JPH09264791A - 非接触型温度計 - Google Patents
非接触型温度計Info
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- JPH09264791A JPH09264791A JP8072822A JP7282296A JPH09264791A JP H09264791 A JPH09264791 A JP H09264791A JP 8072822 A JP8072822 A JP 8072822A JP 7282296 A JP7282296 A JP 7282296A JP H09264791 A JPH09264791 A JP H09264791A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 センサ部に微小なボロメータを用いた高精度
の非接触型温度計の提供。 【解決手段】 ROM38内に、赤外線検出用サーミス
タボロメータ素子Rsと環境温度検出用サーミスタボロ
メータ素子Rcの検出温度差と測定対象物の温度との関
係を示すデータを環境温度をパラメータとして記憶させ
ておき、実際に測定する場合には、環境温度検出用サー
ミスタボロメータ素子Rcによって検出された環境温度
と、赤外線検出用サーミスタボロメータ素子Rsと環境
温度検出用サーミスタボロメータ素子Rcの検出温度差
とからROMのデータを参照し、このROMのデータか
ら測定対象物の温度を求める。
の非接触型温度計の提供。 【解決手段】 ROM38内に、赤外線検出用サーミス
タボロメータ素子Rsと環境温度検出用サーミスタボロ
メータ素子Rcの検出温度差と測定対象物の温度との関
係を示すデータを環境温度をパラメータとして記憶させ
ておき、実際に測定する場合には、環境温度検出用サー
ミスタボロメータ素子Rcによって検出された環境温度
と、赤外線検出用サーミスタボロメータ素子Rsと環境
温度検出用サーミスタボロメータ素子Rcの検出温度差
とからROMのデータを参照し、このROMのデータか
ら測定対象物の温度を求める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ部に微小な
ボロメータを用いた高精度の非接触型温度計に関する。
ボロメータを用いた高精度の非接触型温度計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度検出器の感温部に赤外線セン
サを用い、測定対象物が放射する赤外線を受光して感温
部を加熱し、この温度上昇による赤外線センサの出力の
変化から対象物の温度を測定する非接触型温度計が用い
られている。
サを用い、測定対象物が放射する赤外線を受光して感温
部を加熱し、この温度上昇による赤外線センサの出力の
変化から対象物の温度を測定する非接触型温度計が用い
られている。
【0003】一般的に、この赤外線センサとしてはサー
モパイルが用いられている。このサーモパイルは、測定
対象物からの放射エネルギーを受光部で受け、電圧に変
換するという機能を持った素子である。
モパイルが用いられている。このサーモパイルは、測定
対象物からの放射エネルギーを受光部で受け、電圧に変
換するという機能を持った素子である。
【0004】この変換された電圧によって、測定対象物
からの放射エネルギーを求めることができる。
からの放射エネルギーを求めることができる。
【0005】また、この放射エネルギーが絶対温度の4
乗に比例するという下式に示すステファン・ボルツマン
の法則から測定対象物の温度が求められる。
乗に比例するという下式に示すステファン・ボルツマン
の法則から測定対象物の温度が求められる。
【0006】ステファン・ボルツマンの法則 P=σT4 P:測定対象物から放射されるエネルギー(W・c
m-2) T:測定対象物の絶対温度(K) σ:ステファン・ボツツマン定数(5.67×10-6W
・cm-2・K-4) このようなサーモパイルを用いた非接触型温度計は、人
体の深部温度を代表する鼓膜温度を測る鼓膜温度計とし
ても用いられている。
m-2) T:測定対象物の絶対温度(K) σ:ステファン・ボツツマン定数(5.67×10-6W
・cm-2・K-4) このようなサーモパイルを用いた非接触型温度計は、人
体の深部温度を代表する鼓膜温度を測る鼓膜温度計とし
ても用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この鼓膜温
度計は耳の孔に挿入した状態で測温する非接触型温度計
であるから、センサ部の小形化が要求されるが、サーモ
パイルを用いた場合には、小形化が難しく、したがって
耳の奥まで挿入することが困難であるため、センサの受
光部を鼓膜表面に向けづらく、鼓膜温度を正確に測定す
ることができないという欠点があった。
度計は耳の孔に挿入した状態で測温する非接触型温度計
であるから、センサ部の小形化が要求されるが、サーモ
パイルを用いた場合には、小形化が難しく、したがって
耳の奥まで挿入することが困難であるため、センサの受
光部を鼓膜表面に向けづらく、鼓膜温度を正確に測定す
ることができないという欠点があった。
【0008】このような欠点を克服するためには、被検
者が小児になる場合もあることを考慮すると、センサ部
の大きさが2mm角未満であることが要求される。ま
た、被検者の測定によるストレスを小さくするために
は、測定時間が数秒程度であることが望ましく、これに
伴ってセンサ部の熱時定数(入射される赤外線でセンサ
部自体の温度が上昇して最終温度の63.2%の温度に
至るまでの時間)が1秒未満であることが要求される。
者が小児になる場合もあることを考慮すると、センサ部
の大きさが2mm角未満であることが要求される。ま
た、被検者の測定によるストレスを小さくするために
は、測定時間が数秒程度であることが望ましく、これに
伴ってセンサ部の熱時定数(入射される赤外線でセンサ
部自体の温度が上昇して最終温度の63.2%の温度に
至るまでの時間)が1秒未満であることが要求される。
【0009】本発明は、上記のような事情に鑑みて成さ
れたものであり、赤外線センサとして微小形状とするこ
とが可能なボロメータを用い、測定対象物の温度の測定
は、予め求められているデータを参照することによって
行なうようにした高精度の非接触型温度計の提供を目的
とする。
れたものであり、赤外線センサとして微小形状とするこ
とが可能なボロメータを用い、測定対象物の温度の測定
は、予め求められているデータを参照することによって
行なうようにした高精度の非接触型温度計の提供を目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は次のように構成されている。
の本発明は次のように構成されている。
【0011】請求項1に記載の発明は、測定対象物から
の赤外線を検出する赤外線検出用サーミスタボロメータ
素子と、当該赤外線検出用サーミスタボロメータ素子周
囲の環境温度を検出すべく該測定対象物からの赤外線の
影響を受けない位置に設けられる環境温度検出用サーミ
スタボロメータ素子と、前記環境温度をパラメータとし
て、前記赤外線検出用サーミスタボロメータ素子と当該
環境温度検出用サーミスタボロメータ素子の検出温度差
と前記測定対象物の温度との関係を示すデータを記憶す
る記憶手段と、前記赤外線検出用サーミスタボロメータ
素子と前記環境温度検出用サーミスタボロメータ素子の
検出温度差と前記環境温度検出用サーミスタボロメータ
素子によって検出された環境温度とに基づいて前記記憶
手段に記憶されているデータを参照し、前記測定対象物
の温度を演算する演算手段とを有することを特徴とする
非接触型温度計である。
の赤外線を検出する赤外線検出用サーミスタボロメータ
素子と、当該赤外線検出用サーミスタボロメータ素子周
囲の環境温度を検出すべく該測定対象物からの赤外線の
影響を受けない位置に設けられる環境温度検出用サーミ
スタボロメータ素子と、前記環境温度をパラメータとし
て、前記赤外線検出用サーミスタボロメータ素子と当該
環境温度検出用サーミスタボロメータ素子の検出温度差
と前記測定対象物の温度との関係を示すデータを記憶す
る記憶手段と、前記赤外線検出用サーミスタボロメータ
素子と前記環境温度検出用サーミスタボロメータ素子の
検出温度差と前記環境温度検出用サーミスタボロメータ
素子によって検出された環境温度とに基づいて前記記憶
手段に記憶されているデータを参照し、前記測定対象物
の温度を演算する演算手段とを有することを特徴とする
非接触型温度計である。
【0012】このように構成すると、赤外線検出用サー
ミスタボロメータ素子と環境温度検出用サーミスタボロ
メータ素子の各々を、たとえば1mm角程度の微小な領
域内に形成してボロメータを構成したような場合であっ
ても、測定対象物の赤外線の影響を受けて測定誤差が大
きくなってしまうようなことを回避することができるよ
うになる。
ミスタボロメータ素子と環境温度検出用サーミスタボロ
メータ素子の各々を、たとえば1mm角程度の微小な領
域内に形成してボロメータを構成したような場合であっ
ても、測定対象物の赤外線の影響を受けて測定誤差が大
きくなってしまうようなことを回避することができるよ
うになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0014】本発明で使用しているボロメータは、サー
ミスタの一種で放射エネルギーに対応する抵抗値を呈す
る素子であり、放射エネルギーに対応した電圧を出力す
るサーモパイルとは異なるものである。
ミスタの一種で放射エネルギーに対応する抵抗値を呈す
る素子であり、放射エネルギーに対応した電圧を出力す
るサーモパイルとは異なるものである。
【0015】図1に示すように、本発明の非接触型温度
計に使用されているボロメータ10は、赤外線検出用の
サーミスタボロメータ素子Rsと温度補償用のサーミス
タボロメータ素子Rcの2つのサーミスタボロメータ素
子が並列に配置された構成となっており、このボロメー
タ10の上面には表蓋12が接合されている。この表蓋
12の表面には赤外線遮光膜14が成膜され、この赤外
線遮光膜14の赤外線受光部15に対向する位置には、
赤外線を内部に導くための入射窓16が設けてある。こ
のため、測定対象物からの赤外線は、片側のサーミスタ
ボロメータ素子Rsのみに入射窓16を介して入射され
る。
計に使用されているボロメータ10は、赤外線検出用の
サーミスタボロメータ素子Rsと温度補償用のサーミス
タボロメータ素子Rcの2つのサーミスタボロメータ素
子が並列に配置された構成となっており、このボロメー
タ10の上面には表蓋12が接合されている。この表蓋
12の表面には赤外線遮光膜14が成膜され、この赤外
線遮光膜14の赤外線受光部15に対向する位置には、
赤外線を内部に導くための入射窓16が設けてある。こ
のため、測定対象物からの赤外線は、片側のサーミスタ
ボロメータ素子Rsのみに入射窓16を介して入射され
る。
【0016】図中のD1〜D4はサーミスタボロメータ
素子を外部と接続するための電極である。
素子を外部と接続するための電極である。
【0017】なお、サーミスタボロメータ素子Rcに
は、赤外線が入射されないが、この素子Rcは、サーミ
スタの特性や周囲の雰囲気などはサーミスタボロメータ
素子Rsと同等であるので、温度補償素子,すなわちリ
ファレンス素子として機能することになる。
は、赤外線が入射されないが、この素子Rcは、サーミ
スタの特性や周囲の雰囲気などはサーミスタボロメータ
素子Rsと同等であるので、温度補償素子,すなわちリ
ファレンス素子として機能することになる。
【0018】この2つのサーミスタボロメータ素子R
s,Rcは、同等の特性,すなわち、 R=R′・eB/T R:抵抗値 R′,B:定数 T:絶対温度 なる特性を持つので、ある抵抗値のときのサーミスタボ
ロメータ素子Rs,Rcの絶対温度Ts,Tcは一意に
決定される。
s,Rcは、同等の特性,すなわち、 R=R′・eB/T R:抵抗値 R′,B:定数 T:絶対温度 なる特性を持つので、ある抵抗値のときのサーミスタボ
ロメータ素子Rs,Rcの絶対温度Ts,Tcは一意に
決定される。
【0019】このときのサーミスタボロメータ素子R
s,Rcの検出温度差をδTとすると、δT=Ts−T
cで表される。
s,Rcの検出温度差をδTとすると、δT=Ts−T
cで表される。
【0020】そして、このときの環境温度を一定とする
と、理論的には、下式(1)が成り立つ。
と、理論的には、下式(1)が成り立つ。
【0021】TB 4 =(G/K)δT+Ts4 …(1) TB :測定対象物の絶対温度 G,K:Rs,Rcの形状、寸法、材質によって決定す
る定数 このため、Ts,Tcから測定対象物の絶対温度TB を
求めることができる。しかしながら、ボロメータ10の
大きさを前述のように数mm角未満にし、内蔵のサーミ
スタボロメータ素子の大きさを1mm以下のオーダーで
作るようになると、環境温度、測定対象物の温度、熱伝
導によって受ける温度変化などの影響をボロメータ10
の大きさが大きい場合に比較して非常に多く受けるよう
になるので、上記の(1)式を用いて測定対象物の絶対
温度TB を求める方法では、測定温度誤差が大きくなる
傾向にあり、温度測定の実用には適さなくなる。
る定数 このため、Ts,Tcから測定対象物の絶対温度TB を
求めることができる。しかしながら、ボロメータ10の
大きさを前述のように数mm角未満にし、内蔵のサーミ
スタボロメータ素子の大きさを1mm以下のオーダーで
作るようになると、環境温度、測定対象物の温度、熱伝
導によって受ける温度変化などの影響をボロメータ10
の大きさが大きい場合に比較して非常に多く受けるよう
になるので、上記の(1)式を用いて測定対象物の絶対
温度TB を求める方法では、測定温度誤差が大きくなる
傾向にあり、温度測定の実用には適さなくなる。
【0022】したがって、本発明のように微小なボロメ
ータを使用した非接触型温度計では、今までのように、
サーミスタボロメータ素子の特性が既知なだけでは、正
確な温度測定をすることは困難になる。
ータを使用した非接触型温度計では、今までのように、
サーミスタボロメータ素子の特性が既知なだけでは、正
確な温度測定をすることは困難になる。
【0023】そこで、本実施の形態では、図2に示すよ
うな測定装置を用いて、環境温度をパラメータとして、
赤外線検出用サーミスタボロメータ素子Rsと環境温度
検出用サーミスタボロメータ素子Rcの検出温度差と測
定対象物の温度との関係を示すデータを予め測定し、こ
れを後述のROM内に記憶させている。
うな測定装置を用いて、環境温度をパラメータとして、
赤外線検出用サーミスタボロメータ素子Rsと環境温度
検出用サーミスタボロメータ素子Rcの検出温度差と測
定対象物の温度との関係を示すデータを予め測定し、こ
れを後述のROM内に記憶させている。
【0024】図2に示すように、熱源となる黒体20と
ボロメータ10との間に、黒体20からの赤外線が完全
に遮られるように(図1の入射窓16から黒体20から
の赤外線が入射されないように)シャッタ25を置き、
シャッタ25を動作させる。このシャッタ25の動作に
よって、ボロメータ10には黒体20からの赤外線が入
射されたり入射されなかったりする状態が実現される。
ボロメータ10との間に、黒体20からの赤外線が完全
に遮られるように(図1の入射窓16から黒体20から
の赤外線が入射されないように)シャッタ25を置き、
シャッタ25を動作させる。このシャッタ25の動作に
よって、ボロメータ10には黒体20からの赤外線が入
射されたり入射されなかったりする状態が実現される。
【0025】つまり、図3に示すように、シャッタ25
が開いたときにはボロメータ10に黒体20からの赤外
線が届き、サーミスタボロメータ素子Rsはその赤外線
の影響を受けて絶対温度が上昇する。一方、サーミスタ
ボロメータ素子Rcはこの赤外線の影響をあまり受けな
いのでその絶対温度はあまり変化しない。また、シャッ
タ25が閉じたときにはボロメータ10に黒体20から
の赤外線が届かなくなるので、サーミスタボロメータ素
子Rsとサーミスタボロメータ素子Rcとの絶対温度は
ほぼ同じ温度となる。
が開いたときにはボロメータ10に黒体20からの赤外
線が届き、サーミスタボロメータ素子Rsはその赤外線
の影響を受けて絶対温度が上昇する。一方、サーミスタ
ボロメータ素子Rcはこの赤外線の影響をあまり受けな
いのでその絶対温度はあまり変化しない。また、シャッ
タ25が閉じたときにはボロメータ10に黒体20から
の赤外線が届かなくなるので、サーミスタボロメータ素
子Rsとサーミスタボロメータ素子Rcとの絶対温度は
ほぼ同じ温度となる。
【0026】この測定を行なう際には、黒体20の表面
温度TB を一定にして、また、ボロメータ10の環境温
度Ta を一定にしてシャッタ25を周期的に開閉させ
る。この結果、図3に示すような特性が測定される。
温度TB を一定にして、また、ボロメータ10の環境温
度Ta を一定にしてシャッタ25を周期的に開閉させ
る。この結果、図3に示すような特性が測定される。
【0027】なお、この図において、サーミスタボロメ
ータ素子Rsの絶対温度Tsの立ち上がりに緩やかな部
分が存在するのは、サーミスタボロメータ素子の熱時定
数の影響である。つまり、赤外線を受けてから素子自体
が温度上昇するためには、熱容量などの関係から一定の
時間が必要であり、逆に赤外線が遮られてから素子自体
の温度が環境温度と平衡状態になるのにも一定の時間が
必要だからである。もちろん、この熱時定数に対してシ
ャッタ25の開閉速度は充分に速くして行なわれる。
ータ素子Rsの絶対温度Tsの立ち上がりに緩やかな部
分が存在するのは、サーミスタボロメータ素子の熱時定
数の影響である。つまり、赤外線を受けてから素子自体
が温度上昇するためには、熱容量などの関係から一定の
時間が必要であり、逆に赤外線が遮られてから素子自体
の温度が環境温度と平衡状態になるのにも一定の時間が
必要だからである。もちろん、この熱時定数に対してシ
ャッタ25の開閉速度は充分に速くして行なわれる。
【0028】このような測定を、黒体20の表面温度T
B を変えて、また、環境温度Ta を変えて測定すると、
図4に示したような測定データが得られる。
B を変えて、また、環境温度Ta を変えて測定すると、
図4に示したような測定データが得られる。
【0029】この図において、縦軸は、サーミスタボロ
メータ素子Rsとサーミスタボロメータ素子Rcとの検
出温度差をδTを示し、横軸は黒体20の表面温度TB
を示し、各直線は、環境温度Ta が異なる場合に得られ
た検出温度差δTと表面温度TB との関係を示すもので
ある。
メータ素子Rsとサーミスタボロメータ素子Rcとの検
出温度差をδTを示し、横軸は黒体20の表面温度TB
を示し、各直線は、環境温度Ta が異なる場合に得られ
た検出温度差δTと表面温度TB との関係を示すもので
ある。
【0030】図のような測定結果が得られるのは、環境
温度Ta が一定のときには表面温度TB が高くなるにつ
れてサーミスタボロメータ素子Rsの絶対温度Tsが高
くなり、さらに表面温度TB の狭い範囲では、検出温度
差δTの表面温度TB による微分値がほぼ定数とみな
せ、検出温度差δTと表面温度TB とが直線関係(正確
には曲線)になるためである。
温度Ta が一定のときには表面温度TB が高くなるにつ
れてサーミスタボロメータ素子Rsの絶対温度Tsが高
くなり、さらに表面温度TB の狭い範囲では、検出温度
差δTの表面温度TB による微分値がほぼ定数とみな
せ、検出温度差δTと表面温度TB とが直線関係(正確
には曲線)になるためである。
【0031】図4に示すデータがあれば、非接触の温度
測定が可能となる。すなわち、サーミスタボロメータ素
子Rcの検出温度Tc から環境温度Ta を求め(Ta =
Tc)、Ta が一定のときの検出温度差δT−表面温度
TB の直線から測定対象物の表面温度TB が求められる
からである。
測定が可能となる。すなわち、サーミスタボロメータ素
子Rcの検出温度Tc から環境温度Ta を求め(Ta =
Tc)、Ta が一定のときの検出温度差δT−表面温度
TB の直線から測定対象物の表面温度TB が求められる
からである。
【0032】なお、図4に示すように、検出温度差δT
と表面温度TB との関係を示すデータは、環境温度に対
して離散的にしかとることができないので、このデータ
を用いて実際の温度測定をする場合には、データの補
間、たとえばスプライン補間により環境温度Ta を一定
としたときの検出温度差δTに対する測定対象物の表面
温度TB を求める。
と表面温度TB との関係を示すデータは、環境温度に対
して離散的にしかとることができないので、このデータ
を用いて実際の温度測定をする場合には、データの補
間、たとえばスプライン補間により環境温度Ta を一定
としたときの検出温度差δTに対する測定対象物の表面
温度TB を求める。
【0033】図5は、本発明の非接触型温度計の測定制
御系の構成を示すブロック図である。
御系の構成を示すブロック図である。
【0034】ボロメータ10は、図1に示した4つの電
極D1〜D4を介して、抵抗−電圧変換回路30に接続
され、この抵抗−電圧変換回路30で、サーミスタボロ
メータ素子RsとRcとの抵抗値が電圧に変換される。
変換されたサーミスタボロメータ素子RsとRcに対す
る電圧Vs,Vcは、マルチプレクサ32を介してA/
D変換器34に入力され、ここでアナログ値としての電
圧値がデジタル値に変換される。演算手段であるCPU
36では、このデジタル変換されたサーミスタボロメー
タ素子RsとRcに対する電圧Vs,Vcを入力し、こ
の入力した電圧Vcの値から環境温度Ta を求め、ま
た、両電圧値の差から検出温度差δTを求め、ROM3
8に記憶させてある前述の検出温度差δTと表面温度T
B との関係を示すデータを参照する。ROM38に一致
するデータが存在すれば、そのデータを抽出して測定対
象物の温度を求め、一方、一致するデータが存在しなけ
れば、通常用いられているデータ補間、たとえばスプラ
イン補間を用いて測定対象物の温度を求める。
極D1〜D4を介して、抵抗−電圧変換回路30に接続
され、この抵抗−電圧変換回路30で、サーミスタボロ
メータ素子RsとRcとの抵抗値が電圧に変換される。
変換されたサーミスタボロメータ素子RsとRcに対す
る電圧Vs,Vcは、マルチプレクサ32を介してA/
D変換器34に入力され、ここでアナログ値としての電
圧値がデジタル値に変換される。演算手段であるCPU
36では、このデジタル変換されたサーミスタボロメー
タ素子RsとRcに対する電圧Vs,Vcを入力し、こ
の入力した電圧Vcの値から環境温度Ta を求め、ま
た、両電圧値の差から検出温度差δTを求め、ROM3
8に記憶させてある前述の検出温度差δTと表面温度T
B との関係を示すデータを参照する。ROM38に一致
するデータが存在すれば、そのデータを抽出して測定対
象物の温度を求め、一方、一致するデータが存在しなけ
れば、通常用いられているデータ補間、たとえばスプラ
イン補間を用いて測定対象物の温度を求める。
【0035】たとえば、図4に示すようなデータがRO
M38に記憶されている場合に、CPU36がサーミス
タボロメータ素子Rcから求めた環境温度Ta が25
℃、サーミスタボロメータ素子RsとRcとから得られ
た絶対温度Tsと環境温度Taとの温度差である検出温
度差δTが0.24℃であったとすると、図4のグラフ
により測定対象物の温度は36℃であることがわかる。
M38に記憶されている場合に、CPU36がサーミス
タボロメータ素子Rcから求めた環境温度Ta が25
℃、サーミスタボロメータ素子RsとRcとから得られ
た絶対温度Tsと環境温度Taとの温度差である検出温
度差δTが0.24℃であったとすると、図4のグラフ
により測定対象物の温度は36℃であることがわかる。
【0036】このようにして求めた温度は、CPU36
によりディスプレイ40に表示される。
によりディスプレイ40に表示される。
【0037】以上のように、本実施の形態ではボロメー
タ10内のサーミスタボロメータ素子の数を2個とした
が、環境温度の測定用にサーミスタボロメータ素子をも
う1つ設けて、補正をするようにしてもよい。
タ10内のサーミスタボロメータ素子の数を2個とした
が、環境温度の測定用にサーミスタボロメータ素子をも
う1つ設けて、補正をするようにしてもよい。
【0038】また、本実施の形態ではサーミスタボロメ
ータ素子の電極を4つ設けたが、2つの電極を共通にし
て3つの電極とすれば、電極の占有面積が相対的に小さ
くなり、一層の小形化が可能となる。
ータ素子の電極を4つ設けたが、2つの電極を共通にし
て3つの電極とすれば、電極の占有面積が相対的に小さ
くなり、一層の小形化が可能となる。
【0039】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、赤外線
検出用サーミスタボロメータ素子と環境温度検出用サー
ミスタボロメータ素子とを微小な領域内に形成してボロ
メータを構成したような場合であっても、測定対象物の
赤外線の影響を受けて測定誤差が大きくなってしまうよ
うなことを回避することができるようになる。
検出用サーミスタボロメータ素子と環境温度検出用サー
ミスタボロメータ素子とを微小な領域内に形成してボロ
メータを構成したような場合であっても、測定対象物の
赤外線の影響を受けて測定誤差が大きくなってしまうよ
うなことを回避することができるようになる。
【0040】さらに、このことにより温度計のセンサ部
を小さくすることができ、非接触型温度計を鼓膜温度計
とした場合には、耳道の奥までセンサ部を挿入すること
ができるようになり、正確な鼓膜温度の測定が可能とな
る。
を小さくすることができ、非接触型温度計を鼓膜温度計
とした場合には、耳道の奥までセンサ部を挿入すること
ができるようになり、正確な鼓膜温度の測定が可能とな
る。
【図1】 本発明の非接触型温度計に係るボロメータの
概略構成を示す図である。
概略構成を示す図である。
【図2】 ROMに格納するデータを測定する際に使用
する装置の概略構成図である。
する装置の概略構成図である。
【図3】 図2のシャッタを開閉した際のサーミスタボ
ロメータ素子の検出温度の変化の状態を示す図である。
ロメータ素子の検出温度の変化の状態を示す図である。
【図4】 ROMに格納する検出温度差δTと表面温度
TB との関係を示すデータの一例を示す図である。
TB との関係を示すデータの一例を示す図である。
【図5】 本発明の非接触型温度計の測定制御系の構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
10…ボロメータ、 12…表蓋、14…赤外線遮光
膜、15…赤外線受光部、16…入射窓、20…黒体、
25…シャッタ、30…抵抗−電圧変換回路、
32…マルチプレクサ、34…A/D変換器、36…C
PU(演算手段)、38…ROM(記憶手段)、40…
ディスプレイ、Rs…赤外線検出用サーミスタボロメー
タ素子、Rc…温度補償用サーミスタボロメータ素子。
D1〜D4…電極。
膜、15…赤外線受光部、16…入射窓、20…黒体、
25…シャッタ、30…抵抗−電圧変換回路、
32…マルチプレクサ、34…A/D変換器、36…C
PU(演算手段)、38…ROM(記憶手段)、40…
ディスプレイ、Rs…赤外線検出用サーミスタボロメー
タ素子、Rc…温度補償用サーミスタボロメータ素子。
D1〜D4…電極。
Claims (1)
- 【請求項1】 測定対象物からの赤外線を検出する赤外
線検出用サーミスタボロメータ素子と、 当該赤外線検出用サーミスタボロメータ素子周囲の環境
温度を検出すべく該測定対象物からの赤外線の影響を受
けない位置に設けられる環境温度検出用サーミスタボロ
メータ素子と、 前記環境温度をパラメータとして、前記赤外線検出用サ
ーミスタボロメータ素子と当該環境温度検出用サーミス
タボロメータ素子の検出温度差と前記測定対象物の温度
との関係を示すデータを記憶する記憶手段と、 前記赤外線検出用サーミスタボロメータ素子と前記環境
温度検出用サーミスタボロメータ素子の検出温度差と前
記環境温度検出用サーミスタボロメータ素子によって検
出された環境温度とに基づいて前記記憶手段に記憶され
ているデータを参照し、前記測定対象物の温度を演算す
る演算手段とを有することを特徴とする非接触型温度
計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8072822A JPH09264791A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 非接触型温度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8072822A JPH09264791A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 非接触型温度計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09264791A true JPH09264791A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13500500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8072822A Withdrawn JPH09264791A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 非接触型温度計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09264791A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8523427B2 (en) * | 2008-02-27 | 2013-09-03 | Analog Devices, Inc. | Sensor device with improved sensitivity to temperature variation in a semiconductor substrate |
JP2015227777A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | Tdk株式会社 | 温度検出装置 |
-
1996
- 1996-03-27 JP JP8072822A patent/JPH09264791A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8523427B2 (en) * | 2008-02-27 | 2013-09-03 | Analog Devices, Inc. | Sensor device with improved sensitivity to temperature variation in a semiconductor substrate |
JP2015227777A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | Tdk株式会社 | 温度検出装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030603 |