JPH08262719A - ポジ型感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感放射線性樹脂組成物

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JPH08262719A
JPH08262719A JP7066322A JP6632295A JPH08262719A JP H08262719 A JPH08262719 A JP H08262719A JP 7066322 A JP7066322 A JP 7066322A JP 6632295 A JP6632295 A JP 6632295A JP H08262719 A JPH08262719 A JP H08262719A
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group
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ether
radiation
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JP7066322A
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Yasumasa Kawabe
保雅 河辺
Tsukasa Yamanaka
司 山中
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性及び塗布性能に優れ、また、溶液の保
存安定性が優れているので、保存中に感光剤の微粒子の
析出や分解等が起きず、しかも、感度、解像力、プロフ
ァイル、耐熱性などに優れたポジ型感放射線性樹脂組成
物を提供する。 【構成】 ポジ型感放射線性樹脂組成物が(a)アルカ
リ可溶性樹脂、(b)活性光線または放射線の照射によ
り酸を発生する化合物、(c)酸により分解し得る基を
有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増
大する酸分解性溶解阻止化合物および(d)プロピレン
グリコールモノアルキルエーテルプロピオネートを含有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷板やIC等の
半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の
製造、更にその他のフォトファブリケーション工程に使
用されるポジ型感放射線性樹脂組成物に関するものであ
り、更に詳しくは、i線等の紫外線、エキシマレーザー
光(XeCl,KrF,ArF)等の遠紫外線に感応す
る高集積回路作成用レジストとして特に好適に用いられ
る、塗布性能、溶液安定性、安全性に優れ、更には、高
い感度解像力、耐熱性が得られ、遅延時間効果の影響の
少ないポジ型感放射線性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路の製造において
は、シリコンウエハー等の基板の上にレジストを塗布
し、マスクを通して放射線を照射し、現像することで微
細なパターンを形成し、次いでパターン部以外の基板部
をエッチングすることが行われている。現在ネガ型とポ
ジ型レジストが用いられているが、ネガ型レジストは解
像度に限界があり、微細加工用には専らポジ型レジスト
が用いられている。
【0003】ポジ型フォトレジスト組成物としては、一
般にアルカリ可溶性樹脂と感光物としてのナフトキノン
ジアジド化合物とを含む組成物が用いられている。例え
ば、「ノボラック型フェノール樹脂/ナフトキノンジア
ジド置換化合物」として米国特許第3,666,473
号、米国特許第4,115,128号及び米国特許第
4,173,470号等に、また最も典型的な組成物と
して「クレゾール−ホルムアルデヒドより成るノボラッ
ク樹脂/トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフ
トキノンジアジドスルホン酸エステル」の例がトンプソ
ン「イントロダクション・トゥー・マイクロリソグラフ
ィー」(L.F.Thompson「Introduc
tion to Microlithograph
y」)(ACS出版、No.2 19号、p112〜1
21)に記載されている。
【0004】このような基本的にノボラック樹脂とキノ
ンジアジド化合物から成るポジ型フォトレジストは、ノ
ボラック樹脂がプラズマエッチングに対して高い耐性を
与え、ナフトキノンジアジド化合物は溶解阻止剤として
作用する。そして、ナフトキノンジアジドは光照射を受
けるとカルボン酸を生じることにより溶解阻止能を失
い、ノボラック樹脂のアルカリ溶解度を高めるという特
性を持つ。
【0005】これまで、かかる観点からノボラック樹脂
とナフトキノンジアジド系感光物を含有する数多くのポ
ジ型フォトレジストが開発、実用化され、0.8μm〜
2μm程度までの線幅加工に於いては十分な成果をおさ
めてきた。しかし、集積回路はその集積度を益々高めて
おり、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハー
フミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が
必要とされるようになってきた。この必要な解像力を達
成するためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装
置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキ
シマレーザー光(XeCl,KrF,ArFなど)が検
討されるまでになってきている。
【0006】また集積回路の高集積度化に伴って、ウエ
ハーのエッチング方式が従来のウエットエッチングから
ドライエッチングに移行しており、そのため、耐ドライ
エッチング性、耐熱性が必要とされている。従来のノボ
ラック樹脂とナフトキノンジアジド化合物から成るレジ
ストは、耐ドライエッチング性、耐熱性は良好なもの
の、これを遠紫外光やエキシマレーザー光を用いたリソ
グラフィーのパターン形成に用いると、ノボラック及び
ナフトキノンジアジドの遠紫外領域に於ける吸収が強い
ために光がレジスト底部まで到達しにくくなり、低感度
でテーパーのついたパターンしか得られない。
【0007】これを解決するための感放射線材料、特に
遠紫外領域における吸収が少なく、高透過率を持つ樹脂
が望まれている。例えば遠紫外部で高透過率のものとし
て、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)やアクリル酸又は
メタクリル酸誘導体等が知られている。しかし、アクリ
ル酸又はメタクリル酸誘導体は、遠紫外領域において実
質上透明な樹脂であり、理想的ではあるが、構造に芳香
環を含まず、脂肪族系であるため、これらをバインダー
樹脂として用いたレジストは、ドライエッチング耐性が
極めて悪い。
【0008】また、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)
が、米国特許4439516号、Technical
Papers on SPE Regional Te
chnical Conference of Pho
topolym.,35(1985)、Proc.SP
IE,920,242(1988)、欧州特許2717
08号等に記載されており、耐熱性及び耐ドライエッチ
ング性は良好である。しかし、ナフトキノンジアジド系
感光剤との組み合わせにおいては、Proc.SPI
E,771,136(1987)に記載されている様
に、露光部と非露光部との溶解速度差が小さく、その結
果、高解像度は得られず、ノボラック系と較べて、アル
カリ現像液への溶解速度が極めて大きく、許容しがたい
という欠点がある。
【0009】このような過大なアルカリ溶解性を制御す
る手段としては、アルカリ不溶性モノマーとの共重合、
疎水基による核あるいは水酸基の置換が有効であり、マ
レイミド、スチレンとの共重合(特開昭63−1306
04)、核へのスチレンの付加(特開昭62−5330
3)、3,5−ジメチルあるいはジブロモ置換(欧州特
許307752、特開平2−166105)、安息香酸
エステル化(特開昭62−227143)、部分トリメ
チルシリルエーテル化(Proc.SPIE,811,
186(1987))、o−ニトロベンジルエーテル化
(特開昭62−69263)等がなされている。
【0010】また、ポリ(p−ビニルフェノール)をジ
メチロール−p−クレゾールあるいはヘキサミンで部分
架橋する工夫(米国特許4600683号)、ポリ(p
−ヒドロキシスチレン)等をヒドロキシメチルフェノー
ル誘導体等で変性した樹脂(特開平5−107763、
同5−43641)がこれまで知られている。更に、遠
紫外領域において透明性を高めるために、水素添加した
アルカリ可溶性樹脂(特開平2−4254、同2−10
3048、同3−87746、同3−107160等)
が、また露光部と非露光部の溶解速度差を大きくするた
めに、o−及び/又はm−ヒドロキシスチレンの重合体
及びその誘導体(特開平2−59750、同2−152
67、同2−253261、同2−253262、Ja
panese J.Appl.Phys.,Vol.3
0,No.11B,P3125(1991))がこれま
で知られている。
【0011】一方、感光剤も遠紫外領域に感度が高く、
露光後ブリーチされて透明度が上がるものが望まれる。
この目的のために、キノンジアジドに代えて種々の感光
剤がこれ迄提案されている。例えば、ジアゾメルドラム
酸(特開昭56−1933)が開発されているが、これ
は揮発性の欠点がある。これの改善として、ジアゾホモ
テトラミン酸(欧州特許129694)、ジアゾピペリ
ジンジオン(特開平2−166105)、ジアゾフェナ
セチルジフェニルホスフィンオキシド(米国特許460
1969)、コール酸のジアゾケトン誘導体(特開昭6
4−80944)、コール酸のo−ニトロベンジル誘導
体(Polym.J.,21(8)603(198
9))、α−ジアゾアセトアセテート(J.Photo
polym.Sci.Tech.,2(3)392(1
989))、2−ジアゾシクロヘキサン−1,3−ジオ
ンのカルボン酸エステル(Proc.SPIE 92
0,51(1988))等の、多くの感光剤が提案され
ている。
【0012】上記の問題を解決する別の手段が、米国特
許4491628号、欧州特許249139号、特開昭
59−43439号、Polym.Eng.Sci.,
23(18),1012(1983)等に記載されてい
る化学増幅系レジスト組成物である。化学増幅系ポジ型
レジスト組成物は、遠紫外光などの放射線の放射により
露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によっ
て、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶
解性を変化させパターンを基板上に形成させるパターン
形成材料である。
【0013】このような例として、光分解により酸を発
生する化合物と、アセタールまたはO,N−アセタール
化合物との組合せ(特開昭48−89003号)、オル
トエステル又はアミドアセタール化合物との組合せ(特
開昭51−120714号)、主鎖にアセタール又はケ
タール基を有するポリマーとの組合せ(特開昭53−1
33429号)、エノールエーテル化合物との組合せ
(特開昭55−12995号)、N−アシルイミノ炭酸
化合物との組合せ(特開昭55−126236号)、主
鎖にオルトエステル基を有するポリマーとの組合せ(特
開昭56−17345号)、第3級アルキルエステル化
合物との組合せ(特開昭60−3625号)、シリルエ
ステル化合物との組合せ(特開昭60−10247
号)、及びシリルエーテル化合物との組合せ(特開昭6
0−37549号、特開昭60−121446号)等を
挙げることができる。量子収率が1を超えないジアゾケ
トンやアジド化合物を感光剤とする従来のレジストの作
用機構とは異なり、これらは原理的に量子収率が1を越
えるため、高い感度を示す。
【0014】同様に、室温経時下では安定ではあるが、
酸存在下加熱することにより分解し、アルカリ可溶化す
る系として、例えば、特開昭59−45439号、特開
昭60−3625号、特開昭62−229242号、特
開昭63−27829号、特開昭63−36240号、
特開昭63−250642号、Polym.Eng.S
ce.,23巻、1012頁(1983);ACS.S
ym.242巻、11頁(1984);Semicon
ductor World 1987年、11月号、9
1頁;Macromolecules,21巻、147
5頁(1988);SPIE,920巻、42頁(19
88)等に記載されている露光により酸を発生する化合
物と、第3級又は2級炭素(例えばt−ブチル、2−シ
クロヘキセニル)のエステル又は炭酸エステル化合物と
の組合せ系が挙げられる。これらの系も高感度を有し、
且つ、ナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系と比べ
て、Deep−UV領域での吸収が小さいことから、前
記の光源短波長化に有効な系となり得る。
【0015】上記ポジ型化学増幅系レジスト組成物は、
放射線露光によって酸を発生する化合物(光酸発生
剤)、及び酸分解性基を有するアルカリ可溶性樹脂とか
ら成る2成分系(米国特許4491628等)と、アル
カリ可溶性樹脂、光酸発生剤及び酸との触媒反応によっ
てアルカリ可溶となる溶解阻止化合物(酸分解性溶解阻
止剤)から成る3成分系(欧州特許249139、特開
平2−248953等)に大別できる。これらのいずれ
の系も、ノボラックとナフトキノンジアジド化合物とか
ら成るレジストと同様に、高解像力を達成するために
は、露光部と非露光部の溶解速度差を大きくすることが
必要である。
【0016】また、上記ポジ型化学増幅系レジスト組成
物は、露光から現像迄の時間、雰囲気等により、線幅が
変化したり、T型断面形状及び橋架け現象によりパター
ン形状が劣化する、いわゆる遅延時間効果が問題となる
ことがある。この現象は、ポジ型化学増幅系レジスト組
成物の一般的な欠点でもあるが、この原因は、露光部分
で発生した酸の非露光部への拡散、ポリマー中に発生し
た酸の空気中の塩基性物質による失活、発生した酸の揮
発によるレジスト表面での酸の損失等が考えられている
が、この遅延時間効果の問題をいかに低減させるのかが
重要な課題となっている。
【0017】従来ナフトキノンジアジド/ノボラック樹
脂系のポジ型フォトレジストの塗布溶剤には、グリコー
ルエーテルと2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
ターノールのようなグリコールエーテルエステル、及び
それらのアセテート類、例えばエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテートなどがこれまでごく一般的に使
われてきた。
【0018】しかしながら、これらのグリコールエーテ
ル誘導体を含む溶剤は、1979年にマウスの生殖機能
に悪影響をもたらす懸念が指摘されて以来、欧米を中心
に動物実験が繰り返され、生殖機能障害などの生体毒性
が実際に確認され、作業者の安全に対する潜在的生物的
脅威であると報告された。(NIOH Current
Intelligence Bulletin,Vo
l.39,No.5,1983)米国環境保護庁(EP
A)が、1984年に規制強化を勧告し、規制強化の動
きは広まった。
【0019】この事実に対応して、フォトレジスト製造
者の多くにとって、エチレングリコールエーテル類を含
まない低毒性溶剤のフォトレジスト製品の開発が望まれ
ていた。代替の低毒性溶剤として、乳酸エチル、3−メ
トキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸
メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のモノオキ
シカルボン酸エステル類(特公平3−22619号、U
S5238774、EP211667)、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート(特公平3−1
659号、US619468)がある。これ以外にも、
シクロペンタノンN−ヘキサノールや、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル(SEMICONDUCTOR
INTERNATIONAL,Vol.4,pp13
2−133,1988)や、2−ヘプタノン(NIKK
EI MATERIALS & TECHNOLOGY
Vol.12,p83−89,1993)、ピルビン
酸エチル(特開昭63−220139、特開平4−36
752、US5100758)等の溶剤を用いたナフト
キノンジアジド/ノボラック樹脂系のポジ型フォトレジ
スト組成物が提案されている。
【0020】同様に、ポジ型化学増幅系レジスト組成物
用の溶剤として、前記3−メトキシプロピオン酸メチル
と3−エトキシプロピオン酸エチルの組み合せ、(特開
平6−11836号)、乳酸エチルと3−エトキシプロ
ピオン酸エチルとの組み合せ(特開平6−308734
号)等が開示されている。このように、これまで多くの
代替溶剤が提案されているが、毒性試験(慢性毒性、生
殖毒性、催奇形性、変異原性、がん原性や、生命体運命
に関する試験など)は長期間を要するためこれらのすべ
てが必ずしも安全性が証明されているわけでない。
【0021】そもそもエチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテートが毒性を示すのは、生体代謝で2−エ
トキシエタノールに分解後、エトキシ酢酸になり、これ
が毒性(催奇形成)の原因と考えられている。しかし、
例えば乳酸エチルは生体代謝で乳酸とエタノールとに分
解するので安全と考えられており、食品添加物としても
認められている。エチル−3−エトキシプロピオネート
は、生体代謝で、3−エトキシプロピオン酸、エチルマ
ロン酸、マロン酸へと変わり、乳酸エチルと同様、アル
コキシ酢酸は生成しないので安定性が高いと考えられて
いる。同様プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートもプロピレングリコールへと変わり、アルコキ
シ酢酸は生成せず、相当するエチレングリコール類よ
り、ずっと低毒性であることが確かめられている。
【0022】このようにまず低毒性であることがフォト
レジスト溶剤の満たすべき要件の1つとして挙げられ
る。次に満たすべき重要な要件は、塗布性である。近年
LSIの高集積化に伴ない、ウェハーの大口径化が進ん
でいる。大口径になるほどウエハー面内のスピン塗布均
一性が悪くなったり、塗れ残りが発生し、工業的価値が
低減するという問題がある。
【0023】ナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系
のポジ型フォトレジスト組成物に関し、この塗布性を改
良する目的で、特開昭58−105143号、同58−
203434号、同62−36657号には公知のレジ
スト組成物用の溶剤であるエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、シクロヘキサ
ノン、シクロペンタノン、γ−ブチルラクトン、乳酸エ
チル、乳酸メチルにフッ素系界面活性剤を配合すること
が記載されており、また、USP4526856号、特
開昭59−231534号には、シクロペンタノン及び
シクロヘキサンと炭素数5〜12の脂肪族アルコールを
組み合わせることが記載されている。
【0024】また、特開昭60−24545号には、6
0〜170℃の沸点を有する溶剤に180〜350℃の
沸点を有する溶剤を組み合わせることでストリエーショ
ン(レジスト組成物を基板上に塗布した際に生じる塗布
ムラ)を改良することが開示されている。ストリエーシ
ョンの原因は、溶剤の急速な蒸発によって生じる液表面
と内部の温度差が、液膜に自然対流を引き起こすことに
起因する。ストリエーションは、上記のような界面活性
剤の添加や、混合溶剤により防止する技術が確立しつつ
ある。
【0025】ところが上記方法等により、たとえストリ
エーションを防止することはできても、基板の径方向で
の塗布の均一性(膜厚の不均一化)が問題となることが
しばしばある。例えば、乳酸エチル溶剤のレジストを塗
布すると、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート溶剤に比較し、膜厚のバラツキが大きくなること
が指摘(NIKKEI MATERIALS & TECHNOLOGY Vol.12, p87,
1993)されている。
【0026】このような塗布性は溶剤の蒸発速度、蒸発
潜熱粘度などの物性と関係することが報告されており
(月刊Semiconductor World,Vo
l.1,p125−128,1991)、この問題を解
決するために、乳酸エチルと3−エトキシプロピオン酸
エチルを混合したり、(特開平3−504422、US
−5063138 EP442952,WO90/05
325)、乳酸エチルと酢酸イソアミル又は酢酸n−ア
ミルの混合(US5336583、EP510670、
特開平5−34918)、乳酸エチルとアニソール及び
酢酸アミルの混合(US5128230)等の工夫がこ
れまでに数多くなされてきた。
【0027】前記ナフトキノンジアジド/ノボラック樹
脂系のポジ型フォトレジスト組成物と同様あるいはそれ
以上に、ポジ型化学増幅系レジスト組成物には、ウエハ
ー面内の均一性が要求される。つまり、ポジ型化学増幅
系レジスト組成物は、ほとんどの場合、大口径ウエハー
(6インチ以上)が半導体の製造に使用されるためであ
る。
【0028】この塗布性は塗布装置の改良、つまり、塗
布雰囲気温度、基板温度、塗布レジストの温度、排気等
の条件を最適化することによってもある程度、改良でき
るが、このような装置の条件によらず、均一な塗布性が
得られるのが最も好ましい。上記の問題とは別に、例え
ば、ポジ型化学増幅系レジスト組成物をミクロフィルタ
ーで濾過した後、放置すると目視では観察しえない微粒
子が析出し、この微粒子の析出したレジスト組成物を更
に長期にわたって保存すると、やがては沈殿の発生に至
る場合がある。
【0029】このような微粒子を含有するレジスト組成
物を用いてウエハー上にレジストパターンを形成する
と、現像によりレジストが除去されるべき部分に微粒子
が残り、解像度が低下するという問題がある。この微粒
子は、ポジ型化学増幅系レジスト組成物ではおもに、光
酸発生剤、酸分解性溶解阻止剤、酸分解性基を有するア
ルカリ可溶性樹脂などである。
【0030】この経時性安定性を改良する目的で、N−
メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド等の高沸点溶剤を混合すれば、確かに
経時安定性は改良されるものの、レジストの解像力、密
着性、耐熱性といった特性が低下してしまう。このよう
に、レジストの構成成分が経時により、析出せず、保存
安定性が良好であることがポジ型フォトレジスト溶剤の
第3の満たすべき要件である。
【0031】さらに、保存中に光酸発生剤や酸分解性溶
解阻止剤が分解すると感度変化を生じたり、内圧により
フォトレジストの容器(ガラス瓶)が割れる危険があ
る。このため光酸発生剤や、酸分解性溶解阻止剤を分解
させない溶剤が好ましい。その他の満たすべき要件とし
て、溶剤の吸湿性が少ないことや、月刊Semicon
ductor World Vol.1,p125−1
28,1991に述べられている様に、レジストの諸特
性(感度、解像力、プロファイル、スカム、密着性、耐
熱性)を劣化させない溶剤が好ましい。例えば特開平5
−173329号に記載されるように乳酸エチル等は、
フォトレジストの調製工程中や塗布工程中で吸湿しやす
い。吸湿したフォトレジストは、レジストの諸特性を劣
化させる。
【0032】また、ベーキング後の残留レジスト溶剤が
多いとレジストパターンの熱変形が起こりやすくなる
(耐熱性が劣化する)ことが知られている。さらに、ノ
ボラック樹脂をバインダーに用いた場合、溶剤の種類に
より、deepUV領域(248nm)の吸収が大きく
異なることが知られており、(S.P.I.E.Vo
l.1262,p180−187(1990))Dee
pUV領域での吸収が小さい溶剤が好ましい。またポジ
型化学増幅系レジスト組成物において、レジスト膜中の
残留溶剤は、酸の拡散に大きく影響し(例えば、J.V
ac.Sci.Technol.B,Vol.9,N
o.2,278−289(1991))など酸の拡散
は、解像力や露光と後加熱(PEB)との間の遅延時間
効果(露光からPEBまでの放置時間が長くなると、レ
ジストパターン形状の劣化や線幅変化が起こる現象)等
を及ぼす。酸の拡散性は、光酸発生剤や、酸分解性溶解
阻止剤などのレジストを構成する化合物によっても当然
変わり得るが、溶剤の種類により大きく変わるため、溶
剤の選択は化学増幅系レジスト組成物では特に重要とな
る。
【0033】このように、これらの塗布性能並びに溶液
の保存安定性並びに、レジスト性能は、感光剤及びバイ
ンダーポリマー等の構成成分にかかる属性であると同時
に、その溶媒によって大きく左右される特性であること
が知られている。しかるに、この塗布性能と溶液の保存
安定性、安全性、レジスト性能のすべてを同時に満足す
る溶剤はこれまで殆ど知られていないのが実状である。
従って、本発明の目的は、安全性に優れ、塗れ残り、ス
トリエーション等の故障の無い、塗布性能に優れたポジ
型フォトレジスト用組成物を提供することにある。
【0034】さらに、本発明の別の目的は、溶液の保存
安定性が優れ、保存中に感光剤の微粒子の析出や分解等
が起きず、しかも、耐熱性に優れたポジ型フォトレジス
ト用組成物を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記諸特
性に留意し、鋭意検討した結果、プロピレングリコール
モノアルキルエーテルプロピオネートを溶剤として用い
たフォトレジスト用組成物が特異的に塗布性能と保存安
定性、レジスト性能の点で優れていることを見いだし、
本発明を完成させるに至った。
【0036】すなわち、本発明は、 (1)(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)活性光線また
は放射線の照射により酸を発生する化合物、(c)酸に
より分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度
が酸の作用により増大する酸分解性溶解阻止化合物およ
び(d)プロピレングリコールモノアルキルエーテルプ
ロピオネートを含有することを特徴とするポジ型感放射
線性樹脂組成物。 (2)(a)酸により分解し得る基を有し、アルカリ現
像液中での溶解度が酸の作用により増大する樹脂、
(b)活性光線または放射線の照射により酸を発生する
化合物、および(c)プロピレングリコールモノアルキ
ルエーテルプロピオネートを含有することを特徴とする
ポジ型感放射線性樹脂組成物。 (3)(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)活性光線また
は放射線の照射により酸を発生する化合物(1,2−ナ
フトキノンジアジド化合物を除く)(c)プロピレング
リコールモノアルキルエーテルプロピオネートを含有す
ることを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。 (4)プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロ
ピオネートがプロピレングリコールモノメチルエーテル
プロピオネートであることを特徴とする前記(1)、
(2)及び(3)記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。 を要旨とするものである。
【0037】以下本発明を詳細に説明する。前記プロピ
レングリコールアルキルエーテルプロピオネートとして
は、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネー
ト、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネー
トが好ましく、特に、プロピレングリコールメチルエー
テルプロピオネートが好ましい。
【0038】本発明のプロピレングリコールモノアルキ
ルエーテルプロピオネートの量は、レジスト組成物中に
50〜90%である。本発明においては前記プロピレン
グリコールモノアルキルエーテルプロピオネート溶剤を
主に用いることが好ましいが、他の溶媒を溶媒全量の7
0重量%未満、好ましくは50重量%未満、更に好まし
くは30重量%未満の範囲で混合することができる。
【0039】混合できる他の溶媒の具体例としては、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジル
エチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル類、
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテ
ート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキ
シル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸アミル、酪酸
プロピル、酪酸ブチル、安息香酸エチル、蓚酸ジエチ
ル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレ
ン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエス
テル類、メチルエチルケトン、ジ−iso−ブチルケト
ン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ブチ
ルケトン、ジ−iso−プロピルケトン、メチル−n−
アミルケトン、メチル−iso−アミルケトン、3−メ
チル−2−ヘキサノン、4−メチル−2−ヘキサノン、
メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−iso−ヘキシ
ルケトン、4−メチル−2−ヘプタノン、5−メチル−
2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、
2,6−ジメチル−4−ヘプタノン等の脂肪族ケトン
類、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサ
ノン等の脂環式ケトン類、アセチルアセトン、アセトニ
ルアセトン等のジケトン類、1−メトキシ−2−ブタノ
ン、1−エトキシ−2−ブタノン、1−メトキシ−3−
ペンタノン、1−エトキシ−3−ペンタノン、1−メト
キシ−2−ペンタノン、1−エトキシ−2−ペンタノ
ン、4−n−プロポキシ−2−プロパノン、4−iso
−プロポキシ−2−プロパノン、4−メトキシ−2−ブ
タノン、4−エトキシ−2−ブタノン、4−n−プロポ
キシ−2−ブタノン、4−iso−プロポキシ−2−ブ
タノン、5−メトキシ−2−ペンタノン、5−エトキシ
−2−ペンタノン、5−メトキシ−4−メチル−2−ペ
ンタノン、5−メトキシ−3−メチル−2−ペンタノ
ン、5−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−
メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−エトキシ
−4−メチル−2−ペンタノン、4−エトキシ−4−メ
チル−2−ブタノン、4−エトキシ−3−メチル−2−
ブタノン等のケトエール類、4−ヒドロキシ−2−ブタ
ノン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ
−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、
3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3
−メチル−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル
−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペ
ンタノン等のケトール類、ブチルアルコール、n−アミ
ルアルコール、iso−アミルアルコール、ベンジルア
ルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール
等のアルコール類、2−メトキシ酢酸メチル、2−エト
キシ酢酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、
2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロ
ピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3
−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオ
ン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2
−メトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオ
ン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−
エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メ
チル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のモノオキシカ
ルボン酸エステル類、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、アニソール等の芳香族炭化水素類、ピルビン酸メ
チル、ピルビン酸エチル等のジケトン系溶剤、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等の高極性溶剤類を挙げ
ることができる。
【0040】これらの中で3−エトキシプロピオン酸エ
チル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシ
プロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、β−メトキシ
イソ酪酸メチル、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピオン酸イソアミル、酢酸イソアミル、酢酸n
−ブチル、2−ヘプタノン、2−メトキシ−2−メチル
−4−ペンタノン等が特に好ましい。
【0041】本発明で使用されるアルカリ可溶性樹脂と
しては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラック樹
脂、アセトン−ピロガロール樹脂、ポリヒドロキシスチ
レン、部分水素化ポリヒドロキシスチレン樹脂、ハロゲ
ンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒド
ロキシスチレン−スチレン共重合体、ヒドロキシスチレ
ン−N−置換マレイミド共重合体、ポリヒドロキシスチ
レンの一部O−アルキル化物もしくはO−アシル化物、
スチレン−無水マレイン酸共重合体あるいは特願平6−
98671号記載の樹脂やカルボキシル基含有メタクリ
ル系樹脂及びその誘導体が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0042】本発明におけるこれらのアルカリ可溶性樹
脂の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィで測定したポリスチレン換算値)は1000〜1
00000の範囲であることが好ましい。1,000未
満では未露光部の現像後の膜減りが大きく、100,0
00を越えると現像速度が小さくなってしまう。特に好
適なのは2,000〜50000の範囲である。
【0043】本発明に於けるこれらのアルカリ可溶性樹
脂は2種類以上混合して使用しても良い。アルカリ可溶
性樹脂の使用量は、ポジ型感放射線性樹脂組成物の全重
量(溶媒を除く)を基準として、40〜97重量%、好
ましくは50〜90重量%である。本発明に用いる活性
光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以
下、光酸発生化合物と略記する)としては光カチオン重
合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光
消色剤、光変色剤、あるいは公知の光により酸を発生す
る化合物およびそれらの混合物を適宜に選択して使用す
ることができる。
【0044】たとえばS.I.Schlesinge
r,Photogr.Sci.Eng.,18,387
(1974)、T.S.Bal.etal,Polym
er,21,423(1980)、WO91/15,8
07号等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,06
9,055号、同4,069,056号、欧州特許第4
12,457号等に記載のアンモニウム塩、D.C.N
ecker etal,Macromolecule
s,17,2468(1984)、C.S.Wenet
al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curi
ng ASIA,p478 Tokyo,Oct(19
88)、米国特許第4,069,055号、同4,06
9,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Cr
ivelloetal,Macromorecule
s,10(6),1307(1977)、Chem.&
Eng.News,Nov.28,p31(198
8)、欧州特許第104,143号、特開平2−15
0,848号、特開平2−296,514号等に記載の
ヨードニウム塩、S.Hayase etal,J.P
olymer Sci.,25,753(1987)、
E.Reichmanisetal,J.Pholym
er Sci.,Polymer Chem.Ed.,
23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,
J.Photochem.,36,85,39,317
(1987)、B.Amit etal,Tetrah
edron Lett.,(24)2205(197
3)、D.H.R.Barton etal,J.Ch
em Soc.,3571(1965)、P.M.Co
llins etal,J.Chem.Soc.,Pe
rkinI.1695(1975)、M.Rudins
tein etal,Tetrahedron Let
t.,(17),1445(1975)、J.W.Wa
lker etal,J.Am.Chem.Soc.,
110,7170(1988)、S.C.Busman
etal,J.Imaging Technol.,
11(4),191(1985)、H.M.Houli
han etal,Macormolecules,2
1,2001(1988)、P.M.Collins
etal,J.Chem.Soc.,Chem.Com
mun.,532(1972)、S.Hayase e
tal,Macromolecules,18,179
9(1985)、E.Reichmanis eta
l,J.Electrochem.Soc.,Soli
d State Sci.Technol.,130
(6)、F.M.Houlihan etal,Mac
romolcules,21,2001(1988)、
欧州特許第0290,750号、同046,083号、
同156,535号、同271,851号、同0,38
8,343号、米国特許第3,901,710号、同
4,181,531号、特開昭60−198538号、
特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベン
ジル型保護基を有する光酸発生剤、米国特許第5,20
4,217号等に記載の光分解してカルボン酸を発生す
る化合物、M.TUNOOKA etal,Polym
er Preprints Japan,35(8)、
G.Berner etal,J.Rad.Curin
g,13(4)、W.J.Mijsetal,Coat
ing Technol.,55(697),45(1
983),Akzo、H.Adachi etal,P
olymer Preprints,Japan,37
(3)、欧州特許第199,672号、同84,515
号、同44,115号、同101,122号、米国特許
第4,618,564号、同4,371,605号、同
4,431,774号、特開昭64−18143号、特
開平2−245756号、同4−365048号、同3
−223864号、同3−223865号、同3−24
5756号、同4−314055号、同5−19714
9号、特公平5−70814号、欧州特許第383,3
43号、同537,879号、同571,330号等に
記載のスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−16
6544号、特開平2−71270号、同5−2102
39号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−711
39号、同4−210960号、同4−217249
号、特公平3−5739号、同3−6495号、米国特
許第4,735,885号、同5,171,656号、
同4,902,784号、同4,808,512号、同
5,182,185号、同5,039,596号、同
5,158,855号、同5,256,517号、欧州
特許第378,068号、同417,556号、同41
7,557号、同552,548号、同440,375
号、独国特許第4,014,649号、J.Photo
graphic Science Vol.19,88
(1971)等に記載のジアゾ化合物を挙げることがで
きる。
【0045】また、これらの光により酸を発生する基、
あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した
化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et
al,J.Am.Chem.Soc.,104,558
6(1982)、S.P.Pappas etal,
J.Imaging Sci.,30(5),218
(1986)、S.Kondo etal,Makro
mol.Chem.,Rapid Commun.,
9,625(1988)、Y.Yamada eta
l.Makromol.Chem.,152,153,
163(1972)、J.V.Crivello et
al,J.Polymer Sci.,Polymer
Chem.Ed.,17,3845(1979)、米
国特許第3,849,137号、独国特許第3,91
4,407号、特開昭63−26653号、同55−1
64824号、同62−69263号、同63−146
038号、同63−163452号、同62−1538
53号、同63−146029号等に記載の化合物を用
いることができる。
【0046】さらにV.N.R.Pillai,Syn
thesis,(1),1(1980)、A.Abad
etal,Tetrahedron Lett.,
(47)4555(1971)、D.H.R.Bart
on etal,J.Chem.Soc.,(C),3
29(1970)、米国特許第3,779,778号、
欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発
生する化合物も使用することができる。特開昭64−3
5433号、特開平2−18564号、同4−1991
52号、同4−355760号、同5−181264
号、米国特許第5,130,392号、欧州特許第34
2,494号、同342,495号、Proc.ACS
Div.Polymeric Mat.and En
grg.,Vol.61,P278(1989)等に記
載の、酸分解性基及び光酸発生基の両方を有する低分子
化合物又は樹脂を用いてもよい。
【0047】上記光酸発生化合物の中で、特に有効に用
いられるものは、特願平5−54121号、特願平6−
98671号に記載の化合物を挙げることができる。す
なわち、 (1)トリハロメチル基が置換した下記の一般式(1)
で表されるオキサゾール誘導体または一般式(2)で表
されるS−トリアジン誘導体。
【0048】
【化1】
【0049】式中、R1 は置換もしくは未置換のアリー
ル基、アルケニル基、R2 は置換もしくは未置換のアリ
ール基、アルケニル基、アルキル基、−CX3 を示す。
Xは塩素原子または臭素原子を示す。 (2)下記の一般式(3)で表されるヨードニウム塩、
または一般式(4)で表されるスルホニウム塩。
【0050】
【化2】
【0051】ここで式Ar1 、Ar2 は各々独立に置換
もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基と
しては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メルカ
プト基およびハロゲン原子が挙げられる。R3 ,R4
5 は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、
アリール基を示す。好ましくは炭素数6〜14のアリー
ル基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘
導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対
しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のア
ルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基お
よびハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数
1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカ
ルボニル基である。
【0052】Z- は対アニオンを示し、例えばB
4 - 、AsF6 - 、PF6 - 、SbF6 - 、SiF6
2- 、ClO4 - 、CF3 SO3 - 等のパーフルオロア
ルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンス
ルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオ
ン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキ
ノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙
げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0053】またR3 ,R4 ,R5 のうちの2つおよび
Ar1 、Ar2 はそれぞれの単結合または置換基を介し
て結合してもよい。一般式(3)、(4)で示される上
記オニウム塩は公知であり、例えばJ.W.Knapc
zyk etal,J.Am.Chem.Soc.,9
1,145(1969)、A.L.Maycok et
al,J.Org.Chem.,35,2532(19
70)、E.Goethas etal.Bull.S
oc.Chem.Belg.,73,546,(196
4)、H.M.Leicester,J.Ame.Ch
em.Soc.,51,3587(1929)、J.
V.Crivello etal,J.Polym.C
hem.Ed.,18,2677(1980)、米国特
許第2,807,648号および同4,247,473
号、特開昭53−101,331号等に記載の方法によ
り合成することができる。 (3)下記一般式(5)で表されるジスルホン誘導体ま
たは一般式(6)で表されるイミノスルホネート誘導
体。
【0054】
【化3】
【0055】式中Ar3 、Ar4 は各々独立に置換もし
くは未置換のアリール基を示す。R 6 は置換もしくは未
置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしく
は未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン
基を示す。 (4)下記一般式(10)で表されるジアゾ化合物。
【0056】
【化4】
【0057】R7 は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状も
しくは環状のアルキル基、又は置換もしくは非置換のア
リール基もしくはアラルキル基を表す。これらの光酸発
生化合物の添加量は、バインダー100重量部に対し、
通常0.1〜100重量部の範囲で用いられ、好ましく
は0.5〜50重量部、更に好ましくは1.0〜20重
量部の範囲で使用される。光酸発生剤が0.1重量部未
満では十分なパターン形成能を得ることが困難であり、
100重量部を超えると、レジストとしてパターン形成
した際にスカムを生じ易くなる。これらの光酸発生剤は
単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0058】本発明の酸により分解し得る基を有し、ア
ルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する酸
分解性溶解阻止化合物(以下、酸分解性溶解阻止化合物
と略記する)としては、例えば、特公昭48−8900
3号、同60−20738号、同62−39421号、
同63−20325号、特公平5−88833号、特開
昭55−12995号、同62−27829号、同62
−215946号、同62−244038号、同63−
10153号、同64−57258号、特開平1−10
6038号、同1−106040号、同1−10604
1号、同2−51509号、同2−248953号、同
2−177031号、同3−107163号、同3−1
98059号、同4−355761号、同4−3776
0号、同5−19479号、同5−39282号、同5
−127370号、同5−142774号、同5−19
4472号、同5−216235号、同5−24968
1号、同5−341531号、同6−51519号、特
願平4−305929号、同5−51222号、米国特
許第4,250,247号、同5,015,554号、
同5,081,001号、同5,200,529号、同
5,204,216号、同5,210,003号、欧州
特許第249,139号、同475,903号、同52
0,654号、同535,653号、同541,112
号、同558,272号、独国特許第4,005,21
2号、同4,143,081号、同4,207,263
号、Proc.SPIE.920,33(1988)、
Proc.SPIE.920,60(1988)、Pr
oc.SPIE.1672,33(1992)、Pro
c.SPIE.1672,500(1992)等に記載
の酸分解性低分子化合物や、あるいは、特開昭62−2
29242号、同63−36240号、特開平2−18
564号、同2−19847号、同2−25850号、
同3−189652号、同4−211258号、同4−
251259号、同5−66563号、同5−9401
8号、同5−224422号、同5−249682号、
同5−265212号、特公平2−27660号、同5
−19139号、同5−39470号、米国特許第4,
912,018号、同4,931,379号、同4,9
62,171号、同5,120,633号、同5,25
8,257号、欧州特許第472,290号、同55
3,737号等に記載されている樹脂、即ち、酸で分解
し得る基を分子中に有する樹脂、例えば樹脂の主鎖又は
側鎖、もしくは主鎖と側鎖の両方に酸で分解し得る基を
有する樹脂がある。
【0059】これら低分子の酸分解性溶解阻止化合物の
うち、好ましいのは、1個のベンゼン環に酸で分解し得
る基を1個有する構造単位を1分子中に3個以上有し、
且つ、該酸分解性基の間の距離が最も離れた位置におい
て、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも9個、好ま
しくは少なくとも10個、更に好ましくは少なくとも1
1個経由する化合物である。また、上記結合原子の好ま
しい上限は50個、更に好ましくは30個である。
【0060】本発明において、酸分解性溶解阻止化合物
が、1個のベンゼン環に酸分解性基を1個有する構造単
位を1分子中に3個以上、好ましくは4個以上有し、且
つ、該酸分解性基が互いにある一定の距離以上離れてい
る場合、アルカリ可溶性樹脂に対する溶解禁止性が著し
く向上する。なお、酸分解性基間の距離は、酸分解性基
を除く、経由結合原子数で示される。例えば、以下の化
合物(10 )、(20 )の場合、酸分解性基間の距離は
いずれも結合原子4個であり、化合物(30 )では結合
原子12個である。
【0061】
【化5】
【0062】ここで、酸分解性基は、−COO−A0
−O−B0 である。酸分解性溶解阻止化合物の分子量は
3,000以下であり、好ましくは500〜3,00
0、更に好ましくは1,000〜2,500である。酸
で分解し得る基は、−COO−A0 、−O−B0 基であ
り、更に好ましくは、−R0 −COO−A0 、又は−A
R−O−B0 で示される基が挙げられる。
【0063】ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R
03)、−Si(R01)(R02)(R 03)もしくは−C
(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0 は、A0
は−CO−O−A0 基を示す。R01、R02、R03、R04
及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水
素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基
もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基もしくは
アリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2
つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR
04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよ
い。R0 は置換基を有していても良い2価以上の脂肪族
もしくは芳香族炭化水素基を示し、−AR−は単環もし
くは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族
基を示す。
【0064】ここで、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好まし
く、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な
炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基とし
てはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の
様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基とし
てはフェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル
基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜1
4個のものが好ましい。
【0065】また、置換基としては水酸基、ハロゲン原
子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ
基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒド
ロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキ
シ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブト
キシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカ
ルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカル
ボニル基、ベンジル基・フェネチル基・クミル基等のア
ラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチ
ル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレ
リル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ
基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニル
オキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアル
ケニルオキシ基、上記のアリール基、フェノキシ基等の
アリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオ
キシカルボニル基を挙げることができる。
【0066】好ましくは、シリルエーテル基、クミルエ
ステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテ
ル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3
級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル
基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好
ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキル
カーボネート基、クミルエステル基、テトラヒドロピラ
ニルエーテル基である。
【0067】好ましくは、特開平1−289946号、
同2−2560号、同3−128959号、同3−15
8855号、同3−179353号、同3−19135
1号、同3−200251号、同3−200252号、
同3−200253号、同3−200254号、同3−
200255号、同3−259149号、同3−279
958号、同4−1650号、同4−1651号、同4
−11260号、同4−12356号、同4−1235
7号、同4−271349号、同5−158233号、
同5−224409号、同5−257275号、同5−
297581号、同5−297583号、同5−303
199号、同5−303200号、同5−341510
号、同3−191351号、同4−50851号、同5
−265211号、同5−323597号、特願平5−
251781号、同5−251780号、同5−233
537号、同5−85856号、欧州特許第530,1
48号、同528,401号、同555,861号、同
570,884号、同573,056号等の明細書に記
載されたポリヒドロキシ化合物のうち1個のベンゼン環
に1個の水酸基しか持たない化合物で、かつ、化合物の
1分子中に3個以上の水酸基を持つ化合物のフェノール
性OH基の一部もしくは全部を上に示した基、−R0
COO−A0 もしくはB0 基で結合し、保護した化合物
が含まれる。
【0068】より具体的には、下記化合物(1)〜(3
6)が挙げられるが、本発明において使用できる化合物
はこれらに限定されるわけではない。
【0069】
【化6】
【0070】
【化7】
【0071】
【化8】
【0072】
【化9】
【0073】
【化10】
【0074】
【化11】
【0075】
【化12】
【0076】
【化13】
【0077】
【化14】
【0078】化合物(1)〜(36)中のRは、水素原
子、−CH2 −COO−C(CH32 6 5 、−C
2 −COO−C4 9 t 、−COO−C4 9 t 、−
CH(CH3 )−O−C4 9 t もしくは
【0079】
【化15】
【0080】を表す。但し、少なくとも3個は水素原子
以外の基であり、同一分子内において各置換基Rは同一
の基でなくても良い。本発明で用いられる前記酸により
分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸
の作用により増大する樹脂において、酸で分解し得る基
として好ましい基は、前記低分子の酸分解性溶解阻止化
合物と同様であり、酸で分解し得る基が側鎖として結合
する場合の母体樹脂としては、側鎖に−OHもしくは−
COOH、好ましくは−R0 −COOHもしくは−AR
−OH基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、例え
ば、ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシス
チレン、ノボラック樹脂、水素化ノボラック樹脂、アセ
トン−ピロガロール樹脂、ハロゲンもしくはアルキル置
換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−
置換マレイミド共重合体、ポリヒドロキシスチレンの一
部o−アシル化物、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導
体を挙げることができる。
【0081】特に好ましい上記アルカリ現像液中での溶
解度が酸の作用により増大する樹脂は次の一般式で例示
されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】
【化16】
【0083】ここで、 L:−COOA0 、−O−B0 、−(O)n −R0 −C
OO−A0 、−AR−O−B0 (但し、AR、A0 及び
0 は前出の定義と同じ) R1 ,R2 ,R3 ,R5 :それぞれ同一でも異なってい
ても良く、水素原子もしくはC1 〜C4 のアルキル基、 R4 :水素原子、カルボキシル基、シアノ基もしくは置
換アリール基、 R6 :水素原子、シアノ基もしくは−COOR7 、 R7 :C1 〜C10の直鎖・分枝もしくは環状アルキル
基、 R8 〜R9 :水素原子もしくはC1 〜C4 のアルキル
基、 Ar:単環もしくは多環の置換基を有していてもよい1
価の芳香族基、 0<g≦1,0≦h<1,0<g1≦1,0≦h1<
1,0≦i<1、 g+h=1,g1+h1+i=100 を表す。
【0084】より具体的には、下記(37)〜(63)
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0085】
【化17】
【0086】
【化18】
【0087】
【化19】
【0088】前記酸で分解し得る基を有する樹脂は、公
知の方法、例えば、Can.J.Chem.,63巻、
15頁(1985)、欧州特許第254,853号、同
488,748号、同494,792号、同498,6
30号、同517,428号、特開平2−25850
号、同3−223860号、同4−251259号、同
4−350657号、同4−350658号、同4−1
95138号、同5−112606号等に開示されてい
るように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前
駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合
したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共
重合して得ることができる。
【0089】酸で分解し得る基の含有率は、樹脂中の酸
で分解し得る基の数(B)と酸で分解し得る基で保護さ
れていないアルカリ可溶性基の数(S)をもって、B/
(B+S)で表される。含有率は0.01〜0.9、好
ましくは0.01〜0.70、更に好ましくは0.01
〜0.50である。B/(B+S)>0.9ではPEB
後の膜収縮、基板への密着不良やスカムの原因となり好
ましくない。一方、B/(B+S)<0.01では、パ
ターン側壁に顕著に定在波が残ることがあるので好まし
くない。
【0090】酸で分解し得る基を有する上記樹脂の重量
平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000の
範囲であることが好ましい。1,000未満では未露光
部の現像による膜減りが大きく、100,000を越え
るとアルカリ可溶性樹脂自体のアルカリに対する溶解速
度が遅くなり感度が低下してしまう。特に好ましいの
は、2,000〜50,000の範囲である。
【0091】ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をも
って定義される。本発明において、酸で分解し得る基を
有する化合物(前記低分子化合物及び樹脂)は、本発明
のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましく
は1〜100重量部、より好ましくは3〜50重量部の
範囲で使用される。酸で分解し得る化合物の割合が10
0重量部を超えると、レジストの感度が低下し、他方、
1重量部未満では露光部と非露光部の溶解速度差が小さ
くなり、解像力が低下する。
【0092】前記酸分解性溶解阻止化合物及び樹脂を併
用することもできる。また、アルカリ可溶性樹脂を用い
ず、酸分解性基を有する樹脂をそのまま用いることもで
きる。本発明の組成物には必要に応じて、更に溶解促進
剤、酸架橋剤、吸光剤、界面活性剤、接着助剤、保存安
定剤、光増感剤等の各種配合剤を含有させることができ
る。
【0093】本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物にお
いて添加できる溶解促進剤は、主に、アルカリ溶解性を
促進するために添加されるものであり、例えば、ベンゼ
ン環数2〜6程度のフェノール化合物、具体的には、ビ
スフェノールA、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,3,4,3′,4′,5′−ヘキサヒドロキシ
ベンゾフェノン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、4,
4′−(1−α−メチルベンジリデン)ビスフェノー
ル、4,4′−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレ
ン〕ビス〔2−シクロヘキシル−5−メチルフェノー
ル〕、4,4′−シクロペンチリデンビスフェノール、
4,4′−シクロヘキシリデンビス〔2−シクロヘキシ
ルフェノール〕、4,4′,4″−エチリデントリスフ
ェノール、2,6−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)メチル〕−4−メチルフェノール、4,
4′,4″,4′′′−(1,4−フェニリデンジメチ
リデン)テトラキス−フェノール等の化合物、特公昭4
8−12242号に記載の5−メチルベンゾトリアゾー
ル、1,2−ナフトトリアゾール、インダゾール、イミ
ダゾール、4−アザベンツイミダゾール、アザウラシ
ル、キナゾリン、アザシクロノナン−2−オン、インド
ール、6,7−ジヒドロ−5H−ピロテトラゾール、特
公昭56−19619号記載のo−安息香酸スルフイミ
ド、5,5−ジフェニルチオヒダントイン、ヒダントイ
ン、5−メチルチアゾリン−2−チオン、特開昭52−
40125号記載のピコリン酸、ニコチン酸、クマル
酸、クマリン酸、ピクリン酸、特開昭57−20122
9号記載のエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオー
ル等の水溶性多価アルコール類、特開昭61−2199
51号記載の2H−ピリド〔3,2−b〕−1,4−オ
キサジン−3〔4H〕オン、10−ピリド〔3,2−
b〕〔1,4〕−ベンゾチアジン、ウラゾール、ヒダン
トイン、バルビツール酸、グリシン無水物、1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール、アロキサン、マレイミド、等
が挙げられる。
【0094】これらの溶解促進剤は、通常、樹脂100
重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以
下の割合で配合して用いられる。また、遠紫外領域にお
けるレジストの透過率を高める目的で、前記ポリヒドロ
キシ化合物に核水添された化合物、即ち、低分子環状ア
ルコール類を添加しても良い。具体的には、4,4′−
メチレンビスシクロヘキサノール、4,4′−メチレン
ビス(2,6−ジメチルシクロヘキサノール)、4,
4′,4″−メチリデントリスシクロヘキサノール等が
挙げられる。
【0095】本発明の感放射線性樹脂組成物に添加でき
る吸光剤は、基板からのハレーションを防止する目的
や、透明基板に塗布した際の視認性を高める目的で、必
要により添加される。使用できる化合物は、例えば、
「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や、染料便
覧(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例え
ば、C.I.Desperse Yellow 1,
3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,
51,54,56,60,64,66,68,79,8
2,88,90,93,102,114及び124、
C.I.Disperse Orange1,5,1
3,25,29,30,31,44,57,72及び7
3、C.I.Disperse Red1,5,7,1
3,17,19,43,50,54,58,65,7
2,73,88,117,137,143,199及び
210、C.I.Disperse Violet 4
3、C.I.Disperse Blue 96、C.
I.Fluorescent Brightening
Agent 112,135及び163、C.I.S
olvent Yellow 14,16,33及び5
6、C.I.Solvent Orange 2及び4
5、C.I.Solvent Red 1,3,8,2
3,24,25,27及び49、C.I.Pigmen
t Green 10、C.I.Pigment Br
own 2、等を好適に用いることができる。吸光剤は
通常、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、100
重量部以下、好ましくは50重量部以下、更に好ましく
は30重量部以下の割合で配合される。
【0096】さらに、下記に挙げるような分光増感剤を
添加し、使用する光酸発生剤が吸収を持たない遠紫外よ
り長波長領域に増感させることで、本発明の感光性組成
物をiまたはg線に感度を持たせることができる。好適
な分光増感剤としては、具体的にはベンゾフェノン、
p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,
p′−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、2−
クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアン
トラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチ
アジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビ
ン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラ
セン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナント
レン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテ
ン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、
N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリ
ン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、
ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、2−tert−ブチルアントラキノン1,2−ベン
ズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,
9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−
ナフトキノン、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−
ジメトキシカルボニルクマリン)、コロネン、9,10
−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、チオミヒ
ラーケトン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェ
ニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−
ジフェニルサルファイド、2,4−ジエチルチオキサン
トン、2,4−ジクロロチオキサントン及び1−クロロ
−4−プロポキシチオキサントン等であるがこれらに限
定されるものではない。
【0097】本発明の感放射線性樹脂組成物には、ポジ
画像を形成するのに影響の無い範囲で、酸架橋剤を添加
しても良い。架橋剤の添加の目的は、主に、感度調整、
耐熱性の向上、耐ドライエッチング性向上等である。添
加できる架橋剤の例としては、メラミン、ベンゾグアナ
ミン、グリコールウリル等にホルムアルデヒドを作用さ
せた化合物、又はそのアルキル変性物(下記一般式(1
7)〜(20)に示す)や、エポキシ化合物、アルデヒ
ド類、アジド化合物、有機過酸化物、ヘキサメチレンテ
トラミン等を挙げることができる。
【0098】
【化20】
【0099】ここで、 W:−N(CH2 OR14)(CH2 OR15)、R14,R
15は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基、 V:−O−、−CH2 −、=N−R16、−C(R17
(R18)−もしくは単結合、 R10〜R13:水素原子、水酸基、炭素数1〜5のアルキ
ル基もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基、 R16:水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基、 R17〜R18:水素原子、水酸基、炭素数1〜5のアルキ
ル基、を表す。
【0100】具体的には、特開昭59−113435
号、同60−263143号、同62−164045
号、特開平3−75652号、同5−45879号、同
5−224420号等に記載のメラミンにホルムアルデ
ヒドを作用させた化合物又はそのアルキル変性物であ
り、三井サイアナミド社が製造するサイメル300,3
01,303,350,736,738,370,77
1,325,327,703,701,266,26
7,285,232,235,238,1141,27
2,254,202,1156,1158等、三和ケミ
カル社製ニカラックMw30,Mw30M,Mw30H
M,MX45,BX−4000等のシリーズに代表され
る。
【0101】ベンゾグアナミンにホルムアルデヒドを作
用させた化合物又はそのアルキル変性物は、サイメル1
123,1125,1128に代表され、グリコールウ
リルにホルムアルデヒドを作用させた化合物又はそのア
ルキル変性物はサイメル1170,1171,117
2,1174に代表され、尿素にホルマリンを作用させ
た化合物又はそのアルキル変性物は、三井サイアナミッ
ド社製のUFR65,300に代表される。
【0102】エポキシ化合物の例としては、特開平1−
293338号、同3−152543号に記載の化合物
が挙げられ、具体的には、ノボラックエポキシ樹脂(東
都化成社製、YDP N−638,701,702,7
03,704等)、アミンエポキシ樹脂(東都化成社
製、YH−434等)、ビスフェノールAエポキシ樹
脂、ソルビトール(ポリ)グリシジルエーテル、(ポ
リ)グリセロール(ポリ)グリシジルエーテル、ペンタ
エリスリトール(ポリ)グリシジルエーテル、トリグリ
シジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、アリ
ルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシ
ジルエーテル、ラウリルアルコールグリシジルエーテ
ル、アジピン酸グリシジルエーテル、フタル酸グリシジ
ルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジ
ブロモネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、グ
リシジルフタルイミド、(ポリ)エチレングリコールグ
リシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ブチルグ
リシジルエーテル等を挙げることができる。
【0103】アルデヒド類としては、特開平3−185
449号、同4−143761号に記載のテレフタルア
ルデヒド、トリオキサン等の化合物が用いられる。更
に、特開平3−107162号、特公平5−23429
号、欧州特許第543,761号等に記載の光及び/又
は熱重合性基、例えば、−CH=CH2 基、−OCH2
−CH=CH2 基、−O−CH2 OCH3 基、−O−C
(=O)−CH2 CH=CH2 基、−CH2 −O−C
(=O)CH3 基、(−C(=O)−)2 N−CH 2
CH=CH2 基、等を有する化合物を用いても良い。
【0104】更に、独国特許第4,038,711号、
米国特許第5,019,481号に記載のメチロール誘
導体、特開平5−45878号、同5−134412号
に記載のメチロール誘導体、特公平1−49932号、
英国特許第2,082,339号に記載のレゾール樹脂
のように樹脂化されたもの、特開平5−281715号
に記載のオキサゾリンもしくはオキサジン誘導体、特開
平2−154266号、同2−173647号に記載の
シラノール基を有する化合物を用いることもできる。
【0105】特開昭63−191142号に記載された
ような公知のアジド化合物、例えば、1−アジドピレ
ン、p−アジドベンゾフェノン、4′−メトキシ−4−
アジドジフェニルアミン、4−アジドベンザル−2′−
メトキシアセトフェノン、4−アジド−4′−ニトロフ
ェニルアゾベンゼン、4,4′−ジアジドベンゾフェノ
ン、4,4′−ジアジドベンゾメタン、4,4′−ジア
ジドスチルベン、4,4′−ジアジドカルコン、4,
4′−ジアジドジフェニルスルホン、3,4′−ジアジ
ドジフェニルスルホン、3,3′−ジアジドジフェニル
スルホン、2,6′−ジ(4′−アジドベンザル)シク
ロヘキサン、2,6−ジ(4′−アジドベンザル)−4
−メチルシクロヘキサン、スルホニルアジドベンゼン、
p−スルホニルアジドトルエン、p−ビス(スルホニル
アジド)ベンゼン、4,4′−ビス(スルホニルアジ
ド)ベンゾフェノン、4−アジドベンザルアセトフェノ
ン、4−アジドベンザルアセトン、2,6−ビス(4′
−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4′−ジア
ジドジフェニルメタン、4,4′−ジアジドジフェニル
エーテル、4,4′−ジアジドジフェニルスルフィド、
3−(4−アジドスチリル)−5,5−ジメチル−2−
シクロヘキセン−1−オン、1−アジピレン等を用いて
もよい。
【0106】これらの架橋剤の中で好ましい化合物とし
ては、メラミン−ホルムアルデヒド、ベンゾグアナミン
−ホルムアルデヒド、グリコールウリル−ホルムアルデ
ヒド樹脂、それらの単量体もしくはオリゴマーが挙げら
れる。これらの架橋剤は、全光酸発生剤に対して、10
重量%未満、好ましくは5重量%未満の割合で用いる。
架橋剤の量が10重量%を超えると感度が低下し、スカ
ム(レジスト残渣)が生じるようになり好ましくない。
【0107】特許請求範囲第1項〜第2項記載の本発明
の化学増幅型ポジ型レジスト組成物に関し、露光から現
像迄の時間、雰囲気等により、線幅が変化したり、T型
断面形状及び橋架け現象によりパターン形状が劣化す
る、いわるる遅延時間効果を改良する目的で添加剤をさ
らに配合できる。この遅延時間効果を改良するための特
に有効な安定剤としては、例えば、特開昭63−149
640号、特開平3−241354号、同5−2327
06号、同5−249683号等に記載の塩基性化合
物、特開平5−165219号、同5−173333号
に記載の包接化合物、特開平6−11835号、Pro
c.SPIE Vol.1925,76(1993)に
記載の露光により塩基性を失う塩基性物質、特開昭63
−149639号に記載の加水分解により塩基を生成す
る化合物、特開平4−248554号に記載の酸存在下
で水又は強いアニオノイド性物質と反応する有機化合
物、Proc.SPIE Vol.1672,46(1
992)に記載のカルボン酸誘導体、スルホン酸エステ
ル、ジスルホン化合物、特開平6−242406、特開
平6−242605記載の強塩基性化合物等が挙げられ
る。
【0108】更に必要に応じて、光塩基発生剤、熱塩基
発生剤等を添加してもよい。光塩基発生剤としては、例
えば、特開平4−162040号、J.Org.Che
m.Vol.55,5919(1990)、J.Pho
topolym.Sci.Tech.,Vol.3,N
o.3,419(1990)等に記載される化合物、具
体的には、ベンゾインシクロヘキシルカルバメート、2
−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、3,5
−ジメトキシベンジルシクロヘキシルカルバメート、N
−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルフォンアミ
ド、N−シクロヘキシル−2−ナフチルスルフォンアミ
ド、3−ニトロフェニルシクロヘキシルカルバメート、
トリフェニルメタノール、トリ(4−クロロフェニル)
メタノール等が挙げられる。
【0109】熱塩基発生剤としては、例えば、特開平5
−158242号に記載の化合物を挙げることができ
る。これらの安定剤は、全光酸発生剤に対して好ましく
は50重量%未満、更に好ましくは30重量%未満の割
合で配合される。50重量%以上添加すると、感度低
下、レジストプロファイルの悪化、解像力の低下等の現
象が生ずることがあるため、好ましくない。
【0110】基板とレジストとの密着性を向上させ、特
にエッチング工程においてレジストが剥離しないように
するために、密着向上剤を添加してもよい。密着向上剤
としては、例えば、特開昭51−52002号、同53
−39115号に記載の化合物、即ち、トリメチルクロ
ロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェ
ニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン
等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラ
ン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N′−ビス(トリ
メチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミ
ン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビ
ニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン
類、特開昭62−262043号に記載のベンゾトリア
ゾールカルボン酸類、特開平2−84654号に記載の
尿素化合物、チオ尿素化合物、アリールアミン化合物等
を挙げることができる。これらの密着向上剤は、バイン
ダーに対し、通常10重量%未満、好ましくは5重量%
未満の割合で配合される。
【0111】本発明ポジ型感放射線性樹脂組成物には、
ストリエーション等の塗布性を向上させるために、界面
活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチル
フェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
ブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエ
ート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪
酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオ
キシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系
界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF
352(新秋田化成(株)製)、メガファックF17
1,F173(大日本インキ(株)製)、フロラードF
C430,FC431(住友スリーエム(株)製)、ア
サヒガードAG710,サーフロンS−382,SC1
01,SC102,SC103,SC104,SC10
5,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活
性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化
学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸
系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄
社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。こ
れらの中、フッ素系及びシリコン系の界面活性剤が特に
好ましい。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組
成物中の固形分100重量部当たり、通常、2重量部以
下、好ましくは1重量部以下である。
【0112】これらの界面活性剤は単独で添加してもよ
いし、また、いくつかの組み合わせで添加することもで
きる。本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、上記各
成分をプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオ
ネートに溶かして支持体上に塗布する。上記感光性組成
物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板
(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、ガラス基板、I
TO基板等の透明基板)上にスピナー、コーター等の適
当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光
し、ベーク(PEB)を行い現像することにより良好な
レジストパターンを得ることができる。
【0113】本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物の現
像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、
n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチ
ルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジ
メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン
等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の
環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することがで
きる。これらの現像液の中で、特に好ましいのは第4級
アンモニウム塩、更に好ましいのはテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、コリンである。
【0114】これらアルカリ水溶液のアルカリ濃度は、
0.001〜1Nが好ましく、更に好ましくは0.01
〜0.5N、特に好ましくは0.05〜0.3Nであ
る。更に上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活
性剤を適量添加して使用することもできる。
【発明の効果】本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物
は、安全性及び塗布性能に優れ、また溶液の保存安定性
が優れているので、保存中に感光剤の微粒子の析出や分
解等が起きず、しかも、感度、解像力、プロファイル、
耐熱性などに優れている。以下、本発明を実施例により
更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定
されるものではない。
【0115】
【実施例】
合成例1 ノボラック樹脂の合成 m−クレゾール40g、p−クレゾール60g、37%
ホルマリン水溶液49g、及びシュウ酸0.13gを3
つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら100℃迄昇温し
15時間反応させた。その後、温度を200℃迄上げ、
徐々に5mmHgまで減圧して、水、未反応のモノマ
ー、ホルムアルデヒド、シュウ酸等を除去した。次い
で、溶融したアルカリ可溶性ノボラック樹脂を室温に戻
して回収した。得られたノボラック樹脂は、数平均分子
量1670、重量平均分子量7100、軟化点は142
℃であった。 合成例2 水素添加ノボラック樹脂の合成 m/p(50/50)クレゾールノボラック樹脂50g
とエタノール450gをオートクレーブに仕込み、よく
混合して重合体を溶解させた。次いでラネーニッケル
6.0gを添加し、系内を窒素置換した後、20℃に保
ちながら水素圧を50kg/cm2 かけ、30分保っ
た。その後、このオートクレーブを50℃の温浴槽に漬
け、3時間反応させた。反応後の溶液からラネーニッケ
ルを濾別し、反応溶液を水中に投入して重合体を析出さ
せた。更に得られた重合体をジオキサンに溶解し、36
時間凍結乾燥を行い、乾燥重合体40gを得た。上記水
素添加ノボラック樹脂の重量平均分子量は5800、核
磁気共鳴スペクトル(NMR)測定の結果、水素添加率
は35%であった。 合成例3 光酸発生剤(PAG−1)の合成 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム2水塩11.8g
を水20mlに溶解させ、これにα−ナフタレンスルホ
ン酸クロリド11.3gを加え室温にて24時間攪拌反
応させた。これに水250mlを加え、沈殿物を濾集
し、ベンゼン、エタノール混合溶媒により再結晶し、α
−ナフチル−p−メチルフェニルジスルホン(PAG−
1)6.5gを得た。 合成例4 光酸発生剤(PAG−2)の合成 ジフェニルヨードニウム過塩素酸塩36gを水500g
に溶解した水溶液に、攪拌下、9,10−ジメトキシア
ントラセン−2−スルホン酸ナトリウム34gを水50
0gに溶解した水溶液を徐々に滴下した。次いで、混合
物を2時間攪拌して、生成物の沈殿を生ぜしめた。生成
物を濾過し、水200gで洗浄した。次いで、塩を40
℃で減圧下で乾燥し、51gのジフェニルヨードニウム
・9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸
塩(PAG−2)を得た。 合成例5 光酸発生剤(PAG−3)の合成 シクロヘキシルチオール20.2g(0.17モル)
に、水酸化カリウム12.0g(0.21モル)のエタ
ノール溶液を滴下し、30℃で30分間攪拌した。次い
で、ジクロルメタン18.2g(2.14モル)を注入
し、50℃で6時間反応させた。室温で一夜放置後、反
応液にエタノール55gを加え、反応液を希釈し、タン
グステン酸ナトリウム400mgを添加した後、30%
過酸化水素水50g(0.44モル)を45〜50℃で
滴下し、50℃で4時間反応させた。反応後、反応液に
水200mlを加え、室温下で一夜放置し、析出物を濾
過、水洗、乾燥して得た粗結晶20gをエタノールより
再結晶してPAG−3を14g得た。
【0116】
【化21】
【0117】合成例6 光酸発生剤(PAG−4)の合
成 ホウ水素化ナトリウム11.0gを0.2N水酸化ナト
リウム160mlに室温で溶解させて得た溶液を、2,
6−ジニトロベンズアルデヒド100gのメタノール溶
液に滴下した。この反応混合物を室温で30分間攪拌し
た。その後、メタノールを留去し、残留水をジエチルエ
ーテルで数回抽出した。このエーテル洗浄液を無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、濾過した。減圧下でロータリー
エバポレーターにより溶剤を除去した後、残留物をクロ
ロホルム/四塩化炭素溶液から3回再結晶させ、2,6
−ジニトロベンジルアルコール90.2gを得た。2,
6−ジニトロベンジルアルコール20gとp−トルエン
スルホニルクロリド23.7gをアセトン150mlに
溶解させて、溶液を調製した。これにジシクロヘキシル
アミン2.25mlのアセトン溶液を滴下し、25℃で
24時間攪拌した。その後、反応混合物を前記2,6−
ジニトロベンジルアルコールと同様の手順で処理し、再
結晶後、2,6−ジニトロベンジルトシレート(PAG
−4)22.3gを得た。
【0118】
【化22】
【0119】合成例7 光酸発生剤(PAG−5)の合
成 ピロガロール12.4gをピリジン63.2gに溶解
し、攪拌しながらメタンスルホニルクロリド42.3g
をゆっくり滴下し、70℃で更に3時間反応させた。反
応液を水に投入し、析出物を濾過、水洗後、真空乾燥し
てメタンスルホン酸エステル(PAG−5)32.8g
を得た。
【0120】
【化23】
【0121】合成例8 光酸発生剤(PAG−6)の合
成 Org.Syn.,Vol.59.No.95(197
9)に記載の方法に従い、α−ヒドロキシイミノベンジ
ルシアニドを合成し、これを40g(0.28モル)、
塩化メチレン600ml及びトリエチルアミン39ml
(0.3モル)を3つ口フラスコに仕込んだ。この溶液
にp−トルエンスルホニルクロリド53.0g(0.2
8モル)を0℃で徐々に滴下した。その後、25℃で1
2時間攪拌し、水750mlを反応混合物に加え、有機
層を分離し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤
を減圧下で留去し、酢酸エチル/ヘンサンで再結晶さ
せ、O−(p−トルエンスルホニル)−α−ヒドロキシ
イミノベンジルシアニド(PAG−6)39gを得た。
【0122】
【化24】
【0123】合成例9 光酸発生剤(PAG−7)の合
成 シクロヘキサンジオキシム0.1モル、ピリジン0.2
モル、乾燥したテトラヒドロフラン100mlをフラス
コに仕込み、室温下で、攪拌しながらメタンスルホン酸
クロライド0.18モルを加えた。5時間攪拌後、テト
ラヒドロフランを留去し、水中に生成物を投入した。エ
チルエーテルで反応物を抽出し、得られた粗生成物を蒸
留により回収し、光酸発生剤(PAG−7)を得た。
【0124】
【化25】
【0125】合成例10 溶解阻止剤化合物の合成 α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン20gをテトラ
ヒドロフラン400mlに溶解した。この溶液に窒素雰
囲気下でtert−ブトキシカリウム14gを加え、室
温にて10分間攪拌後、ジ−tert−ブチルジカーボ
ネート29.2gを加えた。室温下、3時間反応させ、
反応液を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル層を更に水洗浄し、乾燥させた後溶媒を留去
した。得られた結晶性の固体を再結晶後(ジエチルエー
テル)、乾燥させ、化合物例(19:Rは全てt−BO
C基)25.6gを得た。 合成例11 溶解阻止剤化合物の合成 α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン20gをジエチ
ルエーテル400mlに溶解した。この溶液に窒素雰囲
気下で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン31.6g、触
媒量の塩酸を加え、リフラックス下24時間反応させ
た。反応終了後、少量の水酸化ナトリウムを加え濾過し
た。濾液の溶媒を留去し、得られた生成物をカラムクロ
マトグラフィーで精製し、乾燥させ、化合物例(19:
Rは総てTHP基)を得た。 合成例12 溶解阻止剤化合物の合成 α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン19.2g
(0.040モル)のN,N−ジメチルアセトアミド1
20ml溶液に、炭酸カリウム21.2g(0.15モ
ル)、更にブロモ酢酸t−ブチル27.1g(0.14
モル)を添加し、120℃にて7時間攪拌した。その後
反応混合物を水1.5リットルに投入し、酢酸エチルに
て抽出した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、抽出液を濃
縮し、カラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、
展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7(体積
比))にて精製した結果淡黄色粘稠固体30gを得た。
NMRにより、これが化合物例(19:Rは総て−CH
2 COOC4 9 t 基)であることを確認した。 合成例13 溶解阻止剤化合物の合成 1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)
エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシ
フェニル)エチル〕ベンゼン42.4g(0.10モ
ル)をN,N−ジメチルアセトアミド300mlに溶解
し、これに炭酸カリウム49.5g(0.35モル)、
及びブロモ酢酸クミルエステル84.8g(0.33モ
ル)を添加した。その後、120℃にて7時間攪拌し
た。反応混合物をイオン交換水2リットルに投入し、酢
酸にて中和した後、酢酸エチルにて抽出した。酢酸エチ
ル抽出液を濃縮し、合成例12と同様に精製し、化合物
例(9:Rは総て−CH2 COOC(CH3 2 6
5 基)70gを得た。 合成例14 溶解阻止剤化合物の合成 α,α,α′,α′,α″,α″−ヘキサキス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3,5−トリエチルベンゼン
14.3g(0.020モル)のN,N−ジメチルアセ
トアミド120ml溶液に、炭酸カリウム21.2g
(0.15モル)、更にブロモ酢酸t−ブチル27.1
g(0.14モル)を添加し、120℃にて7時間攪拌
した。その後、反応混合物を水1.5リットルに投入
し、酢酸エチルにて抽出した。硫酸マグネシウムにて乾
燥後、抽出液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(担
体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン
=2/8(体積比))にて精製した結果、淡黄色粉体2
4gを得た。NMRにより、これが化合物例(35:R
は総て−CH2 −COO−C4 9 t 基)であることを
確認した。 合成例15 溶解阻止剤化合物の合成 α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン20g(0.0
42モル)をテトラヒドロフラン(THF)400ml
に溶解した。この溶液に窒素雰囲気下でt−ブトキシカ
リウム9.3g(0.083モル)を加え、室温にて1
0分間攪拌後、ジ−t−ブチルジカーボネート19.5
g(0.087モル)を加えた。室温下、3時間反応さ
せ、反応液を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出し
た。
【0126】酢酸エチル抽出液を濃縮し、カラムクロマ
トグラフィー(担体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチ
ル/n−ヘキサン−1/5(体積比))にて分別精製し
た結果、化合物例(19:2個のRはt−BOC基、1
個のRは水素原子)7gを得た。 合成例16 溶解阻止剤化合物の合成 α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン48.1g
(0.10モル)をジメチルアセトアミド300mlに
溶解し、これに炭酸カリウム22.1g(0.16モ
ル)、及びブロモ酢酸t−ブチル42.9g(0.22
モル)を添加した。その後、120℃にて5時間攪拌し
た。反応混合物をイオン交換水2リットルに投入し、酢
酸にて中和した後、酢酸エチルで抽出した。
【0127】酢酸エチル抽出液を濃縮し、カラムクロマ
トグラフィー(担体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチ
ル/n−ヘキサン=1/5(体積比))にて分別精製し
た結果、化合物例(19:2個のRは−CH2 −COO
−C4 9 t 基、1個のRは水素原子)10gを得た。 合成例17 合成例16と同様にして、下記化合物(70)を得た。 合成例18 〔酸で分解し得る基を有する樹脂の合成:〕 (1)p−tert−ブトキシスチレン17.6gに触
媒量の2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを添加し
て、トルエン溶剤中、窒素雰囲気下、80℃で6時間重
合反応させた。反応液を冷却後、メタノール中に注入し
て晶析させ、析出晶を濾取し、メタノール洗浄、減圧乾
燥してポリ(p−tert−ブトキシスチレン)の白色
粉末15.5gを得た。重量平均分子量は12,400
であった。 (2)このポリ(p−tert−ブトキシスチレン)の
白色粉末15.0gを1,4−ジオキサンに溶解させ、
濃塩酸10mlを加えて攪拌還流を2.5時間行い、冷
却後、反応液を水中に注入して晶析させ、析出晶を濾
取、水洗、減圧乾燥してポリ(p−tert−ブトキシ
スチレン−p−ヒドロキシスチレン)の白色粉末9gを
得た。得られた重合体のp−tert−ブトキシスチレ
ン単位とp−ヒドロキシスチレン単位の比は、 1HNM
R測定により1:3であり、重量平均分子量は9,80
0であった。 合成例19 〔酸で分解し得る基を有する樹脂の合成:〕ポリ(p−
ヒドロキシスチレン)(重量平均分子量9,600)9
gをジメトキシエタン100mlに溶解させ、次いで、
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン12.6gと硫酸0.
5mlを加え30〜40℃で15時間攪拌した。反応
後、反応液を減圧濃縮し、残渣を炭酸ナトリウムで中和
し、水中に注入、晶析させ、析出晶を濾取、水洗、減圧
乾燥してポリ(p−テトラヒドロピラニルオキシスチレ
ン−p−ヒドロキシスチレン)の白色粉末11.0gを
得た。得られた重合体のp−テトラヒドロピラニルオキ
シスチレン単位とp−ヒドロキシスチレン単位の比は 1
HNMR測定により3:7であった。 実施例1 丸善石油化学製マルカリンカーM 100重量部と合成
例13で得られた溶解阻止剤35重量部、合成例3で得
られた光酸発生剤(PAG−1)4重量部、フッ素系界
面活性剤「フローラードFC−430」(フロロケミカ
ル−住友スリーエム製)0.05重量部をプロピレング
リコールメチルエーテルプロピオネート(沸点160
℃)410重量部に溶解し、ポアサイズ0.10μmの
ポリテトラフルオロエチレン製のミクロフィルターを用
いて濾過し、ポジ型感放射線性樹脂組成物を調整した。
【0128】このレジスト組成物をキャノン社製塗布機
CDR−650を用いて6インチシリコンウエハー上に
塗布し、120℃、60秒間真空吸着式ホットプレート
で乾燥して、膜厚0.83μmのレジスト膜を得た。こ
のレジスト膜表面を光学顕微鏡によって観察し、塗れ残
り及びストリエーションの発生を調べたが、いづれも認
められなかった。また、レジスト膜の表面粗さ(塗布均
一性)をアルファステップ−100(TENCOR社
製)で54ポイント測定したところσ値は20Å(オン
グストローム)と小さかった。
【0129】また、調製したフォトレジスト組成物を4
0℃で1ケ月間恒温に保ち、析出物の発生の経時試験
(保存安定性試験I)を行った。経時試験における析出
物の確認は組成物の液中の微粒子数を自動微粒子計測器
(リオン社製KL−21型)で測定した。(保存安定性
試験I) 加熱保持前は、0.30μ以上の粒子数が4ケ/mlで
あり、加熱保持後は5ケ/mlであった。
【0130】一方、調製したレジスト組成物を150m
lのビーカーに移し、25℃において開放状態で24時
間静置し、水分含有率をカールフィッシャー測定器によ
り求めた。開始時は0.10重量%であり、24時間後
は、0.15%であり、吸湿性に優れることがわかっ
た。さらに、レジストの性能を調べるために、上記シリ
コンウエハー上に塗布し、ベーキングされたレジスト膜
をKrFエキシマレーザーステッパー(NA=0.5
5)を用いて露光し、直ちに90℃の真空吸着型ホット
プレートで60秒間加熱(PEB)を行い、2.38%
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMA
H)水溶液に60秒間浸漬し、30秒間純水でリンスし
て乾燥した。このようにして得られたシリコンウエハー
上のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストの
プロファイルを評価した。その結果を表4に示す。
【0131】また、遅延時間効果を調べるためにKrF
エキシマレーザーステッパー(NA=0.55)を用い
て露光し、露光後、塩基等のコンタミのない雰囲気下
で、1時間放置し、90℃の真空吸着型ホットプレート
で60秒間加熱を行い、2.38%テトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液に60秒
間浸漬し、30秒間純水でリンスして乾燥した。このよ
うにして得られたシリコンウエハー上のパターンを観察
し、評価した。結果を表−4に示す。
【0132】感度は0.40μのマスクパターンを再現
する露光量の逆数をもって定義し、比較例1の感度に対
する相対値で示した。解像力は基準マスクサイズ0.4
μmを再現する露光量における限界解像力を表す。レジ
ストの形状は、0.40μmのレジストパターン断面に
おけるレジスト壁面とシリコンウエハーの平面のなす角
(Θ)で表した。
【0133】耐熱性は、レジストがパターン形成された
シリコンウエハーをホットプレート上で4分間ベーク
し、そのパターンの変形が起こらない温度を示した。遅
延時間効果の試験において、解像力は露光後直ちにPE
Bを行った場合と同じ露光量における限界解像力を表
す。レジスト形状は、0.50μmのレジストパターン
断面において、T型断面形状及び橋架け現象がひどく観
察されたものを×、やや観察されたものを△、観察され
なかったものを○で示した。
【0134】これから判るように本発明の溶剤を用いた
レジスト組成物は、従来より知られている溶剤に比べて
優れた性能を有することがわかった。また25℃で3ケ
月間、レジスト組成物を放置し感度を測定し、調製直後
のものの感度と比較して差異の有無を調べたが(保存安
定性試験II)、感度差は1%以下であった。(表−
3) <実施例2〜9>表−1,2に示す処方に従がい、実施
例1と同様にしてポジ型感放射線性樹脂組成物を調整
し、同様にして評価した。結果を表−3,−4に示す。 <比較例1〜4>表−1,−2に示す処方に従がい、実
施例1と同様にしてポジ型感放射線性樹脂組成物を調整
し、同様にして評価した。
【0135】結果を表−3,4に示す。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】
【表4】
【0140】
【表5】
【0141】これから判るように本発明の溶剤を用いた
レジストは、従来より知られている溶剤に比べて優れた
性能を有することがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/033 G03F 7/033 H01L 21/027 H01L 21/30 502R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルカリ可溶性樹脂、(b)活性
    光線または放射線の照射により酸を発生する化合物、
    (c)酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中
    での溶解度が酸の作用により増大する酸分解性溶解阻止
    化合物および(d)プロピレングリコールモノアルキル
    エーテルプロピオネートを含有することを特徴とするポ
    ジ型感放射線性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)酸により分解し得る基を有し、ア
    ルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する樹
    脂、(b)活性光線または放射線の照射により酸を発生
    する化合物、および(c)プロピレングリコールモノア
    ルキルエーテルプロピオネートを含有することを特徴と
    するポジ型感放射線性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)アルカリ可溶性樹脂、(b)活性
    光線または放射線の照射により酸を発生する化合物
    (1,2−ナフトキノンジアジド化合物を除く)(c)
    プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネ
    ートを含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 プロピレングリコールモノアルキルエー
    テルプロピオネートがプロピレングリコールモノメチル
    エーテルプロピオネートであることを特徴とする請求項
    1、2及び3記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10312056A (ja) * 1997-05-13 1998-11-24 Fuji Photo Film Co Ltd 感光感熱性組成物
US6280902B1 (en) 1999-06-03 2001-08-28 Sumitomo Chemical Company, Limited Positive working photoresist compositions comprising a nitrogen-containing cyclic compound
JP2002099088A (ja) * 2000-09-26 2002-04-05 Yasuhiko Shirota 感放射線性組成物
JP2002099089A (ja) * 2000-09-26 2002-04-05 Yasuhiko Shirota 感放射線性組成物
WO2008078622A1 (ja) * 2006-12-27 2008-07-03 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. ポジ型平版印刷版材料及びそれを用いた平版印刷版の作製方法

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