JPH08251511A - 頭部装着式映像表示装置 - Google Patents

頭部装着式映像表示装置

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JPH08251511A
JPH08251511A JP5099995A JP5099995A JPH08251511A JP H08251511 A JPH08251511 A JP H08251511A JP 5099995 A JP5099995 A JP 5099995A JP 5099995 A JP5099995 A JP 5099995A JP H08251511 A JPH08251511 A JP H08251511A
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JP
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Application number
JP5099995A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Maeda
義浩 前田
Motohiro Atsumi
元宏 渥美
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装着時、安定した装着状態を確保し、装着性
の向上が図れ、感触等も優れたHMDを提供する。 【構成】 表示光学系を収納した筐体10を保持する支
持部11に固定されて頭部の周囲に配設される変形可能
な支持部11と、頭部後方を押圧する後パットの弾性部
材21とを有して、装着時の保持を行う。支持部11は
頭部の径に沿うように、J,J′方向へ変形可能である
が、その変形方向に垂直な方向には略剛体である。弾性
部材21では、頭部の略中心に向かって押圧可能で、頭
部を安定して効率よく押圧する。HMD前方向へのモー
メント力を弾性部材21と頭部の摩擦力で保持するが、
支持部11をそのモーメント力方向へ略剛体とすること
で、保持力の分散を防げる。頭部押圧力が逃げることが
なく効率よく後パットの弾性部材21の押圧力を頭部に
加えることも可能で、安定した装着が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、頭部装着式映像表示装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】観察者の眼前部に装着される本体部に組
み込んだ光学系、映像表示部等を介して映像を観察者
(装着者)の眼に与えるようにする頭部装着式映像表示
装置(HMD)は、従来から知られている。
【0003】特開平5−224539号公報(文献1)
には、LCDとレンズとをメガネ型フレームに収納した
メガネ型ディスプレイが示されており、このものは、装
着性の向上を狙って、光学系を収納する部分の接眼部分
にパットを設ける技術を開示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記文献に示
されるHMDでは、そのパットは装着者の眼のまわり囲
むように配置されているのに止まり、他方、装着者の頭
部後方に延びる左右のフレーム部分についても、それ
は、一般の眼鏡と同様、それらフレーム端を単に耳にか
けるという構成であることから、使用時において、安定
した装着を確保する上では、充分なものとはいえない。
特に、表示光学系等を収納する眼前部の本体部分の重量
が重く、装置の前後のバランス(重量バランス)が適切
でないと、パットがあっても、両フレーム端を耳にかけ
て保持しようとする力だけでは、その本体部分が前方へ
ずれ落ちそうになるなど、確実な装着を維持することが
しにくいものとなる。
【0005】本発明は、このような点から改善を加え、
頭部への装着時、安定した装着状態を確保し得、もって
装着性の向上を図ることのできる頭部装着式映像表示装
置を提供しようというものである。他の目的は、頭部を
押圧する後パットを導入し、該後パットと頭部との摩擦
力で適切な保持を実現しえるよう、頭部押圧力を逃がさ
ずにそれを効率よく確実な装着状態の維持のために用い
ることのできる、感触等にも優れた頭部装着式映像表示
装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の頭部装着式映像
表示装置は、表示光学系を収納した筐体を保持する支持
部と、該支持部に固定され、頭部の周囲に配設される支
持部の変形部材と、該変形部材の変形により頭部後方を
押圧する後パットとを備え、かつ、前記変形部材は、頭
部の径に沿うように変形可能であるとともに、少なくと
もその変形方向に垂直な方向では略剛体であることを特
徴とするものである。また、本発明の頭部装着式映像表
示装置は、前記後パットは前記変形部材に取り付けら
れ、当該後パット及び後パット取付け部も頭部の径に沿
って変形可能である、ことを特徴とするものである。ま
た、本発明の頭部装着式映像表示装置は、表示光学系を
収納した筐体を保持する支持部と、該支持部に固定さ
れ、頭部の周囲に配設される支持部の変形部材と、該変
形部材に取付けられ、後頭部を押圧する後パットと、変
形部材を変形させる固定部材とを備え、かつ、前記変形
部材と前記固定部材は、前記後パットの中心に対してほ
ぼ点対称な位置にあるよう構成してなる、ことを特徴と
するものである。
【0007】
【作用】本発明においては、表示光学系を収納する筐体
を保持する支持部に固定されて頭部の周囲に配設される
変形可能な変形部材と、変形部材の変形により頭部後方
を押圧する後パットとを有して、装着時に保持を行う。
この場合、その変形部材は、頭部の径に沿うように変形
可能である一方で、少なくともその変形方向に垂直な方
向に対しては略剛体として機能する。後パット部分で
は、頭部の略中心に向かって押圧可能であり、これによ
り頭部を安定して効率よく押圧することができる。ま
た、たとえ筐体の重量が重くて、そのため装置前方向へ
のモーメント力が作用する場合も、そのモーメント力は
これを後パットと頭部の摩擦力で保持するが、変形部材
は、そのモーメント力方向へは略剛体として作用する結
果、保持力の分散を防ぐことができる。従って、頭部押
圧力が逃げることがなく、効率よく後パットの押圧力を
頭部に加えることも可能であり、安定した装着が確保さ
れる。
【0008】また、変形部材が頭部の径に沿うように変
形可能であると、その変形により使用者の頭に沿った形
となるため、後パット押圧力を効率よく作用させること
ができるが、それに加えて、その後パット及び後パット
取付け部も、頭部の径に沿って変形可能な構成とすれ
ば、後パットの径を大きくして頭に対する装着感を向上
させても後パット自体が頭に沿った形となるため、後パ
ットの押圧力を更に効率よく頭に加えることができる。
従って、容易に大きな面積の後パットの使用を可能に
し、そのような後パットで押圧することで感触を向上さ
せつつ、安定した装着を確保するという、それらの両立
を図ることも可能となる。
【0009】また、変形部材と固定部材とが、後パット
の中心に対してほぼ点対称な位置にあるように構成する
と、後パットの中心部で頭部を押圧することができ、押
圧力のかかる後パットが捩れることなく所定の方向へ押
圧することができるので、装着性を向上させることがで
きる。従って、頭部に対して後パットや装着全体が動い
て安定した装着が不能になったり、あるいはたとえ大き
な後パットで頭部を押圧しようとしても、接触部が小さ
くなって頭部を押圧する感触も悪化するなどの状態が生
ずるのも防ぎつつ、効果的に安定した装着を確保するこ
とを実現することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る頭部装着式映像表
示装置の基本的な構成の一例を示す。図中、100は観
察者(使用者)が頭部に装着して用いる頭部装着式映像
表示装置(HMD)を示す(図2等参照)。本実施例装
置は、基本的には、図示のように、HMD本体部を構成
する筐体10と、支持部11(第1の支持部)、左右の
支持部12(第2の支持部)、及び支持部13(第3の
支持部)からなる支持部材部分と、左右支持部12の各
先端部12aにそれぞれ取り付けた左右の弾性部材2
1、及び支持部13に取り付けた弾性部材22と、固定
部材31を要素として備える構成としてある。
【0011】各部の構成につき、図2以下をも参照して
説明していくと、ここでは、支持部11は略剛体で構成
されたものであり、その略剛体でできている支持部11
に対して筐体10と支持部13が固定されている。ここ
に、筐体10は、使用時、例えば図2図示の如くに装着
者の眼の前に位置させるもので、その筐体内部には、H
MD本体として、映像表示ユニット(映像装置)が配置
してある。ここでは、図2にように、映像表示素子とし
てのLCD1と、ハーフミラー2と、レンズ3と、バッ
クライト及び回路部4等の表示光学系が収納されてい
る。また、LCD1等を駆動する回路に信号や電源を供
給するケーブル5が筐体10から引き出され、更にま
た、筐体10の一部には、図のように、観察者が上記表
示光学系による電子映像を見るための接眼窓6が設けら
れている。
【0012】図1に示すように、支持部13には、前側
のパットである弾性部材22が固着されている。弾性部
材22は頭部前方を押圧することができる。左右の支持
部12は、所要の長さの板状の支持体であって、上記支
持部11の両側において該支持部11にそれぞれの一端
が固定されている。かかる左右の支持部12は、装着者
頭部の周囲に配設される変形部材として機能するもの
で、図1中矢印J方向(即ち、頭部の形状に沿うように
内側に曲がって、左右で頭部を包み込むような方向(図
3(a)参照))、及び矢印J′方向(上記とは逆の状
態で外側に曲がって、左右とも開くような方向(図3
(b)参照)には弾性的に変形可能である。他方、左右
の支持部12は、それら矢印J,J′方向に垂直な方向
(図2中では矢印K方向、図3中では紙面と直交する方
向)に対しては、略剛体として機能する。
【0013】また、左右支持部12の各先端部12aに
は、それぞれ弾性部材21が固着されている。これら左
右の弾性部材21は、装着者の頭部後方(後頭部)を押
圧する後側のパットとして機能するもので、左右の弾性
部材21は、前側パットの弾性部材22と共に支持部1
2の変形により装着者の頭部を押圧し、装置全体を頭に
保持する(図2,3参照)。後側のパットによる2箇所
の押圧位置は、図2、図3の如くに、頭部の斜め後方箇
所がよく、従って、後パット取り付け部となる左右支持
部12の各先端部12a部分も、そのような頭部の斜め
後方箇所に位置することとなるように、左右支持部12
自体の長さを設定しておくのがよい。なお、後パットと
なる各弾性部材21は、ここでは、図1の如く略中心部
に開孔部(穴)を形成したものとして示してあるが、こ
れ以外の他の形態のものでもよい(後記図6参照)。
【0014】左右の支持部12の先端部12aの端側に
は固定部材31が取り付けてあり、これにより、図1中
のJ方向に変形させた支持部12を頭の径に合わせて固
定する。かかる固定部材31は、本実施例ではバックル
付きのベルト等で構成されている。
【0015】図2は、HMD100を頭部に装着した時
の状態を示すもので、その側面図、及び筐体部分につい
ての一部側断面である。また、図3は、頭部に装着した
時の頭部上面図、並びにその装着の際の説明図である。
図2にみるように、左右の支持部12は装着者の耳を避
けて先端部12aが耳のうしろにまわり込んでいる。反
対側のもう一方の支持部12についても同様である。そ
して、左右の支持部12は、先にも触れたように、図2
中矢印K方向にはほとんど変形せず、従ってK方向では
略剛体として作用し、図1のJ,J′方向のみに変形可
能である。従って、もし、筐体10の重量が重く装置の
前後のバランスがとれていないと、そのモーメント力L
が支持部に加わるが、本実施例にあっては、支持部12
はL方向には変形しないため、弾性部材21,22の頭
部押圧力が逃げることなく、押圧力を効率よく図中M,
M′方向に加えることが可能となる。これにより安定し
た装着を達成することができる。
【0016】左右の支持部2はまた、図3に示すよう
に、頭部の耳より前方から変形できるようになってお
り、同図(a)の装着時では、頭部後方の形状に沿って
曲げられている。また、左右の支持部12の各先端部1
2aを取り付け部として弾性部材21が固定されている
が、その部分においても頭部形状に沿って曲げ変形が可
能になっている。つまり、その先端部12aには固定部
材31も取り付けられるが、この場合、固定部材31は
弾性部材21よりも更に先端側で支持部12に固定され
ている。以上のことより、後頭部の2箇所の弾性部材2
1と前方の弾性部材22により頭部を安定して効率よく
押圧することができる。つまり、装着者の頭部を必要以
上に締めつけることなく、感触のよい装置となる。
【0017】また、本実施例によると、装着状態では、
図3(a)のように、前パットの弾性部材22の反力と
同じ押圧力で後パットの弾性部材21が頭部の略中心に
向かって押圧できるような状態を実現することが可能で
ある。また、HMD前方向へのモーメント力を後パット
の弾性部材21と頭部の摩擦力で保持することとなる
が、その場合、変形部材である支持部12をモーメント
力方向へは剛体とすることで、保持力の分散を防ぐこと
ができ、この点でも、安定した装着状態を確保すること
ができる。
【0018】また、後パットとして使う弾性部材21
を、前述のように中央部に開孔部を有する弾性部材21
とし、かつ、その後パット及び当該後パット取付け部
(支持部12の先端部12a)も支持部、頭部の径に沿
って変形可能とすると、使用パットの径を大きくして頭
に対する装着感を向上させられる上、そのようにパット
の径を大きくして装着感を向上させても、後パットの押
圧力を効率よく頭に加えることができる。従って、この
点でも、安定した装着状態を実現することができる。
【0019】また、本実施例においては、次のような作
用効果も奏し得る。即ち、既述のように、左右の支持部
12は、耳より前方から変形可能であり、よって、支持
部12の大きな変位を可能にし得て、頭部形状に沿いや
すくすることができるのに加えて、装着時に後パットの
弾性部材21の部分を大きく開くことができる(図3
(b))。従って、たとえ装着者が帽子等をかぶってい
るときにでも、装着が容易である。更に、支持部前方を
小型化し、支持部の強度を上げることも可能となる。
【0020】ここで、上記の装着の容易性に関して更に
補足して説明すれば、本HMD100は、例えば外科手
術において術者が頭部に装着し観察する外科手術用モニ
ターとして使用することができる。しかして、HMDを
医療用に用いる場合に、手術者は医療用の滅菌された帽
子をかぶることになる。ここで、HMDの装着に際し、
術者の頭の上方向からHMDをかぶるような装着方法で
あると、その装着にあたって帽子がずれて、ずれた帽子
が目にかかってしまうなど好ましくない事態を招くおそ
れもあり、結果、帽子の滅菌状態を維持しつつ、迅速に
HMDの装着を行いにくくなる。
【0021】これに対し、本HMD100では、図3
(b)のように、左右の支持部12が外側にも開くよう
にできるため、医療用に用いる場合にも、滅菌された帽
子をずらすこともなく(従って帽子の位置をその後直す
ような作業もしないで)、頭部の前方からHMD100
を装着することができる。具体的には、図3(b)のよ
うな状態から、先に前パットである弾性部材22に術者
の頭部前方を当てるのであり(同図の矢印参照)、そし
て、こうしてまず帽子がずれないように押さえてから同
図(a)のような状態となるように装着を行えばよいの
であり、利用者が帽子等をかぶっているようなときで
も、装着を容易かつ適切に行うことができる。本実施例
のものは、このようにして使用することもできる。
【0022】図4は、左右の支持部12の先端部近傍の
詳細な構成の一例を示す図である。図のように、支持部
12の板幅の中心線より先端部12aの弾性部材21の
中心は下方に位置している。このようにすることで、装
着者の耳を逃げるようになっている。また、固定部材3
1は、支持部12の先端部12aの先端側についてお
り、固定部材取り付け部を構成しているが、この位置
は、支持部12の板幅が大きく変化する点と弾性部材2
1の中心点に対して略点対称な位置になっている。即
ち、本例では、変形可能な支持部12と、支持部12を
変形させる固定部材31は、後パットである弾性部材2
1中心に対してほぼ点対称な位置にある。
【0023】一方、比較例として示す図5(a)のよう
に、もし、支持部12と固定部材31の板幅中心に対し
て弾性部材21の中心が図中下方にDだけずれている
と、弾性部材21に加わる力でモーメント力が働き、頭
に対して下方部が逃げていき、弾性部材21の中心で頭
を押圧できなくなる。その結果、図5(b)に示すよう
に、頭に対してQ方向(上方向)に弾性部材21及び装
置全体が動いてしまい、装着ができなくなるおそれがあ
る。また、大きな弾性部材で頭部を押圧していても、接
触部が小さくなり、頭を押圧する感触も悪くなってしま
う。
【0024】これに対して、図4の構成に従う本実施例
によると、上述の比較例で述べたようなことも防止でき
るものであって、そのような不利・不便が生じないよう
にするのに有効である。本例においては、支持部12と
固定部材31は後パット中心に対して点対称な位置にあ
り、押圧力のかかる後パットが捩れることなく所定の方
向へ押圧することができるので装着性も向上する。
【0025】図6は、左右の支持部12の先端部12a
に後パットとして取り付けることができる弾性部材21
の各種断面図を示している。以下、適用できる弾性部材
21の好適例のいくつかを説明していく。同図(a)の
弾性部材21の場合は、押圧方向に異なる材質を用いて
弾性部材21を構成した場合の例であって、部分21−
1と部分21−2で異なる材質の弾性部材で構成されて
いる。ここに、部分21−1は、頭部に接触する側の弾
性部材であり、薄くできている。また、部分21−1の
表面は、頭部の髪の毛や、手術用の帽子(医者が手術を
行う時にかぶる滅菌された帽子)に対して摩擦抵抗が高
く、装着した装置がずれにくいようになっている。
【0026】一方、部分21−2は、例えばやわらかい
発泡ポリウレタン等でできており、この場合は、頭部を
押圧した時の感触が良いものが得られる。また、部分2
1−1は、例えばゴム(シリコン、クロロプレンゴム、
EPDMゴム等)系の発泡材でできている(なお、これ
を厚くすると感触が悪くなり、長時間の装着には向かな
い)。以上のように、複数の材質を用いて弾性部材21
を多機能化することができ、こうすることにより、装置
の装着性も非常に向上するものである。
【0027】基本的には、弾性部材21の構成について
は、部分21−2のパットと部分21−1のパットの材
質や形状、あるいはその両者を変えることで、HMDの
装着感を容易に向上させることができる。例えば、上述
の如くに部分21−1の表面は摩擦係数が高いが、部分
21−2はやわらかく感触が良いといったような態様で
実施したり、更には、そのほか、部分21−1はやわら
かく感触が良いが、部分21−1は固くて強い押圧力を
吸収するいったような態様でも実施することができるな
ど、種々の態様を採用することが可能である。また、弾
性部材21として、特に、頭部に接触する面には発泡ゴ
ムを用い、かつ発泡ゴムを発泡ポリウレタンに接合する
構成とすると、部分21−2のパットはやわらかく(ウ
レタンフォーム等)、頭部形状になじむ。部分21−1
のパットは摩擦抵抗が大きく(ゴム、シリコン等)、頭
部に対する保持力が得られる。これにより、より多くの
人に対して容易にHMDの保持が可能にもなる。
【0028】同図(b)の弾性部材21の場合は、上記
(a)の場合のものと同様の目的のものであるが、図示
の如く、部分21−1の表面にギザギザの段差を設ける
ことで対応している。即ち、この例は、材質と形状の両
者を変える場合のものに該当する。これによると、摩擦
力だけでなく、頭部にひっかかりやすい形状にすること
で保持を容易にすることができる。なお、これもまた、
部分21−1の材質が、部分21−2のようにやわらし
い材質だと、その段差を設けた意味がなくなり、従っ
て、上記(a)の場合のものと同様、部分21−1と部
分21−2は異なる性質の材料を用いるのがよい。ま
た、部分21−1の表面に設けるのは、上記のギザギザ
の段差のほか、例えば溝であってもよく、同様の利点が
得られる。
【0029】同図(c)の弾性部材21の場合は、部分
21−1の一部に凸部21−1Aが設けてある。この場
合は、頭の骨の凹部に対して弾性部材21の該凸部21
−1Aが合うような位置に弾性部材21を配置するよう
にすることで、単に摩擦だけでなく頭部に対して弾性部
材21をひっかける機能をも持たせることができる利点
がある。
【0030】同図(d)の弾性部材21の場合は、略中
心部に穴(開孔部)21Bがあいている(なお、図1〜
図4で説明してきたものは、このタイプのものであ
る)。これによって、弾性部材21の周辺で大きな面積
で頭部を押圧することができる。本例によると、中心よ
り周辺で押圧力が強い弾性部材21が得られ、頭部の凸
部に対して弾性部材のパットが押圧しやすくなり、ま
た、押圧面がパットの外周になるため、頭部を大きな面
積で押圧でき、感触が向上する。特に、頭の骨の凸部を
穴21Bに対して配置するようにすれば、効果は大き
い。大きな面積で頭を押圧することは非常に重要であ
り、押圧力を分散させないと頭部の押圧点が痛くなり、
長時間の装着には耐えられないものとなってしまうが、
本例の構成を採用してある図1〜4のHMD100は、
そのようのことも避けられるものである。また、穴21
Bを開けたことで押圧部の通気性がよくなり、頭がむれ
てしまうということもなくなる。また、部品加工上も、
安価な方法で実施でき、穴をあけるだけで、弾性部材の
周辺部のみで頭を押圧できるようになる。
【0031】図5(e)の弾性部材21の場合は、上記
(d)と(a)の場合のものの効果が得られるようにし
たものである。この場合は、それら両者の利点が得られ
ることになる。また、同図(f)の弾性部材21の場合
は、上記(d)のように穴21Bを開けずに中心部を凹
部21Cとしたものである。この場合も、弾性部材21
は中心より周辺で押圧力が強いものとなり、上記(d)
の場合と同様の機能を果たすものとなり、同様の作用効
果を奏し得るものである。本発明は、上記のいずれかの
ものを用いて実施することができる。
【0032】図7は、発泡したゴムを型で成型した素材
を示し、弾性部材に発泡ゴムを用いる場合の説明に供す
る図である。また、図8は、弾性部材を頭部にあてつけ
る状態を示している。通常、ゴム系の発泡品は、図7の
ように、例えば1m×1m×30cm程度の大きさの素
材から切断加工によりカットして部品を製作する。これ
は、小さな部品を型で製作しようとしても、ゴムの材料
と発泡剤が小さな型では小さな部品の隅々までうまく混
らないためであり、従って、現状では、小さな部品個々
を型で製作する製作方法はとりにくく、上記のように必
要な大きさにカットして切り取るようにする方法が取ら
れている。
【0033】ここに、発泡ゴムは、発泡させて固いゴム
の反発弾性を上げているものであり、図7にその一部を
破断して示すように、構造的に小さな穴が(気泡)集合
してできたものである。しかし、型に接触していた面、
つまり素材の外周面には、図7に示されるように、気泡
孔がなく、略平滑な面となっている。本例では、これに
着目し、頭部を押圧する弾性部材として、発泡させて成
形したものを使用する場合において、その弾性部材の少
なくとも頭部に接触する面の表面にはそのような孔(気
泡)のない面を選定して用いるようにしようというもの
である。
【0034】本HMD100の前記図2のような装着使
用において、長時間装着していた時の人の汗や、頭部の
整髪料や顔の化粧が弾性部材表面に付着することがあ
る。この場合に、衛生上、弾性部材をアルコール等で拭
いたり、滅菌処理を施すのが良いが、しかし、弾性部材
に発泡されてできた気泡があると、その中にまでゴミや
汚れが入り込み、衛生上好ましくない。そのため、例え
ば図8のように弾性部材22の人体に触れる面は、図7
に示した素材において、その外周面を用いるようにする
ものである。
【0035】このようにすることにより、弾性部材に発
泡ゴムを用いることができ、所望の弾性力を確保でき
る。そして、汚れた場合には、簡単に拭くこともでき
て、衛生上の問題を解決することができる。頭部に接触
する面の表面に気泡孔のない面を用いると、ゴムの原反
をカットして形状を作るとき型に接する面を頭部に接触
する面として部品を作ることができることから、ゴムの
まわりに布ビニール等を貼らなくても済み、その分、安
価なものともなる上、頭部のよごれの付着したゴムを容
易にクリーニングでき、衛生的である。
【0036】図9(a),(b)、及び図10は、頭部
前方を押圧する前パットである弾性部材22を調整可能
とした場合の例を示すもので、その調整機構の原理並び
に具体的構成の一例を示している。図9において、L1
は、筐体10内の映像装置の光学系(レンズ3)から装
着観察者の瞳までの距離(アイリリーフ)を示してい
る。また、同図(a)と(b)は、装着者の頭部形状が
異なっている場合の様子を示すものである。
【0037】本例においては、前パットの弾性部材22
は、回動可能な略円筒形状のものとしてあり、かつ、そ
の中心軸41は偏芯した位置に設けてある。従って、偏
芯した軸41を中心に弾性部材22を回動させるように
すると、同図(a)のケースと同図(b)のケースの両
方の人(装着者)に対して、L1の間隔を変更すること
なく、映像を観察させることができる。また、調整は、
回動に加えて、上下に移動できるようにしてもよい。
【0038】図10に示すものは、略円筒形の弾性部材
22の円筒中心軸より偏芯した位置に軸41を配設し、
該軸41を支持部材13に対して上下に移動できるよう
にするとともに回動可能に嵌合させた場合の調節機構の
一例である。同図(a),(b)は、装置の背面図と側
面図を示し、軸41は支持部13の左右にある上下調整
穴13aに嵌合している回動部材42をまわすことで上
述の調整ができる。
【0039】更には、上下調整穴13aに対して軸41
を上下に摺動させることで、頭を押圧する位置も変更可
能であり、図10(b)では、上または下の2箇所に段
部13bが形成されており、それらのどちらかに配置す
ることで、上下位置の調整もできるようになっている。
【0040】本例によると、簡単に軸41を上下及び回
転させることができ、これで前パット、従って弾性部材
22の位置を調整できる。その結果、多くの人に支持さ
せることが可能となり、光学的に設定した位置で良好に
映像を観察させることができ、映像がけられるというこ
ともなくなる。また、長時間装着していても、装着がず
れたりすることもなく良好な装着感を提供できる。な
お、支持部13に対して弾性部材22の回動軸が着脱可
能な構成としてもよい。このようにすると、偏心させて
も対応できない人(装着観察者)に対して、異なる径の
弾性部材22を用意しておいて、それを選択的に使用す
るよう着脱可能に設けることにより、装着を可能にする
ことができる。この場合、例えば大人と子供用の弾性部
材22の切換え使用もできる。本発明は、このようにし
て実施してもよい。
【0041】次に、図11,図12により、更に他の例
について説明する。図11において、既に述べたよう
に、HMD100の筐体10内部には映像装置であるL
CD、バックライト等がレイアウトしてある(図2参
照)。そして、それを駆動する回路に信号や電源を供給
するケーブル5が筐体10より出ている。本例では、か
かるケーブル5は、図11図示のように、頭部上後方に
配設した保持枠51に固定され、装着者の背後へ配設し
ている。また、背後では、装着者の背中の適宜の位置に
おいて、固定部材61によりケーブル5を固定してあ
り、ケーブル5が邪魔にならないようにしている。ケー
ブル5の保持のための手段は、上記保持枠51のほか、
図11に示すような支持部14、弾性部材23、ノブ5
2に含んで構成することができる。
【0042】図12は、その詳細な構成の一例であっ
て、装着者の目と頭の高さによって装着位置を調整可能
な調整機構を示す。同図において、移動枠55には弾性
部材3が固定されている。また、ネジ56が固着されて
いる。調整操作用のノブ52には、ネジ57が固着され
ネジ56に嵌合している。ノブ52を回動することによ
り、不図示のストッパーにより移動枠55は回転せずに
上下に移動することができる。このとき、移動枠55は
保持枠51に摺動可能に嵌合しており、ガタつきをとっ
ている。保持枠51と支持部14の間にケーブル5をは
さみ保持している。
【0043】上述のようにして、HMD100に信号や
電源を供給するケーブル5は、頭部の後方部に配設した
保持手段に一旦導かれ、そして、例えばその中央に固定
され、図11のように更に後方へ導かれて固定されるも
のである。このようにするのは、次のような観点からで
ある。映像表示部(光学系含む)は、頭部前方にあるた
め、頭部にに装着するときに前方に重心がきてしまう。
特に、本実施例のように筐体10内部に回路基板等をレ
イアウトして装置前方に部品を集中させたときは、前方
が重くなりがちなものとなる。
【0044】しかるに、前述のようにケーブル5を装置
後方中央に固定し装着者の背面にかけて配設、固定する
ことで、ケーブル5の重量が後方にかかり、装置の前後
バランスがとりやすくなる。その結果、弾性部材が頭を
押圧する力が小さくても頭部に保持しやすくなり、装着
感も向上する。また、そのように装置の重量バランスが
とれて装着感が向上するのみならず、装着者の背中にケ
ーブル5を固定することで、垂らされたケーブル5の動
きを規制でき、装着者が動いた時の装着ずれをなくすこ
ともできる。
【0045】特に、HMDを医療用として手術等に用い
た場合は、映像を取込む装置や電源を手術室の隅または
手術室の外に配設しなくてはならない。従って、使用ケ
ーブルが例えば5m以上になる場合もあり、そのためケ
ーブルが医者の足にからんだり、邪魔になることもあ
る。これに対して、本HMD100では、上述のように
術者の背中にケーブル5をとめることでケーブル5の振
れをも抑えることもできる。かつまた、医者の手術着
は、通常、前側は滅菌部になっているが、本構成によれ
ば、ケーブル5は背中側に配置される結果、ケーブル5
がそのような手術着の滅菌処理した前側に触れることが
ないようにもすることができる。なお、ケーブル5を装
着者の背後に固定するための固定部材61はクリップ等
のようなものでもよく、また、テープ状の止着具のよう
なものであってもよい。
【0046】また、以上の実施例等に記載された内容
は、以下の発明として捉えることもできる。 〔1〕 筐体を保持する支持部と、該支持部に固定され
頭部の周囲に配設される支持部の変形部材と、該変形部
材の変形により頭部後方を押圧する後パットとを有し、
変形部材は頭部の径に沿うように変形可能であるととも
に少なくとも前記変形方向に垂直な方向では略剛体であ
ることを特徴とする頭部装着式映像表示装置。 〔2〕 筐体を保持する支持部と、該支持部に固定され
頭部の周囲に配設される支持部の変形部材と、該支持部
変形部材に取付けられ、後頭部を押圧する後パットと、
該支持部変形部材を変形させる固定部材とを有し、前記
支持部変形部材と固定部材は、前記後パット中心に対し
てほぼ点対称な位置にあることを特徴とする頭部装着式
映像表示装置。
【0047】〔3〕 頭部装着式映像表示装置におい
て、頭部に対して映像表示装置を装着する支持部材と、
該支持部材に固定され、頭部を押圧する弾性部材とを有
し、弾性部材は押圧方向に異なる材質または形状の弾性
部材で構成したことを特徴とする頭部装着式映像表示装
置。この場合は、例えば、頭部に接触する面側の弾性部
材部分と該部分により外側の弾性部材部分の材質、ある
いは形状、もしくはその両者を変えることでHMDの装
着感を容易に向上させることができる。より具体的に
は、例えば図6(a),(b),(c),(e)の場合
において、頭部に接触する面側の弾性部材部分21−1
の表面は摩擦係数が高いが、外側の弾性部材部分21−
2はやわらかく感触が良いようにしたり、または、頭部
に接触する側の弾性部材部分21−1はやわらかく感触
が良いが、外側の弾性部材部分21−2は固く強い押圧
力を吸収するといったような態様にすることが、可能で
多機能化が図られる。
【0048】〔4〕 前記後パットまたは弾性部材は、
頭部に接触する面に発泡ゴムを用い、かつ発泡ゴムを発
泡ポリウレタンに接合したものであることを特徴とする
上記〔1〕項〜〔3〕項記載の頭部装着式映像表示装
置。この場合は、例えば図6(a),(b),(c),
(e)の場合において、外側の弾性部材部分21−2は
やわらかく頭部形状になじみ、他方、頭部に接触する側
の弾性部材部分21−1は摩擦抵抗が大きく頭部に対す
る保持力が得られ、これにより、多くに装着者に対して
容易にHMDの保持が可能になる。 〔5〕 前記後パットまたは弾性部材は、頭部に接触す
る面に段差または溝を設けたことを特徴とする上記
〔1〕項〜〔4〕項記載の頭部装着式映像表示装置。こ
の場合は、例えば図6(b),(c)の場合の如く、摩
擦力だけでなく頭部にひっかかりやすい形状にすること
で保持を容易にすることができる。
【0049】〔6〕 頭部装着式映像表示装置におい
て、筐体を保持する支持部と、該支持部または筐体に固
定され、頭部を押圧する弾性部材とを備え、該弾性部材
は中心より周辺で押圧力が強いことを特徴とする頭部装
着式映像表示装置。この場合は、例えば図6(d),
(e),(f)の場合の如く、頭部の凸部に対して弾性
部材のパットが押圧しやすくなり、押圧面がパットの外
周になるため、頭部を大きな面積で押圧でき、感触が向
上する。 〔7〕 前記後パットまたは弾性部材は、そのほぼ中心
に開孔部を設けたことを特徴とする上記〔1〕項〜
〔6〕項記載の頭部装着式映像表示装置。この場合は、
部品加工上、安価な方法である穴をあけるだけで、弾性
部材の周辺部のみで頭を押圧できるようになる。 〔8〕 前記後パットまたは弾性部材及びその取付け部
も、頭部の径に沿って変形可能であることを特徴とする
上記〔1〕項〜〔7〕項記載の頭部装着式映像表示装
置。この場合は、パット等の径を大きくして頭に対する
装着感を向上させてもパットが頭に沿った形となるた
め、後パット等の押圧力を効率よく頭に加えることがで
きる。
【0050】
〔9〕 頭部装着式映像表示装置におい
て、頭部に映像表示装置を装着するための支持部材と、
支持部に固定され頭部を押圧する、発泡によって成形し
た弾性部材とを有し、該弾性部材の少なくとも頭部に接
触する面の表面には孔のない面を用いることを特徴とす
る頭部装着式映像表示装置。これによると、例えば、ゴ
ム原反をカットして形状を作るとき型に接する面を頭部
に接触する面として部品を作ることにより、ゴムのまわ
りに布ビニール等を貼らなくても済み、安価である。ま
た、そのことにより、頭部のよごれの付着したゴムを容
易にクリーニングでき、衛生的である。
【0051】〔10〕 頭部装着式映像表示装置におい
て、頭部に映像表示装置を装着するための支持部材と、
頭部前方を押圧するための略円筒形の弾性部材と、該弾
性部材の円筒中心軸より偏芯した位置に配設された軸と
を有し、該軸を支持部材に対して上下に移動できるとと
もに回動可能に嵌合させたことを特徴とする頭部装着式
映像表示装置。この場合は、簡単に軸を上下及び回転さ
せることができ、前パットの位置を調整できる。また、
これにより、多くの人に支持させることが可能となる。 〔11〕 上記〔10〕項において、支持部材に対して
軸が着脱可能であることを特徴とする頭部装着式映像表
示装置。この場合は、偏心させても対応できない人に対
して、異なる径の弾性部材を着脱可能に設けることによ
り装着を可能にすることができる。
【0052】〔12〕 頭部装着式映像表示装置におい
て、映像表示装置に電源または信号を供給する配線部材
と、頭部の後方部に配設した支持部とを有し、前記配線
部材は、支持部中央に固定されるとともに後方に向って
配設されたことを特徴とする頭部装着式映像表示装置。
これによると、映像表示部(光学系含む)は頭部前方に
あるため、頭に装着するときに前方に重心がきてしまう
が、しかし、ケーブル等の配線部材とを装置の後方中央
に固定し装着の背面に向けて配設することで装置の重量
パランスがとれて装着感が向上する。 〔13〕 上記〔12〕項において、配線部材を装着者
の背後に固定するためのクリップもしくはテープ状の止
着具またはこれに類する固定手段を有することを特徴と
する頭部装着式映像表示装置。この場合は、上記〔1
2〕項のものに対して、更に、装着者の背中に配線部材
を固定することで、垂らされた配線部材の不所望も動き
を適切に規制でき、また、装着者が動いた時の装着ずれ
をもなくすことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、頭部への装着時、安定
した装着状態を確保でき、装着性の向上を図ることので
きる、感触等にも優れた頭部装着式映像表示装置を実現
できる。頭部の周囲に配設される変形可能な変形部材と
後パットにより装着時に保持を行え、その場合、変形部
材は、頭部の径に沿うように変形可能である一方で、少
なくともその変形方向に垂直な方向に対しては略剛体と
して機能させることができ、従って、後パット部分で
は、頭部の略中心に向かって押圧可能で、これにより頭
部を安定して効率よく押圧することができる。しかも、
たとえ筐体の重量が重くて、そのため装置前方向へのモ
ーメント力が作用する場合も、そのモーメント力はこれ
を後パットと頭部の摩擦力で保持するが、変形部材は、
そのモーメント力方向へは略剛体として作用する結果、
保持力の分散を防ぐことができ、従って、頭部押圧力が
逃げることがなく、効率よく後パットの押圧力を頭部に
加えることも可能であり、安定した装着を確保すること
ができる。
【0054】また、変形部材が頭部の径に沿うように変
形可能であると、その変形により使用者の頭に沿った形
となるため、後パット押圧力を効率よく作用させること
ができるが、更にそれに加えて、その後パット及び後パ
ット取付け部も、頭部の径に沿って変形可能な構成とす
れば、後パットの径を大きくして頭に対する装着感を向
上させても後パット自体が頭に沿った形となるため、後
パットの押圧力を更に効率よく頭に加えることができ
る。従って、容易に大きな面積の後パットの使用を可能
にし、そのような後パットで押圧することで感触を向上
させつつ、安定した装着を確保するという、それらの両
立を図ることも可能となる。
【0055】また、変形部材と固定部材とが、後パット
の中心に対してほぼ点対称な位置にあるように構成する
と、後パットの中心部で頭部を押圧することができ、押
圧力のかかる後パットが捩れることなく所定の方向へ押
圧することができるので、装着性を向上させることがで
きる。従って、頭部に対して後パットや装着全体が動い
て安定した装着が不能になったり、あるいはたとえ大き
な後パットで頭部を押圧しようとしても、接触部が小さ
くなって頭部を押圧する感触も悪化するなどの状態が生
ずるのも防ぎつつ、効果的に安定した装着を確保するこ
とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の頭部装着式映像表示装置の一実施例の
基本的な構成を示す図である。
【図2】同例の頭部装着式映像表示装置を頭部に装着し
た時の様子を示す図である。
【図3】同じく、頭部装着式映像表示装置を頭部に装着
した時の頭部上面図(a)、及びその装着の際の説明図
(b)である。
【図4】左右の支持部の先端部近傍の詳細な構成の一例
を示す図である。
【図5】図5と対比して示す、比較例の場合の構成の説
明図である。
【図6】後パットとして適用できる弾性部材の各種断面
図を示す。
【図7】発泡したゴムを型で成型した素材を示すもの
で、弾性部材に発泡ゴムを用いる場合の説明に供する図
である。
【図8】弾性部材を頭部にあてつける状態を示す図であ
る。
【図9】頭部前方を押圧する前パットの弾性部材の調整
可能とした場合の例を示すもので、その調整機構の原理
を示す図である。
【図10】同じく、その調整機構の具体的構成の一例を
示す図である。
【図11】本発明の他の例を示すもので、装着状態を示
す図である。
【図12】同じく、その要部の調整機構の一例を示す図
である。
【符号の説明】
1 LCD 2 ハーフミラー 3 レンズ 4 バックライト及び回路部 5 ケーブル 6 接眼窓 10 筐体(HMD本体部) 11 支持部(第1の支持部) 12 左右支持部(第2の支持部) 12a 左右支持部の先端部 13 支持部(第3の支持部) 13a 上下調整穴 13b 段部 14 支持部 21 左右弾性部材(後パット) 21−1 弾性部材の部分 21−2 弾性部材の部分 21−1A 凸部 21B 穴(開孔部) 21C 凹部 22 弾性部材(前パット) 23 弾性部材 31 固定部材 41 軸 42 回動部材 51 保持枠 52 ノブ 55 移動枠 56 ネジ 57 ネジ 61 ケーブル固定部材 100 頭部装着式映像表示装置(HMD)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示光学系を収納した筐体を保持する支
    持部と、該支持部に固定され、頭部の周囲に配設される
    支持部の変形部材と、該変形部材の変形により頭部後方
    を押圧する後パットとを備え、かつ、 前記変形部材は、頭部の径に沿うように変形可能である
    とともに、少なくともその変形方向に垂直な方向では略
    剛体であることを特徴とする頭部装着式映像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記後パットは前記変形部材に取り付け
    られ、当該後パット及び後パット取付け部も頭部の径に
    沿って変形可能である、 ことを特徴とする請求項1記載の頭部装着式映像表示装
    置。
  3. 【請求項3】 表示光学系を収納した筐体を保持する支
    持部と、該支持部に固定され、頭部の周囲に配設される
    支持部の変形部材と、該変形部材に取付けられ、後頭部
    を押圧する後パットと、変形部材を変形させる固定部材
    とを備え、かつ、 前記変形部材と前記固定部材は、前記後パットの中心に
    対してほぼ点対称な位置にあるよう構成してなる、 ことを特徴とする頭部装着式映像表示装置。
JP5099995A 1995-03-10 1995-03-10 頭部装着式映像表示装置 Pending JPH08251511A (ja)

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