JP2828258B2 - 放射体温計 - Google Patents

放射体温計

Info

Publication number
JP2828258B2
JP2828258B2 JP1084081A JP8408189A JP2828258B2 JP 2828258 B2 JP2828258 B2 JP 2828258B2 JP 1084081 A JP1084081 A JP 1084081A JP 8408189 A JP8408189 A JP 8408189A JP 2828258 B2 JP2828258 B2 JP 2828258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
infrared
sensor
radiation thermometer
light guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1084081A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0235322A (ja
Inventor
柄川  俊二
真人 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHICHIZUN TOKEI KK
Original Assignee
SHICHIZUN TOKEI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHICHIZUN TOKEI KK filed Critical SHICHIZUN TOKEI KK
Priority to JP1084081A priority Critical patent/JP2828258B2/ja
Publication of JPH0235322A publication Critical patent/JPH0235322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2828258B2 publication Critical patent/JP2828258B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/025Interfacing a pyrometer to an external device or network; User interface
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/026Control of working procedures of a pyrometer, other than calibration; Bandwidth calculation; Gain control
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/04Casings
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/04Casings
    • G01J5/049Casings for tympanic thermometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/06Arrangements for eliminating effects of disturbing radiation; Arrangements for compensating changes in sensitivity
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/08Optical arrangements
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/08Optical arrangements
    • G01J5/0818Waveguides
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/02Constructional details
    • G01J5/08Optical arrangements
    • G01J5/0875Windows; Arrangements for fastening thereof
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/10Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry using electric radiation detectors
    • G01J5/12Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry using electric radiation detectors using thermoelectric elements, e.g. thermocouples
    • G01J5/14Electrical features thereof
    • G01J5/16Arrangements with respect to the cold junction; Compensating influence of ambient temperature or other variables

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は放射体温計に関するものであり、特にプロー
ブ予熱装置を用いない放射体温計のシステムに関する。
〔従来の技術〕
近年ガラス体温計に代わるものとしてペン型の電子体
温計が普及してきた。
この電子体温計の特徴は、壊れない、読み取りやす
い、体温の終了のブザーがあることなどですが、検温に
要する時間は5〜10分程度必要で、ガラス体温計とほと
んど変わりがなく、これが体温測定が面倒がられる原因
です。これは、腋下や口中にセンサ部を挿入して、測定
部位に接触させて測るという方法に問題があり、測定時
間が長いのには2つの理由があります。
第1に腋下の皮膚温や、口中の粘膜温は検温開始前に
は体温となっておらず、腋や口を閉じることによって、
徐々に体温に近ずくためである。
第2に体温計センサ部は周囲温度に冷やされていて、
測定部位に挿入することにより、更に測定部位の温度を
さげてしまい、より時間がかかるためである。
前記第1及び第2の理由を考慮して体温測定を短時間
に行うための条件を考えて見ると、検温を開始する前か
ら体温となっている部位を選び、冷えているセンサを接
触させることなく測定できれば、短時間測定が可能とな
る。
そこで、検温を開始する前から体温となっている部位
として鼓膜を選び、その部位の温度を非接触で測る放射
体温計が提案されている。(例えば特開昭61−117422号
公報) 次に上記放射体温計の基本となっている放射温度計の
原理について説明する。
『すべての物体は、表面から赤外放射をしており、そ
の赤外放射エネルギの量と分光特性は物体の全体温度で
定まり、その物体の性質や仕上げ表面状態にもよる。』
この物理学の法則を基本としている。このことを示す法
則を説明する。
まず、プランク(Planck)の法則は、黒体の放射強
度、スペクトル分布および温度の関係を表わしたもので
ある。
W(λ,T):単色放射発散度(Spectral radiant emi
ttance)〔W/cm2・μm〕 T :黒体の絶対温度〔K〕 λ:放射される放射線の波長〔μm〕 c :光の速度2.998×1010〔cm/sec〕 h :プランク定数6.625×10-34〔W・sec2〕 k :ボルツマン定数1.380×1023〔W・sec/K〕 このプランクの法則を図示したものが第8図である。
放射エネルギは黒体の温度が高くなるにつれて増大して
いることがわかる。また、放射エネルギは波長によって
変り、その分布のピーク値は温度が高くなるにつれて短
波長側にシフトしていくが、広い波長帯域に渡って放射
していることもわかる。
黒体から放出される全エネルギは(1)式で与えられ
るW(λ,T)をλについてλ=0から=λ=∞まで積分
してえられる。これがステファン・ボルツマン(stefan
−Boltzmann)の法則である。
W1=黒体の全放射エネルギ〔W/cm2〕 σ:ステファン・ボルツマン定数 5.673×10-12〔W/cm2・deg4〕 (2)式から明らかなように、全放射エネルギW1は黒
体光源の絶対温度Tの4乗に比例している。また、
(2)式は黒体から放射される赤外放射を全波長につい
て積分して得られた式であることにも注意を要したい。
上記の法則はすべて放射率1.00の黒体について導かれ
たものである。しかし、実際にはたいていの物体は完全
放射体ではなく、物体の放射率は1.00より小さい。それ
ゆえ、放射率を掛けて修正する必要がある。そこで、黒
体でないたいていの物体の放射エネルギW2は(3)式の
ように表わせる。
ε:物体の放射率 (3)式は物体から放射され赤外センサへ入射してい
る赤外放射エネルギを表わしているが、赤外センサ自身
からも同じ法則で赤外放射している。したがって、赤外
センサ自身の温度をT0とすれば、σ▲T4 0▼のエネルギ
を赤外放射していることになり、入射から放射を差引い
たエネルギWは(4)式となる。
W=σ(εT4+λTa4−T0 4) …(4) Ta:物体の周囲温度 γ:物体の反射率 測定物体の透過率は零と見なせるので γ=1−εが成り立つ。
(4)式においては、赤外センサは理想的に作られて
おり、赤外センサの放射率は1.00であるとした。
また、赤外センサは周囲温度Taの環境の中に長い間放
置してあり、赤外センサ温度T0は周囲温度Taと等しいと
すると、(4)式は(5)式のようになる。
W=σ(εT4+γT0 4−T0 4) =εσ(T4−T0 4) …(5) 第7図は従来の放射温度計の基本構成図であり、以下
図面に基づいて構成を説明する。
放射温度計7は、光学系2、検出部3、検出信号処理
部4、演算部5、表示装置6から構成されている。
光学系2は、測定物体Lからの赤外放射を効率良く集
光するための導光手段2aと透過波長特性があるフィルタ
2bから成っている。導光手段2aには内面を金メッキした
円筒形状の導光管を用いている。また、フィルタ2bには
シリコンフィルタが用いられている。
検出部3は、赤外センサ3aと感温センサ3bから成って
いる。赤外センサ3aは上記光学系2により集光された赤
外放射エネルギなどの入射から赤外センサ3a自身からの
放射を差引いた赤外放射エネルギを電気信号すなわち赤
外電圧Vsに変換する。また、感温センサ3bは赤外センサ
3a及びその近辺の温度T0を計測するため赤外センサ3aの
近辺に配置され、感温電圧Vtを出力している。そして、
赤外センサ3aにはサーモパイル、感温センサ3bには感温
ダイオード、例えばサーミスタ等が用いられている。
検出信号処理部4は、赤外センサ3aつまり、サーモパ
イルの出力である赤外電圧Vsを増幅する増巾回路と、そ
の増巾回路の出力電圧をデジタル化された赤外データVd
に変換するA/D変換回路とにより構成される赤外信号処
理部4aと、感温センサ3bつまり、ダイオードの順方向電
圧である感温電圧Vtを増幅する増巾回路と、その増巾回
路の出力電圧をデジタル化された感温データT0に変換す
るA/D変換回路とにより構成される感温信号処理部4bか
ら成っている。
そして、検出信号処理部4からの前記2つの信号Vd、
T0は、演算部5によって温度データTに変換され、表示
装置6に表示される。ここで、演算部5は、測定物体L
の放射率εを設定する放射率入力手段5aと、(5)式に
基づいた演算をする演算回路5cから構成されている。
以上の構成によって、非接触非方式により測定物体L6
の温度計測を行うとができるが、どのように動作してい
るかを説明する。
まず、測定物体Lは赤外放射しており、その波長スペ
クトル分布は第8図に示すように広い波長域に及んでい
る。そして、その赤外放射は導光手段2aにより集光さ
れ、透過波長特性のあるフィルタ2bを透過して赤外セン
サ3aに達する。
その他にも赤外センサ3aに達する赤外放射エネルギは
ある。ひとつには、測定物体Lの周囲にある物体から赤
外放射されてり、それが測定物体Lにより反射した後フ
ィルタ2bを透過して達する赤外放射エネルギである。他
には、赤外センサ3aまたはその周辺にある物体から赤外
放射されており、それがフィルタ2bにより反射して達す
るものや、さらにはフィルタ2bから赤外放射されて達す
る赤外放射エネルギがある。
そして、前記赤外センサ3aからの赤外放射エネルギは
(3)式として表わせる。ただし、ε=1.00とする。つ
まり、赤外センサ3a自身の温度を計測することは、間接
的に赤外センサ3aからの赤外放射エネルギを測ることに
なる。そのために、感温センサ3bは赤外センサ3aの近辺
に配置され、赤外センサ3aとその周辺温度T0を計測して
いる。
そして、赤外センサ3aは入射する赤外放射エネルギか
ら放射する赤外放射エネルギを差引いた赤外放射エネル
ギWを電気信号に変換する。赤外センサ3aはサーモパイ
ルを用いているので、この赤外放射エネルギWに比例し
た赤外電圧Vsが出力される。
ここで、赤外センサ3aの出力電圧である赤外電圧Vs
は、単位面積あたりの赤外放射エネルギWと赤外センサ
3aの受光面積Sの積に感度Rを乗じたものである。ま
た、赤外信号処理部4aの出力電圧である赤外データVd
は、赤外センサ3aの赤外電圧Vsに赤外信号処理部4aの増
幅率Aを乗じたものである。
Vs=R・W・S Vd=A・Vs 上記の関係が成り立つことから、(5)式は(6)式
として表わせる。
Vd=ε・σSRA(T4−T0 4) …(6) Vd:赤外信号処理部4aの出力電圧 S:赤外センサ3aの受光面積 R:赤外センサの感度 A:赤外信号処理部4aの増幅率 一般には、K1=σSRAとおいて(6)式を整理し
(7)式に基づいて測定物体Lの温度Tを演算する。
Vd=εK1(T4−T0 4 しかるに従来の放射温度計に用いられている熱型の赤
外センサ自体は波長依存性がないが、該赤外センサが実
装されているキャン・パッケージの全面には窓材として
シリコンフィルタや石英フィルタなどの透過材料が配置
されている。これは、物体からの赤外放射には第8図に
示したように波長スペクトル分布があるために、主に放
射している波長帯域だけを透過させ、外光の影響を少な
くするためのものである。前記透過材料にはそれぞれ特
有の透過波長特性があり、測定物体の温度、透過材料の
加工性、材料の価格などにより適当な透過材料が選ばれ
ている。
この透過材料のひとつであるシリコンフィルタの透過
率を図示したものが第9図である。第9図に示すシリコ
ンフィルタは約1〜18〔μm〕の波長帯域だけを透過し
ていることがわかる。そして、その透過率は約54%であ
る。
上記のごとく、フィルタ付赤外センサはセンサ自身は
熱型であり波長依存性がないが窓材であるフィルタによ
り特定の波長帯域だけを透過させる波長依存性をもつこ
とになる。
したがって、フィルタ付赤外センサに入力する赤外放
射エネルギを全波長について積分して得られた(5)式
は、特定の波長帯域だけを透過させるフィルタ付の赤外
センサについては成り立たないことになり、この分だけ
誤差が含まれる結果となる。
さらに従来の構成に於いては、赤外センサの感度Rは
定数として取り扱ったが、実際の赤外センサの感度Rは
赤外センサ温度T0に依存して変動しており発明者の実験
によると前記赤外センサ3aとして使用するサーモパイル
の出力電圧Vsを黒体を用いて実測して感度Rを求めると
ともに、前記赤外センサ温度T0を変化させて各温度に於
ける感度Rの変化をプロットした結果前記感度Rの温度
依存性は(8)式のごとく直線上に近似出来ることがわ
かった。
R=α{1+β(T0−Tm)} …(8) ここで、αはT0=Tmのときの基準となる感度Rであ
る。Tmは赤外センサ温度の代表温度であり、例えば、工
場での赤外センサ感度を測定したときの赤外センサ温度
などである。βは変動の度合を表わし、1〔deg〕あた
りの変動率は−0.3〔%/deg〕であった。
上記のような感度Rの変動が誤差となることは当然で
ある。
さらに前記(5)式に示すエネルギWは前記赤外セン
サ3aと導光手段2aとが熱バランスしているとの仮定に基
づく値であるが、実際には後述するごとく赤外センサ3a
と導光手段2aとの温度が異る場合があり、この場合には
導光手段2aからの赤外放射によって測定誤差が生ずる結
果となる。
上記のごとく放射温度計は各種の誤差要因を有する
が、しかし通常の放射温度計は、高い温度の測定を目的
としたものであり、その測定範囲は0〜300℃程度、測
定精度は±(2〜3)℃程度であるため前記フィルタ特
性や、赤外センサの感度変動や、熱バランス等による誤
差は無視出来るものとして対策を省略していた。
しかるに体温計としての測定条件を考えると、検温範
囲としては33℃〜43℃程度と狭くてもよいが、検温精度
としては±0.1℃が要求される。
従って前記放射温度計を体温計として使用とする場合
は前記フィルタ特性や赤外センサの感度変動や、熱バラ
ンス等による誤差に対してなんらかの対策を施すことに
より検温精度を高める必要がある。
この対策として前記特開昭61−117422号公報の放射体
温計では次のような方式となっている。
すなわち赤外センサを備えたプローブユニットと、タ
ーゲットを備えたチョッパーユニットと、充電ユニット
の3ユニット構成となっている。
そして前記赤外センサとターゲットとを外耳孔のリフ
ァレンス温度(36.5℃)に予熱するための加熱制御手段
を設け、この加熱制御手段を前記充電ユニットからの充
電エネルギによって駆動している。
そして体温測定の際はプローブユニットをチョッパー
ユニットにセットして前記加熱制御手段により、赤外セ
ンサを有するプローブとターゲットを予熱した状態にて
キャリブレートを行い、しかる後にプローブユニットを
取外して外耳孔に挿入して鼓膜からの放射赤外線を検出
し、前記ターゲットからの放射赤外線と比較することに
より体温測定を行っている。
次に上記方式により検温精度を高めている理由につい
て説明する。
この方式は加熱制御手段によって赤外センサを有する
プローブとターゲットとを通常の体温に近いリファレン
ス温度(36.5℃)迄予熱することによって各種の誤差要
因を解消しているものである。
すなわちプローブを常温より高いリファレンス温度ま
で加熱することによって、周囲温度にかかわらず、赤外
センサは一定温度に保つことによって赤外センサの感度
変動はなくなり、その誤差は無視できる。また、測定す
べき体温とターゲットのリファレンス温度とを近接した
値としてキャリブレートを行った後、比較測定を行うこ
とにより前記熱バランスによる誤差及びフィルタ特性に
よる誤差を無視出来るレベルとしている。
さらにプローブを体温に近い温度に予熱しているた
め、従来の冷たいプローブを外耳孔に挿入した場合、前
記プローブによって外耳孔および鼓膜の温度が低下して
正しい体温測定が行われないという問題も解決してい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記特開昭61−117422号公報の放射体温計は
検温精度の点に於いて極めて優れているが、反面、コン
トロール精度の高い加熱制御装置を必要とするため、そ
の構造及び回路構成が複雑になってコストアップになる
という問題がある。又、プローブとターゲットを予熱
し、一定温度に制御するには長い安定時間を必要として
いた。さらに加熱制御装置を駆動するエネルギが比較的
大電力であるため形状が大で、かつ電源コードを有する
充電ユニットを必要とする結果となり、従って小型電池
をエネルギ源とする携帯形体温計には、本方式を採用す
ることは不可能といえる。
本発明の目的は上記問題点を解決することにより、体
温計としての検温精度を維持し、携帯可能に小型化され
るとともに、熱バランスに基づく測定の待時間を不用と
した放射体温計をローコストにて提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明の要旨は下記の通り
である。
第1に、測定物体からの赤外放射エネルギを集光する
ための導光手段と、外導光手段を通して集光された赤外
放射エネルギを電気信号に変換する赤外センサと、該赤
外センサと前記導光手段の温度差情報を検出するための
感温センサ手段と、前記赤外センサと前記感温センサ手
段からの電気信号に基づいて体温データを算出する演算
処理手段と、前記体温データに従って体温表示を行う表
示装置とを備えたことを特徴とする。
第2に感温センサ手段は、赤外センサ及びその周辺温
度を計測する第1の感温センサと、導光手段の温度を計
測する第2の感温センサとからなることを特徴とする。
第3に、導光手段は導光管で構成されており、第2の
感温センサは前記導光管の表面に密着して設けられてい
ることを特徴とする。
第4に、導光手段と赤外センサと感温センサ手段は、
熱伝導性の良好な金属ハウジングによって結合されてい
ることを特徴とする。
第5に、金属ハウジングは導光手段と赤外センサと感
温センサ手段を収納するためのそれぞれの収納部を一体
に有するハウジングであり、前記赤外センサと前記感温
センサはモールド樹脂により前記各収納部に埋設されて
いることを特徴とする。
第6に、演算処理手段は、赤外センサと感温センサ手
段からの電気信号を入力し、それぞれの電気信号をデジ
タル化した赤外データと感温データとして出力する検出
信号処理手段と、該検出信号処理手段からの前記赤外デ
ータと感温データに基づいて体温データを算出する体温
演算手段とから構成されていることを特徴とする。
第7に、感温センサ手段からの電気信号に基づき、そ
の温度差を判定する温度差測定回路を設け、該温度差測
定回路は、その温度差が予め定められた測定限界温度差
より小であることを判定すると検出信号を出力すること
を特徴とする。
第8に、表示装置には温度差測定回路から出力された
検出信号によって点灯される測定許可マークが設けられ
ていることを特徴とする。
第9に、体温演算手段は温度差測定回路からの検出信
号によって体温データの表示を許可することを特徴とす
る。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第6図は本発明による放射体温計の基本構成を示すブ
ロック図であり、第7図の同一要素には同一番号を付
し、説明を省略する。
放射体温計1に於ける測定物体Lは耳の鼓膜であり、
検出部3には赤外センサ3aの周辺温度を検出するための
第1の感温センサ3bの外に前記導光手段2aの表面温度を
検出するための第2の感温センサ3cが設けられている。
又検出信号処理部50には第2の感温センサ3cの検出信号
Vtを処理するための感温信号処理部が設けられていて、
前記検出信号Vtを感温データTnに変換して出力してい
る。
さらに演算部60は前記赤外データVd、感温データToに
加えて導光手段2aの表面温度に基づく感温データTpを入
力し、これらのデータから光学系2の熱バランスを補正
した体温データTbを算出し、表示装置6に体温表示を行
う。
63は温度差測定回路であり、前記2個の感温データT
o、Tpを入力して、その温度差を判定する。そして前記
温度差To−Tpが測定限界温度差Tdより小さい場合には検
出信号Soを出力して前記表示装置6に設けられた測定許
可マーク6bを点灯させるとともに演算部60の演算動作を
許可する。
すなわち前記放射体温計1は2個の感温センサ3b、3c
と温度差測定回路63とによって光学系2の熱バランスを
判定し、その温度差が大きすぎて測定不可能な場合に
は、検出信号Soの出力を禁止して体温測定を禁止する。
しかしその温度差が一定の範囲内に入った場合には、熱
バランスが完全に取れるまで待つことなしに体温測定を
許可し、その測定値に熱バランス補正を加えて体温デー
タの算出を行うようにしている。
次に本発明に於ける放射体温計1の具体的構成につい
て説明する。
第2図及び第3図は放射体温計1の裏面図及び側面図
である。前記放射体温計1は本体部10とヘッド部11とに
より構成され、前記本体部10の裏面には体温を表示する
ための前記表示装置6、正面には押ボタン構造のチエッ
クボタン12、側面にはスライド構造の電源スイッチ13と
押ボタン構造のメジャーボタン14、15が設けられてい
る。
又前記ヘッド部11は本体部10の端部からくの字状に突
出して設けられており、該ヘッド部11の先端はプローブ
16となっており、該プローブ16は前記第6図に示す光学
系2と検出部3とにより構成されている。
前記放射体温計1の操作方法は、電源スイッチ13をON
した状態に於いてプローブ16を被験者の外耳孔に挿入し
ながら前記メジャーボタン14、15のいずれか一方又は両
方をONにするだけで瞬時に体温測定が終了し、その結果
は表示装置6に体温として表示される。
第4図は前記ヘッド部11の断面図であり、ケース体1
7、18は、熱伝導性の極めて低い樹脂成形体で構成され
ている。そしてケース体17のプローブ16を形成する部分
は円筒状の筒部17aとなっており該筒部17aには、アルミ
等の軽量で熱伝導性のよい金属よりなる金属ハウジング
19が嵌合されている。この金属ハウジング19には第2の
感温センサ3cの埋設用の収納部を形成する貫通孔19fを
備えた円筒部19aと該円筒部19aに連通して赤外センサ3a
を収納する収納部を形成する中空部19b及び第1の感温
センサ3b埋設用の収納部を形成する凹部19cを備えた基
部19dとが設けられ、さらに前記円筒部19aの先端にはフ
ィルタ装着用の段部19eが設けられている。そして前記
円筒部19aには真鍮(Bu)パイプの内周に金(Au)メッ
キを施した導光管20が嵌合されるとともに先端の段部19
eには赤外線の選択通過と、防塵機能を有する硬質キャ
ップ12が固着されている。さらに前記基部19dの中空部1
9bには前記赤外センサ3aとしてのサーモパイルが、又凹
部19cには前記第1の感温センサ3bが各々モールド樹脂2
2、23によって埋設されている。
又前記円筒部19aに設けられた貫通光19fによって露出
した導光管20の露出部には前記第2の感温センサ3cがモ
ールド樹脂にて固着されている。そして赤外センサ3aと
感温センサ3b及び3cは各々リード線24、25、27によって
回路基板26の配線パターンに接続され後述する増巾回路
に導かれている。
上記構成によれば、赤外センサ3aと導光管20と硬質キ
ャップ21とが熱伝導性のよい金属ハウジング19によって
結合されているため常に熱バランスが得られるようにな
っているが、後述する理由によって熱バランスがくずれ
ても感温センサ3b及び3cによって各部の温度が検出され
るようになっている。
又28は前記プローブ16に着脱自由に被着された検温カ
バーであり、熱伝導性の悪い樹脂によって構成され、先
端部28aは赤外線を透過させる材質となっている。
第5図は、前記プローブ16の先端部の拡大断面図であ
り、検温カバー28の先端部28aがプローブ16の先端を被
うことによりプローブ16が外耳孔の内壁に接触すること
を防止している。
第1図は第2図に示す放射体温計1のブロック図であ
り、前記第6図の構成をより具体化したものである。
前記検出信号処理部50は前記赤外センサ3aの出力する
赤外電圧Vsを増巾する赤外増巾回路51、感温センサ3b及
び3cの出力する感温電圧Vtを増巾する感温増巾回路52、
57、赤外増巾回路51の出力電圧Vsのピーク値をホールド
するためのピークホールド回路53、前記ピークホールド
回路53の出力電圧Vspをデジタル化された赤外データVd
に変換するA/D変換回路55と、前記感温増巾回路52、57
の出力電圧Vtをデジタル化された感温データTo及びTpに
変換するA/D変換回路56、58とを有し、前記検出部3か
ら入力される赤外電圧Vs及び感温電圧Vtをデジタル化さ
れた赤外データVdと感温データTo及びTpに変換して出力
する。
前記演算部60は放射率入力手段5a、フィルタ補正手段
5b、体温演算回路61と、前記検出信号処理部50から出力
された感温データToを入力し、前記(8)式に従って感
度Rを算出して出力するための感度補正演算回路64と、
前記(6)式に示した赤外センサ3aの受光面積Sと赤外
増巾回路51の増巾率Aとに基づいて外部より入力設定さ
れた値を感度データDとして出力する感度データ入力手
段65とを有し、前記放射率入力手段5aには導光管20の放
射率εpが設定されている。なお、外耳孔は同一温度で
取り囲まれており、その空洞が黒体とみなせることから
放射率εは、ε=1として扱えることから、放射率入力
手段5aには導光管20の放射率εpが設定されている。
62は前記体温演算回路61によって算出された体温デー
タTbを入力して表示装置6の体温表示部6aに体温表示を
行う表示駆動回路である。
90はスイッチ回路であり、第2図に示すメジャーボタ
ン14、15によって操作されるメジャースイッチSWmとチ
エックボタン12によって操作されるチエックスイッチSW
cとが接続されており、メジャーボタン14又は15が押さ
れるとメジャースイッチSWmがONとなりM端子よりメジ
ャ信号Smが出力される。又前記チエックボタン12が押さ
れるとチエックスイッチSWcがONとなりC端子よりチエ
ック信号Scが出力される。
そして、前記スイッチ回路90のM端子より出力された
メジャー信号Smは前記体温演算回路61及び感度補正演算
回路64の各エネーブル端子Eに供給されることによって
両回路を演算モードに設定する。
又スイッチ回路90のC端子より出力されたチエック信
号Scはピークホールド回路53のリセット端子Rに供給さ
れている。
前記温度差測定回路63は2個の感温センサ3b、3cによ
って検出された赤外センサ3aの感温データToと、導光管
20の感温データTpを入力し、予め定められた測定限界温
度差Tdに対して温度差判定を行う。
そして、|To−Tp|<Tdの場合、すなわち温度差が測定
限界温度差より小さい場合には検出信号Soを出力して表
示装置6の測定許可マーク6bを点灯させるとともに体温
演算回路61の表示許可端子EDに供給されることによって
演算動作の許可又は演算された体温データTbの表示を許
可する。尚この検出信号Soを点線で示すごとく表示駆動
回路62に供給して表示の許可を行うことも出来る。
次に上記放射体温計1の動作を説明する。
まず第3図に示す電源スイッチ13をONにした初期状態
に於いては、チエックスイッチSWcとメジャースイッチS
WmはいずれもOFFとなっているため、スイッチ回路90か
らのチエック信号Scとメジャー信号Smはいずれも出力さ
れていない。
この結果前記演算部60は体温演算回路61と感度補正演
算回路64が非演算モードに設定されている。
又検出信号処理部50はピークホールド回路53のリセッ
トが解除されることによって動作状態にあり、この結果
検出信号処理部50は赤外増巾回路51より出力される赤外
電圧Vsの中からピークホールド回路53にてホールドされ
たピーク電圧VspをA/D変換回路55に供給し、このピーク
電圧Vspをデジタル化した赤外データVdを出力するとと
もに2つの感温データTo及びTpを出力する。この結果温
度差測定回路63は感温データTo及びTpを入力することに
よってただちに温度差判定を開始し、この温度差判定動
作は電源スイッチ13がONになっている間は継続される。
しかるに第4図にて説明したように赤外センサ3aと導
光管20とは金属ハウジング19によって熱的に一体化され
てるため、通常状態では2つの感温データTo、TpはTo≒
Tpとなっており、前記温度差測定回路63からは検出信号
Soが出力される。この結果表示装置6の測定許可マーク
6bが点灯して測定可能であることを報らせると同時に体
温演算回路61のED端子が許可状態となる。
以上が測定待機状態であり、この状態から放射体温計
1のプローブ16を被測定者の外耳孔に挿入した後、メジ
ャーボタン14、15を押すことによって体温測定が行われ
る。
すなわち、メジャーボタン14、15が押されることによ
って第1図のメジャースイッチSWmがONになり、スイッ
チ回路90のM端子よりメジャー信号Smが出力される。
この結果演算部60は体温演算回路61と感度補正演算回
路64が演算モードに設定される。
そして外耳孔に挿入されたプローブ16(第1図では光
学系2と検出部3)に入射する鼓膜からの赤外放射エネ
ルギは検出部3の赤外センサ3aによって赤外電圧Vsに変
換され、さらに赤外増巾回路51で電Vsに増巾された後、
ピークホールド回路53にてピーク電圧Vspがホールドさ
れる。
さらにピーク電圧VspはA/D変換回路55にて赤外データ
Vdに変換されて演算部60に供給される。
又第4図の金属ハウジング19に埋設された感温センサ
3b及び3cは赤外センサ3aと、導光管20の温度を検出して
感温電圧Vtに変換した後A/D変換回路56及び58にて感温
データTo及びTpに変換し、前記演算部60に供給する。
前記赤外データVdと感温データTo及びTpが供給される
ことにより前記演算部60は、まず感度補正演算回路64が
供給された感温データToと(8)式によって感度Rの値
を算出する。
また、透過波長奥性のあるフィルタが光学系部材に用
いられている場合には、「赤外放射エネルギは絶対温度
Tの4乗に比例している。」という法則を用いて演算す
るのではなく、ステファン・ボルツマンの特性曲線の4
次項の係数aと、横軸方向の移動量bと、縦軸方向の移
動量cを選定することによって得られる放射エネルギの
近似式を用いて演算を行っている。
つまり、ここで求めた4次項の係数a及び対称軸温度
bはフィルタ2bの透過波長特性を示す値であり、この4
次項の係数a及び対称軸温度bの値はフィルタ補正手段
5bより出力されている。
そして、このフィルタ補正手段5bは演算部60の演算プロ
グラムメモリーの一部であり、そこに4次項の係数a及
び対称軸温度bは書き込まれている。
次に体温演算回路61が、感度補正演算回路64によって
算出された感度Rと感度データ入力手段65からの感度デ
ータDと、フィルタ補正手段5bからの4次項の係数aと
を入力してこの系の感度係数K4をK4=aRDによって演算
する。
次に算出した感度係数K4と放射率入力手段5aからの放
射率εpと、フィルタ補正手段5bからの対称軸温度bと
を入力して(8)式により体温データTbを算出する。
また、フィルタ2bにシリコンフィルタを用いており対
称軸温度bはb=45.95〔K〕としており、導光管20の
放射率εp=0.05としている。
この体温データTbは前記温度差を演算によって補正し
たものであり、前記表示駆動回路62を介して表示装置6
の体温表示部6aに表示される。
以上で一回の体温測定が終了するが、この一回の測定
に要する時間は2秒程度であり瞬間的に体温測定が行わ
れるものである。そして体温の再測定を行う場合は測定
許可マーク6bの点灯を確認した後チエックボタン12を操
作してピークホールド回路53をリセツトしてから行う必
要がある。
次に放射体温計1に於いて赤外センサ3aと導光管20と
の熱バランスがくずれ、To≠Tpとなる条件について吟味
する。実際の放射体温計1の使用時に於いて前述のごと
くTo≠Tpの状態が発生するのは次の様な場合である。す
なわち放射体温計1の使用環境温度を急変させた場合で
あり、この場合には各エレメント間の熱容量や、応答性
の違いによってTo≠Tpとなり、その差のエネルギWにも
とづく赤外データVdの値だけ測定誤差が生ずるため測定
不可となる場合がある。
すなわち温度が急変すると、露出状態にある導光管20
の表面はただちに外気温に追従するが、金属ハウジング
19内に埋設された感温センサ3bは、金属ハウジング19や
赤外センサ3aの熱容量や熱伝導度によって追従が遅れる
ため大きな温度の急変があった直後は、|To−TP|>Tdと
なって測定不可能になる場合がある。
この状態になった場合には、一定の環境温度に於いて
しばらく放置しておくと金属ハウジング19を介して熱伝
導が行われることにより、やがて熱バランス状態に安定
し、測定許可状態となるが、この安定時間には数十分を
要する場合がある。
しかし熱バランスがくずれてから熱バランス状態に復
帰する迄の温度カーブは周知のごとく指数関数的に変化
するので、前記安定に要する時間数十分のうち測定不可
能な|To−TP|>Tdの時間は長くても1〜2分程度であ
り、残りの十数分は測定可能な|To−TP|<Tdの状態にあ
ることがわかる。
又温度変化が小さい場合や、ゆるやかな場合は、ほと
んど測定可能な状態となることを考慮すると、本発明の
放射体温計1は極めて特殊な場合を除いてほとんど常時
測定することが出来るものであり、しかも面倒なキャリ
ーブレーションを必要としないものである。
尚本実施例に於いては最適実施例として第2の感温セ
ンサ3cを導光管20に密着させた構成を示したが、これに
限定されるものではない。すなわち第2の感温センサ3c
の目的は前記感温センサ3bの埋設部分よりも周囲温度に
対して敏感に応答する導光感20の表面温度を検出するこ
とであり、前記導光管20の表面と周囲温度が略一致して
いることを考慮すると感温センサ3cを、測定のICチップ
を実装した回路基板上に実装して周囲温度を測定し、こ
れを導光管20の表面温度としても十分利用可能である。
〔発明の効果〕
上記のごとく本発明によれば、プローブに2個の感温
センサを設け、この温度差を補正した体温データの算出
を行うことともに、温度差測定回路によって測定限界温
度差を判定した場合には体温表示を禁止することによっ
てプローブの各部が完全に熱バランスする迄待たなくて
も体温測定を行うことが出来るため、繰返し測定のイン
ターバルを短縮することが出来るとともに面倒なキャリ
ブレーションを行うことなく体温計としての検温精度を
得ることが出来た。
又、従来のような加熱装置を用いることなく測定精度
を満足させることが出来るため、小型電池による駆動が
可能となり、測定時間が短く、かつ小型で低価格な放射
体温計を実現することが出来た。
この結果、本発明は従来医療専用とされていた放射体
温計を一般家庭用として普及させるのに大なる効果を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第6図はいずれも本発明の放射体温計のブロッ
ク図、第2図〜第5図は本発明の放射体温計の構造を示
すものであり、第2図は裏面図、第3図は側面図、第4
図はヘッド部の断面図、第5図はプローブの先端部の拡
大断面図、第7図は従来の放射温度計のブロック図、第
8図は物体の赤外放射エネルギの波長スペクトル特性
図、第9図はシリコンフィルタの透過波長特性図であ
る。 1……放射体温計、 3a……赤外センサ、 3b……第1の感温センサ、 3c……第2の感温センサ、 5、60……演算部、 16……プローブ 19……金属ハウジング、 20……導光管、 4、50……検出信号処理部、 53……ピークホールド回路、 61……体温演算回路、 63……温度差測定回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 5/10 G01J 5/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定物体からの赤外放射エネルギを集光す
    るための導光手段と、該導光手段を通して集光された赤
    外放射エネルギを電気信号に変換する赤外センサと、該
    赤外センサと前記導光手段の温度差情報を検出するため
    の感温センサ手段と、前記赤外センサと前記感温センサ
    手段からの電気信号に基づいて体温データを算出する演
    算処理手段と、前記体温データに従って体温表示を行う
    表示装置とを備えた放射体温計。
  2. 【請求項2】感温センサ手段は、赤外センサ及びその周
    辺温度を計測する第1の感温センサと、導光手段の温度
    を計測する第2の感温センサとからなることを特徴とす
    る請求項1記載の放射体温計。
  3. 【請求項3】導光手段は導光管で構成されており、第2
    の感温センサは前記導光管の表面に密着して設けられて
    いることを特徴とする請求項2記載の放射体温計。
  4. 【請求項4】導光手段と赤外センサと感温センサ手段
    は、熱伝導性の良好な金属ハウジングによって結合され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の放射体
    温計。
  5. 【請求項5】金属ハウジングは導光手段と赤外センサと
    感温センサ手段を収納するためのそれぞれの収納部を一
    体に有するハウジングであり、前記赤外センサと前記感
    温センサはモールド樹脂により前記各収納部に埋設され
    ていることを特徴とする請求項4記載の放射体温計。
  6. 【請求項6】演算処理手段は、赤外センサと感温センサ
    手段からの電気信号を入力し、それぞれの電気信号をデ
    ジタル化した赤外データと感温データとして出力する検
    出信号処理手段と、該検出信号処理手段からの前記赤外
    データと感温データに基づいて体温データを算出する体
    温演算手段とから構成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の放射体温計。
  7. 【請求項7】感温センサ手段からの電気信号に基づき、
    その温度差を判定する温度差測定回路を設け、該温度差
    測定回路は、その温度差が予め定められた測定限界温度
    差より小であることを判定すると検出信号を出力するこ
    とを特徴とする請求項1記載の放射体温計。
  8. 【請求項8】表示装置には温度差測定回路から出力され
    た検出信号によって点灯される測定許可マークが設けら
    れていることを特徴とする請求項7記載の放射体温計。
  9. 【請求項9】体温演算手段は温度差測定回路からの検出
    信号によって体温データの表示を許可することを特徴と
    する請求項7記載の放射体温計。
JP1084081A 1988-04-08 1989-04-04 放射体温計 Expired - Lifetime JP2828258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1084081A JP2828258B2 (ja) 1988-04-08 1989-04-04 放射体温計

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-47675 1988-04-08
JP4767588 1988-04-08
JP1084081A JP2828258B2 (ja) 1988-04-08 1989-04-04 放射体温計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0235322A JPH0235322A (ja) 1990-02-05
JP2828258B2 true JP2828258B2 (ja) 1998-11-25

Family

ID=26387836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1084081A Expired - Lifetime JP2828258B2 (ja) 1988-04-08 1989-04-04 放射体温計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2828258B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03123234U (ja) * 1990-03-28 1991-12-16
JP3155625B2 (ja) * 1992-09-17 2001-04-16 テルモ株式会社 体温計
JP3558397B2 (ja) * 1995-01-18 2004-08-25 テルモ株式会社 体温計
CN100394885C (zh) 1997-07-16 2008-06-18 泰尔茂株式会社 耳塞式医用体温计
US6292685B1 (en) 1998-09-11 2001-09-18 Exergen Corporation Temporal artery temperature detector
DE69934508T2 (de) * 1998-10-20 2007-09-27 Omron Healthcare Co., Ltd. Infrarotthermometer
US7036978B2 (en) 2000-06-13 2006-05-02 Omron Corporation Pyrometer
JP7316830B2 (ja) * 2019-04-18 2023-07-28 三菱電機株式会社 誘導加熱調理器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0235322A (ja) 1990-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2826337B2 (ja) 放射体温計
USRE34507E (en) Radiation clinical thermometer
US5232284A (en) Radiation clinical thermometer
RU2118116C1 (ru) Термометр для измерения температуры тела и способ измерения температуры тела пациента (варианты)
US7036978B2 (en) Pyrometer
CN1862241B (zh) 耳式医用温度计
EP2287582B1 (en) Temperature measuring device using an infrared thermometer
JP2828258B2 (ja) 放射体温計
JPH06142063A (ja) 放射体温計
JP2813331B2 (ja) 放射温度計
KR200243898Y1 (ko) 적외선 체온계
JPH08254466A (ja) 放射温度計
JP3733846B2 (ja) 補正システムの制御方法、測温計および補正装置
JPH02263125A (ja) 放射体温計
JPH03251729A (ja) 検温装置
JPH08278203A (ja) 赤外線放射温度計
JPH0375531A (ja) 赤外線センサを用いた体温計
JP2003116795A (ja) 電子体温計
JPH0271124A (ja) 光温度計
JPH04200526A (ja) 非接触口腔用体温計

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070918

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090918

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090918

Year of fee payment: 11