JPH08260693A - コンクリート型枠用パネル - Google Patents

コンクリート型枠用パネル

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JPH08260693A
JPH08260693A JP9167695A JP9167695A JPH08260693A JP H08260693 A JPH08260693 A JP H08260693A JP 9167695 A JP9167695 A JP 9167695A JP 9167695 A JP9167695 A JP 9167695A JP H08260693 A JPH08260693 A JP H08260693A
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JP
Japan
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plate portion
panel
face plate
reinforcing
concrete
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JP9167695A
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English (en)
Inventor
Minoru Murakami
稔 村上
Shinzo Yamada
眞三 山田
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Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート型枠用パネルの軽量化、再使用
性、コンクリートからの剥離性、取扱性、汚れ性などを
改善すると共に、補強枠を用いる必要のないコンクリー
ト型枠用パネルを提供する。 【構成】 透光性を有する矩形の面板部1に矩形環状の
外リブ21,22,23,24と横リブ31と縦リブ3
2,33とを一体に設けてパネル本体10とする。パネ
ル本体10を、ガラス繊維などの補強繊維を含む合成樹
脂で成形する。面板部1に、金属製の補強材5を着脱可
能な装着部6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木・建築現場などで
コンクリートを打設するときに必要なコンクリート型枠
として用いられるパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート型枠用パネルとして
は厚み12mm程度の合板(ベニア板)製パネルが汎用
されていたが、このものは2〜3回の繰返し使用後には
腐食劣化や傷みなどが目立って廃棄処分することを余儀
無くされ、近時の省資源化傾向にそぐわないとされてい
る。また、鋼製の型枠用パネルが提案されているが、重
くて取扱いに不便であり、さらに、錆びるという欠点
や、油で汚れやすいという欠点があった。鋼製の型枠用
パネルにはステンレスやアルミなどで作ったものもあっ
たが、これらは高価で傷付きやすいという欠点があっ
た。そのほか、木製や鋼製のコンクリート型枠用パネル
には透光性が備わっていないため、コンクリートの打設
量を外から確認することができない点で不便であるとい
う指摘もあった。
【0003】上記のような合板製や鋼製のものに対し、
近時では、ポリプロピレン樹脂で作ったコンクリート型
枠用パネルが提案されており、このものは、ポリプロピ
レン樹脂であるからとの理由により、コンクリートに対
する剥離性に優れ、剥離後にコンクリートノロがほとん
ど付着しないものであるとされている。しかしながら、
実使用した場合には該樹脂が柔らかいため打設時に傷が
付いたりコンクリートノロが付着したりし、再使用に際
しては、表面をケレンする必要から再度表面に傷が付
き、益々コンクリートノロが付着する結果となり、多数
回の使用ができなくなるという問題を有していた。
【0004】そこで本出願人は、先に、ガラス繊維を含
む合成樹脂層が連続気泡を有する多孔質に形成されたコ
ンクリート型枠用パネルを提案した。このものによる
と、多孔質の合成樹脂層によって軽量化が可能になり厚
みの割に軽くなって重量の点では取扱い性が上記の鋼製
のものよりも格段に向上し、同時にガラス繊維の補強作
用によってコンクリート型枠に要求される剛性も満足で
き、さらに、そのパネルに透光性が備わってコンクリー
トの打設量を外から確認することができるようになっ
た。
【0005】ところが、このコンクリート型枠用パネル
は、樹脂層に混入されているガラス繊維がパネル表面に
露出しやすく、特に一度使用して表面に傷が付くとガラ
ス繊維が露出するため、持ち運びなどの際に皮膚に触れ
てかゆくなることがあって取扱性に欠けるという点や、
コンクリート打設後に型枠として用いたパネルを取り外
すときに表面に露出したガラス繊維がコンクリート層に
アンカーリングされて剥離しにくいという点や、パネル
をコンクリート層から剥がすときに表面に露出したガラ
ス繊維の跡がコンクリート層の表面に残り、コンクリー
トの肌面の状態が悪くなることがあるという点が知見さ
れた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の状況の
下でなされたものである。即ち、本発明は、ガラス繊維
を含む合成樹脂層の持つ長所を生かすことによって、コ
ンクリート型枠用パネルの軽量化や再使用可能な回数の
飛躍的な増大化を図ると共に、コンクリートからの剥離
性や取扱性、汚れ性などを改善し、さらに上記素材自体
が備える剛性よりもいっそう大きな剛性を備え得るよう
な構造を提案することによって、一般的には型枠用パネ
ルを補強するためにそのパネルと組み合わせて使用され
る補強枠を用いる必要のないコンクリート型枠用パネル
を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、面板部の補強に補強枠を
使うコンクリート型枠用パネルにおいて、上記補強枠と
して、従来の桟木のように一回使用で廃棄されるもので
はなく、繰り返し再使用することが可能でしかも軽量な
ものを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のコ
ンクリート型枠用パネルは、透光性を有する矩形の面板
部の背面側においてその4つの各辺部から立ち上げられ
た外リブが矩形環状をなし、面板部の長手方向両端部に
設けられた2つの上記外リブの相互間に亘って延びる横
リブと面板部の幅方向両端部に設けられた2つの上記外
リブの相互間に亘って延びる縦リブとがそれぞれ上記面
板部から立ち上げられてなるパネル本体が、ガラス繊維
などの補強繊維を含む合成樹脂で成形されており、この
パネル本体における少なくとも上記面板部の表面に、透
光性を有する合成樹脂製の表面層が形成されている、と
いうものである。
【0009】この構成を採用する場合、請求項2に係る
発明のように、面板部の背面側に、横リブに沿って配備
される金属製の補強材を着脱可能な装着部が設けられて
いるという構成を採用しておくことが好ましい。
【0010】また、請求項3に係る発明のコンクリート
型枠用パネルの補強枠は、面板部とその背面側に配備さ
れる補強枠とからなるコンクリート型枠用パネルであっ
て、上記補強枠が矩形をなし、かつ長手方向全長に亘っ
て延びる山部及び谷部が横リブ部を介して幅方向に連続
するように形成された補強板部と、この補強板部の長手
方向両端部にそれぞれ設けられかつ上記補強板部の幅方
向端部に位置する上記横リブ部と共働して矩形環状の外
リブを形成する縦リブ部とを備え、補強板部と縦リブと
が、ガラス繊維などの補強繊維を含む合成樹脂で成形さ
れている、というものである。
【0011】
【作用】本発明のコンクリート型枠用パネルによれば、
パネル本体が合成樹脂で成形されていることによりその
パネル本体の軽量化が達成され、しかも合成樹脂に混入
しているガラス繊維によってそのパネル本体が増強され
る。その上、パネル本体にはその背面側に外リブと横リ
ブと縦リブとが立ち上げられているので、これらのリブ
によって面板部が構造的に補強される。また、パネル本
体における面板部の表面に形成されている合成樹脂製の
表面層によって面板部の表面にガラス繊維が露出するの
を防止し、打設したコンクリート層にガラス繊維がアン
カーリングされることがなくなるほか、取扱性や汚れ性
なども改善される。
【0012】そして、面板部の背面側に、横リブに沿っ
て配備される金属製の補強材を着脱可能な装着部が設け
られているという構成を採用しておくと、必要に応じて
その装着部に金属製の補強材を装着して面板部の剛性を
高めることができる。
【0013】また、本発明のコンクリート型枠用パネル
に用いる補強枠によれば、補強板部がその幅方向におい
て波形になるので、その波形構造によって補強板部の長
手方向での反り変形に対抗する剛性が大きくなる。しか
も、補強板部の長手方向両端部に設けられた縦リブによ
って、補強板部の幅方向での反り変形に対抗する剛性が
大きくなる。そして、この補強枠は、補強板部と縦リブ
とが、ガラス繊維などの補強繊維を含む合成樹脂で成形
されているので、軽量な割に大きな剛性を発揮する。
【0014】
【実施例】図1は本発明の実施例によるコンクリート型
枠用パネルPを外側から見た正面図、図2はそのパネル
Pの面板部1を部分的に拡大した垂直断面図、図3及び
図4はそれぞれパネルPの異なる部分を外側から見た概
略斜視図,図5は図1のV−V線に沿う部分の拡大断面
図、図6は図1のVI−VI線に沿う部分の拡大断面
図、図7は図6の一部分を拡大して示した断面図、図8
は補強材5の変形例を示す側面図である。
【0015】このコンクリート型枠用パネルPは、表面
に表面層(後述する)4を有する面板部1が矩形であ
り、その面板部1の4つの各辺部のそれぞれには外リブ
21,22,23,24が立ち上げられてそれら4つの
外リブ21〜24がつながって矩形環状をなしている。
また、面板部1の長手方向両端部に位置する2つの外リ
ブ23,24の相互間に亘って面板部1から立ち上げら
れた横リブ31が延びていると共に、面板部1の幅方向
両端部に位置する2つの外リブ21,22の相互間に亘
って面板部1から立ち上げられた縦リブ32,33が延
びている。
【0016】上記横リブ31における中央にはその背面
側から円筒状のボス部(中央ボス部)25が突設されて
いる。この中央ボス部25と同じ形状のボス部26,2
7が、中央ボス部25を挾んでその両側の対称位置に設
けられている。ボス部26,27のうち、外側に位置す
るボス部27を端ボス部といい、その端ボス部27と中
央ボス部26との間に位置するボス部26を中間ボス部
ということにする。図5に端ボス部27の形状が断面で
示されているように、この端ボス部27は内径D1の径
大な外筒部27aと内径D2の径小な内筒部27bとを
同心状に備えている。中央ボス部25や中間ボス部26
についても同様の構造になっている。
【0017】図1で判るように、中央ボス部25とその
両側の個々の端ボス部27との間隔L3が端ボス部27
と面板部1の長手方向端部との間隔(L3/2)の2倍
になっている。また、中央ボス部25の両側の2つの中
間ボス部26,26との間隔L1が中間ボス部26と面
板部1の長手方向端部との間隔(L1/2)の2倍にな
っている。なお、中央ボス部25とその両側の2つの中
間ボス部26,26とのそれそれの間隔は互いに等し
く、いずれも(L1/2)になっている。
【0018】上記縦リブ32,33は、上記外リブ21
〜24と同じ高さを有するもの(符号32で示してあ
る)と上記外リブ21〜24よりも背低のもの(符号3
3で示してある)とに分かれており、それらは等間隔お
きに交互に配備されている。そして、図3、図6及び図
7で判るように、背高の縦リブ32は、上記横リブ31
を挾む両側部分が凹入状に欠除されており、その欠除箇
所に面板部1と一体に偏平な方形の座部34が設けられ
ていると共に、その座部34の中央にボルト35がその
一部を突出させる形態で埋設されている。これに対し、
図4で判るように、背低の縦リブ33においては、上記
横リブ31を挾む両側部分に面板部1と一体にその縦リ
ブ33と同じ高さを持つ偏平な方形の座部36が設けら
れている。ここで、図1で判るように、これらの座部3
4,36は面板部1の長手方向において一直線上に並ん
でいる。
【0019】上記した面板部1、外リブ21〜24、横
リブ31、縦リブ32,33、座部34,36及びボス
部25〜27によってパネル本体10が構成されてい
る。このようなパネル本体10は、補強繊維としてのガ
ラス繊維(ガラス短繊維)を含む合成樹脂で一体に成形
されている。なお、この実施例においては、後述する補
強材5を用いずに実使用する場合、このパネル本体10
だけでコンクリート型枠用パネルPが構成される。
【0020】このようなコンクリート型枠用パネルP
は、合成樹脂で成形されているために軽量であり、ま
た、合成樹脂に含まれるガラス繊維によって発揮される
補強作用が外リブ21〜24、横リブ31及び縦リブ3
2,33によって増長されるので高い剛性を発揮する。
従って、このコンクリート型枠用パネルPは軽量で取扱
い性に優れるものでありながら、使用条件によっては、
コンクリート型枠に要求される必要な剛性を十分に満足
する。
【0021】ここで、上記した座部34,36は面板部
1の背面側に補強材5を配備するときに必要な装着部6
として機能する。即ち、補強材5にはアルミ製の型鋼や
鉄製の型鋼といった金属製の長尺材が用いられ、面板部
1に要求される剛性の大きさに応じてアルミ製や鉄製の
型鋼が使い分けられる。図6や図7のように、この実施
例では、補強材5として略U字形断面の型鋼が採用され
ている。補強材5として図8のような角筒形の型鋼を用
いることも可能である。補強材5を装着部6に装着する
ときは、座部34に埋設されているボルト35を補強材
5に開設したボルト挿通孔51に通してその補強材5を
横リブ31に沿わせると共に、座部34,36に重ね、
上記ボルト35にナット37をねじ込んで締め付ければ
よい。このように、補強材5を面板部1の背面側に配備
することによって面板部1の剛性が高まるので、パネル
本体10だけをコンクリート型枠用パネルPとして用い
ると要求剛性が不足するというような場合には、補強材
5を用いてその要求剛性を満たすことが可能になる。
【0022】上記パネル本体10は特開昭60−158
227号公報で提案されている繊維強化プラスチック構
造体に類似する組成を有するものであり、ガラス短繊維
を含むパネル本体10の製法は、同公報の製造方法に準
拠している。即ち、パネル本体10に使われている合成
樹脂はその全体に亘ってガラス短繊維を含むものであ
り、粒状の熱可塑性樹脂とガラス短繊維と起泡剤と水と
を混合して微小気泡の分散した発泡分散液を調製し、そ
の発泡分散液を製紙分野で行われている紙抄きの要領で
網などの多孔性支持体上で抄いて脱水し、得られたシー
ト体を乾燥後、熱圧して連続的に固化して非通気性シー
ト体を得、この非通気性シート体を再加熱し、たとえば
特開昭60−179233号公報で示されるように、下
型と上型とよりなる金型内に所要枚数積層してそれをプ
レスするというスタンピング成形を行うことにより製造
される。
【0023】パネル本体10を形成するための合成樹脂
には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ナイロンなどの熱可塑性樹脂を用いることが
できる。補強繊維としては、ガラス短繊維のほかに、炭
素短繊維やステンレス短繊維や銅短繊維などの各種の補
強短繊維を好適に用いることができる。ガラス長繊維を
渦巻き状に巻回して積層したコンティニュアスマットな
どを用いてもよい。ガラス短繊維を用いる場合、太さが
5〜20μ、長さが7〜50mmのものを20〜60重
量%、残部を熱可塑性樹脂にしておくとよい。ガラス短
繊維を補強繊維として用いると、スタンピング成形でガ
ラス短繊維がパネル本体10の全体に均一に廻り込み、
各リブもガラス短繊維で補強され、ガラス短繊維による
補強作用などがパネル本体10の全体に均一に及ぶとい
う利点がある。
【0024】上述の製法によったときに、ガラス短繊維
の含有量が少なすぎると、パネル本体10の強度不足を
招きやすい。逆に、ガラス短繊維の含有量が多すぎる
と、成形時の合成樹脂の流れが悪くなる。ガラス短繊維
の長さが7mmより短いと補強効果が薄れ、50mmよ
り長いと混合が均一になりにくくなる。なお、スタンピ
ング成形に好適に用いることのできるシート体として、
たとえばケープラシート(株)製のKAシート(商品
名)があり、このものは、PP70〜60重量%とガラ
ス短繊維30〜40重量%とを含む厚み2〜5mmのシ
ートである。
【0025】汎用的なパネルPにおいては、面板部1や
各リブ21〜24,31,32,33の厚みを4mmに
し、縦横の寸法を1500×300mm程度にしておけ
ば、従来の合板製パネルの代替品としての取扱いが可能
になる。
【0026】表面層4は、面板部1に合成樹脂製塗料を
塗布したり、合成樹脂製の各種フィルムを貼り付けて積
層一体化したりすることにより形成することができる。
塗布による場合には、ウレタン系、エポキシ系などの塗
料を用いることができるほか、ワックスや動・植物性ロ
ウや、パラフィン、地蝋などを用いることができる。フ
ィルム貼付けによる場合にも同種の合成樹脂で作られた
フィルムを用いることができる。この表面層4の厚みは
30〜200μmが必要で、打設時の傷を該表面層4に
て抑え、パネル本体10にまで達しないようにしてお
く。なお、外リブ21〜24の外表面に同じ合成樹脂塗
料を5〜50μmに塗布し、パネルP,Pの連結部分か
らのコンクリートのはみ出しによる付着を防止してい
る。
【0027】ここで、上記面板部1やその表面に具備さ
れた表面層4は透光性を有している。ここでいう透光性
は、透明である必要はなく、パネルPを実使用したとき
に、打設したコンクリートの影が外から見える程度の透
光性であれば十分である。
【0028】塗布により形成された表面層4の合成樹脂
は、パネル本体10をプライマー処理して密着性が高め
られており、また、その一部がパネル本体10の表面凹
凸に絡みついたりして表面層4とパネル本体10とが強
固に接合され、表面層4が容易に剥がれてしまうといっ
た事態がきわめて生じにくくなる。また、パネル本体1
0の表面には表面層4によって完全に被覆されてしまう
ので、パネルPの取扱い時にガラス短繊維が露出して皮
膚に触れたり、打設したコンクリートにガラス短繊維が
アンカーリングされたりすることがない。また、表面層
4が具備している良好な滑り性により、コンクリート打
設時にコンクリートがよく流れて一様な密度のコンクリ
ート層を得やすくなるばかりか、打設されたコンクリー
トと擦れても上記の良好な滑り性により摩擦がほとんど
なく、しかも上述のように表面層4が強固にパネル本体
10、即ち面板部1に接合しているので表面層4がコン
クリートと擦れて面板部1から剥離するという事態が起
こらない利点がある。また、打設後にパネルPを取り外
すときには、コンクリート層と表面層4とが付着せずに
簡単に剥離し、しかもコンクリート層の肌面の状態が平
滑になって良好に仕上がる。
【0029】表面層4を塗布する方法としては、合成樹
脂がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルな
どの熱可塑性樹脂の場合は、溶剤に溶かしたペースト状
の熱可塑性樹脂をプライマー処理されたパネル本体10
の表面に刷毛塗りなどの手段で塗布するとよい。特に、
ポリプロピレンやポリエチレンなどの結晶性樹脂の場合
には、高温に加熱することにより低粘度状態になったそ
れらの合成樹脂を押出機のダイスからプライマー処理さ
れたパネル本体10の上に押し出して塗布することが可
能である。また、合成樹脂がウレタンやエポキシなどの
熱硬化性樹脂の場合は、一般に市販されている常温もし
くは熱硬化型のウレタン塗料やエポキシ塗料をプライマ
ー処理されたパネル本体10に塗布し、室温もしくは加
熱炉中にて硬化させる。こうして形成された合成樹脂の
表面層4についても、パネル本体10の表面がプライマ
ー処理されたりパネル本体10の表面凹凸と樹脂が絡み
ついたりして、表面層4とパネル本体10とが強固に接
合して表面層4が容易に剥がれてしまうといった事態が
きわめて生じにくくなる。
【0030】上述したコンクリート型枠用パネルPにお
いて、そのパネル本体10の外リブ21〜24にはパネ
ルP同士を連結する際に用いられる小孔28…が所定間
隔おきに設けられており、パネルP同士は、図1や図9
に示されているように、所謂LピンやUクリップなどの
連結具29を用いて幅方向(高さ方向)や長手方向に
(横方向)に連結される。このような連結具29を用い
て連結すると、コンクリート打接時の内圧の上昇によ
り、この連結部分よりコンクリートがはみ出してくる
が、外リブ21〜24の外周面に表面層4と同じ合成樹
脂が積層されているので、はみ出したコンクリートが外
リブ21〜24に付着することがなくなる。
【0031】図9は本発明の実施例によるコンクリート
型枠用パネルPの使用状態を示している。同図におい
て、7は型枠締付用金具であり、これはセパレータ7
1、Pコン72、フォームタイ本体73などを備えてお
り、フォームタイ本体73が、図5で説明した端ボス部
27などに開設した開口を通して配備される。フォーム
タイ本体73は、上記した中央ボス部25や中間ボス部
26、または端ボス部27に対応する部分において面板
部1に穿設した孔部12に挿通される。図5で説明した
ように、端ボス部27(中央ボス部25や中間ボス部2
6についても同様)に備わっている内径D2の径小な内
筒部27bのところに孔部12が穿設され、その孔部1
2を利用しかつ外筒部27aをスペーサとして利用して
Pコン72とフォームタイ本体73を連結する。Cはコ
ンクリート層である。なお、パネルPは横端太78や縦
端太79によって背面側から保持される。
【0032】また、セパレータ71の配備間隔は、打設
すべきコンクリートの厚さなどに応じて適宜選定される
ものではあるけれども、同一の打設箇所におけるセパレ
ータ71の配備間隔は一定に定められることが多い。こ
の点に関し、この実施例では、図1で説明したように、
横方向に連結された複数のパネルPにおいて、中央ボス
部25と中間ボス部26とを選ぶことによって間隔L3
でのセパレータ71の配備が可能になり、また、端ボス
部27だけを選ぶことによって間隔L1でのセパレータ
71の配備が可能になる。
【0033】図9のような使用を行った後、表面層4
(図2参照)がコンクリートによって削られたりしたと
きには、次回の使用に先立ってその削られた部分に、既
設の表面層4と同一種類の合成樹脂を塗布するなどして
その表面層4を再生することが可能である。このことに
よっても繰返し使用の耐用回数が多くなる。また、図9
で説明したフォームタイ本体73を貫挿させるための孔
部12を塞いで次回の使用に備えるという場合にも適用
することが可能である。この場合、孔部12は合成樹脂
を充填して塞いでもよいし、木などの他部材で塞いでも
よい。
【0034】図10は本発明の実施例によるコンクリー
ト型枠用パネルを外側から見た正面図、図11は図10
のXI−XI線に沿う部分の拡大断面図、図12は使用
状態を示す断面図である。
【0035】このコンクリート型枠用パネルP’は、面
板部9と該面板部9の背面側に配備される補強枠8とか
らなっている。補強枠8は、面板部9を補強することに
用いられ、剛性を高めてコンクリート打設時の撓みをな
くしている。面板部9として使用されるパネルとして
は、合板製、合成樹脂製のものなど、各種のものが適宜
選択される。
【0036】この補強枠8は正面視形状が矩形であり、
の縦横寸法は面板部9の縦横寸法と同じである。図10
及び図11で判るように、実施例の補強枠8は、長手方
向全長に亘って延びる2つの山部81と3つの谷部82
とが横リブ部83…を介して幅方向に交互に連続するよ
うに形成された補強板部84と、この補強板部84の長
手方向両端部にそれぞれ設けられかつその補強板部84
の幅方向端部に位置する上記横リブ部83a,83aと
共働して矩形環状の外リブを形成する縦リブ部85とを
備えている。また、長手方向両端部の縦リブ部85,8
5の間には複数の縦リブ86…が所定間隔を隔てて配備
されている。また、谷部82の中央には釘などの結合具
を打設する際に用いる肉厚の固定用座部92を有してい
る。そして、このような補強枠8は、図1〜図9で説明
した実施例におけるコンクリート型枠用パネルPを形成
しているのと同じ材料、即ち、ガラス繊維などの補強繊
維を含む合成樹脂を用いて一体成形されている。
【0037】この補強枠8は、図12に示したように、
面板部9の背面側に配備されコンクリート型枠用パネル
P’の剛性を高める作用をする。図12において、91
は面板部9と補強枠8とを固定するために用いられた釘
や木ねじなどの結合具を示しており、座部92側から打
ちつけて先端が面板部9から突出しないようにして或
る。このようにして得られたコンクリート型枠用パネル
P’は、型枠締付用金具7で相互の間隔を一定にし、L
ピンやUクリップなどの連結具89(図12参照)を用
いて幅方向(高さ方向)や長手方向(横方向)に連結し
て使用される。なお、図12において、図9で説明した
ものと同一要素には同一符号を付してある。
【0038】実施例の補強枠8は、ガラス繊維などの補
強繊維を含む合成樹脂を用いて一体成形されているの
で、図12のような使用を行った後、フォームタイ本体
73を貫挿させるための孔部92を塞いで次回の使用に
備えることも可能であり、その場合、孔部92は合成樹
脂を充填して塞いでもよいし、木などの他部材で塞いで
もよい。また、面板部9の表面が傷んだときは、補強枠
8を面板部9から取り外し、新しい面板部9に取り換え
ることができ、補強枠8は何回も使用できて廃棄物を減
少させることができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1や請求項2に係る発明によれ
ば、軽量であるにもかかわらず、実使用に際して補強枠
を必要としない程の剛性を備えるコンクリート型枠用パ
ネルを提供することができるようになり、コンクリート
打設作業に際してパネルに補強枠を組み付けるという煩
わしい手間が省けるという効果がある。そして、パネル
本体としてガラス繊維の混入した合成樹脂を用いている
にもかかわらず、面板部の表面に形成された表面層によ
りガラス繊維の露出が防止されるので、露出したガラス
繊維によって取扱性が損なわれることがない。また、上
記パネル本体と上記表面層とが共に透光性を有している
ので、実使用に際しては、打設したコンクリートがパネ
ル本体を透かして外から見えるので、コンクリート打設
量を外から確認することが容易に可能になるという効果
がある。さらに、表面層が再生可能な合成樹脂で作られ
ているので、その表面層の再生を繰り返すことによって
当該パネルの再使用可能な回数が飛躍的に増大し、近時
の省資源化傾向に沿うものでもある。
【0040】特に請求項2に係る発明のように構成して
おくと、必要に応じてパネル本体を金属製の補強材で補
強してその剛性をさらに改善できるという利点があり、
従来の合板製パネルに相当する剛性を備えたコンクリー
ト型枠用パネルにも、鋼板製パネルに相当する剛性を備
えたコンクリート型枠用パネルにも、使い分けられるよ
うになる。
【0041】請求項3に係る発明によれば、面板部と補
強枠とが結合具を用いて固定されており、面板部が傷ん
でも補強枠は再度使用できるので、桟木等のように一回
の使用によって使い捨てられるものに比べて経済的であ
り、近時の省資源化傾向にも沿うものでもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるコンクリート型枠用パネ
ルの正面図である。
【図2】上記パネルの面板部を部分的に拡大した垂直断
面図である。
【図3】上記パネルの一部分を外側から見た概略斜視図
である。
【図4】上記パネルの他部分を外側から見た概略斜視図
である。
【図5】図1のV−V線に沿う部分の拡大断面図であ
る。
【図6】図1のVI−VI線に沿う部分の拡大断面図で
ある。
【図7】図6の一部分を拡大して示した断面図である。
【図8】補強材の変形例を示す側面図である。
【図9】本発明の実施例によるコンクリート型枠用パネ
ルの使用状態を示している。
【図10】本発明の実施例によるコンクリート型枠用パ
ネルを外側から見た正面図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う部分の拡大断面
図である。
【図12】図10のコンクリート型枠用パネルの使用状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
P,P’ コンクリート型枠用パネル 1,9 面板部 4 表面層 5 補強材 6 装着部 8 補強枠 10 パネル本体 21〜24 外リブ 31 横リブ 32,33 縦リブ 81 山部 82 谷部 83 横リブ部 84 補強板部 85 縦リブ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する矩形の面板部の背面側に
    おいてその4つの各辺部から立ち上げられた外リブが矩
    形環状をなし、面板部の長手方向両端部に設けられた2
    つの上記外リブの相互間に亘って延びる横リブと面板部
    の幅方向両端部に設けられた2つの上記外リブの相互間
    に亘って延びる縦リブとがそれぞれ上記面板部から立ち
    上げられてなるパネル本体が、ガラス繊維などの補強繊
    維を含む合成樹脂で成形されており、このパネル本体に
    おける少なくとも上記面板部の表面に、透光性を有する
    合成樹脂製の表面層が形成されていることを特徴とする
    コンクリート型枠用パネル。
  2. 【請求項2】 面板部の背面側に、横リブに沿って配備
    される金属製の補強材を着脱可能な装着部が設けられて
    いる請求項1記載のコンクリート型枠用パネル。
  3. 【請求項3】 面板部とその背面側に配備される補強枠
    とからなるコンクリート型枠用パネルであって、 上記補強枠が矩形をなし、かつ長手方向全長に亘って延
    びる山部及び谷部が横リブ部を介して幅方向に連続する
    ように形成された補強板部と、この補強板部の長手方向
    両端部にそれぞれ設けられかつ上記補強板部の幅方向端
    部に位置する上記横リブ部と共働して矩形環状の外リブ
    を形成する縦リブ部とを備え、補強板部と縦リブとが、
    ガラス繊維などの補強繊維を含む合成樹脂で成形されて
    いることを特徴とするコンクリート型枠用パネル。
JP9167695A 1995-03-24 1995-03-24 コンクリート型枠用パネル Pending JPH08260693A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020143228A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 住友ベークライト株式会社 ねじ止め用成形体

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JP2020143228A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 住友ベークライト株式会社 ねじ止め用成形体

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