JPH082528Y2 - ラバーパツキン構造 - Google Patents

ラバーパツキン構造

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JPH082528Y2
JPH082528Y2 JP1989043568U JP4356889U JPH082528Y2 JP H082528 Y2 JPH082528 Y2 JP H082528Y2 JP 1989043568 U JP1989043568 U JP 1989043568U JP 4356889 U JP4356889 U JP 4356889U JP H082528 Y2 JPH082528 Y2 JP H082528Y2
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rubber packing
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shaped
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治世 木村
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Isuzu Motors Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案はラバーパツキン構造、詳しくは内燃機関のヘ
ツドカバー、吸排気マニホールドなどの端部フランジを
機関本体に重合せて結合する部分に使用されるラバーパ
ツキン構造に関するものである。
[従来の技術] 例えば、シリンダヘツドに対してヘツドカバーを結合
する際の一般的なパツキン構造は、実開昭59-128994号
公報などに開示されるように、ヘツドカバーの重合せ面
の溝に係合したパツキンを、単にシリンダヘツドの取付
面に重ね合せるだけのものになつているが、この構成で
はパツキンのシリンダヘツドの取付面への押圧力が小さ
く、シール性が十分なものとは言えず、オイル洩れを起
す恐れがあつた。
そこで、第3図に示すようなラバーパツキン2が提案
されている。すなわち、吸気マニホールド、ヘツドカバ
ーなどの結合部材14の重合せ面14aに設けた深い溝12に
嵌合する突条3が、環状の板部4の一方の板面に設けら
れる一方、他方の板面に内外2条の環状の突条5が一体
に設けられる。
第4図に示すように、上述のラバーパツキン2によれ
ば、機関本体の取付面19にラバーパツキン2が取り付け
られると、突条5が取付面19に強く押し付けられるの
で、シール性が向上する反面、長時間高温の下で強く押
し付けられることになるため、突条5が板部4の内部へ
押し込まれた状態で永久変形し、復元性が失われ、徐々
にシール性が損なわれることになつたり、あるいは一度
取り外したパツキン2を再使用することができないと言
つた問題を有していた。
実開昭59-175656号公報に開示されるシール部材は、
断面台形をなす所定高さの受圧部の両側に、該受圧部よ
りも突出高さが高い舌片状の液密保持部を一体に形成し
たものであり、受圧部をシール面に押し付けた時、受圧
部よりも若干高い液密保持部がシール面に密接するよう
にし、受圧部が押付荷重を支持し、液密保持部の過大な
変形を防止するようになつている。しかし、該シール部
材では、液密保持部が潰れると、直ちに受圧部がシール
面に面接触してしまい、液密保持部がシール面に及ぼす
密着力はあまり変化せず、また断面台形の受圧部がシー
ル面に当つて加圧されると、受圧部の両側の角隅部(エ
ツジ)に応力が集中し、永久変形を生じやすく、シール
性能の劣化が起りやすいという欠点を有していた。
[考案が解決しようとする問題点] 本考案の目的は上述の問題に鑑み、オイル洩れなどの
原因となる舌片条の突条の永久変形を防止できるように
したラバーパツキン構造を提供することにある。
[問題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本考案の構成は、環状の
板部の一方の板面に結合部材の重合せ面の溝に嵌合する
1つの突条を設ける一方、同板部の他方の板面に該板面
から突出して被結合部材のシール面に弾性係合する内外
2条の舌片状の突条を設け、各突条の付け根の部分の両
側に前記他方の板面から引つ込んで前記突条の変形を吸
収し得る断面円弧状の溝を設け、前記各突条の内側に位
置する前記各溝の間に該突条よりも突出量が小さく幅が
広くかつ曲率半径の大なる断面円弧状の突条がなめらか
に連なるように形成したものである。
[作用] 環状のラバーパツキンにおいて、内外1対の舌片状の
突条が被結合部材の取付面ないしシール面に押し付けら
れる時、該突条は適正な押圧力をシール面に及ぼすと同
時に、自ら圧縮変形するが、舌片状の突条の圧縮変形は
該突条の内外両側に設けた断面円弧状の溝により吸収さ
れるので、過大な応力の集中が排除され、突条が無理な
く弾性変形した状態に維持される。
同時に、内外1対の舌片状の突条の間に形成した曲率
半径の大なる断面円弧状の突条が、ラバーパツキンのシ
ール面に対する押圧力(締付ボルトの締付荷重)に応じ
てシール面に面接触することになり、この面接触部分で
締付荷重を支持するので、舌片状の突条の過大な変形が
抑えられ、シール面に対する適正な押圧力が維持され
る。換言すれば、ラバーパツキンの板部に対する舌片状
の突条の付け根の部分の永久変形を排除するために、溝
の曲率半径と断面円弧状の突条の曲率半径を適当に設定
することにより、任意の材質についてシール面に対する
最適な押圧力が得られる。
シール面に対するラバーパツキンの押圧力が適正な値
に維持されるから、ラバーパツキンの熱負荷に対しても
耐久性が維持され、結合部材を被結合部材から取り外し
た場合にも、ラバーパツキンの舌片状の突条が原形に復
元し、再使用にも耐え得る。
[考案の実施例] 第6図は本考案によるラバーパツキンが用いられるシ
リンダヘツドのシール部分を示す。シリンダヘツドは水
室28を内部に有し、締付ボルト27によりシリンダ本体へ
結合される下部ヘツド23と、下部ヘツド23の上側に結合
されかつ吸排気弁のタペツト穴26とカム軸25を支持する
軸穴24とを有する上部ヘツド22と、上部ヘツド22を覆う
ヘツドカバー14とから構成される。
本考案によるラバーパツキン2は全体としてループ状
ないし環状をなすものであり、下部ヘツド23と上部ヘツ
ド22の重合せ部と、上部ヘツド22とヘツドカバー14の重
合せ部にそれぞれ装着される。しかし、本考案によるラ
バーパツキン構造は、シリンダヘツドに限らず、吸排気
マニホールドの取付面などにも広く適用される。
第5図に示すように、環状をなすラバーパツキン2は
結合部材を被結合部材に締結するボルトが貫通する複数
のボルト穴16を備えており、ボルト穴16の外側を迂回す
る舌片状の突条5とボルト穴16の内側の舌片状の突条5
との2条の突条が、ラバーパツキンの一方の板面に一体
に形成される。
第1図はラバーパツキン2の結合部材への装着前の自
然状態の断面形状を示す。環状の板部4の一方の板面
(図の上面)に断面積の大きな突条3が一体に形成さ
れ、パツキン2は全体として断面逆T字形とされる。板
部4の他方の板面(図の下面)に内外1対の舌片状の突
条5が形成されるとともに、各突条5の板部4に対する
付け根の部分に、板部4の他方の板面から引つ込んだ内
外1対の溝6,7がそれぞれ形成される。各突条5の内側
に位置する上記溝6は曲率半径の大なる断面円弧状の突
条8でなめらかに連絡される。該突条8の板部4の他方
の板面からの突出量は寸法sだけ前記2条の突条5より
も短くなつている。溝6,7の断面は曲率半径の小さい円
弧状とされる。各溝7の外側の板部4の板面は取付面19
と平行に形成される。
第2図に示すように、ラバーパツキン2の突条3は結
合部材である、例えばヘツドカバー14の重合せ面に設け
た深い溝12に嵌合される。また、板部4はヘツドカバー
14の重合せ面の浅く幅の広い溝13に嵌合され、板部4の
両側縁部は溝13の側壁13aに係合されて板部4の反り返
りが抑えられる。
本考案によるラバーパツキン2を嵌装したヘツドカバ
ー14を前記上部ヘツド22に装着する場合、まず断面円弧
状の突条8よりも突出する舌片状の突条5が取付面ない
しシール面19へ点接触し、シール面19に対するラバーパ
ツキン2の押付力を増していくに従つて突条5が面接触
するようになる。さらに、この押圧力を増加させていく
と、突条5の面接触度が増すと同時に、断面円弧状の突
条8がシール面19に点接触し、次いで面接触するという
段階を経てシールが達成されることになる。したがつ
て、ラバーパツキン2の押付力ないし押圧力を適正に選
ぶことにより、適確な点接触から面接触へと、シール面
19に対する突条5および8の接触状態が変化するので、
舌片状の突条5が必要以上に潰されるのを防止できる。
特に、舌片状の突条5と断面円弧状の突条8との間に
断面が緩かに変化する断面円弧条の溝6,7を備えている
ので、ラバーパツキン2の押付力の増加につれて突条5
の肉部が溝6の方へ変形するが、該変形は断面円弧状の
突条8の変形と打ち消しあつて釣り合う。すなわち、突
条5の変形量に対応して突条8も変形し、突条5の過大
な変形を抑えるように溝6がとりもつ(溝6の深さが浅
くなる)。したがつて、過大な押付力がラバーパツキン
2に作用したとしても、突条8と突条5とが押付力を分
担し合い、突条5のシール面19に対する適正な押圧力が
保たれ、突条5が必要以上に押し潰されることはない。
つまり、突条8には応力が集中する部分は存在せず、該
突条8が全体として押付荷重に対する変形を受け持つの
で、局部的な永久変形は起りにくい。
本考案によるラバーパツキン2には、板部4の板面よ
りも引つ込んだ溝6があるので、突条8の曲率半径(扇
形状の拡り角α)を大きく採ることができ、前述したよ
うに該突条8に対する局部的な応力集中を排除し、突条
8の全体に応力が分散され、突条8の全体的な変形を伴
なつて応力が吸収される。このことはラバーパツキン2
の幅Tを広くしないでも、押付力を十分に吸収できるも
のである。
要するに、ラバーパツキン2の突条5と突条8との間
に溝6があるので、突条5がシール面19へ押し付けられ
た時の変形は、突条5だけの単なる圧縮変形だけでな
く、突条5の付け根の肉部が溝6,7の方へ変形するの
と、突条8の肉部が溝6の方へ変形するのとが打ち消し
合つて過度の変形を抑えることができるので、いつまで
も弾性力が維持され、シール性を良好に保ち、また、押
付力を解放すれば、直ちに原形に復元し、再使用にも耐
えることができる。
なお、舌片状の突条5の溝6,7の曲率半径、断面円弧
状の突条8の曲率半径の好適な例を示せば、舌片状の突
条5の高さをL、幅を2Lとすると、舌片状の突条5の先
端部の曲率半径は0.2〜0.4L、溝7の曲率半径は0.2〜0.
4L、溝6の曲率半径は0.4〜1L、断面円弧状の突条8の
曲率半径は6〜8L、舌片状の突条5の相互の間隔は6〜
8L、sは0.4〜0.6Lである。
[考案の効果] 本考案による結合部材に装着されたラバーパツキン
は、舌片状の突条が被結合部材の取付面に接して常に適
正な押圧力を及ぼすので、シール性が向上される。
舌片状の突条の付け根の部分に溝があるので、該突条
が無理なく弾性変形し、同突条の弾性変形は前記溝を挟
む幅の広い断面円弧状の突条の弾性変形と釣り合うの
で、舌片状の突条に対する過大な応力の集中が排除さ
れ、舌片状の突条の永久変形が抑えらる。したがつて、
舌片状の突条は常に復元力を維持するので、再使用にも
可能となる。
1対の舌片状の突状の間に形成した幅の広い断面円弧
状の突条は、被結合部材の取付面に面接触して締付ボル
トによる締付荷重を支持し、過大な荷重から舌片状の突
条を保護するだけでなく、締付ボルトの締付荷重に応じ
て弾性変形し(接触面積が広くなり)、前記溝を挟む舌
片状の突条の弾性変形と釣り合うように働くので、長期
にわたり安定したシール性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るラバーパツキン装着前の断面図、
第2図はラバーパツキンの装着状態を示す断面図、第3
図は従来のラバーパツキンの締付前の断面図、第4図は
同締付後の断面図、第5図はラバーパツキンの全体を示
す平面図、第6図はラバーパツキンが適用されるシリン
ダヘツドの断面図である。 2:ラバーパツキン、3,5:舌片状の突条、4:板部、6,7:
溝、8:断面円弧状の突条、14:ヘツドカバー、19:取付面

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状の板部の一方の板面に結合部材の重合
    せ面の溝に嵌合する1つの突条を設ける一方、同板部の
    他方の板面に該板面から突出して被結合部材のシール面
    に弾性係合する内外2条の舌片状の突条を設け、各突条
    の付け根の部分の両側に前記他方の板面から引つ込んで
    前記突条の変形を吸収し得る断面円弧状の溝を設け、前
    記各突条の内側に位置する前記各溝の間に該突条よりも
    突出量が小さく幅が広くかつ曲率半径の大なる断面円弧
    状の突条がなめらかに連なるように形成したことを特徴
    とするラバーパツキン構造。
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