JPH08262835A - 電子写真用帯電部材 - Google Patents

電子写真用帯電部材

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JPH08262835A
JPH08262835A JP6447295A JP6447295A JPH08262835A JP H08262835 A JPH08262835 A JP H08262835A JP 6447295 A JP6447295 A JP 6447295A JP 6447295 A JP6447295 A JP 6447295A JP H08262835 A JPH08262835 A JP H08262835A
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JP
Japan
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charging
charging member
hardness
layer
voltage
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JP6447295A
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Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電音を著しく低減させ、圧縮変形しにく
く、しかもくり返しの帯電−放電によっても常に均一な
帯電を可能にする電子写真用帯電部材を提供するる。 【構成】 導電性支持体上に弾性層を有する電子写真用
帯電部材であって、帯電部材の硬度が10〜50°であ
り、かつtanδが0.45以上である電子写真用帯電
部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置に用いら
れる帯電部材に関し、とくに帯電時の振動音を減少さ
せ、かつ耐久性を向上させるように改良した電子写真用
帯電部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子複写機・静電記録装置等の電子写真
装置は、被帯電体を均一に帯電処理する工程を含んでい
る。その帯電処理手段として、一般にはコロナ帯電方法
が採用されているが、コロナ帯電方法はオゾン等のコロ
ナ生成物の発生が多く、その対処のための付加手段・機
構を必要とし、そのため装置が大型化、高コスト化し易
い等の問題点を有している。
【0003】そこで最近では、帯電部材を被帯電体に当
接させて帯電を行なう接触帯電方法の検討が行なわれ、
一部において実用化されている。
【0004】接触帯電方法は、電圧(例えば1〜2KV
程度の直流電圧あるいは直流電圧と交流電圧の重畳電圧
等)を印加した帯電部材を被帯電体に所定の押圧力で当
接させて被帯電体を所定の電位に帯電させるものであ
り、例えば重畳電圧の場合は、直流電圧を帯電部材に印
加したときの帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を
有する交流電圧を帯電部材と被帯電体との間に形成する
ことにより、被帯電体の帯電を均一にすることができ
る。接触帯電方法によればオゾンの発生も、コロナ帯電
方法に比べ大幅に減少することから、コロナ帯電方法で
は不可欠な付加手段、機構が不要であるといった長所が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような接触帯電装置を、被帯電体である感光体にライン
走査で静電潜像を形成する電子写真装置、例えばレーザ
ービームプリンターの帯電手段として採用した場合、次
のような問題がある。副走査方向に高密度で等間隔のレ
ーザーの照射、非照射の繰り返しの画像パターンを出力
すると、接触帯電部材に印加する交流電圧の周波数と画
像パターンの空間周波数とが近くなると画像面にモアレ
縞が発生することがある。これは交流の周波数を充分高
くすれば解決可能であるが、接触帯電部材と感光体とが
接触しているために振動音が発生しやすくなり、特にオ
フィス環境等において、プリンター等動作時の騒音を低
減するためにはきわめて不都合であるという欠点があっ
た。
【0006】接触帯電方法における振動音(以後帯電音
と称する)は、帯電部材と被帯電体とが当接状態で交流
電圧が印加されるため、印加される交流電圧の加振力に
よって発生する振動が原因であり、振動は交流電圧周波
数と電界力及び弾性体の復元力で帯電部材が被帯電体を
「叩く」ことによって生じるものと考えられている。従
って、帯電音低減のためには、帯電部材の全体又は弾性
体を低硬度、すなわち柔らかくする方法が一般的に採用
されている。
【0007】例えば、特開昭59−164570号公
報、特開昭64−66673号公報、特開平2−311
865号公報、特開平2−311866号公報、特開平
1−211799号公報、特開平4−25868号公報
などには、硬度を規定した帯電部材について開示されて
いるが、上記の先行技術において硬度が高すぎるものは
帯電音を低減する効果が小さく、又、硬度を下げた帯電
部材は低硬度化を達成するため、多量の可塑剤や、軟化
剤を添加する必要がある。
【0008】しかしながらこの方法では、添加した可塑
剤や軟化剤のブリードによる感光体汚染等の問題が発生
しやすいため固体状ゴムでは、自ずと添加量が制限さ
れ、従って、硬度の低下にも限度があった。また一方で
は弾性層を発泡体とする方法がとられる。経済性、汎用
性の面から、EPDMゴムやクロロプレンゴム発泡体が
用いられることが多いが、これらのゴムは、汎用ゴムの
中では耐候性は、良い部類に入るものの、電子写真の帯
電部材として使用した場合、少量ではあるが発生するオ
ゾンや、くり返しの電圧印加によりゴム材としての劣化
がおこり、硬度が経時的に上昇し、帯電音も上昇する。
すなわち、初期的には、帯電音が小さくても経時的に大
きくなる、という問題があった。
【0009】また一方では、本出願人等は、弾性層のt
anδに着目し、特開平4−161964号公報、及び
特開平4−159571号公報にその技術を開示した。
これらの特徴を有する帯電部材は、従来のものと比較す
ると静音性は増しているものの、まだ、一般ユーザーが
満足して使用出来るというレベルには達するまでには改
良の余地が残されている。
【0010】本発明の目的は、帯電音を著しく低減させ
た電子写真用帯電部材を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、圧縮変形しにくい電
子写真用帯電部材を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、くり返しの帯
電−放電によっても常に均一な帯電を可能にしうる電子
写真用帯電部材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に弾性層を有する電子写真用帯電部材であっ
て、該帯電部材の硬度が10〜50°であり、かつta
nδが0.45以上であることを特徴とする電子写真用
帯電部材が提供される。
【0014】本発明において、tanδは、損失弾性率
(E″)と貯蔵弾性率(E′)の比で表わすことが出来
る。
【0015】このtanδが大きいという事は、用いら
れる弾性層を有する帯電部材の粘性特性が大きく、交流
印加による振動を帯電部材が内部的に吸収する能力が大
という事を示す。逆にtanδが小である事は帯電部材
の弾性的挙動が大である事であり、振動を助長する事と
なる。しかし、このtanδは前述のごとく、ある帯電
部材が有する粘性特性及び弾性特性の比であるから、硬
度の異なる、換言すれば非常な軟質のスポンジごとき弾
性体を有した帯電部材と、高架橋した高硬度のゴムを有
した帯電部材を比較して、tanδが同一であるから帯
電音の静音効果が同一であると判断するのはあまりにも
早計であり、短絡的であることは明白である。
【0016】しかるに本発明においては、本出願人等の
前記発明を踏まえ、さらに技術的に考察を加え本発明を
完成させた。
【0017】すなわち、まず帯電部材の硬度を規定し、
かつ、その硬度内に含まれる帯電部材のtanδも規定
することにより、実質的に帯電音のしない帯電部材を得
ることが出来る。
【0018】次に本発明の帯電部材の硬度を決定する測
定方法について述べる。
【0019】従来、ゴム硬度の測定は、JIS K 6
301、あるいはASTMD2240に準拠して測定し
ていたが、これらの方法は、帯電部材の現実的な硬度の
尺度としては不向である。なぜならば、前記の規格、例
えばJIS K 6301では、試験片は6mm〜12
mm前後以上の厚みが必要であり、また平滑な面を必須
としているが、本発明の帯電部材は、弾性層として厚み
は下限は1mm以上であるが、実質的な上限は、せいぜ
い6mmであり、ローラー状となる場合は曲率を有して
おり、前記JISの測定の原則からはずれてしまう。
【0020】また、これらの測定治具は、上述のごとき
の試験片の条件が満足出来ない場合、測定は可能であっ
たとしても得られた値はゴムの歪みや、ゴム層の下地な
どの影響を受け正当な硬度設定を不可能にしている。そ
のため、前記規格に基づいた硬度設定は本発明の本意か
らはずれているのは明白であり、前述の多数のすでに開
示されている特許公報に規定された硬度測定値は意味を
なしていないのである。
【0021】すなわち、本発明における硬度測定は、前
述の不具合を解消した方法、治具によって、帯電部材の
硬度を規定し、本発明の効果を十二分に発揮させたもの
である。
【0022】本発明における硬度測定は、従来の方法と
異なり、ゴムの歪みや、下地の影響を極力受けずに測定
出来るものであり、そのためには、ばね荷重は350m
N以下、押針寸法の直径が0.2mm以下の条件で測定
しなければならない。
【0023】また、荷重方式も片持ち梁板ばねを用いる
ことにより、軸受けギア等の機械的接触部が無くなり、
高精度の微少荷重が可能となっている。
【0024】上記の方法によって得られた帯電部材の弾
性層の硬度は10〜50°であり、好ましくは15〜4
2°である。
【0025】この硬度は、帯電部材がローラー形状の場
合はそのローラー表面に当接して測定が可能である。
【0026】本発明の帯電部材は、導電性支持体上に少
なくとも弾性層及び被覆層を含有する層を有する。その
構成の例を図1乃至図3に示す。帯電部材と感光体が接
触している接触帯電の場合は、図1および図2に示され
るようなローラー形状や、図3に示されるようなブレー
ド形状等が挙げられるが、ローラー形状であることがよ
り好ましい。各図において、1は導電性支持体、2は弾
性層、3は被覆層のうち導電層、4は被覆層のうち抵抗
層である。
【0027】導電性支持体としては、アルミニウム、
鉄、銅およびステンレス等の金属や合金、カーボンや金
属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ、
その形状としては、上述したような棒状が挙げられる。
【0028】弾性層は、ゴムや樹脂を含有する。本発明
の特徴を発揮させる範囲でゴムや他の樹脂等を添加、混
合しても良い。
【0029】上記ゴムとしては、スチレン−ブタジエン
ゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレン
ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジ
エンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴ
ム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピク
ロロヒドリンゴムおよびノルボルネンゴム等が挙げられ
る。また、上記樹脂類としてはポリスチレン、クロロポ
リスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ク
ロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビ
ニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共
重合体およびスチレン−アクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル
共重合体およびスチレン−メタクリル酸フェニル共重合
体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂およびポリビニルブチラール樹脂等
が挙げられる。
【0030】膜厚は1.0mm以上、更には2mm以
上、特には3mm〜5mmであることが好ましい。
【0031】導電層は、電気伝導性の高い層であり、弾
性層の上層に位置する被覆層のうち体積抵抗率が107
Ω・cm以下、更には106Ω・cm以下、特には10
-2〜106Ω・cmであることが好ましい。また、導電
層の膜厚は、下層の弾性層の柔軟性を抵抗層等の上層あ
るいは感光体表面に伝えるための薄層にすることが好ま
しく、具体的には1mm以下、更に0.8mm以下、特
には0.02〜0.6mmであることが好ましい。
【0032】用いられる材料としては、金属蒸着膜、導
電性粒子分散樹脂および導電性樹脂等が挙げられる。具
体的には、金属蒸着膜としては、アルミニウム、インジ
ウム、ニッケル、銅および鉄等の金属を蒸着したものが
挙げられ、導電性粒子分散樹脂としては、カーボン、ア
ルミニウム、ニッケル、酸化チタン等の導電性粒子をウ
レタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体およびポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散した
ものが挙げられ、導電性樹脂としては、4級アンモニウ
ム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリ
ン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレンおよびポリ
エチレンイミン等が挙げられる。これらの中でも導電性
のコントロールの点からは、導電性粒子分散樹脂が好ま
しい。
【0033】また被覆層のうちの抵抗層は、下層の導電
層よりも抵抗が高くなるように形成されており、その体
積抵抗率は、導電層の体積抵抗率よりも1桁〜6桁、特
には2桁〜5桁高いことが好ましく、範囲としては10
6〜1012Ω・cm、特には107〜1011Ω・cmであ
ることが好ましい。また、抵抗層の膜厚は帯電性の点か
ら1μm〜500μm、特には50μm〜200μmが
好ましい。
【0034】用いられる材料としては、半導電性樹脂、
導電性粒子分散樹脂等が挙げられる。具体的には半導電
性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロー
ス、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイ
ロン、共重合ナイロン、ポリビニルピロリドンおよびカ
ゼイン等の樹脂、これらの樹脂の混合物等が挙げられ、
導電性粒子分散樹脂としては、カーボン、アルミニウ
ム、酸化インジウムおよび酸化チタン等の導電性粒子を
上述の半導電性樹脂やウレタン、ポリエステル、酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体およびポリメタクリル酸等の
絶縁樹脂中に、少量分散して抵抗を調節したもの等が挙
げられる。
【0035】本発明においては、抵抗層を2層構成にし
たり、上述した各層の接着性を向上させるために、各々
の層の間に接着層を設けることができる。
【0036】いずれの構成であっても本発明の帯電部材
としての体積抵抗率は102〜101 0Ω・cmであるこ
とが好ましく、特には104〜108Ω・cmであること
が好ましい。更には、少なくとも表面層の体積抵抗率は
これらの範囲内であることが好ましい。
【0037】本発明の帯電用部材を用いる場合、帯電用
部材と感光体の関係は、帯電部材の表面が粗いと、その
凹凸によって微妙に帯電ムラが生じ、結果として画像不
良が生じてしまうことがある。従って、帯電部材の表面
はより滑らかな方が好ましく、JIS B0601表面
粗さの規格における10点平均粗さRZが5μm以下で
あり、更に最大高さRmaxが10μm以下であることが
好ましく、特にはRZが2μm以下、更にRmaxが5μm
以下であることが好ましい。
【0038】また、帯電部材を感光体に接触して使用す
る場合、長期間感光体に当接することにより帯電部材に
変形が生じ(圧縮永久歪み)、そのために帯電が行なわ
れる放電面積が歪んだ部分とそうでない部分で違いが生
じるために帯電に差が生じ、結果として画像不良を生じ
てしまうことがある。従って、本発明においては圧縮永
久歪みがJIS K6301の方法で圧縮率25%の状
態で70℃で22時間放置し、更に室温で30分放置し
た後の測定で40%以下であることが好ましく、特には
30%以下であることが好ましい。
【0039】本発明の帯電部材は、例えば以下のように
して製造される。
【0040】まず、帯電部材の導電性支持体としての金
属棒を用意する。弾性層となるゴム又は樹脂金属棒の上
に溶融成型、注入成型、浸漬塗工あるいはスプレー塗工
等により成型することによって弾性層を設ける。
【0041】次に、被覆層の材料を弾性層の上に溶融成
型、注入成型、浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により
成型することによって被覆層を設ける。
【0042】本発明の帯電部材は、以下に示す用に、一
次帯電用、転写帯電用および除電帯電用のいずれにも用
いることができる。勿論、同時に用いてもよい。
【0043】本発明の帯電部材は、例えば図4に示すよ
うな電子写真装置に適用することができる。この装置
は、電子写真感光体11の周面上に一次帯電用帯電部材
(本発明の帯電部材)5、像露光手段6、現像手段7、
転写帯電コロナ帯電器8、クリーニング手段9および前
露光手段10が配置されている。
【0044】電子写真感光体11上に接触配置されてい
る一次帯電用帯電部材5に、外部より電圧(例えば20
0V以上2000V以下の直流電圧とピーク間電圧40
00V以下の交流電圧を重畳した脈流電圧)を印加し、
電子写真感光体11表面を帯電させ、像露光手段6によ
って原稿上の画像を感光体に像露光し静電潜像を形成す
る。次に現像手段7中の現像剤を感光体に付着させるこ
とにより、感光体上の静電潜像を現像(可視像化)し、
更に感光体上の現像剤を転写帯電手段8によって紙等の
被転写部材12に転写し、クリーニング手段11によっ
て転写時に紙に転写されずに感光体上に残った現像剤を
回収する。
【0045】このような電子写真プロセスによって画像
を形成することができるが、感光体に残留電荷が残るよ
うな場合には、一次帯電を行なう前に前露光手段10に
よって感光体に光を当て、残留電荷を除電したほうがよ
い。
【0046】本発明の帯電用部材を転写帯電に用いる場
合、例えば図5に示すような電子写真装置に適用するこ
とができる。この装置は、電子写真感光体11の周面上
に一次帯電用コロナ帯電器13、像露光手段6、現像手
段7、転写帯電用帯電部材(本発明の帯電部材)14、
クリーニング手段9、前露光手段10が配置されてい
る。
【0047】電子写真感光体11上に接触配置されてい
る転写帯電用帯電部材14に電圧(例えば直流電圧40
0〜1000V)を印加し電子写真感光体上の現像剤を
紙等の被転写部材に転写することができる。
【0048】本発明における感光体に接触させる帯電用
部材の設置は特定の方法に限られることはなく、帯電用
部材は固定方式、感光体と同方向または逆方向で回転等
の移動方式いずれの方式を用いることもできる。更に帯
電用部材に感光体上の現像剤クリーニング装置として機
能させることも可能である。
【0049】本発明の直接帯電における帯電用部材への
印加電圧、印加方法に関しては、各々の電子写真装置の
仕様にもよるが、瞬時に所望する電圧を印加する方式の
他にも感光体の保護の目的で段階的に印加電圧を上げて
行く方式、直流に交流を重畳させた形で印加の場合なら
ば直流→交流または交流→直流の順序で電圧を印加する
方式をとることができる。
【0050】本発明の帯電部材を電子写真装置の一次帯
電に用いる場合、画像出力領域の電子写真感光体に対し
て直流電圧と交流電圧を重畳することや、直流電圧のみ
で印加することも可能である。転写帯電に用いる場合、
直流電圧のみでも直流電圧と交流電圧を重畳してもよ
い。
【0051】本発明におけるtanδの測定は、以下の
方法に従がって行われる。粘弾性測定装置はダイミック
アナライザRDAII(レオメリックス社)を用いる。
【0052】試料は、測定に用いるロール形状の帯電部
材から、縦40mm、横12.5mm、厚さ1.5mm
の大きさにほぼ短冊状に切りだす。この時、ロール形状
のため若干の曲面が生ずる場合があるが、測定上の誤差
はわずかであり、無視しうる。この短冊状のサンプルを
トーションレキュタンギュラーに装着し、下記の条件で
温度分散を測定しtanδを求め、この時の最大値を当
該サンプルのtanδとする。
【0053】測定温度範囲:0〜100℃ 昇温速度:5℃/min 周波数:1Hz 歪:約0.05% 200g・cm以上のトルクが発生
することが必要 Auto Tension:Yes Auto Strain:Yes
【0054】
【実施例】以下に、本発明を実施例に従って詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例により、何ら限定される
ものではない。部はすべて重量部とする。
【0055】(実施例1) エチレン−プロピレン−ノルボルネンゴム 100部 導電性カーボンブラック 15部 パラフィンオイル 30部 加硫促進剤 3部 上記の処方にもとづき、バンバリーミキサー、及び2本
ロールを用いて混練し、その後、導電性支持体(直径6
mmのアルミニウム棒)を装着した円筒状の金型へ、前
記ゴムを圧入成型し、加硫工程を経て、厚さ6mmの弾
性層を有したローラー(1)を得た。
【0056】次に、アクリル成分:ウレタン成分=4:
1である、アクリル共重合ウレタンを水に懸濁分散した
水懸濁液に、架橋剤及び導電性酸化スズスラリーを分散
させ、抵抗調整することにより被覆用塗料を得た。この
塗料に前記ローラー(1)をディッピング塗工して、層
厚0.12mmの被覆層を得、さらに塗工したローラー
は100℃で30分乾燥後、本発明のローラー形状を有
した導電部材(1)を得た。
【0057】この帯電部材の硬度は、37°であった。
【0058】上記、帯電部材をレーザービームプリンタ
ー(商品名「レーザーショットA404」、キヤノン
製)に用いられるカートリッジの一次帯電器位置に取り
付け、感光ドラムに対して芯金の片側当接圧力500g
ずつで当接させた。さらに電源によって、帯電部材の芯
金部に 直流電圧 −700V 交流ピーク間電圧 2000V 周波数 500Hz のバイアスを印加したところ、帯電音は40dBと良好
であり、また、初期画像は帯電ムラによる画像不良はな
かった。
【0059】次いで、低温低湿環境(15℃,10%R
H)下で、約10000枚のくり返しプリントテストを
行なったが、帯電部材へのトナー、紙粉ごときの融着も
発生せず、又、被覆層と弾性層の密着性も十分であり、
不具合は何ら生じなかった。
【0060】本発明における帯電音の測定は、無響室内
に前記レーザービームプリンターを設置し、実際に稼動
させた時の騒音を騒音計により、A特性音圧レベルとし
て測定するものである。騒音計は稼動中のプリンターか
ら、50〜100cmはなして配置し、そのプリンター
周囲の最も騒音の高い値を取り、dBで表示する。
【0061】また、この帯電部材のtanδは0.51
であった。
【0062】(実施例2) ウレタンゴム 100部 導電性酸化チタン 30部 発泡剤 10部 加硫剤 2部 上記の処方を実施例1と同様に混練、成型後、加硫及び
発泡を行ない層厚3mmの発泡弾性層を有するローラー
(2)を得た。
【0063】さらに上層に、導電性酸化チタンを分散さ
せたN−メトキシメチル化ナイロンの被覆層をもうけ
た。この層厚は0.03mmである。これを帯電部材
(2)とする。
【0064】帯電音は46dBとかなり低い値となり、
当該プリンターをパソコン作業者近傍に設置稼動して
も、何ら不快感は生じなかった。もちろん、画質的に
は、帯電ムラ、ローラー抵抗上昇などなく、良好なもの
であった。
【0065】この帯電部材(2)の硬度及びtanδは
24°,0.49であった。
【0066】(比較例1) スチレンブタジエンゴム 100部 導電性カーボンブラック 10部 加硫剤 5部 加硫促進剤 1部 クレー 30部 上記の処方で実施例1と同様にして、層厚4mmを有す
るローラー(11)を得た。この時の硬度は70°であ
り、tanδは0.53であった。
【0067】また、実施例1と同様にして測定した帯電
音は63dBとかなり耳障りなものであった。
【0068】(比較例2)比較例1のローラー(11)
に実施例2に用いた被覆層と同様のN−メトキシメチル
化ナイロンで被覆し、帯電部材(12)を得た。被覆層
の層厚は0.01mmであった。この時の帯電部材(1
2)の硬度は78°であった。実施例1と同様にして測
定した帯電音は61dBと比較例1と同様なものであ
り、被覆層の効果はほとんどなかった。
【0069】(比較例3) ウレタンゴム 100部 導電性カーボン 8部 発泡剤 3部 加硫剤 7部 上記の処方を実施例1と同様に混練、成型後、加硫及び
発泡を行ない発泡弾性層を形成し、さらに実施例2と同
様の被覆層をその上層にもうけ、帯電部材(13)とし
た。この帯電部材(13)は組成的には実施例2と同様
であるが配合設計により、発泡して硬度はある程度低す
るが、加硫(加架)効果によりtanδが上昇しないも
のである。その硬度、及びtanδは37°,0.40
であった。
【0070】この帯電音は、56dBであり、比較例中
最も低い値を得たが実際の使用テストにおいては、当初
はそれほど妨げとはならないものの長時間近傍に配置し
て稼動させるとかなり耳ざわりとなることが判明した。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、帯
電部材の硬度を10〜50°、tanδを0.45以上
としたことにより、帯電音を著しく低減させるととも
に、圧縮変形しにくいという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による帯電部材の一例の概略構成図であ
る。
【図2】本発明による帯電部材の他の例の概略構成図で
ある。
【図3】本発明による帯電部材のさらに他の一例の概略
構成図である。
【図4】本発明による帯電部材が適用される電子写真装
置の一例の概略構成図である。
【図5】本発明による帯電部材が適用される電子写真装
置の他の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 弾性層 3 導電層 4 抵抗層 5 一次帯電用帯電部材 6 像露光手段 7 現像手段 8 転写帯電コロナ帯電器 9 クリーニング手段 10 前露光手段 11 電子写真感光体 12 被転写部材 13 一次帯電用コロナ帯電器 14 転写帯電用帯電部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に弾性層を有する電子写
    真用帯電部材であって、該帯電部材の硬度が10〜50
    °であり、かつtanδが0.45以上であることをに
    特徴とする電子写真用帯電部材。
  2. 【請求項2】 ロール形状である請求項1に記載の電子
    写真用帯電部材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子写真用帯電部材
    を、直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を印加して使用
    する電子写真用帯電装置。
JP6447295A 1995-03-23 1995-03-23 電子写真用帯電部材 Pending JPH08262835A (ja)

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