JPH08258941A - ベルトコンベヤのスカート構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルトの上下変位に追従でき、搬送物の漏れ
の低減を図ったベルトコンベヤのスカート構造を提供す
る。 【構成】 コンベヤベルトにばら物を供給するシュート
出口部の左右両側に、コンベヤベルト１の長手方向に沿
って形成されたスカート板２をそれぞれ設け、両スカー
ト板２の外側面に、板状に形成されたスカートゴム４を
取り付けて、両スカートゴム４の下端部４ａをコンベヤ
ベルト１の表面に当接させたベルトコンベヤのスカート
構造において、上記両スカートゴム４のコンベヤベルト
巾方向外方に、スカートゴム４より薄く形成されたシー
ルゴム５をそれぞれ垂らすように配置し、それらシール
ゴム５の下端部５ａをコンベヤベルト中央側に曲げてコ
ンベヤベルト１の表面に弛ませた状態で接触させて構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上流側コンベヤから下
流側コンベヤへの乗継部に設けられるベルトコンベヤの
スカート構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に示すように、上流側コンベヤａか
ら下流側コンベヤｂへの乗継部ｃにはシュートｄが設け
られており、このシュート出口部ｅの左右両側には、上
流側コンベヤａの荷（ばら物）を下流側のコンベヤｂに
零さないように乗せるためのスカートｆが設けられてい
る。

【０００３】スカートｆは、図６および図７に示すよう
に、シュート出口部ｅの左右両側にフランジｇを介して
接続されるスカート板ｈと、両スカート板ｈの外側面に
下方に突出させて取り付けられたスカートゴムｉとから
構成されている。両スカートゴムｉは、鉛直に垂下され
ており、その下端部がコンベヤベルトｊの表面に接触さ
れている。

【０００４】上記両スカートゴムｉは、その外側に配置
されたアングル材ｋによってスカート板ｈとの間に挟持
されている。アングル材ｋは、押圧ブラケットｌによっ
てスカート板ｈ側に押し付けられている。押圧ブラケッ
トｌは、スカート板ｈに溶接された支持ブラケットｍの
穴に挿入されるクサビピンｎによって内方に付勢されて
いる。

【０００５】上記スカート板ｈおよびスカートゴムｉ
は、それぞれコンベヤの長手方向に沿って所定の長さＬ
に形成されている。この長さは、搬送物（ばら物）がベ
ルト上に安定するまでの長さがあればよい。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
スカート構造にあっては、スカートゴムｉの下端部によ
ってシールしているため、図８に示すようにシュートｄ
からの荷の落下衝撃によってインパクトローラｏの無い
部分のベルトｊが下がると、スカートゴムｉ下端部とベ
ルトｊとの間に隙間ｐができ、シール性が悪化する。

【０００７】このため、上記隙間ｐから搬送物たる石炭
の粉粒が漏れ、コンベヤ廻りが石炭の粉塵によって汚れ
てしまい、作業環境が悪化していた。また、漏れを防ぐ
ためにスカートゴムｉをコンベヤベルトｊに強く押し付
けていたため、スカートゴムｊの摩耗が早かった。

【０００８】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、ベルトの上下変位に追従でき、搬送物の漏れの
低減を図ったベルトコンベヤのスカート構造を提供する
ことにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、コンベヤベルトにばら物を供給するシュー
ト出口部の左右両側に、コンベヤベルトの長手方向に沿
って形成されたスカート板をそれぞれ設け、両スカート
板の外側面に、板状に形成されたスカートゴムを取り付
けて、両スカートゴムの下端部をコンベヤベルトの表面
に当接させたベルトコンベヤのスカート構造において、
上記両スカートゴムのコンベヤベルト巾方向外方に、ス
カートゴムより薄く形成されたシールゴムをそれぞれ垂
らすように配置し、それらシールゴムの下端部をコンベ
ヤベルト中央側に曲げてコンベヤベルトの表面に弛ませ
た状態で接触させて構成されている。

【００１０】また、上記両シールゴムのコンベヤベルト
下流側の端部が、両スカートゴムのコンベヤベルト下流
側の端部よりも長く形成されると共に、コンベヤベルト
の中央側に向くように屈曲されていてもよい。

【００１１】

【作用】上記構成によれば、コンベヤベルトの上下変異
等に起因して、スカートゴム下端部とコンベヤベルト表
面との間からばら物が漏れると、漏れたばら物は、スカ
ートゴムの外側に垂らすように配置されたシールゴムに
よってシールされる。詳しくは、シールゴムは、薄手に
形成されており、その下端部がコンベヤ中央側に曲げら
れてコンベヤベルト表面の弛ませた状態で接触されてい
るため、コンベヤベルトの上下変位に追従してシールす
る。

【００１２】また、上記両シールゴムのコンベヤベルト
下流側の端部を、両スカートゴムのコンベヤベルト下流
側の端部よりも長く形成すると共に、コンベヤベルトの
幅方向中央側に向くように屈曲させれば、スカートゴム
下端部からその外方に漏れたばら物は、スカートゴムと
シールゴムとの間を通って搬送され、最終的にコンベヤ
ベルトの中央側に向くように屈曲されたシールゴムによ
ってコンベヤベルトの中央に戻される。

【００１３】

【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。

【００１４】図５に示すコンベヤｂにばら物（石炭等）
を供給するシュート出口部ｅの左右両側には、図１に示
すようにコンベヤベルト１の長手方向に沿って形成され
たスカート板２が、それぞれ鉛直に設けられている。図
１中、２５はキャリヤローラ（インパクトローラ）であ
る。

【００１５】これらのスカート板２は、その上端部にフ
ランジ３が一体的に形成されており、このフランジ３が
図５に示すシュート出口部ｅに形成されたフランジに、
ボルト等で締結されるようになっている。上記スカート
板２の長さは、搬送物Ｂ（ばら物）がベルト１上に安定
するまでの長さとなっている（図５参照）。

【００１６】両スカート板２の外側面には、板状に形成
されたスカートゴム４が鉛直に取り付けられている。ス
カートゴム４は、コンベヤベルト１の長手方向に沿って
成形されたある程度の厚さのゴム板からなり、その下端
部４ａがコンベヤベルト１に当接されても座屈しないよ
うな剛性を有している。

【００１７】上記両スカートゴム４のコンベヤ巾方向外
方には、スカートゴム４より薄く形成されたシールゴム
５がそれぞれ垂らすように配置されている。これらシー
ルゴム５は、その下端部５ａがコンベヤ中央側に曲げら
れて、コンベヤベルト１の表面に弛ませた状態で接触さ
れている。

【００１８】これらシールゴム５およびスカートゴム４
の詳細を図３および図４に示す。図示するように、スカ
ート板２の外側面２ａには、外方に水平に突き出された
支持ブラケット６が、コンベヤベルト１の長手方向に所
定の間隔を隔てて溶接されて取り付けられている（図７
参照）。

【００１９】各支持ブラケット６には、スカートゴム４
を押圧保持する押圧ブラケット７が挿通され、その外側
にシールゴム５が取り付けられた支持板８が挿通され
る。これら押圧ブラケット７および支持板８は、支持ブ
ラケット６に形成された穴９に挿入されるクサビピン１
０によって、支点７ａを中心としてコンベヤベルト１の
内方に付勢力が与えられる。クサビピン１０は、上記ス
カートゴム４およびシールゴム５の双方を保持固定する
固定具である。

【００２０】スカートゴム４は、クサビピン１０の付勢
力によって押圧ブラケット７とスカート板２との間にア
ングル材１１を介して挟持固定され、その下端部４ａが
コンベヤベルト１の表面に当接される。他方、シールゴ
ム５は、クサビピン１０の付勢力によって固定された支
持板８にボルト１２等で取り付けられて垂れ下げられて
おり、その下端部５ａがコンベヤ中央側に曲げられ、コ
ンベヤベルト１の表面に弛ませた状態で接触されてい
る。

【００２１】上記押圧ブラケット７は、Ｌ字型に折り曲
げられた長方形状の板材に、支持ブラケット６の挿通穴
１３を穿孔して構成されている。支持板８は、コンベヤ
ベルト１の長手方向に沿って成形された板材をＬ字型に
折り曲げ、その側面に支持ブラケット６の挿通穴１４を
穿孔して構成されている。アングル材１１は、コンベヤ
ベルト１の長手方向に沿ったＬ型材からなり、スカート
ゴム４と同様の長さに形成されている。

【００２２】図２に示すように、上記両シールゴム５の
コンベヤベルト下流側の端部５ｂは、両スカートゴム４
のコンベヤベルト下流側の端部４ｂよりも長く形成され
ており、さらにコンベヤベルト１の中央側に向くように
屈曲成形されている。

【００２３】以上の構成からなる本実施例の作用につい
て述べる。

【００２４】図５に示すシュートｄに投入されたばら物
Ｂによって、図８に示すようにインパクトローラｏ間の
ベルトに弛みが生じることがある。すると、図１に示す
本実施れに係るスカート構造においては、スカートゴム
４の下端部４ａとコンベヤベルト１の表面との間に隙間
が生じ、そこから内部の搬送物（ばら物である石炭）の
粉粒が外方に漏れる。

【００２５】しかし、この漏れた石炭粉粒は、スカート
ゴム４の外側に配置されたシールゴム５によってシール
される。シールゴム５は、スカートゴム４よりも薄く形
成されて垂れ下げられており、その下端部５ａが弛んだ
状態でコンベヤベルト１の表面に接触されているため、
コンベヤベルト１が上下に変位しても、シールゴム５自
体の自重によってベルト１の昇降に追従してシールを行
うのである。

【００２６】上記シールゴム５の下端部５ａは、コンベ
ヤベルト１の傾斜に沿って内方に向けて沿わされている
ため、一層シール性が向上している。すなわち、コンベ
ヤベルト１が上下に変位すると、シールゴム５はその下
端部５ａのコンベヤベルト１の傾斜に沿わされている部
分の自重によって、コンベヤベルト１の上下の変位に追
従するのである。また、シールゴム５は、薄手に形成さ
れて垂れ下げられているため、図８に示すコンベヤベル
ト１の変位に倣うようにしなやかに追従するのである。

【００２７】この結果、シュートｄに投入された石炭の
粉粒は、スカートゴム４ａの下端部４ａとコンベヤベル
ト１の表面との間の隙間からは漏れるものの、その外方
に二重に配置されたシールゴム５によってシールされ、
装置の外部に漏れることはない。よって、コンベヤ乗継
部近傍の清掃作業が減少し、作業環境も向上する。

【００２８】また、図２に矢印２０示すように、スカー
トゴム４の下端部４ａとコンベヤベルト１の表面との隙
間から漏れた石炭粉粒は、スカートゴム４とシールゴム
５との間２１を通って搬送され、シールゴム５のコンベ
ヤベルト下流側の端部５ｂに形成された屈曲部により偏
向され、コンベヤベルト１の中央側に戻される。すなわ
ち、スカートゴム４とシールゴム５との間２１の部分
が、漏れた石炭粉粒の還流路となっている。

【００２９】このように、スカートゴム下端部４ａから
の漏れをある程度許容できるので、スカートゴム４をコ
ンベヤベルト１に軽く押し付けていれば足りる。よっ
て、スカートゴム４の摩耗が低減し、メンテナンス間隔
が延びる。これに対し、図６に示す従来のものでは、漏
れ防止のためにスカートゴムｉをコンベヤベルトｊに強
く押し付ける必要があったため、スカートゴムｉの摩耗
が早く、ある程度磨り減ると、その都度クサビピンｎを
緩めてスカートゴムｉの取付位置を下げるという煩雑な
調整が必要であった。

【００３０】また、本実施例に係るシールゴム５は、薄
手に形成されているため、作業者が容易に手で捲り上げ
ることができる。よって、その内側に隠れているシール
ゴム４の点検を容易に行うことができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るベルト
コンベヤのスカート構造によれば、コンベヤベルトの上
下変位に追従でき、搬送物の漏れの低減を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すベルトコンベヤのスカ
ート構造の断面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の要部拡大図である。

【図４】図３の各構成部品の組立図である。

【図５】下流側コンベヤと上流側コンベヤとの側面を示
す図である。

【図６】図５の VI-VI線断面図である。

【図７】図６の VII-VII線矢視図である。

【図８】荷（ばら物）の落下衝撃によってローラの無い
部分のベルトが下がる様子を表した図である。

【符号の説明】

１ コンベヤベルト ２ スカート板 ２ａ 外側面 ４ スカートゴム ４ａ 下端部 ４ｂ 下流側端部 ５ シールゴム ５ａ 下端部 ５ｂ 下流側端部 ｄ シュート ｅ 出口部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンベヤベルトにばら物を供給するシュ
   ート出口部の左右両側に、コンベヤベルトの長手方向に
   沿って形成されたスカート板をそれぞれ設け、両スカー
   ト板の外側面に、板状に形成されたスカートゴムを取り
   付けて、両スカートゴムの下端部をコンベヤベルトの表
   面に当接させたベルトコンベヤのスカート構造におい
   て、上記両スカートゴムのコンベヤベルト巾方向外方
   に、スカートゴムより薄く形成されたシールゴムをそれ
   ぞれ垂らすように配置し、それらシールゴムの下端部を
   コンベヤベルト中央側に曲げてコンベヤベルトの表面に
   弛ませた状態で接触させたことを特徴とするベルトコン
   ベヤのスカート構造。
2. 【請求項２】 上記両シールゴムのコンベヤベルト下流
   側の端部が、両スカートゴムのコンベヤベルト下流側の
   端部よりも長く形成されると共に、コンベヤベルトの中
   央側に向くように屈曲された請求項１記載のベルトコン
   ベヤのスカート構造。