JPH0825797B2 - ジルコニア薄板焼結体の反り矯正法 - Google Patents

ジルコニア薄板焼結体の反り矯正法

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JPH0825797B2
JPH0825797B2 JP3059220A JP5922091A JPH0825797B2 JP H0825797 B2 JPH0825797 B2 JP H0825797B2 JP 3059220 A JP3059220 A JP 3059220A JP 5922091 A JP5922091 A JP 5922091A JP H0825797 B2 JPH0825797 B2 JP H0825797B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドクターブレード法な
どによって作製されるジルコニア薄板焼結体に発生する
焼結時の反りを矯正して平坦な薄板焼結体を作製するた
めの方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジルコニアセラミックスは、高硬度、高
強度、高靱性などの優れた機械特性を備え、また電気特
性、化学的安定性にも優れたセラミックス材料である。
従来よりこのジルコニアセラミックスは、使用目的に応
じた形状に焼結されあるいは焼結体を研磨加工して所望
形状に加工することにより、例えば各種硬質治具材料、
耐摩耗性部品、刃物等の研削工具などの各種機械部品
や、金属電極用基板、酸化物超電導用基板、電子部品用
基板などの各種基板材料あるいは固体電解質燃料電池の
隔壁材料などの広い分野で利用されてきている。
【0003】このようなジルコニアセラミックス成型品
の中でも、各種基板材料などに使用される薄板焼結体を
作製するには、ジルコニアを主体とし、イットリアなど
の安定化剤を含む材料とバインダー等のドクターブレー
ド法において必要な材料と溶剤とを混合し、ドクターブ
レード法によって所望の厚さのグリーンシートを作製
し、このグリーンシートを乾燥した後に焼成して薄板焼
結体を作製している。
【0004】ところで、基板材料などとして用いられる
ジルコニア薄板焼結体にあっては、反りのない極めて平
坦なものが要求される場合が多い。しかし、ドクターブ
レード法などによって薄板焼結体を作製する場合、グリ
ーンシートを焼成する際に反りを生じる場合が多い。そ
してこのような反りを矯正して平坦な薄板焼結体を得る
ための方法としては、一度焼成して得られた薄板焼結体
を、平坦な台座上に置いてその上に平坦面を有する荷重
体を載せ、荷重を加えながら少なくとも1回の再焼成処
理を行なって反りを矯正する方法、あるいは予め所望の
厚さ以上に焼結した厚板焼結体を平坦な薄板状に研磨す
る方法が行なわれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジルコ
ニア薄板焼結体における従来の反り矯正方法には次のよ
うな問題があった。すなわち、前者の再焼成を行なう方
法では、焼成処理が複数回必要となるために製造コスト
が増加し、製造キャパシティが低下するので得策でな
い。更に特性的にも再焼成は結晶粒の成長を促進させる
ため、ジルコニア薄板の特徴である靱性、強度が低下す
ることになる。また後者の厚板焼結体を研磨する方法に
おいても、予め加工代を見込んだ厚めの板材を用意しな
ければならず原料コストが増えるとともに、研磨工程に
多大の時間、労力を要するために製造コストがかさむ問
題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ドクターブレード法などによって作製されたジルコ
ニア薄板焼結体において焼成の際に生じる反りを矯正し
て平坦な薄板材を安価に得るための反り矯正法の提供を
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、反りのあ
るジルコニア薄板焼結体の凹面側に、硬質粒子を含む媒
体を吹き付けることにより、該媒体中の硬質粒子の衝突
によってジルコニア薄板焼結体中の結晶粒子を局部的に
変態(転移)せしめ、その体積変動により反りを矯正す
ることを特徴とするジルコニア薄板焼結体の反り矯正法
によって解消される。
【0008】
【作用】反りのあるジルコニア薄板焼結体の凹面側に、
硬質粒子を含む媒体を吹き付けることにより、ジルコニ
ア薄板焼結体中の正方晶系などの結晶構造を有する結晶
粒子が硬質粒子との衝突によって単斜晶系の結晶構造に
変態(転移)し、この結晶構造の変態(転移)に伴う体
積膨張によって、反りを打ち消す方向の応力が発生して
薄板焼結体の反りが矯正される。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明によ
る矯正法の対称物となるジルコニア薄板焼結体は、ジル
コニア(ZrO2)を主体とし、イットリア(Y
23),カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)な
どの安定化剤を1種あるいは2種以上を含む材料とバイ
ンダー等のドクターブレード法において必要な材料と溶
剤とを混合し、ドクターブレード装置によって所望の厚
さのグリーンシートを作製し、このグリーンシートを乾
燥した後に焼成して薄板焼結体を作製している。
【0010】ジルコニアの結晶構造は温度によって立方
晶、正方晶、単斜晶と変態し、高温状態においては立方
晶、それより低温では正方晶、更に低温では単斜晶とな
る。特に正方晶から単斜晶への変態(1150℃付近)
では比較的大きな体積膨張(7〜8%)を伴う。したが
ってジルコニア単独を焼結した焼結体は、冷却する過程
で前述した結晶構造の変態に伴う体積変化により崩れて
しまうことになる。一方、上記イットリア等の安定化剤
は、ジルコニアの高温側にある結晶構造(立方晶および
正方晶)の安定領域を低温側に延長させる効果があり、
常温でも立方晶あるいは立方晶と正方晶の結晶構造を保
つことができる。この安定化剤の添加量を多くし、主と
して立方晶の結晶構造を保っているものが安定化ジルコ
ニア(FSZ)であり、安定化剤の添加量を制限して立
方晶と正方晶が混在する結晶構造を保っているものが部
分安定化ジルコニア(PSZ)である。
【0011】ドクターブレード法により作製されるジル
コニア薄板焼結体の板厚は、一般に焼結後の板厚で0.
03mm〜1mm程度とされる。板厚が1mm以上にな
ると薄板と称せず、0.03mm以下になると機械的強
度が弱まって実用的でなく、本発明による矯正法を適用
させる材料として好ましくない。焼成後の板厚が0.0
3mm〜1mmとなるように厚さを設定し、作製された
グリーンシートを焼成すると、得られた焼結体に反りが
起こる場合が多い。この原因については、焼成前のグリ
ーンシートにおける粒子の分散が厚さ方向に不均一とな
ることや、焼成時の加熱温度の微妙な差によって結晶構
造の転移が不均一となるなどの様々な原因が考えられる
が、いずれにしても焼結体の内部に収縮や圧縮による応
力が作用し、一方の面側が凹面(他方が凸面)となるよ
うに反りが発生する。
【0012】本発明によるジルコニア薄板焼結体の反り
矯正法では、グリーンシートを焼成して得られた反りを
有するジルコニア薄板焼結体を材料とする。ジルコニア
薄板焼結体の材質としては、主として立方晶系の結晶構
造を有する安定化ジルコニアや、立方晶系と正方晶系が
混在した部分安定化ジルコニアが用いられる。そしてこ
のジルコニア薄板焼結体の反りを矯正するには、ジルコ
ニア薄板焼結体の凹面側に硬質粒子を含む媒体を吹き付
ける。
【0013】図1は、ジルコニア薄板焼結体1の凹面側
を上に向けて平滑な支持台2の上に固定し、硬質粒子を
含んだ媒体3を噴射装置のノズル4から高速で吹き付け
る工程を示すものである。
【0014】ジルコニア薄板焼結体に吹き付ける硬質粒
子を含む媒体としては、液体や気体(硬質粒子を空気な
どの気体で噴出する場合)を用いることができるが、好
ましくは研磨用に用いられる細かい研削剤などの硬質粒
子と水を混合した液、あるいはこれに適当な分散剤を添
加した液などが用いられる。この硬質粒子は、ジルコニ
ア薄板焼結体表面に高速で衝突させることによってその
表面の結晶構造を一部変態させるためのものであり、ジ
ルコニア薄板焼結体表面を研削する必要はない。従って
この硬質粒子はジルコニア焼結体よりも硬度が低くても
使用可能であり、例えばアルミナ粉末、珪石粉末、ガラ
スビーズ、金属炭化物粉末、金属窒化物粉末などの人造
研磨剤、ジルコニア粉末、鋼粒子(ショット)などの種
々の硬質粒子が使用可能である。またこの硬質粒子は数
ミリ〜数十ミクロンの粒径のものが好適である。硬質粒
子の粒径がこれよりも大きいと、衝突時の衝撃が大きく
なりすぎてジルコニア薄板焼結体に損傷を与えるおそれ
があり、また粒径があまり小さいとジルコニア薄板焼結
体の表面に吹き付けられた際の衝突エネルギーが小さく
なって結晶構造を変態させることができなくなるために
好ましくない。
【0015】硬質粒子を含む液体をジルコニア薄板焼結
体の凹面に吹き付けるための装置としては、塗装用など
として一般に使用される噴射ガン(スプレーガン)のよ
うに、噴射すべき液体を圧縮空気圧によって噴射する装
置が好適に用いられる。図2は本発明において好適に使
用される噴射装置の一例を示す図であって、この図中符
号5は噴射ガン、6は硬質粒子を含む液体(媒体3)の
供給部、7はエアコンプレッサによって所定圧力に加圧
された圧縮空気8の供給部である。この噴射ガンは、硬
質粒子を含む液体を吹き付ける際に液体噴射用ジェット
やノズル内で硬質粒子が目詰まりを起こさないようにこ
れらの孔径を設定する必要がある。
【0016】この噴射処理工程での噴射圧力は0.3〜
1.5kg/cm2程度とされ、更に好ましくは0.5
〜1.0kg/cm2とされる。この圧力が低いと硬質
粒子の衝突によってジルコニア薄板焼結体表面の結晶構
造を変態させることが充分に行なわれず、一方、噴射圧
力が大きすぎると硬質粒子の衝突によりジルコニア薄板
焼結体の結晶(立方晶、正方晶)が過剰に変態してしま
い、ジルコニア薄板焼結体自体の機械強度が悪化するた
めに好ましくない。
【0017】またこの噴射処理に要する時間は、硬質粒
子を含む媒体の噴射圧力や硬質粒子の粒径などを勘案し
て設定され、100メッシュ程度の硬質粒子を含む液体
を0.5kg/cm2程度の圧力で噴射する場合には3
0〜120秒間程度とするのが望ましい。この噴射時間
が短すぎるとジルコニア薄板焼結体の反り矯正効果が充
分に得られず、噴射時間をあまり長く設定しても反り矯
正が進行せずに表面が削られるなどの不都合がある。
【0018】以上の噴射処理によって、ジルコニア薄板
焼結体の凹面側表面では硬質粒子が衝突し、この衝突に
よってジルコニア薄板焼結体中の結晶粒子(立方晶や正
方晶)が局部的に変態する。この結晶構造の変態、すな
わち立方晶や正方晶が単斜晶系に変態する際には、7〜
8%の体積膨張を伴う。硬質粒子を含む液体を高速で噴
射したジルコニア薄板焼結体の凹面側では、硬質粒子が
衝突した結晶が局部的に単斜晶系に変態して体積が膨張
することにより、凹面側の表面近傍で膨張する方向の
力、すなわち反りを矯正する応力が生じる。これによっ
てジルコニア薄板焼結体の反りが大幅に矯正され、ほぼ
平坦な薄板焼結体が得られることになる。以下、実施例
により本発明の効果を明確にする。
【0019】
【実施例】市販のイットリア3mol%を含む高純度ジ
ルコニア粉末(PSZ作製用)と、イットリア8mol
%を含む高純度ジルコニア粉末(FSZ作製用)とを用
い、ジルコニア薄板焼結体を作製した。これらのジルコ
ニア原料粉末に結合剤、可塑剤および溶媒を加えてボー
ルミルで混合した。得られたスリップは真空脱泡機で脱
泡後、ドクターブレード装置により製膜し、さらに乾燥
させた。得られた乾燥成型体は焼結後に85mm×65
mmの大きさになるように切断した。これを電気炉で1
100℃1時間仮焼成し、さらに1450℃1時間焼成
することにより、85mm×65mm×0.2mmの薄
板焼結体を作製した。
【0020】得られた部分安定化ジルコニア(PSZ)
および安定化ジルコニア(FSZ)薄板焼結体には反り
が発生していた。この薄板焼結体の凹面側を上に向け対
角線に定規をあて、薄板焼結体の表面と定規の間隙に測
定器を差し込み、その目盛りによって間隙の大きさを測
り、反りの深さを測定した結果、PSZにあっては平均
330μm、FSZにあっては平均180μmであっ
た。
【0021】これらのジルコニア薄板焼結体のうちPS
Zを用いて本発明による矯正法を実施した。図1に示す
ようにジルコニア薄板焼結体の凹面側を上に向けて平滑
な支持台上に置き、図2に示す噴射ガンから硬質粒子を
含む液体を所定圧力で吹き付け、この噴射時間と反り矯
正度合を測定した。吹き付け条件は、硬質粒子として市
販の研磨材であるグリーンカーバイド(100メッシ
ュ)を用い、この研磨材と水とを容積比で水3対研磨材
1で混合して噴射用液体とした。噴射ガンはノズル内径
が直径8.3mm、ノズル内に挿入された噴射用液体の
ジェット内径が直径4.2mmのものを用い、噴射圧力
は0.5kg/cm2とした。
【0022】ジルコニア薄板焼結体の凹面側に噴射ガン
から噴射用液体を吹き付け、噴射処理30秒、60秒、
90秒、120秒処理し、これらの各試料の反り深さを
測定した。その結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示したように、上述した噴射処理条
件でジルコニア薄板焼結体(PSZ)に噴射用液体を吹
き付けることにより、反り深さが小さくなって反りが矯
正され、噴射処理を行なわない場合の反り深さが330
μmであるのに対し、噴射処理を120秒行なったもの
では、反り深さが10μm(薄板焼結体の対角線の長さ
に対する反り深さの百分率で表わすと0.01%以下で
ある)に矯正され、ほぼ平坦な薄板焼結体が得られた。
【0025】この反り矯正のメカニズムを確認するため
に、矯正前のジルコニア薄板焼結体と、吹き付け処理後
の各試料についてX線回折を行なって結晶構造を比較し
た。このX線回折の条件は、ターゲットが銅(Cu)、
アングル(2θ)が20°〜70°、スキャンスピード
が2°/min、ステップ/サンプリング0.02°、
フルスケール3000Cps、Cps/カウントが1と
した。各試料のX線回折結果を図3〜図8に示した。な
おこれらの各グラフにおいて、ピークの横に付された数
値はhklを表わし、また符号Cは立方晶(Cubi
c)、Tは正方晶(Tetragonal)、Mは単斜
晶(Monoclinic)をそれぞれ表わしている。
【0026】図3のグラフは、イットリアを8mol%
含む安定化ジルコニア(FSZ)薄板焼結体の矯正前の
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
この図から分かるように、イットリアを多く含むFSZ
薄板焼結体の結晶構造は、ほぼ完全な立方晶からなって
いる。
【0027】図4は、イットリアを3mol%含む部分
安定化ジルコニア(PSZ)薄板焼結体の矯正前の結晶
構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。この
図から分かるように、PSZでは、立方晶と正方晶の混
晶からなっている。この矯正前の試料では単斜晶の結晶
構造は見られない。
【0028】図5はPSZに、噴射圧力0.5kg/c
2、噴射処理時間30秒の矯正処理を行なったものの
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
先の図4の回折結果と大差ないが、図の左側に単斜晶
(M)を示すピークが現われている。実際のデータでは
前述したように反り深さが330μmから140μmに
減少した状態であり、反り矯正処理が所期段階であっ
て、更に平坦化することができる状態にある。
【0029】図6はPSZに、噴射圧力0.5kg/c
2、噴射処理時間150秒の矯正処理を行なったもの
の結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフであ
る。この試料では、図5の回折結果に比べてグラフ左側
の単斜晶ピークが大きくなり、その一方で立方晶および
正方晶の代表的なピーク(111C,111T)が減少
してきている。この結果からして、これ以上の吹き付け
処理はジルコニア薄板焼結体自体の機械特性を悪化させ
るおそれがあり、噴射圧力を0.5kg/cm2とした
ときの処理時間は150秒以内とするのが望ましい。
【0030】図7はPSZに、噴射圧力1.0kg/c
2、噴射処理時間30秒の矯正処理を行なったものの
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
また図8は同じくPSZに、噴射圧力2.0kg/cm
2、噴射処理時間30秒の矯正処理を行なったものの結
晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。こ
れらの図から分かるように、噴射圧力を1.0kg/c
2以上とすると、PSZ中の立方晶や正方晶が過剰に
壊されて単斜晶に変態してしまい、ジルコニアの靱性や
強度が損なわれるおそれがあることから、噴射圧力は1
kg/cm2未満とするのが望ましい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反りのあるジルコニア薄板焼結体の凹面側に硬質粒子を
含む媒体を吹き付けることにより、該液体中の硬質粒子
の衝突によってジルコニア薄板焼結体中の正方晶系ある
いは立方晶系の結晶構造を有する結晶粒子が硬質粒子と
の衝突によって単斜晶系の結晶構造に変態し、この結晶
構造の変態に伴う体積膨張によって反りを打ち消す方向
の応力が発生し、薄板焼結体の反りを矯正することがで
きるので、簡単かつ安価に平坦なジルコニア薄板焼結体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるジルコニア薄板焼結体の反り矯正
法を説明するためのもので、ジルコニア薄板焼結体に硬
質粒子を含む媒体を吹き付ける工程を示す概略側面図で
ある。
【図2】本発明において好適に使用される噴射装置の一
例を示す側面図である。
【図3】実施例において用いたイットリアを8mol%
含む安定化ジルコニア(FSZ)薄板焼結体の矯正前の
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
【図4】イットリアを3mol%含む部分安定化ジルコ
ニア(PSZ)薄板焼結体の矯正前の結晶構造を調べた
結果を示すX線回折のグラフである。
【図5】図4のPSZに、噴射圧力0.5kg/c
2、噴射処理時間30秒の矯正処理を行なったものの
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
【図6】同じくPSZに、噴射圧力0.5kg/c
2、噴射処理時間150秒の矯正処理を行なったもの
の結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフであ
る。
【図7】同じくPSZに、噴射圧力1.0kg/c
2、噴射処理時間30秒の矯正処理を行なったものの
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
【図8】同じくPSZに、噴射圧力2.0kg/c
2、噴射処理時間30秒の矯正処理を行なったものの
結晶構造を調べた結果を示すX線回折のグラフである。
【符号の説明】
1 ジルコニア薄板焼結体 2 支持台 3 硬質粒子を含む媒体 4 噴射ノズル 5 噴射ガン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニア薄板焼結体の凹面側に、硬質
    粒子を含む媒体を吹き付けることにより、該媒体中の硬
    質粒子の衝突によってジルコニア薄板焼結体中の結晶粒
    子を局部的に変態せしめ、その体積変動により反りを矯
    正することを特徴とするジルコニア薄板焼結体の反り矯
    正法。
JP3059220A 1991-03-22 1991-03-22 ジルコニア薄板焼結体の反り矯正法 Expired - Lifetime JPH0825797B2 (ja)

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