JP2020143228A - ねじ止め用成形体 - Google Patents

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Daisuke Isobe
大輔 磯部
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Abstract

【課題】ねじ止め用成形体がねじ止めされた締結体において、高いトルクを得るとともに、ねじの緩みを抑制することができる技術を提供する。【解決手段】ねじ止め用成形体は、合成樹脂と、当該合成樹脂中に分散した繊維フィラーと、を含み、前記繊維フィラーの繊維長が0.6mm以上であり、ねじ挿入孔を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ねじ止め用成形体に関する。
従来、ボルトなどを用いて、被締結体に樹脂成形体が締結された締結構造が知られている。樹脂成形体は、優れた加工性等を有するため、例えば、自動車、家庭電化製品、産業機器等の部品製造等の広い分野で用いられている。
また、樹脂成形体の材料としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂がある。熱可塑性樹脂は、成形性が良好であるが、表面硬度や耐熱性等においては、十分なものとはいえない。一方、熱硬化性樹脂は、表面硬度や耐熱性等は良好であるものの、成形性、賦形性においては十分とはいえない。そこで、目的に応じた種々の性能を得るために、樹脂成形体の材料に関し、様々な観点から、開発が行われている。
例えば、特許文献1には、樹脂成形体の曲げ強度を向上させる観点から、強化繊維と、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂等のバインダー成分とを含み、強化繊維を特定の方向に配向させた繊維強化プラスチック成形体用基材が開示されている。また、強化繊維スラリーを抄紙して、繊維強化プラスチック成形体用基材を得たことが開示されている。
特開2019−2125号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、強化繊維を特定の方向に配向させることで、樹脂成形体の強度に方向性をもたせ、樹脂成形体の曲げ強度を向上させることに着目したものにとどまるものであり、ねじ等の締め付けに対する強度等について全く検討されていない。
そこで、本発明者は、合成樹脂と、当該合成樹脂中に分散した繊維フィラーと、を含む成形体の新たな用途について検討したところ、意外にも、ねじ止めの用途に適していることを見出した。すなわち、かかる成形体を用いてねじ止めされた締結体は、高いトルクで締結できるものであった。
本発明によれば、
合成樹脂と、当該合成樹脂中に分散した繊維フィラーと、を含み、
前記繊維フィラーの繊維長が0.6mm以上であり、
ねじ挿入孔を備える、ねじ止め用成形体が提供される。
本発明によれば、ねじ止め用成形体がねじ止めされた締結体において、高いトルクが得る。
本実施形態に係る抄造体の製造方法の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<成形体>
本実施形態のねじ止め用成形体は、合成樹脂と、当該合成樹脂中に分散した繊維フィラーとを含むものである。成形体がねじ止め用途に供されるためには、高いトルク値が得られることが重要となる。
また、本実施形態において、ねじ止め用成形体は、ねじ挿入孔を備えるものである。これにより、後述する、ねじ止め用成形体がねじ止めされた締結体を得ることができる。ねじ挿入孔は、ねじ止め用成形体がねじ止めされた締結体の高いトルクを得る観点から、良好な加工性を有するとともに、ねじ挿入孔内のねじ山、ねじ谷において良好な強度が求められる。
なお、ねじ止め用成形体のねじ挿入孔は、公知の方法により形成することができる。
[合成樹脂]
上記の合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられるが、ねじ挿入孔の強度を向上させつつ、ねじ止め締結体のトルクを高める観点から、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
上記の熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、及びポリウレタンの中から選択される一種又は二種以上が挙げられる。なかでも、高いトルクを得る観点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂を含むことが好ましく、フェノール樹脂を含むことがより好ましい。これにより、成形体の強度、なかでも曲げ弾性、および曲げ強度を向上でき、単繊維の分散性をより向上できる。
合成樹脂の含有量は、ねじ止め用成形体全体に対して、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは30重量%以上である。これにより、ねじ止め用成形体の加工性や軽量性をより効果的に向上させることができる。
一方で、合成樹脂の含有量は、ねじ止め用成形体全体に対して、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下であり、さらに好ましくは、50重量%以下である。これにより、ねじ止め用成形体の強度をより効果的に向上させることが可能となる。
[繊維フィラー]
本実施形態で用いられる繊維フィラーとしては、金属繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛などの天然繊維;レーヨン繊維などの再生繊維;セルロース繊維などの半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維などの合成繊維;炭素繊維;ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維などが挙げられるがこれらに限定されない。繊維フィラーは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これにより、ねじ加工及びねじ締め付けに対する機械的強度を適度に高め、得られた成形体において良好なトルクを得ることができる。
なかでも、高いトルクを得る観点から、炭素繊維、及び無機繊維が好ましい。
繊維フィラーの繊維長さは、0.6mm以上であり、要求される特性に応じて使い分けることが望ましく、0.8mm以上、15mm以下であることが好ましく、1mm以上、12mm以下であることがより好ましい。繊維長さを上記下限値以上とすることで、機械的強度、剛性などの特性を発現させることができ、耐久性を向上できる。一方、繊維長さを上記上限値以下とすることで、良好な成形加工性を確保することができる。
なお、繊維長は、繊維フィラーの原料に由来する長さに限定されるものではなく、ねじ止め用成形体の製造方法を制御することによっても調整される。
繊維フィラーの径は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm以下であることがより好ましい。
繊維フィラーの径を上記下限値以上とすることで、得られるねじ止め用成形体の機械的強度を確保することができ、上記上限値以下とすることで、成形加工性を確保することができる。
繊維フィラーの繊維長さ及び径は、例えば、ねじ止め用成形体を灰化し、灰化後の繊維フィラーを液体中に分散させ、その後、分散液の一部をスライドガラス上に移し、光学顕微鏡により繊維フィラーを観察することにより、確認することができる。
繊維フィラーの含有量は、得られるねじ止め用成形体の用途に応じて適宜選択できる。
[その他の材料]
本実施形態においてねじ止め用成形体は、上記繊維フィラーに加え、パルプ繊維を用いてもよい。パルプ繊維とは、有機繊維をフィブリル化したものをいう。有機繊維とは、天然繊維、合成繊維のうち、有機物質を主成分とする繊維の総称である。パルプ繊維としては、具体的には、リンターパルプや木材パルプ等のセルロース繊維、ケナフ、ジュート、竹などの天然繊維;パラ型全芳香族ポリアミド繊維やその共重合体、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、メタ型アラミド繊維やその共重合体、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維をフィブリル化したパルプ状繊維が挙げられる。パルプ繊維は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
パルプの含有量は、ねじ止め用成形体全体に対して0.5重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、2重量%以上であることがさらに好ましい。これにより、製造工程中における合成樹脂の凝集をより効果的に発生させて、さらに安定的なねじ止め用成形体の製造を実現することができる。
一方、パルプの含有量は、ねじ止め用成形体全体に対して、15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、8重量%以下であることがさらに好ましい。これにより、ねじ止め用成形体の機械的特性や熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
本実施形態においてねじ止め用成形体は、例えば、凝集剤を含むことができる。凝集剤は、後述する抄造法を用いたねじ止め用成形体の製造方法において、熱硬化性樹脂、繊維材料をフロック状に凝集させる機能を有する。このため、より安定的な樹脂シートの製造を実現することができる。
凝集剤は、例えば、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、及び両性高分子凝集剤から選択される一種又は二種以上を含むことができる。このような凝集剤の例示としては、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ホフマンポリアクリルアミド、マンニックポリアクリルアミド、両性共重合ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。また、凝集剤において、そのポリマー構造や分子量、水酸基やイオン性基などの官能基量などは、必要特性に応じて特に制限無く調整することが可能である。
本実施形態においてねじ止め用成形体は、例えば、特性向上を目的とした酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、樹脂の硬化触媒や硬化促進剤、顔料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤などの紙力向上剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、サイズ定着剤、消泡剤、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、中性製紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤などのサイズ剤、硫酸バンド、塩化アルミ、ポリ塩化アルミなどの凝結剤などの添加剤から選択される一種又は二種以上を、生産条件調整や、要求される物性を発現させることを目的として含むことができる。
また、本実施形態のねじ止め用成形体は、上記の繊維フィラーが一定方向に配向した抄造体の硬化物であることが好ましい。これにより、繊維フィラーの長さが均一化するとともに長さが維持されやすくなり、締結体の高いトルクが安定的に得られるようになる。また、ねじ止め用成形体の曲げ強度が向上できる。
なお、抄造体は、繊維材料を漉く手法を使用して得られた物の状態を示す技術用語として一般的に使用されている。この状態は、例えば、特許第4675276号公報、特許第5426399号公報に記載されている。同文献によれば、当該抄造体は、繊維や樹脂等の原料を分散媒に分散させた原料スラリーから、液体分が脱水され、フィルター上に残った湿潤状態の固形分を指す、と記載されている。ここでいう上記湿潤状態とは、乾燥及び加熱処理を施す前の硬化状態、すなわち、ポストキュア前の硬化状態を意味する。
また、同文献によれば、当該抄造体は、成形型内で加熱して乾燥成形することにより得られるねじ止め用成形体に利用される。すなわち、抄造体は成形材料として用いられると記載されている。
以下、抄造体を用いてねじ止め用成形体を形成する方法について説明する。
<ねじ止め用成形体の製造方法>
本実施形態において、ねじ止め用成形体は、湿式抄造法を用いて抄造体を得る工程(ステップ1)と、得られた抄造体を硬化してねじ止め用成形体を得る工程(ステップ2)により製造される。
なお、以下では、合成樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合を例として説明する。
・ステップ1
抄造体を得る工程は、熱硬化性樹脂と、繊維フィラーを分散媒中で混合して、スラリーを調製する工程と、底面にメッシュを備える容器に、得られたスラリーを入れ、分散媒を分離する工程と、メッシュ上に残った固形分を乾燥させ、プレスすることで、抄造体を得る工程とを含む。
以下に、図1に基づいて各工程の詳細を説明する。
(スラリーの調製)
スラリーの調製は、図1(a)に示すように、熱硬化性樹脂Aと、繊維フィラーBとを分散媒中で混合、撹拌することにより行われる。
上記材料を分散媒中で混合する工程は、例えば、攪拌機を備える容器中で撹拌する方法を用いることができる。
分散媒としては限定されず、具体的には、水;エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン、フルフラールなどのエーテル類などが挙げられる。分散媒としては、上記具体例のうち、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、入手が容易であり、環境負荷が低く、安全性が高いことから、水を用いることが好ましい。
ここで、スラリーは、上記材料に加えて、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン、パルプ繊維を含むものであってもよい。
上記のポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンは、熱硬化性樹脂A、繊維フィラーB、必要に応じてパルプ繊維、及び必要に応じて他の成分を分散媒中で混合し、撹拌した後に添加してもよいし、上記成分と同時に混合してもよい。各成分をより高度に分散させるために、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンは、上記各成分を分散媒中で混合し撹拌した後に加えるのが好ましい。
また、パルプ繊維が配合されることにより、繊維フィラーBを高度に分散させることができる。
又は、熱硬化性樹脂、繊維フィラー、及びポリエーテルオキサイドを分散媒中で混合して、第一のスラリーを得た後に、当該第一の混合水性スラリーに、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンを混合して、第二のスラリーを調製してもよい。
(分離工程)
分離工程では、図1(b)に示すように底面にメッシュ60を備える容器に、スラリーを入れ、分散媒と、固形分とを分離する。これにより、図1(c)に示すようにメッシュ60上に、シート状の凝集物が残存する。なお、凝集物は、例えば、スラリーの原料成分を含む。
ここで、メッシュ60の形状を適宜選択することによって、のちに得られる抄造体10の形状を調整することが可能である。例えば、平坦なシート形状のメッシュ60を用いた場合、シート様の形状を有する抄造体10が得られる。また、例えば、波型、凹凸等の立体形状を有するメッシュ60を用いた場合、立体形状を有する抄造体10が得られる。
抄造体10の形状は、これを硬化成型して得られる成形物20の形状、金型の形状等に応じて適宜選択することができる。また、抄造体10の厚みは、材料スラリー中の上記各材料の量を調整したり、再度スラリーを作製して分離工程を行ったりすることによって調整することができる。
次いで、凝集物を脱水プレスすることで、抄造体10を作製する(図示なし)。
脱水プレスの条件は、例えば、温度20℃以上30℃以下で、圧力1kgf/cm以上50kgf/cm以下とすることができる。
ここで、脱水プレスは、例えば、抄造体10の脱水率が20%以下となるように行われることが好ましい。なお、本実施形態にかかる脱水率とは、脱水処理する前に凝集物に含まれる分散媒の質量を100%としたとき、脱水処理した後の凝集物(抄造体)に含まれる分散媒の質量を示す。
・ステップ2
次に、得られた抄造体を硬化してねじ止め用成形体を得る工程について説明する。
本実施形態に係る抄造体を硬化してねじ止め用成形体を得る方法は、例えば、抄造体を熱処理する乾燥工程と、抄造体を加熱加圧下で金型成形し、成形物を作製する成形工程と、成形物を硬化する工程と、を含む。
以下、詳細について説明する。
(乾燥工程)
乾燥工程では、図1(d)に示すように、オーブン70内で抄造体10を熱処理する。これにより、抄造体から分散媒をさらに取り除く。なお、乾燥する方法としては、限定されず、オーブン70以外の方法を用いてもよい。
ここで、乾燥する温度は、熱硬化性樹脂の融点以上反応温度以下とすることができる。なお、反応温度とは、示差走査熱量(DSC:Differential scanning calorimetry)測定における昇温過程において、算出される反応率が0%を最初に越える温度である。ここで、反応率とは、次のように求められる。まず、硬化反応を行っていない抄造体について、DSC測定により温度プロファイルを測定する。これにより得られる硬化反応の温度プロファイルから算出される、硬化反応の発熱ピークの単位質量あたりに換算した発熱量をA[mJ/mg]とする。次いで、反応率を算出する抄造体についても、同様に、硬化反応の発熱ピークの単位質量あたりに換算した発熱量B[mJ/mg]を算出する。上記A及びBを用いて、以下の式より、反応率が求められる。
(式) (反応率)=B/A×100[%]
(成形工程)
成形工程では、抄造体を加熱加圧下で金型成形し、成形物20を作製する。
本実施形態に係る成形物20は、抄造体10を加熱加圧下で金型成型することにより得られる。成形物20は、目的の形状を有する金型を用いて、シート状又は立体形状の抄造体10を加熱加圧することにより作製することができる。成型方法としては、例えば、プレス成形が挙げられる。図1(e)に示すように、プレス板71で、抄造体10を加圧するとともに、プレス板71の外周側に熱板72を配置して加熱する。これにより、成形物20を得ることができる。
なお、本実施形態に係る成形物20の硬化状態は、Bステージの硬化状態である。
ここで、成形工程における加熱温度を、上述した熱硬化性樹脂の融点以上反応温度以下とする場合、成形物20をBステージの硬化状態とすることができる。
(硬化工程)
得られた成形物20は、さらに反応温度より高い温度で加熱処理することで、Cステージの硬化状態の硬化物(ねじ止め用成形体)となる。ここで、反応温度より高い温度の加熱処理は、例えば、上記成形工程と同時におこなってもよい。
なお、ねじ加工は、公知の方法を用いて行うことができ、成形物20(Bステージ状態)に対して行ってもよく、硬化物(Cステージ状態)に対して行ってもよい。
<締結体>
本実施形態の締結体は、上記のねじ止め用成形体の前記ねじ挿入孔を用いてねじ止めされたものである。本実施形態の締結体は、上記のねじ止め用成形体を用いているため、高いトルクで締め付けできる。また、曲げ強度、曲げ弾性率が良好となる。
以上説明した本実施形態のねじ止め用成形体は、建築材料、自動車及び航空機等の各種輸送機械、スポーツ用品等の種々の用途に広く利用できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の材料を用い、表1に示す割合(重量%)のねじ止め用成形体を作製した。
(合成樹脂)
・熱硬化性樹脂1:レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製「スミライトレジンPR−51723」
・熱硬化性樹脂2:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製「スミライトレジンPR−51470」
(繊維フィラー)
・炭素繊維1:リサイクルカーボン(平均繊維長6mm、3mm、0.5mm)
・炭素繊維2:東邦テナックス株式会社製 炭素繊維ロービングHTS40
・炭素繊維3:東邦テナックス株式会社製 HT C261
(パルプ繊維)
・パルプ繊維1:アラミド微小繊維(ダイセルファインケム株式会社製「ティアラ KY−400S」平均繊維長500〜600μm)
(添加剤)
・添加剤:ヘキサメチレンテトラミン
<実施例1>
・成形前材料の作製(製法1)
分散媒としての水に、熱硬化性樹脂、繊維フィラー、およびパルプ繊維を加え、20分間撹拌して、固形分濃度0.15質量%のスラリーを得た。得られたスラリーに、あらかじめ調製したポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン(ハイモ株式会社製の「ハイモロック DR−9300」)を、スラリー中の固形分に対して300ppmとなるように添加し、スラリー中の固形分を凝集させた。次いで、凝集物を含むスラリーを、30メッシュの金属網(スクリーン)で濾過し、スクリーン上に残ったシート状の凝集物を、圧力3MPaでプレスして脱水した。脱水した凝集物を、70℃で3時間乾燥させて、シート状の成形前材料(抄造体)を得た。
・ねじ止め用成形体の作製
上記にて得られた成形前材料を、100mm×100mmにカットし重量を測定した。カット片は成形後の厚みが7mmとなるように積層させ、圧力650kg/cm、温度180℃の条件で10分間熱処理することにより、100mm×100mm×7mmのねじ止め用成形体を得た。
続けて、得られたねじ止め用成形体を180℃8時間焼成処理した後、下穴径Φ5.1、呼び径M6×1でタップ加工を実施した。なお、ねじ止め用成形体は、タップ加工による破損は生じなかった。
<実施例2>
表1に示した繊維長の炭素繊維1に変更した以外は、実施例1と同様にして、ねじ止め用成形体を得た。
<実施例3>
成形前材料を以下の製法2で得た以外は、実施例1と同様にして、ねじ止め用成形体を得た。
(製法2)表1に記載された原料を、流動床技術を使用して繊維にコーティングし、400℃に加熱されたヒータにより溶融・固着させ、冷却させた後に、ストランドカッターにより12mmの長さに切断することでペレットを得た。得られたペレットを射出成型機の射出ユニットに投入して110℃にて加熱することで樹脂を溶融し、スクリュー周速70mm/sec(直径32mm:回転数43rpm)で繊維を開繊して、成形前材料を得た。
なお、表1中のその他は、離型剤(ステアリン酸カルシウム:1重量部)、硬化助剤(酸化マグネシウム:1重量部)、顔料等(カーボンブラック:1重量部)、無機充填材(ミルドカーボン:5重量部)および無機充填材(グラファイト:6重量部)を示す。
<比較例1>
表1に示した繊維長の炭素繊維1に変更した以外は、実施例1と同様にして、ねじ止め用成形体を得た。
<比較例2>
成形前材料を以下の製法3で得た以外は、実施例1と同様にして、ねじ止め用成形体を得た。
(製法3)表1に記載された原料を80〜90℃の混練ロールで約15分間溶融混練し、冷却後粉砕して成形前材料を得た。
なお、表1中のその他は、離型剤(ステアリン酸カルシウム:1重量部)、硬化助剤(酸化マグネシウム:1重量部)、顔料等(カーボンブラック:1重量部)を示す。
各実施例および比較例で得られたねじ止め用成形体について、以下の測定・評価を行った。結果を、表1に示す。
・締め付けトルクの最大値の測定:100mm×100mm×7mm(厚み)の成形体の試験品を用意した。試験品にM6ねじ用のねじ挿入孔を形成し、当該ねじ挿入孔に、鋼製(亜鉛メッキ)のM6ねじを挿入し、トルクレンチを用いて締め付けたときの締め付けトルクの最大値を測定した。
・繊維長の測定:ねじ止め用成形体を400℃、9hrの条件で灰化し、灰化後の繊維フィラーを液体(アセトン)中に分散させた。この分散液の一部をスライドガラス上に移し、光学顕微鏡により低倍率で画像を撮影し、繊維長を測定した。繊維長は合計で100本測定し、平均値を算出した。
・曲げ試験:曲げ弾性率(GPa)、および曲げ強度(MPa)の測定
ISO178に準拠して、曲げ弾性率(GPa)と曲げ強度(MPa)とを測定した。
Figure 2020143228
10 抄造体
20 成形物
60 メッシュ
70 オーブン
71 プレス板
72 熱板
A 熱硬化性樹脂
B 繊維フィラー

Claims (6)

  1. 合成樹脂と、当該合成樹脂中に分散した繊維フィラーと、を含み、
    前記繊維フィラーの繊維長が0.6mm以上であり、
    ねじ挿入孔を備える、ねじ止め用成形体。
  2. 前記合成樹脂として熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載のねじ止め用成形体。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタンの中から選択される一種または二種以上である、請求項2に記載のねじ止め用成形体。
  4. 前記繊維フィラーが一定方向に配向した抄造体である、請求項1乃至3いずれか一項に記載のねじ止め用成形体。
  5. 前記繊維フィラーが、金属繊維、炭素繊維、無機繊維、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、および合成繊維からなる群より選択される少なくとも1つの繊維を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載のねじ止め用成形体。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のねじ止め用成形体の前記ねじ挿入孔を用いてねじ止めされた締結体。
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