JPH08261837A - 鼓膜温度測定装置 - Google Patents

鼓膜温度測定装置

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JPH08261837A
JPH08261837A JP7088604A JP8860495A JPH08261837A JP H08261837 A JPH08261837 A JP H08261837A JP 7088604 A JP7088604 A JP 7088604A JP 8860495 A JP8860495 A JP 8860495A JP H08261837 A JPH08261837 A JP H08261837A
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Kaneyuki Doi
謙之 土井
Yoshifumi Watabe
祥文 渡部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】個人差による誤差を除去して鼓膜の温度を正確
に測定する。 【構成】外耳道に挿着されるプローブ5は、サーモパイ
ルよりなる第1の温度センサ1と、第1の温度センサ1
の周囲温度を検出する第2の温度センサ2とを備える。
演算処理部31は、プローブ5を外耳道に挿入した後に
第1の温度センサ1と第2の温度センサ2との出力が平
衡状態に達するまでの期間内の2時点で第1の温度セン
サ1の出力電圧および第2の温度センサ2による検出温
度を求める。求めた出力電圧および検出温度に基づい
て、第1の温度センサの出力電圧から鼓膜の温度と第1
の温度センサ1の周囲温度との温度差を求めるのに必要
な比例定数を求める。その後、第1の温度センサ1と第
2の温度センサ2との出力が平衡状態に達した後の上記
出力電圧および上記検出温度と平衡状態に達するまでに
求めた上記比例定数とを用いて鼓膜の温度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鼓膜から放射される赤
外線を非接触で検出することによって検温する鼓膜温度
測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、検温に要する時間を大幅に短縮で
きる等の理由で、鼓膜等から放射される赤外線に基づい
て体温を測定する形式のいわゆる放射体温計が多数提案
されている。この種の放射体温計として鼓膜から放射さ
れる赤外線を非接触で検出する鼓膜温度測定装置が知ら
れている。そして、この鼓膜温度測定装置の1つとし
て、外耳道に挿入可能なパッケージの中に鼓膜からの赤
外線を検出するための第1の温度センサと温度補償用の
第2の温度センサとを納装したセンサ部と、センサ部を
外耳道の所定位置に保持する支持体とからなるプローブ
を備えるタイプの鼓膜温度測定装置がある。ここで、第
1の温度センサにはサーモパイルを用い、第2の温度セ
ンサにはサーミスタやダイオードを用いる。
【0003】上記の鼓膜温度測定装置による温度測定の
原理を説明する。いま、鼓膜の温度をT1 、第1の温度
センサの周囲温度をT2 とし、両温度T1 ,T2 の温度
差をΔTとすれば、鼓膜の温度T1 は、T1 =T2 +Δ
Tと表される。したがって、第1の温度センサで検出し
た周囲温度T2 から鼓膜の温度T1 を求めるには温度差
ΔTを求めることが必要である。ここで、温度差ΔTが
両温度T1 ,T2 に比べて十分に小さいものとすれば
(この仮定はセンサ部を鼓膜の近傍に配置していれば妥
当な仮定である)、第1の温度センサが鼓膜から受ける
赤外線エネルギqは、q=k1 ΔT(ただし、k1 は定
数)と近似できる。第1の温度センサはサーモパイルで
あり出力電圧Vが入射エネルギに比例するから、比例定
数をk2 とすれば、V=k2 q=k1 2 ΔTが得られ
る。ここで、1/k1 2 =kとおけば、ΔT=kVと
して温度差ΔTを求めることができる。
【0004】したがって、黒体炉を用いて比例定数kを
実験的に求めておけば、サーモパイルよりなる第1の温
度センサの出力電圧Vに基づいて温度差ΔTを求めるこ
とができ、第2の温度センサで第1の温度センサの周囲
温度T2 を検出することによって、鼓膜の温度T1 を求
めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な鼓膜温度測定装置での測定精度は比例定数kの精度に
依存しており、この比例定数kは定数k1 を含むから、
外耳道の形状、鼓膜の形状、センサ部の位置等によって
変化する。とくに、外耳道や鼓膜の形状は個人差がある
から、各人に一律に同じ比例定数kを用いたのでは高い
精度で体温を測定することができないことになる。
【0006】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、第1の温度センサの出力から鼓膜の
温度とセンサ部の周囲温度との温度差を求めるのに必要
な比例定数を被測定者毎に求めることができるように
し、求めた比例定数を用いることで個人差による測定誤
差を低減し、もって鼓膜の温度を高い精度で測定できる
ようにした鼓膜温度測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、鼓膜
からの赤外線を検出し周囲温度と鼓膜の温度との温度差
に比例した出力電圧を発生するサーモパイルよりなる第
1の温度センサと、第1の温度センサの近傍に配置され
周囲温度を検出する温度補償用の第2の温度センサとを
外耳道内に挿入されるパッケージに収納したセンサ部を
持つプローブを備え、第1の温度センサの出力電圧に所
定の比例定数を乗じた値と第2の温度センサによる検出
温度との加算値を鼓膜の温度として求める演算処理部を
備えた鼓膜温度測定装置において、演算処理部は、プロ
ーブを外耳道に挿着した後に第1の温度センサと第2の
温度センサとの出力が平衡状態に達するまでの期間内の
複数時点で第1の温度センサの出力電圧および第2の温
度センサによる検出温度を求めるとともに、時間経過に
伴う上記出力電圧および上記検出温度の変化に基づいて
上記比例定数を求め、第1の温度センサと第2の温度セ
ンサとの出力が平衡状態に達した後の上記出力電圧およ
び上記検出温度と平衡状態に達するまでに求めた上記比
例定数とを用いて鼓膜の温度を求めることを特徴とす
る。
【0008】請求項2の発明では、演算処理部が、プロ
ーブを外耳道に挿着した後に第1の温度センサと第2の
温度センサとの出力が平衡状態に達するまでの期間内で
上記比例定数を複数個求め、第1の温度センサと第2の
温度センサとの出力が平衡状態に達した後の上記出力電
圧および上記検出温度と平衡状態に達するまでに求めた
複数個の比例定数の平均値とを用いて鼓膜の温度を求め
る。
【0009】請求項3の発明では、演算処理部で求めた
複数個の比例定数を各別に記憶するメモリと、メモリに
格納された比例定数を各別に読み出すように指示する操
作部とを備え、演算処理部ではいずれかの比例定数がメ
モリから読み出されると、第1の温度センサの出力電圧
および第2の温度センサによる検出温度とメモリから読
み出した比例定数とを用いて鼓膜の温度を求める。
【0010】
【作用】本発明での測定原理を説明する。ここでは、外
気温が外耳道の内部温度よりも低いものとする。このと
き、プローブを外耳道に挿着する前にはセンサ部の内部
温度は外気温にほぼ等しいから、プローブを外耳道に挿
着するとセンサ部の内部温度は次第に上昇し、センサ部
の内部温度と外耳道の内部温度とがほぼ等しくなる平衡
状態に達する。つまり、プローブを外耳道に挿着した直
後には第1の温度センサの周囲温度と鼓膜の温度との温
度差が大きいから第1の温度センサの出力電圧も大き
く、第1の温度センサの出力電圧は次第に低下して平衡
状態に達することになる。
【0011】そこで、プローブを外耳道に挿着してから
センサ部の温度が平衡状態に達するまでの期間内での時
刻tにおいて、鼓膜の温度がT1 (t)、第1の温度セ
ンサの周囲温度がT2 (t)、温度差がΔT(t)であ
ったとすると、 T1 (t)=T2 (t)+ΔT(t) と表され、従来の技術として説明したΔT=kVの関係
は時刻tでも成立し、比例定数kは時間の経過に伴う変
動はないから、時刻tでの第1の温度センサの出力電圧
がV(t)であれば、 T1 (t)=T2 (t)+kV(t) が成立する。その後、時間Δtが経過した時点(すなわ
ち、時刻t+Δt)では、次式が成立する。 T1 (t+Δt)=T2 (t+Δt)+kV(t+Δ
t) ここで、時間Δtの間、鼓膜の温度T1 に変動がないと
すれば、 T1 (t)=T1 (t+Δt) であるから、 T2 (t)+kV(t)=T2 (t+Δt)+kV(t
+Δt) となり、比例定数kを次式で求めることができる。 k={T2 (t+Δt)−T2 (t)}/{V(t)−
V(t+Δt)} つまり、時刻t,t+Δtにおいて、第1の温度センサ
の出力電圧V(t),V(t+Δt)を求めるととも
に、第2の温度センサで温度T2 (t),T2 (t+Δ
t)を求めることによって、上式を適用することで各人
に応じた比例定数kを決定することができる。こうして
求めた比例定数kを用い、プローブの温度が平衡状態に
達した時点での第1の温度センサの出力電圧と、第2の
温度センサによる温度とから鼓膜の温度を精度よく求め
ることができるのである。
【0012】請求項2の発明では上記原理によって、プ
ローブを外耳道に挿着してからセンサ部の温度が平衡状
態に達するまでに比例定数kを複数回求め、求めた複数
個の比例定数kの平均値を、センサ部の温度が平衡状態
に達した時点で鼓膜の温度を求める際の比例定数kとし
て用いるようにしている。このことによって、比例定数
kを1回だけ求める場合に比較して、比例定数kの信頼
性を高めることができ、鼓膜の温度の測定精度が一層高
くなる。
【0013】請求項3の発明では上記原理に基づいて求
めた複数人分の比例定数kをメモリに記憶しておき、プ
ローブを特定の個人に挿着したときに、その個人につい
ての比例定数kがメモリに記憶されていれば、記憶され
た比例定数kをメモリから読み出して用いることができ
る。つまり、比例定数kがメモリに格納されている個人
については比例定数kを求める演算を省くことができる
のである。なお、プローブの挿着後に鼓膜に温度変化が
ないものとすれば、時刻tでの関係式である次式の適用
によって、 T1 (t)=T2 (t)+kV(t) プローブの温度が平衡状態に達する前に鼓膜の温度を知
ることも可能である。
【0014】
【実施例】図3に示すように、サーモパイルよりなる第
1の温度センサ1と、サーミスタよりなる第2の温度セ
ンサ2とが1つのパッケージ3に納装されでセンサ部が
構成されている。ここに、第1の温度センサ1と第2の
温度センサ2とには時定数が同程度のものを用いてい
る。パッケージ3は外耳道21(図2参照)に挿入する
ことができるようにTO−46型のものを用いてあり、
ステム11の上に第1の温度センサ1と第2の温度セン
サ2とが実装される。また、キャップ12には第1の温
度センサ1に赤外線を導入するための開口窓13が形成
され、開口窓13には赤外線透過用のロングパスフィル
タ14が装着される。第1の温度センサ1の視野は開口
窓13の寸法によって規定され、図2に示すように外耳
道21の定位置にパッケージ3を挿入したときに、鼓膜
20および鼓膜20の近傍からの赤外線が第1の温度セ
ンサ1に入射するように設定される(図2では一対の破
線に挟まれた範囲が視野になる)。
【0015】上記パッケージ3は、外耳道21に挿着さ
れる支持体4により保持されることで支持体4とともに
プローブ5を構成する。支持体4はシリコーンゴムによ
り形成され、外耳道入口22と外耳道21の第1屈曲部
23との間にほぼ充填される形状を有している。支持体
4には、パッケージ3から引き出されたリード線15が
挿通される挿通孔16が形成され、支持体4において外
耳道入口22側の一端部にはアクリル樹脂により形成し
たストッパ17が取着される。リード線15は剛性を有
しておりストッパ17に保持されることで、パッケージ
3を支持体4に対して保持するようになっている。ま
た、ストッパ17を支持体4に固定するためにOリング
よりなるホルダ18を支持体4とストッパ17との間に
介在させてある。ここにおいて、外耳道21に挿入され
るリード線15は支持体4よりも長く、パッケージ3を
支持体4に対して前後に動かすことができるようにして
あり、このことによって外耳道21へのプローブ5の挿
着が容易になっている。また、パッケージ3の外耳道2
1への挿入量はストッパ17がホルダ18に保持される
位置で規制される。
【0016】上述した支持体4は、数分程度で硬化する
2液硬化型のシリコーンゴムを用い、液状のままで人の
外耳道に流し込んで型をとった後に、外耳道入口から第
1屈曲部までの形状に合致するようにその型を削り出
し、リード線15が通る挿通孔16を形成することによ
って作製することができる。
【0017】ところで、パッケージ3に納装された第1
の温度センサ1と第2の温度センサ2との出力はリード
線15に接続された接続線19を介して測定装置本体6
に接続される。測定装置本体6のケース30は胸ポケッ
トに収納できる程度の大きさに形成され、前面には液晶
表示器からなる表示部32と複数個の押釦スイッチより
なる操作部33とが露出する。測定装置本体6には、図
1に示すように、各温度センサ1、2の出力をそれぞれ
増幅する増幅回路34a,34bが設けられ、各増幅回
路34a,34bの出力がそれぞれアナログ−デジタル
変換器35a,35bでデジタル信号に変換された後に
マイクロコンピュータよりなる演算処理部31に入力さ
れる。この演算処理部31には、表示部32および操作
部33が接続され、またメモリ36が接続される。
【0018】演算処理部31では、作用の項で説明した
原理に従ってアナログ−デジタル変換器35a,35b
の出力(すなわち、第1の温度センサ1と第2の温度セ
ンサ2との出力)に基づいて、比例定数(k)および鼓
膜20の温度(T1 )を求める。また、演算処理部31
は求めた鼓膜20の温度を表示部32に表示するととも
に、求めた比例定数および鼓膜20の温度をメモリ36
に格納する。ここで、比例定数および鼓膜20の温度は
メモリ36に複数組が格納可能であって、各組ごとに識
別番号による対応付けがなされる。つまり、操作部33
には3個の押釦が設けられており、このうちの1つを押
すたびに表示部32に表示される識別番号が1つずつ増
加するようにしてあり(最大値に達すると次は最小値に
戻る)、識別番号が表示部32に表示された状態で測定
した後に、メモリ36への格納を指示する押釦を押すこ
とによって測定によって求めた比例定数と鼓膜20の温
度とをメモリ36に格納することができるのである。残
りの押釦はメモリ36に格納されたデータを読み出す指
示に用いる。
【0019】上記装置を用いた具体的測定例を示す。い
ま、外気温が22.8℃であるとすれば、図4に示すよ
うに、時刻t1 においてプローブ5を外耳道21に挿着
する前には、第1の温度センサ1の出力電圧は図4
(b)のようにほぼ0Vであり、第2の温度センサ2で
の測定温度は図4(a)のように22.8℃になる。外
耳道21の内部温度は外気温よりも高いから、時刻t1
でプローブ5を外耳道21に挿着した直後では第1の温
度センサ1の周囲温度と鼓膜20の温度との温度差は大
きく、その後、次第に温度差が減少することになる。つ
まり、第1の温度センサ1の出力電圧は図4(b)のよ
うに時刻t1 の直後では大きくなるが、その後は時間の
経過とともに減少する。また、第2の温度センサ2によ
る検出温度は時間の経過とともに外耳道21の内部温度
に近付くことになる。図示例ではプローブ5を外耳道2
1に挿着してから5分後(図では横軸の1目盛を1分と
している)には第1の温度センサ1と第2の温度センサ
2との出力の変化は大幅に減少して平衡状態に近くな
る。このとき、第1の温度センサ1の出力電圧は0.7
5V、第2の温度センサ2の検出温度は34℃になる。
【0020】時刻t1 から30秒後と60秒後とで鼓膜
20の温度は変化しないと考えられるから、両時刻にお
ける第1の温度センサ1の出力電圧(1.05V、0.
88V)と第2の温度センサ2の検出温度(32.40
℃、33.28℃)とに基づいて、演算処理部31にお
いて作用で説明した関係式を適用して比例定数を求める
と、k=5.18になる。このようにして求めた比例定
数は、識別番号とともにメモリ36に格納される。その
後、演算処理部31では第1の温度センサ1の出力電圧
および第2の温度センサ2での検出温度の変化が所定範
囲以下になってほぼ平衡状態に達したと判断すると、そ
の時点(ここでは8分後に演算処理部31が平衡状態を
検出すると想定している)での第1の温度センサ1の出
力電圧である0.74Vおよび第2の温度センサ2での
検出温度である34.0℃とを用いて、34.0+5.
18×0.74≒37.8℃として鼓膜20の温度を求
めることができるのである。このようにして求めた鼓膜
20の温度も識別番号とともにメモリ36に格納され
る。また、平衡状態に達した後の鼓膜20の温度をたと
えば1分ごとに計測・記憶させ、24時間の鼓膜20の
温度の変動を測定することもできる。
【0021】上述したように、比例定数および求めた鼓
膜20の温度に識別番号を付してメモリ36に格納して
いることによって、操作部33の押釦を操作すればメモ
リ36に格納されたデータを読み出すことができる。こ
のようにしてメモリ36から読み出したデータを表示部
32に表示した状態で測定を行なった場合には、演算処
理部31は上述のような比例定数を求める演算を行なわ
ず、メモリ36から読み出した比例定数を用いて鼓膜2
0の温度を求める演算を行なう。つまり、比例定数は個
人差があるが、各個人についての比例定数は変化しない
と考えられるから、1人について比例定数を一度求めれ
ば次回からはその比例定数を用いることができるのであ
って、各人を識別番号によって識別できるようにしてお
けば、比例定数を一度求めてメモリ36に格納しておけ
ば、次回の検温の際にはメモリ36から読み出した比例
定数による検温が可能になるのである。なお、比例定数
が分かっていれば、第1の温度センサ1および第2の温
度センサ2の出力が必ずしも平衡状態でなくとも鼓膜2
0の温度を求めることが可能であるから、測定に要する
時間を短くすることが可能である。
【0022】上述した実施例では、比例定数の決定にあ
たってプローブ5を外耳道21に挿着した後、各温度セ
ンサ1、2の出力が平衡状態に達するまでの期間内の2
時点でのみ両温度センサ1、2の出力を抽出している
が、3時点以上で両温度センサ1、2の出力を抽出する
ことによって比例定数を複数回求めるようにし、このよ
うにして求めた複数個の比例定数の平均値を用いて鼓膜
20の温度を演算するようにしてもよい。このように比
例定数を複数個求めて平均化すれば、2時点の測定で求
めた1個の比例定数を用いる場合に比べると比例定数の
信頼性が高くなり、鼓膜20の温度を一層高い精度で求
めることができる。また、複数個の比例定数について他
の値から極端に離れた異常値があるときには異常値を除
去して平均を求めるようにすれば、さらに信頼性が向上
する。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明では、プローブを外耳道
に挿着した後に第1の温度センサと第2の温度センサと
の出力が平衡状態に達するまでの期間内の複数時点で第
1の温度センサの出力電圧および第2の温度センサによ
る検出温度を求めるとともに、時間経過に伴う上記出力
電圧および上記検出温度の変化に基づいて上記出力電圧
に乗じる比例定数を求め、第1の温度センサと第2の温
度センサとの出力が平衡状態に達した後の上記出力電圧
および上記検出温度と平衡状態に達するまでに求めた上
記比例定数とを用いて鼓膜の温度を求めるので、従来構
成では実験によってあらかじめ求めた比例定数を用いる
ことで個人差を反映しない固定的な比例定数を用いてい
たのに対して、プローブを外耳道に挿着した後の両温度
センサの出力に基づいて比例定数を決定することで各人
に応じた比例定数を決定することができ、結果的に高精
度で鼓膜の温度を求めることが可能になるという利点を
有する。換言すれば、鼓膜の温度の測定結果について個
人差による誤差を除去して正確な検温が可能になるので
ある。
【0024】請求項2の発明は、プローブを外耳道に挿
着した後に第1の温度センサと第2の温度センサとの出
力が平衡状態に達するまでの期間内で上記比例定数を複
数個求め、第1の温度センサと第2の温度センサとの出
力が平衡状態に達した後の上記出力電圧および上記検出
温度と平衡状態に達するまでに求めた複数個の比例定数
の平均値とを用いて鼓膜の温度を求めるので、比例定数
を1回だけ求める場合に比較して、比例定数の信頼性を
高めることができ、鼓膜の温度の測定精度が一層高くな
るという利点を有する。
【0025】請求項3の発明は、演算処理部で求めた複
数個の比例定数を各別に記憶するメモリと、メモリに格
納された比例定数を各別に読み出すように指示する操作
部とを備え、演算処理部ではいずれかの比例定数がメモ
リから読み出されると、第1の温度センサの出力電圧お
よび第2の温度センサによる検出温度とメモリから読み
出した比例定数とを用いて鼓膜の温度を求めるので、複
数人分の比例定数をメモリに記憶しておき、プローブを
特定の個人に挿着したときに、その個人についての比例
定数がメモリに記憶されていれば、記憶された比例定数
をメモリから読み出して用いることができるのであり、
比例定数を一度求めたことのある個人については比例定
数の演算を省くことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のブロック図である。
【図2】実施例の概略構成図である。
【図3】実施例に用いるプローブの要部断面図である。
【図4】実施例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 第1の温度センサ 2 第2の温度センサ 3 パッケージ 4 支持体 5 プローブ 6 測定装置本体 31 演算処理部 32 表示部 33 操作部 36 メモリ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鼓膜からの赤外線を検出し周囲温度と鼓
    膜の温度との温度差に比例した出力電圧を発生するサー
    モパイルよりなる第1の温度センサと、第1の温度セン
    サの近傍に配置され周囲温度を検出する温度補償用の第
    2の温度センサとを外耳道内に挿入されるパッケージに
    収納したセンサ部を持つプローブを備え、第1の温度セ
    ンサの出力電圧に所定の比例定数を乗じた値と第2の温
    度センサによる検出温度との加算値を鼓膜の温度として
    求める演算処理部を備えた鼓膜温度測定装置において、
    演算処理部は、プローブを外耳道に挿着した後に第1の
    温度センサと第2の温度センサとの出力が平衡状態に達
    するまでの期間内の複数時点で第1の温度センサの出力
    電圧および第2の温度センサによる検出温度を求めると
    ともに、時間経過に伴う上記出力電圧および上記検出温
    度の変化に基づいて上記比例定数を求め、第1の温度セ
    ンサと第2の温度センサとの出力が平衡状態に達した後
    の上記出力電圧および上記検出温度と平衡状態に達する
    までに求めた上記比例定数とを用いて鼓膜の温度を求め
    ることを特徴とする鼓膜温度測定装置。
  2. 【請求項2】 演算処理部は、プローブを外耳道に挿着
    した後に第1の温度センサと第2の温度センサとの出力
    が平衡状態に達するまでの期間内で上記比例定数を複数
    個求め、第1の温度センサと第2の温度センサとの出力
    が平衡状態に達した後の上記出力電圧および上記検出温
    度と平衡状態に達するまでに求めた複数個の比例定数の
    平均値とを用いて鼓膜の温度を求めることを特徴とする
    請求項1記載の鼓膜温度測定装置。
  3. 【請求項3】 演算処理部で求めた複数個の比例定数を
    各別に記憶するメモリと、メモリに格納された比例定数
    を各別に読み出すように指示する操作部とを備え、演算
    処理部ではいずれかの比例定数がメモリから読み出され
    ると、第1の温度センサの出力電圧および第2の温度セ
    ンサによる検出温度とメモリから読み出した比例定数と
    を用いて鼓膜の温度を求めることを特徴とする請求項1
    記載の鼓膜温度測定装置。
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