JP2001122888A - 糖誘導単量体とその製造法および該単量体よりなる高誘電性ポリマー - Google Patents

糖誘導単量体とその製造法および該単量体よりなる高誘電性ポリマー

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JP2001122888A
JP2001122888A JP30631699A JP30631699A JP2001122888A JP 2001122888 A JP2001122888 A JP 2001122888A JP 30631699 A JP30631699 A JP 30631699A JP 30631699 A JP30631699 A JP 30631699A JP 2001122888 A JP2001122888 A JP 2001122888A
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Ryosuke Nishida
良祐 西田
Hiroshi Ono
宏 小野
Motoyasu Fukukawa
元康 福川
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Japan Exlan Co Ltd
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    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低い吸湿性と、高い誘電性を兼ね備え、有機電
子材料として求められる電気的特性を具備した高誘電性
ポリマーおよび該ポリマーを与える糖誘導単量体を提供
する。 【構成】糖または糖誘導体化合物の含有する水酸基また
は他の官能基に、重合性の官能基を、また残る水酸基ま
たは他の官能基の全部または一部に、シアノエチル基を
導入した単量体、および該単量体を重合することにより
得られた低吸湿率で、かつ高誘電率を有するポリマーよ
りなる。 【効果】優れた電気的特性および機械的特性により、広
い用途に適応でき、特に電気,電子部品、例えば有機分
散型エレクトロルミネッセンス用バインダー、固体電解
質、コンデンサー材料等として有用であり、また帯電防
止剤や電子写真感光体、液晶配向膜用の部材として用い
た場合、より高い特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は糖誘導単量体とその
製造法および該単量体よりなる高誘電性ポリマーであ
り、更に詳しくは、エレクトロルミネッセンス(EL)素
子用バインダーやフィルムコンデンサ誘電材料およびポ
リマーバッテリーやエレクトロクロミック素子、電解コ
ンデンサー、電気二重層コンデンサー、リチウムイオン
二次電池等に用いられる固体電解質として有用な、特に
高誘電率を有しかつ耐吸湿性に優れた高誘電性ポリマー
および該ポリマーを与える糖誘導単量体とその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】有機電子材料の、たとえば分散型EL素
子用バインダーは、高誘電性、長寿命化のための低吸湿
性、電気的特性値の温度による不変性(耐熱性)、蛍光体
や電極面との高い接着性といった特性を有することが要
求されている。一方、こうした中で、分散型EL素子用
バインダーに用いられる有機ポリマーとして、(1)ポリ
ビニルアルコール、セルロースもしくはその誘導体類、
プルランなどのヒドロキシル基を多数有するポリマーの
シアノエチル化物、(2)シアノエチル化アクリル系モノ
マーのホモもしくはコポリマー、(3)ビニリデンフルオ
ライドのホモもしくはコポリマー(ビニリデンフルオラ
イド系フッ素ゴム)などが使用されている。
【0003】しかしながら、上記(1)のシアノエチル化
物は、吸湿性が大きく、有機分散型EL素子(単にEL
素子という)の寿命が短かく(発光による輝度、発光効率
の低下)、EL素子の製作に当っては吸湿対策と、EL
素子自体を不透湿性の透明材料で密封シールしなければ
ならず、それでも寿命は十分でなく、密封シールなし
の、いわゆるパッケージレスタイプのEL素子には全く
使用不可能である。また上記(2)のポリマーは、(1)の
シアノエチル化物より吸湿性は改善されており、密封シ
ールを行ったEL素子では寿命の改善効果は見られる
が、パッケージレスタイプのEL素子では未だ実用に耐
えない。さらに上記(3)のビニリデンフルオライド系フ
ッ素ゴムでは、吸湿性が小さく特にパッケージレスタイ
プのEL素子に使用されているが、誘電率が不足で、十
分な輝度を得にくいという重大な欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
従来技術のかかえる課題を解決しようとするものであ
り、低い吸湿性と、高い誘電性を兼ね備え、有機電子材
料として求められる電気的特性を具備した高誘電性ポリ
マーおよび該ポリマーを与える糖誘導単量体を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高誘電率
を有しかつ耐吸湿性に優れたポリマーについて鋭意研究
を進めた結果、糖または糖誘導体化合物の含有する水酸
基または他の官能基に、重合性の官能基を、また残る水
酸基または他の官能基の全部または一部に、シアノエチ
ル基を導入した単量体を合成し、該単量体を重合するこ
とにより誘電率が高く、かつ低吸湿率の特性を有するポ
リマーが得られることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0006】即ち上述した本発明の目的は、糖または糖
誘導体化合物の含有する水酸基または他の官能基に、重
合性の官能基が導入され、残る水酸基または他の官能基
の全部または一部にシアノエチル基を導入してなる糖誘
導単量体、および該単量体を重合してなる高誘電性ポリ
マーにより好適に達成される。
【0007】また、該糖誘導単量体は、重合性の官能基
を有する糖または糖誘導体化合物の含有する水酸基また
は他の官能基の、全部または一部にシアノエチル基を導
入する方法、または、糖または糖誘導体化合物に含まれ
る水酸基または他の官能基の1部を保護基により保護
し、次に残部水酸基または他の官能基の全部または一部
にシアノエチル基を導入した後に、脱保護し、該脱保護
された水酸基または他の官能基に重合性の官能基を導入
する方法により製造することができ、本目的を達成でき
る。
【0008】さらに、本発明の目的は上記糖誘導単量体
の中でも、重合性の官能基が、エチレン系不飽和基であ
ること、糖または糖誘導体化合物が、環状ピラノース型
または環状フラノース型の構造を含むことにより好適に
達成させられる。以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における糖および糖誘導体
化合物としては、特に限定はなく、天然のもの、合成の
もの等必要とされる特性に応じて適宜選定、使用でき
る。例えば単糖類としては、グリセリンアルデヒド、ジ
ヒドロキシアセトン等のトリオース類;エリトロース、
エリトロフラノース、トレオース、トレオフラノース、
エリツルロース等のテトロース類;アルドペントース、
ケトペントース、アルドペントピラノース、アルドペン
トフラノース、ケトペントフラノース等のペントース
類;
【0010】アラボピラノース、アラボフラノース、キ
シロピラノース、キシロフラノース、リボフラノース、
リポピラノース、リキソピラノース、リキソフラノース
等のアルドペントース類;リブロース、リブロフラノー
ス、キシルロース、キシルロフラノース等のケトペント
ース類;アルドヘキソース、アルドヘキシピラノース、
アルドヘキソフラノース、ケトヘキソース、ケトヘキソ
ピラノース、ケトヘキソフラノース等のヘキソース類;
グルコース、グルコピラノース、グルコフラノース、ガ
ラクトース、ガラクトピラノース、マンノース、マンノ
ピラノース、タロース、タロピラノース等のアルドヘキ
ソース類;フルクトース、フルクトフラノース、フルク
トピラノース、ソルボース、ソルボピラノース、タガト
ース、タガトピラノース、プシコース、プシコピラノー
ス等のケトヘキソース類;
【0011】グリセローガラクトーヘプトース、グリセ
ローガラクトーヘプトピラノース、グリセローマンノー
ヘプトース、グリセローマンノーヘプトピラノース、グ
リセローグルコーヘプトース、グリセローグルコーヘプ
トピラノース等のアルドヘプトース類;アルトローヘプ
チュロース、アルトローヘプチュロピラノース、アンヒ
ドローアルトローヘプチュロピラノース、マンノーヘプ
リュロース、マンノーヘプリュロピラノース、タローヘ
プチュロース、タローヘプチュロピラノース、アローヘ
プチュロース、アローヘプチュロピラノース、アルトロ
ーヘプチュロース、アルトローヘプチュロピラノース等
のケトヘプトースまたはヘプチュロース類;グリセロー
マンノーオクチュロース、グリセローマンノーオクチュ
ロピラノース、グリセローガラクトーオクチュロース、
グリセローガラクトーオクチュロピラノース等のケトオ
クトースまたはオクチュロース類;エリスローグルコー
ノニュロース、エリスローグルコーノニュロピラノー
ス、エリスローガラクトーノニュロース、エリスローガ
ラクトーノニュロピラノース等のケトノノースまたはノ
ニュロース類;
【0012】その他、デオキシ糖、ジデオキシ糖、アミ
ノ糖、イオウ糖、分枝糖、酸性糖、糖アルコール、糖エ
ステル、糖エーテル、O−グリコシド、N−グリコシ
ド、C−グリコシド糖の配糖体などを挙げることができ
る。
【0013】また、天然オリゴ糖あるいは合成オリゴ糖
としては、マルトオリゴ糖、セロオリゴ糖、イソマルト
オリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、ラミナ
リオリゴ糖、グルカンオリゴマー、ソホロオリゴ糖、キ
トオリゴ糖、N−アセチルキトオリゴ糖、ラクトオリゴ
糖、メリオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、フルクタン、キシ
ラン、マンナンなどを挙げることができる。また、以上
の糖化合物およびこれらの化合物が化学的修飾された糖
誘導体等を挙げることができる。
【0014】これらでなる本発明の高誘電性ポリマーの
高い誘電性は、大きな双極子モーメントを有するシアノ
エチル基の立体構造により発現されると考えられてお
り、上記の糖および糖誘導体化合物の中でも特に不斉構
造を有する糖を用いることにより、双極子モーメントの
方向性が固定されより好ましい結果を与える。またさら
にピラノース型またはフラノース型等の環状構造を有し
ているものでは、立体構造が完全に固定されているう
え、環構造に基づく平面構造により糖全体の構造に基づ
く双極子モーメントの方向性までもが固定され、最も好
ましい結果をあたえる。
【0015】また、本発明において導入される重合性の
官能基としても縮合重合、付加重合、開環重合性である
官能基が使用でき特に限定はない。なお、一般には官能
基とは呼ばないものであっても、重合性のある化学構造
を有するものであれば、その他の重合性の官能基として
使用できる。具体的には、カルボキシル基、水酸基、ア
ミノ基、酸ハライド基、メルカプト基等の縮合重合性の
官能基;エチレン系不飽和基等の付加重合性の官能基;
環状エーテル、環状イミン、環状ラクトン、環状ラクタ
ム、環状オレフィン、環状スルフィド、環状ポリシロキ
サン、クロロホスファゼン等の開環重合性の官能基、ま
た、その他の重合法に使用できる官能基としては、イソ
シアナート、フェニレンオキシド、ジフェニルメタン、
フェニル基、クロロベンジル、ジアゾ基、ジエン基、ア
セチレン基、窒化イオウ基等を挙げることができる。
【0016】なかでも、糖または糖誘導体化合物への重
合性の官能基を導入する際の官能基含有化合物として選
択範囲が広く、比較的マイルドな条件で重合が起こるラ
ジカル重合性の官能基、即ちエチレン系不飽和基が好ま
しい。さらに、このエチレン系不飽和基のうちでも、ア
クリル酸、またはメタアクリル酸より誘導されたエチレ
ン系不飽和基が重合特性、取扱いの点で工業的にも特に
好ましい。
【0017】糖または糖誘導体化合物(以下、糖化合物
ともいう)に導入する重合性の官能基の数にも制限は認
められず、糖化合物1分子当たり1個以上であればよ
い。導入した官能基が1個であれば生成した糖誘導単量
体を重合してなる高誘電性ポリマーは溶剤可溶性である
ので、いろいろの賦形が可能である。導入した官能基が
2個以上となると、ポリマーに架橋が導入されたりする
ので、熱的、化学的に安定ではあるが加工性には制限を
受けるから、重合時に必要な賦形を同時に行う、等の工
夫をすることは言うまでもない。
【0018】重合性の官能基の導入方法としても特に限
定はなく、予定する重合方法に必要とされる官能基を有
する化合物を直接、または間接的に結合できる方法を適
宜用いることができる。良好な結果を与える、エチレン
系不飽和基を導入する場合は、糖または糖誘導体化合物
の含有する水酸基、または他の官能基と結合可能な官能
基、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシ
ジル基等を有し、かつエチレン系不飽和基を有する単量
体化合物を用い、これを糖と化学的に結合させる。
【0019】エチレン系不飽和基のうち、(メタ)アク
リル酸基を導入するための化合物の具体的な例として
は、(メタ)アクリル酸クロライド、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセロールモノ(メタ)アクリレート、クロロヒドロ
キシ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸その
もの、およびジメチルアミノエチル、コハク酸モノヒド
ロキシエチル、フタール酸モノヒドロキシエチル、テト
ラヒドロフルフリル、グリシジル、イソシアネートエチ
ル等の単官能性(メタ)アクリル酸エステルを挙げるこ
とができる。なお(メタ)は、アクリレートとメタアク
リレートの双方を表意するものである。
【0020】次に糖化合物へのシアノエチル基の導入の
方法としても、本発明の目的を達成できる限りにおいて
は特に限定はない。具体的には、アルカリ触媒を用いた
アクリロニトリルの糖化合物の有する水酸基へのマイケ
ル付加による、所謂シアノエチル化反応によるもの、2
−クロロプロパンニトリルによる置換反応によるもの、
トシル化などにより水酸基を脱離基とした置換反応など
を挙げることができるが、中でも反応の容易なシアノエ
チル化によるものが好ましい。シアノエチル化の方法と
しては、Organic Reaction 1949
年、5巻 79ページ、Bruson,H.A.らの総
説に記載されている方法を適宜利用することができる。
【0021】また、導入するシアノエチル基の数として
も、重合性の官能基が導入された以外の水酸基または他
の官能基の少なくとも1つ以上に導入されている限りに
おいては何ら限定はない。しかし、単位重量あたりシア
ノエチル基の量が増えるほど誘電率が高くなることか
ら、本発明の目的である高い誘電性を発現させるために
はこのシアノエチル基の数が多いほうがより好ましい。
最も好ましいものは、残部すべての水酸基または他の官
能基にシアノエチル基を導入したものである。また、水
酸基が残っていた場合、これが吸湿性の原因となるため
できるだけ少ないほうが良い傾向にあることも、シアノ
エチル基量が多いほうが良いことを支持するものであ
る。水酸基または他の官能基を多く持つ糖または糖誘導
体化合物を用いることが好ましいことは言うまでもな
い。
【0022】なお、上述の重合性の官能基を導入する、
あるいはシアノエチル基を導入するための官能基として
は、糖がもつ官能基であれば天然由来、あるいは合成に
より導入したもの等特に限定はない。具体的には、糖を
基本的に構成する水酸基、および他の官能基としては1
級、2級、3級等のアミノ基、カルボキシル基、カルボ
ニル基、メルカプト基、アルデヒド基、スルホン酸基、
リン酸基、エーテル基等を挙げることができる。これら
の官能基、あるいはそれらの反応方法については、講談
社発行「糖化学の基礎」、阿武喜美子、瀬野信子著 1
984年に例示がなされており、それらの方法を適宜使
用することができる。
【0023】本発明のうち、糖誘導単量体の製造方法に
関しては、第1の方法としては、既述の重合性の官能基
を有する、糖または糖誘導体化合物の含有する水酸基ま
たは他の官能基の、全部または一部にシアノエチル基を
導入する方法により、本目的を達成できる。本法による
と、反応のステップが短くなり有利である。しかしその
反面、シアノエチル化反応時に使用する強アルカリによ
っても化学的に影響を受けない化学構造である必要があ
る。また、第2の方法としては、既述の糖または既述の
糖誘導体化合物に含まれる水酸基または他の官能基の1
部を保護基により保護し、次に残部水酸基または他の官
能基の全部または一部にシアノエチル基を導入した後
に、脱保護し、該脱保護された水酸基または他の官能基
に重合性の官能基を導入する方法により本目的を達成す
るものである。本法では、製造ステップは多くなるもの
の、保護基を必要に応じ選択することにより、シアノエ
チル化による化学反応にも影響を受けることなく確実に
収率よく糖誘導単量体を得ることができるという利点が
ある。
【0024】なお、本発明に用いることのできる保護基
としては特に限定はなく、通常有機合成に使用される保
護基を適宜選定して使用することができる。具体的に
は、トリメチルシリルエーテル基、メトキシエトキシメ
チルエーテル基、メチルエーテル基、メチルエステル
基、ベンジルエーテル基、ベンジルエステル基、ブトキ
シカルボニル基、ジメトキシルトリチルエーテル基、ア
セチル基、メトキシメチルエーテル基、テトラヒドロピ
ラニルエーテル基等を挙げることができる。また、その
導入方法としても、特に限定はなく通常用いられる各保
護基に応じた反応を適宜選択し活用することができる。
【0025】本発明の最終目的物である高誘電性のポリ
マーを得るための、糖誘導単量体の重合の方法について
は、重合性の官能基の特性に応じて任意に選定できる。
具体的には、縮合重合、付加重合、開環重合、重付加、
付加縮合、水素移動重合、酸化(または脱水素)による
重合、再結合反応による重合、ディールスーアルダー反
応による重合、環化重合等の重合方法を挙げることがで
きる。なかでも、糖誘導単量体にとって化学的影響の少
ないラジカル重合が好ましい。また、このラジカル重合
には、触媒重合、光重合、光増感重合、放射線重合等い
ずれの方法もとることができる。
【0026】また、この重合においては、本発明の糖誘
導単量体の単独重合体であっても、他の単量体との共重
合体のいずれであっても良く、必要とされる特性、用途
に応じて適宜選択することができる。また、共重合の場
合のコモノマーとしても特に限定はなく、重合方法に応
じた単量体を適宜使用することができる。
【0027】例えば、本発明に好適な重合性のエチレン
系不飽和基を有する糖誘導単量体の場合の共重合性単量
体とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデ
シル、テトラデシル、ヘキサデシル、ステアリル、2−
エチルヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル(メタ)
アクリレート;
【0028】2−メトキシエチル、3−メトキシブチ
ル、2−ブトキシエチル、エトキシジエチレングリコー
ル、メトキシトリエチレングリコール、メトキシジプロ
ピレングリコール、フェノキシエチル、フェノキシジエ
チレングリコール、ノニルフェノキシエチル、イソボル
ニル、ジシクロペンテニルオキシエチル、グリシジル等
の単官能性(メタ)アクリル酸エステル;
【0029】1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバロン酸等の多
官能性(メタ)アクリル酸エステル;
【0030】(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニ
リデン等の不飽和ニトリル類;塩化ビニル、臭化ビニ
ル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニ
ルおよびハロゲン化ビニリデン類;(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およ
びこれらの塩類;メチルビニルケトン、フェニルビニル
ケトン、メチルイソブテニルケトン、メチルイソプロペ
ニルケトン等の不飽和ケトン類;蟻酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル
等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリ
ルアミドおよびそのアルキル置換体;ビニルスルホン
酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸等
の不飽和スルホン酸およびこれらの塩類;
【0031】スチレン、メチルスチレン、クロロスチレ
ン等のスチレンおよびそのアルキルまたはハロゲン置換
体;アリルアルコールおよびそのエステルまたはエーテ
ル類;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等の塩基性ビニル化合物;ア
クロレイン、メタクリロレイン等の不飽和アルデヒド
類;グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベ
ンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の架橋
性単量体;
【0032】ビニルスルホン酸、ビニルトルエンスルホ
ン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピル、(メタ)ア
クリル酸スルホエチル、スチレンスルホン酸、(メタ)
アクリルアミドメタンスルホン酸、2―(メタ)アクリ
ルアミドー2―メチルプロパンスルホン酸、(メタ)ア
リルスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体およびその
塩型の単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2―
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2―(メ
タ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2―(メタ)
アクリロイルオキシエチルー2―ヒドロキシエチルフタ
ル酸、2―(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒ
ドロフタル酸、2―(メタ)アクリロイルオキシエチル
マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体およびその塩
型の単量体;
【0033】(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッ
ドフォスフェート、ビス・(メタ)アクリロイルオキシ
エチルアシッドフォスフェート、(メタ)アクリロイル
オキシエチルフェニールアシッドフォスフェート、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルジフェニールアシッドフ
ォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシポリアルキ
ルアシッドフォスフェート等のリン酸基含有単量体およ
びその塩型の単量体などを挙げることができる。なお、
上記(メタ)は、アクリレートとメタアクリレートの双
方、アクリルアミドとメタアクリルアミドの双方及びア
リルとメタアリルの双方を表意するものである。
【0034】本発明の高誘電性のポリマーの分子量につ
いては、特に限定はなく、重合条件を適宜選定すること
により、使用される用途に応じた分子量のものを重合
し、使用することができる。本発明の高誘電性ポリマー
は、成膜して使用する場合が多く、分子量が低すぎる場
合は膜の強度が不足する場合がある。又逆に分子量が高
すぎる場合は、成膜するための溶液の粘度が非常に高い
ものとなり薄い均一な膜を作成することが困難となる場
合がある。高誘電性ポリマーの1種を単独で使用する場
合、好適な範囲としては、重量平均分子量で1万から5
0万の範囲である。また、他のポリマーと併用する場合
には、強度を他のポリマーでもたせることができるた
め、分子量的に低い場合でも使用可能となり、重量平均
分子量で、3000から10000程度のものも使用で
きる。
【0035】本発明の高誘電性のポリマーの使用形態と
しても、なんら限定はなく必要とされる用途に応じた形
で使用することができる。一般には基材の上に塗布した
もの、フィルム状にしたものとして使用されるが特にそ
れに限定はされない。また、使用に際しては、該ポリマ
ーを単独で使用することはもちろん、誘電性を高めるた
めの有機および無機系の添加剤、あるいはその他の機能
を付与させるための添加剤を併せて使用することは本発
明をなんら逸脱するものではない。またポリマーとなっ
てしまってからでは架橋の形成等のために溶剤に不溶と
なるような場合は、単量体を塗布後、紫外線あるいは電
子線等で、塗布した形で重合し、高誘電性のポリマーと
する方法もとることもできる。
【0036】
【作用】本発明の高誘電性ポリマーは、側鎖の、糖が有
する水酸基および/またはその他の官能基に、高い双極
子モーメントを有するシアノエチル基が多数導入されて
いるため、大きな双極子モーメントを有し、しかも糖ま
たは糖誘導体化合物が不斉構造を持つ場合、あるいはピ
ラノース型またはフラノース型等の環状構造を有してい
る場合には、糖の不斉あるいは糖の環構造に基づく方向
性をもった双極子モーメントを有するに至り、結果的に
高い誘電性が発現されたものと考えられる。また、本発
明のポリマー主鎖は、炭素ー炭素をはじめとする強い結
合よりなっていることより、強度、伸度といった機械的
な特性も併せてもつ実用性の高いポリマーとなってい
る。さらに、単量体として任意に構造を設計できること
から、水酸基をはじめとする単量体の親水性基を完全に
封鎖することができる、吸湿性の低いポリマーとするこ
とが可能となった。
【0037】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、
測定方法について説明する。シアノエチル基の導入の確
認には、CHN元素分析法により窒素含有率(N%)を
測定し、このN%よりシアノエチル基の導入度合いを判
定した。吸湿率は、ポリマーを120℃で2時間絶乾後
重量を測定し、25℃×75%RHの条件下に24時間
放置し吸湿後の重量を測定、その重量差より平衡吸湿率
を求めた。従って、この平衡吸湿率が低いほど耐湿性に
優れているといえる。また、ポリマーの分子量は、GP
C測定を行い、ポリスチレン基準で表した重量平均分子
量で表した。なお、実施例および比較例中に使用した、
部および率は重量基準を意味する。
【0038】誘電率は、Schlumberger社
製、IGA(IMPEDANCE GAIN−PHAS
E ANALYZER)を用いて25℃で、1kHzの
条件で測定を行った。この際の被測定用検体としては、
ポリマーをアセトンまたはジメチルホルムアミドに溶解
し、6cm角の平滑な白金板上に塗布した後、乾燥して
溶剤を完全に除去してフィルムを形成させたものを用い
た。誘電率の高さの判定は、20以上の場合実用可能な
高い誘電率であると判断した。
【0039】実施例1 磁気回転子、還流冷却器を付した300mLの3つ口フ
ラスコにグリコシルエチルメタクリレート(日本精化
製)5部、アクリロニトリル50部、10%水酸化ナト
リウム水溶液0.1部を仕込み、攪拌下加熱し50℃ま
で昇温し、50℃で18時間シアノエチル化反応を行っ
た。反応終了後室温まで冷却し、分液ロートを用い酢酸
エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄を行った。得られた
有機層は、溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフに
より精製することにより収率は低いながらメタクリロイ
ルオキシエチルーO−テトラシアノエチルーグルコピラ
ノシド 1.2部を得た。CHN元素分析の結果N%は
11.0%であり、基質のグリコシル基の有していた水
酸基すべてにシアノエチル基が導入されていることが確
認できた。
【0040】磁気回転子、還流冷却器を付した50mL
のフラスコに上記で得たシアノエチル基を導入した糖誘
導体単量体であるメタクリロイルオキシエチルーO−テ
トラシアノエチルーグルコピラノシド 1.0部および
アゾビスジメチルバレロニトリル 0.002gを溶解
したテトラヒドロフラン2部を加え、窒素置換後、65
℃で18時間攪拌し、重合を行う。反応終了後、室温ま
で冷却し、溶媒を除去することにより、本発明の高誘電
性ポリマーである、ポリメタクリロイルオキシエチルー
O−テトラシアノエチルーグルコピラノシド 1.0部
を得た。該ポリマーの誘電率を測定したところ、32と
非常に高いものであった。平衡吸湿率は0.2%であ
り、耐湿性に優れることが確認できた。またGPCによ
る分子量測定を行ったところ、重量平均分子量は540
00であり、膜強度も充分であった。
【0041】実施例2 磁気回転子、還流冷却器を付した300mLの3つ口フ
ラスコに予めアノマー位の水酸基をメチルエーテルとし
て保護した、メチルーαーグリコピラノシド5部、アク
リロニトリル50部、40%水酸化カリウム水溶液1部
を仕込み、攪拌下加熱し50℃まで昇温し、50℃で1
8時間シアノエチル化反応を行う。反応終了後室温まで
冷却し、分液ロートを用い酢酸エチルで抽出後、飽和食
塩水で洗浄を行う。得られた有機層は、溶媒を除去する
ことによりメチルーO−テトラシアノエチルーグルコピ
ラノシド 6部を得た。
【0042】磁気回転子、還流冷却器を付した100m
Lのフラスコにアノマー位の水素がメチルエーテルによ
り保護され、シアノエチル化された、メチルーO−テト
ラシアノエチルーグルコピラノシド2部、無水酢酸20
部および98%硫酸0.1部の混合溶液を加え、窒素置
換下室温で30分間攪拌を行う。反応終了後、氷水で冷
却し、飽和重曹によりクエンチした後、分液ロートを用
い酢酸エチルで抽出を行う。得られた有機層は、溶媒を
除去することにより保護基をメトキシ基からアセトキシ
基に変えたアセチルーO−テトラシアノエチルーグルコ
ピラノシド 1.5部を得た。
【0043】磁気回転子、還流冷却器を付した100m
LのフラスコにアセチルーO−テトラシアノエチルーグ
ルコピラノシド1部、塩化メチレン30部、ヒドロキシ
エチルメタクリレート1.5部、および99%トリメチ
ルシリルトリフレート5部を加え、窒素置換下25℃で
1時間反応を行う。反応終了後、分液ロートを用い水で
洗浄を行い、得られた有機層は、溶媒を除去し、シリカ
ゲルクロマトグラフィーを用いた精製により、本発明の
糖誘導単量体であるメタクリロイルオキシエチルーO−
テトラシアノエチルーグルコピラノシド 1.0部を得
た。該単量体のN%を測定したところ11.1%であ
り、グルコシル基の有する水酸基のすべてにシアノエチ
ル基が導入されたことが確認できた。
【0044】磁気回転子、還流冷却器を付した50mL
のフラスコにメタクリロイルオキシエチルーO−テトラ
シアノエチルーグルコピラノシド 1.0部およびアゾ
ビスジメチルバレロニトリル 0.002gを溶解した
テトラヒドロフラン2部を加え、窒素置換後、65℃で
18時間攪拌し、重合を行う。反応終了後、室温まで冷
却し、溶媒を除去することにより、本発明の高誘電性ポ
リマーである、ポリメタクリロイルオキシエチルーO−
テトラシアノエチルーグルコピラノシド 1.0部を得
た。該ポリマーの誘電率を測定したところ、33と非常
に高いものであり、平衡吸湿率は0.1%と耐湿性にも
優れていた。また該ポリマーの重量平均分子量は710
00であり、膜状態も良好であった。
【0045】実施例3 メチルーαーマンノピラノシドをメチルーαーグリコピ
ラノシドの代わりに用いたこと以外は実施例2と同様な
方法により、メタクリロイルオキシエチルーO−テトラ
シアノエチルーマンノピラノシドおよび、その重合体で
あるポリメタクリロイルオキシエチルーO−テトラシア
ノエチルーマンノピラノシド1.1部を得た。マンノピ
ラノシド誘導単量体のN%は11.1%であり、該ポリ
マーの誘電率を測定したところ、糖の種類をマンノピラ
ノシドに変更しても26と高いものであった。平衡吸湿
率も0.3%と優れていた。また重量平均分子量は81
000であり、充分な膜特性を有していた。
【0046】実施例4 Macromolecules,30,2016(19
97)記載の小林らの方法を用い、重合性官能基として
スチレン誘導体由来のビニル基を有し、2糖類ラクトー
ス誘導体である(p−ビニルベンズアミド)−β−ラク
トースを得た。該ラクトース誘導体をグリコシルエチル
メタクリレートの代わりに用い実施例1と同様な方法に
よりシアノエチル化反応を行い、ラクトース基由来の水
酸基にシアノエチル基を導入することにより、収率は低
いながら本発明の糖誘導単量体、(p−ビニルベンズア
ミド)−β−エプタシアノエチルラクトース0.8部を
得た。該単量体のN%を測定したところ13.2%あ
り、7つの水酸基全てにシアノエチル基が導入できたこ
とが確認できた。
【0047】得られた(p−ビニルベンズアミド)−β
−エプタシアノエチルラクトースをメタクリロイルオキ
シエチルーO−テトラシアノエチルーグルコピラノシド
のかわりに用い、実施例1と同様な方法により重合を実
施した結果、本発明の誘電性ポリマーである、ポリ(p
−ビニルベンズアミド)−β−エプタシアノエチルラク
トースを0.8部得た。該ポリマーの誘電率を測定した
ところ、33と非常に高いものであった。平衡吸湿率
は、0.7%と若干高めであるが実用に耐えるものであ
った。また重量平均分子量は34000であった。
【0048】実施例5 磁気回転子を付した500mlナス型フラスコ反応器
に、氷水中で冷却しながら、60%過塩素酸1.2部、
無水酢酸200部を加えて混合溶解する。次に反応槽内
温度を室温としグルコース10部を30分かけて添加す
る。この後、赤りん3部、臭素5.8部、イオン交換水
3.6部を加え室温で2時間攪拌し、ブロモ化反応を行
う。反応終了後クロロホルム60部を加え、ガラスフィ
ルターで濾過する。回収したろ液を真空乾燥し粗結晶を
得、さらに石油エーテル/エーテルで再結晶を行うこと
により8部の結晶を得た。該結晶8部に無水酢酸7.4
部およびピリジン4.2部を加え室温で1晩アセチル化
を行い、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄後、溶媒
を除去し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を
行うことによりブロモーテトラアセチルーグルコース1
1.9部を得た。
【0049】磁気攪拌子を付した500mlのフラスコ
に、トリフルオロ酸銀12.6部、トルエン20部を加
え真空下で乾燥を行い、これを−20℃とし、アルゴン
雰囲気下、乾燥塩化メチレン200部、10部のリンゴ
酸ジメチルエステルおよびブロモーテトラアセチルーグ
ルコース10部を加え−20℃で30分間反応を行う。
反応混合物は飽和重曹水溶液でクエンチし、塩化メチレ
ンで希釈、飽和重曹水溶液で水洗後、有機層を分離し脱
溶媒後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行
うことによりアノマー位に縮合重合性の官能基であるリ
ンゴ酸エステルの結合したテトラアセチルグルコース1
0.2部を得た。
【0050】300mlの磁気回転子を付した反応容器
に、該テトラアセチルグルコース10部、アクリロニト
リル50部、25%水酸化ナトリウム水溶液1部を仕込
み、攪拌下加熱し50℃まで昇温し、50℃で18時間
反応を行い、脱アセチル化およびシアノエチル化を行
う。反応終了後室温まで冷却し、酢酸を添加後、分液ロ
ートを用い酢酸エチルで抽出、さらに飽和食塩水で洗浄
を行う。得られた有機層は、溶媒を除去し、シリカゲル
クロマトグラフィーにより精製することによりアノマー
位にリンゴ酸の結合したテトラシアノエチルグルコース
10.1部を得た。N%を測定したところ、10.8%
であり、アノマー位以外の水酸基すべてがシアノエチル
化したとする理論値にほぼ近いN%であった。
【0051】500mlのメカニカルスターラーを付し
た反応容器に、アノマー位にリンゴ酸の結合したテトラ
シアノエチルグルコース10部、1、4−ジアミノベン
ゼン3部、および200部のジメチルアミドを添加す
る。この後、3部の亜リン酸トリフェニルと2部のイミ
ダゾールを加え室温で16時間重合反応を行う。得られ
たポリマーはメタノール中へ再沈を行い精製することに
より、主鎖がポリアミドであり、側鎖にテトラシアノエ
チルを有するグルコース基をもった高誘電性ポリマー1
1部を得ることができた。該ポリマーの誘電率を測定し
たところ、20であり実用に耐えるだけの高い誘電率を
有していることが確認できた。また平衡吸湿率は0.9
%で、主鎖であるポリアミドの吸湿性によるものか、若
干高めの値であったが、なんとか実用に耐えるものであ
った。重量平均分子量は21000であり、実用に供す
ることのできるレベルであった。
【0052】比較例1 プルラン(林原研究所製PF−20)30部を純水12
0部に溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液36部を
添加後、アセトン120部、次いでアクリロニトリル1
50部を加え、室温下14時間シアノエチル化反応を実
施した。酢酸13.5部を添加して中和後、純水中に攪
拌しながら注ぎ込み反応物を晶出させた。得られた晶出
物をアセトンに再溶解させた後、純水で再晶出させて精
製した。この操作を3回繰り返した後、精製物を60℃
減圧下で乾燥して、白色の精製シアノエチル化プルラン
55部を得た。CHN元素分析の結果から、全ての水酸
基がシアノエチル化されたとする理論量に対し、85%
のシアノエチル基が導入出来ていることを確認した。得
られたシアノエチル化プルランの誘電率は21と高い誘
電率を示したものの、平衡吸湿率は3.2%と、耐湿性
に劣ったものであった。これは、未反応の親水性の高い
水酸基がシアノエチル化プルラン中に残存しているた
め、このような結果になったものと考えられる。
【0053】比較例2 ポリヒドロキシ化合物であるペンタエリトリット13
6.15部(1モル)に4%水酸化ナトリウム溶液18
8部を加え、4ツ口フラスコ中で攪拌する。これにアク
リロニトリル164.1部(3モル)を滴下し、反応温
度を40〜45℃に調節しながらマイケル付加反応を完
結させた。得られるシアノエチル化物にアクリル酸68
0部、p−トルエンスルホン酸36.7部、さらに重合禁
止剤としてハイドロキノン2.7部を加え、1リットル
ベンゼン中で還流下エステル化反応を行った後、過剰の
アクリル酸を水洗除去してポリヒドロキシ化合物誘導シ
アノエチル化単量体を得た。該単量体のN%は、11.
3%であり、理論量に対し約9割のシアノエチル基が導
入できていることを確認した。
【0054】4ツ口フラスコに、ポリヒドロキシ化合物
誘導シアノエチル化単量体100部、2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル0.1部、ラウリルメルカプタン0.
1部およびジメチルホルムアミド100部を仕込み、窒
素ガス下60℃で3時間攪拌、重合を行なった。次にメ
タノール300部を加え、ポリマー分を沈析させ、メタ
ノール/水(50/50、重量比)混合液で数回洗浄す
る。その後、溶剤を減圧乾燥してポリヒドロキシ化合物
誘導シアノエチル化ホモポリマーを得た。このポリマー
の誘電率は15.5と低いものであった。本比較例の場
合、高誘電率を発現するシアノエチル基を多量に側鎖に
有しているものの、本発明のようにその双極子モーメン
トが立体的に固定されていないため、自由に動き打ち消
しあった結果、高い誘電率が発現されなかったのではな
いかと考えられる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、従来のシアノエチル化
物と比べて遊離の水酸基を持たないことから低い吸湿性
を有し、かつ立体的に規制された双極子モーメントより
誘導される高い誘電率を有する高誘電体を得ることがで
きる。また、本発明により得られる高誘電性ポリマーは
主骨格が炭素ー炭素結合等よりなるため、フィルム化等
の成形においても工業的に優れた機械的強度を有するも
のである。
【0056】ポリマーの設計自由度の向上および各種特
性の向上が図れることから、広い用途に適応でき、特に
電気,電子部品、例えば有機分散型エレクトロルミネッ
センス用バインダー、固体電解質、コンデンサー材料等
として有用であり、また帯電防止剤や電子写真感光体、
液晶配向膜用の部材として用いた場合、より高い信頼性
を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖または糖誘導体化合物の含有する水酸
    基または他の官能基に、重合性の官能基が導入され、残
    る水酸基または他の官能基の全部または一部にシアノエ
    チル基を導入してなる糖誘導単量体。
  2. 【請求項2】 重合性の官能基が、エチレン系不飽和基
    であることを特徴とする請求項1記載の糖誘導単量体。
  3. 【請求項3】 糖または糖誘導体化合物が、環状ピラノ
    ース型または環状フラノース型の構造を含むことを特徴
    とする請求項1または2に記載の糖誘導単量体。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の単量
    体を重合してなる高誘電性ポリマー。
  5. 【請求項5】 重合性の官能基を有する糖または糖誘導
    体化合物の含有する水酸基または他の官能基の、全部ま
    たは一部にシアノエチル基を導入することを特徴とする
    糖誘導単量体の製造方法。
  6. 【請求項6】 糖または糖誘導体化合物に含まれる水酸
    基または他の官能基の1部を保護基により保護し、次に
    残部水酸基または他の官能基の全部または一部にシアノ
    エチル基を導入した後に、脱保護し、該脱保護された水
    酸基または他の官能基に重合性の官能基を導入すること
    を特徴とする糖誘導単量体の製造方法。
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