JPH08258338A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字装置において、印刷余白を少なくする。 【構成】 パルスモータと印字ヘッドと前記パルスモー
タの加速及び減速を検知する手段と前記印字ヘッドに通
電パルスを加える第１の印加パルス手段とを具備する印
字装置において、前記検知手段によりパルスモータの加
速又は減速が検知された場合にのみ前記印字ヘッドに通
電パルスを印加する第２の印加パルス手段を追加した構
成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印字装置に関し、印刷余
白を可能な限り少なくするインパクト記録方式の印字装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平１−１２３７６３号公報には、熱
転写型記録方式では、ヘッドをプラテンに押し当て、パ
ルスモータの駆動力ををベルトを介して伝達させながら
キャリッジを移動させ、パルスモータの回転周波数が一
定速に達する加速中にサーマルヘッドに対して、一定の
通電幅を印加して印刷を行っていた。また、一行の印刷
終了はキャリッジを停止させるためにモータの減速を開
始する直前で行っていた内容が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】パルスモータが一定速
に至った後印刷を開始する場合には、一定速になるまで
の絶対移動が左余白として残る。また、パルスモータを
減速する直前で印刷を終了する場合には、減速開始から
停止するまでの絶対移動量が余白として残るため、印刷
領域を拡大する事が困難であるという問題がある。更
に、異なる印字サイクルに対応した最適通電パルス幅を
選択していないために、パターンによって濃度低下が発
生するという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の印字装置
は、パルスモータと印字ヘッドと前記パルスモータの加
速及び減速を検知する手段と、前記印字ヘッドに通電パ
ルスを加える第１の印加パルス手段とを具備する印字装
置において、前記検知手段によりパルスモータの加速又
は減速が検知された場合にのみ、前記印字ヘッドに通電
パルスを印加する第２の印加パルス手段を有することを
特徴とする印字装置である。

【０００５】請求項２記載の印字装置は、前記印加パル
ス手段は、パルスモータが一定速度になるまでの加速中
に対応した通電パルス幅テーブルと該テーブルに応じて
前記印字ヘッドの通電パルス幅を可変させる手段とを有
することを特徴とする請求項１記載の印字装置である。

【０００６】請求項３記載の印字装置は、前記印加パル
ス手段は、パルスモータが停止するまでの減速中に対応
した通電パルス幅テーブルと該テーブルに応じて前記印
字ヘッドの通電パルス幅を可変させる手段とを有するこ
とを特徴とする請求項１記載の印字装置である。

【０００７】

【作用】請求項１記載の構成によれば、モータが加速開
始後、一定速に至るまで、又は一定速から減速開始後停
止に至るまでの間に印刷を行うことにより、従来は無印
刷部分であった領域が印刷可能領域となり、印刷用紙に
対する余白の改善を実現できることになる。

【０００８】請求項２記載の構成によれば、加速中の印
字サイクルに対応して、最適通電パルス幅を印加するこ
とで均一な印刷濃度を達成することができる。

【０００９】請求項３記載の構成によれば、減速中の印
字サイクルに対応して、最適通電パルス幅を印加するこ
とで均一な印刷濃度を達成することができる。

【００１０】

【実施例】本発明を適用したシリアルサーマルプリンタ
を示す図１において、サーマルヘッド１１はキャリッジ
１２によって水平方向に往復運動され、記録紙はローラ
１３によって縦方向に搬送される。熱転写用のインクリ
ボンは、周知のリボンカセット１４で供給される。リボ
ンカセット１４はサーマルヘッド１１の後方に配置さ
れ、インクリボンは記録紙とサーマルヘッド１１の間に
通される。

【００１１】印刷時には、インクリボンがサーマルヘッ
ド１１によって背後から記録紙に密着される共にリボン
カセット１４がサーマルヘッド１１と一緒に、キャリッ
ジ駆動用パルスモータ１５が回転するとベルト１６を介
して接続されるキャリッジ１２によって水平方向に移動
される。サーマルヘッド１１は、インクリボンの背後を
加熱し、熔融したインクを記録紙に転写される。

【００１２】図２は、サーマルプリンタの駆動回路であ
る。

【００１３】２１は、キャリッジモータ２２とともに駆
動手段を構成しキャリッジモータ２２を駆動するモータ
ドライバー回路、２３は、サーマルヘッド２４とともに
駆動手段を構成し、サーマルヘッド２４を駆動するヘッ
ドドライバー回路、２５はモータドライバー回路２１、
ヘッドドライバー回路２３の作動を制御してキャリッジ
モータ２２、サーマルヘッド２４を駆動するＣＰＵ、２
６はプリンタ作動用プログラム、モータタイミングテー
ブル及びヘッド通電パルステーブルを格納したＲＯＭ２
７はプリンタ作動時に作動用のデータを一時的に退避す
るＲＡＭであり、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭが制御手段を
構成する。

【００１４】表１にモータの加速タイミングテーブル及
び通電テーブル、表２にモータの減速タイミングテーブ
ル及び通電テーブル、表３にモータの加速タイミングテ
ーブル及び可変通電テーブル表４にモータの減速タイミ
ングテーブル及び可変通電テーブルを示す。

【００１５】表１、表２は従来方式のタイミングテーブ
ルであり、表３、表４は本発明に基づく新規のタイミン
グテーブルである。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【表２】

【００１８】

【表３】

【００１９】

【表４】

【００２０】図３のフローチャートにおいて、モータが
定速かどうか判断し（Ｓ３０１）、定速中ならば印刷デ
ータをセットし（Ｓ３０２）、通電幅をセット（Ｓ３０
３）した後、モータの相切り替え（Ｓ３０４）を行いモ
ータのタイミングテーブルの数値をセット（Ｓ３０５）
する。

【００２１】モータが定速でなければ、次に加速中かど
うか判断し（Ｓ３０６）、加速中ならば印字開始ポイン
トに達しているかどうか判断し（Ｓ３０７）、達してい
るならば、（Ｓ３０２）以下の処理に進み達していなけ
れば、（Ｓ３０４）以下の処理に進む。モータが加速中
でなければ、さらに減速中かどうか判断し（Ｓ３０
８）、減速中ならば印字終了ポイントに達しているかど
うか判断し（Ｓ３０９）、達していなければ（Ｓ３０
２）以下の処理に進み、達していれば（Ｓ３０４）以下
の処理に進む。減速中でなければ、停止処理（Ｓ３１
０）を行う。

【００２２】このように、定速中か、加速中か、減速中
かさらに印字開始ポイントか印字終了ポイントを判断
し、それに対応して、タイミングテーブルを選択するこ
とにより、所望の印字制御を実現することができる。以
上の方法によって、加速中、減速中の印刷方法は達成さ
れる。

【００２３】次に、加速中、減速中に通電パルス幅を可
変する必要性について示す。図４は、サーマルヘッドの
熱応答性を示している。図４Ａでは、定速中の熱特性を
表し、印刷サイクルＴ毎に、ｔのヘッド通電時間を与え
ることで、ヘッドの表面温度は一定に保たれている。

【００２４】図４Ｂでは、加速中に一定のヘッド通電時
間を与えた場合のサーマルヘッドの熱応答性を示してい
る。印刷サイクルは、Ｔ・、Ｔ・、Ｔ・・・と徐々に短
くなり、最終的にはＴになる。この時にｔのヘッド通電
時間で固定すると、ピーク温度に達した後の冷却時間が
長いために、所望のヘッドの表面温度が達せられないこ
とになる。

【００２５】図４Ｃでは、加速中にヘッド通電時間を可
変した場合のサーマルヘッドの熱特性を示している。印
刷サイクルは、Ｔ・、Ｔ・、Ｔ・・・と徐々に短くなり
最終的にはＴとなり、ヘッド通電時間は、ｔ・、ｔ・、
ｔ・・・と徐々に短くなり、最終的にはｔとなる。

【００２６】この様に、その印刷サイクルに適したヘッ
ド通電時間を設定することにより、定速中の図４Ａと同
等の熱特性を示すことになり、均一な濃度が得られるこ
とになる。又、減速中のタイミングについては、印刷サ
イクル、ヘッド通電時間は徐々に長く与えることにな
る。

【００２７】以上により、これまで加速距離、減速距離
はそれぞれ約８ｍｍ必要としていたが、本制御手段を用
いれば、最大で約１６ｍｍ即ち左右余白０ｍｍを実現す
ることが可能であった。さらに、印刷品位において印刷
ムラ等の不具合が目立つような場合に、ヘッド通電時間
を可変して、最適条件を設定することで良好な印刷品位
がもたらされた。

【００２８】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、モータが
加速開始後、一定速に至るまで、又は一定速から減速開
始後停止に至るまでの間に印刷を行うことにより、従来
は無印刷部分であった領域が印刷可能領域となり、印刷
用紙に対する余白の改善を実現し、コストパフォーマン
スの優れた装置を提供できる。

【００２９】請求項２記載の発明によれば、加速中の印
字サイクルに対応して、最適通電パルス幅を印加するこ
とで均一な印刷濃度を達成することができ、印刷品位の
高い装置が提供できる。

【００３０】請求項３記載の発明によれば、減速中の印
字サイクルに対応して、最適通電パルス幅を印加するこ
とで均一な印刷濃度を達成することができ、印刷品位の
高い装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る印字装置の概略斜視図である。

【図２】本発明に係る印字装置のブロック図である。

【図３】本発明の印字装置の動作を示すフローチャート
である。

【図４】（Ａ）印字ヘッドの熱応答性を示す図である。 （Ｂ）印字ヘッドの熱応答性を示す図である。 （Ｃ）印字ヘッドの熱応答性を示す図である。

【符号の説明】

１１ サーマルヘッド １２ キャリッジ １３ ローラ １４ リボンカセット １５ パルスモータ １６ ベルト ２１ モータドライバー回路 ２２ キャリッジモータ ２３ ヘッドドライバー回路 ２４ サーマルヘッド ２５ ＣＰＵ ２６ ＲＯＭ ２７ ＲＡＭ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パルスモータと印字ヘッドと前記パルス
   モータの加速及び減速を検知する手段と、前記印字ヘッ
   ドに通電パルスを加える第１の印加パルス手段とを具備
   する印字装置において、前記検知手段によりパルスモー
   タの加速又は減速が検知された場合にのみ前記印字ヘッ
   ドに通電パルスを印字する第２の印加パルス手段を有す
   ることを特徴とする印字装置。
2. 【請求項２】 前記印加パルス手段は、パルスモータが
   一定速度になるまでの加速中に対応した通電パルス幅テ
   ーブルと該テーブルに応じて前記印字ヘッドの通電パル
   ス幅を可変させる手段とを有することを特徴とする請求
   項１記載の印字装置。
3. 【請求項３】 前記印加パルス手段は、パルスモータが
   停止するまでの減速中に対応した通電パルス幅テーブル
   と該テーブルに応じて前記印字ヘッドの通電パルス幅を
   可変させる手段とを有することを特徴とする請求項１記
   載の印字装置。