JPH08265086A - 分配・合成回路とこの分配・合成回路を用いた注入同期発振器 - Google Patents

分配・合成回路とこの分配・合成回路を用いた注入同期発振器

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JPH08265086A
JPH08265086A JP9195495A JP9195495A JPH08265086A JP H08265086 A JPH08265086 A JP H08265086A JP 9195495 A JP9195495 A JP 9195495A JP 9195495 A JP9195495 A JP 9195495A JP H08265086 A JPH08265086 A JP H08265086A
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健司 鴨川
Tsuneo Tokumitsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発振出力にふくまれる注入信号を抑圧した注
入同期発振器及びそのための分配・合成回路を提供する
ことを目的とする。 【構成】 少なくとも3組の入力端子と出力端子を有
し、各入力端子と各出力端子を交互に配列したとき、各
入力端子からこれに隣接する2つの出力端子への信号伝
達が非可逆であり、各入力端子と当該入力端子から非可
逆な信号伝達の可能な2つの出力端子以外の出力端子と
の間が電気的にアイソレートされ、任意の2つの入力端
子の間及び任意の2つの出力端子の間が電気的にアイソ
レートされた分配・合成回路を用い、その第1の出力端
子と第2の入力端子の間に増幅器を結合し、第1の入力
端子に注入信号を入力し、第2の出力端子から発振出力
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IC化に適したマイク
ロ波およびミリ波注入同期発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の方向性結合器を用いた分配
・合成回路の例である。方向性結合器100の1端子1
01に入力された信号は、通過端子である102と10
3に分配される。端子101と104は電気的にアイソ
レートされているため、端子104から信号は出力され
ない。また、端子102と103にある移相差で信号を
入力すると、合成した信号が端子101または104か
ら出力され、方向性結合器100は分配・合成回路とし
て動作する。ここで、方向性結合器100は1/4波長
線路などの受動素子により構成できるので、各端子は入
力/出力を共用できる。
【0003】しかし、図9の分配・合成回路は1/4波
長線路に起因する動作周波数帯域制限が存在し、半導体
基板上に回路を構成するモノリシックマイクロ波集積回
路(MMIC)では回路面積が大きくなり経済的でな
い。また、通過端子で反射した信号がアイソレーション
端子に出力するなど、外部回路の影響を受けやすい。
【0004】図10は上記分配・合成回路の問題点を解
決するために発明された非可逆4端子回路(T.Tok
umitsu et al.,“Very small
ultra−wide−band MMIC mag
ic T and applications to
combiners and dividers,”I
EEE Trans. Microwave Theo
ry and Tech.,vol.37,no.1
2,pp.1985−1900,Dec.1989)を
用いた従来の分配・合成回路である。図10において、
121、122、131および132はそれぞれゲート
接地FET、120および130はゲート接地FET2
つを図10内のように組み合わせた同相分配回路であ
る。非可逆4端子回路110は、同相分配回路120、
130を図内のようにスロット線路123、124、1
33および134を介して組み合わせて構成されてい
る。111および113は非可逆4端子回路110の入
力端子であり、112および114は出力端子である。
ここで、トランジスタの非可逆性により、2つの入力端
子間、2つの出力端子間および出力端子から各入力端子
間はアイソレートされ、非可逆4端子回路110は非可
逆な2入力2出力分配・合成回路として動作する。図1
0の分配・合成回路はDCからトランジスタのカットオ
フ周波数まで動作し、モノリシック化に適するなどの利
点を有するため、該分配・合成回路を用いた注入同期発
振器が最近報告されている(T.Tokumitsu
et al.,“A Novel, Injectio
n−Locked Oscillator MMIC
with Combined Ultra−Wide−
Band Active Combiner/Divi
der and Amplifiers,”IEEE
Trans.,Microwave Theory a
nd Tech.,vol.42,no.12,De
c.1994)。
【0005】図11に上記非可逆4端子回路を用いた従
来の注入同期発振器の回路図を示す。図11において図
10と同一のものについては同一の符号を付している。
非可逆4端子回路110の端子112と113の間に増
幅器140を接続している。ここで、端子112と端子
113は増幅器140から見て結合端子であり、増幅器
140の入出力間に帰還回路を形成し、112−140
−113−112のループの位相回りが2πの整数倍で
1以上の利得を有するとき発振を生じる。この発振器に
端子111を介して注入信号が入力されると、発振周波
数が注入信号に同期し、発振出力は端子114から取り
出される。また、ここでトランジスタで形成した非可逆
4端子回路110は、トランジスタの広帯域性によって
n=1の基本波および1/n=1/2、1/3、1/
4、…のサブハーモニックに対して4端子回路の動作が
保持されるため、サブハーモニック係数1/nの値を自
由に設定可能となり、かつサブハーモニック係数1/n
の小さいサブハーモニックを注入した場合でも注入同期
発振する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
注入同期発振器では入力端子111で分配された注入信
号の半分または一部が発振出力と同時に端子114から
出力される。即ち、注入信号の入力レベルが増加する
と、端子114から漏洩して出力される注入信号のレベ
ルも増加することになる。また、サブハーモニック係数
1/nの小さな信号を注入する場合、能動素子の非線形
性により発生した高調波は、発振出力近傍に現われるス
プリアスとして問題となる。特に、広い周波数引込範囲
を得るため、入力端子114の前段に増幅器を挿入し
て、レベルの大きな注入信号の高調波を発生させる場合
には、該スプリアスが深刻な問題となる。
【0007】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであり、発振出力端子からの注入信号の出力
を従来に比べ抑圧することのできる注入同期発振器を得
るために不可欠な分配・合成回路を得ることを目的とす
る。
【0008】本発明の別の目的は、前記分配・合成回路
を用いて発振出力端子からの注入信号の出力を従来に比
べ抑圧することのできる注入同期発振器を得ることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴は、少なくとも3組の入力端子と出力端
子を有し、各入力端子と各出力端子を交互に配列したと
き、各入力端子からこれに隣接する2つの出力端子への
信号伝達が非可逆であり、各入力端子と当該入力端子か
ら非可逆な信号伝達の可能な2つの出力端子以外の出力
端子との間が電気的にアイソレートされ、任意の2つの
入力端子の間が電気的にアイソレートされ、任意の2つ
の出力端子の間が電気的にアイソレートされている分配
・合成回路にある。
【0010】本発明の別の特徴は、第1、第2および第
3の入力端子と第1、第2および第3の出力端子を有
し、第1の入力端子から第1の出力端子および第3の出
力端子への信号伝達が非可逆であり、第2の入力端子か
ら第1の出力端子および第2の出力端子への信号伝達が
非可逆であり、第3の入力端子から第2の出力端子およ
び第3の出力端子への信号伝達が非可逆であり、第1の
入力端子と第2の入力端子間、第1の入力端子と第3の
入力端子間、第2の入力端子と第3の入力端子間、第1
の出力端子と第2の出力端子間、第1の出力端子と第3
の出力端子間、第2の出力端子と第3の出力端子間、第
1の入力端子と第2の出力端子間、第2の入力端子と第
3の出力端子間および第3の入力端子と第1の出力端子
間が電気的にアイソレートされた分配・合成回路にあ
る。
【0011】本発明の別の特徴は、前記分配・合成回路
が6個のゲート接地FETを有し、第1のゲート接地F
ETのソースと第2のゲート接地FETのソースとを前
記第1の入力端子に接続し、第3のゲート接地FETの
ソースと第4のゲート接地FETのソースを前記第2の
入力端子に接続し、第5のゲート接地FETのソースと
第6のゲート接地FETのソースとを前記第3の入力端
子に接続し、第2のゲート接地FETのドレインと第3
のゲート接地FETのドレインとを前記第1の出力端子
に接続し、第4のゲート接地FETのドレインと第5の
ゲート接地FETのドレインとを前記第2の出力端子に
接続し、第6のゲート接地FETのドレインと第1のゲ
ート接地FETのドレインとを前記第3の出力端子に接
続した分配・合成回路にある。
【0012】本発明の別の特徴は、前記のいずれかの分
配・合成回路と、該分配・合成回路の第1の出力端子と
第2の入力端子間に前記分配・合成回路の動作周波数帯
の少なくとも一部の帯域で動作する増幅器が接続され、
前記第1の入力端子から注入信号を入力し、第2の出力
端子から発振出力を得る注入同期発振器にある。
【0013】本発明の別の特徴は、前記のいずれかの分
配・合成回路と、該分配・合成回路の第1の出力端子と
第2の入力端子間に前記分配・合成回路の動作周波数帯
の少なくとも一部の帯域で動作する第1の増幅器が接続
され、第3の出力端子と第3の入力端子間に前記分配・
合成回路の動作周波数帯の少なくとも一部の帯域で動作
する第2の増幅器が接続され、第1の入力端子から注入
信号を入力し、第2の出力端子から発振出力を得る注入
同期発振器にある。
【0014】本発明の別の特徴は、前記のいずれかの分
配・合成回路と、該分配・合成回路の第1の出力端子と
第2の入力端子間に前記分配・合成回路の動作周波数帯
の少なくとも一部の帯域で動作する第1の増幅器が接続
され、第2の出力端子と第3の入力端子間に前記分配・
合成回路の動作周波数帯の少なくとも一部の帯域で動作
する第2の増幅器が接続され、第1の入力端子から注入
信号を入力し、第3の出力端子から発振出力を得る注入
同期発振器にある。
【0015】本発明の別の特徴は、前記増幅器の少なく
ともひとつと直列に、前記分配・合成回路の動作周波数
帯の少なくとも一部の帯域で動作する可変移相器が挿入
される、注入同期発振器にある。
【0016】
【作用】以上のように構成することにより、注入信号の
入力端子と電気的にアイソレートされた端子から発振信
号が出力されるため、出力端子からの注入信号の漏洩を
従来に比較して抑圧することができる。また、分配・合
成回路はゲート接地FETなどの能動素子を用いて形成
しているので、出力端子からの注入信号の漏洩の抑圧を
DCからカットオフ周波数まで広帯域に実現できる。従
って、サブハーモニック係数1/nの小さな信号を注入
する場合、発振出力近傍に現われるスプリアスを抑圧す
ることができる。また、モノリシック化に適しているた
め、半導体プロセスを用いて注入同期発振器が小型、高
集積に形成できる。
【0017】また、従来の注入同期発振器では、分配さ
れた2つの注入信号の1つは全く利用できないととも
に、上述したようなスプリアスとして出力端子から出力
されるが、注入信号の出力する端子と発振出力端子が異
なっているため(かつ電気的にアイソレートしてい
る)、分配された2つの注入信号を有効に活用すること
ができる。その内容については、実施例で詳しく述べ
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による実施例に
ついて説明する。
【0019】(第1の実施例)図1は、本発明の分配・
合成回路の第1の実施例である。図1において10は非
可逆多端子回路であって、11は第1の入力端子、13
は第2の入力端子、15は第3の入力端子、12は第1
の出力端子、14は第2の出力端子、16は第3の出力
端子である。端子11より入力した信号は端子12およ
び16にのみ分配され、端子13より入力した信号は端
子12および14にのみ分配され、端子15より入力し
た信号は端子14および16のみに分配され、端子11
−13間、端子13−15間、端子15−11間、端子
12−14間、端子14−16間、および端子16−1
2間には信号の伝達はない(アイソレートされてい
る)。図中の矢印は該信号伝達の様子を示す。非可逆多
端子回路10は、入力端子(11、13、15)より入
力した信号は該入力端子と隣り合う2つの出力端子へ分
配され、出力端子(12、14、16)からは該出力端
子と隣り合う2つの入力端子から分配された信号が合成
されて出力する、分配・合成回路として動作することが
できる。
【0020】本発明の第1の実施例では各入力端子と電
気的にアイソレートされた出力端子を有するので、第1
の実施例を用いることにより、発振出力端子からの注入
信号の出力を従来に比較して抑圧することのできる注入
同期発振器を実現することができる。
【0021】(第2の実施例)図2は本発明の分配・合
成回路の第2の実施例である。図2において図1と同一
のものについては同一の符号を付している。21、2
2、31、32、41および42はそれぞれゲート接地
FET、20、30および40はゲート接地FET2つ
を図2内のように組み合わせた同相分配回路である。こ
こで、トランジスタとして電界効果トランジスタを用い
ているので、Sはソース、Dはドレイン、Gはゲートを
表す。
【0022】非可逆多端子回路10では端子11(2
3)に入力した信号は端子12(25)と端子16(2
4)にのみ伝達され、端子13(33)に入力した信号
は端子12(34)と端子14(35)にのみ伝達さ
れ、端子15(43)に入力した信号は端子14(4
4)と端子16(45)にのみ伝達され、そのほかの端
子、例えば端子11(23)から端子13(33)、1
4(35、44)、15(33)への伝達は該分配回路
の非可逆性により阻止される。また、各分配1回路の出
力端子インピーダンスは非常に高いから端子23、33
および端子43には分配回路で分配される信号がそのま
ま伝達する。従って、図2の中の非可逆多端子回路10
に設定した信号経路が任意の周波数で(広帯域に)成立
し、広帯域な分配・合成回路として動作する。
【0023】図3は、本発明の第2の実施例の分配・合
成回路の入力端子11から出力端子12、14および1
6への信号伝達の周波数特性を計算した結果である。端
子11から端子14への伝達はDCからカットオフ周波
数(〜23GHz)まで広帯域に渡って−25dB以下
と電気的にアイソレートされている。したがって、第2
の実施例を用いることにより、発振出力端子からの注入
信号の出力を従来に比較して(端子12または16への
出力)20dB以上抑圧することのできる注入同期発振
器を実現することができる。また、本発明の第2の実施
例の分配・合成回路は能動素子を用いて構成しているた
めモノリシック化に適し、半導体プロセスを用いて小
型、高集積に形成できる。
【0024】第2の実施例において、電界効果トランジ
スタの代わりにバイポーラトランジスタを用いてもよ
い。また、実施例ではゲート接地FETを用いている
が、これに限らず他の接地形式(ドレイン接地またはソ
ース接地)を用いてもよい。
【0025】(第3の実施例)図4は、本発明の分配・
合成回路の第3の実施例である。図4において図1と同
一のものについては同一の符号を付している。
【0026】10は非可逆多端子回路であって、11は
第1の入力端子、13は第2の入力端子、15は第3の
入力端子、17は第4の入力端子、12は第1の出力端
子、14は第2の出力端子、16は第3の出力端子、1
8は第4の出力端子である。端子11より入力した信号
は端子12および18にのみ分配され、端子13より入
力した信号は端子12および14にのみ分配され、端子
15より入力した信号は端子14および16のみに分配
され、端子17より入力した信号は端子16および18
のみに分配され、端子11、13、15および17間に
は信号の伝達はない(アイソレートされている)。図中
の矢印は該信号伝達の様子を示す。また、端子12、1
4、16および18間には信号の伝達はない。非可逆多
端子回路10は、入力端子(11、13、15、17)
より入力した信号は該入力端子と隣り合う2つの出力端
子へ分配され、出力端子(12、14、16、18)か
らは該出力端子と隣り合う2つの入力端子から分配され
た信号が合成されて出力する、分配・合成回路として動
作することができる。
【0027】以上の第3の実施例によれば、第1の実施
例の効果に加えて、1つの入力端子とアイソレートされ
た2つの出力端子を有するので注入同期発振器の構成の
自由度が大きくなる。詳細については、後述する本発明
の注入同期発振器の実施例で述べる。
【0028】第3の実施例においては、4入力4出力の
非可逆多端子回路であるが、あらゆる2つの入力端子間
およびあらゆる2つの出力端子間が電気的にアイソレー
トされたn入力n出力(n=5、6、7、…)の非可逆
多端子分配・合成回路であってもよい。
【0029】(第4の実施例)図5は本発明の注入同期
発振器の第1の実施例である。図5において図1と同一
のものについては同一の符号を付している。
【0030】10は本発明の分配・合成回路である非可
逆多端子回路であって、11は第1の入力端子、13は
第2の入力端子、15は第3の入力端子、12は第1の
出力端子、14は第2の出力端子、16は第3の出力端
子である。50は増幅器で、51と52はそれぞれ入力
端子、出力端子である。増幅器50の入力端子51は非
可逆多端子回路10の端子12に接続され、増幅器50
の出力端子52は非可逆多端子回路10の端子13に接
続されている。ここで、非可逆多端子回路10の端子1
3と端子12は増幅器50から見て結合端子であり、増
幅器50の入出力間に帰還回路を形成し、12−51−
52−13−12のループの位相回りが2πの整数倍で
1以上の利得を有するとき自由発振を生じる。
【0031】非可逆多端子回路10の端子11より高安
定・低位相雑音の信号を入力するとその一部が端子12
を介して増幅器50に入力され、発振中の増幅器の非線
形性によって高調波が生じる。この高調波が上記自由発
振周波数付近の場合には、該発振周波数と高調波とにう
ねりが生じ、これが零になるように状態が変化して注入
信号に同期した発振状態になる。発振出力は端子13を
介して端子14に出力され、非可逆多端子回路10の非
可逆性により信号入力端子11には現われない。従っ
て、端子11が不整合の状態であったとしても発振出力
の一部が端子11で反射されて該発振ループに再注入さ
れることはない。また同様に、端子14での反射波は他
のどの端子にも現われないので再注入されない。つま
り、外部回路の影響を受けにくい構成である。
【0032】また、端子11で分配された注入信号の残
りの部分は端子16から出力されるが、該信号の一部が
端子16で反射されて、発振出力端子14に現われるこ
とはない。従って、以上の注入同期発振器の第1の実施
例は出力端子からの注入信号の出力を従来に比較して抑
圧することができる。また、分配・合成回路はゲート接
地FETなどの能動素子を用いて形成しているので、出
力端子からの注入信号の出力の抑圧をDCからカットオ
フ周波数まで広帯域に実現できる。従って、サブハーモ
ニック係数1/nの小さな信号を注入する場合、発振出
力近傍に現われるスプリアスを抑圧することができる。
また、モノリシック化に適しているため、半導体プロセ
スを用いて注入同期発振器が小型、高集積に形成でき
る。
【0033】また、端子14からは端子11より入力す
る高安定・低位相雑音の信号の一部を取り出すことがで
きるため、本発明の注入同期発振器を従属接続した場合
に該出力は後段の注入信号として利用することができ
る。
【0034】(第5の実施例)図6は本発明の注入同期
発振器の第2の実施例である。図6において図1と同一
のものについては同一の符号を付している。
【0035】10は本発明の分配・合成回路である非可
逆多端子回路であって、11は第1の入力端子、13は
第2の入力端子、15は第3の入力端子、12は第1の
出力端子、14は第2の出力端子、16は第3の出力端
子である。50、60は増幅器で、51、52、61、
62はそれぞれ該増幅器50(60)の入力端子、出力
端子である。増幅器50の入力端子51は非可逆多端子
回路10の端子12に接続され、増幅器50の出力端子
52は非可逆多端子回路10の端子13に接続されてい
る。また、増幅器60の入力端子61は非可逆多端子回
路10の端子16に接続され、増幅器60の出力端子5
2は非可逆多端子回路10の端子15に接続されてい
る。ここで、非可逆多端子回路10の端子13(15)
と端子12(16)は増幅器50(60)から見て結合
端子であり、増幅器50(60)の入出力間に帰還回路
を形成し、12−51−52−13−12(16−61
−62−15−16)のループの位相回りが2πの整数
倍で1以上の利得を有するとき自由発振を生じる。
【0036】非可逆多端子回路10の端子11より高安
定・低位相雑音の信号を入力するとその一部が端子12
(16)を介して増幅器50(60)に入力され、発振
中の増幅器の非線形性によって高調波が生じる。この高
調波が上記自由発振周波数付近の場合には、該発振周波
数と高調波とにうねりが生じ、これが零になるように状
態が変化して注入信号に同期した発振状態になる。発振
出力は端子13(15)を介して端子14より出力す
る。
【0037】以上の注入同期発振器の第2の実施例は、
本発明の注入同期発振器の第1の実施例と同様の効果に
加えて、入力端子11で分配された2つの信号を注入信
号として用いることができるとともに、12−51−5
2−13−12のループと16−61−62−15−1
6のループで発振した信号を合成して端子14から出力
するので従来に比較して出力を3dB向上できる(分配
回路で発生する分配損失がキャンセルできる)。
【0038】(第6の実施例)図7は本発明の注入同期
発振器の第3の実施例である。図7において図1と同一
のものについては同一の符号を付している。
【0039】10は本発明の分配・合成回路である非可
逆多端子回路であって、11は第1の入力端子、13は
第2の入力端子、15は第3の入力端子、17は第4の
入力端子、12は第1の出力端子、14は第2の出力端
子、16は第3の出力端子、18は第4の出力端子であ
る。70、80は増幅器で、71、72、81、82は
それぞれ該増幅器70(80)の入力端子、出力端子で
ある。増幅器70の入力端子71は非可逆多端子回路1
0の端子12に接続され、増幅器70の出力端子72は
非可逆多端子回路10の端子13に接続されている。ま
た、増幅器80の入力端子81は非可逆多端子回路10
の端子14に接続され、増幅器80の出力端子82は非
可逆多端子回路10の端子15に接続されている。ここ
で、非可逆多端子回路10の端子13(15)と端子1
2(14)は増幅器70(80)から見て結合端子であ
り、増幅器70(80)の入出力間に帰還回路を形成
し、12−71−72−13−12(14−81−82
−15−14)のループの位相回りが2πの整数倍で1
以上の利得を有するとき自由発振を生じる。ここで、ル
ープ14−81−82−15−14での自由発振周波数
がループ12−71−72−13−12の自由発振周波
数の整数倍になるようにする。
【0040】非可逆多端子回路10の端子11より高安
定・低位相雑音の信号を入力するとその一部が端子12
を介して増幅器70に入力され、発振中の増幅器の非線
形性によって高調波が生じる。この高調波が上記自由発
振周波数付近の場合には、該発振周波数と高調波とにう
ねりが生じ、これが零になるように状態が変化して注入
信号に同期した発振状態になる。発振出力は端子13を
介して端子14に出力され、増幅器80に入力される。
ここで、発振中の増幅器80の非線形性によって高調波
が生じ、ループ14−81−82−15−14で同期し
た発振状態になる。該発振出力は端子15を介して端子
16より出力される。
【0041】以上の注入同期発振器の第3の実施例は、
本発明の注入同期発振器の第1の実施例と同様の効果に
加えて、ループ12−71−72−13−12で同期し
た発振出力を注入信号としてループ14−81−82−
15−14に注入し、同期発振させるためより高い周波
数の発振信号を得ることが可能となる。
【0042】(その他の実施例)実施例4から6では発
振ループ内に増幅器を挿入し、ループの位相回りが2π
の整数倍になるように形成しているが、図8に示すよう
に該発振ループ内に可変移相器(または可変移相器と遅
延線路の従属接続)を挿入してもよい。図8のように構
成することにより可変移相器の位相量を変化させ、自由
発振周波数を変えることができるため周波数引込範囲を
広げることができる。
【0043】
【発明の効果】以上記述したように請求項1から3の本
発明によれば、入力端子と電気的にアイソレートされた
出力端子を有する分配・合成回路を実現できる。また、
該分配・合成回路はゲート接地FETなどの能動素子を
用いて形成しているので、電気的な特性をDCからカッ
トオフ周波数まで広帯域に実現できる。また、該分配・
合成回路はモノリシック化に適しているため、半導体プ
ロセスを用いて小型、高集積に形成できる。
【0044】また、請求項4から7によれば、注入信号
の入力端子と電気的にアイソレートされた端子から発振
信号が出力されるため、出力端子からの注入信号の漏洩
を従来に比較して抑圧することができる。また、サブハ
ーモニック係数1/nの小さな信号を注入する場合、発
振出力近傍に現われるスプリアスを従来に比較して抑圧
することができる。また、従来の注入同期発振器では、
分配された2つの注入信号の1つは全く利用できないと
ともに、上述したようなスプリアスとして出力端子から
出力されるが、注入信号の出力する端子と発振出力端子
が異なっているため(かつ電気的にアイソレートしてい
る)、分配された2つの注入信号を有効に活用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である分配・合成回路の
回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例である分配・合成回路の
回路図である。
【図3】本発明の第2の実施例である分配・合成回路の
周波数特性である。
【図4】本発明の第3の実施例である分配・合成回路の
回路図である。
【図5】本発明の第1の実施例である注入同期発振器の
回路図である。
【図6】本発明の第2の実施例である注入同期発振器の
回路図である。
【図7】本発明の第3の実施例である注入同期発振器の
回路図である。
【図8】本発明のその他の実施例である注入同期発振器
の回路図である。
【図9】方向性結合器を用いた従来の分配・合成回路の
回路図である。
【図10】非可逆4端子回路を用いた従来の分配・合成
回路の回路図である。
【図11】非可逆4端子回路を用いた従来の注入同期発
振器の回路図である。
【符号の説明】
10 非可逆多端子回路 11、12、13、14、15、16、17、18 端
子 20、30、40 ゲート接地FET分配回路 21、22、31、32、41、42 ゲート接地FE
T 23、24、25、33、34、35、43、44、4
5 端子 50、60、70、80 増幅器 51、52、61、62、71、72、81、82 端
子 100 方向性結合器 101、102、103、104 端子 110 非可逆4端子回路 111、112、113、114 端子 120、130 ゲート接地FET分配回路 121、122、131、132 ゲート接地FET 123、124、133、134 スロット線路 S ソース D ドレイン G ゲート 140 増幅器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3組の入力端子と出力端子を
    有し、各入力端子と各出力端子を交互に配列したとき、
    各入力端子からこれに隣接する2つの出力端子への信号
    伝達が非可逆であり、 各入力端子と当該入力端子から非可逆な信号伝達の可能
    な2つの出力端子以外の出力端子との間が電気的にアイ
    ソレートされ、 任意の2つの入力端子の間が電気的にアイソレートさ
    れ、 任意の2つの出力端子の間が電気的にアイソレートされ
    ていることを特徴とする、分配・合成回路。
  2. 【請求項2】 第1、第2および第3の入力端子と第
    1、第2および第3の出力端子を有し、 第1の入力端子から第1の出力端子および第3の出力端
    子への信号伝達が非可逆であり、第2の入力端子から第
    1の出力端子および第2の出力端子への信号伝達が非可
    逆であり、第3の入力端子から第2の出力端子および第
    3の出力端子への信号伝達が非可逆であり、 第1の入力端子と第2の入力端子間、第1の入力端子と
    第3の入力端子間、第2の入力端子と第3の入力端子
    間、第1の出力端子と第2の出力端子間、第1の出力端
    子と第3の出力端子間、第2の出力端子と第3の出力端
    子間、第1の入力端子と第2の出力端子間、第2の入力
    端子と第3の出力端子間および第3の入力端子と第1の
    出力端子間が電気的にアイソレートされたことを特徴と
    する請求項1記載の分配・合成回路。
  3. 【請求項3】 前記分配・合成回路が6個のゲート接地
    FETを有し、第1のゲート接地FETのソースと第2
    のゲート接地FETのソースとを前記第1の入力端子に
    接続し、第3のゲート接地FETのソースと第4のゲー
    ト接地FETのソースを前記第2の入力端子に接続し、
    第5のゲート接地FETのソースと第6のゲート接地F
    ETのソースとを前記第3の入力端子に接続し、第2の
    ゲート接地FETのドレインと第3のゲート接地FET
    のドレインとを前記第1の出力端子に接続し、第4のゲ
    ート接地FETのドレインと第5のゲート接地FETの
    ドレインとを前記第2の出力端子に接続し、第6のゲー
    ト接地FETのドレインと第1のゲート接地FETのド
    レインとを前記第3の出力端子に接続したことを特徴と
    する請求項2記載の分配・合成回路。
  4. 【請求項4】 請求項1から3記載のいずれかの分配・
    合成回路と、該分配・合成回路の第1の出力端子と第2
    の入力端子間に前記分配・合成回路の動作周波数帯の少
    なくとも一部の帯域で動作する増幅器が接続され、前記
    第1の入力端子から注入信号を入力し、第2の出力端子
    から発振出力を得ることを特徴とする注入同期発振器。
  5. 【請求項5】 請求項2から3記載のいずれかの分配・
    合成回路と、該分配・合成回路の第1の出力端子と第2
    の入力端子間に前記分配・合成回路の動作周波数帯の少
    なくとも一部の帯域で動作する第1の増幅器が接続さ
    れ、第3の出力端子と第3の入力端子間に前記分配・合
    成回路の動作周波数帯の少なくとも一部の帯域で動作す
    る第2の増幅器が接続され、第1の入力端子から注入信
    号を入力し、第2の出力端子から発振出力を得ることを
    特徴とする注入同期発振器。
  6. 【請求項6】 請求項1から3記載のいずれかの分配・
    合成回路と、該分配・合成回路の第1の出力端子と第2
    の入力端子間に前記分配・合成回路の動作周波数帯の少
    なくとも一部の帯域で動作する第1の増幅器が接続さ
    れ、第2の出力端子と第3の入力端子間に前記分配・合
    成回路の動作周波数帯の少なくとも一部の帯域で動作す
    る第2の増幅器が接続され、第1の入力端子から注入信
    号を入力し、第3の出力端子から発振出力を得ることを
    特徴とする注入同期発振器。
  7. 【請求項7】 前記増幅器の少なくともひとつと直列
    に、前記分配・合成回路の動作周波数帯の少なくとも一
    部の帯域で動作する可変移相器が挿入される、請求項
    4、5、6のいずれかひとつに記載の注入同期発振器。
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