JPH08259615A - 分子量分布の狭いスチレン系重合体の製造方法 - Google Patents
分子量分布の狭いスチレン系重合体の製造方法Info
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Abstract
布の狭い単分散スチレン系重合体の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 触媒としてフリーラジカル化合物、ラジ
カル重合開始剤およびりん化合物から成る混合物を用い
てスチレン系モノマーを(共)重合することを特徴とす
る分子量分布の狭いスチレン系重合体の製造方法。
Description
スチレン系重合体の製造方法に関する。
ビニル化合物の重合により多くの重合体が製造されてい
るが、ビニル化合物はラジカル重合開始剤以外にも、金
属化合物からなるイオン重合開始剤を用いても重合が可
能であり、それによって重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)によって一般的に
表現されている「分子量分布」が2より小さいという特
徴をもつ重合体の製造が可能である。しかし上記のイオ
ン重合では非常に反応性の高い重合開始剤を用いるた
め、反応系に微量の水や活性水素を有する化合物などの
不純物が存在すると重合反応が阻害され、得られる重合
体の分子量分布が広くなるという問題点がある。
−2988(1993)において、ニトロソラジカル化
合物の一種である2,2,6,6−テトラメチル−1−ピ
ペリジニロキシフリーラジカル(以下、「TEMPO」
と略記する)と通常のラジカル重合開始剤であるベンゾ
イルパーオキシドを用いてスチレンの重合を行うと、得
られる重合体の分子量分布が非常に狭いことが報告され
た。上記報告による方法は、今まで知られていた分子量
分布の狭いスチレン重合体の製造方法(ナフタリンナト
リウムを重合開始剤として用い低温でスチレンの重合を
行なう方法)と異なり、通常のラジカル重合開始剤を用
いるため、重合操作を簡便に行なえるという利点はある
が、しかし重合反応速度が非常に遅く、例えば重合率9
0%に達するために69時間もの長時間を要するという
欠点がある(生成スチレン重合体の数平均分子量780
0、分子量分布1.27)。
は、スルホン酸やカルボン酸などのプロトン酸をフリー
ラジカル重合系に添加することにより重合速度を速くす
る方法が開示されている。しかし、この方法で得られる
重合体にはプロトン酸が混入するので、その用途が制限
されるという問題がある。
度が飛躍的に速く、しかも分子量分布の狭い[(Mw/
Mn)<2]単分散重合体の製造方法を開発することを
目的について鋭意研究した結果、触媒系としてフリーラ
ジカル化合物、ラジカル重合開始剤およびりん化合物か
ら成る混合物を必須成分として用いることにより上記の
目的が達成されることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
ノマー又はスチレン系モノマーと他のコモノマーをラジ
カル重合法により重合又は共重合することにより分子量
分布の狭いスチレン系重合体を製造する方法において、
該重合又は共重合をフリーラジカル化合物、ラジカル重
合開始剤およびりん化合物からなる触媒系の存在下に行
なうことを特徴とする方法が提供される。
に説明する。
スチレン系モノマーと他のコモノマーをラジカル重合法
により重合又は共重合するに際して、触媒として、
(a) フリーラジカル化合物、(b) ラジカル重合
開始剤、及び(c) りん化合物の3成分からなる触媒
系を使用する点に特徴を有するものであり、これによ
り、分子量分布が非常に狭いスチレン系重合体を得るこ
とができる。
化合物(a)は、室温および重合条件下で単独で安定な
遊離基として存在し、また重合反応中には生長末端ラジ
カルと反応して再解離可能な結合を生成することのでき
る化合物であり、例えば、2,2,6,6−テトラメチル
−1−ピペリジニロキシフリ−ラジカル(TEMP
O)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
1−ピペリジニロキシフリーラジカル(4−ヒドロキシ
TEMPO)、3−カルバモイル−2,2,5,5−テト
ラメチルピロリジン−1−イロキシフリ−ラジカル、3
−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピ
ロリン−1−イロキシフリ−ラジカル、ジ−t−ブチル
ニトロキシドフリ−ラジカル、2,6−ジ−t−ブチル
−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−
シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリロキシ
フリ−ラジカル(ガルビノキシルフリ−ラジカル)、
2,2−ジ(4−t−オクチルフェニル)−1−ピクリ
ルヒドラジルフリ−ラジカル(DPPH)等が挙げられ
る。
剤(b)は、特に制限されるものではなく、ビニル化合
物のラジカル重合に際して通常使用されるものを使用す
ることが可能であり、例えば、ベンゾイルパーオキジ
ド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト等の過酸化物;α,α′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、
これらは1種又は2種以上混合して用いることができ
る。これらのラジカル重合開始剤(b)は、前述のフリ
ーラジカル化合物(a)1モルに対して一般に0.05
〜5モル、好ましくは0.1〜3モル、さらに好ましく
は0.2〜2モルの範囲内で用いることができる。
化合物(a)及びラジカル重合開始剤(b)と共に使用
されるりん化合物(c)には、3価又は5価のりんを含
有する有機りん化合物が包含され、例えば、トリメチル
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピ
ルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n
−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ
−sec−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィ
ン、ジメチル(フェニル)ホスフィン、メチルジフェニ
ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシク
ロヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィ
ン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−o−トリル
ホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−
トリルホスフィン、ジシクロ(エチル)ホスフィン、ジ
シクロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェニルホス
フィン、テトラフェニルジホスフィン、ビス(ジフェニ
ルホスフェノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフェ
ノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)
ブタン等のホスフィン類;トリ−n−ブチルホスフィン
オキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、トリ−n
−オクチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド
類;亜りん酸トリメチル、亜りん酸ジメチル、亜りん酸
トリエチル、亜りん酸ジエチル、亜りん酸トリイソプロ
ピル、亜りん酸トリ−n−ブチル、亜りん酸トリフェニ
ル、亜りん酸ジフェニルイソデシル、亜りん酸フェニル
ジイソデシル、亜りん酸トリイソデシル、亜りん酸ジフ
ェニルイソオクチル、亜りん酸フェニルジイソオクチ
ル、亜りん酸トリイソオクチル、亜りん酸ジ(ノニルフ
ェニル)ジノニルフェニル、亜りん酸トリ(ノニルフェ
ニル)、ジ亜りん酸ジステアリルペンタエリスリトー
ル、ジ亜りん酸ジイソデシルペンタエリスリトール等の
亜りん酸エステル類;ヘキサメチルホスホラストリアミ
ド、ヘキサエチルホスホラストリアミド等のホスホラス
アミド類;りん酸トリメチル、りん酸トリエチル、りん
酸トリ−n−ブチル、りん酸トリフェニル等のりん酸エ
ステル類;ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のホ
スホリックトリアミド類等が挙げられ、好ましくは3価
のりんを含有する有機りん化合物であるホスフィン類、
亜りん酸エステル類およびホスホラスアミド類から選ば
れる化合物、さらに好ましくは亜りん酸エステル類、殊
に亜りん酸トリフェニルが用いられる。また、5価のり
んを含有する有機りん化合物であるホスフィンオキシド
類、りん酸エステル類およびホスホリックトリアミド類
も好適に使用される。りん化合物として最も好ましいも
のは、亜りん酸トリフェニルに代表される亜りん酸エス
テル類である。これらりん化合物(c)は、フリーラジ
カル化合物(a)1モルに対して一般に0.1〜10モ
ル、好ましくは0.2〜5モル、さらに好ましくは0.3
〜3モルの範囲内で使用することができる。
させうるスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレ
ン、N,N−ジメチルアミノスチレン、アミノスチレ
ン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、メチルス
チレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、t−
ブチルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、
ブロモスチレン、ヨードスチレン、カルボキシルスチレ
ン、エチルカルボキシスチレン、メチルカルボキシスチ
レン、トリフルオロメチルスチレン、シアノスチレン、
ニトロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレ
ン、グリシジロキシスチレン、スチレンスルホン酸ナト
リウム、スチレンスルホン酸カリウム等のスチレン又は
スチレンのオルソ−、メタ−またはパラ−置換体等が挙
げられ、これらは1種又は2種以上混合して用いること
ができる。
せうるコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8のヒ
ドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールな
どのポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸など
の不飽和カルボン酸とのモノエステル;ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレング
リコールなどのポリエーテルポリオールと2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有不飽和
モノマーとのモノエーテル;α,β−不飽和カルボン酸
と、カージュラE10(シェル石油化学(株)、商品
名)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ
化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと
酢酸、プロピオン酸、p−t−ブチル安息香酸、脂肪酸
類のような一塩基酸との付加物;無水マレイン酸や無水
イタコン酸のごとき酸無水基含有不飽和化合物と、エチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコールなどのグリコール類とのモノエステル化
物またはジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエー
テルのごときヒドロキシアルキルビニルエーテル類;3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トのような塩素を含んだ水酸基含有単量体;アリルアル
コール;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
(n−,i−もしくはt−)ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
(n−,i−もしくはt−)ブチル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキ
シル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜24のアルキ
ルエステル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メ
トキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル
酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アク
リル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等
の(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシア
ルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、
イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエー
テル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテ
ル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシ
クロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテ
ル、トリビニルエーテル等のアリールビニルエーテル
類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテ
ル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジル
エーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル
類;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレンなどのオレフィン
系化合物及びジエン化合物;α−メチルスチレン、フェ
ニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)ア
クリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレ
ート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフ
タレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒド
ロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプ
ロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、p−te
rt−ブチル−安息香酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチルとのエステル化物、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレートなどの炭化水素環含有不飽和単量体;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど
の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルア
ミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド
類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリド
ン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマ−;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニト
リル;アリルアミンなどの含窒素不飽和単量体;グリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)ア
クリレート等のグリシジル基含有ビニル系単量体;ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル系単
量体等が挙げられ、これらは1種又は2種以上混合して
用いることができる。
合物(a)1モルに対して一般に5〜2000モル、好
ましくは10〜1000モルの範囲内の比率で用いるこ
とができる。
マーのリビングラジカル重合は、例えば、次のようにし
て行なうことができる。
に、先ず最初にスチレン系モノマー、フリーラジカル化
合物(a)、ラジカル重合開始剤(b)およびりん化合
物(c)を混合しておき、60℃〜110℃間の温度
で、10分ないし6時間の予備反応を行うことが好まし
い。この予備反応を行わないと、得られるスチレン系重
合体の分子量分布が広くなったり、分子量を制御するこ
とが困難になることがある。ついで、120℃〜150
℃間の温度で撹拌しながら重合反応を行うことができ
る。共重合反応の場合には、スチレン系モノマーを先に
添加してその重合を行ない、重合後期に他のコモノマー
を反応系に加えてさらに重合反応を行なうのが好都合で
ある。上記の重合反応は、通常、反応液中に窒素やアル
ゴン等の不活性ガスを吹き込みながら行なうことが好ま
しい。また、必要に応じて有機溶剤を用いてもよく、使
用しうる有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエ
ン等の芳香族溶剤;n−ブタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤などが
挙げられる。
ノマー、フリーラジカル化合物(a)及びラジカル重合
開始剤(b)を混合し、60℃〜110℃間の温度で1
0分ないし6時間の予備反応を行い、ついで120℃〜
150℃間の温度で撹拌する際に添加してもよい。
反応速度が極めて速く、分子量分布の狭いスチレン系重
合体、通常、Mw/Mnの比が2より小さい、好ましく
は1.6以下の、好ましくは単分散(unimodal destribu
tion)のスチレン系重合体を製造することができる。ま
た、本発明の方法によれば、一般に数平均分子量が50
0〜200,000、好ましくは500〜150,00
0、さらに好ましくは1,000〜100,000の範囲
内にあるスチレン系重合体を容易に得ることができる。
合体が自己架橋性官能基(例えば、アルコキシシリル
基、グリシジル基、N−メチロール基など)を含有する
場合には、該重合体をそのまま加熱するかあるいは硬化
触媒を添加し場合により加熱することにより三次元架橋
樹脂とすることができる。また、得られるスチレン系重
合体が架橋性官能基(例えば、水酸基、カルボキシル
基、グリシジル基、アルコキシシリル基、N−メチロー
ル基など)を含有する場合には、該架橋性官能基と反応
しうる基をもつ硬化剤を併用することによって三次元架
橋樹脂とすることができる。
レン系重合体に上記の如き(自己)架橋性官能基を導入
してもよい。
スチレン系重合体は、成形材料、フイルム材料として、
或いは塗料、インキ等において使用することができる。
説明する。なお、以下「部」および「%」はそれぞれ
「重量部」および「重量%」を示す。また、実施例およ
び比較例で用いた原料はすべて市販品のものをそのまま
用いた。
時間撹拌した。ついで123℃で8時間撹拌した。得ら
れた反応溶液は反応率80%(プロトンNMR測定によ
る)、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ
−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均分子量
(Mn)は17,500、分子量分布(Mw/Mn)は
1.25であった。
時間撹拌した。ついで123℃で8時間撹拌した。得ら
れた反応溶液は反応率75%(プロトンNMR測定によ
る)、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ
−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均分子量
(Mn)は16,300、分子量分布(Mw/Mn)は
1.28であった。
時間撹拌した。ついで亜りん酸トリフェニル18.0部
を加えて123℃で8時間撹拌した。得られた反応溶液
は反応率70%(プロトンNMR測定による)、GPC
(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−)測定から
生成樹脂は単分散であり、数平均分子量(Mn)は1
5,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.33であ
った。
時間撹拌した。ついで123℃に昇温し8時間撹拌し
た。得られた反応溶液は反応率80%(プロトンNMR
測定による)、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマト
グラフィ−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均
分子量(Mn)は16,700、分子量分布(Mw/M
n)は1.25であった。
時間撹拌した。ついで123℃に昇温し8時間撹拌し
た。得られた反応溶液は反応率87%(プロトンNMR
測定による)、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマト
グラフィ−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均
分子量(Mn)は18,500、分子量分布(Mw/M
n)は1.23であった。
間撹拌した。ついで123℃で7時間撹拌した(スチレ
ンの反応率は67%)。ついでメタクリル酸t−ブチル
エステルを683部加えて123℃で2時間撹拌を続け
た。得られた反応溶液はスチレンの反応率が80%、メ
タクリル酸t−ブチルエステルの反応率が40%であっ
た(プロトンNMR測定による)。GPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)測定から生成樹脂は単
分散であり、数平均分子量(Mn)は22,500、分
子量分布(Mw/Mn)は1.30であった。
間撹拌した。ついでアクリル酸173部を加えて123
℃で3時間撹拌した。得られた反応溶液はスチレンの反
応率が72%、アクリル酸の反応率が90%(プロトン
NMR測定による)であった。GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)測定から生成樹脂は単分散
であり、数平均分子量(Mn)は15,900、分子量
分布(Mw/Mn)は1.27であった。
間撹拌した。ついでアクリル酸n−ブチル1231部を
加えて123℃で3時間撹拌した。得られた反応溶液は
スチレンの反応率が70%、アクリル酸n−ブチルの反
応率が57%(プロトンNMR測定による)であった。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測
定から生成樹脂は単分散であり、数平均分子量(Mn)
は15,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.22
であった。
間撹拌した。ついでアクリル酸2−ヒドロキシエチル5
58部を加えて123℃で6時間撹拌した。得られた反
応溶液はスチレンの反応率が76%、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチルの反応率が63%(プロトンNMR測定
による)であった。GPC(ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー)測定から生成樹脂は単分散であり、数
平均分子量(Mn)は12,700、分子量分布(Mw
/Mn)は1.33であった。
間撹拌した。ついでアクリル酸n−ブチル410部およ
びメタクリル酸グリシジル455部を加えて123℃で
6時間撹拌した。得られた反応溶液はスチレンの反応率
が72%、アクリル酸n−ブチルの反応率が63%、メ
タクリル酸グリシジルの反応率が67%(プロトンNM
R測定による)であった。GPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)測定から生成樹脂は単分散であ
り、数平均分子量(Mn)は16,000、分子量分布
(Mw/Mn)は1.33であった。
時間撹拌した。ついで123℃で5時間撹拌の後(スチ
レンのは反応率84%)、m−キシレン420部を添加
して123℃で8時間攪拌を続けた。得られた反応溶液
のスチレンの反応率は99%以上(プロトンNMR測定
では痕跡程度のモノマーの存在がわかる程度)であっ
た。GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ
−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均分子量
(Mn)は21,100、分子量分布(Mw/Mn)は
1.28であった。さらにアクリル酸n−ブチルを61
5部添加して123℃で2時間攪拌を続けた。アクリル
酸n−ブチルの反応率は15%であった。GPC測定か
ら生成樹脂は単分散であり、アクリル酸n−ブチルを反
応させることによりクロマトグラフィーは高分子量側に
シフトしていた。数平均分子量(Mn)は23,10
0、分子量分布(Mw/Mn)は1.29であった。
時間撹拌した。ついで123℃で8時間撹拌した。得ら
れた反応溶液は反応率18%(プロトンNMR測定によ
る)、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ
−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均分子量
(Mn)は3,900、分子量分布(Mw/Mn)は
1.29であった。
時間撹拌した。ついで123℃で5時間撹拌した。得ら
れた反応溶液は反応率29%(プロトンNMR測定によ
る)、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ
−)測定から生成樹脂は単分散であり、数平均分子量
(Mn)は6,600、分子量分布(Mw/Mn)は
1.36であった。
時間撹拌した。ついでアクリル酸173部を加えて12
3℃で3時間撹拌した。得られた反応溶液はスチレンの
反応率が41%、アクリル酸の反応率が52%(プロト
ンNMR測定による)であった。GPC(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー)測定から生成樹脂は単分
散であり、数平均分子量(Mn)は8,700、分子量
分布(Mw/Mn)は1.27であった。
時間撹拌した。ついで123℃で8時間撹拌した。得ら
れた反応溶液は反応率99%以上(プロトンNMR測定
でモノマーの存在が確認できない)、GPC(ゲルパ−
ミエ−ションクロマトグラフィ−)測定から生成樹脂の
数平均分子量(Mn)は12,000、分子量分布(M
w/Mn)は2.7であった。
時間撹拌した。ついで123℃で8時間撹拌した。得ら
れた反応溶液は反応率99%以上(プロトンNMR測定
でモノマーの存在が確認できない)、GPC(ゲルパ−
ミエ−ションクロマトグラフィ−)測定から生成樹脂の
数平均分子量(Mn)は15,000、分子量分布(M
w/Mn)は2.9であった。
Claims (7)
- 【請求項1】 スチレン系モノマー又はスチレン系モノ
マーと他のコモノマーをラジカル重合法により重合又は
共重合することにより分子量分布の狭いスチレン系重合
体を製造する方法において、該重合又は共重合をフリー
ラジカル化合物、ラジカル重合開始剤およびりん化合物
からなる触媒系の存在下に行なうことを特徴とする方
法。 - 【請求項2】 りん化合物が3価のりんを含有する有機
りん化合物である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 3価のりん化合物がホスフィン類、亜り
ん酸エステル類およびホスホラスアミド類から選ばれる
請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 3価のりんを含有する有機りん化合物が
亜りん酸エステル類である請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 りん化合物が5価のりんを含有する有機
りん化合物である請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が2より小さいスチレン系
重合体を製造する請求項1〜5のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項7】 数平均分子量が500〜200,000
の範囲内にあるスチレン系重合体を製造する請求項1〜
5のいずれかに記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02623696A JP3693402B2 (ja) | 1995-01-24 | 1996-01-22 | 分子量分布の狭いスチレン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2723095 | 1995-01-24 | ||
JP7-27230 | 1995-01-24 | ||
JP02623696A JP3693402B2 (ja) | 1995-01-24 | 1996-01-22 | 分子量分布の狭いスチレン系重合体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08259615A true JPH08259615A (ja) | 1996-10-08 |
JP3693402B2 JP3693402B2 (ja) | 2005-09-07 |
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ID=26363977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02623696A Expired - Fee Related JP3693402B2 (ja) | 1995-01-24 | 1996-01-22 | 分子量分布の狭いスチレン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3693402B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6031066A (en) * | 1998-02-09 | 2000-02-29 | Dainippon Ink And Chemicals, Inc. | Process for producing α, β-unsaturated carboxylic acid ester polymer |
JP2002251009A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Daicel Chem Ind Ltd | フォトレジスト用重合性不飽和化合物 |
JP2005330395A (ja) * | 2004-05-20 | 2005-12-02 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改質セルロースおよびその共重合体 |
WO2010131628A1 (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Agcセイミケミカル株式会社 | 単分散性クロロメチルスチレン重合体およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-01-22 JP JP02623696A patent/JP3693402B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6031066A (en) * | 1998-02-09 | 2000-02-29 | Dainippon Ink And Chemicals, Inc. | Process for producing α, β-unsaturated carboxylic acid ester polymer |
JP2002251009A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Daicel Chem Ind Ltd | フォトレジスト用重合性不飽和化合物 |
JP2005330395A (ja) * | 2004-05-20 | 2005-12-02 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改質セルロースおよびその共重合体 |
WO2010131628A1 (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Agcセイミケミカル株式会社 | 単分散性クロロメチルスチレン重合体およびその製造方法 |
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