JPH08256400A - 音場処理回路 - Google Patents

音場処理回路

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Publication number
JPH08256400A
JPH08256400A JP7058923A JP5892395A JPH08256400A JP H08256400 A JPH08256400 A JP H08256400A JP 7058923 A JP7058923 A JP 7058923A JP 5892395 A JP5892395 A JP 5892395A JP H08256400 A JPH08256400 A JP H08256400A
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frequency component
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JP7058923A
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Inventor
Kimiharu Watanabe
公治 渡辺
Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
Sueaki Fukuhara
末明 福原
Megumi Kageyama
惠 蔭山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サラウンド情報を持たないドルビーサラウン
ド信号に対して、約2kHz以下の周波数で疑似ステレ
オ化し、約2kHz以上の周波数でモノラルとすること
により、環境音、残響音の広がり感と、移動音の移動感
を両立することができる。 【構成】 入力端子51と、ハイパスフィルタ1及びバ
ンドパスフィルタ2及びローパスフィルタ3と、バンド
パスフィルタ2の出力を互いに相関の小さい2つの信号
に変換する疑似ステレオ化回路4と、ローパスフィルタ
3の出力の位相を反転させる位相反転回路7と、ハイパ
スフィルタ1の出力とローパスフィルタ3の出力を、疑
似ステレオ化回路4の一方の出力と加算する第一の加算
回路5と、ハイパスフィルタ1の出力と位相反転回路7
の出力を、疑似ステレオ化回路4の他方の出力と加算す
る第二の加算回路6で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノラルの音場信号
(特にト゛ルヒ゛ーサラウント゛信号)を疑似ステレオ化する音場処
理回路及び音場再生用スピーカシステムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】家庭で映画を楽しむ場合、レンタルビデ
オ、レーザーディスク、衛星放送などの普及によって、
映画の音をオリジナルのまま楽しむことが可能であり、
これらの映画の音は、ドルビーエンコードされたものが
多くなってきている。
【0003】ドルビーエンコードされた映画の音は、2
チャンネルの信号として聴取者側に提供され、従来のス
テレオ再生を行っても楽しめるが、専用のドルビーデコ
ーダーによって、レフト、センター、ライト、サラウン
ドの4チャンネル信号に復元することにより、臨場感の
ある音を楽しむことが可能である。
【0004】また、ハイビジョンなどではレフト、セン
ター、ライト、サラウンドの4チャンネル信号がディス
クリートで聴取者に送られてくるモードもあり、各チャ
ンネルの分離が良く、より質の高い音を聴くことができ
る。
【0005】これらの4チャンネル信号のうち、センタ
ー信号は台詞の明瞭性、明確な定位を得る役割をし、サ
ラウンド信号は移動音、環境音、残響音などによってよ
り臨場感を高める役割をする。
【0006】映像に伴うサラウンド効果において、移動
音は聴取者の前から後ろへ、または後ろから前へ音を移
動させる時に用いられ、環境音は、風の音や雑踏の音な
ど、その場面の雰囲気づくりをする時に用いられ、残響
音は、ボールや洞窟など、空間性を表現するときに用い
られる。
【0007】これらの映画や映像に伴う音響再生システ
ムを、ここでは映像音響再生システムと呼ぶことにす
る。図12に映像音響再生システムの第1の従来例を示
す。ビデオ、レーザーディスク、衛星放送受信機などの
映像音響信号供給装置11からは、1チャンネルの映像
信号と2チャンネルの音響信号が供給される。映像信号
はテレビなどの映像機器19で再生される。2チャンネ
ルの音響信号は、ドルビーデコーダーなどのマトリクス
デコーダ12でレフト、センター、ライト、サラウンド
の4チャンネル信号に変換され、増幅器14で増幅され
た後、レフトスピーカ15、センタースピーカ16、ラ
イトスピーカ17、音場再生用スピーカ(サラウンドス
ピーカ)(40、41)でそれぞれ再生される。
【0008】図13に従来から最も一般的に行われてい
るスピーカ配置の一例を示す。レフトスピーカ15、セ
ンタースピーカ16、ライトスピーカ17は、聴取者の
前方に左から順に配置され、音場再生用スピーカ18は
聴取者の後方に複数個配置されている。音場再生用スピ
ーカを聴取者の後方に配置することによって、前方から
後方までの移動感を出すことができる。
【0009】サラウンド信号は、図14に示すような装
置の場合、ほとんどがモノラル信号で供給されている。
このため、図13に示すようなスピーカ配置で再生する
場合、サラウンド音が後方でモノラル定位しやすく、移
動感は比較的出しやすいものの、音が後方に定位してし
まうため広がり感はやや劣ってしまう。
【0010】このようなことから、サラウンド音を疑似
的にステレオ化する方法が使用されることもある。サラ
ウンド音を疑似ステレオ化することにより、後方への明
確な音の定位をなくし、広がり感を向上させることがで
きる。しかしながらこの場合、広がり感は向上するが、
前方スピーカのつくる音像と音場再生用スピーカのつく
る音像が大きく異なってしまい、移動感を付加する場合
において、違和感を感じてしまうことになる。
【0011】つまり、移動感を表現するときの求められ
る音場と、広がり感を表現するときの求められる音場は
全く異なるものであり、これらを1つの再生システムで
両立して再生するのは非常に困難であった。
【0012】そこで、本発明の出願者の一人は、上記課
題を解決する特許を出願した。図15にその構成を示
す。その特許は、入力されたモノラルの信号を高域成分
と低域成分に分割するハイパスフィルタ1及びローパス
フィルタ3と、ローパスフィルタ3の出力を互いに相関
の小さい2つの信号に変換する疑似ステレオ化回路4
と、ハイパスフィルタ1の出力信号を、疑似ステレオ化
回路4の2つの出力にそれぞれ加算する加算回路5、6
で構成されている。図16に疑似ステレオ化回路とし
て、位相反転回路7を用いた場合である映像音響再生シ
ステムの第2の従来例を、図17に疑似ステレオ化回路
4として、通過域と阻止域の周波数帯域が互いに逆の関
係になるよう設定した2つの櫛形フィルタを、遅延回路
22と加算回路23、減算回路24で構成した場合であ
る映像音響再生システムの第3の従来例を示す。
【0013】しかしながら、映像音響再生システムの第
2の従来例の場合において、その広がり感が逆相感と言
われる違和感を伴う場合があることが指摘されており、
さらに、その逆相感を改善した、映像音響再生システム
の第3の従来例の場合において、図6に示す如く、左右
の周波数特性に差が有ることによる、低域での左右の音
質の違いによる違和感が指摘されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、移動感
を表現するときの求められる音場と、広がり感を表現す
るときの求められる音場は全く異なるものであり、これ
らを1つの再生システムで両立して再生するのは非常に
困難であり、かつ、逆相感や左右の音質差の少ない疑似
ステレオ化手段は、困難であるという問題点を有してい
た。
【0015】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、モノラルのサラウンド信号に対して、移動感と広が
り感を両立して再生可能であり、かつ、逆相感や左右の
音質差の少ない音場処理回路及び音場再生用スピーカシ
ステムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の手段は、入力されたモノラルの信号を
高域成分と中域成分と低域成分に分割する、ハイパスフ
ィルタ及びバンドパスフィルタ及びローパスフィルタ
と、バンドパスフィルタの出力を互いに相関の小さい2
つの信号に変換する疑似ステレオ化手段と、ローパスフ
ィルタの出力の位相を反転させる位相反転回路と、ハイ
パスフィルタの出力とローパスフィルタの出力を、疑似
ステレオ化回路の一方の出力と加算する第一の加算回路
と、ハイパスフィルタの出力と位相反転回路の出力を、
疑似ステレオ化回路の他方の出力と加算する第二の加算
回路で構成される回路を用いることである。
【0017】一方、位相反転回路は、低域でのサラウン
ド効果を増強させる機能を有しているが、逆相感という
違和感が発生する場合があるため、左右の音質差を減少
させる対策から、位相反転回路を具備せず、ローパスフ
ィルタの出力をそのまま、第一と第二の加算回路に入力
する構成もある。
【0018】また、上記目的を達成するための本発明の
第2の手段は、同一性能を有するスピーカユニットがそ
れぞれに取り付けられた、独立した2つのほぼ同型のス
ピーカキャビネットからなり、一方のスピーカキャビネ
ットに取り付けられたスピーカユニットには入力信号に
対して低周波数帯域で位相が反転する位相反転回路が接
続されているスピーカシステムを用いることである。
【0019】
【作用】第1の手段は、入力されたモノラル信号に対し
て出力される2つの信号について、バンドパスフィルタ
を通過する中域成分は疑似ステレオ化回路を通過するた
めに互いに相関が小さくなり、ハイパスフィルタを通過
する高域成分はそのまま2つの信号に分配されるためモ
ノラルのままとなる。ローパスフィルタを通過した第一
の低域成分と、ローパスフィルタ及び位相反転回路を通
過した第二の低域成分とは、逆位相の関係となる。この
場合、低域成分に関しては、広がり感の増強効果と左右
の音質差の減少効果がある。
【0020】一方、位相反転回路を用いず、ローパスフ
ィルタを通過する低域成分をそのまま第一と第二の加算
回路に入力した場合、低域成分に関しては、広がり感の
増強効果は期待出来ないが、左右の音質差の減少効果が
ある。
【0021】
【実施例】以下、本発明の音場処理回路及び音場再生装
置について、図を用いて説明する。
【0022】まず、本発明の第1の実施例について図1
を用いて説明する。図1において、入力端子51に入力
されたモノラルの音場信号は、3分岐され、高域成分と
中域成分と低域成分に分割するハイパスフィルタ1、バ
ンドパスフィルタ2及びローパスフィルタ3にそれぞれ
入力される。バンドパスフィルタ2の出力は、疑似ステ
レオ化回路4に入力される。ローパスフィルタ3の出力
は、2分岐され、その一方の出力は位相反転回路7に入
力される。
【0023】疑似ステレオ化回路4の一方の出力は、ハ
イパスフィルタ1の出力及びローパスフィルタ3の出力
と加算回路5により加算され、その出力は出力端子52
へ出力される。疑似ステレオ化回路4の他方の出力は、
ハイパスフィルタ1の出力及び位相反転回路7の出力と
加算回路6により加算され、その出力は出力端子53へ
出力される。
【0024】本発明の第1の実施例の2つの出力は、ハ
イパスフィルタ1のカットオフ周波数fc以上の高域に
ついては、入力信号が分配されて出力されているのと同
等であるためモノラルである。バンドパスフィルタ2の
低域のカットオフ周波数fbと高域のカットオフ周波数
fcに挟まれる帯域については、疑似ステレオ化回路4
を通過するため、互いに相関の低い信号となっている。
ローパスフィルタ3のカットオフ周波数fa以下の低域
については、出力の一方が位相反転回路7を通過するた
め、互いに逆位相の信号となっている。
【0025】図2に本発明の第1の実施例の音場処理回
路を用いた映像音響再生装置の例を示す。ビデオ、レー
ザーディスク、衛星放送受信機などの映像音響信号供給
装置11からは、映像信号と2チャンネルの音響信号が
供給される。映像信号はテレビなどの映像機器19で再
生される。2チャンネルの音響信号は、ドルビーデコー
ダーなどのマトリクスデコーダ12でレフト、センタ
ー、ライト、サラウンドの4チャンネル信号に変換され
る。このうちサラウンド信号については本発明の第1の
実施例の音場処理回路13によって、サラウンド信号に
変換される。これらの信号は、増幅器14で増幅された
後、レフトスピーカ15、センタースピーカ16、ライ
トスピーカ17、音場再生用スピーカ(サラウンドスピ
ーカ)18でそれぞれ再生される。
【0026】図2において、2つの音場再生用スピーカ
18は聴取者20の後方に設置されているので、音場処
理回路13によって変換された2つのサラウンド信号の
周波数fc以上のモノラル成分は聴取者の後方に定位
し、周波数fb〜fcの疑似ステレオ化された成分、及
び周波数fa以下の逆位相成分は、後方に定位せず拡散
して聴こえる。
【0027】さて、実際の映画におけるサラウンド音の
特徴について述べる。図3に、いくつかの映画から移動
音についてその周波数成分分析をした結果を示し、図4
に、環境音について、その周波数成分分析をした結果を
示す。
【0028】図3は移動音の周波数成分を分析した結果
である。移動音は低域から4kHzを超える高域までほ
ぼ均等に周波数成分を含んでいるものが多いことが分か
る。
【0029】図4は環境音の周波数成分を分析した結果
である。環境音は、低域成分はまちまちであるが、高域
に関してはほぼ2kHzを境に急激に減衰しているもの
が多いことが分かる。
【0030】従って、環境音については、2kHz以下
の成分が支配的であるので、音場処理回路13のハイパ
スフィルタ1のカットオフ周波数fc及びバンドパスフ
ィルタ2の高域のカットオフ周波数fcを約2kHzに
設定すると、聴取者に届く音は音場処理回路13の疑似
ステレオ化回路4を通過する成分が支配的となり、聴取
者は後方に定位せず、拡散したサラウンド音を聴くこと
ができる。
【0031】一方、移動音については2kHz以上の成
分も豊富に含んでおり、音場処理回路13のハイパスフ
ィルタ1のカットオフ周波数fc及びバンドパスフィル
タ2の高域のカットオフ周波数fcをそれぞれ約2kH
zに設定すれば、2kHz以下の成分については、疑似
ステレオ化回路4を通過し、その再生音は後方に定位せ
ず拡散して聴こえるが、2kHz以上の成分はモノラル
であるのでその再生音は聴取者の後方に定位する。従っ
て、2kHz以上の成分を含む移動音は、その音像が環
境音、残響音と比較して明確となり、前後に音が移動し
た場合にその音像の差が少なくなり、音像の変化による
移動感の違和感を減少することができる。
【0032】さて、図5に、疑似ステレオ化回路4とし
て、公知である、Lauridsen回路を用いた場合
の詳細を示す。図5において、入力端子51に入力され
た信号は、3分岐され、3分岐された第1の信号は、時
間遅延回路22に入力され、時間遅延した信号を出力す
る。その時間遅延した信号は、2分岐され、その一方の
信号は、位相反転回路7に入力され、位相反転された信
号を出力する。
【0033】3分岐された第2の信号と2分岐された他
方の信号は、加算回路5に入力され、加算された信号と
して出力端子52へ出力される。一方、位相反転回路7
の出力と3分岐された第3の信号は、加算回路6に入力
され、加算された信号として出力端子53へ出力され
る。
【0034】図6に、この疑似ステレオ化回路4の出力
1,2の周波数特性の例を示す。図のように出力1,2
は、互いに特性の山谷のくい違う櫛形特性となる。従っ
て、出力1と2では信号に含まれる成分が互いに異な
り、疑似ステレオ効果が得られる。
【0035】なお、出力2において谷となる周波数は、
f・2f・3f・・となり、規則性がある。図5におけ
る時間遅延回路22の時間遅延値をtとすると、谷とな
る周波数fは、(数1)から求められる。
【0036】
【数1】
【0037】図7に、疑似ステレオ化回路4の実際の回
路図を示す。図7において、時間遅延回路22を、低コ
スト化のため、オペアンプで構成したフェーズシフタを
12段従属接続することにより実現している。このフェ
ーズシフタを12段従属接続して実現した時間遅延回路
22の時間遅延値tは、低域では4ミリ秒となるので、
周波数特性の谷となる周波数fは、その値を(数1)へ
代入して求めれば、250Hzとなる。図8に、図7に
示した疑似ステレオ化回路4を実測した周波数特性の結
果を示す。
【0038】しかし、図7に示した疑似ステレオ化回路
4を用いて試聴したところ、疑似ステレオ効果は再生さ
れるが、低域では、出力1のみ再生され、出力2では再
生されないという左右の音質差による違和感が発生し、
結果として聞き辛いことが分かった。
【0039】本特許の新規性のポイントは、まさに、こ
の欠点を対策したことにある。つまり、低域での左右の
音質差の極めて少ない疑似ステレオ効果を実現した点に
ある。
【0040】その実現のために、図1に示した様に、約
2kHz以下の帯域をバンドパスフィルタ2とローパス
フィルタ3により互いに隣接する2帯域に分割し、バン
ドパスフィルタ2により疑似ステレオ化回路4へ入力す
る信号を約250Hzから約2kHzに限定して、約2
50Hz以下の低域において、互いに特性の山谷のくい
違う櫛形特性にならない構成とし、その結果不足する約
250Hz以下の低域においては、ローパスフィルタ3
により250Hz以下の低域を抽出し、2分岐した一方
を位相反転回路7を通過させて、2分岐した他方との関
係を互いに逆位相の信号とすることにより、疑似ステレ
オ効果をさらに増加させる構成とする。
【0041】図9に本発明の音場処理回路の実際の回路
図を示す。図9における、図1に示した疑似ステレオ化
回路4は、図7に示した、オペアンプ構成のフェーズシ
フタを12段従属接続した回路を用いている。図10
に、図9に示した音場処理回路を実測した周波数特性の
結果を示しており、約250Hz以下の低域において、
出力1と出力2の周波数特性に殆ど差がない。実際の試
聴の結果でも、疑似ステレオ効果があり、かつ、低域で
の音質差が殆どないことが判った。
【0042】次に、本発明の第2の実施例について図1
1を用いて説明する。図11において、入力端子51に
入力されたモノラルの音場信号は、3分岐され、高域成
分と中域成分と低域成分に分割するハイパスフィルタ
1、バンドパスフィルタ2及びローパスフィルタ3にそ
れぞれ入力される。バンドパスフィルタ2の出力は、疑
似ステレオ化回路4に入力される。
【0043】疑似ステレオ化回路4の一方の出力は、ハ
イパスフィルタ1の出力及びローパスフィルタ3の出力
と加算回路5により加算され、その出力は出力端子52
へ出力される。疑似ステレオ化回路4の他方の出力は、
ハイパスフィルタ1の出力及びローパスフィルタ3の出
力と加算回路6により加算され、その出力は出力端子5
3へ出力される。
【0044】図11に示した本発明の第2の実施例は、
不足する約250Hz以下の低域において、ローパスフ
ィルタ3により250Hz以下の低域を抽出して、加算
回路5と6により加算する構成とした場合である。この
場合、位相反転回路7を通過させて、逆位相の信号とす
ることによる疑似ステレオ効果の増加は期待出来ない
が、低域での音質差はない、音場処理が可能である。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、約2kH
z以下の周波数では2つの音場再生用スピーカから再生
される音が疑似ステレオ化されており、約2kHz以上
の周波数では2つの音場再生用スピーカから再生される
音がモノラルであるため、2kHz以下の周波数成分が
支配的な環境音、残響音は聴取者の後方に定位せず音が
広がった感じを与えることができ、2kHz以上の周波
数成分も豊富に含む移動音は音が拡散せず後方に定位
し、前後の音のつながりにおいての音像の違いによる違
和感を低減することができる。従って、環境音、残響音
の広がり感と、移動音の移動感を両立することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の音場処理回路のブロッ
ク図
【図2】本発明の第1の実施例の音場処理回路を用いた
映像音響再生システムのブロック図
【図3】映画の移動音の周波数成分を実測した周波数分
析図
【図4】映画の環境音の周波数成分を実測した周波数分
析図
【図5】Lauridsen回路のブロック図
【図6】Lauridsen回路の周波数特性図
【図7】Lauridsen回路の実際の回路図
【図8】図7のLauridsen回路の周波数特性の
実測特性図
【図9】本発明の第1の実施例の音場処理回路の実際の
回路図
【図10】図9の本発明の第1の実施例の音場処理回路
の実測特性図
【図11】本発明の第2の実施例の音場処理回路のブロ
ック図
【図12】映像音響再生システムの従来例を示すブロッ
ク図
【図13】映像音響再生システムのスピーカ配置の従来
例を示す図
【図14】映像音響再生システムの従来例を示すブロッ
ク図
【図15】音場処理回路の他の従来例を示すブロック図
【図16】疑似ステレオ化回路の従来例を示す図
【図17】疑似ステレオ化回路の他の従来例を示す図
【符号の説明】
1 ハイパスフィルタ 2 バンドパスフィルタ 3 ローパスフィルタ 4 疑似ステレオ化回路 5,6,23 加算回路 7 位相反転回路 11 映像音響信号供給装置 12 マトリクスデコーダ 13 音場処理回路 14 増幅器 15 レフトスピーカ 16 センタースピーカ 17 ライトスピーカ 18 音場再生用スピーカ 19 ディスプレイ 20 聴取者 22 時間遅延回路 24 減算回路 51 入力端子 52,53 出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔭山 惠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたモノラルの信号を高域成分及
    び中域成分及び低域成分に分割するハイパスフィルタ及
    びバンドパスフィルタ及びローパスフィルタと、前記バ
    ンドパスフィルタの出力を互いに相関の小さい2つの信
    号に変換する疑似ステレオ化手段と、ローパスフィルタ
    の出力を2分岐する2分岐手段と、前記2分岐手段の第
    1の出力を入力し、その位相を反転する位相反転手段
    と、前記疑似ステレオ化手段の出力の第1の出力と前記
    ハイパスフィルタの出力信号と前記2分岐手段の第2の
    出力を加算する第1の加算手段と、前記疑似ステレオ化
    手段の出力の第2の出力と前記ハイパスフィルタの出力
    信号と前記位相反転手段の出力を加算する第2の加算手
    段とからなる音場処理回路。
  2. 【請求項2】 入力されたモノラルの信号を高域成分及
    び中域成分及び低域成分に分割するハイパスフィルタ及
    びバンドパスフィルタ及びローパスフィルタと、前記バ
    ンドパスフィルタの出力を互いに相関の小さい2つの信
    号に変換する疑似ステレオ化手段と、前記疑似ステレオ
    化手段の出力の第1の出力と前記ハイパスフィルタの出
    力信号と前記ローパスフィルタの出力を加算する第1の
    加算手段と、前記疑似ステレオ化手段の出力の第2の出
    力と前記ハイパスフィルタの出力信号と前記ローパスフ
    ィルタの出力を加算する第2の加算手段とからなる音場
    処理回路。
  3. 【請求項3】 疑似ステレオ化手段は、通過域と阻止域
    の周波数帯域が互いに逆の関係になる2つの櫛形フィル
    タから構成される、請求項1または請求項2に記載の音
    場処理回路。
  4. 【請求項4】 ハイパスフィルタのカットオフ周波数及
    びバンドパスフィルタの高域のカットオフ周波数をそれ
    ぞれ約2kHzに設定した、請求項1〜請求項3のいず
    れか1項に記載の音場処理回路。
  5. 【請求項5】 ローパスフィルタのカットオフ周波数及
    びバンドパスフィルタの低域のカットオフ周波数を櫛形
    フィルタの低域の最初の谷の周波数以下の周波数に設定
    した、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の音場
    処理回路。
  6. 【請求項6】 ローパスフィルタのカットオフ周波数及
    びバンドパスフィルタの低域のカットオフ周波数を、櫛
    形フィルタを構成する時間遅延手段の時間遅延値の逆数
    値以下に設定した、請求項1〜請求項3のいずれか1項
    に記載の音場処理回路。
JP7058923A 1995-03-17 1995-03-17 音場処理回路 Pending JPH08256400A (ja)

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JP7058923A JPH08256400A (ja) 1995-03-17 1995-03-17 音場処理回路

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