JPH08252690A - ガスメタルアーク溶接金属 - Google Patents

ガスメタルアーク溶接金属

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JPH08252690A
JPH08252690A JP8089295A JP8089295A JPH08252690A JP H08252690 A JPH08252690 A JP H08252690A JP 8089295 A JP8089295 A JP 8089295A JP 8089295 A JP8089295 A JP 8089295A JP H08252690 A JPH08252690 A JP H08252690A
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JP
Japan
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weld metal
metal
toughness
weld
gas
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JP8089295A
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English (en)
Inventor
Hajime Ishikawa
肇 石川
Yoshio Terada
好男 寺田
Yoshinori Ogata
佳紀 尾形
Hiroshi Tamehiro
博 為広
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、CO2 を含んだ石油,天然ガス,
CO2 を輸送するラインパイプ等の円周溶接にて充分な
強度と靱性を具備した溶接金属を提供する。 【構成】 鋼管円周溶接における溶接金属の化学成分と
して、C:0.01〜0.08%,Si:0.60%以
下,Mn:0.7〜3.1%,Cr:0.7〜2.0
%,Ti:0.003〜0.045%,Al:0.06
%以下,N:0.001%〜0.005%,O:0.0
1〜0.08%を含有し、含有元素および不純物元素に
ついて0.15≦Pcm≦0.28を満足し、かつT
i,Al,N,Oについて−50≦α’≦50を満足す
るガスメタルアーク溶接金属である。 【効果】 高強度,高靱性とさらに耐選択腐食性に優
れ、寒冷地やオフショアの腐食環境下において優れた効
果を発揮し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CO2 を含んだ石油,
天然ガス,またはCO2 を輸送するラインパイプの円周
溶接金属の選択腐食,低温靱性ならびに溶接性に優れた
ガスシールドアーク溶接金属に関するものである。
【0002】
【従来の技術】寒冷地やオフショアにおける石油,ガス
輸送用の大径ラインパイプに対しては、高強度とともに
優れた低温靱性,現地溶接性が要求される。さらに近
年、原油の2次,3次回収におけるCO2 注入や深井戸
化によるインヒビター効果の低下によって、CO2 ガス
によるラインパイプの腐食が大きな問題となり、耐CO
2腐食性が要求されるようになった。
【0003】現在までに、CO2 腐食に関してはCr添
加が有効であることが公表されている(石油技術協会
誌, 50巻, 第2号図9, 10)。また例えば、特開平
3−211230号公報において、鋼管母材の耐CO2
腐食性改善にCr添加する方法が提案されている。
【0004】しかし、低温靱性に優れたCO2 を含む腐
食環境下で使用されるラインパイプ円周溶接部の、CO
2 腐食,選択腐食抑制を考慮したガスメタルアーク溶接
金属は開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にシームレス鋼
管,または溶接鋼管をCO2 を含んだ石油,天然ガス輸
送に使用すると、円周溶接金属が選択腐食を起こす場合
が多い。これは溶接金属と母材との化学成分や組織が異
なり、溶接金属の耐CO2 腐食性が劣化するためであ
る。
【0006】従来、前述のような環境下で使用されるラ
インパイプに対して、選択腐食を防止した円周溶接金属
は検討されていなかった。
【0007】本発明の目的は、特に円周溶接金属部のC
2 腐食,選択腐食の防止とともに充分な強度と靱性を
具備した溶接金属を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、鋼管の円周溶接において、溶接金属の化学成分と
して重量%で、C :0.01〜0.08%, S
i:0.60%以下,Mn:0.7〜3.1%,
Cr:0.7〜2.0%,Ti:0.003〜0.
045%, Al:0.06%以下,N :0.001
%〜0.005%,O :0.01〜0.08%を含有
し、残部が鉄および不可避的不純物であって、含有元素
および不純物元素について下記(1)式を満足し、かつ
Ti,Al,N,Oについて下記(2)式を満足するガ
スメタルアーク溶接金属である。
【0009】
【数3】 0.15≦Pcm=C+Si/30+Mn/20+Ni/60+Cu/20 +Cr/20+Mo/15+V/15+5B ≦0.28 ………(1)
【0010】
【数4】 −50≦α’={1.5(O−0.89Al)+3.4N−Ti}×103 ≦50 ………(2)
【0011】
【作用】前記課題を解決するために、発明者らはガスメ
タルアーク溶接ワイヤの化学成分を種々変化させて、C
2 と塩水(NaCl水溶液)を含む腐食環境中で溶接
部の耐食性,耐選択腐食性と、機械的性質について綿密
な調査を重ねた結果、Cの低減かつCrの添加等によっ
て溶接金属部の化学成分を調整することにより、円周溶
接部の選択腐食を効果的に防止し得るガスメタルアーク
溶接金属を見出した。
【0012】また溶接金属の低温靱性を向上させるため
には、焼入性と溶接金属部のTi,Al,N,Oのバラ
ンスを調整する必要があることが判った。
【0013】本発明において溶接金属の化学成分の限定
理由は下記の通りである。
【0014】C:溶接金属中のC量の低減は、耐CO2
腐食性を向上させる。一方Cは良好な機械的性質を得る
ためにワイヤ中に添加される。0.01%未満では、溶
接金属中の粒界フェライト,フェライトサイドプレート
の生成,粗大化するため強度および靱性が低下し、機械
的性質が母材に対して不十分である。
【0015】一方0.08%より超にすると、溶接金属
内のカソードサイトとなり得る炭化物が増加し、耐CO
2 腐食性,耐選択腐食性を劣化させる。よってC量は
0.01〜0.08%の範囲とした。
【0016】Si:Siは良好な溶接金属の機械的性質
を得るために必要である。0.6%より多く添加する
と、溶接金属の靱性が劣化するので上限を0.6%とし
た。さらに硬さが上昇するとともに溶接割れ感受性が上
昇する。よってSi量は0.60%以下とした。
【0017】Mn:Mnは良好な機械的性質を得るため
に溶接金属に添加する。しかし0.7%未満では、溶接
金属の強度が母材に対して不足したり焼入性が低下する
ため靱性が低下する。一方3.1%より超にすると溶接
金属の硬さが上昇し、強度が母材に対して過大となり、
それによる靱性不足が生じ、さらに硬さが上昇する。よ
ってMn量の適正範囲を0.7〜3.1%とした。
【0018】Cr:Crは溶接金属の耐CO2 腐食性,
耐選択腐食性の改善と良好な機械的性質を得るためにワ
イヤ中に添加する。Crは溶接金属の耐選択腐食性を向
上させる有効な元素であり、0.70%未満ではその効
果が得られない。また2.00%より超にすると靱性不
足が生ずる。さらに硬さが上昇するとともに溶接割れ感
受性が上昇する。よってCr量の適正範囲を0.70〜
2.00%とした。
【0019】Ti:Tiは溶接金属の低温靱性を確保す
るために添加する。Tiはフェライトの微細化による溶
接金属の靱性向上に有効である。しかし0.003%未
満にするとその効果が得られない。一方0.045%を
超えると、炭化物が多く生成し低温靱性を劣化させる。
よってTi量は0.003〜0.045%とした。
【0020】Al:Alは0.06%を超えるとスラグ
巻き込みによる溶接欠陥が多量に生成し、低温靱性の劣
化の原因となる。よってAl量は0.06%とした。
【0021】N:NはTiNを形成し、γ粒の粗大化抑
制効果を通じて靱性を向上させる。このため最小量は
0.001%である。しかし多すぎると、固溶Nによる
靱性劣化の原因となるので、上限は0.005%以下に
抑える必要がある。
【0022】O:通常のガスメタルアーク溶接におい
て、O量を0.01%未満にすることは不可能である。
O量の上限を0.08%としたのは、非金属介在物の生
成による溶接金属の清浄度の低下,靱性劣化を防止する
ためである。
【0023】なお不可避不純物の量は少ない方が望まし
く、特にP:0.030%以下,S:0.030%以
下,Nb:0.02%以下,V:0.02%以下,N
i:3.0%以下,Mo:1.0%以下,Zr:0.0
5%以下,B:0.002%以下の範囲であれば、溶接
金属の耐CO2 腐食性および機械的性質を阻害しない。
これらの成分が上記範囲を超える場合には、溶接欠陥の
発生(P,S,B),機械的性質の低下(Nb,V,N
i,Mo)等の不具合が生ずる。
【0024】Pcm:また個々の量を限定するだけでは
不十分であり、“0.15≦Pcm=C+Si/30+
Mn/20+Ni/60+Cu/20+Cr/20+M
o/15+V/15+5B≦0.28”とする必要があ
る。0.15より小さいと、焼入性が低下するため粗大
なフェライト,フェライト・サイド・プレートが生成し
低温靱性を劣化させる。0.28超になると、焼入性が
上昇し硬化するため低温靱性の劣化と溶接割れを引き起
こす。このため0.15≦Pcm≦0.28とした。
【0025】α’:さらに“−50≦α’={1.5
(0−0.89Al)+3.4N−Ti}×103 ≦5
0”とする必要がある。−50未満では、Ti炭化物な
どが多量に生成し靱性を劣化させる。またα’の上限を
50としたのは、非金属介在物の生成による溶接金属の
清浄度,靱性劣化を防止するためである。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。ガスメタル
アーク溶接によって得られた溶接金属の化学成分を表
1,表2に、その機械的性質を表3にそれぞれ示す。
【0027】硬さはビッカース試験により評価し、靱性
はJIS4号試験片を用いて−30℃での吸収エネルギ
ーで評価した。耐CO2 腐食性は10%NaCl水溶液
に1atmCO2 をバブリングして80℃,pH5.0
に調整し、試験片を96hr以上を浸漬し評価した。
【0028】表3に示すように、本発明例では、高強
度,高靱性で耐CO2 腐食性の優れた溶接金属が得られ
た。
【0029】しかしながら、溶接金属11〜27は化学
成分が適切でなく、機械的性質が得られない。溶接金属
11はC量が少なく、強度靱性が不足した。溶接金属1
2はC量が超で耐CO2 腐食性が劣化した。溶接金属1
3はSi量が多く低温靱性が劣化した。
【0030】溶接金属14ではMnが少ないために、ま
た溶接金属15ではMnが多いためそれぞれ靱性が低下
した。溶接金属16ではCr量の不足のため耐CO2
食性が劣化した。溶接金属17ではCr量が多いため、
また溶接金属18ではTi量が少ないため、それぞれ溶
接金属の靱性が低下した。
【0031】溶接金属19ではTi量が,溶接金属20
ではAl量がそれぞれ多く、靱性が劣化した例である。
また溶接金属21はN量が少ないため、溶接金属22で
はN量が多過ぎるため、それぞれ靱性が低下した。また
溶接金属23はO量が多く靱性が低下した。
【0032】鋼管24〜27では母材の化学成分は適切
であるが、Pcm,α’は不適切であり、低温靱性が劣
化した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるガスメ
タルアーク溶接金属によれば、鋼管の円周溶接におい
て、高強度,高靱性を有し、耐CO2 腐食性に優れた溶
接金属が得られるもので、特にCO2 を含有する石油,
天然ガスを輸送するラインパイプの中継(円周)溶接に
は、耐選択腐食性に優れた円周溶接金属が得られるもの
であり、寒冷地やオフショアの腐食環境下における溶接
性能の向上に優れた効果を発揮し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 為広 博 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の円周溶接において、溶接金属の化
    学成分として重量%で、 C :0.01〜0.08%, Si:0.60%
    以下,Mn:0.7〜3.1%, Cr:0.
    7〜2.0%,Ti:0.003〜0.045%, A
    l:0.06%以下,N :0.001%〜0.005
    %,O :0.01〜0.08%を含有し、残部が鉄お
    よび不可避的不純物であって、含有元素および不純物元
    素について数1を満足し、かつTi,Al,N,Oにつ
    いて数2を満足するガスメタルアーク溶接金属。 【数1】 0.15≦Pcm=C+Si/30+Mn/20+Ni/60+Cu/20 +Cr/20+Mo/15+V/15+5B ≦0.28 【数2】 −50≦α’={1.5(O−0.89Al)+3.4N−Ti}×103 ≦50
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0867520A2 (en) * 1997-03-26 1998-09-30 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Welded high-strength steel structures and methods of manufacturing the same
JP2000096187A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 高強度溶接鋼管
JP2015150602A (ja) * 2014-02-17 2015-08-24 新日鐵住金株式会社 低温靭性に優れたサブマージアーク溶接部

Cited By (4)

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