JPH08262924A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

記録装置及び記録方法

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JPH08262924A
JPH08262924A JP7299733A JP29973395A JPH08262924A JP H08262924 A JPH08262924 A JP H08262924A JP 7299733 A JP7299733 A JP 7299733A JP 29973395 A JP29973395 A JP 29973395A JP H08262924 A JPH08262924 A JP H08262924A
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JP
Japan
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recording
recording surface
printing
spot
ink
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JP7299733A
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English (en)
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Hermann Statz
スタッツ ハーマン
Anton Rodi
ローディ アントン
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Heidelberger Druckmaschinen AG
Original Assignee
Heidelberger Druckmaschinen AG
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電子式印刷装置の印刷部材が、異方性の誘
電記録層を有するようにし、この極めて高解像度の静電
潜像を記録可能な誘電層と協働する書き込みヘッドを提
供する。また、印刷部材表面上方に不均一の強電界が形
成されるようにする。 【解決手段】 誘電材料製の外側部分と複数のスポット
とを有する記録部材が備えられ、外側部分とスポットと
が、異なる導電率域を有する外側記録面を形成するよう
に配置されており、さらに外側記録面に可変電荷を生じ
させるため、外側記録面に隣接して書き込みヘッドが備
えられ、可変電荷が、記録される潜像の一部に対応す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は、1994年11月18日付提出
のアメリカ合衆国特許出願第08/342135号の一
部継続出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ないし印刷装
置及び記録ないし印刷方法に関し、より具体的には、電
気泳動記録及び誘電泳動記録の装置と方法に関するもの
である。
【0003】
【従来の技術】記録ないし印刷分野では、記録ないし印
刷媒体を発生させるデジタルシステムが普及してきた。
通常、これらデジタルシステムは、デジタルデータベー
スを利用し、このデータベースから印刷フォームが発生
せしめられ、印刷機に取り付けられる版、又は印刷機の
印刷胴に定着される。どちらの場合も、印刷情報は、2
値信号として記録され、これらの信号が集合して“シグ
ネチャ・イメージ”となる。これらの版又は胴は、つね
に、原画像の、例えばシアン、マゼンタ、黄、黒といっ
た主要カラー成分に従って別個にされている。これらカ
ラー成分は、順次に、又は同時に、平行記録ヘッドによ
り作り出すことができる。従来の装置に用いられていた
記録ヘッドの特徴は、次のいずれかである。すなわち、
1) 多重レーザビームが、高速で版又は胴を横切って
線ごとに走査する、2) 多重レーザダイオードが、ら
旋形に多重線を書き込む間に記録媒体を横切る、3)
発光ダイオード列(LEDs)が、単色ページに相当す
るら旋形パターンを順次に記録する、のいずれかであ
る。
【0004】従来技術の場合、記録媒体は、いずれの場
合も、感光性である。このため、どの従来技術の装置
も、記録媒体の偶然の感光を防止するため、記録・印刷
室を遮光せねばならない。第1の方式では、印刷基板に
転写されるオフセットインキをピックアップする乾式の
方法が利用される。第2の方式では、帯電粒子からなる
特殊な液体静電トナーが用いられる。これら帯電粒子
は、記録ないし印刷部材上に静電付着し、そこからオフ
セットブランケットへ転写される。オフセットブランケ
ットは、また、このトナーを枚葉紙、又は他の記録ない
し印刷媒体へ静電転写させる。第3の方式の特徴は、ゼ
ログラフィーにより感光性印刷部材上にドライトナーを
付着させる点である。トナーは、標準的なゼログラフィ
ー法を用いて、この印刷部材から直接に印刷媒体上に転
写される。
【0005】これらの先行技術のシステムには、いくつ
かの欠点がある。これらが、主として、簡単な内容の短
い記録ないし印刷作業用に設計されているからである。
カラー画像の再現品質は、色度、解像度、濃度域の点で
極めてさまざまである。また、従来の装置は、通例、作
業速度が、極めて限られている。詳言すれば、比較的長
い記録や書き込みが出来ず、種々の印刷速度を選択出来
ない。更に、準備時間は、古典的な印刷システムに比し
て短いが、ページ当たりの経費は、可なり上回る。
【0006】更に、帯電トナー・システムでは、トナー
粒子が一様に帯電出来るように、通常、比較的大きい粒
度、すなわち5マイクロメータ以上のトナー粒子が必要
とされる。帯電が不一様であれば、トナー粒子の制御が
困難になり、ダストの発生が問題になる。
【0007】次に、電極と誘電信号記憶部材の2つの機
能を有する印刷胴を備えた記録ないし印刷装置を見てみ
よう。この場合、印刷胴の、僅かに嫌インキ性の誘電性
記録面が加熱され、この記録面が、紙等の印刷媒体を保
持可能な紙胴と転動接触する。誘電性記録面の下には、
導電層が設けられており、潜像が印刷胴に書き込まれる
か記録される場合、この導電層が電極として機能する。
印刷胴の周囲には、書き込みヘッドないし印刷ヘッドを
有する書き込みステーションと、種々のカラーの熱可塑
性プラスチックインキを供給するインキ着けステーショ
ンと、実際には2個の胴のニップであるインキ転移ステ
ーションとが配置されている。書き込みステーションで
は、入力データに応答して、書き込みヘッドが、印刷胴
の順次回転の間に印刷胴上に、原画像のカラー成分又は
シグネチャに対応する電子潜像を形成する。これら各潜
像は、静電帯電域又は静電帯電スポットのパターンの形
式を有し、これら帯電域又は帯電スポットの電界強度
は、原画像のグレースケール又は色価に応じて変化す
る。印刷胴の回転につれて、このパターンがインキ着け
ステーションへ進み、ここで、印刷胴の順次回転する間
に、加熱インキ着けヘッドにより特定の熱可塑性プラス
チックインキが印刷胴記録面に着けられる。これらイン
キのカラーは、通例、書き込みヘッドにより記録面に記
録される潜像のカラーに対応するが、必ず対応する必要
があるわけではない。通常、減法カラー印刷の場合、こ
れらのカラーには、シアン、マゼンタ、黄、黒が含まれ
る。
【0008】印刷胴記録面の記録された区域がインキ着
けステーションを走過するさい、潜像を有する静電帯電
域又は静電帯電スポットの電界線が、インキ着けヘッド
から少量の溶融インキを受け取る。これら電界線は、イ
ンキ着けヘッド下を通過するさい、インキ着けヘッドが
接地部材かバイアス部材のいずれを有するかに応じて、
瞬間的に変化したり変化しなかったりする。一度に受け
取るインキ量は、帯電域の電界強度に直接に比例する。
したがって、印刷胴記録面は、その嫌インキ性にもかか
わらず、これら帯電域で、帯電域の電界強度に応じて種
々のインキ量を受け取り、記録面上の潜像が現像され
る。インキは、現像された画像がインキ転移ステーショ
ンへ進む間、記録面に静電力によって保持される。
【0009】インキ転移ステーションでは、印刷胴上で
未だ溶融状態のインキと、紙胴上の比較的冷たい紙と
が、2つの胴のニップ間を転動する。その接触線で、イ
ンキの相変換が行われ、インキは液相から固相へ変換さ
れ、それによって、紙にインキが瞬間転移される。その
さいの付着力と印刷胴記録面の嫌インキ性とにより、イ
ンキを保持する静電気力が克服され、その結果、インキ
が紙に接触する個所で、インキの事実上完全な転移が行
われる。これにより、紙胴に保持された紙に印刷された
画像は、印刷胴に形成されていた潜像と正確に合致する
ことになる。
【0010】前述の形式の印刷装置は、例えばアメリカ
合衆国特許第5325120号明細書に開示されてい
る。
【0011】極く最近、マンフレッド・R・キューンル
博士(マサチューセッツ州ビレリカのXMX社)によっ
て、誘電泳動法(dielectrophoresis)にもとづく全く
新しい印刷技術が開発された。この技術によれば、静電
潜像が、前記特許に記載のものに似た書き込みヘッドを
有する印刷胴その他の印刷部材に記録される。しかし、
この技術の場合は、印刷部材が異方性の記録面を有して
おり、このため、印刷ヘッドによって記録面に形成され
た静電帯電域が、記録面上方に電界を有する各ピクセル
位置に不一様な、又は不均一な静電界を発生させる。印
刷部材のこれらの帯電域が、現像媒体、すなわち誘電性
インキ又は誘電性トナーと逆に運動する場合、静電界
が、誘電分極により現像媒体内に電気的な双極子モーメ
ントを誘起させる。この結果、分極された現像媒体は、
最も強い電界区域へ向かう電界勾配によって引っ張られ
ることになる。言い換えると、より強い電界内の現像媒
体の一端の分極電荷は、より強い電界方向ではより強く
引っ張られる一方、現像媒体の他端の反対符号の等量の
分極電荷は、他方の方向ではより弱く反発する。電界が
より弱いからである。このため、現像媒体は、最強電界
の印刷部材域へ移動し、そこに付着する。
【0012】誘電泳動記録は、したがって、帯電インキ
又は帯電トナー粒子を用いる必要のない静電記録であ
る。すなわち、不一様の静電界のため現像媒体に正負の
電荷が局在せしめられることから、現像媒体が分極され
る一方で、現像媒体の正味電荷は、ゼロとなる。この電
荷を有さない現像媒体は、通常の帯電インキ又はトナー
粒子と異なり、潜像電荷の吸引力、又は電荷により誘起
される誘電性印刷胴の分極との相互作業によって、記録
面に付着しているわけではない。したがって、誘電泳動
記録では、帯電インキ又はトナー粒子により現像される
画像の場合より、容易に印刷胴上に奇麗な、ダストのな
い現像画像を得ることができる。
【0013】印刷胴等の印刷部材の誘電性記録面上に不
一様な電界を発生させるには、種々のやり方がある。例
えば、前述のキューンル博士が考えたように、周期的に
変化する電圧、例えば交流電圧又は整流電圧を供給する
ワイヤを用いて記録面に書き込みができる。その場合、
電圧は、印刷装置へのデジタル入力に応じて、振幅を変
化させる。
【0014】あるいはまた、印刷部材に発生させる不一
様な電界は、印刷部材自体の構造によって発生させるこ
ともできる。詳言すれば、印刷部材に誘電層を設け、こ
の誘電層が、その表面から誘電層の下の地板へ延びる導
電路パターンを有する点で異方性となるようにするので
ある。誘電層にこのような接地域又は電界終端個所を設
ける一つの方法は、いわゆる粒界を有する多数の微結晶
が所在するように誘電層を形成することである。粒界の
導電率は、微結晶自体の導電率より著しく高い。微結晶
間のこれらの干渉帯により、誘電層を通って地板へ達す
る低抵抗路の周期的パターンが得られ、これによって、
誘電層が異方性となる。その結果、電荷が、例えば前記
特許に記載のマイクロトンネル形式の書き込みヘッドに
よって、誘電層表面に与えられると、それらの電荷は、
その表面上に配置され、各接地点周囲に最強電界が得ら
れ、接地点間の電界強度は急速に低下せしめられる。
【0015】しかしながら、この種の印刷部材の場合、
誘電層の形態や分子構造に依存することのない異方特性
を有することが、望ましいだろう。
【0016】直接記録以外の分野では、均一量の帯電ト
ナーの転移を容易にするために、誘電層が金属ローラ上
に設けられている。例えば、アメリカ合衆国特許第53
15061号明細書には、帯電トナーを、光導電性ベル
トへ転移させて、このベルト上の潜像を現像するための
ドナー、すなわち現像ローラが開示されている。このド
ナーローラは、金属製で、表面に小さい誘電体が分配さ
れている。ドナーローラの全表面が摩擦帯電すると、誘
電体と金属表面との間に静電界が形成される。これによ
り、小さい電界、いわゆる“微小電界”(microfield)
がドナーローラ表面に生ぜしめられる。これらの微小電
界により、ドナーローラ表面への帯電トナーの吸引が容
易になる。その場合、トナーは、ドクタブレードにより
一様な厚さに調整される。
【0017】アメリカ合衆国特許第5315061号明
細書によるドナーローラは、均一かつ一様の量の帯電ト
ナーを供給し、光導電性ベルト上の潜像を現像すること
ができる。潜像は、ドナーローラに直接に書き込まれ
ず、光導電性ベルトに書き込まれる。
【0018】また、アメリカ合衆国特許第373974
8号明細書には、ゼログラフィードラムに帯電トナーを
転写するドナーローラが開示されている。このドナーロ
ーラは電圧源に接続された針と接触する誘電表面を有し
ている。これらの針は、ドナーローラに潜像を書き込む
ことはできず、単に、露出装置によりドラムに書き込ま
れた潜像のグレースケールを示すのが容易にされるだけ
である。
【0019】これらのドナーローラ及びその関連装置の
場合は、いずれも、印刷部材表面上方に不均一の微小電
界が生ぜしめられない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のような次第で、
本発明が目的とするところは、異方性の誘電記録層を有
する印刷部材を備えた光電子式記録装置ないし印刷装置
を提供することにある。
【0021】本発明の別の目的は、この種の記録ないし
印刷装置を比較的簡単に製造できるようにすることにあ
る。
【0022】本発明の更に別の目的は、この種の記録な
いし印刷装置が、印刷部材表面上方に不均一の強電界を
維持し得るようにすることにある。
【0023】更に、本発明の別の目的は、極めて高い解
像度の電子画像を記録可能な印刷部材を有する記録ない
し印刷装置を得ることにある。
【0024】更にまた、本発明の別の目的は、極めて高
い解像度の電子画像を記録可能な誘電表面と協働する効
果的な種類の書き込みヘッドを得ることにある。
【0025】このほかの目的は、一部は既に明らかであ
ろうし、また一部は以下で明らかにされよう。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、したがって、
構造上の特徴、部材の組み合わせ、部品の配置を含むも
のであり、これらの点を、以下で詳細に説明する。ま
た、本発明の範囲は特許請求の範囲に示されている。
【0027】簡単に言えば、印刷部材は、薄い誘電層を
支持する基板を有している。この誘電層は、例えば約1
015Ohm/cmの極めて高い抵抗率を有し、電荷の早
期消失が防止されている。基板と誘電層との間には導電
層をサンドイッチ状に挟んでおくことができる。種々の
実施例について後述するように、この導電層は、接地さ
せてもよいが、させないままでもよい。誘電層の作業面
もしくは誘電層内には、極く小さな導電域又は導電スポ
ットのパターンを設けておくことができる。もし設けて
おく場合には、導電スポットは、分解能エレメントの寸
法、もしくは印刷部材に記録される静電潜像のピクセル
の寸法に、少なくとも等しいか、又はそれ以下の周期で
周期的にパターン化するのが、有利である。誘電層より
低抵抗率を有する材料製の、有利には金属製の導電スポ
ットは、若干の用途の場合、誘電層の下に配置される導
電性の面に接続できる。また、多くの用途の場合に、誘
電層及び導電スポットの表面を粘着コーティングで被覆
し、それにより、印刷部材の記録面が、僅かに嫌インキ
性となるようにする。スポット断面は、円形にすること
ができるが、長方形又はドーナッツ形を含む種々の形状
も可能である。
【0028】若干の用途の場合には、電荷が、印刷部材
記録面に、アメリカ合衆国特許第5325120号明細
書に開示された書き込みヘッド又はマイクロトンネル・
プリントにより付与される。通常、これらの電荷が、印
刷部材に記録される潜像となる。これらの電荷は、導電
スポット周囲に最強電界を形成する不一様な電界を発生
させる。そして、各スポット周囲の平均電圧は、静電潜
像のその特定個所でのグレーカラー値の単調関数とな
る。
【0029】重要な点は、印刷部材の誘電性記録面上の
導電スポットによって形成される不一様な電界が、記録
面の上方に広がる点である。したがって、この記録面
が、インキ又はトナー等の誘電現像媒体の媒体源と対向
位置に置かれると、電界が誘電分極により媒体内に電気
的な双極子モーメントを誘発し、誘電泳動により、媒体
が、帯電強度に比例する値だけ記録面の帯電域へ吸引さ
れる。これによって、現像媒体は、各導電スポットの周
囲に集積される。この集積量は、その個所での電界強度
につれて単調増加する。この集積により記録面に記録さ
れた静電潜像が現像される。
【0030】類似の不一様な電界は、非接地導電スポッ
トを有する印刷部材にも設けることができる。この種の
印刷部材には、潜像に応じた電圧を供給する多数の電気
接点を有する印刷ヘッド又は書き込みヘッドが用いられ
ている。このヘッドについては後述する。この印刷部材
の場合、スポットの周囲には、比較的強い電界が形成さ
れるが、この電界は、スポットから離れるにつれて急激
に衰える。この電気接触印刷ヘッド又は書き込みヘッド
は、また、後述するように、誘電性記録面に荷電する正
負の電荷を供給することもできる。
【0031】不一様な電界は、また、電気接触書き込み
ヘッドに似た書き込みヘッドを用いて、スポットの有無
を問わず誘電性記録面に直接に形成することもできる
が、その場合には、直流の代わりに交流が用いられる。
この書き込みヘッドの場合、後述するように、非接地導
電層は誘電層の下に配置されている。
【0032】導電スポットが設けられている場合、印刷
部材の誘電層には、スポットと、地板へのバイアス接続
部その他の接続部とを、従来のプリント回路技術を用い
て形成することができる。したがって、印刷部材は、比
較的低費用で量産できる。その結果、この種の印刷部材
は、印刷機械及び誘電泳動式及び電気泳動式のその他の
印刷装置に、広く用いられるであろう。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び性質をより十分
に理解できるように、以下で、添付図面につき、本発明
を詳説する。
【0034】図1に示した本発明による印刷ないし記録
装置は、紙のウエブw等の印刷媒体を支持する回転紙胴
10を有している。紙胴10と平行に、印刷胴12が、
その円筒形の表面でちょうどウエブwに軽く接触するよ
うに配置されている。印刷胴12の周囲には、電子印刷
ヘッド又は書き込みヘッド14と、誘電性の非帯電イン
キを印刷胴12へ供給するインキ着けヘッド16と、胴
のニップにより形成されるインキ転移ステーション18
と、制御装置24により機能のすべてを制御される除電
ヘッド22とが配置されている。
【0035】制御装置24は、再現される画像のグレー
スケール又は色価に相当するデジタルデータとしての入
力信号を受け取る。カラー印刷機の場合、図1は、オリ
ジナル原稿の1つのカラー成分又は記号、例えばシアン
成分を印刷する1つの印刷ユニットを示している。カラ
ー印刷機の場合は、また、例えばアメリカ合衆国特許第
4792860号明細書に示されているように、さらに
3つの印刷ユニットが印刷胴12の下流に配置され、他
のカラー成分、すなわちマゼンタ、黄、黒が印刷され
る。
【0036】あるいはまた、図1の記録装置を、複数カ
ラーのインキ着けを行なう1つのインキ着けステーショ
ンを有するように変更して、例えばアメリカ合衆国特許
第5325120号明細書に記載のように、4色のカラ
ーシグネチャ(signature)すべてを印刷する
こともできる。
【0037】カラーの原物の種々のカラー成分に相当す
るデータは、逐次ストリングのかたちで印刷装置に与え
られる。例えば、データは、シアン、マゼンタ、黄、黒
の順序で受け取られる。有利には、大容量メモリ24を
制御装置24と組み合わせておき、印刷装置の操作に必
要な比較的多量のデータを記憶できるようにしておく。
【0038】ウエブwに印刷するためには、制御装置2
4により書き込みヘッド14を制御することにより、印
刷胴12の回転につれて、書き込みヘッド14が、入力
信号に相応するカラー成分の少なくとも1つに対応する
静電潜像を、記録面12aへ記録する。この印刷ヘッド
は、前記アメリカ合衆国特許第5325120号に記載
されているマイクロトンネル型ヘッドでよい。
【0039】インキ着けヘッド16は、前記アメリカ合
衆国特許第4792860号及び第5325120号に
記載のヘッドの類似のものでよい。このヘッドは、溶融
状態の熱可塑性インキを供給する。このインキは、バイ
ンダ内に分散された4色のうちの1つの色素粒子から成
っている。有利には、記録面12aを僅かに嫌インキ性
とすることにより、印刷ヘッド14によって電荷を付与
された個所以外には、記録面12aにインキが付着しな
いようにしておく。例えば、記録面12aにシアンの潜
像が記録されている場合には、インキ着けヘッド16
は、シアンのインキを供給する。その結果、記録面12
a上の静電潜像がインキ着けヘッド16を通過すると、
潜像の帯電域がインキ着けヘッド16からのシアンのイ
ンキを捕捉し、記録面12a上にシアン潜像が現像され
る。前記特許に記載のように、印刷胴12は、加熱され
る結果、インキは溶融状態で記録面12aに保持され、
帯電域に付着する。
【0040】後で更に詳しく説明するが、記録面12a
の帯電域がピックアップ又は捕捉するインキ量は、帯電
域から発する電界強度の増強につれて単調増加する。記
録面12a上の潜像全体にわたって電界強度をこのよう
に変化させることにより、グレースケールの完全な再現
が容易になる。
【0041】印刷胴12が回転を続けるにつれて、記録
面12a上の潜像の現像済み部分が、2つの胴10,1
2によって成形されたニップにより構成されるインキ転
移ステーション18へ進んでゆく。制御装置24によっ
て、記録面12a上の潜像位置が制御されるので、潜像
が現像されて、ニップを通過するさいには、現像された
潜像がウエブw上の適正な個所に転移される。転移ステ
ーション18では、記録面12aからウエブwへのイン
キの完全な転移が実現される。これは、この転移が、熱
力学的にインキの相変態によって、つまり、インキが、
加熱溶融された液相から、比較的冷たいウエブwとの線
接触により、固相に変化することによって実現されるか
らである。
【0042】今やインキを欠く記録面12a帯電域は、
除電ステーション22を通過する。このステーションに
は、紫外線装置22aが備えられており、記録面12a
を導電性にすることにより、電荷を消去することができ
る。このため、記録面12aは、除電ステーション22
を過ぎると、完全に除電され、印刷胴12のひき続き行
われる回転により再び書き込みヘッド14によって潜像
を付与できる状態となる。この間に、画像となる1つの
原像カラー成分、例えばシアン成分がウエブwに印刷さ
れることになる。
【0043】図1に示した記録装置は、前記特許の記録
装置とは次の点で異なっている。すなわち、印刷胴12
の記録面12を異方性に構成したため、書き込みヘッド
14により付与される電荷が、書き込み作業中に記録面
12a上に不一様に分配されることになり、この結果、
電荷が不一様な電界を発生させ、これらの電界が記録面
12aの上方に広がるようにされている点である。
【0044】このため、印刷胴12が回転して、不一様
な帯電域がインキ着けヘッド16の対向位置へ進められ
ると、誘電泳動により帯電域にインキ着けヘッドからイ
ンキが付着せしめられる。言い換えると、インキ粒子
が、最強電界が所在する不一様な記録面帯電域により分
極化され、それらの帯電域での電界強度につれてインキ
粒子量が単調増加する。
【0045】図1と図2から最もよく分かるように、印
刷胴12は、鋼製又はアルミニウム製の剛性のコア32
を有している。有利には、このコアには、図示のように
スロットを設けることにより、重量が軽減され、かつ空
気が流通しコアが冷却されるようにする。コア32の周
囲は、良好な断熱兼電気絶縁性材料製、例えばセラミッ
ク製のスリーブ34が取り囲んでいる。スリーブ34の
周面には、導電性材料、例えば銅の層36が設けられて
いる。この導電層36は、印刷胴12用の地板の機能を
有している。
【0046】この導電層36の周囲は、例えば1μmの
薄手の誘電材料、例えば、極めて高い抵抗率を有する窒
化珪素又はサファイアの層38により取り囲まれてい
る。誘電層38は異方性であり、この異方性は、導電層
36と電気接続された、誘電層38における導電スポッ
ト42のパターン形成によって得られている。これらの
接地導電スポットは、例えば、誘電層38内に深さ方向
に延びる微細な孔のパターンを設け、その孔に金属又は
ポリシリコン等の導電性材料を充填することで形成され
る。見やすくするため、図には、これらの孔42が、比
較的大きく、かつ広い間隔をおいて示されている。しか
し、実際には、孔径は僅か1μm以下に過ぎず、また間
隔も数μmに過ぎない。図1に見られるように、印刷胴
12のスポット42は、直線的なパターンで縦横列に、
例えば、ピクセル当たり10×10のスポットで配列さ
れている。しかし、言うまでもなく、別のパターンも可
能である。最も好成績を得るには、各ピクセルに対して
スポットパターンが規則的に配列されねばならない。
【0047】また、有利には、印刷胴12には、粘着材
料、例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン)又
はその他の嫌インキ性材料による極めて薄手の外被44
を備えるようにする。この嫌インキ性の外被44によ
り、記録面12aの非帯電域へのインキの付着が防止さ
れ、記録面のインキ汚れが最小化される。
【0048】図1の印刷装置が作業を開始すると、書き
込みの間、書き込みヘッド14を有するマイクロトンネ
ル列は、既述のアメリカ合衆国特許第5325120号
明細書に記載のように、陽イオンの微小ビームを発生す
る。これらのイオンは、マイクロトンネルの開口へ向か
って移動する傾向があり、それら開口のところで、印刷
胴12の電気的に接地された導電層36に吸引される。
吸引された正の電荷は、記録面12aに集積し、その結
果、電荷ドメインが沈着し、そのそれぞれがクーロン電
荷密度を有することになる。この電荷密度は、対応マイ
クロトンネルと関連するゲート電極のバイアスにより制
御される。マイクロトンネル内のプラズマは、トンネル
電流を適宜に増強することで、マイクロトンネル端から
突き出すことができる。このプラズマは、誘電層をプラ
ズマ電位に帯電させるガス状ワイヤと考える事ができ
る。前記アメリカ合衆国特許第5325120号の特許
に記載のように、これらのバイアスレベルはデジタル式
に設定されるので、個々のマイクロトンネルは、制御装
置により別個に起動かつ制御され、それによって記録面
12a上に電荷パターンで形成される静電潜像が造出さ
れる。
【0049】しかしながら、本発明の特徴は、書き込み
ヘッド14により印刷胴12に書き込みが行われる場
合、誘電層38の表面が、書き込みヘッドのマイクロト
ンネルにより不一様に帯電される点にある。詳言すれ
ば、接地スポット42が設けられることにより、印刷胴
の表面電位は、周期的にゼロボルトにされるということ
である。
【0050】かくして、強電界が各スポット42周囲に
形成されるが、これは、印刷胴の表面電位を、書き込み
ヘッドによる荷電過程で誘電層に印加される平均電圧ま
で高めるさいに、大きな隔たりがあってはならないから
である。したがって、図示の装置の場合、印刷胴12に
付与される静電潜像の各ピクセルは、不一様に分布する
電荷ドメインの顕微鏡的パターンから成り、これら電荷
ドメインが、記録面12aから外方へ延びる不一様な電
界、いわゆる微小電界を形成することになる。しかし、
これらの電荷は、ピクセル全体にわたっては平均してい
るので、電荷は、肉眼次元では、当該ピクセルのグレー
スケール又は色価に比例している。
【0051】かくして、印刷胴12の帯電域がインキ着
けヘッド16の対向位置へ回転すると、各スポット位置
の不一様電界が、現像媒体を分極し、誘電泳動によりイ
ンキ粒子を記録面12aへ吸引する。そのさい吸引され
るインキ粒子量は、各スポットの電荷とともに単調増加
する。特に、粘着性コーティング44が設けられている
ため、インキは、記録面12aの非帯電域には付着しな
い。
【0052】前述のマイクロトンネル型書き込みヘッド
とは異なる書き込みヘッドが、誘電層表面に電荷を付与
できるのに対して、マイクロトンネル型書き込みヘッド
の場合には、図2に示されているように、スポットを接
地させておくのが有利である。
【0053】注意すべき点は、図2の接地スポットは、
完全に接地させる必要はなく、誘電層より低抵抗の材料
を介して地板に接続させておくだけでよい。これらスポ
ットは、また、誘電層内に埋め込むこともできる。但
し、当該スポット域が、大地電位に近い電位を有する記
録面に形成されている場合に限る。
【0054】以上に述べた実施例は、イオン又は電荷が
誘電層表面に付与され、接地スポットへ移動するという
ものだが、これとは異なり、有利には、直接ワイヤ状接
点を用いて、直接に非接地スポットに電荷を注入するこ
とも可能である。1実施例の場合、接地層が、誘電材料
の下に設けられているので、帯電スポットと接地層との
間の誘電材料が帯電され、コンデンサに似た機能を発揮
する。このため、書き込みヘッドが離れても、スポット
には、その電荷の多くが保持される。スポットを取り囲
む表面の誘電材料が保持する電荷は、ほぼゼロか、もし
くは極めて少ない。したがって、微小電界が、帯電スポ
ットと非帯電誘電材料との間に形成される。
【0055】図3には、その種の印刷胴52が示してあ
る。印刷胴12と同様、印刷胴52も、コア32と、セ
ラミック製スリーブ34と、導電層又は地板36とを有
している。導電層36上には、誘電層54が設けられ、
この誘電層54には導電域又は導電スポット56のパタ
ーンが設けられている。これらのスポットは、導電層3
6には接続されていない。あるいはまた、これらのスポ
ットは、誘電層54の表面に埋め込むか、又はより有利
ではないが、完全に誘電層内に埋め込むかすることもで
きる。但し、記録面には、標準誘電層54より高い導電
率を有し、かつ書き込みヘッドが離れた後も電荷を保持
する区域が所在する必要がある。印刷胴52には、ま
た、外側に粘着性コーティング60を施こし、このコー
ティング面が、印刷胴52の記録面52aを形成するよ
うにすることもできる。しかし、この実施例の場合に
は、より高い導電率を有するスポット、つまり限定域
が、直接に書き込みヘッドの接点と直接に接触できるよ
うにしておくのが有利である。
【0056】静電潜像は、すり接点を用いて、直接に印
刷胴52の記録面52aに書き込むことができれる。図
4及び図5に示した書き込みヘッド72は、印刷胴全幅
にわたって延びるワイヤ状接点、すなわち電圧供給点7
4の直線状の列を有している。これらの接点74は片持
ち式に保持され、書き込みヘッド72は、これら接点
が、導電スポット56の個所で印刷胴52の記録面52
aと弾性接触するように配置されている。電圧は、接点
74が導電スポット56の対向位置に来た瞬間に、像に
応じて接点74に印加され、スポット56が帯電する。
各接点74は、極めて小さく、例えば、1ピクセル幅内
に数接点設けることができる。これは、各接点74が、
1か所で対応スポットとの接触に要する時間が極めて短
く(数ナノセカンド程度)、その間に、対応スポットの
全電位まで完全に電荷が注入されるからである。各接点
74は、また、1ピクセルと等しい幅にすることもでき
れば、単一接点が、1スポット以上と接触するようにす
ることもできる。
【0057】したがって、導電スポット56が、一方の
コンデンサ板として、また、地板36は、他方のコンデ
ンサ板として機能する。スポットと地板との間の誘電材
料は、このため、書き込みヘッドによって電荷を付与さ
れる。書き込みヘッドが離れても、スポット下の誘電材
料は電荷を保持するので、電界線は、帯電スポットと、
実質的に非帯電の周囲誘電材料とから横方向に出現す
る。このため、スポット周囲にインキを吸引する微小電
界が造出される。これらスポットの存在によって、印刷
胴の効率が著しく高められる。理由は、誘電材料のみの
面にワイヤ状接点が造出する電界より強い電界が形成さ
れるからである。一般的に、細い接点では、金属化され
ていない誘電材料には事実上電荷を付与できないと推測
される。各スポットの周囲電位は、誘電層54が薄手に
なればなるだけ、地電位に近くなる(高‐横電界を造出
するには望ましい)。
【0058】印刷胴52は、以上のように、多少の差は
あれ、印刷胴12と同じように操作され、電荷ドメイン
のパターンを受け取り、このパターンは、顕微鏡的には
周期的に変化するが、肉眼では像に応じて変化する。こ
の電荷ドメインは、不一様な、像に依存する電界を造出
し、これらの電界が、印刷胴記録面52aから上方へ延
び、現像媒体を分極させ、記録面へ吸引することができ
る。
【0059】片持ち式の接点74を有する書き込みヘッ
ド72は、標準的なプリント回路技術を用いて製造でき
る。図5に示した書き込みヘッドは、印刷胴52の全幅
にわたって延びる絶縁材料製、例えばセラミック又はガ
ラス製のサブストレート76を有している。サブストレ
ート上には、選択的に腐食可能な、2酸化珪素その他製
の絶縁層78が析出されている。この絶縁層上には金属
製の導電層82が析出されている。析出金属はパターン
化され(すなわち、フォトレジスト塗工後に腐食)、5
0μmごとに、又は適当な幅間隔比で、接点74が設け
られる。例えば、間隔は、金属幅の半分にするか、又は
所望通りにする。接点74の一端には、パッド74aが
備えられ、記録電圧源、すなわちワイヤ状荷電部材に接
点74を接続している。これらの経路は、図示のように
互いにずらされて配置されることにより、ワイヤの結合
に十分な余地が得られるか、又は除去可能の接点組立体
(図示せず)用の接触区域を設けることができる。
【0060】接点74の作業端部を片持ち式にするため
に、サブストレート76の下の絶縁層78を、作業端部
近くで腐食除去し、図4に略示したように、作業端部が
サブストレートから離れ、浮遊状態となるようにされ
る。所望とあれば、導電層82を、バイメタル層として
構成し、サブストレートから離された場合、バイメタル
ばね式にサブストレートから離れる方向へ曲がるように
して、接点74が、記録面52aと良好な弾性滑り接触
するようにすることができる。
【0061】この形式で書き込みヘッドを形成すること
によって、書き込みヘッドの接点74間に正確な間隔が
得られる。所望とあれば、種々、念入りな仕上げが可能
である。例えば、接点74の作業端部は、厚くして耐摩
耗性を改善することができる。また、作業端部にスリッ
トを設けることで、ブラシ状に構成して、弾性率を高
め、印刷胴の導電スポットとの接触性を改善することも
できる。
【0062】各電圧供給点74は、更に、図4の(a)
に示したように、極小の複数電気フィンガとして構成す
ることもできる。図4の(a)の場合、スポット56
は、誘電層54に埋め込まれている。単一の電圧供給点
74の電気フィンガは、すべて類似の電圧となるように
されているが、記録面全幅を直線的に横切る線と平行方
向には極めて高い抵抗率を有している。書き込みヘッド
の制御装置は、既述のように、各電圧供給点の電圧を個
別に設定できる。不正確な製造のために、接点74が、
図4aに示したように、スポットにだけではなく、誘導
層部分にも接触することが、しばしばある。しかし、電
荷の付与を容易にする導電スポットが欠けているため、
誘導層表面への荷電は最小値にとどまる。したがって、
接点74がスポットから離れれば、帯電したままのスポ
ット56と、ほとんど帯電していない誘導層との間に微
小電界が造出される。
【0063】また、図4aに示したスポットは、誘電材
料より低抵抗率の抵抗体または抵抗コネクタを介して地
板と接触している。電圧供給点がスポットから離れて
も、スポットは、一定時間電荷を保持できる。抵抗体が
備えられていなければ、電荷消失速度はより速くなる。
スポットと地板との間の最適抵抗率は、印刷胴の速度、
使用電圧限界値、目標インキ厚等を含むいくつかの因子
に依存する。抵抗率も、スポットの構成、深さ、寸法の
変化に応じて変更可能である。
【0064】接触するワイヤが金属製の場合には、スポ
ットは、硬質金属化合物、TiN,ZrN,酸化ジルコ
ニウムのいずれかで造るのが有利である。
【0065】図4の(b)には微小電界MFが示されて
いる。微小電界MFは、スポット56が接点74を離れ
ると、スポット56と事実上非帯電の誘電層54との間
の記録面52aのところに発生する。既述のように、微
小電界MFは、インキステーションからインキを吸引す
る。
【0066】図6には、印刷胴の別の実施例が示されて
いる。全体を符号92で示されたこの印刷胴は、導電層
38上に、いくぶん異なる異方性誘電層94を有してい
る。誘電層94も、導電スポット96のパターンを有し
ている。しかし、スポットは1つおきに導電路98を介
して地板36に接続されている。導電路98は、導電材
料を充填した微小孔、めっきバイア、極細ワイヤのいず
れかにより形成できる。所望とあれば、導電路98は、
半導体材料、例えばポリシリコンで造ることができ、し
たがって、比較的高抵抗である。このため、書き込みヘ
ッド72が印刷胴92上に書き込みを行なうと、記録面
92aの上方には、中程度に高い横電界が造出される。
実際には、ポリシリコン接続体は、単独で導電スポット
96として用いることができ、他のより高導電性の金属
で被覆する必要はない。これは、静電目的のためには、
スポット96に必要とされるコンダクタンスは極めて低
い値だからである。同じことは、印刷胴12のスポット
42(図2)についても当てはまる。
【0067】図示の別の実施例の場合、スポットパター
ンの非接地隣接スポットを逆荷電することによって、印
刷胴における地板を不要にすることができる。例えば、
図3の印刷胴の場合、図5及び図6に記載の接点形式の
書き込みヘッド72を用いて、奇数番号のスポット56
には正の電位を、偶数番号のスポット56には負の電位
を付与できる。この結果、2組のスポットの間のスペー
スを横切る電界線が得られ、スポットの間でインキが吸
引される。
【0068】地板なしのその種の記録面に荷電する種々
の方法は、図7及び図8に略示した書き込みヘッドを参
照することで、より良く理解できよう。図7の書き込み
ヘッド172は、誘電記録面の運動方向と平行に配置さ
れた、2個ずつの複数組の電圧供給点S1,S2,S3
等を有している。この記録面は、誘電材料のみで形成で
きるが、有利には、既述のように、より導電率の高いス
ポット又は区域を設けておくことができる。この実施例
の場合、書き込みヘッドは、誘電記録面に記録される潜
像に対応する電子データに基づいて、各組S1,S2,
S3等に別個に異なる電圧を設定できる。したがって、
潜像の連続的な線が、記録面が通過するにつれて、記録
面の全幅にわたって書き込みヘッドによって書き込まれ
ることになる。
【0069】この電圧差は、有利には、ゼロと最大30
〜200ボルトとの間で選択され、それによって、電圧
差に応じてインキの吸引量を変化させることができる。
【0070】図8に略示したように、書き込みヘッド1
72の複数組みの電圧供給点を、記録面の移動方向に対
して垂直方向に配置することもできる。これらの組は、
図4及び図5の書き込みヘッドについて説明したのと同
様な形式で構成することができる。
【0071】図7及び図8に略示した2つの実施例の場
合、各組の電圧供給点を2つ以上に増やすこともでき
る。例えば、1組が電圧V1,V2,V1を有する3つ
の供給点を有するようにすることもできる。その場合、
図8の実施例では、例えば、次の組の電圧はV1,V
3,V1と設定して、互いに次の供給点に等しい電圧が
所在するようにする。そうすることにより、2つの隣接
組の間に微小電界の形成を望まないときには、その形成
を防止することができる。
【0072】この実施例の記録面は、誘電材料のみで形
成されているが、既述のように、導電スポットを設けて
おくこともできる。図9に示したように、スポット15
6は、1ピクセルの現寸、例えば50マイクロメータの
長さLを有する長方形に構成できる。
【0073】図7及び図8の実施例の場合、注意すべき
点は、正負の接点が同じスポットに同時に触れないよう
に措置することである。もし触れるようなことがあれ
ば、限流給電源又は高抵抗接点を備えていても、2つの
接点が相殺され、ほとんど、もしくは全く印刷胴に電荷
が付与されなくなる可能性が極めて大きい。
【0074】以上に述べたすべての実施例の場合、変電
圧は、直流電源から得られる。しかし、電圧振幅の可変
な交流電源も使用できる。
【0075】交流電源の場合は、また、図10に示した
ように、図3の下敷き層の接地は不要となる。層136
は、非接地導電層である。印刷胴の回転により、導電層
136は、交流変電圧の平均電圧に等しいほぼ一定の電
圧を受け取る。記録面52aでの接点の変電圧は、その
場合、誘電層の荷電に用いられる。導電層136の電圧
は、ほぼ一定のままだからである。
【0076】また、接地下敷き層を有するどの実施例の
場合も、接地下敷き層の代わりに、一定電圧を有する層
を設けることができる。
【0077】既述の実施例のうち、異方性の帯電記録面
を備えた印刷部材は、誘電性現像媒体、又は1以上の誘
電率を有する別の誘電材料と相互作用が可能である。し
たがって、以上では、本発明を、熱可塑性インキを放出
するインキ着けステーションを組み込んだ印刷装置に使
用するものとして説明してきたが、既述の印刷部材に
は、固体の非帯電誘導性インキや非帯電トナーを使用す
ることも可能である。したがって、本明細書に用いられ
ているインキという用語は、1以上の誘電率を有するど
のような誘電性現像媒体をも含む広い意味のものであ
り、液体インキに限定されるものではない。
【0078】また、既述の実施例には、非帯電ではない
帯電トナー又はインクも使用できる。但し、その場合に
は、インキの目標吸引力及び厚さは、吸引力を増す必要
のあることを考慮に入れて、変更せねば成らない。
【0079】更にまた、注意すべき点は、スポットもし
くはより導電率の高い域を荷電する場合には、図4に示
したワイヤ状接点の代わりに、別の形式の接点を用いる
こともできる。また、書き込みヘッドも、プラズマ荷電
部材を有するようにして、既述のマイクロトンネルプラ
ズマ装置と似た個別のプラズマ放射点を介して、電荷を
付与することもできる。書き込みヘッドには、また、ガ
ス荷電装置を備えるようにして、ガス放出点を介してス
ポットに荷電することも可能である。例えば、図4の実
施例のワイヤ状接点を、実際に記録面に接触することな
く、ガスを介して電荷を付与するようにすることができ
る。
【0080】以上の説明から、本発明の既述の目的は、
効果的に達せられたことが分かるであろう。また、既述
の実施例の構成は、本発明の範囲を逸脱することなく、
一定の変更が可能である。
【0081】更にまた、添付の請求の範囲が、以上に説
明した本発明の全体的な、かつまた特定の特徴を包含す
るものであることも理解されねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷胴を有する印刷装置の等角図であ
る。
【図2】図1のII‐II線に沿った部分拡大断面図で
ある。
【図3】印刷胴の第2実施例の図である。
【図4】(a)は、図3の印刷胴を有する図1の印刷装
置の書き込みヘッドの底面図で、(b)は接点と導電ス
ポットとを、(c)は導電スポットと微小電界とを示し
た図である。
【図5】図4のV‐V線に沿った拡大断面図である。
【図6】印刷胴の別の実施例を示した図3同様の図であ
る。
【図7】誘電層表面の運動方向と平行に電圧差を生じさ
せる複数組の電圧供給点を有する書き込みヘッドの略示
図である。
【図8】誘電層表面の運動方向と直角に電圧差を生じさ
せる複数組の電圧供給点を有する書き込みヘッドの略示
図である。
【図9】長方形のスポットを有する誘電層表面を示した
図である。
【図10】交流を用いる書き込みヘッドを備えた印刷部
材の別の実施例の図である。
【符号の説明】
10 紙胴、 12 印刷胴、 12a 記録面、 1
4 書き込みヘッド、16 インキ着けステーション、
18 ニップ、 22 除電ステーション、 24
制御装置、 32 コア、 34 スリーブ、 36
導電層、 38 誘電層、 42 導電スポット、 4
4 粘着性コーティング、 52 印刷胴、 52a
記録面、 54 誘電層、 60 粘着性コーティン
グ、 72 書き込みヘッド、 74 電圧供給点、
76 サブストレート、 78絶縁層、 82 導電
層、 92 印刷胴、 92a 記録面、 94 誘電
層、 96 導電スポット、 98 導電経路、 17
2 書き込みヘッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 記録装置及び記録方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は、1994年11月18日付提出
のアメリカ合衆国特許出願第08/342135号の一
部継続出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ないし印刷装
置及び記録ないし印刷方法に関し、より具体的には、電
気泳動記録及び誘電泳動記録の装置と方法に関するもの
である。
【0003】
【従来の技術】記録ないし印刷分野では、記録ないし印
刷媒体を発生させるデジタルシステムが普及してきた。
通常、これらデジタルシステムは、デジタルデータベー
スを利用し、このデータベースから印刷フォームが発生
せしめられ、印刷機に取り付けられる版、又は印刷機の
印刷胴に定着される。どちらの場合も、印刷情報は、2
値信号として記録され、これらの信号が集合して“シグ
ネチャ・イメージ”となる。これらの版又は胴は、つね
に、原画像の、例えばシアン、マゼンタ、黄、黒といっ
た主要カラー成分に従って別個にされている。これらカ
ラー成分は、順次に、又は同時に、平行記録ヘッドによ
り作り出すことができる。従来の装置に用いられていた
記録ヘッドの特徴は、次のいずれかである。すなわち、
1) 多重レーザビームが、高速で版又は胴を横切って
線ごとに走査する、2) 多重レーザダイオードが、ら
旋形に多重線を書き込む間に記録媒体を横切る、3)
発光ダイオード列(LEDs)が、単色ページに相当す
るら旋形パターンを順次に記録する、のいずれかであ
る。
【0004】従来技術の場合、記録媒体は、いずれの場
合も、感光性である。このため、どの従来技術の装置
も、記録媒体の偶然の感光を防止するため、記録・印刷
室を遮光せねばならない。第1の方式では、印刷基板に
転写されるオフセットインキをピックアップする乾式の
方法が利用される。第2の方式では、帯電粒子からなる
特殊な液体静電トナーが用いられる。これら帯電粒子
は、記録ないし印刷部材上に静電付着し、そこからオフ
セットブランケットへ転写される。オフセットブランケ
ットは、また、このトナーを枚葉紙、又は他の記録ない
し印刷媒体へ静電転写させる。第3の方式の特徴は、ゼ
ログラフィーにより感光性印刷部材上にドライトナーを
付着させる点である。トナーは、標準的なゼログラフィ
ー法を用いて、この印刷部材から直接に印刷媒体上に転
写される。
【0005】これらの先行技術のシステムには、いくつ
かの欠点がある。これらが、主として、簡単な内容の短
い記録ないし印刷作業用に設計されているからである。
カラー画像の再現品質は、色度、解像度、濃度域の点で
極めてさまざまである。また、従来の装置は、通例、作
業速度が、極めて限られている。詳言すれば、比較的長
い記録や書き込みが出来ず、種々の印刷速度を選択出来
ない。更に、準備時間は、古典的な印刷システムに比し
て短いが、ページ当たりの経費は、可なり上回る。
【0006】更に、帯電トナー・システムでは、トナー
粒子が一様に帯電出来るように、通常、比較的大きい粒
度、すなわち5マイクロメータ以上のトナー粒子が必要
とされる。帯電が不一様であれば、トナー粒子の制御が
困難になり、ダストの発生が問題になる。
【0007】次に、電極と誘電信号記憶部材の2つの機
能を有する印刷胴を備えた記録ないし印刷装置を見てみ
よう。この場合、印刷胴の、僅かに嫌インキ性の誘電性
記録面が加熱され、この記録面が、紙等の印刷媒体を保
持可能な紙胴と転動接触する。誘電性記録面の下には、
導電層が設けられており、潜像が印刷胴に書き込まれる
か記録される場合、この導電層が電極として機能する。
印刷胴の周囲には、書き込みヘッドないし印刷ヘッドを
有する書き込みステーションと、種々のカラーの熱可塑
性プラスチックインキを供給するインキ着けステーショ
ンと、実際には2個の胴のニップであるインキ転移ステ
ーションとが配置されている。書き込みステーションで
は、入力データに応答して、書き込みヘッドが、印刷胴
の順次回転の間に印刷胴上に、原画像のカラー成分又は
シグネチャに対応する電子潜像を形成する。これら各潜
像は、静電帯電域又は静電帯電スポットのパターンの形
式を有し、これら帯電域又は帯電スポットの電界強度
は、原画像のグレースケール又は色価に応じて変化す
る。印刷胴の回転につれて、このパターンがインキ着け
ステーションへ進み、ここで、印刷胴の順次回転する間
に、加熱インキ着けヘッドにより特定の熱可塑性プラス
チックインキが印刷胴記録面に着けられる。これらイン
キのカラーは、通例、書き込みヘッドにより記録面に記
録される潜像のカラーに対応するが、必ず対応する必要
があるわけではない。通常、減法カラー印刷の場合、こ
れらのカラーには、シアン、マゼンタ、黄、黒が含まれ
る。
【0008】印刷胴記録面の記録された区域がインキ着
けステーションを走過するさい、潜像を有する静電帯電
域又は静電帯電スポットの電界線が、インキ着けヘッド
から少量の溶融インキを受け取る。これら電界線は、イ
ンキ着けヘッド下を通過するさい、インキ着けヘッドが
接地部材かバイアス部材のいずれを有するかに応じて、
瞬間的に変化したり変化しなかったりする。一度に受け
取るインキ量は、帯電域の電界強度に直接に比例する。
したがって、印刷胴記録面は、その嫌インキ性にもかか
わらず、これら帯電域で、帯電域の電界強度に応じて種
々のインキ量を受け取り、記録面上の潜像が現像され
る。インキは、現像された画像がインキ転移ステーショ
ンへ進む間、記録面に静電力によって保持される。
【0009】インキ転移ステーションでは、印刷胴上で
未だ溶融状態のインキと、紙胴上の比較的冷たい紙と
が、2つの胴のニップ間を転動する。その接触線で、イ
ンキの相変換が行われ、インキは液相から固相へ変換さ
れ、それによって、紙にインキが瞬間転移される。その
さいの反粘着力(abherence)と印刷胴記録面
の嫌インキ性とにより、インキを保持する静電気力が克
服され、その結果、インキが紙に接触する個所で、イン
キの事実上完全な転移が行われる。これにより、紙胴に
保持された紙に印刷された画像は、印刷胴に形成されて
いた潜像と正確に合致することになる。
【0010】前述の形式の印刷装置は、例えばアメリカ
合衆国特許第5325120号明細書に開示されてい
る。
【0011】極く最近、マンフレッド・R・キューンル
博士(マサチューセッッ州ビレリカのXMX社)によっ
て、誘電泳動法(dielectrophoresi
s)にもとづく全く新しい印刷技術が開発された。この
技術によれば、静電潜像が、前記特許に記載のものに似
た書き込みヘッドを有する印刷胴その他の印刷部材に記
録される。しかし、この技術の場合は、印刷部材が異方
性の記録面を有しており、このため、印刷ヘッドによっ
て記録面に形成された静電帯電域が、記録面上方に電界
を有する各ピクセル位置に不一様な、又は不均一な静電
界を発生させる。印刷部材のこれらの帯電域が、現像媒
体、すなわち誘電性インキ又は誘電性トナーと逆に運動
する場合、静電界が、誘電分極により現像媒体内に電気
的な双極子モーメントを誘起させる。この結果、分極さ
れた現像媒体は、最も強い電界区域へ向かう電界勾配に
よって引っ張られることになる。言い換えると、より強
い電界内の現像媒体の一端の分極電荷は、より強い電界
方向ではより強く引っ張られる一方、現像媒体の他端の
反対符号の等量の分極電荷は、他方の方向ではより弱く
反発する。電界がより弱いからである。このため、現像
媒体は、最強電界の印刷部材域へ移動し、そこに付着す
る。
【0012】誘電泳動記録は、したがって、帯電インキ
又は帯電トナー粒子を用いる必要のない静電記録であ
る。すなわち、不一様の静電界のため現像媒体に正負の
電荷が局在せしめられることから、現像媒体が分極され
る一方で、現像媒体の正味電荷は、ゼロとなる。この電
荷を有さない現像媒体は、通常の帯電インキ又はトナー
粒子と異なり、潜像電荷の吸引力、又は電荷により誘起
される誘電性印刷胴の分極との相互作業によって、記録
面に付着しているわけではない。したがって、誘電泳動
記録では、帯電インキ又はトナー粒子により現像される
画像の場合より、容易に印刷胴上に奇麗な、ダストのな
い現像画像を得ることができる。
【0013】印刷胴等の印刷部材の誘電性記録面上に不
一様な電界を発生させるには、種々のやり方がある。例
えば、前述のキューンル博士が考えたように、周期的に
変化する電圧、例えば交流電圧又は整流電圧を供給する
ワイヤを用いて記録面に書き込みができる。その場合、
電圧は、印刷装置へのデジタル入力に応じて、振幅を変
化させる。
【0014】あるいはまた、印刷部材に発生させる不一
様な電界は、印刷部材自体の構造によって発生させるこ
ともできる。詳言すれば、印刷部材に誘電層を設け、こ
の誘電層が、その表面から誘電層の下の地板へ延びる導
電路パターンを有する点で異方性となるようにするので
ある。誘電層にこのような接地域又は電界終端個所を設
ける一つの方法は、いわゆる粒界を有する多数の微結晶
が所在するように誘電層を形成することである。粒界の
導電率は、微結晶自体の導電率より著しく高い。微結晶
間のこれらの干渉帯により、誘電層を通って地板へ達す
る低抵抗路の周期的パターンが得られ、これによって、
誘電層が異方性となる。その結果、電荷が、例えば前記
特許に記載のマイクロトンネル形式の書き込みヘッドに
よって、誘電層表面に与えられると、それらの電荷は、
その表面上に配置され、各接地点周囲に最強電界が得ら
れ、接地点間の電界強度は急速に低下せしめられる。
【0015】しかしながら、この種の印刷部材の場合、
誘電層の形態や分子構造に依存することのない異方特性
を有することが、望ましいだろう。
【0016】直接記録以外の分野では、均一量の帯電ト
ナーの転移を容易にするために、誘電層が金属ローラ上
に設けられている。例えば、アメリカ合衆国特許第53
15061号明細書には、帯電トナーを、光導電性ベル
トへ転移させて、このベルト上の潜像を現像するための
ドナー、すなわち現像ローラが開示されている。このド
ナーローラは、金属製で、表面に小さい誘電体が分配さ
れている。ドナーローラの全表面が摩擦帯電すると、誘
電体と金属表面との間に静電界が形成される。これによ
り、小さい電界、いわゆる“微小電界”(microf
ield)がドナーローラ表面に生ぜしめられる。これ
らの微小電界により、ドナーローラ表面への帯電トナー
の吸引が容易になる。その場合、トナーは、ドクタブレ
ードにより一様な厚さに調整される。
【0017】アメリカ合衆国特許第5315061号明
細書によるドナーローラは、均一かつ一様の量の帯電ト
ナーを供給し、光導電性ベルト上の潜像を現像すること
ができる。潜像は、ドナーローラに直接に書き込まれ
ず、光導電性ベルトに書き込まれる。
【0018】また、アメリカ合衆国特許第373974
8号明細書には、ゼログラフィードラムに帯電トナーを
転写するドナーローラが開示されている。このドナーロ
ーラは電圧源に接続された針と接触する誘電表面を有し
ている。これらの針は、ドナーローラに潜像を書き込む
ことはできず、単に、露出装置によりドラムに書き込ま
れた潜像のグレースケールを示すのが容易にされるだけ
である。
【0019】これらのドナーローラ及びその関連装置の
場合は、いずれも、印刷部材表面上方に不均一の微小電
界が生ぜしめられない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のような次第で、
本発明が目的とするところは、異方性の誘電記録層を有
する印刷部材を備えた光電子式記録装置ないし印刷装置
を提供することにある。
【0021】本発明の別の目的は、この種の記録ないし
印刷装置を比較的簡単に製造できるようにすることにあ
る。
【0022】本発明の更に別の目的は、この種の記録な
いし印刷装置が、印刷部材表面上方に不均一の強電界を
維持し得るようにすることにある。
【0023】更に、本発明の別の目的は、極めて高い解
像度の電子画像を記録可能な印刷部材を有する記録ない
し印刷装置を得ることにある。
【0024】更にまた、本発明の別の目的は、極めて高
い解像度の電子画像を記録可能な誘電表面と協働する効
果的な種類の書き込みヘッドを得ることにある。
【0025】このほかの目的は、一部は既に明らかであ
ろうし、また一部は以下で明らかにされよう。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、したがって、
構造上の特徴、部材の組み合わせ、部品の配置を含むも
のであり、これらの点を、以下で詳細に説明する。ま
た、本発明の範囲は特許請求の範囲に示されている。
【0027】簡単に言えば、印刷部材は、薄い誘電層を
支持する基板を有している。この誘電層は、例えば約1
0150hm/cmの極めて高い抵抗率を有し、電荷の
早期消失が防止されている。基板と誘電層との間には導
電層をサンドイッチ状に挟んでおくことができる。種々
の実施例について後述するように、この導電層は、接地
させてもよいが、させないままでもよい。誘電層の作業
面もしくは誘電層内には、極く小さな導電域又は導電ス
ポットのパターンを設けておくことができる。もし設け
ておく場合には、導電スポットは、分解能エレメントの
寸法、もしくは印刷部材に記録される静電潜像のピクセ
ルの寸法に、少なくとも等しいか、又はそれ以下の周期
で周期的にパターン化するのが、有利である。誘電層よ
り低抵抗率を有する材料製の、有利には金属製の導電ス
ポットは、若干の用途の場合、誘電層の下に配置される
導電性の面に接続できる。また、多くの用途の場合に、
誘電層及び導電スポットの表面を反粘着(abhesi
ve)コーティングで被覆し、それにより、印刷部材の
記録面が、僅かに嫌インキ性となるようにする。スポッ
ト断面は、円形にすることができるが、長方形又はドー
ナッツ形を含む種々の形状も可能である。
【0028】若干の用途の場合には、電荷が、印刷部材
記録面に、アメリカ合衆国特許第5325120号明細
書に開示された書き込みヘッド又はマイクロトンネル・
プリントにより付与される。通常、これらの電荷が、印
刷部材に記録される潜像となる。これらの電荷は、導電
スポット周囲に最強電界を形成する不一様な電界を発生
させる。そして、各スポット周囲の平均電圧は、静電潜
像のその特定個所でのグレーカラー値の単調関数とな
る。
【0029】重要な点は、印刷部材の誘電性記録面上の
導電スポットによって形成される不一様な電界が、記録
面の上方に広がる点である。したがって、この記録面
が、インキ又はトナー等の誘電現像媒体の媒体源と対向
位置に置かれると、電界が誘電分極により媒体内に電気
的な双極子モーメントを誘発し、誘電泳動により、媒体
が、帯電強度に比例する値だけ記録面の帯電域へ吸引さ
れる。これによって、現像媒体は、各導電スポットの周
囲に集積される。この集積量は、その個所での電界強度
につれて単調増加する。この集積により記録面に記録さ
れた静電潜像が現像される。
【0030】類似の不一様な電界は、非接地導電スポッ
トを有する印刷部材にも設けることができる。この種の
印刷部材には、潜像に応じた電圧を供給する多数の電気
接点を有する印刷ヘッド又は書き込みヘッドが用いられ
ている。このヘッドについては後述する。この印刷部材
の場合、スポットの周囲には、比較的強い電界が形成さ
れるが、この電界は、スポットから離れるにつれて急激
に衰える。この電気接触印刷ヘッド又は書き込みヘッド
は、また、後述するように、誘電性記録面に荷電する正
負の電荷を供給することもできる。
【0031】不一様な電界は、また、電気接触書き込み
ヘッドに似た書き込みヘッドを用いて、スポットの有無
を問わず誘電性記録面に直接に形成することもできる
が、その場合には、直流の代わりに交流が用いられる。
この書き込みヘッドの場合、後述するように、非接地導
電層は誘電層の下に配置されている。
【0032】導電スポットが設けられている場合、印刷
部材の誘電層には、スポットと、地板へのバイアス接続
部その他の接続部とを、従来のプリント回路技術を用い
て形成することができる。したがって、印刷部材は、比
較的低費用で量産できる。その結果、この種の印刷部材
は、印刷機械及び誘電泳動式及び電気泳動式のその他の
印刷装置に、広く用いられるであろう。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び性質をより十分
に理解できるように、以下で、添付図面につき、本発明
を詳説する。
【0034】図1に示した本発明による印刷ないし記録
装置は、紙のウエブw等の印刷媒体を支持する回転紙胴
10を有している。紙胴10と平行に、印刷胴12が、
その円筒形の表面でちようどウエブwに軽く接触するよ
うに配置されている。印刷胴12の周囲には、電子印刷
ヘッド又は書き込みヘッド14と、誘電性の非帯電イン
キを印刷胴12へ供給するインキ着けヘッド16と、胴
のニップにより形成されるインキ転移ステーション18
と、制御装置24により機能のすべてを制御される除電
ヘッド22とが配置されている。
【0035】制御装置24は、再現される画像のグレー
スケール又は色価に相当するデジタルデータとしての入
力信号を受け取る。カラー印刷機の場合、図1は、オリ
ジナル原稿の1つのカラー成分又は記号、例えばシアン
成分を印刷する1つの印刷ユニットを示している。カラ
ー印刷機の場合は、また、例えばアメリカ合衆国特許第
4792860号明細書に示されているように、さらに
3つの印刷ユニットが印刷胴12の下流に配置され、他
のカラー成分、すなわちマゼンタ、黄、黒が印刷され
る。
【0036】あるいはまた、図1の記録装置を、複数カ
ラーのインキ着けを行なう1つのインキ着けステーショ
ンを有するように変更して、例えばアメリカ合衆国特許
第5325120号明細書に記載のように、4色のカラ
ーシグネチャ(signature)すべてを印刷する
こともできる。
【0037】カラーの原物の種々のカラー成分に相当す
るデータは、逐次ストリングのかたちで印刷装置に与え
られる。例えば、データは、シアン、マゼンタ、黄、黒
の順序で受け取られる。有利には、大容量メモリ24を
制御装置24と組み合わせておき、印刷装置の操作に必
要な比較的多量のデータを記憶できるようにしておく。
【0038】ウエブwに印刷するためには、制御装置2
4により書き込みヘッド14を制御することにより、印
刷胴12の回転につれて、書き込みヘッド14が、入力
信号に相応するカラー成分の少なくとも1つに対応する
静電潜像を、記録面12aへ記録する。この印刷ヘッド
は、前記アメリカ合衆国特許第5325120号に記載
されているマイクロトンネル型ヘッドでよい。
【0039】インキ着けヘッド16は、前記アメリカ合
衆国特許第4792860号及び第5325120号に
記載のヘッドの類似のものでよい。このヘッドは、溶融
状態の熱可塑性インキを供給する。このインキは、バイ
ンダ内に分散された4色のうちの1つの色素粒子から成
っている。有利には、記録面12aを僅かに嫌インキ性
とすることにより、印刷ヘッド14によって電荷を付与
された個所以外には、記録面12aにインキが付着しな
いようにしておく。例えば、記録面12aにシアンの潜
像が記録されている場合には、インキ着けヘッド16
は、シアンのインキを供給する。その結果、記録面12
a上の静電潜像がインキ着けヘッド16を通過すると、
潜像の帯電域がインキ着けヘッド16からのシアンのイ
ンキを捕捉し、記録面12a上にシアン潜像が現像され
る。前記特許に記載のように、印刷胴12は、加熱され
る結果、インキは溶融状態で記録面12aに保持され、
帯電域に付着する。
【0040】後で更に詳しく説明するが、記録面12a
の帯電域がピックアップ又は捕捉するインキ量は、帯電
域から発する電界強度の増強につれて単調増加する。記
録面12a上の潜像全体にわたって電界強度をこのよう
に変化させることにより、グレースケールの完全な再現
が容易になる。
【0041】印刷胴12が回転を続けるにつれて、記録
面12a上の潜像の現像済み部分が、2つの胴10,1
2によって成形されたニップにより構成されるインキ転
移ステーション18へ進んでゆく。制御装置24によっ
て、記録面12a上の潜像位置が制御されるので、潜像
が現像されて、ニップを通過するさいには、現像された
潜像がウエブw上の適正な個所に転移される。転移ステ
ーション18では、記録面12aからウエブwへのイン
キの完全な転移が実現される。これは、この転移が、熱
力学的にインキの相変態によって、つまり、インキが、
加熱溶融された液相から、比較的冷たいウエブwとの線
接触により、固相に変化することによって実現されるか
らである。
【0042】今やインキを欠く記録面12a帯電域は、
除電ステーション22を通過する。このステーションに
は、紫外線装置22aが備えられており、記録面12a
を導電性にすることにより、電荷を消去することができ
る。このため、記録面12aは、除電ステーション22
を過ぎると、完全に除電され、印刷胴12のひき続き行
われる回転により再び書き込みヘッド14によって潜像
を付与できる状態となる。この間に、画像となる1つの
原像カラー成分、例えばシアン成分がウエブwに印刷さ
れることになる。
【0043】図1に示した記録装置は、前記特許の記録
装置とは次の点で異なっている。すなわち、印刷胴12
の記録面12を異方性に構成したため、書き込みヘッド
14により付与される電荷が、書き込み作業中に記録面
12a上に不一様に分配されることになり、この結果、
電荷が不一様な電界を発生させ、これらの電界が記録面
12aの上方に広がるようにされている点である。
【0044】このため、印刷胴12が回転して、不一様
な帯電域がインキ着けヘッド16の対向位置へ進められ
ると、誘電泳動により帯電域にインキ着けヘッドからイ
ンキが付着せしめられる。言い換えると、インキ粒子
が、最強電界が所在する不一様な記録面帯電域により分
極化され、それらの帯電域での電界強度につれてインキ
粒子量が単調増加する。
【0045】図1と図2から最もよく分かるように、印
刷胴12は、鋼製又はアルミニウム製の剛性のコア32
を有している。有利には、このコアには、図示のように
スロットを設けることにより、重量が軽減され、かつ空
気が流通しコアが冷却されるようにする。コア32の周
囲は、良好な断熱兼電気絶縁性材料製、例えばセラミッ
ク製のスリーブ34が取り囲んでいる。スリーブ34の
周面には、導電性材料、例えば銅の層36が設けられて
いる。この導電層36は、印刷胴12用の地板の機能を
有している。
【0046】この導電層36の周囲は、例えば1μmの
薄手の誘電材料、例えば、極めて高い抵抗率を有する窒
化珪素又はサファイアの層38により取り囲まれてい
る。誘電層38は異方性であり、この異方性は、導電層
36と電気接続された、誘電層38における導電スポッ
ト42のパターン形成によって得られている。これらの
接地導電スポットは、例えば、誘電層38内に深さ方向
に延びる微細な孔のパターンを設け、その孔に金属又は
ポリシリコン等の導電性材料を充填することで形成され
る。見やすくするため、図には、これらの孔42が、比
較的大きく、かつ広い間隔をおいて示されている。しか
し、実際には、孔径は僅か1μm以下に過ぎず、また間
隔も数μmに過ぎない。図1に見られるように、印刷胴
12のスポット42は、直線的なパターンで縦横列に、
例えば、ピクセル当たり10×10のスポットで配列さ
れている。しかし、言うまでもなく、別のパターンも可
能である。最も好成績を得るには、各ピクセルに対して
スポットパターンが規則的に配列されねばならない。
【0047】また、有利には、印刷胴12には、反粘着
材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン)
又はその他の嫌インキ性材料による極めて薄手の外被4
4を備えるようにする。この反粘着性の外被により、記
録面12aの非帯電域へのインキの付着が防止され、記
録面のインキ汚れが最小化される。
【0048】図1の印刷装置が作業を開始すると、書き
込みの間、書き込みヘッド14を有するマイクロトンネ
ル列は、既述のアメリカ合衆国特許第5325120号
明細書に記載のように、陽イオンの微小ビームを発生す
る。これらのイオンは、マイクロトンネルの開口へ向か
って移動する傾向があり、それら開口のところで、印刷
胴12の電気的に接地された導電層36に吸引される。
吸引された正の電荷は、記録面12aに集積し、その結
果、電荷ドメインが沈着し、そのそれぞれがクーロン電
荷密度を有することになる。この電荷密度は、対応マイ
クロトンネルと関連するゲート電極のバイアスにより制
御される。マイクロトンネル内のプラズマは、トンネル
電流を適宜に増強することで、マイクロトンネル端から
突き出すことができる。このプラズマは、誘電層をプラ
ズマ電位に帯電させるガス状ワイヤと考える事ができ
る。前記アメリカ合衆国特許第5325120号の特許
に記載のように、これらのバイアスレベルはデジタル式
に設定されるので、個々のマイクロトンネルは、制御装
置により別個に起動かつ制御され、それによって記録面
12a上に電荷パターンで形成される静電潜像が造出さ
れる。
【0049】しかしながら、本発明の特徴は、書き込み
ヘッド14により印刷胴12に書き込みが行われる場
合、誘電層38の表面が、書き込みヘッドのマイクロト
ンネルにより不一様に帯電される点にある。詳言すれ
ば、接地スポット42が設けられることにより、印刷胴
の表面電位は、周期的にゼロボルトにされるということ
である。
【0050】かくして、強電界が各スポット42周囲に
形成されるが、これは、印刷胴の表面電位を、書き込み
ヘッドによる荷電過程で誘電層に印加される平均電圧ま
で高めるさいに、大きな隔たりがあってはならないから
である。したがって、図示の装置の場合、印刷胴12に
付与される静電潜像の各ピクセルは、不一様に分布する
電荷ドメインの顕微鏡的パターンから成り、これら電荷
ドメインが、記録面12aから外方へ延びる不一様な電
界、いわゆる微小電界を形成することになる。しかし、
これらの電荷は、ピクセル全体にわたっては平均してい
るので、電荷は、肉眼次元では、当該ピクセルのグレー
スケール又は色価に比例している。
【0051】かくして、印刷胴12の帯電域がインキ着
けヘッド16の対向位置へ回転すると、各スポット位置
の不一様電界が、現像媒体を分極し、誘電泳動によりイ
ンキ粒子を記録面12aへ吸引する。そのさい吸引され
るインキ粒子量は、各スポットの電荷とともに単調増加
する。特に、反粘着性コーティング44が設けられてい
るため、インキは、記録面12aの非帯電域には付着し
ない。
【0052】前述のマイクロトンネル型書き込みヘッド
とは異なる書き込みヘッドが、誘電層表面に電荷を付与
できるのに対して、マイクロトンネル型書き込みヘッド
の場合には、図2に示されているように、スポットを接
地させておくのが有利である。
【0053】注意すべき点は、図2の接地スポットは、
完全に接地させる必要はなく、誘電層より低抵抗の材料
を介して地板に接続させておくだけでよい。これらスポ
ットは、また、誘電層内に埋め込むこともできる。但
し、当該スポット域が、大地電位に近い電位を有する記
録面に形成されている場合に限る。
【0054】以上に述べた実施例は、イオン又は電荷が
誘電層表面に付与され、接地スポットへ移動するという
ものだが、これとは異なり、有利には、直接ワイヤ状接
点を用いて、直接に非接地スポットに電荷を注入するこ
とも可能である。1実施例の場合、接地層が、誘電材料
の下に設けられているので、帯電スポットと接地層との
間の誘電材料が帯電され、コンデンサに似た機能を発揮
する。このため、書き込みヘッドが離れても、スポット
には、その電荷の多くが保持される。スポットを取り囲
む表面の誘電材料が保持する電荷は、ほぼゼロか、もし
くは極めて少ない。したがって、微小電界が、帯電スポ
ットと非帯電誘電材料との間に形成される。
【0055】図3には、その種の印刷胴52が示してあ
る。印刷胴12と同様、印刷胴52も、コア32と、セ
ラミック製スリーブ34と、導電層又は地板36とを有
している。導電層36上には、誘電層54が設けられ、
この誘電層54には導電域又は導電スポット56のパタ
ーンが設けられている。これらのスポットは、導電層3
6には接続されていない。あるいはまた、これらのスポ
ットは、誘電層54の表面に埋め込むか、又はより有利
ではないが、完全に誘電層内に埋め込むかすることもで
きる。但し、記録面には、標準誘電層54より高い導電
率を有し、かつ書き込みヘッドが離れた後も電荷を保持
する区域が所在する必要がある。印刷胴52には、ま
た、外側に反粘着性コーティング60を施こし、このコ
ーティング面が、印刷胴52の記録面52aを形成する
ようにすることもできる。しかし、この実施例の場合に
は、より高い導電率を有するスポット、つまり限定域
が、直接に書き込みヘッドの接点と直接に接触できるよ
うにしておくのが有利である。
【0056】静電潜像は、すり接点を用いて、直接に印
刷胴52の記録面52aに書き込むことができれる。図
4及び図5に示した書き込みヘッド72は、印刷胴全幅
にわたって延びるワイヤ状接点、すなわち電圧供給点7
4の直線状の列を有している。これらの接点74は片持
ち式に保持され、書き込みヘッド72は、これら接点
が、導電スポット56の個所で印刷胴52の記録面52
aと弾性接触するように配置されている。電圧は、接点
74が導電スポット56の対向位置に来た瞬間に、像に
応じて接点74に印加され、スポット56が帯電する。
各接点74は、極めて小さく、例えば、1ピクセル幅内
に数接点設けることができる。これは、各接点74が、
1か所で対応スポットとの接触に要する時間が極めて短
く(数ナノセカンド程度)、その間に、対応スポットの
全電位まで完全に電荷が注入されるからである。各接点
74は、また、1ピクセルと等しい幅にすることもでき
れば、単一接点が、1スポット以上と接触するようにす
ることもできる。
【0057】したがって、導電スポット56が、一方の
コンデンサ板として、また、地板36は、他方のコンデ
ンサ板として機能する。スポットと地板との間の誘電材
料は、このため、書き込みヘッドによって電荷を付与さ
れる。書き込みヘッドが離れても、スポット下の誘電材
料は電荷を保持するので、電界線は、帯電スポットと、
実質的に非帯電の周囲誘電材料とから横方向に出現す
る。このため、スポット周囲にインキを吸引する微小電
界が造出される。これらスポットの存在によって、印刷
胴の効率が著しく高められる。理由は、誘電材料のみの
面にワイヤ状接点が造出する電界より強い電界が形成さ
れるからである。一般的に、細い接点では、金属化され
ていない誘電材料には事実上電荷を付与できないと推測
される。各スポットの周囲電位は、誘電層54が薄手に
なればなるだけ、地電位に近くなる(高‐横電界を造出
するには望ましい)。
【0058】印刷胴52は、以上のように、多少の差は
あれ、印刷胴12と同じように操作され、電荷ドメイン
のパターンを受け取り、このパターンは、顕微鏡的には
周期的に変化するが、肉眼では像に応じて変化する。こ
の電荷ドメインは、不一様な、像に依存する電界を造出
し、これらの電界が、印刷胴記録面52aから上方へ延
び、現像媒体を分極させ、記録面へ吸引することができ
る。
【0059】片持ち式の接点74を有する書き込みヘッ
ド72は、標準的なプリント回路技術を用いて製造でき
る。図5に示した書き込みヘッドは、印刷胴52の全幅
にわたって延びる絶縁材料製、例えばセラミック又はガ
ラス製のサブストレート76を有している。サブストレ
ート上には、選択的に腐食可能な、2酸化珪素その他製
の絶縁層78が析出されている。この絶縁層上には金属
製の導電層82が析出されている。析出金属はパターン
化され(すなわち、フォトレジスト塗工後に腐食)、5
0μmごとに、又は適当な幅間隔比で、接点74が設け
られる。例えば、間隔は、金属幅の半分にするか、又は
所望通りにする。接点74の一端には、パッド74aが
備えられ、記録電圧源、すなわちワイヤ状荷電部材に接
点74を接続している。これらの経路は、図示のように
互いにずらされて配置されることにより、ワイヤの結合
に十分な余地が得られるか、又は除去可能の接点組立体
(図示せず)用の接触区域を設けることができる。
【0060】接点74の作業端部を片持ち式にするため
に、サブストレート76の下の絶縁層78を、作業端部
近くで腐食除去し、図4に略示したように、作業端部が
サブストレートから離れ、浮遊状態となるようにされ
る。所望とあれば、導電層82を、バイメタル層として
構成し、サブストレートから離された場合、バイメタル
ばね式にサブストレートから離れる方向へ曲がるように
して、接点74が、記録面52aと良好な弾性滑り接触
するようにすることができる。
【0061】この形式で書き込みヘッドを形成すること
によって、書き込みヘッドの接点74間に正確な間隔が
得られる。所望とあれば、種々、念入りな仕上げが可能
である。例えば、接点74の作業端部は、厚くして耐摩
耗性を改善することができる。また、作業端部にスリッ
トを設けることで、ブラシ状に構成して、弾性率を高
め、印刷胴の導電スポットとの接触性を改善することも
できる。
【0062】各電圧供給点74は、更に、図4の(a)
に示したように、極小の複数電気フィンガとして構成す
ることもできる。図4の(a)の場合、スポット56
は、誘電層54に埋め込まれている。単一の電圧供給点
74の電気フィンガは、すべて類似の電圧となるように
されているが、記録面全幅を直線的に横切る線と平行方
向には極めて高い抵抗率を有している。書き込みヘッド
の制御装置は、既述のように、各電圧供給点の電圧を個
別に設定できる。不正確な製造のために、接点74が、
図4aに示したように、スポットにだけではなく、誘導
層部分にも接触することが、しばしばある。しかし、電
荷の付与を容易にする導電スポットが欠けているため、
誘導層表面への荷電は最小値にとどまる。したがって、
接点74がスポットから離れれば、帯電したままのスポ
ット56と、ほとんど帯電していない誘導層との間に微
小電界が造出される。
【0063】また、図4aに示したスポットは、誘電材
料より低抵抗率の抵抗体または抵抗コネクタを介して地
板と接触している。電圧供給点がスポットから離れて
も、スポットは、一定時間電荷を保持できる。抵抗体が
備えられていなければ、電荷消失速度はより速くなる。
スポットと地板との間の最適抵抗率は、印刷胴の速度、
使用電圧限界値、目標インキ厚等を含むいくつかの因子
に依存する。抵抗率も、スポットの構成、深さ、寸法の
変化に応じて変更可能である。
【0064】接触するワイヤが金属製の場合には、スポ
ットは、硬質金属化合物、TiN,ZrN,酸化ジルコ
ニウムのいずれかで造るのが有利である。
【0065】図4の(b)には微小電界MFが示されて
いる。微小電界MFは、スポット56が接点74を離れ
ると、スポット56と事実上非帯電の誘電層54との間
の記録面52aのところに発生する。既述のように、微
小電界MFは、インキステーションからインキを吸引す
る。
【0066】図6には、印刷胴の別の実施例が示されて
いる。全体を符号92で示されたこの印刷胴は、導電層
38上に、いくぶん異なる異方性誘電層94を有してい
る。誘電層94も、導電スポット96のパターンを有し
ている。しかし、スポットは1つおきに導電路98を介
して地板36に接続されている。導電路98は、導電材
料を充填した微小孔、めっきバイア、極細ワイヤのいず
れかにより形成できる。所望とあれば、導電路98は、
半導体材料、例えばポリシリコンで造ることができ、し
たがって、比較的高抵抗である。このため、書き込みヘ
ッド72が印刷胴92上に書き込みを行なうと、記録面
92aの上方には、中程度に高い横電界が造出される。
実際には、ポリシリコン接続体は、単独で導電スポット
96として用いることができ、他のより高導電性の金属
で被覆する必要はない。これは、静電目的のためには、
スポット96に必要とされるコンダクタンスは極めて低
い値だからである。同じことは、印刷胴12のスポット
42(図2)についても当てはまる。
【0067】図示の別の実施例の場合、スポットパター
ンの非接地隣接スポットを逆荷電することによって、印
刷胴における地板を不要にすることができる。例えば、
図3の印刷胴の場合、図5及び図6に記載の接点形式の
書き込みヘッド72を用いて、奇数番号のスポット56
には正の電位を、偶数番号のスポット56には負の電位
を付与できる。この結果、2組のスポットの間のスペー
スを横切る電界線が得られ、スポットの間でインキが吸
引される。
【0068】地板なしのその種の記録面に荷電する種々
の方法は、図7及び図8に略示した書き込みヘッドを参
照することで、より良く理解できよう。図7の書き込み
ヘッド172は、誘電記録面の運動方向と平行に配置さ
れた、2個ずつの複数組の電圧供給点S1,S2,S3
等を有している。この記録面は、誘電材料のみで形成で
きるが、有利には、既述のように、より導電率の高いス
ポット又は区域を設けておくことができる。この実施例
の場合、書き込みヘッドは、誘電記録面に記録される潜
像に対応する電子データに基づいて、各組S1,S2,
S3等に別個に異なる電圧を設定できる。したがって、
潜像の連続的な線が、記録面が通過するにつれて、記録
面の全幅にわたって書き込みヘッドによって書き込まれ
ることになる。
【0069】この電圧差は、有利には、ゼロと最大30
〜200ボルトとの間で選択され、それによって、電圧
差に応じてインキの吸引量を変化させることができる。
【0070】図8に略示したように、書き込みヘッド1
72の複数組みの電圧供給点を、記録面の移動方向に対
して垂直方向に配置することもできる。これらの組は、
図4及び図5の書き込みヘッドについて説明したのと同
様な形式で構成することができる。
【0071】図7及び図8に略示した2つの実施例の場
合、各組の電圧供給点を2つ以上に増やすこともでき
る。例えば、1組が電圧V1,V2,V1を有する3つ
の供給点を有するようにすることもできる。その場合、
図8の実施例では、例えば、次の組の電圧はV1,V
3,V1と設定して、互いに次の供給点に等しい電圧が
所在するようにする。そうすることにより、2つの隣接
組の間に微小電界の形成を望まないときには、その形成
を防止することができる。
【0072】この実施例の記録面は、誘電材料のみで形
成されているが、既述のように、導電スポットを設けて
おくこともできる。図9に示したように、スポット15
6は、1ピクセルの現寸、例えば50マイクロメータの
長さLを有する長方形に構成できる。
【0073】図7及び図8の実施例の場合、注意すべき
点は、正負の接点が同じスポットに同時に触れないよう
に措置することである。もし触れるようなことがあれ
ば、限流給電源又は高抵抗接点を備えていても、2つの
接点が相殺され、ほとんど、もしくは全く印刷胴に電荷
が付与されなくなる可能性が極めて大きい。
【0074】以上に述べたすべての実施例の場合、変電
圧は、直流電源から得られる。しかし、電圧振幅の可変
な交流電源も使用できる。
【0075】交流電源の場合は、また、図10に示した
ように、図3の下敷き層の接地は不要となる。層136
は、非接地導電層である。印刷胴の回転により、導電層
136は、交流変電圧の平均電圧に等しいほぼ一定の電
圧を受け取る。記録面52aでの接点の変電圧は、その
場合、誘電層の荷電に用いられる。導電層136の電圧
は、ほぼ一定のままだからである。
【0076】また、接地下敷き層を有するどの実施例の
場合も、接地下敷き層の代わりに、一定電圧を有する層
を設けることができる。
【0077】既述の実施例のうち、異方性の帯電記録面
を備えた印刷部材は、誘電性現像媒体、又は1以上の誘
電率を有する別の誘電材料と相互作用が可能である。し
たがって、以上では、本発明を、熱可塑性インキを放出
するインキ着けステーションを組み込んだ印刷装置に使
用するものとして説明してきたが、既述の印刷部材に
は、固体の非帯電誘導性インキや非帯電トナーを使用す
ることも可能である。したがって、本明細書に用いられ
ているインキという用語は、1以上の誘電率を有するど
のような誘電性現像媒体をも含む広い意味のものであ
り、液体インキに限定されるものではない。
【0078】また、既述の実施例には、非帯電ではない
帯電トナー又はインクも使用できる。但し、その場合に
は、インキの目標吸引力及び厚さは、吸引力を増す必要
のあることを考慮に入れて、変更せねば成らない。
【0079】更にまた、注意すべき点は、スポットもし
くはより導電率の高い域を荷電する場合には、図4に示
したワイヤ状接点の代わりに、別の形式の接点を用いる
こともできる。また、書き込みヘッドも、プラズマ荷電
部材を有するようにして、既述のマイクロトンネルプラ
ズマ装置と似た個別のプラズマ放射点を介して、電荷を
付与することもできる。書き込みヘッドには、また、ガ
ス荷電装置を備えるようにして、ガス放出点を介してス
ポットに荷電することも可能である。例えば、図4の実
施例のワイヤ状接点を、実際に記録面に接触することな
く、ガスを介して電荷を付与するようにすることができ
る。
【0080】以上の説明から、本発明の既述の目的は、
効果的に達せられたことが分かるであろう。また、既述
の実施例の構成は、本発明の範囲を逸脱することなく、
一定の変更が可能である。
【0081】更にまた、添付の請求の範囲が、以上に説
明した本発明の全体的な、かつまた特定の特徴を包含す
るものであることも理解されねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷胴を有する印刷装置の等角図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿った部分拡大断面図で
ある。
【図3】印刷胴の第2実施例の図である。
【図4】(a)は、図3の印刷胴を有する図1の印刷装
置の書き込みヘッドの底面図で、(b)は接点と導電ス
ポットとを、(c)は導電スポットと微小電界とを示し
た図である。
【図5】図4のV‐V線に沿った拡大断面図である。
【図6】印刷胴の別の実施例を示した図3同様の図であ
る。
【図7】誘電層表面の運動方向と平行に電圧差を生じさ
せる複数組の電圧供給点を有する書き込みヘッドの略示
図である。
【図8】誘電層表面の運動方向と直角に電圧差を生じさ
せる複数組の電圧供給点を有する書き込みヘッドの略示
図である。
【図9】長方形のスポットを有する誘電層表面を示した
図である。
【図10】交流を用いる書き込みヘッドを備えた印刷部
材の別の実施例の図である。
【符号の説明】 10 紙胴、 12 印刷胴、 12a 記録面、 1
4 書き込みヘッド、16 インキ着けステーション、
18 ニップ、 22 除電ステーション、 24
制御装置、 32 コア、 34 スリーブ、 36
導電層、 38 誘電層、 42 導電スポット、 4
4 粘着性コーテイング、 52 印刷胴、 52a
記録面、 54 誘電層、 60 粘着性コーティン
グ、 72 書き込みヘッド、 74 電圧供給点、
76 サブストレート、 78絶縁層、 82 導電
層、 92 印刷胴、 92a 記録面、 94 誘電
層、96 導電スポット、 98 導電経路、 172
書き込みヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Kurfuersten−Anlage 52−60,Heidelberg,Fede ral Republic of Ger many (72)発明者 アントン ローディ ドイツ連邦共和国 ライメン カールスル ーアー シュトラーセ 12

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録装置において、誘電材料製の外側部
    分と複数のスポットとを有する記録部材が備えられ、外
    側部分とスポットとが、異なる導電率域を有する外側記
    録面を形成するように配置されており、さらに外側記録
    面に可変電荷を生じさせるため、外側記録面に隣接して
    書き込みヘッドが備えられ、可変電荷が、記録される潜
    像の一部に対応することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 スポットが、外側部分に設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 スポットが、外側部分に埋め込まれてい
    ることを特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 記録部材が、更に、外側部分の下敷き層
    を有しており、スポットが、この下敷き層と連絡せしめ
    られていることにより、外側部分よりも高導電率である
    ことを特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 更に、各スポットと下敷き層との間に
    は、コネクタが備えられ、これらコネクタが誘電材料よ
    り低抵抗であることを特徴とする、請求項4記載の記録
    装置。
  6. 【請求項6】 書き込みヘッドが、複数の電圧供給点を
    有し、各供給点の電圧を別個に設定できることを特徴と
    する、請求項1記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 各電圧供給点が、複数の電気フィンガを
    有することを特徴とする、請求項6記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 書き込みヘッドが、可変電圧を記録面に
    印加し、この電圧が、30〜200ボルトの上限値を有
    するこの特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 スポットが金属製であることを特徴とす
    る、請求項1記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 書き込みヘッドが、ワイヤ状荷電部材
    を有し、このワイヤ状荷電部材が、ワイヤ状接点を介し
    て記録面に電荷を注入することを特徴とする、請求項1
    記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 書き込みヘッドが、ガス荷電部材を有
    し、このガス荷電部材が、ガス媒体を介して記録面に電
    荷を付与することを特徴とする、請求項1記載の記録装
    置。
  12. 【請求項12】 書き込みヘッドが、プラズマ荷電部材
    を有し、このプラズマ荷電部材が、プラズマ媒体を介し
    て記録面に電荷を付与することを特徴とする、請求項1
    記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 書き込みヘッドが、少なくとも2個の
    電圧供給点からなる複数の組を有し、これら各組の電圧
    供給点が、異なる電圧を供給することにより、2つの隣
    接スポット間の誘電材料が荷電され、また、書き込みヘ
    ッドが、各組の電圧供給点間に、他の組の電圧差とは別
    個に電圧差を設定できることを特徴とする、請求項1記
    載の記録装置。
  14. 【請求項14】 記録面が、一つの運動方向を有し、各
    組の電圧供給点が、前記運動方向と平行に配置されてい
    ることを特徴とする、請求項13記載の記録装置。
  15. 【請求項15】 記録面が、一つの運動方向を有し、各
    組の電圧供給点が、前記運動方向と直角に配置されてい
    ることを特徴とする、請求項13記載の記録装置。
  16. 【請求項16】 記録面に隣接してインキ着けステーシ
    ョンが備えられ、記録面にインキ供給するようにされて
    いることを特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  17. 【請求項17】 記録面に薄手の嫌インキ性の層が設け
    られていることを特徴とする、請求項1記載の記録装
    置。
  18. 【請求項18】 書き込みヘッドが直流電圧源を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  19. 【請求項19】 書き込みヘッドが交流電圧源を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の記録装置。
  20. 【請求項20】 記録装置において、記録部材が、比較
    的導電性の複数限定域を有する誘電記録面と、この記録
    面に隣接する書き込みヘッドとを有しており、この書き
    込みヘッドが、記録面に記録される潜像の一部に対応す
    る電荷を供給し、更に、この書き込みヘッドが、記録面
    の全幅にわたって配置された複数の電圧供給点を有し、
    これにより前記複数限定域の周囲に微小電界が生ぜしめ
    られることを特徴とする記録装置。
  21. 【請求項21】 記録部材が、記録面の下に下敷き層を
    有し、前記複数限定域が、下敷き層と相互作用すること
    により比較的導電性となることを特徴とする、請求項2
    0記載の記録装置。
  22. 【請求項22】 電圧供給点が、少なくとも2個の電圧
    供給点からなる複数の組として配置され、電圧供給点の
    各組が、隣接する複数限定域に異なる電圧を供給するこ
    とを特徴とする、請求項20記載の記録装置。
  23. 【請求項23】 導電率の異なる複数域を備えた外側記
    録面を有する記録部材に潜像を記録する方法において、
    この方法が、記録される潜像に対応する電子データを生
    じさせる処置と、記録面の上方と、導電率の異なる複数
    域間とに延びる微小電界を、電子データに基づいて外側
    記録面に電荷を供給することによって形成する処置とか
    ら成ることを特徴とする記録方法。
  24. 【請求項24】 記録面に対し無帯電インキを供給する
    処置を含むことを特徴とする、請求項23記載の記録方
    法。
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