JPH08254212A - 固体潤滑転がり軸受 - Google Patents

固体潤滑転がり軸受

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Publication number
JPH08254212A
JPH08254212A JP8640395A JP8640395A JPH08254212A JP H08254212 A JPH08254212 A JP H08254212A JP 8640395 A JP8640395 A JP 8640395A JP 8640395 A JP8640395 A JP 8640395A JP H08254212 A JPH08254212 A JP H08254212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
solid lubricant
bearing
film
film thickness
Prior art date
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Pending
Application number
JP8640395A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sunahara
賢治 砂原
Koji Takeshita
浩二 竹下
Tadaki Itabe
忠喜 板部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP8640395A priority Critical patent/JPH08254212A/ja
Publication of JPH08254212A publication Critical patent/JPH08254212A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空中およびクリーン環境中において寿命が
長く、発塵の少ない固体潤滑転がり軸受を得る。 【構成】 内輪11および外輪12の転走面と転動体1
3の表面にスパッタリングによってMoS2 の固体潤滑
膜を付着させ、保持器14に固体潤滑剤を含有した複合
材料を用いた固体潤滑転がり軸受において、内輪および
外輪の転走面に付着させる固体潤滑膜の膜厚Trと転動
体の表面に付着させる固体潤滑膜の膜厚Tbとをそれぞ
れ単位0.1μmでX軸とY軸にとったとき、(0,
2)、(2,2)、(7,0.8)、(9,0.6)、
(9,0)、(2,0)、(0,1)の点で囲まれる領
域に設定した構成にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空中およびクリーン
環境中に使用される、発塵の少ない固体潤滑転がり軸受
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、真空用軸受の潤滑は、内輪、外輪
の転走面や転動体の表面にMoS2 をスパッタリング
し、転動体の保持器にポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、MoS2 、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)樹脂、アラミド繊維の複合体からなる自己潤滑
性材料で構成したものが開示されている(例えば、特開
平4ー102718号)。この軸受は運転初期にはMo
2 スパッタリング膜が潤滑し、次第に保持器の自己潤
滑性材料が転動体の表面に転移し、さらに内輪、外輪の
転走面に転移することによって、長期間の潤滑を行う構
成になっている。また、内輪、外輪の転走面や転動体の
表面に平均分子量が5000以下のPTFE(以後、P
TFEテロマーとよぶ)からなる潤滑膜を処理したもの
が開示されている(例えば、特開平5ー33813
号)。PTFEテロマーはせん断強度が著しく小さく、
やわらかいため、その摩耗粉は再転移性に優れ、低発塵
であるという特徴を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の軸受
は長寿命ではあるが、運転初期においてMoS2 スパッ
タリング膜が剥離することにより、多量の発塵が生じる
という問題がある。また、後者の軸受は耐荷重性能が低
いので、寿命が短かいという問題がある。このように寿
命と発塵性能を兼ね備えた軸受は存在しない。そこで、
本発明は真空中およびクリーン環境中において寿命が長
く、発塵の少ない固体潤滑転がり軸受を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は内輪および外輪の転走面と転動体の表面に
スパッタリングによってMoS2 の固体潤滑膜を付着さ
せ、保持器に固体潤滑剤を含有した複合材料を用いた固
体潤滑転がり軸受において、前記内輪および外輪の転走
面に付着させる前記固体潤滑膜の膜厚Trと前記転動体
の表面に付着させる前記固体潤滑膜の膜厚Tbとをそれ
ぞれ単位0.1μmでX軸とY軸にとったとき、(0,
2)、(2,2)、(7,0.8)、(9,0.6)、
(9,0)、(2,0)、(0,1)の点で囲まれる領
域に設定した構成にしている。
【0005】
【作用】種々の実験データを解析した結果、発塵量に影
響の大きい部位は転動体の表面の固体潤滑膜であること
が判明した。これは、転動体は全表面で接触するのに対
し、内輪と外輪は転走面上の一本の線条でのみ接触し、
かつ接触時間が内輪、外輪より長いためと考えられる。
上記手段により、転動体の膜厚Tbを実効層の厚みすな
わち、MoS2 スパッタリング膜が実質的に潤滑に寄与
する膜厚の0.2μm以下にしているので、主に転動体
の表面の実効層以外の過剰な潤滑膜の剥離が押さえら
れ、発塵量は少なくなる。潤滑上必要な膜厚は軸受母材
の表面粗さRaの0.08μm以上あるので、軸受寿命
は確保される。また、転動体の膜厚Tbが0.1μmの
時には内輪、外輪の膜厚Trを0〜0.7μmにしたの
で、内輪、外輪の潤滑膜も剥離することはない。さら
に、転動体の膜厚Tbが0μmの時には、内輪、外輪の
膜厚Trを0.2〜0.9μmにしたので、内輪、外輪
の潤滑膜も剥離することはない。したがって、潤滑膜の
膜厚を上記手段の範囲に設定することで、寿命と発塵性
能の両方を兼ね備えた軸受を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の試験軸受の要部側面図である。試験
軸受1は型番#608(内径×外径×幅=φ8×φ22
×7mm)のオープンタイプの深溝形玉軸受を用いた。
図において11は内輪、12は外輪、13は転動体、1
4は保持器、15は内輪11、外輪12の転走面および
転動体13の表面に設けた固体潤滑剤であるMoS2
らなるスパッタ膜である。内輪11、外輪12の転走面
および転動体13の表面粗さ(Ra)は0.08μmで
ある。保持器14はPTFE、MoS2 、PEEK樹
脂、およびアラミド繊維の複合材料で成形されている。
試験軸受1は内輪11および外輪12の転走面に付着さ
せるスパッタ膜15の膜厚(Tr)を0〜1μm間で種
々変えたものと転動体の表面に付着させるスパッタ膜1
5の膜厚(Tb)を0〜0.3μm間で種々変えたもの
とを組み合わせて発塵量を測定した。図2は発塵量測定
装置の側断面図である。図において、モータ21は円筒
状のフレーム211と、その内側に固定した固定子21
2と、固定子212の内側に空隙を介して設けた回転子
213と、フレーム211の上下に着脱可能に設けた上
部ハウジング22、下部ハウジング23とから構成され
ている。上部ハウジング22にはグリース封入軸受2
7、下部ハウジング23には試験軸受1を装着し、両軸
受を介して回転子213を回転自在に支持しており、上
部ハウジング22とグリース封入軸受27との間に押え
リング24を介してコイルスプリング26を装入し、常
に試験軸受1に一定のアキシャル荷重を加えるようにし
ている。モータ21は真空ポンプ3に接続しており、そ
の経路中に当たる試験軸受1の垂直下方にレーザ式のパ
ーティクルカウンター25を設置している。試験は真空
中でモータ21を30h運転した後、試験軸受1からス
パッタ膜が剥離し落下してきた粒径0.27μm以上の
パーティクルの数を5分間隔で計数し、相対発塵量とし
て評価した。試験条件は、雰囲気圧力:1×10-4
a、雰囲気温度:常温(約24℃)、回転速度:120
0r/min、軸受荷重:61.7Nである。発塵量の
測定データをまとめた結果を図3に示す。図3は内輪1
1および外輪12の転走面に付着させたスパッタ膜15
の膜厚TrをX軸にとり、転動体13の表面に付着させ
たスパッタ膜15の膜厚TbをY軸にとって整理したも
のである。図はX軸、Y軸ともに単位0.1μmのスケ
ールであり、図中の白丸は発塵量が少なく、かつ30h
の運転後も以上が認められない良好なもので、黒丸は発
塵量が多いかまたは運転不能となったものである。種々
の組み合わせのうち、太枠で囲まれた領域の膜厚条件の
ものが、発塵量が少なく良好な結果を示たものである。
たとえば、本実施例のもの(2,1)と従来例のもの
(3.5,3)の発塵量の測定結果の例を、それぞれ図
4、図5に示している。本実施例のものでは運転初期の
3hの間、10〜200個/5分程度の少ない発塵量で
あり、その後10hまでに、0〜2個/5分の非常に少
ない発塵量になった。その後は12〜20hに10〜8
0個/5分の発塵量になるが、20〜30hには再度0
〜2個/5分の非常に少ない発塵量になり、30hの総
発塵量は3052個であった。一方、従来例では実施例
と比べ一桁多い発塵量になっており、実効層以外の過剰
な潤滑膜の剥離がおこっていることが分かる。図3から
転動体13のTbは内輪11および外輪12の膜厚Tr
と比べ発塵への影響が大きいことが分かる。これは、転
動体13は全表面で接触するのに対し、内輪11、外輪
12は転走面上の一本の線条でのみ接触し、その時間が
長いすためである。この発塵は、主に転動体13の表面
の実効層以外の過剰な潤滑膜の剥離によるものと考えら
れるので、発塵量を押さえるには、転動体13の膜厚T
bを0.2μm以下にする必要があることが分かる。ま
た、内輪11、外輪12の潤滑膜も過剰に付着すること
は好ましくなく、転動体13の膜厚Tbが0.1μmの
時には、内輪11、外輪12の膜厚Trを0〜0.76
μmの範囲に設定する必要があることが分かる。転動体
13の膜厚Tbが0μmの時には、内輪11、外輪12
の膜厚Trを0.2〜0.9μmの範囲に設定する必要
があることが分かる。本実施例中、(3.5,0)のも
のは発塵量増加の主因となる転動体13の膜厚Tbが0
μmであるため、総発塵量が142個と少なく、クリー
ン環境で使用する上で好適な軸受となっている。以上の
結果から、軸受からの発塵量を減らしつつ、十分な潤滑
性能を確保する潤滑膜の膜厚は図3に示す範囲であるこ
とが分かった。また、本発明の軸受にシールプレートを
付加することで、発塵量をさらに減らすことができる。
【0007】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、内
輪、外輪の転走面、および転動体の表面に処理するMo
2 スパッタリング膜の膜厚を特定したので、真空中お
よびクリーン環境中において発塵量が少なく、かつ長寿
命の固体潤滑転がり軸受を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体潤滑転がり軸受の要部側面図であ
る。
【図2】軸受の発塵量を測定する発塵量測定装置の側断
面図である。
【図3】本発明の固体潤滑転がり軸受の適正膜厚の範囲
を示す図である。
【図4】本発明の軸受の発塵量の時間的変化を示す特性
図である。
【図5】従来の軸受の発塵量の時間的変化を示す特性図
である。
【符号の説明】
1:試験軸受 11:内輪 12:外輪 13:転動体 14:保持器 15:スパッタ膜 2:発塵量測定装置 21:モータ 211:フレーム 212:固定子 213:回転子 22:上部ハウジング 23:下部ハウジング 24:押さえリング 25:パーティクルカウンタ 26:コイルスプリング 27:グリース封入軸受 3:真空ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内輪および外輪の転走面と転動体の表面に
    スパッタリングによってMoS2 の固体潤滑膜を付着さ
    せ、保持器に固体潤滑剤を含有した複合材料を用いた固
    体潤滑転がり軸受において、前記内輪および外輪の転走
    面に付着させる前記固体潤滑膜の膜厚Trと前記転動体
    の表面に付着させる前記固体潤滑膜の膜厚Tbとをそれ
    ぞれ単位0.1μmでX軸とY軸にとったとき、(0,
    2)、(2,2)、(7,0.8)、(9,0.6)、
    (9,0)、(2,0)、(0,1)の点で囲まれる領
    域に設定したことを特徴とする固体潤滑転がり軸受。
JP8640395A 1995-03-17 1995-03-17 固体潤滑転がり軸受 Pending JPH08254212A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8640395A JPH08254212A (ja) 1995-03-17 1995-03-17 固体潤滑転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8640395A JPH08254212A (ja) 1995-03-17 1995-03-17 固体潤滑転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08254212A true JPH08254212A (ja) 1996-10-01

Family

ID=13885909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8640395A Pending JPH08254212A (ja) 1995-03-17 1995-03-17 固体潤滑転がり軸受

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JP (1) JPH08254212A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009269308A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Canon Inc 画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Legal Events

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A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041228