞれに対応し
た前記光学レンズ及び人眼に関する光学系データとに基
づいて、前記波長ごとのPSF(Point Spread Functio
n )を演算し、 前記波長それぞれに対応した前記単色画像データと前記
PSFとによって、前記波長ごとの単色網膜像を演算
し、全ての前記単色網膜像を合成する、 ことを特徴とする眼光学系のシミュレーション方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07150295A JP3328095B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシミュレーション方法 |
CA002172471A CA2172471C (en) | 1995-03-29 | 1996-03-22 | Apparatus for and method of simulating ocular optical system |
EP96302045A EP0734683B1 (en) | 1995-03-29 | 1996-03-25 | Apparatus for and method of simulating ocular optical system |
DE69635251T DE69635251T2 (de) | 1995-03-29 | 1996-03-25 | Verfahren und Vorrichtung zur Simulation des optischen Systems des menschlichen Auges |
AU48295/96A AU698887B2 (en) | 1995-03-29 | 1996-03-25 | Apparatus for and method of simulating ocular optical system |
US08/623,560 US5677750A (en) | 1995-03-29 | 1996-03-28 | Apparatus for and method of simulating ocular optical system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07150295A JP3328095B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシミュレーション方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08266472A true JPH08266472A (ja) | 1996-10-15 |
JP3328095B2 JP3328095B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=13462525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07150295A Expired - Fee Related JP3328095B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 眼光学系のシミュレーション装置及び眼光学系のシミュレーション方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3328095B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6604826B2 (en) | 2000-10-17 | 2003-08-12 | Hoya Corporation | Method for evaluating an ocular optical lens and apparatus and memory medium therefor |
WO2004018988A1 (ja) * | 2002-08-20 | 2004-03-04 | Hoya Corporation | 光学系の性能評価方法及び設計方法 |
KR100514241B1 (ko) * | 2001-09-06 | 2005-09-13 | 호야 가부시키가이샤 | 안경렌즈의 양안 성능 평가방법, 그 성능의 표시방법과,표시장치 |
JP4897497B2 (ja) * | 2004-02-20 | 2012-03-14 | ヴィズイクス・インコーポレーテッド | 目の診断および治療のための容積点広がり関数 |
-
1995
- 1995-03-29 JP JP07150295A patent/JP3328095B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7488075B2 (en) | 2002-08-20 | 2009-02-10 | Hoya Corporation | Designing method of optical system |
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AU2003257545B2 (en) * | 2002-08-20 | 2009-04-23 | Hoya Corporation | Method for evaluating performance of optical system and method for designing it |
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JP4897497B2 (ja) * | 2004-02-20 | 2012-03-14 | ヴィズイクス・インコーポレーテッド | 目の診断および治療のための容積点広がり関数 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3328095B2 (ja) | 2002-09-24 |
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