JPH08259508A - 1−アルキルアミノアントラキノン誘導体の製法 - Google Patents

1−アルキルアミノアントラキノン誘導体の製法

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JPH08259508A
JPH08259508A JP6565195A JP6565195A JPH08259508A JP H08259508 A JPH08259508 A JP H08259508A JP 6565195 A JP6565195 A JP 6565195A JP 6565195 A JP6565195 A JP 6565195A JP H08259508 A JPH08259508 A JP H08259508A
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武彦 島村
Masumi Nishihara
益實 西原
Naoto Ito
尚登 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1−ハロゲノアントラキノンと脱酸剤、およ
び一般式(1) で表されるアミン類を反応させることを特徴とする一般
式(2) で示される1−アルキルアミノアントラキノン誘導体の
製法。 【効果】各種染顏料及びその中間体として有用な1−ア
ルキルアミノアントラキノン誘導体を、高純度、高収率
で、かつ工業的に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1−アルキルアミノアン
トラキノン誘導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】1−ア
ルキルアミノアントラキノン誘導体は、各種染顔料およ
びその中間体として有用な化合物である。
【0003】従来、1−アルキルアミノアントラキノン
誘導体の工業的製造法としては、例えば、1−ニトロア
ントラキノンを対応するアミン類と反応させる方法(ド
イツ特許第3115548号、同2622838号等)
が知られているが、反応中に副生する硝酸ガスが爆発性
を有するため、製造上危険を伴う等の問題がある。
【0004】また、1−クロロアントラキノンを原料と
して使用する方法としては、酢酸銅触媒存在下、ピリジ
ン溶媒中、アミン類と反応させる方法(米国特許第24
59149等)が知られている。
【0005】しかしながら、この方法では溶媒を用いる
ため濾液からの回収操作が複雑となり、かつ溶媒のため
に排水の化学的酸素要求量(COD)、生化学的酸素要
求量(BOD)負荷が増す等の問題がある。また、触媒
として銅あるいは銅の塩を用いることは、反応後に反応
生成物、排水からの脱銅処理が環境維持のため必要とな
り、経済的にあまり有利ではない。
【0006】加えてこれら公知の方法は、目的とする1
−アルキルアミノアントラキノン誘導体の純度、および
収率の両方を同時に満足させるものではなく、必ずしも
好ましい方法とは言い難かった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1−ハロ
ゲノアントラキノンを出発原料とした1−アルキルアミ
ノアントラキノン誘導体の製造法について鋭意検討した
結果、脱酸剤の存在下にアミン類と反応させることによ
り、高選択率、高収率で1−アルキルアミノアントラキ
ノン誘導体を生成することを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち本発明は、1−ハロゲノアントラ
キノンと脱酸剤、および一般式(1)(化3)
【0009】
【化3】 (式中、R1、R2は独立に水素原子またはハロゲン原
子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基または
ジアルキルアミノ基で置換されてもよい直鎖、分岐また
は環状のアルキル基、またはベンジル基、フェネチル
基、アリル基を示す。但し、同時に水素原子であること
はない。)で表されるアミン類を反応させることを特徴
とする一般式(2)(化4)
【0010】
【化4】 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表す。)で示
される1−アルキルアミノアントラキノン誘導体の製法
である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
特徴は、第1に反応がほぼ定量的に進行することであ
る。そのため、原料および副反応生成物に起因する不純
物が僅かであり、反応液をそのまま、あるいは水に排出
した後に濾過を行なっても、高収率で高純度の生成物を
得ることが可能である。
【0012】第2に、反応系に溶媒を必要としないこと
である。そのため、反応後の単離、精製において溶媒の
除去等、煩雑な操作を必要としない。また、目的化合物
は水に難溶であるため、排水の化学的酸素要求量(CO
D)値、生化学的酸素要求量(BOD)値は、溶媒を用
いる場合と比較して取るに足りないものとなる。
【0013】また、本発明方法は、反応系に水を含有し
ても反応が同様に進むことも、特徴である。このため、
反応終了後の液を水に排出した後、過剰のアミンを回
収、再利用する際も、精密な蒸留設備は不要となり、工
業的に実施するにあたって有利である。
【0014】本発明方法の出発原料である1−ハロゲノ
アントラキノンとしては、例として1−クロロアントラ
キノン、1−ブロモアントラキノン、1−ヨードアント
ラキノン等が挙げられ、いずれも使用できる。その中で
も、入手の容易さから1−クロロアントラキノンが最も
工業的に好ましい。
【0015】一般式(1)の置換基R1、R2は、直鎖、
分岐または環状のアルキル基、またはハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、もしくはジ
アルキルアミノ基で置換されたアルキル基、またはベン
ジル基、フェネチル基、アリル基等であり、例としてメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ク
ロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエ
チル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピ
ル基、フェノキシエチル基、3−iso−プロポキシプ
ロピル基、2−ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノプ
ロピル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0016】本発明方法において用いるアミン類の量
は、原料の1−ハロゲノアントラキノン1モルに対し通
常2〜20倍モル、好ましくは5〜15倍モルである。
【0017】反応系中には水が含まれていてもよく、そ
の重量比はアミン類に対し、通常2倍以下、好ましくは
1.5倍以下、更に好ましくは0.5倍以下である。
【0018】反応温度は通常50〜200℃、好ましく
は90〜160℃である。反応はアミンの沸点、含水率
により常圧下及び、または加圧下で行なうことができ
る。
【0019】本発明方法における脱酸剤とは、1−ハロ
ゲノアントラキノンとアミン類との反応において副成す
るハロゲン化水素酸を中和し、系中から除去することの
できるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の弱酸と
の塩、またはアルカリ土類金属の酸化物のことをいう。
例として、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、プロピオン
酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム等が挙げられ、その中で酢酸カ
リウムは反応を完結させる上で特に効果が高い。
【0020】脱酸剤の使用量は1−ハロゲノアントラキ
ノン1モルに対し通常0.3〜3倍モル、好ましくは
0.7〜1.5倍モルである。
【0021】
【実施例】以下、実施例にて本発明を更に詳しく説明す
る。尚、実施例中の部は重量部を示す。 実施例1 1−クロロアントラキノン70部、酢酸カリウム31
部、40%メチルアミン水溶液300部をオートクレー
ブ中、130℃で10時間反応させた。反応終了後、メ
チルアミンを留去して懸濁液を濾過、洗浄、乾燥し、1
−メチルアミノアントラキノン68部を得た。純度換算
収率95.8%であった。
【0022】実施例2 1−クロロアントラキノン37部、酢酸カリウム18
部、イソプロピルアミン120部をオートクレーブ中、
130℃で5時間反応させた。反応終了後、30℃以下
に冷却して水300部に排出する。イソプロピルアミン
を留去して懸濁液を濾過、洗浄、乾燥し、1−イソプロ
ピルアミノアントラキノン38部を得た。純度換算収率
92.0%であった。
【0023】実施例3 1−クロロアントラキノン37部、酢酸カリウム20
部、イソプロピルアミン120部と水230部をオート
クレーブに仕込み、130℃で6時間反応させた。反応
終了後、実施例1と同様に処理し、1−イソプロピルア
ミノアントラキノン37.8部を得た。純度換算収率9
1.6%であった。
【0024】実施例4 1−クロロアントラキノン37部、酢酸カリウム18
部、ジエチルアミン160部を100℃で8時間反応さ
せた。反応終了後、50℃に冷却して水300部に排出
する。ジエチルアミンを留去して懸濁液を濾過、洗浄、
乾燥し、1−ジエチルアミノアントラキノン42部を得
た。純度換算収率91.8%であった。
【0025】実施例5 1−クロロアントラキノン40部、酢酸カリウム20
部、2−ヒドロキシエチルアミン200部を140℃で
8時間反応させた。反応終了後、50℃に冷却して水2
000部に排出する。懸濁液を濾過、洗浄、乾燥し、1
−(2−ヒドロキシエチルアミノ)アントラキノン37
部を得た。純度換算収率90.0%であった。
【0026】実施例6〜12 実施例5において、2−ヒドロキシエチルアミンのかわ
りに表1に示すアルキルアミン類を使用して同様に反応
を行なった結果、いずれも、高収率で高純度の対応する
アルキルアミノアントラキノン化合物を得た。
【0027】
【表1】
【0028】実施例13〜18 以下、実施例1と同様にして、種々の脱酸剤を添加し
て、1−メチルアミノアントラキノンを合成した。その
反応条件および結果を表2に示す。表2に示した条件以
外は全て実施例1に等しい。
【0029】
【表2】
【0030】比較例1 1−クロロアントラキノン122部、25%メチルアミ
ン水溶液148部、および酢酸銅1部をピリジン500
部に加え、オートクレーブ中、130℃で6時間反応さ
せた。反応終了後、室温まで冷却し、水2000部に排
出した。濾過、洗浄、乾燥を行ない1−メチルアミノア
ントラキノン109部を得た。純度換算収率は81.8
%であった。
【0031】比較例2 脱酸剤を添加しないこと以外は実施例1と同様に行なっ
たところ、1−メチルアミノアントラキノン66部を得
た。純度換算収率74.1%であった。
【0032】比較例3 酢酸カリウムの代わりに水酸化カリウムを加えること以
外は、実施例1と同様に反応を行なったところ、1−メ
チルアミノアントラキノン56部を得た。純度換算収率
41.0%であった。
【0033】
【発明の効果】本発明方法を用いれば、各種染顏料及び
その中間体として有用な1−アルキルアミノアントラキ
ノン誘導体を、高純度、高収率で、かつ工業的に有利に
製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1−ハロゲノアントラキノンと脱酸剤、
    および一般式(1)(化1) 【化1】 (式中、R1、R2は独立に水素原子またはハロゲン原
    子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基または
    ジアルキルアミノ基で置換されてもよい直鎖、分岐また
    は環状のアルキル基、またはベンジル基、フェネチル
    基、アリル基を示す。但し、同時に水素原子であること
    はない。)で表されるアミン類を反応させることを特徴
    とする一般式(2)(化2) 【化2】 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表す。)で示
    される1−アルキルアミノアントラキノン誘導体の製
    法。
  2. 【請求項2】 1−ハロゲノアントラキノンが1−クロ
    ロアントラキノンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 脱酸剤が酢酸カリウム、酢酸ナトリウ
    ム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、
    炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、
    炭酸水素カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネウム、
    酸化マグネシウム、酸化カルシウムの一種または二種以
    上から選ばれる化合物である請求項1または請求項2記
    載の方法。
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