JPH08266353A - 落下防止機構 - Google Patents

落下防止機構

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JPH08266353A
JPH08266353A JP7100050A JP10005095A JPH08266353A JP H08266353 A JPH08266353 A JP H08266353A JP 7100050 A JP7100050 A JP 7100050A JP 10005095 A JP10005095 A JP 10005095A JP H08266353 A JPH08266353 A JP H08266353A
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茂夫 小坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常時に収容物を出し入れする際には妨げと
ならず、地震等の震動が発生した場合にのみ収容物が落
下するのを防止することができる落下防止機構を提供す
る。 【構成】 コ字状部材10は、腕部14a,14bの先
端部を支点として回動自在となるように、固定金具60
a,60bに取り付けられる。この固定金具60a,6
0bは収容棚の内側面に取り付けられる。係止装置30
は、マグネットを有するものであり、マグネットが鉄製
の腕部14aを吸着することにより、腕部14a,14
bが略垂直に立った状態でコ字状部材10を保持する。
そして、所定の大きさの地震等が発生すると、かかる地
震等の震動により、コ字状部材10は収容棚の前面側に
倒れる。ストッパー50はこの倒れたコ字状部材10を
所定の位置で停止させ、ガードバー12は震動で揺れる
収容物が落下するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば地震等が発生
した場合に、収容棚に収容した収容物が飛び出したり落
下するのを防止する落下防止機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、収容棚に収容した収容物が落下す
るのを防止する手段としては、たとえば棚板の前縁部に
凸状の段差を設けたものがある。かかる段差はストッパ
ーとして機能し、棚板上に載せた収容物がずれ落ちない
ようにしている。しかし、大きな地震が発生した場合に
は、かかる段差を設けても、収容物の落下防止にはあま
り有効ではない。このため、大きな地震等の震動に対し
ても収容物が落下しないように、収容棚の前面に落下防
止ガードとしての横棒やベルトを固定して設置すること
が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
落下防止ガードを収容棚に固定して設置した場合には、
収容物の出し入れをする際に、落下防止ガードをずらし
たり、取り外したりしなければならず、非常に面倒であ
るという問題がある。特に、商店等において、商品が陳
列された商品陳列棚に、このような落下防止ガードを設
置すると、商品が取り出しにくくなり、消費者の購買意
欲を減退させる原因ともなる。したがって、通常時に収
容物を出し入れする際には妨げとならず、地震等の震動
が発生した場合にのみ収容物が落下するのを防止するこ
とができる機構の実現が望まれている。
【0004】ところで、家庭用の食器棚や商店等で使用
される商品陳列棚等では、前面に扉を有する構造のもの
がある。かかる扉を有する収容棚については、収容棚や
家具が倒れない程度の地震であっても、地震の震動によ
って扉が開いてしまい、収容棚の中に収容した食器や商
品が飛び出したり、落下したりすることがある。そこ
で、かかる場合にも、収容物の取り出しやすさを考慮す
ると、扉に鍵等を設けるのではなく、地震等の震動が発
生した場合にのみ扉をロックし収容物が落下するのを防
止する機構の実現が望まれる。
【0005】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、通常時に収容物を出し入れする際には妨げとな
らず、地震等の震動が発生した場合にのみ収容物が落下
するのを防止することができる落下防止機構を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明に係る落下防止機構は、棚板の
幅と略同じ幅を有する前面囲い部と、前記前面囲い部の
両端部に腕状に設けられた側面囲い部とを有し、前記側
面囲い部の先端部を支点として回動自在に支持された可
動囲み体と、常時は前記側面囲い部が略垂直に位置する
ように係止すると共に所定の大きさの震動が発生したと
きに前記係止が解放されるように前記可動囲み体を保持
し、前記震動が発生し前記係止が解放されて前記可動囲
み体が転倒したときには前記側面囲い部が所定の位置で
停止するように前記可動囲み体を保持する保持手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の発明に係る落下防止機構
は、請求項1記載の発明において、前記前面囲い部を略
平板状に形成したことを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の発明に係る落下防止機構
は、請求項1又は2記載の発明において、前記可動囲み
体及び前記保持手段を固定具に取り付け、前記棚板が取
り付けられる収容棚の内側面に予め形成された前記棚板
の位置調整用穴を利用して前記固定具を前記収容棚の内
側面に取り付けることを特徴とするものである。
【0009】請求項4記載の発明に係る落下防止機構
は、扉の幅より若干大きい幅を有する前面囲い部と、前
記前面囲い部の両端部に腕状に設けられた側面囲い部と
を有し、前記側面囲い部の先端部を支点として回動自在
に支持された可動囲み体と、常時は前記側面囲い部が略
垂直に位置するように係止すると共に所定の大きさの震
動が発生したときに前記係止が解放されるように前記可
動囲み体を保持し、前記震動が発生し前記係止が解放さ
れて前記可動囲み体が転倒したときには前記前面囲い部
が前記扉の前面に当接した状態で前記可動囲み体を保持
する保持手段と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項5記載の発明に係る落下防止機構
は、請求項1乃至4記載の発明において、前記保持手段
は、磁石を有するものであり、前記磁石が鉄製の前記側
面囲い部を吸着することにより前記側面囲い部を略垂直
に立てた状態で前記可動囲み体を保持することを特徴と
するものである。
【0011】請求項6記載の発明に係る落下防止機構
は、請求項1乃至4記載の発明において、前記保持手段
は、前記側面囲い部を略垂直に立てたときに前記可動囲
み体が後方に倒れるように前記可動囲み体に荷重をかけ
る荷重手段と、前記側面囲い部が略垂直に立った状態で
前記可動囲み体が後方に倒れないように前記可動囲み体
を支える支持手段とを有するものであることを特徴とす
るものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成によって、常
時は側面囲い部が略垂直に位置するように係止すると共
に所定の大きさの震動が発生したときにその震動によっ
て前記係止が解放されるように可動囲み体を保持するこ
とにより、地震等の震動が発生したときには、倒れた可
動囲み体によって収容物が収容棚から落下するのを防止
することができるので、地震による収容物の破損等の被
害を軽減することができる。また、地震等の震動が発生
していないときには、側面囲い部が略垂直に立った状態
で可動囲み体を保持しておくことにより、何らの妨げも
なく収容物を出し入れすることができる。
【0013】請求項4記載の発明は前記の構成によっ
て、常時は側面囲い部が略垂直に位置するように係止す
ると共に所定の大きさの震動が発生したときにその震動
によって前記係止が解放されるように可動囲み体を保持
することにより、地震等の震動が発生したときには、倒
れた可動囲み体によって扉が開くのを防止することがで
きるので、収容棚の中の収容物は扉によって外部に飛び
出すことがない。また、地震等の震動が発生していない
ときには、側面囲い部が略垂直に立った状態で可動囲み
体を保持しておくことにより、何らの妨げもなく扉を開
けて収容物を出し入れすることができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の第一実施例について図面を参
照して説明する。図1は本発明の第一実施例である落下
防止機構の概略図、図2はその落下防止機構の概略側面
図、図3はその落下防止機構の一部を拡大した概略斜視
図、図4はその落下防止機構におけるコ字状部材のガー
ドバーの概略断面図、図5はその落下防止機構における
コ字状部材の腕部の概略図、図6はその落下防止機構に
おける固定金具の概略正面図、図7はその落下防止機構
におけるコ字状部材の重心の位置を説明するための図で
ある。
【0015】第一実施例の落下防止機構は、図1乃至図
3に示すように、可動囲み体としてのコ字状部材10
と、保持手段としての係止装置30及びストッパー50
と、固定金具60a,60bとを備えるものである。第
一実施例では、落下防止機構を取り付ける収容棚が、た
とえば酒屋等における商品陳列棚である場合について説
明する。かかる商品陳列棚の収容スペースには、収容物
として多数のビンが収容されており、これらのビンは同
程度の大きさであるとする。
【0016】コ字状部材10は、棚板の幅と略同じ幅を
有する前面囲い部としてのガードバー12と、側面囲い
部としての二つの腕部14a,14bとを有する。ガー
ドバー12及び腕部14a,14bは、鉄製の丸い棒状
のものである。ガードバー12は、収容物が収容棚から
飛び出したり、落下したりするのを防ぐ防護用の棒であ
る。ガードバー12には緩衝材としてのゴム等を巻いて
おり、これにより、収容物がガードバー12にぶつかっ
たときの衝撃を和らげることができる。二つの腕部14
a,14bは、ガードバー12の両端部に設けられてい
る。また、ガードバー12及び腕部14a,14bは、
伸縮自在に構成される。たとえば、ガードバー12につ
いては、図4に示すように、丸棒22aと管材22bと
を用いて、丸棒22aを管材22bの中へ差し込んだ
り、引き出したりすることにより、ガードバー12の長
さを自由に変える。一方、各腕部14a,14bについ
ても、図5(a)に示すように、ガードバー12の場合
と同様に丸棒24aと管材24bとを用いて、丸棒24
aを管材24bの中へ差し込んだり、引き出したりする
ことにより、腕部14a,14bの長さを自由に調整す
る。特に、腕部14a,14bについてはその長さを固
定することができる。ここでは、図5(b)に示すよう
に、管材24bの端部外側にネジを切っており、このネ
ジを切った部分の先端は、割れたテーバー状になってい
る。腕部14a,14bの長さを調整した後、ネジを切
った部分を締め具26で締めつけることにより、管材2
4bで丸棒24aを掴んで、腕部14a,14bの長さ
を固定する。
【0017】また、図3に示すように、二つの腕部14
a,14bの先端部は押し潰され、その押し潰した部分
には穴が形成される。コ字状部材10は、穴の位置を支
点として回動自在となるように、穴にピンを差し通して
固定金具60a,60bに取り付けられる。ここで、コ
字状部材10は、固定金具60a,60bによって外側
から挟まれるように、固定金具60a,60bに取り付
けられる。
【0018】係止装置30は、常時は腕部14a,14
bが略垂直に位置するように係止すると共に所定の大き
さの震動が発生したときに前記係止が解放されるように
コ字状部材10を保持するものである。第一実施例で
は、係止装置30として、図3に示すように、マグネッ
ト32と、マグネット32を収容するマグネットケース
34と、マグネットケース34の位置を調整するための
ネジ36とを有するものを用いる。このマグネットケー
ス34は固定金具60aの所定位置に取り付けられ、マ
グネット32が鉄製の腕部14aを吸着することによ
り、腕部14a,14bが略垂直に立った状態でコ字状
部材10が保持される。そして、係止装置30は、コ字
状部材10がマグネット32の側に倒れてしまうのを防
止する役割をも果たす。また、ストッパー50は、コ字
状部材10がマグネット32と反対側に倒れたときに、
腕部14aを所定の位置で停止させるものである。かか
るストッパー50も固定金具60aに取り付けられる。
尚、係止装置30とストッパー50は固定金具60bに
も同様にして取り付けられている。
【0019】固定金具60a,60bには、図6に示す
ように、二つの位置調整用長穴62,64と、腕部取り
付け用穴66と、四つの角部に設けられた金具取り付け
用穴68とが形成されている。腕部取り付け用穴66
は、腕部14a(14b)の先端部に形成された穴に差
したピンを通すためのものである。金具取り付け用穴6
8は、ネジやピン等を用いて固定金具60a(60b)
を収容棚の内側面の所定位置に取り付けるためのもので
ある。また、位置調整用長穴62は、係止装置30を取
り付けるためのものであり、腕部14a,14bを取り
付けて垂直に立てたときに、長穴の長軸が腕部14a
(14b)と平行になり、且つ腕部14a(14b)の
右側近傍の位置に形成される。位置調整用長穴64は、
ストッパー50を取り付けるためのものであり、垂直に
立てられた腕部14a(14b)に対して位置調整用長
穴62と反対の左側の位置に形成される。
【0020】また、係止装置30及びストッパー50の
取り付け位置は、長穴内で自由に調整することができ
る。たとえば、係止装置30については、マグネットケ
ース34に設けたネジ36を緩めることによりマグネッ
トケース34を長穴内で自由に移動させ、そして、所望
の位置でネジ36を締めることによりマグネットケース
34の位置を固定する。一方、ストッパー50について
も、同様にネジを緩めたり締めたりすることにより、そ
の位置を調整する。
【0021】このように係止装置30の位置を調整する
ことにより、腕部14a,14bが略垂直に立った状態
にあるコ字状部材10の倒れやすさを調整することがで
きる。コ字状部材10の形状等から、その重心は、図7
に示すように、ガードバー12に比較的近い上側に位置
する。また、物体の重心は重力による引力が作用する点
であるので、物体を保持する場合、その重心で保持する
ことが最も安定する。したがって、係止装置30、すな
わちマグネット32の位置を上側から下側に移動し、回
転支点の位置に近づけるほど、マグネット32はコ字状
部材10の重心位置から離れることになるので、コ字状
部材10は倒れやすくなる。このため、地震等が発生し
た場合、マグネット32を回転支点に近い下側の位置に
固定しておくほど、弱い震動であってもその震動による
力によってコ字状部材10は係止装置30を設けた側と
反対側に倒れることになる。
【0022】次に、第一実施例の落下防止機構の取り付
け方及びその動作について説明する。図8はその落下防
止機構の取り付け方を説明するための図、図9はその落
下防止機構の動作を説明するための図である。図8及び
図9に示す収容棚の収容スペースにおいては、下の棚板
2の前縁部に凸状の段差6を設け、ビンがずれ落ちない
ようにしている。そして、ビンはこの段差6の位置まで
ぎっしりと多数収容されているとする。ここで、図8に
おいて、x方向を収容スペースの奥行き方向に、y方向
を鉛直上方にとっている。
【0023】落下防止機構をこの収容棚の収容スペース
に取り付けるには、まず、腕部14a,14bの長さ
を、たとえば収容スペースの高さの約半分程度に調整す
る。次に、固定金具60a,60bを収容棚の内側面に
取り付けるが、その取り付け位置は次のようにして決め
る。固定金具60a,60bのy方向の取り付け位置
は、腕部14a,14bを略垂直に立てた状態ではコ字
状部材10が収容物の出し入れの際に邪魔になることが
ないように、腕部14a,14bを垂直に立てたとき
に、ガードバー12が上の棚板4とぎりぎりまで近づく
位置とする。また、固定金具60a,60bのx方向の
取り付け位置は、コ字状部材10を倒してストッパー5
0に支持させたときに、ガードバー12と最前列のビン
との間隔dがある程度余裕を持つような位置、たとえば
ガードバー12が下の棚板4の前面と略同じになる位置
とする。このようにコ字状部材10を倒した状態におい
てガードバー12と最前列のビンとの間隔dにある程度
余裕を持たせているのは、次の理由による。たとえばコ
字状部材10がビンと触れないぎりぎりの軌道を通って
倒れるようにx方向の位置を決めることにすると、地震
等の震動が発生し、ビンが揺れたときに、倒れてくるコ
字状部材10がこの揺れているビンの口部にぶつかるお
それがあるからである。また、コ字状部材10を倒した
状態においてガードバー12と最前列のビンとの間隔を
余り広げすぎると、地震等の震動によってビンが大きく
揺れたときに、ビンが倒れて外に飛び出すおそれがある
からである。一方、ストッパー50の位置は、コ字状部
材10を倒したときに、地震等の震動によって、最前列
のビンがガードバー12を乗り越えないように、たとえ
ばガードバー12がビンの胴部の上端と略同じ高さにな
るように調整される。以上説明したように、第一実施例
の落下防止機構は、収容棚がすでに使用されている場合
であっても、収容棚に簡単に取り付けることができる。
【0024】次に、このように取り付けられた落下防止
機構の動作について説明する。通常は、腕部14a,1
4bが略垂直に立った状態でコ字状部材10を係止装置
30で保持しておく。そして、所定の大きさの地震等が
発生すると、かかる地震等の震動による力はマグネット
32がコ字状部材10の腕部14a,14bを吸着する
力に打ち勝ち、コ字状部材10は、図9に示すように、
収容棚の前面側に倒れる。この倒れたコ字状部材10の
ガードバー12は、震動で揺れるビンが倒れたり落下し
たりするのを防止する。
【0025】第一実施例の落下防止機構では、常時は腕
部が略垂直に位置するように係止すると共に所定の大き
さの震動が発生したときにその震動によって前記係止が
解放されるようにコ字状部材を保持することにより、地
震等の震動が発生したときには、倒れたガードバーによ
って収容物が収容棚から飛び出したり落下したりするの
を防止することができるので、震動による収容物の破損
等の被害を軽減することができる。また、地震等の震動
が発生していないときには、腕部が略垂直に立った状態
でコ字状部材を保持しておくことにより、かかる落下防
止機構がたとえば商店の商品陳列棚に設けられていて
も、消費者の手を煩わせることなく消費者は商品を自由
に取り出すことができる。したがって、第一実施例の落
下防止機構では、従来の落下防止ガードを用いる場合の
ように消費者の購買意欲を減退させることもない。
【0026】次に、本発明の第二実施例について図面を
用いて説明する。図10は本発明の第二実施例である落
下防止機構の概略側面図、図11はその落下防止機構の
一部を拡大した概略斜視図、図12はその落下防止機構
における固定金具の概略正面図、図13はその落下防止
機構におけるコ字状部材、バランサーアーム及びウエイ
トの全体の重心の位置を説明するための図である。
【0027】第二実施例の落下防止機構が、第一実施例
のものと異なる点は、係止装置としてバランス機構を用
いた点である。また、これに伴い、固定金具も一部異な
るものを用いている。その他の構成は第一実施例と同様
である。尚、第二実施例の落下防止機構において、第一
実施例のものと同一の機能を有するものには、同一の符
号を付すことによりその詳細な説明を省略する。
【0028】係止装置30aは、図10及び図11に示
すように、バランサーアーム42と、荷重手段としての
ウエイト44と、支持手段としてのストッパー46とを
有するものである。バランサーアーム42は、板状のも
のであり、穴が形成された腕部14a,14bの先端部
において、ガードバー12及び腕部14a,14bと略
直角な方向に固着される。ウエイト44はバランサーア
ーム42の軸上で前後に摺動自在に取り付けられる。と
ころで、この場合、コ字状部材10、バランサーアーム
42及びウエイト44の全体の重心は、図13に示すよ
うに、コ字状部材10で作られる平面からウエイト44
の側にずれて位置することになる。このため、腕部14
a,14bを垂直に立てたとき、コ字状部材10には、
コ字状部材10を図10において時計回りに回転させる
力のモーメントが生じることになる。ストッパー46
は、腕部14a,14bを略垂直に立てた状態のままコ
字状部材10が回転しないようにバランサーアーム42
を支持するものである。すなわち、バランサーアーム4
2がストッパー46に寄り掛かって、コ字状部材10が
保持される。
【0029】また、ウエイト44の位置を調整すること
により、腕部14a,14bが略垂直に立った状態にあ
るコ字状部材10の倒れやすさを調整することができ
る。図13に示すように、ウエイト44の位置を回転支
点に近づけるほど、コ字状部材10、バランサーアーム
42及びウエイト44の全体の重心が回転支点に近づく
と共に、コ字状部材10を時計回りに回転させる力のモ
ーメントの大きさが小さくなる。したがって、ウエイト
44の位置を回転支点に近づけるほど、地震等が発生し
た場合、弱い震動であってもその震動による力によって
コ字状部材10はストッパー46を設けた側と反対側に
倒れることになる。
【0030】固定金具60c,60dには、図12に示
すように、一つの位置調整用長穴64と、腕部取り付け
用穴66と、四つの角部に設けられた金具取り付け用穴
68と、ストッパー取り付け用穴72とが形成されてい
る。ストッパー取り付け用穴72は、ストッパー46を
固定して取り付けるためのものである。
【0031】かかる落下防止機構は、第一実施例のもの
と同様にして収容棚に取り付けられる。また、第二実施
例の落下防止機構は、第一実施例のものと同様の作用・
効果を奏する。尚、第二実施例では、固定金具の構造
が、第一実施例で使用するものに比べて幾分簡略化され
ている。しかしながら、係止装置の構造等、全体的に比
較してみると、第一実施例の落下防止機構のほうが第二
実施例のものに比べて製造コストの点で優れている。
【0032】次に、本発明の第三実施例について図面を
用いて説明する。図14は本発明の第三実施例である落
下防止機構の概略図である。尚、第三実施例の落下防止
機構において、第一及び第二実施例と同一の機能を有す
るものには、同一の符号を付すことによりその詳細を説
明を省略する。
【0033】第三実施例では、落下防止機構を取り付け
る収容棚が、たとえば家庭内においてコップや皿等を収
容する食器棚である場合を考える。この場合、収容スペ
ースには皿が積み重ねて収容されたり、高さの異なる食
器が一緒に収容されたりしていることが多いため、上記
第一及び第二実施例のようにガードバーですべての食器
が落下するのを防ぐことは困難である。そこで、第三実
施例の落下防止機構では、図14に示すように、ガード
バー12に平板状のガードプレート16を設けている。
このガードプレート16は、ガードバー12及び腕部1
4a,14bで作られる平面と略直交するように取り付
けられる。ガードプレート16は、食器が食器棚から飛
び出したり、落下したりすることがないようにする防護
用の板である。このガードプレート16の表面には、た
とえばゴム等をコーティングしており、これにより、食
器がガードプレート16にぶつかったときの衝撃を和ら
げることができる。また、係止装置としては、第一実施
例のようにマグネットを用いたもの、第二実施例のよう
にバランス機構を用いたもののいずれを用いてもよい。
尚、その他の構成は、第一又は第二実施例と同様であ
る。
【0034】第三実施例の落下防止機構では、常時は腕
部が略垂直に位置するように係止すると共に所定の大き
さの震動が発生したときにその震動によって前記係止が
解放されるようにコ字状部材を保持することにより、地
震等の震動が発生したときには、たとえ収容物の高さが
異なる場合であっても、倒れたガードバー及びガードプ
レートによって収容物が収容棚から飛び出したり落下し
たりするのを確実に防止することができるので、地震に
よる収容物の破損等の被害を軽減することができる。ま
た、地震等の震動が発生していないときには、腕部が略
垂直に立った状態でコ字状部材を保持しておくことによ
り、かかる落下防止機構がたとえば家庭内における食器
棚に設けられていても、ガードバーやガードプレートが
食器の出し入れの際に邪魔になることはない。
【0035】次に、本発明の第四実施例について図面を
用いて説明する。図15は本発明の第四実施例である落
下防止機構を説明するための図である。尚、第四実施例
の落下防止機構において、第一実施例と同一の機能を有
するものには、同一の符号を付すことによりその詳細を
説明を省略する。
【0036】第四実施例では、落下防止機構を取り付け
る収容棚が、観音扉を有する収納棚である場合を考え
る。かかる観音扉を有する収容棚では、たとえ収容棚や
家具が倒れない程度の地震が発生したときでも、扉が開
いてしまい、このため、収容棚の中に収容されている収
容物が飛び出したり、落下したりすることがある。
【0037】第四実施例の落下防止機構は、図15に示
すように、ガードバー12の幅が扉の幅より若干大きい
コ字状部材10と、係止装置30と、固定金具60a,
60bとを備えるものである。ここでは、第一実施例の
ようにストッパー50を設ける必要はない。また、コ字
状部材10は、固定金具60a,60bを外側から挟む
ように、固定金具60a,60bに取り付けられる。
【0038】かかる落下防止機構は、図15に示すよう
に、コ字状部材10を倒したときに、ガイドバー12が
観音扉の前面よりも前に出るように、収容棚の外側面に
取り付けられる。通常は、収容棚の上方において腕部1
4a,14bが略垂直に立った状態でコ字状部材10を
係止装置30で保持しておく。そして、所定の大きさの
地震等が発生すると、かかる地震等の震動によって、コ
字状部材10は収容棚の前面側に倒れ、ガードバー12
が観音扉の前面に当接する。この倒れたコ字状部材10
のガードバー12は、震動により観音扉が開くのを防止
する閂の役割を果たし、収容棚の中の収容物は観音扉に
よって外部に飛び出すことがない。また、地震等の震動
が発生していないときには、腕部が略垂直に立った状態
でコ字状部材を保持しておくことにより、第四実施例の
落下防止機構が設けられていないときと同様に容易に扉
を開けて収容物を出し入れすることができる。尚、第四
実施例の落下防止機構を、観音扉ではなく、通常の開き
扉を有する収容棚に取り付けるようにしてもよい。
【0039】尚、本発明は上記の各実施例に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。たとえば、上記の各実施例では、係止装置
を二つの腕部に対応して二つ設けた場合について説明し
たが、係止装置は一方の腕部に対してだけ設けるように
してもよい。また、これに対応して、第一乃至第三実施
例においては、倒れたコ字状部材を停止させるストッパ
ーも一つだけ設ければよい。これにより、コストの削減
を図ることができる。
【0040】ところで、通常、家庭内で使う食器棚等に
は、棚板を自由に移動することができるように、食器棚
の内側面に棚板の位置調整用ピン穴が多数設けられてい
るものが多い。かかる食器棚等に上記第一乃至第三実施
例の落下防止機構を設置する場合には、この棚板の位置
調整用ピン穴を利用して、固定金具を取り付けるように
してもよい。この場合、固定金具としては、図16に示
すように、位置調整用ピン穴の形状等に応じて、金具取
り付け用穴68aを多数設けておく。そして、位置調整
用ピン穴と金具取り付け用穴68aとの位置を合わせた
後、ピンを打つことにより、食器棚等に新たな穴を開け
ることなく、固定金具を容易に取り付けることができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、常時は側面囲い部が略垂直に位置するように
係止すると共に所定の大きさの震動が発生したときにそ
の震動によって前記係止が解放されるように可動囲み体
を保持することにより、地震等の震動が発生したときに
は、倒れた可動囲み体によって収容物が収容棚から落下
するのを防止することができるので、地震による収容物
の破損等の被害を軽減することができ、また、地震等の
震動が発生していないときには、側面囲い部が略垂直に
立った状態で可動囲み体を保持しておくことにより、何
らの妨げもなく収容物を出し入れすることができる落下
防止機構を提供することができる。
【0042】請求項4記載の発明は前記の構成によっ
て、常時は側面囲い部が略垂直に位置するように係止す
ると共に所定の大きさの震動が発生したときにその震動
によって前記係止が解放されるように可動囲み体を保持
することにより、地震等の震動が発生したときには、倒
れた可動囲み体によって扉が開くのを防止することがで
きるので、収容棚の中の収容物は扉によって外部に飛び
出すことがなく、また、地震等の震動が発生していない
ときには、側面囲い部が略垂直に立った状態で可動囲み
体を保持しておくことにより、何らの妨げもなく扉を開
けて収容物を出し入れすることができる落下防止機構を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である落下防止機構の概略
斜視図である。
【図2】その落下防止機構の概略側面図である。
【図3】その落下防止機構の一部を拡大した概略斜視図
である。
【図4】その落下防止機構におけるコ字状部材のガード
バーの概略断面図である。
【図5】その落下防止機構におけるコ字状部材の腕部の
概略図である。
【図6】その落下防止機構における固定金具の概略正面
図である。
【図7】その落下防止機構におけるコ字状部材の重心の
位置を説明するための図である。
【図8】その落下防止機構の取り付け方を説明するため
の図である。
【図9】その落下防止機構の動作を説明するための図で
ある。
【図10】本発明の第二実施例である落下防止機構の概
略側面図である。
【図11】その落下防止機構の一部を拡大した概略斜視
図である。
【図12】その落下防止機構における固定金具の概略正
面図である。
【図13】その落下防止機構におけるコ字状部材、バラ
ンサーアーム及びウエイトの全体の重心の位置を説明す
るための図である。
【図14】本発明の第三実施例である落下防止機構の概
略図である。
【図15】本発明の第四実施例である落下防止機構を説
明するための図である。
【図16】固定金具の他の例を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
10 コ字状部材 12 ガードバー 14a,14b 腕部 16 ガードプレート 22a,24a 丸棒 22b,24b 管材 26 締め具 30,30a 係止装置 32 マグネット 34 マグネットケース 36 位置調整用ネジ 42 バランサーアーム 44 ウエイト 46 ストッパー 50 ストッパー 60a,60b,60c,60d 固定金具 62,64 位置調整用長穴 66 腕部取り付け用穴 68,68a 金具取り付け用穴 72 ストッパー取り付け用穴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棚板の幅と略同じ幅を有する前面囲い部
    と、前記前面囲い部の両端部に腕状に設けられた側面囲
    い部とを有し、前記側面囲い部の先端部を支点として回
    動自在に支持された可動囲み体と、 常時は前記側面囲い部が略垂直に位置するように係止す
    ると共に所定の大きさの震動が発生したときに前記係止
    が解放されるように前記可動囲み体を保持し、前記震動
    が発生し前記係止が解放されて前記可動囲み体が転倒し
    たときには前記側面囲い部が所定の位置で停止するよう
    に前記可動囲み体を保持する保持手段と、 を具備することを特徴とする落下防止機構。
  2. 【請求項2】 前記前面囲い部を略平板状に形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の落下防止機構。
  3. 【請求項3】 前記可動囲み体及び前記保持手段を固定
    具に取り付け、前記棚板が取り付けられる収容棚の内側
    面に予め形成された前記棚板の位置調整用穴を利用して
    前記固定具を前記収容棚の内側面に取り付けることを特
    徴とする請求項1又は2記載の落下防止機構。
  4. 【請求項4】 扉の幅より若干大きい幅を有する前面囲
    い部と、前記前面囲い部の両端部に腕状に設けられた側
    面囲い部とを有し、前記側面囲い部の先端部を支点とし
    て回動自在に支持された可動囲み体と、 常時は前記側面囲い部が略垂直に位置するように係止す
    ると共に所定の大きさの震動が発生したときに前記係止
    が解放されるように前記可動囲み体を保持し、前記震動
    が発生し前記係止が解放されて前記可動囲み体が転倒し
    たときには前記前面囲い部が前記扉の前面に当接した状
    態で前記可動囲み体を保持する保持手段と、 を具備することを特徴とする落下防止機構。
  5. 【請求項5】 前記保持手段は、磁石を有するものであ
    り、前記磁石が鉄製の前記側面囲い部を吸着することに
    より前記側面囲い部を略垂直に立てた状態で前記可動囲
    み体を保持することを特徴とする請求項1乃至4記載の
    落下防止機構。
  6. 【請求項6】 前記保持手段は、前記側面囲い部を略垂
    直に立てたときに前記可動囲み体が後方に倒れるように
    前記可動囲み体に荷重をかける荷重手段と、前記側面囲
    い部が略垂直に立った状態で前記可動囲み体が後方に倒
    れないように前記可動囲み体を支える支持手段とを有す
    るものであることを特徴とする請求項1乃至4記載の落
    下防止機構。
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