JPH0825972B2 - アスパラギン酸の精製法 - Google Patents
アスパラギン酸の精製法Info
- Publication number
- JPH0825972B2 JPH0825972B2 JP62067671A JP6767187A JPH0825972B2 JP H0825972 B2 JPH0825972 B2 JP H0825972B2 JP 62067671 A JP62067671 A JP 62067671A JP 6767187 A JP6767187 A JP 6767187A JP H0825972 B2 JPH0825972 B2 JP H0825972B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aspartic acid
- crystals
- crude
- acid crystals
- purification method
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C227/00—Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
- C07C227/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C227/40—Separation; Purification
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アスパラギン酸の精製法に関し、更に詳し
くは、少なくともCl-を含むアスパラギン酸粗結晶から
のCl-の低減もしくは除去された高純度のアスパラギン
酸結晶を得る方法に関する。
くは、少なくともCl-を含むアスパラギン酸粗結晶から
のCl-の低減もしくは除去された高純度のアスパラギン
酸結晶を得る方法に関する。
従来、アスパラギン酸は発酵法、酵素法及び化学合成
法によって製造されており、その精製に際しては種々の
精製技術を組合せて行っている。
法によって製造されており、その精製に際しては種々の
精製技術を組合せて行っている。
いずれの製造法においても得られた粗アスパラギン酸
結晶中には、その他のアミノ酸、着色物質、無機塩等の
不純物を含有している為に、その精製には多大な労力と
費用を必要としている。特に、高純度のアスパラギン酸
結晶を得る場合には粗結晶を一度、全量溶解し、イオン
交換樹脂処理、脱色処理及び晶析等の技術を駆使するの
が通常である。
結晶中には、その他のアミノ酸、着色物質、無機塩等の
不純物を含有している為に、その精製には多大な労力と
費用を必要としている。特に、高純度のアスパラギン酸
結晶を得る場合には粗結晶を一度、全量溶解し、イオン
交換樹脂処理、脱色処理及び晶析等の技術を駆使するの
が通常である。
本発明は、上記従来の製造法による粗アスパラギン酸
結晶が不純物を含むという問題点を解決し、高純度のア
スパラギン酸を得ることを目的とする。
結晶が不純物を含むという問題点を解決し、高純度のア
スパラギン酸を得ることを目的とする。
本発明者らは、粗アスパラギン酸結晶中に含まれる不
純物を容易に除去する方法について鋭意研究を重ねた結
果、驚くべきことに粗アスパラギン酸結晶を水溶液中に
懸濁し、高温下撹拌するだけで、不純物が除去されるこ
とを見出した。しかし、10〜40℃の低温度下で懸濁した
場合は不純物を除去することはできないが、予想に反し
50℃以上の温度下では急激に不純物が低減することを発
見した。これはアスパラギン酸結晶の特有の性質であ
る。
純物を容易に除去する方法について鋭意研究を重ねた結
果、驚くべきことに粗アスパラギン酸結晶を水溶液中に
懸濁し、高温下撹拌するだけで、不純物が除去されるこ
とを見出した。しかし、10〜40℃の低温度下で懸濁した
場合は不純物を除去することはできないが、予想に反し
50℃以上の温度下では急激に不純物が低減することを発
見した。これはアスパラギン酸結晶の特有の性質であ
る。
本発明によれば、粗結晶中に微量含まれる他のアミノ
酸、着色物質及び無機塩特にCl-が大幅に低減できる。
酸、着色物質及び無機塩特にCl-が大幅に低減できる。
特に、アスパラギン酸以外のアミノ酸及び塩化ナトリ
ウムを含む溶液から晶析した粗アスパラギン酸結晶中に
は、他のアミノ酸や塩化ナトリウムを含有しやすく、こ
のような粗アスパラギン酸結晶の精製に際し、本発明は
極めて効果的である。
ウムを含む溶液から晶析した粗アスパラギン酸結晶中に
は、他のアミノ酸や塩化ナトリウムを含有しやすく、こ
のような粗アスパラギン酸結晶の精製に際し、本発明は
極めて効果的である。
懸濁液の温度は、50℃以上であれば良く、操作容易な
範囲として55〜80℃が適している。懸濁している時間
は、温度にもよるが、5分間以上あれば良く、通常10〜
120分間の範囲で充分である。粗アスパラギン酸結晶の
濃度は懸濁されている濃度で良く、特に限定はないが通
常5〜40g/dlで行う。
範囲として55〜80℃が適している。懸濁している時間
は、温度にもよるが、5分間以上あれば良く、通常10〜
120分間の範囲で充分である。粗アスパラギン酸結晶の
濃度は懸濁されている濃度で良く、特に限定はないが通
常5〜40g/dlで行う。
本発明の操作方法は粗アスパラギン酸結晶を先に投入
し、後に水を加えて昇温しても良く、昇温した水の中に
粗アスパラギン酸結晶を投入しても良い。この際、適度
に結晶が流動するように撹拌すると、より効果は大き
い。
し、後に水を加えて昇温しても良く、昇温した水の中に
粗アスパラギン酸結晶を投入しても良い。この際、適度
に結晶が流動するように撹拌すると、より効果は大き
い。
本発明を実施した後は、そのまま分離しても良いが収
量を増す為に通常は、5〜25℃に冷却した後、分離す
る。
量を増す為に通常は、5〜25℃に冷却した後、分離す
る。
本発明によれば、粗アスパラギン酸結晶中の他のアミ
ノ酸着色物質及び塩化ナトリウム等の無機塩の精製効果
は極めて大きく、他の精製操作を実施することなく容易
に高純度のアスパラギン酸結晶を得ることができる。
ノ酸着色物質及び塩化ナトリウム等の無機塩の精製効果
は極めて大きく、他の精製操作を実施することなく容易
に高純度のアスパラギン酸結晶を得ることができる。
それ故、従来、行われているイオン交換樹脂処理法や
晶析法等の精製を必要とせず操作が容易かつ収率も低下
させないので、工業的には極めて有利な精製法である。
晶析法等の精製を必要とせず操作が容易かつ収率も低下
させないので、工業的には極めて有利な精製法である。
以下、本発明を実施例及び比較例によって詳細に説明
する。
する。
実施例1 Cl-360ppmを含むL−アスパラギン酸粗結晶50gと水25
0mlを混合した。60℃,70℃及び80℃の各温度に昇温し、
それぞれ40分間撹拌した。次いで室温(25℃)まで冷却
し2時間撹拌した。結晶を瀘紙濾過し20mlの冷水(5
℃)で結晶を水洗した。乾燥後得られたL−アスパラギ
ン酸結晶中のCl-含量を硝酸銀滴定分析によって測定し
た。
0mlを混合した。60℃,70℃及び80℃の各温度に昇温し、
それぞれ40分間撹拌した。次いで室温(25℃)まで冷却
し2時間撹拌した。結晶を瀘紙濾過し20mlの冷水(5
℃)で結晶を水洗した。乾燥後得られたL−アスパラギ
ン酸結晶中のCl-含量を硝酸銀滴定分析によって測定し
た。
その結果の各温度で処理したL−アスパラギン酸結晶
中のCl-含量を表1に示した。
中のCl-含量を表1に示した。
比較例 実施例1の中で温度を40℃で行った以外は同様に行っ
た。
た。
その結果L−アスパラギン酸結晶中のCl-含量は250pp
mであった。
mであった。
実施例2 50℃に昇温した水250mlにCl-1,000ppm,L−グルタミン
酸0.1%を含み黄褐色に着色したL−アスパラギン酸粗
結晶50gを加え、撹拌下80℃に昇温し、30分間撹拌し
た。その後25℃まで冷却し2時間後に遠心分離した。得
られたL−アスパラギン酸結晶は着色なく硝酸銀滴定分
析でCl-測定したところ、Cl-は検出されず更にアミノ酸
アナライザーで測定したところ、L−グルタミン酸も検
出されなかった。L−アスパラギン酸の収量は43gであ
った。
酸0.1%を含み黄褐色に着色したL−アスパラギン酸粗
結晶50gを加え、撹拌下80℃に昇温し、30分間撹拌し
た。その後25℃まで冷却し2時間後に遠心分離した。得
られたL−アスパラギン酸結晶は着色なく硝酸銀滴定分
析でCl-測定したところ、Cl-は検出されず更にアミノ酸
アナライザーで測定したところ、L−グルタミン酸も検
出されなかった。L−アスパラギン酸の収量は43gであ
った。
利用例 実施例1で得たL−アスパラギン酸結晶5g及び下記の
方法で得たL−フェニルアラニンメチルエステル10gを
含む水溶液10ml(pH5.4に調整)を下記の培地を用いて3
0℃で12時間培養したブレビバクテリウム・リネンスATC
C8377の培養液中に無菌的に投入し、無菌的に培養液のp
Hを5.4に調整後、更に10時間培養を行った。培養中は2
時間おきにpHを5.4になるように無菌的に調整した。
方法で得たL−フェニルアラニンメチルエステル10gを
含む水溶液10ml(pH5.4に調整)を下記の培地を用いて3
0℃で12時間培養したブレビバクテリウム・リネンスATC
C8377の培養液中に無菌的に投入し、無菌的に培養液のp
Hを5.4に調整後、更に10時間培養を行った。培養中は2
時間おきにpHを5.4になるように無菌的に調整した。
この培養液中での生成物をアミノ酸アナライザーで測
定した結果、APMが315mg/dl生成していた。
定した結果、APMが315mg/dl生成していた。
L−フェニルアラニンメチルエステルの調整 L−Phe1/2硫酸塩半水和物湿潤結晶279.0g(全量に対
し付着水20%、L−Pheとして1.00モル)をMeOH250mlに
懸濁し、98%硫酸60mlを加え、85℃で4時間反応させ
た。反応は水及びMeOHを留去しつつ、不足分のMeOHを追
添して行った。
し付着水20%、L−Pheとして1.00モル)をMeOH250mlに
懸濁し、98%硫酸60mlを加え、85℃で4時間反応させ
た。反応は水及びMeOHを留去しつつ、不足分のMeOHを追
添して行った。
得られた反応液中のPMを高速液体クロマトグラフィー
にて定量したところ、収率99%であった。
にて定量したところ、収率99%であった。
培地 グルコース2.0g/dl、(NH4)2SO4 0.5g/dl、KH2PO4
0.1g/dl、MgSO4・7H2O 0.05g/dl、FeSO4・7H2O 1mg/d
l、MnSO4・4H2O 1mg/dl、酵母エキス1.0g/dl、マルツエ
キス0.5g/dl、炭酸カルシウム4.0g/dl(別殺菌)を含む
培地(pH7.0)を500ml容フラスコに50ml入れ120℃で15
分間殺菌した。
0.1g/dl、MgSO4・7H2O 0.05g/dl、FeSO4・7H2O 1mg/d
l、MnSO4・4H2O 1mg/dl、酵母エキス1.0g/dl、マルツエ
キス0.5g/dl、炭酸カルシウム4.0g/dl(別殺菌)を含む
培地(pH7.0)を500ml容フラスコに50ml入れ120℃で15
分間殺菌した。
Claims (1)
- 【請求項1】Cl-を含有するL−アスパラギン酸結晶を
水溶液中、懸濁下50℃以上の温度で精製することを特徴
とするL−アスパラギン酸の精製法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62067671A JPH0825972B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | アスパラギン酸の精製法 |
US07/167,113 US4922011A (en) | 1987-03-20 | 1988-03-11 | Method for purifying aspartic acid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62067671A JPH0825972B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | アスパラギン酸の精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63233958A JPS63233958A (ja) | 1988-09-29 |
JPH0825972B2 true JPH0825972B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=13351691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62067671A Expired - Lifetime JPH0825972B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | アスパラギン酸の精製法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4922011A (ja) |
JP (1) | JPH0825972B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023276980A1 (ja) * | 2021-06-29 | 2023-01-05 | Green Earth Institute株式会社 | アスパラギン酸を製造する方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023276396A1 (ja) * | 2021-06-29 | 2023-01-05 | Dic株式会社 | アスパラギン酸組成物、ポリスクシンイミド組成物、ポリアスパラギン酸組成物、及び架橋ポリアスパラギン酸組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1164488A (en) * | 1965-10-26 | 1969-09-17 | Ajinomoto Kk | Process for Purifying L-Glutamic Acid Crystals |
IT966502B (it) * | 1968-11-18 | 1974-02-20 | Montedison Spa | Procedimento per la separazione di metionina pura dal grezzo di idrolisi del suo nitrile |
-
1987
- 1987-03-20 JP JP62067671A patent/JPH0825972B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1988
- 1988-03-11 US US07/167,113 patent/US4922011A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023276980A1 (ja) * | 2021-06-29 | 2023-01-05 | Green Earth Institute株式会社 | アスパラギン酸を製造する方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US4922011A (en) | 1990-05-01 |
JPS63233958A (ja) | 1988-09-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |