JPH08264123A - ホール径測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネルのＢＭホール径の測定において、測定
系の測定精度は、作業者が定期校正をしている。また、
ＢＭホールを形成する露光台の補正、調整作業は作業者
の手作業によって行なっている。 【解決手段】 ホール径測定装置の測定系に内蔵した標
準ホール径パネル１５を定期的に測定し、測定装置の測
定系精度を自動診断する機能を持たせる。さらに、実際
に測定した測定値を傾向管理して得られた情報をＢＭホ
ールを形成する露光台５０へフィードバックする機能を
持たせて、露光台５０の調光フィルタ６のＸ、Ｙ座標お
よび（または）光源４の照度を自動制御する機能を持た
せたホール径測定装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管の
蛍光面形成におけるブラックマトリクス膜の開口部（以
下ＢＭホールと記す）の形状寸法を測定するホール径測
定装置に関し、特にカラー陰極線管のパネルの露光工程
におけるインライン測定装置として好適する自動診断機
能付きホール径測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、シャドウマスク型カラー陰極線
管では、パネルの内側に配設されたシャドウマスクに対
向して、パネルの内面に吸光性物質層からなるブラック
マトリクス膜が形成され、このＢＭホールに赤、緑、青
の各色に発光する微小なドット状の蛍光体層が形成され
ている。このような蛍光体層は、感光性物質を用いた精
密写真露光法によって形成されており、パネル内面に塗
布されたレジストを介して露光する工程には、カラー陰
極線管用の露光台が用いられる。

【０００３】このカラー陰極線管露光装置では、図６に
示すように、パネル１とシャドウマスク２とを位置決め
して載置するテーブル３、テーブル３の下方に配置され
る光源４、テーブル３と光源４との間に配置される補正
レンズ５および調光フィルタ６とで構成され、パネル内
面全域に均一な大きさのＢＭホールを有するドット状の
ブラックマトリクス膜が形成されている。

【０００４】ところが、偏向量の大きな大型や短管長の
カラー陰極線管においては、電子ビームの収束度が偏向
量により多少異なるため、パネルの中央部と周辺部との
ＢＭホール面積を等しくすると蛍光体の発光輝度が不均
一となるという問題があり、パネル中央部と周辺部のＢ
Ｍホール面積比を最適な値にコントロールする必要があ
った。そこで、このＢＭホールが所定の寸法形状になっ
ているかどうかを、露光工程で測定確認する装置とし
て、特開平６３−１３８６２８号公報に開示されている
ようなホール径測定装置が使用されている。このホール
径測定装置は、図７に示されているように、パネル１の
中心部１ａと周辺部１ｂの所定面積において、露光光源
からの光のＢＭホールを介して透過してくる光量のみを
外光遮蔽板７を有する照度センサ８で測定し、その透過
光量によりＢＭホールの面積を求める装置である。

【０００５】しかしながら、パネルの中央部と周辺部の
ＢＭホールの寸法形状はブラックマトリクス膜の塗布状
態、シャドウマスクのマスクホール分布、光源となる水
銀灯の発光状態の要因により異なって形成されるため、
上述した透過光量からＢＭホールの面積を求める方法で
は個別のＢＭホールの正確な測定ができず、したがっ
て、高精細化に対応するＢＭホール寸法形状の測定には
対応できないという問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、カラー陰極線
管のフェースパネル内面に形成したブラックマトリクス
ホールの寸法形状を測定するホール径測定装置におい
て、拡大機構を有するＣＣＤカメラと、拡大画像から個
別のブラックマトリクスホールの形状寸法を測定する画
像処理機構とを具備するホール径測定装置を提供する。

【０００７】また、ＣＣＤカメラがオートフォーカス機
構を具備し、かつパネル面の中央部および周辺部複数点
の定点測定するカメラ保持機構を具備したホール径測定
装置を提供する。

【０００８】また、拡大画像からＲＧＢ三色の同色ホー
ルを各複数点サンプリングして個別のブラックマトリク
スホールの形状寸法を測定する画像処理機構を具備した
ホール径測定装置を提供する。

【０００９】また、画像処理機構がブラックマトリクス
ホールの形状寸法の測定データを保管検索するデータベ
ースを具備したホール径測定装置を提供する。

【００１０】また、拡大機構付ＣＣＤカメラを回転させ
る旋回機構およびパネルを移動させる水平移動機構を有
する画像処理部と、調光フィルタと補正レンズと光源を
有する露光台と、ブラックマトリクスホールの形状寸法
測定値を処理するデータ処理部と、装置全体を制御する
制御部とを具備したホール径測定装置であって、標準ホ
ール径を測定して測定装置の測定系の精度を自動診断す
る自己診断処理機能を具備したホール径測定装置を提供
する。

【００１１】また、標準ホール径を測定装置の測定系に
内蔵したホール径測定装置を提供する。

【００１２】また、データ処理部によって傾向管理され
た情報によりブラックマトリクスホールを形成する露光
台の設定機構を制御するホール径測定装置を提供する。

【００１３】また、露光台を制御する設定機構が調光フ
ィルタのＸ、Ｙ座標を設定する調光フィルタ移動機構お
よび（または）光源の照度を設定する光源出力可変機構
であるホール径測定装置を提供する。

【００１４】さらに、自己診断処理部が異常を検出した
場合、アラームを発し、ホール径測定装置を自動停止さ
せるホール径測定装置を提供する。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。従来例と同一部分には同一
参照符号を付し説明を省略する。図１は、本発明による
実施の形態１のホール径測定装置の構成図である。図１
に示すように、パネル１を位置決めして載置するテーブ
ル３、テーブル３の下方に配置される光源４、テーブル
３と光源４との間に配置される補正レンズ５および調光
フィルタ６とを有する露光装置において、パネル１面の
中央部および周辺部のＢＭホールを測定する３台のオー
トフォーカス機構９を具備したＣＣＤカメラ１０ａ、１
０ｂ、１０ｃが旋回機構１１と水平移動機構１２に固定
されている。そして、それぞれのＣＣＤカメラ１０ａ、
１０ｂ、１０ｃで撮影された拡大画像を処理して個別の
ＢＭホールの寸法形状を測定する画像処理機構１３とで
構成されている。

【００１６】この実施の形態１のＢＭホール径測定装置
の測定方法を以下に説明する。すなわち、図２に示すよ
うに、テーブル３の所定位置に搭載したパネル１の中央
部１ａおよび周辺部の定点１ｂ、１ｆにおけるＢＭホー
ルを、それぞれ３台のＣＣＤカメラ１０ａ、１０ｂ、１
０ｃで撮影し、その後外側のＣＣＤカメラ１０ｂ、１０
ｃを旋回機構１１と水平移動機構１２により図１中に示
す矢印方向に移動させ、残りの周辺部の定点１ｄ、１ｈ
におけるＢＭホールを撮影する。

【００１７】そして、これらの画像を画像処理機構１３
で、図３の写真に示すように、それぞれ画像処理により
輪郭を鮮明にしたのち、同色ホールを同数サンプリング
して等価平均径を求めるように演算処理する。これによ
り処理速度を高度化するとともに正確なＢＭホール径を
測定することができる。また、水平移動機構１２とＣＣ
Ｄカメラ１０ａ〜１０ｃにオートフォーカス機構９を具
備しているため、パネル１のサイズが変わっても所定の
箇所のＢＭホール画像を鮮明に捕らえることができ、多
管種のパネル１の測定に対応できる。

【００１８】さらに、本発明による実施の形態２は、図
４に示すように、画像処理機構１３にデータベース１４
を組み込んだものである。この実施の形態によれば、露
光装置の測定値の推移や、不良パネルの抽出、測定装置
エラーの異常履歴検索、バーコード検索等の工程管理デ
ータが直ちに引き出せるため、装置の管理や製造品質の
管理が容易になる。３台のＣＣＤカメラを有し、同色ホ
ールを同数サンプリングして等価平均径を求める演算処
理を行なう画像処理機構を有するホール径測定装置の例
について説明したが、本発明はこの例に限定されず、例
えば、例えば１台のＣＣＤカメラをパネル面に沿って移
動させる機能を有するものや、さらに多くのＣＣＤカメ
ラを所定位置に取り付けた面上のＣＣＤ群を有するもの
でもよく、また、画像処理のアルゴリズムも上記例に限
定されないのは言うない。

【００１９】さらに、請求項５以降の本発明の実施の形
態について、説明する。図５は、本発明の実施の形態３
によるホール径測定装置の構成図である。このホール径
測定装置の基本構成は、前述した実施の形態１〜２のホ
ール径測定装置をさらに機能向上を図った装置である。
すなわち、図１に示したホール径測定装置に、測定系具
備した標準ホール径パネルを定期的に測定し、測定装置
の測定系精度を自動診断する機能を持たせたことと、実
際に測定した測定値を傾向管理して得られる情報によっ
てＢＭホールを形成する露光台の調光フィルタＸ、Ｙ座
標および（または）光源の照度を自動制御することを可
能にしたことである。

【００２０】図５において、１はパネル、５０は露光台
であって光源４、補正レンズ５、調光フィルタ６を有
し、４０は画像処理部であってＣＣＤカメラ１０ａ〜１
０ｃ、旋回機構１１、水平移動機構１２、本発明の主眼
点である標準ホール径を設けた、例えば標準ホール径パ
ネル１５を有し、６０はデータ処理部で本発明の他の主
眼点である露光台５０へ傾向管理された情報をフィード
バックする機能を有し、２０は光源出力可変機構、３０
は調光フィルタ移動機構、７０は装置全体を制御する制
御部である。

【００２１】前述したように、図２に示したパネル１の
中央部のＢＭホール１ａおよび周辺部の各定点のＢＭホ
ール１ｂ〜１ｉの計９箇所を、３台のＣＣＤカメラ１０
ａ、１０ｂ、１０ｃと旋回機構１１と水平移動機構１２
とを併用して、ＢＭホール１ａ〜１ｉを撮影・測定す
る。この発明による実施の形態３は、標準ホール径パネ
ル１５を測定系の中の、例えばパネル１と並設する位置
に配置して、定期的に標準ホール径を測定して、ホール
径測定装置の測定系精度を自動診断する機能を持たせた
ことを特徴としいてる。

【００２２】すなわち、この標準ホール径パネル１５を
測定した実測値が、標準ホール径の基準値と比較して規
定外になったときは、アラームを発してホール径測定装
置を停止させるようにしている。なお、この実施例で
は、３台のＣＣＤカメラで構成しているが、１台以上で
あれば設置台数は自由に選ぶことができる。

【００２３】一方、パネル１の中央部のＢＭホール１ａ
および周辺部の各定点のＢＭホール１ｂ〜１ｉの計９箇
所を、３台のＣＣＤカメラ１０ａ、１０ｂ、１０ｃと旋
回機構１１と水平移動機構１２とを併用して撮影・測定
したＢＭホール１ａ〜１ｉの測定値は、データ処理部６
０によって、目的別にデータを処理している。例えば、
実際に測定した測定値を傾向管理して利用活用する場合
が多い。

【００２４】そこで、本発明の他の主眼点は、このデー
タ処理部６０によって、実際に測定した測定値を傾向管
理して得られた情報を露光台５０にフイードバックし、
ＢＭホールを形成する露光台５０の調光フィルタ６の
Ｘ、Ｙ座標を設定する調光フィルタ移動機構３０および
（または）光源４の照度を設定する光源出力可変機構２
０を自動制御する機能を持たせたことである。すなわ
ち、ＢＭホール１ａ〜１ｉの測定値を露光台５０にフイ
ードバックすることによって、品質のよいＢＭホールを
形成することが可能となる。

【００２５】

【発明の効果】上述したように、本発明のホール径測定
装置によれば、ＣＣＤカメラにより取り込んだＢＭホー
ルの拡大パターンを画像処理して個別のＢＭホールの寸
法形状を測定するため、平均的なＢＭホールの寸法だけ
でなく個別のホールのバラツキを含めた寸法形状も測定
できるため、正確で詳細な寸法形状が測定できる。ま
た、ＣＣＤカメラがオートフオーカス機構と定点測定が
可能なカメラ保持機構を具備することで、工程のインラ
インでの自動測定が可能となる。さらに、ＲＧＢ３色の
同色ホールを同数サンプリングして平均等価径を求める
画像処理アルゴリズムを採用することにより、画像処理
速度を大幅に向上できる。なお、データベースを画像処
理機構に組み込むことにより、露光装置の測定値推移等
の工程管理が容易に検索把握できるので製造品質の維持
管理が容易にできる。

【００２６】さらに、測定系に具備した標準ホール径を
定期的に測定することによって、測定装置の測定系精度
を自動診断することが可能となり、作業者による定期校
正が不要となる。一方、ＢＭホールの測定値を傾向管理
して得られた情報を露光台にフィードバックすることに
よって、ＢＭホールを形成する露光台の調光フィルタ
Ｘ、Ｙ座標を設定する調光フィルタ移動機構および（ま
たは）光源の照度を設定する光源出力可変機構を自動制
御することが可能となり、作業者による補正、調整作業
が不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による実施形態１のホール径測定装置
の構成図

【図２】 本発明によるパネルのＢＭホールの測定箇所
を示す斜視図

【図３】 ホール径測定装置による画像処理の実施写真

【図４】 本発明による実施形態２のホール径測定装置
の画像処理機構の構成図

【図５】 本発明による実施形態３のホール径測定装置
の構成図

【図６】 従来の一般的なカラー陰極線管用露光装置の
構成図

【図７】 従来のホール径測定装置の構成図

【符号の説明】

１ パネル １ａ〜１ｉ ＢＭホール ３ テーブル ４ 光源 ５ 補正レンズ ６ 調整フィルタ １０ａ，１０ｂ，１０ｃ ＣＣＤカメラ １１ 旋回機構 １２ 水平移動機構 １３ 画像処理機構 １５ 標準ホール径パネル ２０ 光源出力可変機構 ３０ 調光フィルタ移動機構 ４０ 画像処理部 ５０ 露光台 ６０ データ処理部 ７０ 制御部

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カラー陰極線管のフェースパネル内面に形
   成したブラックマトリクスホールの寸法形状を測定する
   ホール径測定装置において、拡大機構付ＣＣＤカメラ
   と、拡大画像から個別のブラックマトリクスホールの形
   状寸法を測定する画像処理機構とを具備したことを特徴
   とするホール径測定装置。
2. 【請求項２】前記ＣＣＤカメラがオートフォーカス機構
   を具備し、かつ前記パネル面の中央部および周辺部複数
   点の定点測定するカメラ保持機構を具備したことを特徴
   とする請求項１記載のホール径測定装置。
3. 【請求項３】前記拡大画像からＲＧＢ三色の同色ホール
   を各複数点サンプリングして個別のブラックマトリクス
   ホールの形状寸法を測定する画像処理機構を具備したこ
   とを特徴とする請求項１記載のホール径測定装置。
4. 【請求項４】前記画像処理機構がブラックマトリクスホ
   ールの形状寸法の測定データを保管検索するデータベー
   スを具備したことを特徴とする請求項１記載のホール径
   測定装置。
5. 【請求項５】拡大機構付ＣＣＤカメラを回転させる旋回
   機構およびパネルを移動させる水平移動機構を有する画
   像処理部と、調光フィルタと補正レンズと光源を有する
   露光台と、ブラックマトリクスホールの形状寸法測定値
   を処理するデータ処理部と、装置全体を制御する制御部
   とを具備したホール径測定装置であって、標準ホール径
   を測定して前記測定装置の測定系の精度を自動診断する
   自己診断処理機能を具備したことを特徴とするホール径
   測定装置。
6. 【請求項６】前記標準ホール径を前記測定装置の測定系
   に内蔵したことを特徴とする請求項５記載のホール径測
   定装置。
7. 【請求項７】前記データ処理部によって傾向管理された
   情報により前記ブラックマトリクスホールを形成する前
   記露光台の設定機構を制御することを特徴とする請求項
   ５記載のホール径測定装置。
8. 【請求項８】前記露光台を制御する設定機構が調光フィ
   ルタのＸ、Ｙ座標を設定する調光フィルタ移動機構およ
   び（または）光源の照度を設定する光源出力可変機構で
   あることを特徴とする請求項７記載のホール径測定装
   置。
9. 【請求項９】前記自己診断処理部が異常を検出した場
   合、アラームを発し、前記ホール径測定装置を自動停止
   させることを特徴とする請求項５記載のホール径測定装
   置。