JPH0825777A - 感圧複写重合体 - Google Patents

感圧複写重合体

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JPH0825777A
JPH0825777A JP6182817A JP18281794A JPH0825777A JP H0825777 A JPH0825777 A JP H0825777A JP 6182817 A JP6182817 A JP 6182817A JP 18281794 A JP18281794 A JP 18281794A JP H0825777 A JPH0825777 A JP H0825777A
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篤 村田
Yoshihisa Takamiya
嘉久 高宮
Tetsuhiro Tsukagoshi
哲裕 塚越
Motoyoshi Shioda
基善 塩田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上側シート、中間シート及び下側シートを備
えこれ等中間シート及び下側シートへの不正書き換え防
止が図れる感圧複写重合体を提供すること。 【構成】 中間シート2及び下側シート3が、発色剤層
22、31と顕色剤層23、32を備えその発色剤がマイクロカ
プセル化された自己発色型の発色性シートで構成され、
かつ、上側シート1と中間シート2の裏面側の略同一箇
所に蛍光インキ層11、21が形成されていることを特徴と
する。中間シートに記入された情報は消しゴム等により
消去できず、かつ、ボールペン等で加入した情報は自己
発色した発色部と蛍光インキ層とで構成される情報の色
と相違するため目視で確認できる。また、別のセットか
ら中間シートを抜出しこれを用いて下側シートの情報を
改ざんしようとしても別セットの中間シートに改ざん情
報が自己発色により記入されるため感圧複写重合体の管
理を厳格に行うことにより防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上側シート、中間シー
ト及び下側シートから成る3枚の複写シートを少なくと
も備え、筆記若しくは印字手段による加圧処理により各
複写シートに同一の情報が書き込まれる感圧複写重合体
に係り、特に、この感圧複写重合体が各種団体への加入
申込や契約等の手続き書面として利用された場合、中間
シート(通常、申込み者や契約者に渡す証明書や領収書
として利用する)及び下側シート(通常、被申し込み社
や被契約社等各種団体の控えとして利用する)に対する
不正書き換え等の防止が図れる感圧複写重合体の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の感圧複写重合体としては、図5
に示すようにその裏面側にカーボンインキ等感圧転写性
の着色インキ層a1が形成された上側シートaと、同じく
その裏面側にカーボンインキ等感圧転写性の着色インキ
層b1が形成されかつ上側シートaからの着色インキ層a1
を受容して情報表示する中間シートbと、この中間シー
トbからの着色インキ層b1を受容して情報表示する下側
シートcとでその主要部が構成されたものが知られてい
る。また、上側シート、中間シート及び下側シート等の
各複写シートが、少なくとも発色剤層又は顕色剤層の一
方を備えかつその発色剤及び顕色剤の少なくとも一方が
マイクロカプセル化されていると共に上記発色剤層と顕
色剤層との反応により発色する発色性シートで構成され
ているもの、あるいは、この発色性シートと上記着色イ
ンキ層が形成された複写シートとの組み合わせに係るも
の等も開発されている。
【0003】そして、これ等の感圧複写重合体において
は、上側シート側から筆圧若しくは印圧が加えられると
各複写シートに同一の情報が書き込まれるため(図6A
〜C参照)、例えば、この感圧複写重合体を各種団体へ
の加入申込や契約等の手続き書面に利用した場合、上側
シートaが外交営業員等手続き担当者の控えとなり、中
間シートbがその申込み者や契約者等顧客の控え(例え
ば契約書控えや領収書等になる)に利用され、また、下
側シートcが被申込み社や被契約社等各種団体である会
社の控え(例えば、会社内において経理への売り上げ実
績の報告書となる)として利用される。
【0004】ところで、筆圧等の加圧によって転写され
る着色インキ層が施された複写シートとしては、上記感
圧複写伝票以外にも裏カーボン紙として一般に市販され
ているため、この裏カーボン紙を利用することにより上
記中間シートbや下側シートcに形成された情報の改ざ
ん等を行うことは可能であった。
【0005】すなわち、上記中間シートbにおいてはこ
の上に裏カーボン紙を載せて情報の加入が行えるため、
例えば、金額欄dに記載されている数字に1字追加した
り数字全体を消しゴム等で消去して新たに別な数字を加
入しその領収額を割増して不正使用することも可能であ
った。また、下側シートcにおいてもこの感圧複写重合
体の各複写シートに情報を書き込む際、上記下側シート
cと中間シートbとの間に厚紙等を挿入した状態で書き
込み操作がなされた場合、下側シートcへの情報の書き
込みは上記厚紙等の存在により不可能となる。そして、
この下側シートc上に上記裏カーボン紙を載せて情報の
書き込みが行えるため、金額欄dに手続き時より小額の
数字を不正に書き込んで悪用することも可能であった。
【0006】そこで、このような問題に対処するため、
図7に示すように上側シートaと中間シートbの裏面側
一部の同一箇所にカーボン等の着色顔料と蛍光顔料が混
在した蛍光インキ層eを形成したり、下側シートcの上
記蛍光インキ層eに対応する部位にその着色顔料と同色
系の迷彩パターン(図示せず)を形成しこの迷彩パター
ンと蛍光インキ層eとの関係から迷彩パターン上に書き
込まれた情報が第三者に読取られないようにした感圧複
写重合体が開発されている。
【0007】そして、これ等の感圧複写重合体を使用し
て書き込まれた情報中には蛍光顔料が含まれ、この情報
が形成された中間シートb及び下側シートcに対し紫外
線を照射することにより情報中の蛍光顔料が蛍光発光す
るため、この蛍光発光の有無により裏カーボン紙を使用
したものかどうかの判定が可能になることから情報の改
ざん等を未然に防止できるものであるとされていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光イ
ンキ層が設けられた感圧複写重合体を利用した上記方法
においても上述した防止策として未だ十分ではなかっ
た。
【0009】すなわち、上記中間シートbについては金
額欄dに記入されている数字全体を消しゴム等で消去し
かつ裏カーボン紙を用いてその数字を改ざんすることは
依然として可能であった。尚、その改ざんの有無につい
ては書き込まれた数字等に対し紫外線を照射することに
より確認できるが、この中間シートbは、通常、領収書
等として利用されているため、脱税等において悪用され
た場合、この領収書が蛍光顔料入り感圧複写重合体で構
成されている事実をその判断する者が認識していない限
りその改ざん等を発見することは現実的に困難である。
【0010】一方、下側シートcについては、蛍光顔料
入り感圧複写重合体を現実に使用している被契約会社等
会社自体がその管理を行うことになるため、紫外線を用
いて改ざんの有無を発見することは確かに可能である。
しかし、外交営業員等の手続き担当者が厚紙等を用いた
上述の方法により下側シートcに書き込みを行わない状
態で顧客との契約を完了し、その後において、別セット
の感圧複写重合体から中間シートbを引き抜いて上記未
記入の下側シートc上に載置し、かつ、中間シートbの
上にダミーの用紙を重ねた状態で、例えば、取り引き事
実と異なる小額の金額を加入した場合(この場合、この
事実が発見されないと顧客から預かった金額との差額分
が上記手続き担当者に不正に入手されてしまう)にはそ
の改ざんの事実を発見することは困難である。すなわ
ち、この加入された数字や文字等は蛍光インキ層で構成
されているため正当と判断され、かつ、別セットの感圧
複写重合体から引き抜かれた中間シートbにはダミーの
用紙が作用して数字等が記入されず未使用の感圧複写重
合体の一部として扱われ易いため、感圧複写重合体にナ
ンバーを付して盗難若しくは紛失の管理を厳格に行って
も不正の事実を発見することは困難であった。
【0011】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、上記中間シート
や下側シートへの不正書き換え等の防止が図れる感圧複
写重合体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、上側シート、中間シート及び下側シートから
成る3枚の複写シートを少なくとも備え、筆記若しくは
印字手段による加圧処理により各複写シートに同一の情
報が書き込まれる感圧複写重合体を前提とし、上記中間
シート及び下側シートが、各シート基材上に任意の順で
設けられた発色剤層と顕色剤層を備えその発色剤及び顕
色剤の少なくとも一方がマイクロカプセル化された発色
剤層と顕色剤層との反応により発色する自己発色型の発
色性シートでそれぞれ構成され、かつ、上側シートと中
間シートの裏面側の略同一箇所に蛍光インキ層がそれぞ
れ形成されていることを特徴とするものである。
【0013】そして、この請求項1記載の発明に係る感
圧複写重合体によれば、シート基材上に任意の順で設け
られた発色剤層と顕色剤層を備えその発色剤及び顕色剤
の少なくとも一方がマイクロカプセル化された発色剤層
と顕色剤層との反応により発色する自己発色型の発色性
シートにより中間シートが構成されているため、この中
間シートから既に書き込まれている文字や数字等を消し
ゴム等により消去することは困難となる。また、中間シ
ートは上述したように自己発色型の発色性シートにより
構成され、かつ、中間シートの上側に位置する上側シー
トの裏面側には蛍光インキ層が形成されているため、こ
の中間シートに書き込まれる文字や数字等の色は、上記
発色剤層と顕色剤層との反応により発色した発色部の色
とこの上に転写された蛍光インキ層が混ざった色にな
る。従って、この中間シートに既に書き込まれている情
報に対しボールペン等の筆記手段で他の数等を直接加入
した場合、この書き込まれた数字等の色は既に書き込ま
れている文字情報等とは別の色を呈するため肉眼により
その改ざんを確認することが可能となり、かつ、紫外線
を照射し蛍光発色の有無を判定することでより確実に上
記改ざんの事実を発見することが可能となる。
【0014】一方、下側シートに対して行われる改ざん
の事実についてもこの発明に係る感圧複写重合体の管理
を厳格に行うことにより防止することが可能となる。
【0015】すなわち、この発明に係る別セットの感圧
複写重合体から中間シートを引き抜いて未記入の下側シ
ートに載置し、かつ、従来と同様な不正方法により上記
中間シート上にダミーの用紙を重ねた状態で事実とは異
なる文字や数値等を下側シートに対し加入した場合、上
記中間シートは自己発色型の発色性シートにより構成さ
れているため、ダミー用紙の有無に拘らず下側シートに
加入した文字や数値等と同一のデータが中間シートにも
書き込まれる。従って、請求項1記載の発明に係るこの
感圧複写重合体の管理(例えば、感圧複写重合体に連続
ナンバーを付して盗難や紛失の管理を行うと共にその取
り扱い者の管理を行う)を厳格に行うことにより不正の
事実を確実に発見することが可能となる。
【0016】尚、請求項1記載の発明に係る感圧複写重
合体において上記下側シートは中間シートと同様に自己
発色型の発色性シートで構成されているが、中間シート
の裏面側に設けられた発色剤層又は顕色剤層との反応に
より発色する顕色剤層又は発色剤層を備える発色性シー
トにより下側シートを構成しても請求項1に係る発明と
同様の効果が得られる。請求項2に係る発明はこの様な
技術的理由によりなされている。
【0017】すなわち、請求項2に係る発明は、上側シ
ート、中間シート及び下側シートから成る3枚の複写シ
ートを少なくとも備え、筆記若しくは印字手段による加
圧処理により各複写シートに同一の情報が書き込まれる
感圧複写重合体を前提とし、上記中間シートが、そのシ
ート基材上に任意の順で設けられた発色剤層と顕色剤層
を備えその発色剤及び顕色剤の少なくとも一方がマイク
ロカプセル化された発色剤層と顕色剤層との反応により
発色する自己発色型の発色性シートで構成され、かつ、
上記下側シートが、そのシート基材上に設けられた一方
の顕色剤層又は発色剤層とこのシート基材の上側に位置
する中間シートの裏面側に設けられその発色剤又は顕色
剤がマイクロカプセル化されたもう一方の発色剤層又は
顕色剤層との反応により発色する発色性シートで構成さ
れると共に、上側シートと中間シートの裏面側の略同一
箇所に蛍光インキ層がそれぞれ形成されていることを特
徴とするものである。
【0018】尚、これ等請求項1〜2に係る発明におい
て上記下側シートの裏面側に発色剤及び顕色剤の少なく
とも一方がマイクロカプセル化された発色剤層又は顕色
剤層を形成し、かつ、この下側シートの下側に位置する
4枚目の複写シートとしてその基材シート上に上記発色
剤層又は顕色剤層と反応して発色する顕色剤層又は発色
剤層を具備する発色性シートを配した構成にしてもよ
い。
【0019】次に、請求項1〜2に係る発明において上
記蛍光インキ層を構成する蛍光インキとしては、無色若
しくは略無色の蛍光顔料(例えば、酸化亜鉛、硫化カド
ミウム、タングステン酸カルシウム等)あるいは適宜着
色顔料や染料が添加されて任意の色に調色された蛍光顔
料(これ等蛍光顔料は重量比で例えば40重量%を占め
る)、基材シートから剥離可能なバインダー(例えば、
ワックス類、樹脂等)、可塑剤(例えば、フタル酸ジオ
クチル、鉱油等)等を主成分とする印刷インキが利用で
きる。また、基材シートと蛍光インキ層との間に、例え
ば、固体脂肪酸等の臘状物質から成る剥離層を介在させ
る構成にしてもよい。尚、上側シートと中間シートの裏
面側に形成する蛍光インキ層は、その一方を有色の蛍光
インキ(例えば、黒、藍、赤等を呈する蛍光インキ)で
構成し他方を無色若しくは略無色(例えば乳白色)の蛍
光インキで構成してもよいし、その両者を有色の蛍光イ
ンキ又は無色若しくは略無色の蛍光インキで構成しても
よく任意である。請求項3〜4に係る発明はこの蛍光イ
ンキを特定した発明に関する。
【0020】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1又は2記載の発明に係る感圧複写重合体を前提とし、
上記蛍光インキ層が、着色剤を配合した有色の蛍光イン
キにより構成されていることを特徴し、また、請求項4
に係る発明は、上記蛍光インキ層が、無色若しくは略無
色の蛍光インキにより構成されていることを特徴とする
ものである。
【0021】これ等請求項1〜4に係る発明において、
上記上側シート、中間シート及び下側シートのシート基
材を構成する材質については任意であり、紙、プラスチ
ックシート等が例示できる。また、上側シート、中間シ
ート及び下側シートを構成するシート基材の表面若しく
は裏面側に設けられる発色剤層及び顕色剤層については
従来適用されているものがそのまま適用でき、かつ、発
色剤又は顕色剤のマイクロカプセル化方法についても同
様である。尚、本発明に係る感圧複写重合体においては
発色剤又は顕色剤の少なくとも一方がマイクロカプセル
化されていればその要件を具備するが、上記発色剤につ
いてはこれをマイクロカプセル化させることが好まし
い。発色剤がマイクロカプセル化されていない場合、こ
の感圧複写重合体が置かれる周囲の条件(例えば周囲に
存在する酸等の影響により)により発色剤が自然に発色
してしまうことがあるからである。
【0022】また、これ等発明に係る感圧複写重合体
は、通常、上側シート、中間シート及び下側シートの3
枚を基本としこれが複数組綴じられた構造を有している
が、上側シート、中間シート及び下側シートの3枚のみ
でこれを構成してもよいし、あるいは、上記下側シート
の下側にカーボン紙等の複写シートを更に組み込んでこ
れを1セットとしこれが複数セット綴じられた構造にし
てもよい。
【0023】
【作用】請求項1〜4記載の発明に係る感圧複写重合体
によれば、シート基材上に任意の順で設けられた発色剤
層と顕色剤層を備えその発色剤及び顕色剤の少なくとも
一方がマイクロカプセル化された発色剤層と顕色剤層と
の反応により発色する自己発色型の発色性シートにより
中間シートが構成されているため、この中間シートから
既に書き込まれている文字や数字等を消しゴム等により
消去することは困難となる。
【0024】また、中間シートは上述したように自己発
色型の発色性シートにより構成され、かつ、中間シート
の上側に位置する上側シートの裏面側には蛍光インキ層
が形成されているため、この中間シートに書き込まれる
文字や数字等の色は、上記発色剤層と顕色剤層との反応
により発色した発色部の色とこの上に転写された蛍光イ
ンキ層が混ざった色になる。従って、この中間シートに
既に書き込まれている情報に対しボールペン等の筆記手
段で他の数等を直接加入した場合、この書き込まれた数
字等の色は既に書き込まれている文字情報等とは別の色
を呈するため肉眼によりその改ざんを確認することが可
能となり、かつ、紫外線を照射し蛍光発色の有無を判定
することで上記改ざんの事実をより確実に発見すること
が可能となる。
【0025】一方、請求項1〜4記載の発明に係る別セ
ットの感圧複写重合体から中間シートを引き抜いて未記
入の下側シートに載置し、かつ、従来と同様な不正方法
により上記中間シート上にダミーの用紙を重ねた状態で
事実とは異なる文字や数値等の情報を下側シートに対し
加入した場合、上記中間シートは自己発色型の発色性シ
ートにより構成されているため、ダミー用紙の有無に拘
らず下側シートに加入した文字や数値等の情報と同一の
データが中間シートにも書き込まれる。
【0026】従って、この感圧複写重合体の紛失や盗難
等の管理を厳格に行うことにより下側シートに対する情
報の改ざんの事実を確実に発見することも可能となる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。 [実施例1]この実施例に係る感圧複写重合体(帳票)
は、図1に示すように上側シート1、中間シート2及び
下側シート3とでその主要部が構成されている。
【0028】まず、上記上側シート1は、紙製のシート
基材10と、このシート基材10の裏面側一部に設けら
れ下記組成の蛍光インキより成る有色の蛍光インキ層1
1とで構成されている。 [有色蛍光インキの組成] パラフィンワックス 40重量部 鉱物油 30重量部 酸化亜鉛蛍光体 67重量部 着色顔料 30重量部 一方、中間シート2は、紙製のシート基材20と、この
シート基材20の裏面側一部に設けられ下記組成の蛍光
インキより成る無色の蛍光インキ層21と、上記シート
基材20の表面側に設けられその発色剤(ベンゾイルロ
イコメチレンブルー)がマイクロカプセル化された発色
剤層22と、この発色剤22層上に設けられその顕色剤
がアルキルフェノール樹脂(レジン系顕色剤)である顕
色剤層23とで構成されている。 [無色蛍光インキの組成] パラフィンワックス 40重量部 鉱物油 30重量部 酸化亜鉛蛍光体 47重量部 また、上記下側シート3は、シート基材30の表面側に
設けられその発色剤(ベンゾイルロイコメチレンブル
ー)がマイクロカプセル化された発色剤層31と、この
発色剤31層上に設けられその顕色剤がアルキルフェノ
ール樹脂(レジン系顕色剤)である顕色剤層32とで構
成されている。
【0029】尚、上記上側シート1、中間シート2及び
下側シート3はこれを1単位とし、その側縁に設けられ
た綴じ代100で複数単位が綴じ合わされており、か
つ、各単位毎に『00001』『00002』……の連
続番号が付されていると共に、綴じ代100近くに形成
されたミシン目200から各々が切断できるように構成
されている。
【0030】この様に構成された感圧複写重合体(帳
票)に対しその上側シート1の金額欄101にボールペ
ンを用いて『1234』の数字を記入したところ(図4
A参照)、図4(B)及び(D)に示すように中間シー
ト2及び下側シート3の金額欄102、103にも『1
234』の数字が複写された。
【0031】そして、これ等中間シート2及び下側シー
ト3の金額欄102、103に記入された数字について
これを消しゴム等を用いて消去しようと試みたが、これ
等数字は発色剤層と顕色剤層との反応により発色した発
色部を主要部として構成されているため(但し、上記発
色部の上には転写された蛍光インキ層が存在する)消去
はできなかった。
【0032】また、上記中間シート2の金額欄102に
記入された『1234』の数字に対しボールペンを用い
て『5』の数字を直接加入したところ、その発色剤層2
2と顕色剤層23との反応により発色した発色部とボー
ルペンのインキで構成された数字『5』が記入できた
(図4C参照)。しかし、この加入された数字『5』
は、他の数字『1234』とは明らかに区別される色を
呈しているため、後から加入された数字であることが目
視により確認できるものであった。尚、上記中間シート
2の金額欄102に対し紫外線を照射した場合、蛍光発
色の有無により後から加入された数字であるか否かの判
定を簡単に行うことも可能である。
【0033】次に、この感圧複写重合体(帳票)から連
続番号『00002』の中間シート2’を引き抜くと共
に、この中間シート2’を用いて連続番号『0000
1』の下側シート3に記入された『1234』の数字の
改ざんを試みた。すなわち、連続番号『00001』の
下側シート3上に連続番号『00002』の中間シート
2’を載置し、かつ、図示外のダミーの透明紙をこの上
に置くと共に、このダミーの透明紙上から中間シート
2’の金額欄104の右端にボールペンを用いて『5』
の数字を記入したところ、上記下側シート3の金額欄1
03は『12345』の数字に変更された。
【0034】そして、上記『5』の数字は、他の『12
34』の数字と同様に、発色剤層31と顕色剤層32と
の反応により発色した発色部と無色の蛍光インキ層21
とで構成されているため、目視によってもかつ紫外線を
照射してその蛍光発光の有無によっても区別できないも
のであった。
【0035】しかし、この改ざんに利用した上記連続番
号『00002』の中間シート2’の金額欄104に
は、ダミーの透明紙を用いたにも拘らず『5』の数字が
自己発色により記入されてしまうため、これ等感圧複写
重合体(帳票)の管理を厳格に行うことにより改ざん等
の不正の事実を確実に発見することが可能となる。
【0036】尚、この実施例においては上側シート1、
中間シート2及び下側シート3を1単位として構成され
ているが、図3に示すように上記下側シート3の裏面側
にその発色剤がマイクロカプセル化された発色剤層33
を形成し、かつ、この下側に第四の複写シート4を配置
すると共に、この表面側に上記発色剤と反応してこれを
発色させる顕色剤を主成分とする顕色剤層40を設け、
上側シート1、中間シート2、下側シート3及び第四の
複写シート4を1単位とする感圧複写重合体(帳票)に
してもよい。 [実施例2]この実施例に係る感圧複写重合体(帳票)
は、図2に示すように中間シート2がノーカーボンの自
己発色上葉紙で構成され、かつ、下側シート3がノーカ
ーボンの下葉紙で構成されている点を除き実施例1に係
る感圧複写重合体(帳票)と略同一である。
【0037】すなわち、この中間シート2は、紙製のシ
ート基材20と、このシート基材20の裏面全面に設け
られその発色剤(ベンゾイルロイコメチレンブルー)が
マイクロカプセル化された発色剤層25と、この発色剤
層25の上側一部に重なるように設けられ前記組成の蛍
光インキより成る無色の蛍光インキ層21と、上記シー
ト基材20の表面側に設けられその発色剤(ベンゾイル
ロイコメチレンブルー)がマイクロカプセル化された発
色剤層22と、この発色剤22層上に設けられその顕色
剤がアルキルフェノール樹脂(レジン系顕色剤)である
顕色剤層23とで構成されている。
【0038】また、下側シート3は、シート基材30
と、この表面側に設けられ上記発色剤と反応してこれを
発色させる顕色剤を主成分とする顕色剤層34とで構成
されている。
【0039】
【発明の効果】請求項1〜4に係る発明によれば、シー
ト基材上に任意の順で設けられた発色剤層と顕色剤層を
備えその発色剤及び顕色剤の少なくとも一方がマイクロ
カプセル化された発色剤層と顕色剤層との反応により発
色する自己発色型の発色性シートにより中間シートが構
成されているため、この中間シートから既に書き込まれ
ている文字や数字等を消しゴム等により消去することが
困難となり、中間シートに対する不正書き換えを未然に
防止できる効果を有する。
【0040】また、中間シートは上述したように自己発
色型の発色性シートにより構成され、かつ、中間シート
の上側に位置する上側シートの裏面側には蛍光インキ層
が形成されているため、この中間シートに書き込まれる
文字や数字等の色は、上記発色剤層と顕色剤層との反応
により発色した発色部の色とこの上に転写された蛍光イ
ンキ層が混ざった色になる。従って、この中間シートに
既に書き込まれている情報に対しボールペン等の筆記手
段で他の数等を直接加入した場合、この書き込まれた数
字等の色は既に書き込まれている文字情報等とは別の色
を呈するため肉眼によりその改ざんを確認することが可
能となり、かつ、紫外線を照射し蛍光発色の有無を判定
することで上記改ざんの事実をより確実に発見できる効
果を有する。
【0041】一方、請求項1〜4記載の発明に係る別セ
ットの感圧複写重合体から中間シートを引き抜いて未記
入の下側シートに載置し、かつ、上記中間シート上にダ
ミーの用紙を重ねた状態で事実とは異なる文字や数値等
の情報を下側シートに対し加入した場合、上記中間シー
トは自己発色型の発色性シートにより構成されているた
め、ダミー用紙の有無に拘らず下側シートに加入した文
字や数値等の情報と同一のデータが中間シートにも書き
込まれる。従って、この感圧複写重合体の紛失や盗難等
の管理を厳格に行うことにより下側シートに対する情報
の改ざんの事実をも確実に発見できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る感圧複写重合体の断面説明図。
【図2】実施例2に係る感圧複写重合体の断面説明図。
【図3】実施例1の変形例に係る感圧複写重合体の断面
説明図。
【図4】図4(A)〜(F)は実施例1に係る感圧複写
重合体を構成する上側シート、中間シート及び下側シー
トの平面図。
【図5】従来例に係る感圧複写重合体の断面説明図。
【図6】図6(A)〜(C)は従来例に係る感圧複写重
合体を構成する上側シート、中間シート及び下側シート
の平面図。
【図7】従来の改良例に係る感圧複写重合体の断面説明
図。
【符号の説明】
1 上側シート 2 中間シート 3 下側シート 10 シート基材 11 蛍光インキ層 20 シート基材 21 蛍光インキ層 22 発色剤層 23 顕色剤層 30 シート基材 31 発色剤層 32 顕色剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩田 基善 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上側シート、中間シート及び下側シートか
    ら成る3枚の複写シートを少なくとも備え、筆記若しく
    は印字手段による加圧処理により各複写シートに同一の
    情報が書き込まれる感圧複写重合体において、 上記中間シート及び下側シートが、各シート基材上に任
    意の順で設けられた発色剤層と顕色剤層を備えその発色
    剤及び顕色剤の少なくとも一方がマイクロカプセル化さ
    れた発色剤層と顕色剤層との反応により発色する自己発
    色型の発色性シートでそれぞれ構成され、かつ、上側シ
    ートと中間シートの裏面側の略同一箇所に蛍光インキ層
    がそれぞれ形成されていることを特徴とする感圧複写重
    合体。
  2. 【請求項2】上側シート、中間シート及び下側シートか
    ら成る3枚の複写シートを少なくとも備え、筆記若しく
    は印字手段による加圧処理により各複写シートに同一の
    情報が書き込まれる感圧複写重合体において、 上記中間シートが、そのシート基材上に任意の順で設け
    られた発色剤層と顕色剤層を備えその発色剤及び顕色剤
    の少なくとも一方がマイクロカプセル化された発色剤層
    と顕色剤層との反応により発色する自己発色型の発色性
    シートで構成され、かつ、上記下側シートが、そのシー
    ト基材上に設けられた一方の顕色剤層又は発色剤層とこ
    のシート基材の上側に位置する中間シートの裏面側に設
    けられその発色剤又は顕色剤がマイクロカプセル化され
    たもう一方の発色剤層又は顕色剤層との反応により発色
    する発色性シートで構成されると共に、上側シートと中
    間シートの裏面側の略同一箇所に蛍光インキ層がそれぞ
    れ形成されていることを特徴とする感圧複写重合体。
  3. 【請求項3】上記蛍光インキ層が、着色剤を配合した有
    色の蛍光インキにより構成されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の感圧複写重合体。
  4. 【請求項4】上記蛍光インキ層が、無色若しくは略無色
    の蛍光インキにより構成されていることを特徴とする請
    求項1又は2記載の感圧複写重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006043948A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Japan Automobile Manufactures Association Inc リサイクル処理の管理用伝票
JP2010052199A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Toppan Forms Co Ltd 改ざん防止用複写帳票組

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