JPH08264119A - 露光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 露光領域および各色蛍光体ドットの露光毎に
シャッタの開口部と光源との位置関係を所定の最適な関
係に維持する手段を光源部に具備させることにより、３
色蛍光体ドットのティルトを防止することのできる露光
装置を提供する。 【効果】 パネルの中心軸に対して偏芯させて配置した
光源９と、前記光源９から照射される光による露光領域
を規制するシャッタ１８と、シャドウマスクを装着した
パネルを位置決めして載置するテーブルと、前記シャッ
タと前記パネルとの間に補正レンズと調光フィルタを具
備した露光装置において、Ｒ，Ｇ，Ｂの３色蛍光体形成
の露光時、前記シャッタ１８の開口部１６と光源９との
位置を露光領域に対して定めた所定の関係に維持しつ
つ、前記光源９をパネルの中心軸を中心に円運動させる
円板状テーブル１２と伝達機構１９を具備した露光装
置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカラー陰極線管の蛍光面
形成に用いる露光装置に関し、特にインライン配列のド
ット型カラー陰極線管の周辺部での３色蛍光体ドットの
ティルト（斜き）を補正して、電子ビームの位置と整合
の採れた蛍光面形成に好適する露光装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カラー陰極線管は、図６に示す
ように、パネル１内側に装着されたシャドウマスク２に
対向して、パネル１内面にＲ，Ｇ，Ｂ３色蛍光体層から
なる蛍光面３が形成されている。そして、電子銃４から
放出される３本の電子ビーム５を、外部に装着した偏向
ヨーク６の形成する磁界により水平方向および垂直方向
に偏向して蛍光面３を走査することにより発光させカラ
ー画像を表示している。したがって、この蛍光面３に色
純度の良好なカラー画像を表示するためには、シャドウ
マスク２の透孔７を通過した各電子ビーム５が対応する
３色蛍光体層にそれぞれ正しく射突するようにすること
が必要である。

【０００３】ところで、カラー陰極線管の蛍光面の形成
は、各色の蛍光体層毎に単一の露光装置を用いてシャド
ウマスクを介して、順次露光焼き付けして形成されてい
る。そこで、この蛍光面形成に用いられる露光装置に
は、光源から放射される光の軌道を電子ビームの軌道に
近似させて各蛍光体層を露光形成するため、補正レンズ
や画面上の露光領域毎に光源の位置を変化させたりする
ことが行なわれている。例えば、本出願人の先願、特願
平−５−３３１２００号に開示した露光装置は、図７に
示すように、シャドウマスク２を装着して支持台８上に
配設したパネル１と光源９との間に、光源９から放射さ
れる光の軌道を電子ビームの軌道に近似させる補正レン
ズ１０を調光フィルタ１１とともに配置し、光源９は回
転テーブル１２上にパネル１の中心軸から偏芯して配置
され、扇状光透過部により蛍光面の露光領域を規制しつ
つ回転する板ガラス１３とともに、パネル１の中心軸を
中心として駆動モータ１４により同期して回転できるよ
うに構成されている。この露光装置によれば、光が板ガ
ラスを通過する際に光の屈折により、蛍光面に到達する
位置がパネルの外周側にシフトするとともに、光源がパ
ネルの中心軸から偏芯して円運動しているため、パネル
の表示画面中心を中心とした回転方向のの露光パターン
のシフトを補正することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した露
光装置によっても、Ｒ，Ｇ，Ｂの３色蛍光体ドットおよ
び３色電子銃を水平方向に並べて配置したインライン型
のカラー陰極線管においては、センタードットのＧドッ
トの配列は規則的にできるものの、サイドドットのＢド
ットおよびＲドットについては画面周辺部ではグルーピ
ング（間隔が狭くなる現象）やデグルーピング（間隔が
広くなる現象）が起こるため、これを補正レンズの設計
で補正すると、間隔を狭くさせるグルーピング補正では
正ティルト（３色蛍光体ドットの配列が画面の第１象限
コーナ部では右下がり、第２象限コーナ部では左下がり
第３象限コーナでは右下がり、第４象限コーナ部では左
下がりに傾斜する現象）、間隔を広くさるデグルーピン
グ補正では逆ティルト（３色蛍光体ドットの配列が画面
の第１象限コーナ部で右上がり、第２象限コーナ部では
左上がり、第３象限コーナ部では、右上がり、第４象限
コーナ部では左上がりに傾斜する現象）が生ずるという
問題があつた。本発明の目的は、露光領域および各色蛍
光体ドットの露光毎にシャッタの開口部と光源との位置
関係を所定の最適な関係に維持する手段を光源部に具備
させることにより、３色蛍光体ドットのティルトを防止
することのできる露光装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、パネルの中心
軸に対して偏芯させて配置した光源と、前記光源から照
射される光による露光領域を規制するシャッタと、シャ
ドウマスクを装着したパネルを位置決めして載置するテ
ーブルと、前記シャッタと前記パネルとの間に補正レン
ズと調光フィルタを配設した露光装置において、Ｒ，
Ｇ，Ｂの３色蛍光体形成の露光時、前記シャッタの開口
部と光源との位置を露光領域に対して定めた所定の関係
に維持しつつ、前記光源をパネルの中心軸を中心に円運
動させる手段を具備した露光装置を提供する。また、前
記シャッタの開口部と光源との位置を所定の関係に維持
しつつ、前記光源をパネルの中心軸を中心に円運動させ
る手段が、扇状開口部を有し、かつ前記扇状開口部の位
置が回転方向に可変調整可能に構成した円盤状のシャッ
タと、前記光源を中心部より偏芯させて載置した円盤状
の光源テーブルとを、パネルの中心軸を中心に同期して
回転させる機構から構成したり、光源との位置関係を可
変調整可能とした開口部を有するシャッタと、前記光源
を中心部より偏芯させて載置した円盤状の光源テーブル
とを一体化して、パネルの中心軸を中心に回転させる機
構にて構成するのが望ましい。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、シャッタの開口部と光源の
位置関係が、図５に示すように、シャッタ１４の開口部
１５の直下に光源９がある場合は、蛍光面３よりシャド
ウマスク２を介して見た光源９の位置は、図中に点線で
示すようにシフトしないが、シャッタ１４の開口部１５
からずれた位置の下に光源９がある場合は、蛍光面３よ
りシャドウマスク２を介して見た光源９の位置は外方に
シフトしたことになり、蛍光面３でのその光のスポット
は、図中に実線で示すように左右にシフトする。そし
て、そのシフト量は蛍光面の外周になるほど大きくな
る。したがって、例えば、蛍光面の第１象限を露光する
場合、Ｒ，Ｇ，Ｂの各色露光時に、シャッタの開口部と
光源との位置関係を図５に示すように維持すると、蛍光
面のＲ，Ｂの光スポットは図中の矢印の方向に移動し、
３色蛍光体ドットのティルトは補正され、画面全域に亘
り正常な蛍光体ドットの配列した蛍光面が形成される。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の露光装置の実施例について、
図面を参照して説明する。従来例と同一部分には同一参
照符号を付し説明を省略する。本発明の第一の実施例の
露光装置は、光源部以外は従来例と同様に構成されてお
り、光源部は、図１に示すように、中心角９０°の扇形
の開口部１６を有し、回転方向に開口部１６の位置をハ
ンドル１８ａにより移動調整可能にした円盤状シャッタ
１８と、円盤状テーブル１２上に中心軸より所定量偏芯
させて配置した光源９とを、各色蛍光体ドットおよび蛍
光面の露光領域毎に一定の位置関係を維持させながらパ
ネル３の中心軸を中心にして同期して回転させる伝達機
構１９を有する駆動モータ１４から構成されている。そ
して、図２ａ〜ｃに示すように、蛍光面の第１象限およ
び第３象限を露光する場合、Ｇ蛍光体ドットの露光時
は、光源９が円盤状シャッタ１８の開口部１６の中央直
下に位置する（図２ａ）ように、Ｂ蛍光体ドットの露光
時は、光源９が円盤状シャッタ１８の開口部１６の中央
より、図中に矢印で示す回転方向にたいして９０°反回
転方向にずれた位置直下に位置する（図２ｂ）ように、
Ｒ蛍光体ドットの露光時は、光源９が円盤状シャッタ１
８の開口部１６の中央より９０°回転方向にずれた位置
直下に位置する（図２ｃ）ように、それぞれ扇状の開口
部１６を移動調整して第１象限を露光し、光源９を載置
した円盤状テーブル１２と円盤状シャッタ１８をパネル
の中心軸を中心にして同期して１８０°回転させて第３
象限を露光する。

【０００８】また、蛍光面の第２象限および第４象限を
露光する場合は、上述した第１象限および第３象限を露
光する場合とＢ蛍光体ドットとＲ蛍光体ドットの露光時
の位置関係を入れ替えて露光する。この実施例の露光装
置によれば、例えば、蛍光面の第１象限の露光形成は、
Ｒ，Ｇ，Ｂの各色露光時に、シャッタ１８の開口部１６
と光源９との位置関係を上述した関係に維持しながら露
光できるので、図３に示すように、画面ＳのＲ，Ｇ，Ｂ
の光スポット１７ａ，１７ｂ，１７ｃは、図中の矢印の
方向に移動し、３色蛍光体ドットのティルトは補正され
る。同様にして、第２〜４象限の露光形成が３色蛍光体
ドットのティルトを補正するように実施できるため、画
面Ｓ全域に亘り正常な蛍光体ドットの配列した蛍光面が
形成される。

【０００９】本発明の露光装置の第二の実施例は、光源
部を、図４に示すように、光源９との位置関係を回転方
向に可変調整可能とした開口部２０を有するシャッタ２
１と、円盤状テーブル１２の中心部より偏芯させて載置
した光源９とを一体化して、この円盤状テーブル１２の
みをパネルの中心軸を中心に回転させるように構成した
もので、この実施例によっても前記第一の実施例と同様
な効果が得られる。

【００１０】以上、中心角９０°の扇形開口部を有する
円盤状のシャッタとパネルの中心軸より偏芯させて光源
を載置した円盤状の光源テーブルを同期して回転させた
り、一体化して回転させる光源部を具備した露光装置の
例について説明したが、本発明は上記例に限定されず、
シャッタの開口部と光源との位置関係を露光領域および
３色蛍光体ドット毎に補正レンズの設計に対応して定ま
る所定の関係に調整してその関係を維持しながら露光で
きる手段を具備した露光装置であればよい。

【００１１】

【発明の効果】本発明によれば、シャッタの開口部と光
源の位置関係が、シャッタの開口部の位置により規制さ
れる蛍光面の露光領域における光のスポットの移動量が
最適な補正量に維持できるため、補正レンズにより対応
が困難なインライン配列の３色蛍光体ドットのティルト
は補正され、画面全域に亘り正常な蛍光体ドットの配列
した蛍光面を有するカラー陰極線管を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第一実施例である露光装置の光源部
の要部斜視図

【図２】 ａ〜ｃ本発明の第一実施例のシャッタの開口
部と光源との位置関係を説明するための略示平面図

【図３】 本発明の第一実施例の光スポットのシフトを
説明するための画面の平面図

【図４】 本発明の第二実施例である露光装置の光源部
の要部斜視図

【図５】 シャッタの開口部と光源との位置による光ス
ポットのシフト動作を説明するための要部断面図。

【図６】 一般的なカラ−陰極線管の断面図

【図７】 従来の露光装置の一部断面正面図

【符号の説明】 １ パネル ２ シャドウマスク ９ 光源 １２ 円盤状テーブル １４ 駆動モータ １６，２０ 開口部 １７ａ，１７ｂ，１７Ｃ 光スポット １８，２１ シャッタ １９ 伝達機構 Ｓ 画面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パネルの中心軸に対して偏芯させて配置し
   た光源と、前記光源から照射される光の透過領域を規制
   するシャッタと、シャドウマスクを装着したパネルを位
   置決めして載置するテーブルと、前記シャッタと前記パ
   ネルとの間に補正レンズと調光フィルタとを配設した露
   光装置において、赤、緑、青の３色蛍光体形成の露光
   時、前記シャッタの開口部と光源との位置を露光領域に
   対して定めた所定の関係に維持しつつ、前記光源をパネ
   ルの中心軸を中心に円運動させる手段を具備したことを
   特徴とする露光装置。
2. 【請求項２】前記シャッタの開口部と光源との位置を所
   定の関係に維持しつつ、前記光源をパネルの中心軸を中
   心に円運動させる手段が、扇状開口部を有する円盤状の
   シャッタと、前記光源を中心部より偏芯させて載置した
   円盤状の光源テーブルとを、パネルの中心軸を中心に同
   期して回転させる機構にて構成したことを特徴とする請
   求項１記載の露光装置。
3. 【請求項３】前記シャッタの開口部と光源との位置を所
   定の関係に維持しつつ、前記光源をパネルの中心軸を中
   心に円運動させる手段が、光源との位置関係を調整可能
   とした開口部を有するシャッタと、前記光源を中心部よ
   り偏芯させて載置した円盤状の光源テーブルとを一体化
   して、パネルの中心軸を中心に回転させる機構にて構成
   したことを特徴とする請求項１記載の露光装置。