JP3841679B2 - 地盤改良工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に砂地盤などの液状化のおそれのある地盤上に建つ既設構造物の沈下および不同沈下を抑制する目的でなされる地盤改良工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に軟弱な砂地盤においては、地震時に水で飽和した砂が激しく繰り返しせん断されると、間隙水圧が急激に上昇して砂のせん断抵抗力を消失して液状になる液状化現象が発生し、この液状化現象によって地上の構造物が沈下や傾斜する等の甚大な被害を被ることが知られている。
【0003】
このような液状化防止対策としては、これまで、▲1▼セメントや薬液などの固化材の注入で地盤全体を固化して液状化に対する地盤強度を増大する方法、▲2▼地上に建つ構造物の周囲または直下の地盤中に平面矩形状または格子状の地中連続壁を施工して地盤のせん断変形を抑制するとともに、地下水や液状化土の移動を遮断する方法、▲3▼地中に排水材を配置して液状化の際に発生した水圧を消散させる方法、▲4▼地下水位を低下させて地盤の有効応力を増大させる方法、さらに、▲5▼地中に砂ぐい等を多数打設して周辺地盤の密度を増大させる方法などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの対策はいずれも工事が大規模化して工事費が嵩み、しかも工期の長期化を免れない等の課題があった。
【0005】
例えば、固化材の注入により地盤全体を固化する方法としては、例えば地上に建つ構造物の周囲に仮設のトレンチを掘削し、このトレンチ内において構造物直下の地盤中にボーリング孔を水平に削孔し、このボーリング孔から地中に固化材を注入する方法などが知られているが、トレンチの掘削に多大な費用と労力を必要とするだけでなく、広範囲にわたって地盤改良する必要から固化材を大量に消費するため施工コストが相当嵩むなどの課題があり、さらにトレンチの掘削およびトレンチ内での作業は地山の崩落などもあって作業の安全性に課題がある。
【0006】
一方、地盤中に地中連続壁を施工する方法としては、例えば地中に鋼矢板を多数打ち込む等して構造物の周囲または直下の地盤中に地中連続壁を施工する方法が知られているが、地中に埋設された配管などが邪魔になって地盤を完全に閉め切ることが非常に困難である等の課題がある。
【0007】
さらに、地震力や液状化時の側方流動に対して地中連続壁が曲げ材として作用するため、地中連続壁が大きな土圧に抵抗するには、地中連続壁を相当厚くしたり、密な格子目状にしたり、あるいは高強度の壁体とする必要があり、やはり施工コストが相当に嵩む等の課題がある。
【0008】
この発明は以上の課題を解決するためになされたもので、砂地盤などの液状化のおそれある地盤の上に建つ既設構造物の沈下および不同沈下を抑制する目的で施工される水平固化スラブをきわめて効率的に、しかも確実に施工できる地盤改良工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の地盤改良工法は、既設構造物下の地盤中に複数のボーリング孔を横方向に上下二段に削孔し、当該ボーリング孔から前記既設構造物下の地盤中に固化材を注入して前記既設構造物下の地盤中に水平固化スラブを形成する地盤改良工法であって、上段側のボーリング孔と下段側のボーリング孔を交差する方向に削孔し、かつ上段側のボーリング孔から地盤中に固化材を注入しつつ下段側のボーリング孔から吸引することを特徴とするものである。
【0011】
この場合、上段側の各ボーリング孔を下段側の各ボーリング孔の真上に位置するように削孔してもよく、あるいは、上段側のボーリング孔と下段側のボーリング孔を、いわゆる「千鳥配置」に削孔してもよく、さらには下段側のボーリング孔の数を上段側のボーリング孔より多くし、かつ上段側のボーリング孔より小間隔に削孔してもよい。
【0012】
また、上段側のボーリング孔と下段側のボーリング孔の削孔方向は必ずしも同一方向である必要はなく、互いに任意の角度で交差する方向、場合によっては直交する方向でもよい。
【0013】
なお、下段側のボーリング孔を上段側のボーリング孔より多く削孔する場合、固化材の注入量と吸引量とをほぼ均等にする必要から、上段側のボーリング孔の径を下段側のボーリング孔の径より大きくするのが望ましい。
【0014】
請求項2記載の地盤改良工法は、請求項1記載の地盤改良工法において、下段側のボーリング孔の数を上段側のボーリング孔の数より多く、前記下段側のボーリング孔の間隔を前記上段側のボーリング孔の間隔より小さく、かつ前記上段側のボーリング孔の径を前記下段側のボーリング孔の径より大きく削孔することを特徴とするものである。
【0015】
なお、本願発明で使用される固化材としては、例えばセメントミルクや水ガラス等を使用することができ、地盤の状況に応じて適宜選択すれば良い。
【0016】
また、円弧管は、構造物直下の地盤中にボーリング孔を、地上から下向きにでも水平に削孔できるようにするためのガイド管としての働きをなすもので、地上に設置したジャッキなどの推進装置によって地表から地中に円弧状に推進させて埋設することができる。なお、この円弧推進工法については、特開昭61−056756号公報で既に開示されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1と図2(a),(b)は、この発明に係る地盤改良工法の一例を示し、図において、液状化のおそれある砂地盤1の上に円筒形の構造物(例えば大型円筒形貯蔵タンク等)2が構築され、この構造物2直下の砂地盤1内に水平固化スラブ3が形成されている。
【0018】
水平固化スラブ3は、砂地盤1内に注入されたセメントミルク等の固化材aが一定範囲の砂とともに固化することで所定の厚さおよび所定の広さをもって形成されている。この場合の水平固化スラブ3の厚さと広さは構造物2の規模(構造物の自重や建築面積等)、さらには砂地盤1の地盤状況などを参酌して設定されている。
【0019】
そして、構造物2直下の砂地盤1内に上述するような水平固化スラブ3が形成されていることで、構造物2の自重は水平固化スラブ3を介してその下方の砂地盤1に分散して伝達されるため、砂地盤1が地震でたとえ液状化しても構造物2の沈下量を最少に抑えることができ、これにより構造物2の沈下および不同沈下を抑制することができる。
【0020】
水平固化スラブ3の施工方法としては、最初に構造物2直下の砂地盤1内にボーリング孔4aと4bを水平に二段に削孔し、さらにこの上下二段のボーリング孔4aと4bを一組とし、これを横方向に所定間隔おきに複数組削孔する。
【0021】
そして、上段側のボーリング孔4aからセメント等の固化材aを注入しつつ、下段側のボーリング孔4bから吸引することにより、ボーリング孔4aとボーリング孔4b間の砂地盤1内に固化材aを注入する。
【0022】
このように固化材aを注入することで、ボーリング孔4a内に注入された固化材aは少なくともボーリング孔4aと4b間の砂地盤内に流出し、かつボーリング孔4aと4b間の砂とともに固化することでボーリング孔4aと4b間に所定厚の水平固化スラブ3が形成される。
【0023】
また、ボーリング孔4bで吸引しながらボーリング孔4aから砂地盤1内に固化材aを注入することで、自然注入と違ってきわめて効率的に短時間で固化材aの注入を行うことができる。
【0024】
また、ボーリング孔4aから注入された固化材aがボーリング孔4bに流入し、地上に吸引されることで、固化材aの注入状況を確認できるため、固化材aの注入を確実に行うことができる。
【0025】
なお、この場合のボーリング孔4aと4bの削孔に際しては、構造物2からやや離れた位置で地上から下向きに削孔を開始し、構造物2の下側に向かって斜めないし弧状に削孔し、そして構造物2の近くから構造物2の直下に至っては水平に削孔する。また特に、構造物2からやや離れた位置の地上から構造物2の直近に至るまで間に円弧管5を埋設する。
【0026】
また、配管などが埋設されている場所においては、これを避けるようにしてボーリング孔4aと4bを削孔する。
【0027】
さらに、構造物2の規模(構造物の自重や建築面積等)、砂地盤1の地盤状況などを参酌して、ボーリング孔4aと4b間のピッチP1 、ボーリング孔4a,4a間および4b,4b間のピッチP2 を設定するものとし、例えば構造物2の規模が非常に大きく、しかも砂地盤1が劣悪地盤である場合にはピッチP1 を大きく、P2 を小さくすることで、版厚が厚くてしかも固化材aが大量に注入された、支持力のきわめて大きい水平固化スラブ3を形成することができる。
【0028】
【発明の効果】
この発明は以上説明したとおりであり、地上に建つ構造物直下の地盤中に構造物の沈下・不同沈下を抑制する目的で水平固化スラブを施工する際に、少なくとも2本のボーリング孔を構造物周辺の地上から構造物直近まで、さらに前記構造物直下に至るまで連続し、かつ地上から前記構造物直近までを斜めまたは弧状に、それより先の構造物直下においては水平にそれぞれ削孔し、かつ一方のボーリング孔から固化材を注入しつつ、他方のボーリング孔から吸引するので、地盤中に固化材を確実に注入することができ、平面的に広がりをもつ構造物直下の地盤改良を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る地盤改良工法の一例を示す縦断面図である。
【図2】この発明に係る地盤改良工法の一例を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1 砂地盤(液状化のおそれうる地盤)
2 構造物(例えば大型円筒形貯蔵タンク等)
3 水平固化スラブ
4a 上段側のボーリング孔
4b 上段側のボーリング孔
5 円弧管
a 注入材
Claims (2)
- 既設構造物下の地盤中に複数のボーリング孔を横方向に上下二段に削孔し、当該ボーリング孔から前記既設構造物下の地盤中に固化材を注入して前記既設構造物下の地盤中に水平固化スラブを形成する地盤改良工法であって、上段側のボーリング孔と下段側のボーリング孔を交差する方向に削孔し、かつ上段側のボーリング孔から地盤中に固化材を注入しつつ下段側のボーリング孔から吸引することを特徴とする地盤改良工法。
- 下段側のボーリング孔の数を上段側のボーリング孔の数より多く、前記下段側のボーリング孔の間隔を前記上段側のボーリング孔の間隔より小さく、かつ前記上段側のボーリング孔の径を前記下段側のボーリング孔の径より大きく削孔することを特徴とする請求項1記載の地盤改良工法。
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