JPH08256907A - 誘導加熱式炊飯器用加熱コイル台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内釜の外周部の発熱量を増加し、容器内の水
の外周部から中央部への対流を促進することを目的とす
る。 【構成】 加熱コイル第７の裏面に中心から放射状に配
置した第１フェライト１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ
のそれぞれ隣り合う右側面側外周部と左側面外周側部と
を、第２フェライト１５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄで
連結することで、内釜の外周部の発熱量の高低差を少な
くするとともに、周囲に広がった磁束を加熱コイル７の
外周部に集めて磁束密度を高めて発熱量を増加させ、内
釜内の外周部から中央部への水の対流を促進させて、御
飯をおいしく仕上げることができるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、誘導加熱式炊飯器用加
熱コイル台に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の加熱コイル台は、特公平６−１
２７０３号公報に記載されている。

【０００３】このものは、電磁調理器用加熱コイルのコ
イル台であって、コイル台を形成する樹脂中に、棒状ま
たは板状のフェライトが放射状に埋設したものであり、
加熱コイルの裏側への磁束漏れを防止している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一般に、フェライトは
空気中より磁束が通過しやすい、即ち透磁率が空気中よ
り低いので、フェライト周囲の磁束は、フェライト内を
通過しようとして集まり、磁束密度が高くなる傾向があ
る。磁束密度が高くなると、誘起される渦電流が増加し
て発熱量が増加するのである。

【０００５】また、炊飯時、内釜内の水を外周部から中
央部に対流させることにより、炊き上がった御飯は、お
いしくなることが知られている。

【０００６】しかし、従来の技術のようにフェライトを
放射状に配置しただけでは、磁束はフェライトの周囲に
集まり、フェライト以外の部分の磁束は粗となる。

【０００７】特に加熱コイルの外周部分は、フェライト
の間隔が大きくなるので、内釜の外周部分でも発熱量の
高い部分と低い部分ができるため、内釜内の水は、外周
部の発熱量の高い所から低い所への対流が発生し、外周
部から中央部への水の対流は起こりにくく、御飯がおい
しく仕上がらないという問題があった。

【０００８】本発明は斯る課題を解決しようとするもの
である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めの本発明の手段は、内釜を誘導加熱する加熱コイル
と、該加熱コイルを載置して支持するコイル台と、該コ
イル台の下部に中心から外周方向に放射状に配置した複
数の第１フェライトと、該第１フェライト間で、かつ前
記加熱コイルの外周部に配置した第２フェライトと、を
備えた構成である。

【００１０】また、前記第２フェライトは、前記複数の
第１フェライトの外周側端部間を連結している構成であ
る。

【００１１】

【作用】即ち、放射状に配置した第１フェライト間でか
つ加熱コイルの外周に対応して第２フェライトを配置し
たので、加熱コイルの外周部の略均一な磁束集中が図
れ、そのために内釜内の外周部の発熱量の高低差が少な
くなり、内釜内の外周部から中央部への水の対流が促進
される。

【００１２】また、第１フェライト及び第２フェライト
を連結する構成にしておけば、製造時、容易に組み立て
られるものである。

【００１３】

【実施例】図１及び図２において、１は電磁誘導加熱炊
飯器本体を示し、２は樹脂製の外装、３は外装２内に配
置される樹脂製の円筒型外釜、４は該外釜３内に取出自
在に収納される磁性金属から形成された内釜である。前
記内釜４内には、炊飯を行うために、水５と米６が入れ
られる。

【００１４】７は内釜４を誘導加熱するために外釜３の
下部に配置した平板状の加熱コイル、８は該加熱コイル
を支持する耐熱樹脂製の加熱コイル台、９は該加熱コイ
ル台８の下面に取り着け、加熱コイル台８の下部にある
制御回路１０へ磁束を漏洩させないためのフェライト群
である。

【００１５】１１は前記内釜４の上面開口を閉塞する円
筒型内蓋、１２は該内蓋１１が着脱自在に取り付けら
れ、外釜３の上面開口を閉塞する上蓋、１３は外釜３と
内釜４との間に流れ出した内釜４内の蒸気を外部に放出
するために前記上蓋１２に設けた蒸気吹き出し口であ
る。

【００１６】前記加熱コイル台８の下面にシリコン系等
の接着剤により接着して配置したフェライト群９は、加
熱コイル台８の中心から９０°間隔で放射状に第１フェ
ライト１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄと各第１フェラ
イトを連結する第２フェライト１５ａ、１５ｂ、１５
ｃ、１５ｄから構成されている。

【００１７】即ち、まず第２フェライト１５ａは、第１
フェライト１４ａの右側面の外周側端部Ａと第１フェラ
イト１４ｂの左側面の外周側端部Ｂとを連結し、また第
２フェライト１５ｂは、第１フェライト１４ｂの右側面
の外周側端部Ａと第１フェライト１４ｃの左側面の外周
側端部Ｂとを連結している。

【００１８】さらに、第２フェライト１５ｃは第１フェ
ライト１４ｃの右側面の外周側端部Ａと第１フェライト
１４ｄの左側面の外周側端部Ｂとを連結し、第２フェラ
イト１５ｄは第１フェライト１４ｄの右側面の外周側端
部Ａと第１フェライト１４ａの左側面の外周側端部Ｂと
をそれぞれ連結している。

【００１９】前述の第１フェライト及び第２フェライト
は、一体成形により製造されるものであり、加熱コイル
台８への接着は２点のみの位置決めにより簡単に接着で
きるので、加熱コイル台８の製造が容易となる。

【００２０】斯る構成において、加熱コイル７に高周波
電流が流れると、図３のように加熱コイル７に流れる電
流と直角な方向、即ち加熱コイル７の放射方向に、かつ
加熱コイル７の周囲に磁束Φが発生する。この磁束Φの
上部Φａは、内鍋４内に入って内鍋４に渦電流を発生さ
せ、誘導加熱するよう作用する。

【００２１】また磁束Φの下部Φｂは、フェライト群８
の端部に集まりフェライト内を通過して加熱コイル７の
中央部に到達し、そして加熱コイル７の中央部から内釜
４方向に上昇する。従って、下部の磁束Φｂは制御回路
１０に届かず、制御回路は磁束の影響を受けて誤動作し
ないようになる。

【００２２】加熱コイル７の周囲に発生する磁束Φのう
ち加熱コイル７の外周部分の磁束は、空気中よりフェラ
イトのほうが透磁率が低い関係で、磁束の発生場所から
最短距離のフェライトに入るようになるので、放射状に
配置した複数の第１フェライト間であっても第２フェラ
イトに磁束が入り、加熱コイル７の外周部において発熱
量の高い部分と低い部分に差が少なくなり、また加熱コ
イル７の外周部に広がった磁束を集めることになるの
で、その分の発熱量が上昇し、内釜４内の水に対して、
外周部から中央部への対流を促進することができるので
ある。

【００２３】図４に他の実施例を示す。この実施例で
は、加熱コイル７の裏面に放射状に配置した第１フェラ
イト１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄの間で、加熱コイ
ル７の外周部分に、各第１フェライトと離間して配置さ
れた第２フェライト１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄを
配置し、磁束を加熱コイル７の外周に集中させている。

【００２４】以上のことより、加熱コイル７周囲に広が
った磁束Φは、第２フェライトを配置することで、発生
場所から最短距離のフェライトに磁束が入るようになる
ので、加熱コイル７の外周部において、発熱量の高低差
を少なくし、また周囲に広がった磁束を集めることで、
少しでも発熱量を多くして、内釜４内で外周部から中央
部への水の対流を促進して、御飯をおいしく炊こうとす
るものである。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、内鍋の外周部の発熱量
の高低差を少なくするとともに、周囲の磁束を集めて発
熱量を増加させて、内釜内の外周部から中央部への水の
対流を促進し、御飯をおいしく仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の炊飯器の外観図である。

【図２】図１の加熱コイル台を裏面から見た図である。

【図３】本発明の実施例の動作を説明する図である。

【図４】本発明の他の実施例の加熱コイル台を裏面から
見た図である。

【符号の説明】

４ 内釜 ７ 加熱コイル ８ 加熱コイル台 １４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ 第１フェライト １５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄ 第２フェライト １６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ 第２フェライト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内釜を誘導加熱する加熱コイルと、該加
   熱コイルを載置して支持するコイル台と、該コイル台の
   下部に中心から外周方向に放射状に配置した複数の第１
   フェライトと、該第１フェライト間で、かつ前記加熱コ
   イルの外周部に配置した第２フェライトと、を備えたこ
   とを特徴とする誘導加熱式炊飯器用加熱コイル台。
2. 【請求項２】 前記第２フェライトは、前記複数の第１
   フェライトの外周側端部間を連結していることを特徴と
   する請求項１に記載の誘導加熱式炊飯器用加熱コイル
   台。