JPH08260453A - 打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法 - Google Patents

打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法

Info

Publication number
JPH08260453A
JPH08260453A JP6436795A JP6436795A JPH08260453A JP H08260453 A JPH08260453 A JP H08260453A JP 6436795 A JP6436795 A JP 6436795A JP 6436795 A JP6436795 A JP 6436795A JP H08260453 A JPH08260453 A JP H08260453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
water
shaped structure
concrete
groundwater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6436795A
Other languages
English (en)
Inventor
Morio Kitamura
北村  精男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Giken Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Giken Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Giken Seisakusho Co Ltd filed Critical Giken Seisakusho Co Ltd
Priority to JP6436795A priority Critical patent/JPH08260453A/ja
Publication of JPH08260453A publication Critical patent/JPH08260453A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 地盤に矢板等を連接して打ち込むことにより
形成された壁状構造物が地下水の流れを遮断することに
より発生する悪影響を抑止する。 【構成】 コンクリート矢板10におては、一方の側面
から他方の側面に貫通する透水層12が形成されてい
る。この透水層12は、透水性コンクリートからなる。
そして、コンクリート矢板10を一列に地盤に打ち込ん
で壁状構造物を構築した場合には、この壁状構造物が多
数の透水層12有することになる。従って、壁状構造物
が地下水の流れを遮るように構築されても、地下水が透
水層を通過することができる。従って、壁状構造物が地
下水の流れを遮り、地下水圧及び地下水位の上昇を招く
ようなことがない。また、壁状構造物の一側面側で液状
化現象が発生した場合には、上記透水層12により間隙
水を他側面側に排水し、液状化の影響を抑制することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地盤中に打ち込まれて
土留壁等の壁状構造物として用いられる打ち込み用構造
物と、該打ち込み用構造物からなる壁状構造物を構築す
るための壁状構造物の構築方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、矢板等の構造物を連接して地盤
に打ち込むことにより、土留壁等の壁状構造物を構築す
る工法が知られている。従来、上記矢板は、例えば、鋼
矢板、鋼管矢板等の鋼材や、コンクリート矢板等のプレ
キャストコンクリートが用いられている。
【0003】例えば、図6に示す用に、コンクリート矢
板1を一列に地盤に打ち込むことにより、土留用の壁状
構造物2を構築することができる。矢板として用いられ
る上述の部材は、比較的高い強度を有するとともに、比
較的高い遮水性能を有し、上述のように土留壁として用
いることができるとともに、止水用としての機能も有す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に地盤中に壁状構造物2を構築した際に、地中に図6の
矢印aに示すような地下水の流れがあった場合には、上
記地下水の流れを壁状構造物2が遮ることになる。そし
て、壁状構造物2により上記地下水の流れが遮られた場
合には、壁状構造物2の地下水の上流側において、地下
水が行き場をなくし、地下水圧が高くなるとともに、地
下水位が高くなることになる。
【0005】そして、地下水位が上昇した部分に地中構
造物があった場合には、該地中構造物に対する浮力が上
昇するなどの地中構造物に対する悪影響がでることにな
る。また、上記壁状構造物2を一側面側の上部が露出
し、他側面側が埋設された状態の土留壁として用いた際
に、壁状構造物2の埋設された他側面側で地下水圧が上
昇した場合には、壁状構造物2にかかる土圧が上昇する
ことになり、壁状構造物2に大きな負荷がかかることに
なる。
【0006】また、埋立地等において地震時に発生する
液状化現象が問題となっているが、上述のような地下水
位の上昇は、地震時の液状化の要因となる可能性があ
る。また、上記液状化現象が発生した場合には、間隙水
圧(地下水圧)の上昇を伴うとともに、地盤が流動化す
ることになり、壁状構造物2を土留壁とした場合には、
背面地盤からの水平方向の土圧が急激に上昇することに
なるが、上述のように遮水性能の高い壁状構造物におい
ては、間隙水圧が上昇した場合に、間隙水の逃げ道を塞
ぐことになり、液状化の影響をもろに受けるという問題
があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、土留壁等として土砂の移動を遮断することがで
きるとともに、水を通過させることができ、地下水圧の
上昇を抑制することができる打ち込み用構造物及び壁状
構造物の構築方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
打ち込み用構造物は、地盤中に打設されて少なくとも一
側面が埋設された状態で設置される打ち込み用構造物で
あって、一方の側面から他方の側面に貫通する透水層が
形成されていることを上記課題の解決手段とした。
【0009】また、本発明の請求項2記載の打ち込み用
構造物は、上記透水層が透水性コンクリートからなるこ
とを上記課題の解決手段とした。
【0010】また、本発明の請求項3記載の打ち込み用
構造物は、両側面が埋設された部分において、上記透水
層が一側面から他側面に貫通する貫通孔とされているこ
とを上記課題の解決手段とした。
【0011】また、本発明の請求項4記載の壁状構造物
の構築方法は、横方向に貫通する透水層を有する杭、矢
板等の打ち込み用構造物を連接して打設することによ
り、一方の側面から他方の側面に貫通する透水層を有す
る壁状構造物を構築することを上記課題の解決手段とし
た。
【0012】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、打ち込み用
構造物に、一方の側面から他方の側面に貫通する透水層
が形成されているので、この打ち込み用構造物を連接し
て地盤中に打設して壁状構造物を設けた場合には、上記
透水層により地下水や間隙水が壁状構造物を通過するこ
とが可能となる。すなわち、上記壁状構造物によれば、
貫通孔等の土砂の移動が可能な部分を設けずに透水層を
形成することで、土砂の移動を完全に抑止した状態で水
だけを移動させることができる。
【0013】従って、壁状構造物により分断された地盤
の地下水の上流側で、地下水圧及び地下水位が上昇する
のを防止し、壁状構造物に大きな負荷がかかるのを防止
することができる。また、地下水位の上昇により地盤が
液状化しやすい状態となるのを防止することができる。
【0014】また、壁状構造物の一方の側面側で液状化
現象が発生し、間隙水圧が上昇した場合に、上記壁状構
造物の透水層を介して間隙水圧の高まった一方の側面側
から他方の側面側に間隙水を排水することができ、液状
化を抑制することができるとともに、液状化により壁状
構造物に大きな土圧がかかり壁状構造物が損傷するのを
防止することができる。
【0015】また、上記請求項2記載の構成によれば、
透水性コンクリートが通常のコンクリートに比較して強
度的に僅かに劣るものの透水性を有する物質としては安
価で、かつ、比較的高い強度を有するので、壁状構造物
を低コストに製造できるとともに、透水層を有する打ち
込み用構造物の強度に大きな低下を招くことがない。
【0016】また、上記請求項3記載の構成によれば、
透水層が貫通孔とされ、土砂の移動を抑制することはで
きないが、両側面が埋設された状態では、貫通孔の両側
が土砂に接しているので、必ずしも土砂の移動を抑止す
る必要がないとともに、打ち込み用構造物の両側で土砂
が流動化しない限り土砂が移動する可能性もない。従っ
て、透水層を貫通孔としても、土砂を移動させることな
く、水だけを通過させることができる。
【0017】また、打ち込み用構造物の上部が土留壁と
して片側だけが埋設された状態でも、打ち込み用構造物
の下部は、打ち込み用構造物を支持するために土砂に打
ち込まれて両側が埋設された状態となっているので、打
ち込み用構造物の下部に透水層としての貫通孔を形成し
た場合に、上述のように水だけを通過させることができ
る。
【0018】また、上記請求項4記載の構成によれば、
通常の矢板等の打ち込み用構造物により壁状構造物を構
築する方法と同様の方法を用いて、横方向に貫通する透
水層を有する打ち込み用構造物を連接して打ち込むこと
で、透水層を有し上述のような効果を有する壁状構造物
を構築することができる。すなわち、透水層を有する壁
状構造物を構築するために、新たな施工用の設備等を必
要とせず、容易に透水層を有する壁状構造物を構築する
ことができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の一実施例の壁状構造物及び
壁状構造物の構築方法を図面を参照して説明する。図1
はこの実施例の打ち込み用構造物であるコンクリート矢
板10を示すものであり、図2は上記コンクリート矢板
10…により構築される壁状構造物11の水平断面を示
すものである。なお、この実施例は、本発明の打ち込み
用構造物をコンクリート矢板10に応用し、このコンク
リート矢板10…を連接して打ち込むことにより、壁状
構造物11を構築するものである。
【0020】図1に示すように、この実施例の打ち込み
用構造物であるコンクリート矢板10は、プレキャスト
コンクリート製の板状構造物であり、一方の端面に上下
に延在する突条10aが形成され、他方の端面に上下に
延在する溝10bが形成されている。そして、上記コン
クリート矢板10は、図2に示すように、複数のコンク
リート矢板10…を連続して一列に打ち込むことによ
り、上記突条2bと上記溝2cとが嵌合した状態で、壁
状構造物11となるようになっている。
【0021】そして、コンクリート矢板10には、一方
の側面から他方の側面に貫通し、かつ、両側面に露出す
る透水層12…が上下に所定の間隔で点在するように複
数形成されている。また、上記透水層12…は透水性コ
ンクリートからなるものである。
【0022】上記透水性コンクリートは、砂のような細
骨材を用いずに、粒度を限定した粗骨材とセメントペー
ストを一定の割合で練り混ぜて締め固め、内部に互いに
連通した空隙がある多孔質のコンクリートである。通常
のコンクリートは、粒度の異なる骨材を用い、大きな骨
材間の空隙に中位の骨材が充填され、中位の骨材間の空
隙に細かな骨材が充填され、内部に空隙が生じないよう
になっており、遮水性を高めているが、透水性コンクリ
ートは、上述のように細かな骨材を用いずにほぼ同様の
粒径の骨材を用いることで、わざと空隙を残して多孔質
としたものである。
【0023】また、透水性コンクリートは、発泡剤によ
る気泡を含む場合もある。すなわち、透水性コンクリー
トとは、多孔質コンクリートであり、コンクリート内の
互いに連通する空隙により透水性を高めたものである。
なお、コンクリートにおいて透水性と強度とは反比例す
るものであり、透水性コンクリートは通常の遮水性の高
いコンクリートに比較して圧縮強度が低くなっている。
【0024】しかし、コンクリート矢板10の打ち込み
時に破壊されず、かつ、埋設時に土圧により押し潰され
ない程度の強度を付加するとともに、必要な透水性を確
保することが可能である。また、上述のようにコンクリ
ート矢板10において、透水層12…を点在するように
設けることで、コンクリート矢板10の強度が低下する
のを防止することができる。
【0025】なお、図1においては、上記透水層12を
円柱状のものとしたが、上記透水層12は、コンクリー
ト矢板10を貫通するとともに両側面に露出する形状
で、かつ、コンクリート矢板10の強度を著しく低下さ
せない形状ならばどのような形状でも良い。
【0026】そして、上述のような透水層12…を有す
るコンクリート矢板10…を連接した状態で地盤中に打
ち込むことにより形成された壁状構造物11は、多数の
透水層12…を有することになる。従って、壁状構造物
11は、貫通孔を設けることなく、水を通過させること
ができ、土砂の移動を完全に抑止した状態で水だけを通
過させることができるようになっている。
【0027】次に、上記コンクリート矢板10…を用い
た壁状構造物11の構築方法について説明する。なお、
上記コンクリート矢板10…は、一般的な矢板として用
いることができるものであり、土留壁などとして使用す
ることができるものである。
【0028】そして、上記壁状構造物11を構築する際
には、上記コンクリート矢板10を地盤中に打ち込むこ
とになるが、打ち込みに際しては、一般的なコンクリー
ト矢板として打ち込むことが可能である。なお、打ち込
みに際しては、その打ち込み方法が特に限定されるもの
ではないが、既に打ち込まれた構造物から反力を取って
油圧により構造物を打ち込むこと、もしくは引き抜くこ
とが可能な圧入・引き抜き機(図示略)を用いることが
好ましい。
【0029】上記圧入・引き抜き機を用いることによ
り、打撃や振動等の衝撃を与えずにコンクリート矢板1
0…を打ち込むことができ、周囲への騒音や振動による
悪影響を防止することができる。そして、複数のコンク
リート矢板10…を一列に連接して地盤に打ち込んだ場
合には、図2に示すように地中に壁状構造物11が構築
されることになる。
【0030】また、この連接して打設されたコンクリー
ト矢板10…からなる壁状構造物11は、コンクリート
矢板10…を打ち込んだ状態で地中壁となるとともに、
その一方の側面側を掘削すること、もしくは、その上部
が地盤から上方に延出した状態で、他方の側面側に土砂
を充填することにより土留壁となる。
【0031】そして、この壁状構造物11が、地下水の
流れを遮るように構築された場合には、上述のように壁
状構造物11に多数の透水性コンクリートからなる透水
層12…が形成されているので、地下水が該透水層12
…を通過することができる。すなわち、壁状構造物11
が、地下水の流れを遮るように構築されても、地下水が
透水層12…を通過するので、地盤の壁状構造物11よ
りも地下水の上流側において、地下水圧及び地下水位が
上昇することがない。従って、壁状構造物11を地下水
の流れを遮るように構築しても、壁状構造物11に地下
水圧及び地下水位の上昇により大きな負荷がかかること
がない。
【0032】また、壁状構造物11を、地下水の流れを
遮るように構築することにより、地下水圧及び地下水位
が上昇することがないので、壁状構造物11を構築する
ことにより、液状化現象の起きやすい状態となることが
ない。また、地震時に液状化現象が発生し、壁状構造物
11の一側面側で間隙水圧が上昇した場合には、上記間
隙水を壁状構造物11の一側面側から他側面側に逃がす
ことができ、液状化を抑制することができる。
【0033】また、上記壁状構造物11を土留壁(岸
壁、護岸壁、擁壁など)として用いた際に、液状化現象
が発生した場合には、上述のように間隙水を逃がすこと
ができることから、背面土圧の上昇を防止することがで
き、液状化時に土留壁となった壁状構造物11が背面土
圧により損傷するのを防止することができる。
【0034】なお、上記実施例においては、透水層12
を透水性コンクリートからなるものとしたが、透水性が
高い部材で、かつ、土圧により押し潰されない強度を有
する部材ならば、どのような部材でも透水層として用い
ることができる。また、透水層12は、必ずしも略均質
な部材からなる一つの層に限定されるものではなく、複
数の層から形成されるものとしても良い。
【0035】また、上記実施例においては、打ち込み用
構造物として図1に示す形状を有するコンクリート矢板
10を用いたが、打ち込み用構造物は、連接することに
より壁状構造物を構築できる形状で、かつ、透水層12
を設けることが可能な形状ならば、どのような形状でも
良い。
【0036】例えば、図3に示すコンクリート構造物1
4を打ち込み用構造物としても良い。上記コンクリート
構造物14は、プレキャストコンクリート製のほぼ四角
柱状のものであり、その内部に上下に延在する空洞14
aが形成されている。また、上記コンクリート構造物1
4は、連接して打ち込むことにより護岸壁等の図示しな
い壁状構造物を構築するためのものである。
【0037】そして、上記コンクリート構造物14は、
その一側面から空洞14aまでの透水層14bと、上記
一側面の反対側の側面から空洞までの透水層14bとの
二つの透水層14b、14bが形成されている。すなわ
ち、コンクリート構造物14には、空洞14aを挟ん
で、二つの透水層14bが形成されている。
【0038】従って、コンクリート構造物14には、空
洞14aと二つの透水層14b、14bとからなる透水
層が、一方の側面から他方の側面に貫通し、かつ両側面
に露出した状態で形成されている。なお、上記空洞14
aは、コンクリート構造物14内に形成されているの
で、コンクリート構造物14打設後にコンクリート構造
物14の周囲から土砂が流入して堆積し、空洞の透水性
を阻害するようなことがない。このようなコンクリート
構造物14によっても、上記コンクリート矢板10と同
様の優れた効果を奏することができる。
【0039】図4は、鋼矢板15に透水層としての貫通
孔15a…を形成したものである。上記実施例において
は、透水層12を透水性コンクリートからなるものと
し、完全に土砂の移動を防止した状態で、水だけを移動
させるものとしたが、矢板の両側面が埋設された状態の
部分においては、必ずしも土留壁のように完全に土砂の
移動を防止する必要がないとともに、矢板の両側面にあ
る土砂が互いに土砂の移動を抑制した状態となり、土砂
が流動化しない限り、土砂の移動がほぼ不可能な状態と
なっている。
【0040】従って、鋼矢板15の両側面が土砂に埋設
された部分においては、透水層を貫通孔15aとして
も、土砂の移動を抑止した状態で水だけ移動させること
が可能であり、片側の側面だけが埋設された状態となっ
ている部分を除いて上記実施例のコンクリート矢板10
と同様の効果を奏することができる。
【0041】また、鋼矢板15を土留壁として用いた場
合にも、鋼矢板15の片面が露出される部分は鋼矢板1
5全体ではなく、鋼矢板15の下部は鋼矢板15を支持
するために両面が地盤中埋設された状態となっている。
従って、土留壁として鋼矢板15を用いる場合にも、片
面が露出する部分には貫通孔15aを設けない構成と
し、両面が埋設された下部にだけ貫通孔15aを設ける
構成とすれば、鋼矢板15を土留壁として用いた場合に
も上記実施例とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0042】図5は、鋼管矢板16に透水層としての貫
通孔16aを形成したものである。図5の鋼管矢板16
も図4に示す鋼矢板15と同様に鋼管矢板16の周囲が
完全に埋設されている部分において、透水層を貫通孔1
6aとしている。また、上記貫通孔16aは、鋼管矢板
16の相対する壁面の両方に形成されていおり、二つの
貫通孔16aと鋼管矢板16の内部空間とから透水層が
形成されるようになっている。
【0043】従って、図5に示す鋼管矢板16において
も、図4に示す鋼管矢板15と同様に、周囲を埋設され
た部分において、上記実施例と同様の効果を奏すること
ができる。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、上記請求
項1記載の打ち込み用構造物によれば、打ち込み用構造
物を連接して地盤中に打設して壁状構造物を設けた場合
に、上記透水層により地下水や間隙水が壁状構造物を通
過することが可能となる。そして、上記壁状構造物によ
れば、土砂の移動を完全に抑止した状態で水だけを移動
させることができる。
【0045】従って、壁状構造物により分断された地盤
の地下水の上流側で、地下水圧及び地下水位が上昇する
のを防止し、壁状構造物に大きな負荷がかかるのを防止
することができる。また、地下水位の上昇により地盤が
液状化しやすい状態となるのを防止することができる。
【0046】また、壁状構造物の一方の側面側で液状化
現象が発生し、間隙水圧が上昇した場合に、上記壁状構
造物の透水層を介して間隙水圧の高まった一方の側面側
から他方の側面側に間隙水を排水することができ、液状
化を抑制することができるとともに、液状化により壁状
構造物に大きな土圧がかかり壁状構造物が損傷するのを
防止することができる。
【0047】また、上記請求項2記載の打ち込み用構造
物によれば、透水性コンクリートが通常のコンクリート
に比較して強度的に僅かに劣るものの透水性を有する物
質としては安価で、かつ、比較的高い強度を有するの
で、壁状構造物を低コストに製造できるとともに、透水
層を有する打ち込み用構造物の強度に大きな低下を招く
ことがない。また、上述のように透水性コンクリートが
透水性を有する物質としては、比較的高い強度を有する
ので、透水層が埋設された状態となっても、透水層が土
圧により押し潰されることがない。
【0048】また、上記請求項3記載の打ち込み用構造
物によれば、透水層が貫通孔とされ、透水層が直接土砂
の移動を防止することができないが、両側面が埋設され
た状態では、貫通孔の両側が土砂に接しているので、必
ずしも土砂の移動を抑制する必要がないとともに、打ち
込み用構造物の両側で土砂が流動化しない限り土砂が移
動する可能性もない。従って、透水層を貫通孔として
も、土砂を移動させることなく、水だけを通過させるこ
とができ、打ち込み用構造物の両側面が埋設された部分
において、上記請求項1記載の構成と同様の効果を奏す
ることができる。
【0049】また、上記請求項4記載の壁状構造物の構
築方法によれば、通常の矢板等の打ち込み用構造物によ
り壁状構造物を構築するのと同様の方法を用いて、横方
向に貫通する透水層を有する打ち込み用構造物を連接し
て打ち込むことにより、透水層を有し上述のような効果
を有する壁状構造物を構築することができる。すなわ
ち、透水層を有する壁状構造物を構築するために、新た
な施工用の設備等を必要とせず、容易に透水層を有する
壁状構造物を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の打ち込み用構造物であるコ
ンクリート矢板を示す斜視図である。
【図2】上記実施例のコンクリート矢板を一列に地盤に
打設した状態を示す水平断面図である。
【図3】上記実施例の打ち込み用構造物とは異なる本発
明の打ち込み用構造物を示す水平断面図である。
【図4】上記実施例の打ち込み用構造物とは異なる本発
明の打ち込み用構造物を示す要部斜視図である。
【図5】上記実施例の打ち込み用構造物とは異なる本発
明の打ち込み用構造物を示す要部斜視図である。
【図6】上記従来の打ち込み用構造物である矢板により
構築された壁状構造物を示す平面図である。
【符号の説明】
10 コンクリート矢板(打ち込み用構造物) 11 壁状構造物 12 透水層 14 コンクリート構造物(打ち込み用構造物) 14b 透水層 15 鋼矢板(打ち込み用構造物) 15a 貫通孔(透水層) 16 鋼管矢板(打ち込み用構造物) 16a 貫通孔(透水層)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に打設されて少なくとも一側面が
    埋設された状態で設置される打ち込み用構造物であっ
    て、一方の側面から他方の側面に貫通する透水層が形成
    されていることを特徴とする打ち込み用構造物。
  2. 【請求項2】 上記透水層が透水性コンクリートからな
    ることを特徴とする請求項1記載の打ち込み用構造物。
  3. 【請求項3】 両側面が埋設された部分において、上記
    透水層が一側面から他側面に貫通する貫通孔とされてい
    ることを特徴とする請求項1記載の打ち込み用構造物。
  4. 【請求項4】 横方向に貫通する透水層を有する杭、矢
    板等の打ち込み用構造物を連接して打設することによ
    り、一方の側面から他方の側面に貫通する透水層を有す
    る壁状構造物を構築することを特徴とする壁状構造物の
    構築方法。
JP6436795A 1995-03-23 1995-03-23 打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法 Pending JPH08260453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6436795A JPH08260453A (ja) 1995-03-23 1995-03-23 打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6436795A JPH08260453A (ja) 1995-03-23 1995-03-23 打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08260453A true JPH08260453A (ja) 1996-10-08

Family

ID=13256240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6436795A Pending JPH08260453A (ja) 1995-03-23 1995-03-23 打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08260453A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100013894A (ko) * 2008-08-01 2010-02-10 재단법인 포항산업과학연구원 투수성 강널말뚝
CN103938614A (zh) * 2014-05-05 2014-07-23 张武 加强型预应力混凝土波形板桩

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0249820A (ja) * 1988-08-12 1990-02-20 Ozawa Concrete Kogyo Kk 地下壁及びその施工法
JPH0648805A (ja) * 1992-07-28 1994-02-22 Kumagai Doro Kk 透水コンクリート

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0249820A (ja) * 1988-08-12 1990-02-20 Ozawa Concrete Kogyo Kk 地下壁及びその施工法
JPH0648805A (ja) * 1992-07-28 1994-02-22 Kumagai Doro Kk 透水コンクリート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100013894A (ko) * 2008-08-01 2010-02-10 재단법인 포항산업과학연구원 투수성 강널말뚝
CN103938614A (zh) * 2014-05-05 2014-07-23 张武 加强型预应力混凝土波形板桩

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09158212A (ja) 構造物群の基礎補強構造
JP6238088B2 (ja) 改良地盤及び地盤改良工法
US4124982A (en) Method of stabilizing soil in pile bearing regions
JPH08260453A (ja) 打ち込み用構造物及び壁状構造物の構築方法
JP2004076451A (ja) プレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法
JP2002121754A (ja) 水中基礎の構築工法
JP3120140B2 (ja) 地盤の液状化対策構造
JPH0144852B2 (ja)
JP4176235B2 (ja) 液状化防止対策工法
JPH0949239A (ja) 液状化対応基礎構造
JPH03286016A (ja) 液状化抑止杭および矢板
JP3760299B2 (ja) 地盤側方流動対策構造
JPH08239842A (ja) 液状化防止用構造物及び液状化防止方法
JP2876471B2 (ja) 側方流動対策構造
JP2003119750A (ja) 構造物の抗力構造体
JPH1046619A (ja) 砂層地盤における構築物の基礎構造
JP2000160559A (ja) 山留め壁及びその施工方法
JPH03103535A (ja) 建造物の液状化対策構造
JP3841679B2 (ja) 地盤改良工法
JP2668922B2 (ja) 掘割道路の耐震構造
JP7416438B2 (ja) 浸水防止壁、浸水防止壁の構築方法及びプレキャストコンクリート製の壁体
JPS63142115A (ja) 地盤の液状化防止工法
JP2881224B2 (ja) 構造物の液状化対策システム及びその工法
JP2010209528A (ja) 側方流動対策構造
JPH10131208A (ja) 地盤の側方流動防止工法