JPH08254877A - 電子写真式印刷装置の帯電装置及びクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光ドラム上の帯電電位を均一化できると共
に、安価であると言う特徴を持つ電子写真式印刷装置の
帯電装置を提供すること。 【構成】 帯電装置は、回転型の感光ドラムに接触する
多数のブラシ繊維を有するブラシ帯電器と、ブラシ帯電
器を感光ドラムの回転軸の方向に振動させるアクチュエ
ータを具備している。ブラシ繊維の長さは、感光ドラム
の回転軸の方向において不均一化されている。感光ドラ
ムの面上から残トナーを掻き落とすクリーナ・ブレード
も、感光ドラムの回転軸の方向に振動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザ・ビーム・プリ
ンタやコピー機等の電子写真式印刷装置の帯電装置およ
びクリーニング装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７はレーザ・ビーム・プリンタの概要
を示す図である。同図において、１は帯電ローラ、２は
感光ドラム、３は現像ローラ、４は転写ローラ、５はク
リーナ・ブレードをそれぞれ示している。

【０００３】帯電ローラ１によって感光ドラム２の表面
を−６００ボルト程度に帯電する。−６００ボルトに帯
電された感光ドラム２の表面にレーザ・ビームが照射さ
れると、その部分の電位は略ぼアース電位になる。現像
ローラ３によって感光ドラム２の表面にトナーが振りか
けられると、レーザ・ビームが照射された部分にトナー
が付着する。転写ローラ４によって、感光ドラム２の表
面に形成されたトナー像が用紙に転写される。感光ドラ
ム２の表面に残存している残トナーは、クリーナ・ブレ
ード５によって掻き落とされる。

【０００４】図８は従来の回転型ブラシを示す図であ
り、図９は従来の固定ブラシを示す図である。図におい
て、６は回転型ブラシ、７は固定型ブラシ、ｆは速度、
ｎは１以上の数をそれぞれ示す。電子写真プロセスの帯
電装置として、感光ドラムと接触する導電性繊維を用い
たブラシ帯電器としては、図８，図９に示したようなも
のが知られている。この接触ブラシ帯電の原理は、主に
三つの現象で説明されている。 ブラシ繊維と感光ドラム（有機感光体）表面との摩擦
帯電。 接触部においてブラシ繊維材抵抗を介して感光ドラム
誘電層に電荷がチャージされる電荷注入。 ブラシ繊維とドラム表面の微小（３０〜４０μｍ）の
ギャップで発生する放電現象。 この内、帯電電位に到達するまでの多くはの放電現象
が最も寄与している。

【０００５】一般にブラシ帯電器は、ドラム電位の均一
化を行うため、一点で起こる微小ギャップの放電現象を
より回数と密度を上げることで対応している。具体的に
は、ブラシの繊維密度を上げる，固定型ではブラシの幅
を広げ通過距離を延ばす，回転型では回転の周速度差を
持って見掛け上のブラシ密度をあげる等の方策が取られ
ている。

【０００６】回転ブラシ型の欠点は、ブラシ・ローラの
加工にコストがかかる点にある。回転ブラシ型の利点と
しては、ブラシ・ローラの接触ニップ部から回転に従っ
て徐々に離れる部分におけるブラシ繊維の挙動の影響が
微小ギャップ部での放電に良好な結果を与える点が上げ
られる。

【０００７】これらに対して、固定型のブラシで同様な
効果を得る目的で、固定ブラシを軸方向に振動させるこ
とで帯電電位均一化の効果を出せることは、従来から知
られている。しかし、このような固定ブラシ方式の帯電
装置では、振動の振幅に対してブラシ繊維の動きによる
効果が余り顕著では無かった。

【０００８】電子写真式印刷装置においては、図７に示
すように、帯電，露光，現像，転写，定着（図示せ
ず），クリーニングの６つのプロセスがある。転写プロ
セスにおける転写効率は現行では８０％〜９０％である
ため、転写プロセスの後でも感光ドラム上に若干のトナ
ーが残存する。このような残トナーは、クリーナ・ブレ
ード５によって感光ドラム面上から掻き落とされる。こ
のような役目を持つプロセス最終段を“クリーナ・プロ
セス”と呼び、その主要部材が“クリーナ・ブレード”
と呼ばれるゴム・ブレードである。

【０００９】図１０は従来のクリーナ・ブレードの動作
原理を説明する図である。クリーナ・ブレードの動作原
理は、次のように考えられている。クリーナ・ブレード
は、感光ドラムに一定の押付力Ｆで押し付けられてい
る。このような状態の下で感光ドラムが回転すると、静
摩擦と動摩擦の差により、スティック・スリップ現象が
生じてクリナー・ブレードの先端が図示のように振動
し、この力によってトナーを感光ドラムの面上から掻き
落とす。このような従来方式では、押付力Ｆに一定の力
が必要であるため、クリーナ・ブレードに磨耗が生じ、
クリーナ性能を劣化させていた。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この点に鑑
みて創作されたものであって、感光ドラム上の帯電電位
を均一化できると共に、安価であると言う特徴を持つ電
子写真式印刷装置の帯電装置を提供すること目的として
いる。また、本発明は、クリーナ・ブレードの寿命を延
長できると共に、クリーニング性能が劣化しない電子写
真式印刷装置のクリーニング装置を提供することを目的
としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そしてそのため、請求項
１の電子写真式印刷装置の帯電装置は、回転型の感光ド
ラムに接触する多数のブラシ繊維を有するブラシ帯電器
と、ブラシ帯電器を感光ドラムの回転軸の方向に振動さ
せるためのアクチュエータとを具備するとともに、ブラ
シ繊維の長さを感光ドラムの回転軸の方向において不均
一化させたことを特徴とするものである。

【００１２】請求項２の電子写真式印刷装置の帯電装置
は、請求項１の電子写真式印刷装置の帯電装置におい
て、ブラシ繊維の長さをｙ、感光ドラムの回転軸の方向
の長さをｘ、Ｘを周期とするとき、略ぼｙ（ｘ）＝ｙ
（ｘ＋Ｘ）となるようにしたことを特徴とするものであ
る。

【００１３】請求項３の電子写真式印刷装置の帯電装置
は、請求項２の電子写真式印刷装置の帯電装置におい
て、ブラシ帯電器の振動の振幅をＸの２倍以上にしたこ
とを特徴としている。

【００１４】請求項４の電子写真式印刷装置のクリーニ
ング装置は、回転型の感光ドラム上のトナーを掻き取る
クリーナ・ブレードと、クリーナ・ブレードを感光ドラ
ムの回転軸の方向に振動させるアクチュエータとを具備
することを特徴とするものである。

【００１５】

【作用】本発明の帯電装置の作用について説明する。ブ
ラシ型帯電器のブラシ繊維の長さは、感光ドラムの回転
軸の方向において不均一にされている。従って、ブラシ
帯電器を振動させると、感光ドラム面上の各点には、長
いブラシ繊維と短いブラシ繊維とが接触し、これにより
感光ドラムの表面を均一に帯電させることが出来る。

【００１６】本発明のクリーニング装置の作用について
説明する。クリーナ・ブレードの１縁は感光ドラムの面
上に押し付けられている。クリーナ・ブレードを振動さ
せることにより、クリーナ性能を向上させることが出来
ると共に、感光ドラムへの押圧力を従来に比べて小さく
することが出来る。これにより、クリーナ・ブレードの
磨耗を少なくでき、延いてはクリーナ・ブレードの寿命
を延長させることが出来る。

【００１７】

【実施例】図１は本発明の帯電装置の１例を示す図であ
る。同図において、２は感光ドラム、８はブラシ帯電
器、９は圧電アクチュエータ、１０は交流電源をそれぞ
れ示している。

【００１８】図示しないが、感光ドラム２の有機感光体
層の内側にはアルミ箔が設けられ、このアルミ箔はアー
スされている。感光ドラム２の表面に電圧を印加する直
流電源は、−１０００ボルト程度のものである。ブラシ
帯電器８には多数の毛が植設されている。毛の電気抵抗
は、１０⁶ 〜１０⁸ オーム程度である。圧電アクチュエ
ータ９は、感光ドラム２の回転方向に対して直角方向に
ブラシ帯電器８を振動させる。交流電源１０は、圧電ア
クチュエータ９を振動させるためのものである。圧電ア
クチュエータ９の代わりに、他の振動用アクチュエー
タ、例えば電磁式アクチュエータを使用することが出来
る。

【００１９】図２は本発明のブラシ帯電器の構成例を示
す図である。同図において、１１は金属のブラシ基材、
１２は導電性繊維の布地、１３はブラシ接触部をそれぞ
れ示している。板状のブラシ基材１１には導電性繊維の
布地１２が接着されている。導電性繊維の布地１２には
多数の毛が植設されており、この多数の毛がブラシ接触
部１３を構成している。毛は、１０⁶ 〜１０⁸ オーム程
度の抵抗値を持つ。

【００２０】ブラシ帯電器は、振動用圧電アクチュエー
タによって振動させられる。振動方向は、感光ドラムの
回転方向と直角である。毛の長さをｙ，横方向の長さを
ｘ，周期をＸとすると、 ｙ（ｘ）＝ｙ（ｘ＋Ｘ） となる。図示の例では、ブラシ接触部の形状は、ｘ方向
に対して三角波状に変化している。例えば、毛の最大長
は８ｍｍ、毛の最小長は６ｍｍ、周期Ｘは４ｍｍ、感光
ドラム表面とブラシ基材の距離は５ｍｍ、振動振幅は４
ｍｍ×２＋α＝１２ｍｍである。

【００２１】図２に示すように、ブラシ繊維長さを振動
方向に不均一化（段差を付ける）させることによって、
振動による感光ドラム表面におけるブラシ繊維の動きを
滑らかにすることが出来、延いては感光ドラムの帯電電
位を均一化させることが出来る。

【００２２】図３は本発明のクリーナ・ブレードの概要
を示す図である。同図において、２は感光ドラム、５は
クリーナ・ブレード、１４はクリーナ・ブレードの基板
をそれぞれ示している。クリーナ・ブレード５はゴム・
ブレードである。クリーナ・ブレード５の前縁は感光ド
ラム２の面上に押し付けられており、クリーナ・ブレー
ド５の後縁は基板１４に固着されている。クリーナ・ブ
レード５は、感光ドラム２の回転方向に対して直角方向
に振動する。

【００２３】図４は本発明のクリーナ・ブレードの第１
実施例を示す図である。同図において、１５は積層型の
圧電素子、１６はバネをそれぞれ示している。圧電素子
１５に交流電圧を印加すると、圧電素子１５は振動す
る。圧電素子が振動すると、振動は基板１４に伝えら
れ、これによってクリーナ・ブレード５も振動する。図
５は本発明のクリーナ・ブレードの第２実施例を示す図
である。同図において、１７はバイモルフ型の圧電素子
を示す。第２実施例は、圧電素子としてバイモルフ式の
ものを使用した点で、第１実施例と相違している。

【００２４】図６は本発明のクリーナ・ブレードの第３
実施例を示す図である。同図において、１８は電磁式ソ
レノイド、１９は交流電源をそれぞれ示す。電磁ソレノ
イド１８に交流が印加されると、電磁ソレノイド１８が
振動し、この振動が基板１４に伝えられ、これによりク
リーナ・ブレード５が振動する。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の帯電装置においては、ブラシの長さが不均一なこと
で、振動時にブラシ繊維の撓み量の大きいものと小のも
のとが感光ドラム上の各１点に対して均等に接触し、微
小ギャップの形成頻度が多くなり、これによって、感光
ドラム面上の帯電電位を均一にすることが出来る。ま
た、本発明のクリーニング装置は、クリーナ・ブレード
の寿命を延長できると共に、クリーナ性能を向上できる
と言う効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の帯電装置の１例を示す図である。

【図２】本発明のブラシ帯電器の構成例を示す図であ
る。

【図３】本発明のクリーナ・ブレードの概要を示す図で
ある。

【図４】本発明のクリーナ・ブレードの第１実施例を示
す図である。

【図５】本発明のクリーナ・ブレードの第２実施例を示
す図である。

【図６】本発明のクリーナ・ブレードの第３実施例を示
す図である。

【図７】レーザ・ビーム・プリンタの概要を示す図であ
る。

【図８】従来の回転型ブラシを示す図である。

【図９】従来の固定ブラシを示す図である。

【図１０】従来のクリーナ・ブレードの動作原理を示す
図である。

【符号の説明】

１ 帯電ローラ ２ 感光ドラム ３ 現像ローラ ４ 転写ローラ ５ クリーナ・ブレード ６ 回転型ブラシ ７ 固定型ブラシ ８ ブラシ帯電器 ９ 圧電アクチュエータ １０ 交流電源 １１ 金属のブラシ基材 １２ 導電性繊維の布地 １３ ブラシ接触部 １４ クリーナ・ブレード １５ 積層型の圧電素子 １６ バネ １７ バイモルフ型の圧電素子 １８ 電磁式ソレノイド １９ 交流電源

フロントページの続き (72)発明者 本 悟 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の ２ 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 中島 豊 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の ２ 株式会社ピーエフユー内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転型の感光ドラムに接触する多数のブ
   ラシ繊維を有するブラシ帯電器と、ブラシ帯電器を感光
   ドラムの回転軸の方向に振動させるためのアクチュエー
   タとを具備すると共に、ブラシ繊維の長さを感光ドラム
   の回転軸の方向において不均一化させたことを特徴とす
   る電子写真式印刷装置の帯電装置。
2. 【請求項２】 ブラシ繊維の長さをｙ、感光ドラムの回
   転軸の方向の長さをｘ、Ｘを周期とするとき、略ぼｙ
   （ｘ）＝ｙ（ｘ＋Ｘ）となるようにしたことを特徴とす
   る請求項１の電子写真式印刷装置の帯電装置。
3. 【請求項３】ブラシ帯電器の振動の振幅をＸの２倍以上
   にしたことを特徴とする請求項２の電子写真式印刷装置
   の帯電装置。
4. 【請求項４】 回転型の感光ドラム上のトナーを掻き取
   るクリーナ・ブレードと、クリーナ・ブレードを感光ド
   ラムの回転軸の方向に振動させるアクチュエータとを具
   備することを特徴とする電子写真式印刷装置のクリーニ
   ング装置。