JPH0826218B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物Info
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- JPH0826218B2 JPH0826218B2 JP62222529A JP22252987A JPH0826218B2 JP H0826218 B2 JPH0826218 B2 JP H0826218B2 JP 62222529 A JP62222529 A JP 62222529A JP 22252987 A JP22252987 A JP 22252987A JP H0826218 B2 JPH0826218 B2 JP H0826218B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリアミド樹脂組成物に関するものであり、
更に詳しくは絶乾時の衝撃強度、剛性などの機械的性質
がすぐれ、且つ吸水による剛性低下、寸法変化が小さ
く、更に無機金属塩などの化学薬品に対する耐性のすぐ
れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
更に詳しくは絶乾時の衝撃強度、剛性などの機械的性質
がすぐれ、且つ吸水による剛性低下、寸法変化が小さ
く、更に無機金属塩などの化学薬品に対する耐性のすぐ
れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術> ポリアミド樹脂は強度、剛性、耐衝撃性、耐摩耗性な
どの機械的性質がすぐれ、耐熱性、成形加工性も良好な
ために、自動車部品、電気部品、一般機械部品など種々
の用途に使用されている。しかしポリアミド樹脂は吸水
により、強度、剛性の低下や成形品の寸法変化を起こし
たり、また特定の無機金属塩との接触下においてクラツ
クを発生するなどの欠点がある。このようなポリアミド
樹脂の欠点を改良するために、ポリアミド樹脂に疎水性
のポリプロピレンを添加する試みがこれまでにもいくつ
かなされている。特にポリアミドとポリプロピレンの混
合分散性を上げるために、特殊なシラン化合物で変性し
たポリプロピレンを用いる方法(たとえば特開昭52−45
653号公報)、分散性向上剤としてアイオノマー樹脂を
添加する方法(たとえば特公昭60−34986号公報)、無
水マレイン酸などをグラフトした変性ポリプロピレンを
用いる方法(たとえば特開昭60−170665号公報)などが
開示されている。
どの機械的性質がすぐれ、耐熱性、成形加工性も良好な
ために、自動車部品、電気部品、一般機械部品など種々
の用途に使用されている。しかしポリアミド樹脂は吸水
により、強度、剛性の低下や成形品の寸法変化を起こし
たり、また特定の無機金属塩との接触下においてクラツ
クを発生するなどの欠点がある。このようなポリアミド
樹脂の欠点を改良するために、ポリアミド樹脂に疎水性
のポリプロピレンを添加する試みがこれまでにもいくつ
かなされている。特にポリアミドとポリプロピレンの混
合分散性を上げるために、特殊なシラン化合物で変性し
たポリプロピレンを用いる方法(たとえば特開昭52−45
653号公報)、分散性向上剤としてアイオノマー樹脂を
添加する方法(たとえば特公昭60−34986号公報)、無
水マレイン酸などをグラフトした変性ポリプロピレンを
用いる方法(たとえば特開昭60−170665号公報)などが
開示されている。
<本発明が解決しようとする問題点> しかし、上記の従来公知技術を用いて製造されたポリ
アミド樹脂組成物はいずれもポリアミドの吸水性の低減
には一応効果はあるものの、衝撃強度が低く、また成形
品表面の外観が悪いなどの問題点があり、実用的見地か
らすれば特性は未だ不満足である。従つてポリアミド本
来のすぐれた強度、耐摩耗性、耐熱性を保持し、且つ吸
水による物性や寸法の変化がなく、高い耐衝撃性と良好
な成形品表面外観を有する真に実用価値の高いポリアミ
ド系材料は未だ得られていないのが現状である。
アミド樹脂組成物はいずれもポリアミドの吸水性の低減
には一応効果はあるものの、衝撃強度が低く、また成形
品表面の外観が悪いなどの問題点があり、実用的見地か
らすれば特性は未だ不満足である。従つてポリアミド本
来のすぐれた強度、耐摩耗性、耐熱性を保持し、且つ吸
水による物性や寸法の変化がなく、高い耐衝撃性と良好
な成形品表面外観を有する真に実用価値の高いポリアミ
ド系材料は未だ得られていないのが現状である。
そこで本発明者らは上記諸要求性能を全て満足できる
ポリアミド系材料を得るべく鋭意検討したところ、ポリ
アミド樹脂にポリプロピレンと特定のエチレン/α−オ
レフイン共重合体との混合物に特定のα・β−不飽和カ
ルボン酸又はその誘導体をグラフト反応せしめることに
よつて得られる変性ポリオレフインを添加配合して得ら
れる樹脂組成物が上記の諸要求特性を全て満足する極め
て実用価値の高い材料であることを見い出し、本発明に
到達した。
ポリアミド系材料を得るべく鋭意検討したところ、ポリ
アミド樹脂にポリプロピレンと特定のエチレン/α−オ
レフイン共重合体との混合物に特定のα・β−不飽和カ
ルボン酸又はその誘導体をグラフト反応せしめることに
よつて得られる変性ポリオレフインを添加配合して得ら
れる樹脂組成物が上記の諸要求特性を全て満足する極め
て実用価値の高い材料であることを見い出し、本発明に
到達した。
<問題点を解決するための手段> すなわち本発明は、(A)ポリアミド樹脂95〜50重量
%および(B)ポリプロピレン95〜60重量%とエチレン
/(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体5〜40重
量%との混合物に該混合物100重量部に対し0.05〜5重
量部のα・β−不飽和カルボン酸および/またはその誘
導体をグラフト反応せしめることにより得られる変性ポ
リオレフイン5〜50重量%からなることを特徴とするポ
リアミド樹脂組成物を提供するものである。
%および(B)ポリプロピレン95〜60重量%とエチレン
/(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体5〜40重
量%との混合物に該混合物100重量部に対し0.05〜5重
量部のα・β−不飽和カルボン酸および/またはその誘
導体をグラフト反応せしめることにより得られる変性ポ
リオレフイン5〜50重量%からなることを特徴とするポ
リアミド樹脂組成物を提供するものである。
本発明で用いられる(A)成分のポリアミドは、アミ
ノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸を主
たる構成成分とするポリアミドである。構成成分の具体
例を挙げるとε−カプロラクタム、エナントラクタム、
ω−ラウロラクタムなどのラクタム、ε−アミノカプロ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸
などのアミノ酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−
キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、ビス−p−アミノシクロヘキシル
メタン、ビス−p−アミノシクロヘキシルプロパン、イ
ソホロンジアミンなどのジアミン、アジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸があ
る。これらの構成成分は単独あるいは二種以上の混合物
の形で重合に供され、そうして得られるポリアミドホモ
ポリマ、コポリマいずれも本発明で用いることができ
る。特に本発明で有用に用いられるポリアミドはポリカ
プロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド(ナイロン6T)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、そしてこれ
らポリアミドの共重合体および混合物である。ここで用
いられるポリアミドの重合度については特に制限なく1
%濃硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.5〜5.0の範囲
内にあるものを任意に用いることができる。
ノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸を主
たる構成成分とするポリアミドである。構成成分の具体
例を挙げるとε−カプロラクタム、エナントラクタム、
ω−ラウロラクタムなどのラクタム、ε−アミノカプロ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸
などのアミノ酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−
キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、ビス−p−アミノシクロヘキシル
メタン、ビス−p−アミノシクロヘキシルプロパン、イ
ソホロンジアミンなどのジアミン、アジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸があ
る。これらの構成成分は単独あるいは二種以上の混合物
の形で重合に供され、そうして得られるポリアミドホモ
ポリマ、コポリマいずれも本発明で用いることができ
る。特に本発明で有用に用いられるポリアミドはポリカ
プロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド(ナイロン6T)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、そしてこれ
らポリアミドの共重合体および混合物である。ここで用
いられるポリアミドの重合度については特に制限なく1
%濃硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.5〜5.0の範囲
内にあるものを任意に用いることができる。
ポリアミドの配合量は95〜50重量%、好ましくは90〜
55重量%である。ポリアミドの配合量が95重量%を越え
ると、吸水時の特性変化が大きくなるので好ましくな
く、配合量が50重量%に満たないと、耐熱性、剛性が損
なわれるので好ましくない。
55重量%である。ポリアミドの配合量が95重量%を越え
ると、吸水時の特性変化が大きくなるので好ましくな
く、配合量が50重量%に満たないと、耐熱性、剛性が損
なわれるので好ましくない。
本発明において(B)成分として用いられる変性ポリ
オレフインとは、ポリプロピレン95〜60重量%とエチレ
ン/1−ブテン共重合体またはエチレン/1−ヘキセン共重
合体(あわせてエチレン/(1−ブテンまたは1−ヘキ
セン)共重合体と称する)5〜40重量%との混合物に該
混合物100重量部に対して0.05〜5重量部のα・β−不
飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応せしめ
ることによつて得られるものである。ここで用いられる
エチレン/α−オレフイン共重合体の具体例としては、
エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/1−ペンテン共重合体、エチレン/1−
ヘキセン共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1共
重合体などを挙げることができる。これらエチレン/
(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体の共重合組
成は特に限定されないが、エチレン含量が95〜30重量%
のものが好ましい。ポリプロピレンとエチレン/(1−
ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体との混合割合はポ
リプロピレン95〜60重量%に対してエチレン/(1−ブ
テンまたは1−ヘキセン)共重合体5〜40重量%の範囲
内であり、ポリプロピレン90〜65重量%に対してエチレ
ン/(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体10〜35
重量%の範囲内であることが更に好ましい。ポリプロピ
レンの割合が95重量%を越えると得られるポリアミド樹
脂組成物の衝撃強度が低くなるので好ましくなく、一方
ポリプロピレンの割合が60重量%を満たないと、得られ
るポリアミド樹脂組成物の強度、剛性が低下するので好
ましくない。
オレフインとは、ポリプロピレン95〜60重量%とエチレ
ン/1−ブテン共重合体またはエチレン/1−ヘキセン共重
合体(あわせてエチレン/(1−ブテンまたは1−ヘキ
セン)共重合体と称する)5〜40重量%との混合物に該
混合物100重量部に対して0.05〜5重量部のα・β−不
飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応せしめ
ることによつて得られるものである。ここで用いられる
エチレン/α−オレフイン共重合体の具体例としては、
エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/1−ペンテン共重合体、エチレン/1−
ヘキセン共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1共
重合体などを挙げることができる。これらエチレン/
(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体の共重合組
成は特に限定されないが、エチレン含量が95〜30重量%
のものが好ましい。ポリプロピレンとエチレン/(1−
ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体との混合割合はポ
リプロピレン95〜60重量%に対してエチレン/(1−ブ
テンまたは1−ヘキセン)共重合体5〜40重量%の範囲
内であり、ポリプロピレン90〜65重量%に対してエチレ
ン/(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体10〜35
重量%の範囲内であることが更に好ましい。ポリプロピ
レンの割合が95重量%を越えると得られるポリアミド樹
脂組成物の衝撃強度が低くなるので好ましくなく、一方
ポリプロピレンの割合が60重量%を満たないと、得られ
るポリアミド樹脂組成物の強度、剛性が低下するので好
ましくない。
ポリプロピレンとエチレン/(1−ブテンまたは1−
ヘキセン)共重合体混合物へのグラフト反応成分として
用いられるα・β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水
アコニツト酸、マレイミド、N−フエニルマレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、アクリ
ルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなどを挙げることができ、これらの化合物は各
々単独または2種類以上の混合物の形で用いることがで
きる。α・β−不飽和カルボン酸またはその誘導体のグ
ラフト量は、ポリプロピレンとエチレン/(1−ブテン
または1−ヘキセン)共重合体の混合物100重量部に対
して0.05〜5重量%の範囲であり、0.1〜3重量部であ
ることが更に好ましい。グラフト量が0.05重量部未満で
は生成する変性ポリオレフインのポリアミドに対する親
和性不足のため得られるポリアミド樹脂組成物の成形品
表面外観が悪く、層状はく離などを起こすので好ましく
なく、逆にグラフト量が5重量部を越えると得られるポ
リアミド樹脂組成物の流動性が低下するので好ましくな
い。
ヘキセン)共重合体混合物へのグラフト反応成分として
用いられるα・β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水
アコニツト酸、マレイミド、N−フエニルマレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、アクリ
ルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなどを挙げることができ、これらの化合物は各
々単独または2種類以上の混合物の形で用いることがで
きる。α・β−不飽和カルボン酸またはその誘導体のグ
ラフト量は、ポリプロピレンとエチレン/(1−ブテン
または1−ヘキセン)共重合体の混合物100重量部に対
して0.05〜5重量%の範囲であり、0.1〜3重量部であ
ることが更に好ましい。グラフト量が0.05重量部未満で
は生成する変性ポリオレフインのポリアミドに対する親
和性不足のため得られるポリアミド樹脂組成物の成形品
表面外観が悪く、層状はく離などを起こすので好ましく
なく、逆にグラフト量が5重量部を越えると得られるポ
リアミド樹脂組成物の流動性が低下するので好ましくな
い。
変性ポリオレフインの製造法の好適な例としては、ポ
リプロピレン、エチレン/(1−ブテンまたは1−ヘキ
セン)共重合体、α・β−不飽和カルボン酸誘導体およ
び少量の有機過酸化物をヘンシエルミキサーなどを用い
て混合した混合物を単軸または2軸の押出機に供給し、
180〜250℃の温度で溶融混練する方法を挙げることがで
きるが、変性ポリオレフインの製造法はこれに限定され
るものではなく、たとえばポリプロピレンとエチレン/
(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体の混合物を
適当な溶剤に溶解し、これにα・β−不飽和カルボン酸
誘導体、有機過酸化物を添加して溶液状態でグラフト反
応せしめる方法なども可能である。このようにして製造
された変性ポリオレフインはその製造過程において、ポ
リプロピレン、エチレン/(1−ブテンまたは1−ヘキ
セン)共重合体主鎖へのα・β−不飽和カルボン酸誘導
体のグラフト付加反応と共にポリプロピレンとエチレン
/α−オレフイン共重合体との間に部分的交絡反応も生
起するため、部分的に架橋された均質な構造を有する変
性体であり、この点で変性ポリプロピレンと変性エチレ
ン/α−オレフイン共重合体との単なる混合物とは全く
異なるものである。
リプロピレン、エチレン/(1−ブテンまたは1−ヘキ
セン)共重合体、α・β−不飽和カルボン酸誘導体およ
び少量の有機過酸化物をヘンシエルミキサーなどを用い
て混合した混合物を単軸または2軸の押出機に供給し、
180〜250℃の温度で溶融混練する方法を挙げることがで
きるが、変性ポリオレフインの製造法はこれに限定され
るものではなく、たとえばポリプロピレンとエチレン/
(1−ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体の混合物を
適当な溶剤に溶解し、これにα・β−不飽和カルボン酸
誘導体、有機過酸化物を添加して溶液状態でグラフト反
応せしめる方法なども可能である。このようにして製造
された変性ポリオレフインはその製造過程において、ポ
リプロピレン、エチレン/(1−ブテンまたは1−ヘキ
セン)共重合体主鎖へのα・β−不飽和カルボン酸誘導
体のグラフト付加反応と共にポリプロピレンとエチレン
/α−オレフイン共重合体との間に部分的交絡反応も生
起するため、部分的に架橋された均質な構造を有する変
性体であり、この点で変性ポリプロピレンと変性エチレ
ン/α−オレフイン共重合体との単なる混合物とは全く
異なるものである。
ポリアミドと変性ポリオレフインの混合方法について
は特に限定はなく、両樹脂の粉末、細片、ペレツトをド
ライブレンドした後、単軸又は2軸の押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ミキシング・ロールなど通常公
知の溶融混練機に供給して220〜350℃の温度で混練する
方法などを例として挙げることができる。なかでも、単
軸又は2軸の押出機を用いて溶融混練する方法が最も簡
便であり、適している。
は特に限定はなく、両樹脂の粉末、細片、ペレツトをド
ライブレンドした後、単軸又は2軸の押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ミキシング・ロールなど通常公
知の溶融混練機に供給して220〜350℃の温度で混練する
方法などを例として挙げることができる。なかでも、単
軸又は2軸の押出機を用いて溶融混練する方法が最も簡
便であり、適している。
本発明の樹脂組成物にはその特性を損なわない限りに
おいて樹脂の混練時、成形時に他の添加剤、たとえば顔
料、染料、補強材、充填材、耐熱剤、酸化劣化防止剤、
耐候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、流
動性改良剤、帯電防止剤などを添加導入できる。
おいて樹脂の混練時、成形時に他の添加剤、たとえば顔
料、染料、補強材、充填材、耐熱剤、酸化劣化防止剤、
耐候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、流
動性改良剤、帯電防止剤などを添加導入できる。
<実施例> 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
なお実施例、比較例、参考例に記した諸特性は次の方法
で評価した。
なお実施例、比較例、参考例に記した諸特性は次の方法
で評価した。
(1) メルトインデツクス:JIS K7210 (2) 引張特性:ASTM D638 (3) 曲げ特性:ASTM D790 (4) アイゾツト衝撃強度:ASTM D256 (5) 耐水性,寸法安定性:厚さ1/8インチの引張試
験片を40℃水中に70時間浸漬し、この間の吸水量および
吸水前後の弾性率、試験片タテ方向の寸法変化を測定し
た。
験片を40℃水中に70時間浸漬し、この間の吸水量および
吸水前後の弾性率、試験片タテ方向の寸法変化を測定し
た。
参考例1(変性ポリオレフインの製造) メルトインデツクス1.5のポリプロピレン75重量部、
メルトインデツクス5.0のエチレン/1−ブテンランダム
共重合体(エチレン含量90モル%)25重量部、無水マレ
イン酸0.5重量部およびベンゾイルパーオキシド0.05重
量部をヘンシエルミキサーで混合して、40mmφ単軸押出
機のホツパーに供給し、シリンダー温度210℃で溶融混
練することにより均一で白色の変性ポリオレフイン(PP
−1)が得られた。この変性工程においてはポリプロピ
レン、エチレン/1−ブテン共重合体への無水マレイン酸
のグラフト反応と共に、ポリプロピレンとエチレン/1−
ブテン共重合体との間の部分架橋反応も生起するため、
生成する変性ポリオレフインは均質であり、且つトルエ
ンなどの溶媒にも完全溶解しないなどの特徴を有してお
り、市販の無水マレイン酸変性ポリプロピレンと無水マ
レイン酸変性エチレン/1−ブテン共重合体を単に溶融混
練したものとは全く異なるものである。また、ここで得
られた変性ポリオレフインに無水マレイン酸が付加して
いることは、上記の変性ポリオレフインペレツトをメタ
ノールで抽出した後溶融プレスフイルムを作成してIRを
測定し、1790cm-1に酸無水物の吸収が存在することによ
り確認した。
メルトインデツクス5.0のエチレン/1−ブテンランダム
共重合体(エチレン含量90モル%)25重量部、無水マレ
イン酸0.5重量部およびベンゾイルパーオキシド0.05重
量部をヘンシエルミキサーで混合して、40mmφ単軸押出
機のホツパーに供給し、シリンダー温度210℃で溶融混
練することにより均一で白色の変性ポリオレフイン(PP
−1)が得られた。この変性工程においてはポリプロピ
レン、エチレン/1−ブテン共重合体への無水マレイン酸
のグラフト反応と共に、ポリプロピレンとエチレン/1−
ブテン共重合体との間の部分架橋反応も生起するため、
生成する変性ポリオレフインは均質であり、且つトルエ
ンなどの溶媒にも完全溶解しないなどの特徴を有してお
り、市販の無水マレイン酸変性ポリプロピレンと無水マ
レイン酸変性エチレン/1−ブテン共重合体を単に溶融混
練したものとは全く異なるものである。また、ここで得
られた変性ポリオレフインに無水マレイン酸が付加して
いることは、上記の変性ポリオレフインペレツトをメタ
ノールで抽出した後溶融プレスフイルムを作成してIRを
測定し、1790cm-1に酸無水物の吸収が存在することによ
り確認した。
実施例1 相対粘度が2.70のナイロン6 70重量%および参考例
1で得られた変性ポリオレフイン(PP−1)30重量%を
混合し、30mmφ2軸押出機のホツパーに供給し、シリン
ダー温度260℃、スクリユー回転数200rpmの条件で溶融
混練を実施した。ここで得られたペレツトを100℃で24
時間真空乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度8
0℃の条件で射出成形したところ、表面外観良好な各種
物性評価用試験片が得られた。試験片の諸特性は第1表
に示す通りであり、ここで得られた樹脂組成物は耐衝撃
性が高く、且つ吸水量が少く、吸水による剛性低下や寸
法変化の小さい、極めて安定した特性を有する実用価値
の高いポリアミド系材料であることが判明した。
1で得られた変性ポリオレフイン(PP−1)30重量%を
混合し、30mmφ2軸押出機のホツパーに供給し、シリン
ダー温度260℃、スクリユー回転数200rpmの条件で溶融
混練を実施した。ここで得られたペレツトを100℃で24
時間真空乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度8
0℃の条件で射出成形したところ、表面外観良好な各種
物性評価用試験片が得られた。試験片の諸特性は第1表
に示す通りであり、ここで得られた樹脂組成物は耐衝撃
性が高く、且つ吸水量が少く、吸水による剛性低下や寸
法変化の小さい、極めて安定した特性を有する実用価値
の高いポリアミド系材料であることが判明した。
またえられたペレットの形状を有する樹脂組成物を、
トルエンを溶媒として、ソックスレー抽出を8時間行っ
たところ、樹脂組成物のうち2%のみがトルエンによっ
て抽出された。
トルエンを溶媒として、ソックスレー抽出を8時間行っ
たところ、樹脂組成物のうち2%のみがトルエンによっ
て抽出された。
比較例1 変性ポリオレフインPP−1の代わりにポリプロピレン
単体に無水マレイン酸を0.5%グラフト付加させて得ら
れた無水マレイン酸変性ポリプロピレンを使用した以外
は実施例1と全く同様に混練および成形を実施した。し
かしここで得られた試験片のアイゾツト衝撃強度は2kg
・cm/cm・ノツチであり、耐衝撃性が不足であつた。
単体に無水マレイン酸を0.5%グラフト付加させて得ら
れた無水マレイン酸変性ポリプロピレンを使用した以外
は実施例1と全く同様に混練および成形を実施した。し
かしここで得られた試験片のアイゾツト衝撃強度は2kg
・cm/cm・ノツチであり、耐衝撃性が不足であつた。
比較例2 変性ポリオレフインPP−1の代わりに0.5%の無水マ
レイン酸で変性された変性エチレン/1−ブテン共重合体
を使用した以外は実施例1と全く同様に混練、成形を行
つた。ここで得られた試験片の曲げ弾性率は13,100kg/c
m2であり、剛性が不足であつた。
レイン酸で変性された変性エチレン/1−ブテン共重合体
を使用した以外は実施例1と全く同様に混練、成形を行
つた。ここで得られた試験片の曲げ弾性率は13,100kg/c
m2であり、剛性が不足であつた。
実施例2〜5 ナイロン、変性ポリオレフインの種類および配合量を
変えて溶融混練を行つて得られた樹脂組成物の諸特性を
第1表にまとめて示した。これら実施例で得られた樹脂
組成物はいずれも強度、剛性、耐衝撃性がすぐれてお
り、且つ吸水量も少く、吸水による特性変化の小さい極
めて特性の安定した実用価値の高い材料であることが判
明した。
変えて溶融混練を行つて得られた樹脂組成物の諸特性を
第1表にまとめて示した。これら実施例で得られた樹脂
組成物はいずれも強度、剛性、耐衝撃性がすぐれてお
り、且つ吸水量も少く、吸水による特性変化の小さい極
めて特性の安定した実用価値の高い材料であることが判
明した。
比較例3 メルトインデックス1.5のポリプロピレン100重量部、
無水マレイン酸0.5重量部およびベンゾイルパーオキシ
ド0.05重量部を参考例1と同様の方法で、混合、溶融混
練して無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PP−5)を
えた。
無水マレイン酸0.5重量部およびベンゾイルパーオキシ
ド0.05重量部を参考例1と同様の方法で、混合、溶融混
練して無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PP−5)を
えた。
またメルトインデックス5.0のエチレン/1−ブテンラ
ンダム共重合体(エチレン含量90モル%)100重量部、
無水マレイン酸0.5重量部およびベンゾイルパーオキシ
ド0.05重量部を参考例1と同様の方法で、混合、溶融混
練して無水マレイン酸変性ポリオレフィン(PP−6)を
えた。
ンダム共重合体(エチレン含量90モル%)100重量部、
無水マレイン酸0.5重量部およびベンゾイルパーオキシ
ド0.05重量部を参考例1と同様の方法で、混合、溶融混
練して無水マレイン酸変性ポリオレフィン(PP−6)を
えた。
実施例1のPP−1、30重量部に代えてPP−5、22.5重
量部およびPP−6、7.5重量部を使用した以外は、実施
例1と同様に溶融混練を行ない、ペレットを得た。
量部およびPP−6、7.5重量部を使用した以外は、実施
例1と同様に溶融混練を行ない、ペレットを得た。
得られたペレットに、トルエンを溶媒として、ソック
スレー抽出をおこなったとこら、ペレットの24重量%が
トルエンによって抽出された。
スレー抽出をおこなったとこら、ペレットの24重量%が
トルエンによって抽出された。
<発明の効果> 本発明の特徴は、エチレン/α−オレフイン共重合体
の共存下でポリプロピレンに特定のα・β−不飽和カル
ボン酸誘導体をグラフト反応せしめることにより得られ
る特定の変性ポリオレフインをポリアミド樹脂に添加配
合することである。これにより、強度、剛性、耐衝撃性
などの機械的特性が良好で、且つ吸水による特性変化や
寸法変化の小さいバランスのとれたポリアミド樹脂組成
物を得ることができた。
の共存下でポリプロピレンに特定のα・β−不飽和カル
ボン酸誘導体をグラフト反応せしめることにより得られ
る特定の変性ポリオレフインをポリアミド樹脂に添加配
合することである。これにより、強度、剛性、耐衝撃性
などの機械的特性が良好で、且つ吸水による特性変化や
寸法変化の小さいバランスのとれたポリアミド樹脂組成
物を得ることができた。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂95〜50重量%および
(B)ポリプロピレン95〜60重量%とエチレン/(1−
ブテンまたは1−ヘキセン)共重合体5〜40重量%との
混合物に該混合物100重量部に対し0.05〜5重量部のα
・β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグ
ラフト反応せしめることにより得られる変性ポリオレフ
ィン5〜50重量%からなることを特徴とするポリアミド
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62222529A JPH0826218B2 (ja) | 1987-09-04 | 1987-09-04 | ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62222529A JPH0826218B2 (ja) | 1987-09-04 | 1987-09-04 | ポリアミド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6465168A JPS6465168A (en) | 1989-03-10 |
JPH0826218B2 true JPH0826218B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=16783859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62222529A Expired - Fee Related JPH0826218B2 (ja) | 1987-09-04 | 1987-09-04 | ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826218B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19653590C2 (de) * | 1996-12-20 | 1998-10-15 | Benecke Kaliko Ag | Hochfrequenzverschweißbare Polymermischung |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60262853A (ja) * | 1984-06-08 | 1985-12-26 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | ポリアミド樹脂組成物 |
NL8500427A (nl) * | 1985-02-15 | 1986-09-01 | Stamicarbon | Slagvaste polyamidecompositie. |
JPS6451458A (en) * | 1987-08-21 | 1989-02-27 | Toray Industries | Polyamide resin composition |
-
1987
- 1987-09-04 JP JP62222529A patent/JPH0826218B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6465168A (en) | 1989-03-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |