JPH0825980B2 - シアノエチル化物とその製造方法 - Google Patents
シアノエチル化物とその製造方法Info
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- JPH0825980B2 JPH0825980B2 JP1239636A JP23963689A JPH0825980B2 JP H0825980 B2 JPH0825980 B2 JP H0825980B2 JP 1239636 A JP1239636 A JP 1239636A JP 23963689 A JP23963689 A JP 23963689A JP H0825980 B2 JPH0825980 B2 JP H0825980B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は常温から高温領域までの低誘電正接を持ち、
とくに有機分散型電場発光素子(EL素子)の高誘電バイ
ンダーとして有用な水酸基を有する物質のシアノエチル
化物とその製造方法に関するものである。
とくに有機分散型電場発光素子(EL素子)の高誘電バイ
ンダーとして有用な水酸基を有する物質のシアノエチル
化物とその製造方法に関するものである。
(従来の技術) EL(エレクトロルミネッセンス)素子は平面発光体と
しての特徴を生かして近年各種光源や表示デバイスに使
用されている。とくに有機分散型のEL素子は比較的大面
積のものが低いコストで容易に製造できるので、液晶表
示素子や平面TVのバックライトとして実用化が進められ
ている。
しての特徴を生かして近年各種光源や表示デバイスに使
用されている。とくに有機分散型のEL素子は比較的大面
積のものが低いコストで容易に製造できるので、液晶表
示素子や平面TVのバックライトとして実用化が進められ
ている。
この有機分散型EL素子は、金属箔または金属薄板から
なる背面電極、酸化チタンやチタン酸バリウム等の高誘
電体粉末を有機誘電体に分散させて薄膜を形成した反射
絶縁層、蛍光体粉末を有機誘電体に分散させて薄膜を形
成した蛍光体層、および酸化インジウム等をポリエステ
ル等の絶縁性フィルム上に蒸着して形成した透明電極と
からなる積層体を、ガラス、ポリクロロトリフルオロエ
チレン等の透明防湿材料で被覆封止した構造をしてい
て、この背面と透明の両電極間に交流電圧を印加するこ
とによって蛍光体を発光させ、実用に供している。
なる背面電極、酸化チタンやチタン酸バリウム等の高誘
電体粉末を有機誘電体に分散させて薄膜を形成した反射
絶縁層、蛍光体粉末を有機誘電体に分散させて薄膜を形
成した蛍光体層、および酸化インジウム等をポリエステ
ル等の絶縁性フィルム上に蒸着して形成した透明電極と
からなる積層体を、ガラス、ポリクロロトリフルオロエ
チレン等の透明防湿材料で被覆封止した構造をしてい
て、この背面と透明の両電極間に交流電圧を印加するこ
とによって蛍光体を発光させ、実用に供している。
ここで用いられる有機誘電体としては、従来シアノエ
チルセルロース、シアノエチルスターチ、シアノエチル
プルランなどの多糖類のシアノエチル化物が知られてい
る。しかし、これらの高分子のシアノエチル化物は、誘
電率が常温で20程度で、透明電極との接着性も不充分な
場合があり、これらを用いて製造したEL素子は、とくに
輝度が低いという欠点があった。
チルセルロース、シアノエチルスターチ、シアノエチル
プルランなどの多糖類のシアノエチル化物が知られてい
る。しかし、これらの高分子のシアノエチル化物は、誘
電率が常温で20程度で、透明電極との接着性も不充分な
場合があり、これらを用いて製造したEL素子は、とくに
輝度が低いという欠点があった。
この問題を解決するため特開昭57-145295号公報に
は、高分子シアノエチル化物と高誘電率を有する常温で
液状の低分子シアノエチル化物(例えば、しょ糖のシア
ノエチル化物であるシアノエチルシュークロース、糖ア
ルコールのシアノエチル化物であるシアノエチルソルビ
トール、低分子量多価アルコールのシアノエチルグリセ
ロールなど)とを任意の割合で混合して形成したフィル
ムに、柔軟性、接着性および高輝度を付与する方法が提
案されているが、この方法では得られたEL素子の寿命が
著しく短いという欠点がある。
は、高分子シアノエチル化物と高誘電率を有する常温で
液状の低分子シアノエチル化物(例えば、しょ糖のシア
ノエチル化物であるシアノエチルシュークロース、糖ア
ルコールのシアノエチル化物であるシアノエチルソルビ
トール、低分子量多価アルコールのシアノエチルグリセ
ロールなど)とを任意の割合で混合して形成したフィル
ムに、柔軟性、接着性および高輝度を付与する方法が提
案されているが、この方法では得られたEL素子の寿命が
著しく短いという欠点がある。
このように、輝度の向上対策として高分子シアノエチ
ル化物に各種バインダーを混合する方法が種々検討され
ているが、これをEL素子に用いた場合に満足できる寿命
を持つものは未だ見出されていない。
ル化物に各種バインダーを混合する方法が種々検討され
ているが、これをEL素子に用いた場合に満足できる寿命
を持つものは未だ見出されていない。
(発明が解決しようとする課題) このEL素子の寿命に影響を与える有機誘電体の特性と
して誘電正接が挙げられている。誘電正接の値が大きい
有機誘電体をバインダーとして用いてEL素子にすると、
蛍光体層に流れる電流が大きくなり、蛍光体および有
機誘電体が劣化し、寿命が低下する、消費電力の増
大、発光効率の低下等発光体としての性能が低下する、
素子自体の発熱もあって、その信頼性を低下させるな
どの不利がもたらされる。
して誘電正接が挙げられている。誘電正接の値が大きい
有機誘電体をバインダーとして用いてEL素子にすると、
蛍光体層に流れる電流が大きくなり、蛍光体および有
機誘電体が劣化し、寿命が低下する、消費電力の増
大、発光効率の低下等発光体としての性能が低下する、
素子自体の発熱もあって、その信頼性を低下させるな
どの不利がもたらされる。
従来のEL素子において上記現象はとくに高温時に著し
く、また低分子シアノエチル化物を使用すると、これが
加速されることも知られている。
く、また低分子シアノエチル化物を使用すると、これが
加速されることも知られている。
これらの問題は、前述したように蛍光体への交流電圧
印加媒体である有機誘電体、すなわち上記シアノエチル
化物の誘電正接が満足できる値でないことに起因してい
る。
印加媒体である有機誘電体、すなわち上記シアノエチル
化物の誘電正接が満足できる値でないことに起因してい
る。
一方、従来のシアノエチル化物の製造は、原料である
糖類、糖アルコール類、多価アルコール類、またはこれ
らの誘導体をアクリロニトリルとアルカリ触媒の存在下
で反応させた後、酸で中和し、得られた粗生成物を下記
の方法で精製することによって行われている。
糖類、糖アルコール類、多価アルコール類、またはこれ
らの誘導体をアクリロニトリルとアルカリ触媒の存在下
で反応させた後、酸で中和し、得られた粗生成物を下記
の方法で精製することによって行われている。
すなわち、反応液に脱イオン水を加えて精製する方
法(特開昭56-36495号公報)、反応液中の生成物をベ
ンゼンにて抽出し少量の水で洗浄する方法(特開昭48-2
2422号公報)、反応液中の未反応アクリロニトリルを
蒸留、除去した後、生成物をアセトンあるいは1,2−ジ
クロルエタンで抽出し、不溶物をろ過する方法、および
反応液中の生成物を1,2−ジクロルエタンで抽出した
後、Na2SO4で脱水する方法(米国特許3,068,220号明細
書)などである。しかし、の方法は収率が低く、得ら
れた生成物の水分の除去が難しい、の方法は洗浄水が
少なすぎて金属不純物を完全に除去できない、、の
方法も同様に金属不純物を完全に除去することができな
い。
法(特開昭56-36495号公報)、反応液中の生成物をベ
ンゼンにて抽出し少量の水で洗浄する方法(特開昭48-2
2422号公報)、反応液中の未反応アクリロニトリルを
蒸留、除去した後、生成物をアセトンあるいは1,2−ジ
クロルエタンで抽出し、不溶物をろ過する方法、および
反応液中の生成物を1,2−ジクロルエタンで抽出した
後、Na2SO4で脱水する方法(米国特許3,068,220号明細
書)などである。しかし、の方法は収率が低く、得ら
れた生成物の水分の除去が難しい、の方法は洗浄水が
少なすぎて金属不純物を完全に除去できない、、の
方法も同様に金属不純物を完全に除去することができな
い。
本発明者らは、前述したシアノエチル化物の誘電正接
の低い原因がシアノエチル化物中の金属不純物、とくに
はアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量に基づ
くものと推察して研究を進めた結果、これらの含有量を
低減すると誘電正接が低下し、とくに高温領域での特性
が向上すること、およびこの金属不純物の除去対策とし
て、前述したシアノエチル化反応によって得られた粗生
成物を、これが溶解可能で水に対する溶解度が5重量%
以下の溶剤に溶かして5〜50重量%の溶液とし、その溶
液1部に対し水1〜20部を加えて液々抽出する精製法が
極めて有効であることを見出し、この発明を完成した。
の低い原因がシアノエチル化物中の金属不純物、とくに
はアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量に基づ
くものと推察して研究を進めた結果、これらの含有量を
低減すると誘電正接が低下し、とくに高温領域での特性
が向上すること、およびこの金属不純物の除去対策とし
て、前述したシアノエチル化反応によって得られた粗生
成物を、これが溶解可能で水に対する溶解度が5重量%
以下の溶剤に溶かして5〜50重量%の溶液とし、その溶
液1部に対し水1〜20部を加えて液々抽出する精製法が
極めて有効であることを見出し、この発明を完成した。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明は、 シアノエチル基の置換率が90%以上、かつアルカリ金
属およびアルカリ土類金属の含有量が5ppm以下であっ
て、かつ80℃、1kHzでの誘電正接が0.07以下である、シ
ュークロース、ソルビトールまたは両者の混合物のシア
ノエチル化物。
属およびアルカリ土類金属の含有量が5ppm以下であっ
て、かつ80℃、1kHzでの誘電正接が0.07以下である、シ
ュークロース、ソルビトールまたは両者の混合物のシア
ノエチル化物。
シュークロース、ソルビトールまたは両者の混合物を
シアノエチル化して得られた粗生成物を、これが溶解可
能で水に対する溶解度が5重量%以下の溶剤に溶かして
5〜50重量%の溶液とし、その溶液1部に対し水1〜20
部を加えて液々抽出することにより、上記シアノエチル
化物を製造する方法、に係わるものである。
シアノエチル化して得られた粗生成物を、これが溶解可
能で水に対する溶解度が5重量%以下の溶剤に溶かして
5〜50重量%の溶液とし、その溶液1部に対し水1〜20
部を加えて液々抽出することにより、上記シアノエチル
化物を製造する方法、に係わるものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明に係わる上記したシュークロース、ソル
ビトールまたは両者の混合物のシアノエチル化物は、シ
アノエチル基の置換率が90%未満であると、誘電率が低
下し誘電正接が増加するため、EL素子とした場合に輝度
が低下する。しかも、この場合には金属不純物を低減し
ても従来のものより誘電正接を低下することができな
い。
ビトールまたは両者の混合物のシアノエチル化物は、シ
アノエチル基の置換率が90%未満であると、誘電率が低
下し誘電正接が増加するため、EL素子とした場合に輝度
が低下する。しかも、この場合には金属不純物を低減し
ても従来のものより誘電正接を低下することができな
い。
また、シアノエチル化物中の金属不純物、とくにアル
カリ金属、およびアルカリ土類金属含有量が5ppm以下で
なければならない。これが5ppmを超えるときは、従来用
いられているシアノエチル化物と同様、誘電正接の向上
が認められない。5ppm以下であれば誘電正接の向上が認
められ、とくに高温領域での向上が目覚ましい。とりわ
け、これが2ppm以下のとき、その効果が著しい。
カリ金属、およびアルカリ土類金属含有量が5ppm以下で
なければならない。これが5ppmを超えるときは、従来用
いられているシアノエチル化物と同様、誘電正接の向上
が認められない。5ppm以下であれば誘電正接の向上が認
められ、とくに高温領域での向上が目覚ましい。とりわ
け、これが2ppm以下のとき、その効果が著しい。
本発明による上記シアノエチル化物の製造方法は、ま
ず、シュークロース、ソルビトールまたは両者の混合物
を、アクリロニトリルとアルカリ触媒の存在下で反応さ
せた後、酸で中和する、従来周知のシアノエチル化方法
によって、シアノエチル基の置換率が90%以上である粗
生成物を得た後、これが溶解可能で水に対する溶解度が
5重量%以下の溶剤に溶かして5〜50重量%の溶液と
し、その溶液1部に対し水1〜20部を加えて液々抽出す
ることにより行われる。
ず、シュークロース、ソルビトールまたは両者の混合物
を、アクリロニトリルとアルカリ触媒の存在下で反応さ
せた後、酸で中和する、従来周知のシアノエチル化方法
によって、シアノエチル基の置換率が90%以上である粗
生成物を得た後、これが溶解可能で水に対する溶解度が
5重量%以下の溶剤に溶かして5〜50重量%の溶液と
し、その溶液1部に対し水1〜20部を加えて液々抽出す
ることにより行われる。
また、反応に用いられるアルカリ触媒としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどが例示されるが、これらの内では水酸化ナ
トリウムが好ましい。
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどが例示されるが、これらの内では水酸化ナ
トリウムが好ましい。
反応に際してのアクリロニトリルの使用量は溶媒を兼
ねる場合もあるので一概にはいえないが、原料の水酸基
1モル当り1.1モル以上、好ましくは1.5モル以上であ
る。
ねる場合もあるので一概にはいえないが、原料の水酸基
1モル当り1.1モル以上、好ましくは1.5モル以上であ
る。
上記のシアノエチル基の置換率が90%以上ある粗生成
物は、0.5〜10%程度の水酸化ナトリウム溶液に上記出
発原料を等量程度溶解し、ついでアクリロニトリルを加
えて20〜60℃で2〜12時間反応を行った後、酢酸などの
適当な酸を用いて中和し、ついで未反応のアクリロニト
リルを留去することによって、容易に得ることができ
る。
物は、0.5〜10%程度の水酸化ナトリウム溶液に上記出
発原料を等量程度溶解し、ついでアクリロニトリルを加
えて20〜60℃で2〜12時間反応を行った後、酢酸などの
適当な酸を用いて中和し、ついで未反応のアクリロニト
リルを留去することによって、容易に得ることができ
る。
この粗生成物は、つぎにこれが溶解可能で、かつ水に
対する常温での溶解度が5重量%以下の溶剤を加えて溶
解し、水による液々抽出に供される。
対する常温での溶解度が5重量%以下の溶剤を加えて溶
解し、水による液々抽出に供される。
この溶剤としては、塩化メチレン、1,2−ジクロルエ
タン、クロロホルム、ベンゼンなどが挙げられるが、と
りわけ塩化メチレンが好ましい。
タン、クロロホルム、ベンゼンなどが挙げられるが、と
りわけ塩化メチレンが好ましい。
また、この溶液のシアノエチル化物の濃度は5〜50重
量%、好ましくは10〜40重量%とする必要がある。これ
が5重量%未満では水との接触効率が悪く、金属不純物
を低減させるのに必要な液々抽出の回数が多くなる。ま
た50重量%を超えると溶液の粘度が上昇して、液々抽出
したときの分離に要する時間が長く、また収率も低下す
る。
量%、好ましくは10〜40重量%とする必要がある。これ
が5重量%未満では水との接触効率が悪く、金属不純物
を低減させるのに必要な液々抽出の回数が多くなる。ま
た50重量%を超えると溶液の粘度が上昇して、液々抽出
したときの分離に要する時間が長く、また収率も低下す
る。
さらに、液々抽出の際使用する洗浄水の量は、上記溶
液1部に対し1〜20部である必要があるが、2〜10部が
好ましい。これが1部未満では金属不純物を低減させる
のに必要な液々抽出の回数が多くなり、20部を超えると
溶剤の水側への移行が大きく収率が低下する。
液1部に対し1〜20部である必要があるが、2〜10部が
好ましい。これが1部未満では金属不純物を低減させる
のに必要な液々抽出の回数が多くなり、20部を超えると
溶剤の水側への移行が大きく収率が低下する。
この抽出を数回繰り返した後、精製液中の溶剤を留去
すると、本発明に係わるシアノエチル化物が得られる。
すると、本発明に係わるシアノエチル化物が得られる。
以下、本発明の具体的態様を実施例により説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、各例中の金属不純物の定量方法および誘電正接
の測定は下記の方法で行った。
の測定は下記の方法で行った。
(金属不純物の定量方法) 試料0.1gを白金皿に秤量し、61%硝酸4mlを加えて加
熱分解後、残渣を1N硝酸10mlに溶解し、試料溶液とし
た。測定は偏光ゼーマンフレームレス原子吸光によって
行った。測定原子はアルカリ金属としてNaおよびK、ア
ルカリ土類金属としてMgおよびCaである。
熱分解後、残渣を1N硝酸10mlに溶解し、試料溶液とし
た。測定は偏光ゼーマンフレームレス原子吸光によって
行った。測定原子はアルカリ金属としてNaおよびK、ア
ルカリ土類金属としてMgおよびCaである。
(誘電正接) 測定機:デジタルLCRメータ4262A型(横河ヒューレット
パッカード(株)製) 測定条件:1V、1kHz、80℃、交流電場 (実施例) 実施例1. シュークロース(和光純薬(株)製)300gに、4.7%
水酸化ナトリウム溶液314gを加えて溶解し、アクリロニ
トリル1860gを加え、40℃で4時間反応した。反応終了
後、酢酸25.2gを加えて中和し、反応を停止した。その
後、反応液を加熱し、未反応アクリロニトリルを留去し
た。ついで残渣に塩化メチレン3,900gを加えて溶解し、
そこに水17lを加えて攪拌した後、静置して液を分離し
水層部を除去した。この水17lを加えて攪拌、静置し、
水層部を除去する操作を7回繰り返した。得られた塩化
メチレン溶液を真空下で留去し、透明粘稠なシアノエチ
ルシュークロース600gを得た。得られたシアノエチルシ
ュークロースのシアノエチル基による置換率は95%であ
った。このアルカリ金属含量は1.0ppm、比誘電率は27、
誘電正接は0.05であった。
パッカード(株)製) 測定条件:1V、1kHz、80℃、交流電場 (実施例) 実施例1. シュークロース(和光純薬(株)製)300gに、4.7%
水酸化ナトリウム溶液314gを加えて溶解し、アクリロニ
トリル1860gを加え、40℃で4時間反応した。反応終了
後、酢酸25.2gを加えて中和し、反応を停止した。その
後、反応液を加熱し、未反応アクリロニトリルを留去し
た。ついで残渣に塩化メチレン3,900gを加えて溶解し、
そこに水17lを加えて攪拌した後、静置して液を分離し
水層部を除去した。この水17lを加えて攪拌、静置し、
水層部を除去する操作を7回繰り返した。得られた塩化
メチレン溶液を真空下で留去し、透明粘稠なシアノエチ
ルシュークロース600gを得た。得られたシアノエチルシ
ュークロースのシアノエチル基による置換率は95%であ
った。このアルカリ金属含量は1.0ppm、比誘電率は27、
誘電正接は0.05であった。
実施例2. ソルビトール(和光純薬(株)製)300gに、3.3%水
酸化ナトリウム溶液310gを加えて溶解し、アクリロニト
リル1570gを加え、40℃で4時間反応した。反応終了
後、酢酸17.8gを加えて中和し、反応を停止した。その
後、実施例1と同じ操作を行ったところ、透明粘稠なシ
アノエチルソルビトール700gを得た。このシアノエチル
ソルビトールのシアノエチル基による置換率は98%、ア
ルカリ金属含量は1.9ppm、比誘電率は31、誘電正接は0.
07であった。
酸化ナトリウム溶液310gを加えて溶解し、アクリロニト
リル1570gを加え、40℃で4時間反応した。反応終了
後、酢酸17.8gを加えて中和し、反応を停止した。その
後、実施例1と同じ操作を行ったところ、透明粘稠なシ
アノエチルソルビトール700gを得た。このシアノエチル
ソルビトールのシアノエチル基による置換率は98%、ア
ルカリ金属含量は1.9ppm、比誘電率は31、誘電正接は0.
07であった。
比較例1. 実施例1における未反応アクリロニトリルを留去して
得られた残渣に1,2−ジクロルエタン2000gを加えて攪
拌、静置した後、水層部を除去し、得られた1,2−ジク
ロルエタン溶液に過剰量のNa2SO4を加えて攪拌し、塩を
ろ別した。ついで溶液を真空下で留去し、透明粘稠なシ
アノエチルシュークロース630gを得た。このシアノエチ
ルシュークロースのシアノエチル基による置換率は95
%、アルカリ金属含量は10.1ppm、比誘電率は27、誘電
正接は1.93であった。
得られた残渣に1,2−ジクロルエタン2000gを加えて攪
拌、静置した後、水層部を除去し、得られた1,2−ジク
ロルエタン溶液に過剰量のNa2SO4を加えて攪拌し、塩を
ろ別した。ついで溶液を真空下で留去し、透明粘稠なシ
アノエチルシュークロース630gを得た。このシアノエチ
ルシュークロースのシアノエチル基による置換率は95
%、アルカリ金属含量は10.1ppm、比誘電率は27、誘電
正接は1.93であった。
比較例2. 実施例2に得られた反応液を加熱し、未反応アクリロ
ニトリルを留去した。酢酸17.8gを加えて中和し、反応
を停止した。ついで、比較例1と同じ操作を行ったとこ
ろ、透明粘稠なシアノエチルソルビトール710gを得た。
得られたシアノエチルソルビトールのシアノエチル基に
よる置換率は98%、アルカリ金属含量は8.6ppm、比誘電
率は31、誘電正接は2.60であった。
ニトリルを留去した。酢酸17.8gを加えて中和し、反応
を停止した。ついで、比較例1と同じ操作を行ったとこ
ろ、透明粘稠なシアノエチルソルビトール710gを得た。
得られたシアノエチルソルビトールのシアノエチル基に
よる置換率は98%、アルカリ金属含量は8.6ppm、比誘電
率は31、誘電正接は2.60であった。
比較例3. 実施例1における反応を30℃で3時間としたほかは、
実施例1と同様の処理をしたところ、透明粘稠なシアノ
エチルシュークロース530gが得られた。このシアノエチ
ルシュークロースのシアノエチル基による置換率は86
%、アルカリ金属含量は2.8ppm、比誘電率は26、誘電正
接は1.10であった。
実施例1と同様の処理をしたところ、透明粘稠なシアノ
エチルシュークロース530gが得られた。このシアノエチ
ルシュークロースのシアノエチル基による置換率は86
%、アルカリ金属含量は2.8ppm、比誘電率は26、誘電正
接は1.10であった。
(発明の効果) 本発明によるシアノエチル化物は、アルカリ金属およ
びアルカリ土類金属含有量が5ppm以下と極めて少なく、
かつ80℃、1kHzでの誘電正接が0.07以下と低いため、こ
れをバインダーとして用いて製造した分散型EL発光素子
は、寿命が長く高輝度の均一な発光を与え、工業的に広
く応用できる。
びアルカリ土類金属含有量が5ppm以下と極めて少なく、
かつ80℃、1kHzでの誘電正接が0.07以下と低いため、こ
れをバインダーとして用いて製造した分散型EL発光素子
は、寿命が長く高輝度の均一な発光を与え、工業的に広
く応用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 33/14 (72)発明者 千葉 徹 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (56)参考文献 特開 昭51−132500(JP,A) 特開 平3−30290(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】シアノエチル基の置換率が90%以上、かつ
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量が5ppm以
下であって、かつ80℃、1kHzでの誘電正接が0.07以下で
ある、シュークロース、ソルビトールまたは両者の混合
物のシアノエチル化物。 - 【請求項2】シュークロース、ソルビトールまたは両者
の混合物をシアノエチル化して得られた粗生成物を、こ
れが溶解可能で水に対する溶解度が5重量%以下の溶剤
に溶かして5〜50重量%の溶液とし、その溶液1部に対
し水1〜20部を加えて液々抽出することを特徴とする請
求項1記載のシアノエチル化物の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP1239636A JPH0825980B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | シアノエチル化物とその製造方法 |
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JP1239636A JPH0825980B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | シアノエチル化物とその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH03101649A JPH03101649A (ja) | 1991-04-26 |
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ID=17047660
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JP1239636A Expired - Lifetime JPH0825980B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | シアノエチル化物とその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH0825980B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1989
- 1989-09-14 JP JP1239636A patent/JPH0825980B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US11066490B2 (en) | 2016-12-27 | 2021-07-20 | Lg Chem, Ltd. | Cyanoethyl group-containing polymer and preparation method thereof |
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Publication number | Publication date |
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JPH03101649A (ja) | 1991-04-26 |
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