JPH1039246A - 頭部装着型表示装置 - Google Patents

頭部装着型表示装置

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Publication number
JPH1039246A
JPH1039246A JP8208883A JP20888396A JPH1039246A JP H1039246 A JPH1039246 A JP H1039246A JP 8208883 A JP8208883 A JP 8208883A JP 20888396 A JP20888396 A JP 20888396A JP H1039246 A JPH1039246 A JP H1039246A
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JP
Japan
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head
image display
observer
image
display assembly
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Application number
JP8208883A
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English (en)
Inventor
Hisami Kikuchi
池 久 美 菊
Seiichiro Tabata
端 誠 一 郎 田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1039246A publication Critical patent/JPH1039246A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】装着したままで汗が吸い取られたり、汗を拭い
たりすることが容易な頭部装着型映像表示装置を提供す
る。 【構成】映像表示アセンブリ3aを前方に摺動させて引
き出すことにより額や鼻の近傍を含む顔面37から、即
ち支持メンバー部3b側から離隔させることができるた
め、この離隔した位置で映像表示アセンブリ3aを保持
しておき、額や鼻の近傍を含む顔面37の汗を布38等
で拭き取ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像を表示する映
像表示素子および該映像を観察者の眼球内網膜上に投影
するための光学系を含んでなる映像表示アセンブリを観
察者の頭部に装着して両眼により該映像を観察すること
ができるようにした頭部装着型表示装置に関し、特にそ
の使用時の利便性に係る機能の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、観察者の頭部に装着して映像を観
察できる頭部または顔面装着型表示装置(以下HMDと
いう)の開発が進んでいる。この種の装置は医療分野、
建築分野、教育分野、或いはゲーム機等のアミューズメ
ンド分野など種々の分野での応用が進展しつつある。以
上のうち、特に医療分野における使用に際しては、使用
者である医師等はHMDの電子映像と外界の視野とを選
択的に切り換えて観察することができる方式のHMDを
装着して、心拍数や血圧、レントゲン映像、内視鏡映像
等々を参照しながら診察や手術を行なうことになる。
【0003】手術にHMDを用いる場合、通常、手術の
継続中はHMDを装着したままであるため、手術が長時
間に及ぶと、HMDの表示部分が装着者(医師)の顔面
の額の下から両眼の部位を覆うように密着していること
や、緊張が持続する中で手術用光源からの熱を受け続け
ることなどから、医師は額乃至その近傍部位からの発汗
が著しくなる。この発汗を放置すると手術の上で非衛生
的であることは勿論、医師も不快感が増大して集中力が
妨げられる要因ともなる。このような場合、看護婦が汗
を拭き取って作業を助けたりすることになるが、例えば
特開平5-183389号公報や特開平5-88109号公報所載の従
来のHMDのように装着者の額乃至その近傍部位に表示
部を装着するための支持部材が設けられる構造のもので
あると一旦HMDを外さないと汗を拭くことができな
い。このようにHMDを外すことは手術中に装置に接触
することとなり、衛生上好ましくない。また、一度HM
Dを外すと再度装着したときに装置の装着姿勢や映像の
見え方その他を調節し直すことが必要となり煩わしく作
業能率の低下を招来する。仮に看護婦がこの調節作業を
行った場合、即座に医師が満足する最適な状態に設定す
ることは現実には困難である。
【0004】特開平5-88109 号公報所載のHMDでは眼
鏡に表示装置を直接取り付ける構造をとっているが、こ
れも装置を一旦外さなければ汗を拭くことができない。
また、特開平5-264946号公報には折り畳み式のHMDが
提案されている。この装置は、逆U字状のアーチ型ヘア
バンドで表示部を頭部から下げるようにして眼前に支持
する方式のものであるり、表示部とヘアバンド部とを接
続する柄の部分の長さが調節可能になされている。しか
しながら、装置を頭部に装着したままで、例えばこの柄
の部分の長さを長くするように調節し表示部を顔面から
離すように移動したとすると、装置全体としての重心が
前方に移動し、HMDはもとの装着姿勢を維持できず、
全体として前面下方に傾斜してずれてしまう虞れが生じ
る。
【0005】一方、HMDは視力や顔面形状の個人差に
対して十分に対応できる程の視度調整を行なうことがで
きないのが普通である。況して乱視の補正等は困難てあ
る。このため眼鏡装着者は眼鏡を装着したままでHMD
を用い得るようになっていることが望ましい。しかしな
がら、眼鏡を装着した上にHMDを装着することを可能
にするためには表示部の光学系と観察者の眼球との距離
(「アイリリーフ」と称呼する)を大きくするような調
節が許容されることを要する。しかしながら、アイリリ
ーフの調節を許容するような装置は従来提案されるに到
っていない。
【0006】他方、上述のように医療分野や建築分野並
びにアミューズメントの分野でHMDを用いる場合、映
像発生源からの映像信号を当該HMDの表示部に導くた
めに映像再生装置や映像出力装置から信号線(接続コー
ド)を用いている。このような接続コードは、既述の医
療分野の場合では手術中に医師に当たったり手に絡まっ
たりする虞れがある。また建築分野並びにアミューズメ
ントの分野でも屋外で用いる場合等では長尺のコードが
必要となるが、邪魔になる上、断線等の事故につながる
虞れもある。
【0007】上記のような問題に対処するために特開平
4-168897号公報に提案されているようなワイヤレスでの
データ送受信方式をHMDに適用することも考えられ
る。しかしながら、送信機との距離が大きくなると電波
の電界強度も減衰するため、映像信号のレベルが一定値
以上である範囲内では映像を観察できるがこの範囲を越
えると画面が乱れたり眼前が真っ暗になってしまう。こ
のような場合、HMD装着者は目隠しされた状態となる
ため故障の懸念など不安な気持ちとなり、また危険でも
ある。
【0008】HMD使用時に停電等の原因で装着者が目
隠しされた状態となってしまうことを回避することがで
きるように構成された装置は特開平5-328259号公報に本
出願人が既に提案している。しかしながらこの装置は電
源の異常等に応動して装着者が外界視野を確保できるよ
うにしたものであって、ワイヤレス方式のHMDにその
まま適用できるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、種々提
案されているこの種の装置も、医療分野等上述したよう
な用途における現実の使用状況においては必ずしも十全
な利便性が確保されているとは言い切れない。
【0010】本発明は叙上のような事情に鑑みてなされ
たものであり、医療分野、建設、アミューズメント等で
の現実の使用状況において、より十全な利便性が確保さ
れ得るこの種の装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、一つの本願発明は:映像を表示する映像表
示素子および該映像を観察者の眼球内網膜上に投影する
ための光学系を含んでなる映像表示アセンブリと、この
映像表示アセンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着す
るための装着メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置
において、上記映像表示アセンブリ乃至装着メンバー部
の、当該観察者の眼の上部或いはその周辺部を含む額部
乃至頭部への当接部に対し、交換可能な水分吸収部材を
上記当接部を覆うようにして着脱自在に配設し得るよう
に構成したことを特徴とする頭部装着型表示装置であ
る。……(1)
【0012】また、他の一つの本願発明は:映像を表示
する映像表示素子および該映像を観察者の眼球内網膜上
に投影するための光学系を含んでなる映像表示アセンブ
リと、この映像表示アセンブリを観察者の頭部に着脱自
在に装着するための装着メンバー部とを備えた頭部装着
型表示装置において、上記支持メンバー部は当該観察者
の略々後頭部に当接する後方支持部を有し、上記映像表
示アセンブリを観察者の上方または眼球の下方もしくは
視線に沿った顔面前方に上記後方支持部に対して相対的
に変位可能にした変位機構を持ち、該変位機構による映
像表示アセンブリの変位によって該映像表示アセンブリ
乃至上記支持メンバー部の所定部位が観察者の額乃至鼻
から離隔せしめられ得るように構成されたものであるこ
とを特徴とする頭部装着型表示装置である。……………
……………………………(2)
【0013】また、更に他の一つの本願発明は:映像を
表示する映像表示素子および該映像を観察者の眼球内網
膜上に投影するための光学系を含んでなる映像表示アセ
ンブリと、この映像表示アセンブリを観察者の頭部に着
脱自在に装着するための装着メンバー部とを備えた頭部
装着型表示装置において、上記装着メンバー部は上記映
像表示アセンブリと当該観察者の眼球との距離を調節可
能なように該映像表示アセンブリを支持するアイリリー
フ可変支持機構と、このアイリリーフ可変支持機構にお
ける調節された位置に該映像表示アセンブリの位置を固
定するための固定機構と、該映像表示アセンブリの変位
による当該頭部装着型表示装置の重心位置の移動に拘ら
ず観察者の頭部に対する自己の相対的姿勢を維持するた
めの姿勢維持機構とが設けられてなるものであることを
特徴とする頭部装着型表示装置である。…………………
…(3)
【0014】尚、本願発明の種々の限定的局面で見た特
徴について次に列挙しておく。
【0015】・映像を表示する映像表示素子および該映
像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系を含
んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセンブ
リを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着メン
バー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上記映
像表示アセンブリは観察者の鼻部乃至その近傍部への当
接部位並びにその周辺部を境界として左眼用映像表示部
と右眼用映像表示部とに分離可能に構成され、上記装着
メンバー部は該映像表示アセンブリの左眼用映像表示部
と右眼用映像表示部とを左右に離反する方向に摺動変位
可能に支持する摺動変位機構が設けられてなるものであ
ることを特徴とする頭部装着型表示装置。……(4)
【0016】・映像を表示する映像表示素子、該映像を
観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系、およ
び、この観察者が外界視野を確保できない状態で眼球内
に上記映像表示素子による像を導くか或いは観察者が外
界視野を確保できるようにするかを切り換えるための視
野切換手段、を含んでなる映像表示アセンブリと、この
映像表示アセンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着す
るための装着メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置
において、自己に適合するデータ伝送装置により当該頭
部装着型表示装置とは離隔した位置から無線伝送される
映像等のデータを受信するためのデータ受信手段と、上
記データ受信手段により受信された映像等のデータを上
記映像表示素子に適合する形態にして該映像表示素子に
供給する変換手段と、上記データ受信手段により受信さ
れるデータの受信レベルに応じて上記視野切換手段にお
ける切り換えの動作を制御する制御手段と、を備えたこ
とを特徴とする頭部装着型表示装置。……………(5)
【0017】・映像を表示する映像表示素子、該映像を
観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系、およ
び、この観察者が外界視野を確保できない状態で眼球内
に上記映像表示素子による像を導くか或いは観察者が外
界視野を確保できるようにするかを切り換えるための視
野切換手段、を含んでなる映像表示アセンブリと、この
映像表示アセンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着す
るための装着メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置
において、自己に適合するデータ伝送装置により当該頭
部装着型表示装置とは離隔した位置から無線伝送される
映像等のデータを受信するためのデータ受信手段と、上
記データ受信手段により受信された映像等のデータを上
記映像表示素子に適合する形態にして該映像表示素子に
供給する変換手段と、当該頭部装着型表示装置の位置を
検出するための位置検出手段と、上記位置検出手段によ
る検出状態に応じて上記視野切換手段における切り換え
の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とす
る頭部装着型表示装置。……………(6)
【0018】・映像を表示する映像表示素子および該映
像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系を含
んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセンブ
リを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着メン
バー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上記映
像表示アセンブリは自己の光学系と当該観察者の眼球と
の距離を調節可能なように該光学系を支持する可変アイ
リリーフ機構と、この可変アイリリーフ機構における調
節された位置に該光学系の位置を固定するための固定機
構とが設けられてなるものであることを特徴とする頭部
装着型表示装置。……(7)
【0019】上記水分吸収部材としてスポンジを適用し
たことを特徴とする上記(1)の頭部装着型表示装置。
……………………………………………(8)
【0020】・上記水分吸収部材を上記当接部を覆うよ
うにして着脱自在に配設するために粘着テープ乃至相互
に係止可能な対をなす係止片の集合体が植設されてなる
シート状体を適用してなることを特徴とする上記(1)
の頭部装着型表示装置。……………………………………
………………………………………(9)
【0021】・上記変位機構は当該頭部装着型表示装置
を観察者に装着した状態における上記映像表示アセンブ
リと装着メンバー部との境界部位から該映像表示アセン
ブリが10cm以上離隔することが許容され得るように構
成されたものであることを特徴とする上記(2)の頭部
装着型表示装置。…………………(10)
【0022】・上記変位機構は上記表示アセンブリを観
察者の視線に沿った前方への変位および上下方向へのチ
ルト変位が可能に構成されたものであることう特徴とす
る上記(2)の頭部装着型表示装置。……………………
…………(11)
【0023】・上記変位機構は上記チルト変位について
上記視線に沿った方向に対して上方に90°以上の変位
が可能に構成されてなるものであることを特徴とする上
記(10)の頭部装着型表示装置。………………………
…………(12)
【0023】・上記装着メンバー部に観察者の頭部の側
面に当接する頭部側面パッドを設けたことを特徴とする
上記(4)の頭部装着型表示装置。………(13)
【0024】・上記アイリリーフ可変支持機構による上
記装着メンバー部と映像表示アセンブリとの相対変位に
よって両者間に生じる間隙からの入射光を遮るために当
該間隙の拡縮に連動する遮光部材を設けてなることを特
徴とする上記(3)の頭部装着型表示装置。……………
…………………………………(14)
【0025】・上記データ伝送装置からの無線伝送は電
波による伝送であり、上記制御手段は上記データ受信手
段により受信される電波の強度に応じて上記視野切換手
段における切り換えの動作を制御するものであることを
特徴とする上記(5)の頭部装着型表示装置。…………
……………………………………(15)
【0026】・上記データ伝送装置からの無線伝送は光
波による伝送であり、上記制御手段は上記データ受信手
段により受信される光波の強度に応じて上記視野切換手
段における切り換えの動作を制御するものであることを
特徴とする上記(5)の頭部装着型表示装置。…………
……………………………………(16)
【0027】・上記データ伝送装置から映像および音声
のデータが伝送されるようになされ上記制御手段は受信
手段で受信された音声データに依拠して上記視野切換手
段における切り換えの動作を制御するものであることを
特徴とする上記(5),(15)または(16)の頭部
装着型表示装置。…………………(17)
【0028】
【実施の形態】図1は本発明の実施の形態としての頭部
装着型表示装置を含むシステムの概要を示す斜視図であ
る。図1において、画像出力装置1から出力された画像
データはコントロールボックス2を介して頭部装着型表
示装置(HMD)3に供給されるようにケーブル等で接
続される。HMD3は内部に後述する光学系4等が設け
られた映像表示アセンブリ3aと、この映像表示アセン
ブリ3aを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装
着メンバー部3bとを含んで構成される。装着メンバー
部3bには観察者の両耳に各対応する位置にスピーカー
5Rおよび5Lが設けられている。装着メンバー部3b
は映像表示アセンブリ3aを観察者の頭部に支持するた
めの支持部材6を主体的に含んで構成される。
【0029】図2は図1の頭部装着型表示装置(HM
D)3を観察者の頭部に装着した状態を示す斜視図であ
る。図2において既述の図1との対応部は同一の符号を
附してそれらの説明は省略する。HMD3を医療用とし
て医師が用いる場合には、医師は先ず手術用のキャップ
等を頭部に被着した後、このHMD3を装着することに
なる。或いは、HMD3ごとキャップで頭部を包み込む
ように被覆する。
【0030】図1に説明を戻す。画像出力装置1から出
力された画像データを受けるコントロールボックス2に
は映像(信号)を切り換え選択するための操作スイッチ
7が設けられ、またその内部には映像信号生成回路、制
御回路および音声信号の増幅器等が設けられている。ま
た画像出力装置1としては、例えば、ビデオデッキ,レ
ーザーディスク再生装置,TVチューナー,或いは内視
鏡手術等に適用される硬性鏡や内視鏡を用いて取り込ま
れた映像を出力するCCUシステム等がこれに該当す
る。
【0031】図3は上記HMD3の光学系4の一例を示
す光路図である。図3において、光学系4は、小型CR
TやLCD等でなり映像を表示するための表示素子8、
この表示素子8から放射された映像パターンに対応する
光束の光量を規制するために放射面側に設けられたルー
バー等の光学要素9、この光学要素9を透過した光の入
射側の非球面11や底部内面側の凹面鏡12や内部に傾
斜面状に設けられたハーフミラー13等を有するプリズ
ム14、このプリズム14の前面側に設けられ外光の入
射を許容しあるいは遮断する液晶シャッタ15、等を含
んで構成され、このプリズム14の後面側の出射面側か
ら出射された光束(虚像)が眼球16に投影される。
尚、表示素子8がLCD等である場合にはその背後にバ
ックライト10が設けられる。
【0032】図4は図3のもの以外の光学系の例を示す
光路図である。図4において既述の図3との対応部は同
一の符号を附してそれらの説明は省略するが、この図4
のような光学系を図1の上記HMD3の光学系4として
適用することができる。HMD3に組み込まれる光学系
は、上記構成に限らず、装着者の眼球に表示素子の像を
投影するものであれば良い。
【0033】図5は、本発明の第1の実施の形態として
の頭部装着型表示装置を示す斜視図である。図5におい
て既述の図1の対応部は同一の符号を附して示しそれら
各部の説明は省略する。図5の実施の形態において、映
像表示アセンブリ3aや装着メンバー部3bの内面側に
装着者の汗を吸収するための交換可能な水分吸収部材と
しての吸収パッド17,18L,18R,19が、粘着
テープ或いは相互に係止可能な対をなす係止片の集合体
が植設されてなるシート状体等を用いて、取り付けられ
ている。この取り付け位置について詳細には、吸収パッ
ド17は装着メンバー部3bの天頂支持部20の内側に
設けられ、吸収パッド18L,18Rは装着メンバー部
3bに装着者の後頭部乃至その近傍部に(この例では間
接的に)当接して適宜の位置保持力を得るための左右の
後方支持部21L,21Rの各内側に設けられ、吸収パ
ッド19は映像表示アセンブリ3aに装着者の額に(こ
の例では間接的に)当接して適宜の位置保持力を得るた
めに形成された額支持部22の内側にそれぞれ設けられ
ている。
【0034】図6は図5の実施の形態のHMDの背面図
である。図6において既述の図5と同一部分に同一の符
号を附してそれらの説明は省略する。図5及び図6に示
された実施の形態では、装着者の汗を吸収するための交
換可能な水分吸収部材としての吸収パッド17,18
L,18R,19が上述のように設けられているため、
これらによって装着者の汗は効果的に吸収され、顔面に
流れ落ちるような不都合が回避され得る。従って、例え
ば、内視鏡手術などの手術中に医師が装着している場合
等においても、手術中に医師が額に汗をかいて、その汗
が眼に入ってしまい手術が妨げられたりすることが回避
される。また、汗を拭き取る手間も省けることとなり、
手術に専念することができる。
【0035】更に、上述した実施の形態では、吸収パッ
ド17,18L,18R,19は粘着テープ、或いは、
相互に係止可能な対をなす係止片の集合体が植設されて
なるシート状体等を用いて、取り付けられているため、
容易に交換可能であるため、装置の使用後にこれらの吸
収パッドを交換すればよく、非常に衛生的である。尚、
吸収パッドの材質としては、発泡ウレタンやポリエチレ
ンフォーム、或いはウレタンフォーム、軟質ウレタンフ
ォーム等のスポンジ状(軟質且つ多孔質)の材質を適用
するとよく、この場合、ウレタンフォームのセル数は3
0個/25mm以上の細目のものが好ましい。厚みは、少
なくとも5mm以上、望ましくは10mm以上のものが推奨
される。ウレタンフォームは水や中性洗剤液による洗浄
再生が可能なものが更に望ましい。
【0036】以上のほか、水分を吸収して硬化するもの
や、網目状の高分子吸収シート等の通気性の良い材質
や、水分の吸収力に優れた材質を適用することが推奨さ
れる。また、吸収パッドとして紙または布を適用するこ
ともできる。布地についてはタオルのようなパイル地の
ものや起毛性のものが好ましく、材質は綿などが推奨さ
れる。
【0037】図7は本発明の第2の実施の形態を示す斜
視図である。図7において、既述の図1,図5,図6と
の対応部は同一符号を附して示し、それらの説明は省略
する。この図7の実施の形態では、図5および図6の実
施の形態におけるような吸収パッド17,18L,18
R,19は設けられていない。装着メンバー部3bは映
像表示アセンブリ3aを観察者の頭部に支持するための
みに設けらており、従って、これによる支持乃至位置固
定作用は図5および図6の実施の形態におけるよりも強
固であり、映像表示アセンブリ3aの位置ずれが起こる
虞れが一層少ない。
【0038】この図7の実施の形態では、汗が眼に入る
虞れを払拭するために装着者の顔面から額にかけての部
位に対応して、眼の上方一帯に、映像表示アセンブリ3
aの顔面(額)への当接部から装着メンバー部3bに亘
る一連の領域に取り付けるようにして、帯状のパッド2
3が設けられている点が特徴である。
【0039】図8は本発明の第3の実施の形態を示す背
面図である。図8において、既述の図1,図5,図6と
の対応部は同一符号を附して示し、それらの説明は省略
する。この図8の実施の形態でも、図5および図6の実
施の形態におけるような吸収パッド17,18L,18
R,19は設けられていない。この図8の実施の形態で
は、装着者の眼の上方周囲部に対応する、映像表示アセ
ンブリ3aの顔面(額)への当接部に帯状のパッド24
が設けられている点が特徴である。このパッド24は例
えば上記当接部に粘着テープ或いは相互に係止可能な対
をなす係止片の集合体が植設されてなるシート状体等を
用いて、取り付けられている。
【0040】図9は図8の実施の形態のHMDを装着し
た状態での装着者の顔面への当接状態を説明するための
概念図である。図9のように、装着者25の顔面で両眼
の上方位置から両眼の左右外側を垂下する領域に亘って
帯状にパッド24が位置を占めることとなる。
【0041】図7,図8,および図9により説明した実
施の形態では、吸収パッド23,24によって外界光が
遮光されるため、表示素子による電子映像が見え易くな
り、更に、装着者25の顔面からの反射光が、図3に示
した光学系4の面Aで反射して起こるゴースト等の不所
望な現象の発生を低減させることができる。
【0042】図10は本発明の第4の実施の形態を示す
斜視図である。この図10においても、図1,図5,図
6との対応部は同一符号を附して示し、それらの説明は
省略する。図10の実施の形態では、額支持部22、天
頂支持部20、左右の後方支持部21L,21R、左右
頭部側面支持部26L,26R、の6箇所でHMD本体
を頭部に支持し装着姿勢を維持できるように構成してあ
る。これら6箇所の支持部は、頭部をそれぞれの当接部
で軽く押圧することにより、それらの押圧力の平衡によ
って効果的に装着姿勢を維持できる点に特徴がある。
【0043】これらの各支持部22,20,21L,2
1R,26L,26Rの押圧面部にはパッドが設けら
れ、快適な装着感が得られる。このパッドの材質として
は、例えば、弾力性に富んだウレタン素材や合成ゴム等
が適している。
【0044】図10のHMDの映像表示アセンブリ3a
(少なくともその眼前部27)は、後述する変位機構に
より観察者の視線に沿った顔面前方に後方支持部21
L,21Rに対して相対的に変位可能に支持されてい
る。この変位機構による映像表示アセンブリ3a(眼前
部27)の変位によって該映像表示アセンブリ乃至上記
支持メンバー部3bの所定部位が観察者の額乃至鼻から
離隔せしめられ得るように構成されている
【0045】図10の実施の形態において、この変位機
構は、支持メンバー部3bの後方支持部28,28内に
自己の一端部が固定され、支持メンバー部3bの両前端
部から観察者の視線に沿った顔面前方に各々突出するよ
うにして設けられた剛性の板29,29が映像表示アセ
ンブリ3a(眼前部27)の対応する孔部に進退自在に
挿入されることにより、結果的に、映像表示アセンブリ
3a(眼前部27)が観察者の視線に沿った顔面前方ま
たは反対方向に摺動自在に支持されるように構成されて
いる。
【0046】図11は図10の装置における変位機構の
詳細を示す側面図である。図11において図10との対
応部は同一の符号を附してある。上述した剛性の板29
には、その上縁部の後方支持部28寄りに位置して相互
に所定間隔を持った一対の小突起30,31が設けら
れ、同縁部の前端部寄りに位置して相互に所定間隔を持
った同様の一対の小突起32,33が設けられている。
これらの各一対の小突起はそれらの上記間隔内に映像表
示アセンブリ3a側に設けられた弾性片34と係止用凸
片35とでなるストッパー部材が嵌入し得るようになさ
れている。
【0047】このストッパー部材が弾性片34の弾性力
によって一対の小突起30,31間に嵌入したとき、映
像表示アセンブリ3a(眼前部27)は支持メンバー部
3bに当接した位置に軽微な力量で固定され、この状態
で、HMD3の装着者は映像表示アセンブリ3aによる
電子映像を正規の状態で観察することができる。また、
上記ストッパー部材が他の一対の小突起32,33間に
嵌入したとき、映像表示アセンブリ3a(眼前部27)
は支持メンバー部3bから前方に離隔した位置に軽微な
力量で固定され、この状態で、HMD3の装着者は、H
MD3を頭部から外すことなく、額の汗等を拭き取るこ
とができる。弾性片34と係止用凸片35とでなるスト
ッパー部材は、その係止用凸片35が弾力性のある板バ
ネやプラスチック製の弾性片34とが一体となったもの
であるため、ストッパー部材による係止力は上述のよう
に比較的軽微な力量での位置保持力を与えるものであ
り、映像表示アセンブリ3a(眼前部27)を所定位置
に固定し、また摺動させるについて、その操作が極めて
容易にできる。
【0048】図12は図10および図11の装置を医師
が手術に用いた場合の様子を示す図である。手術中、本
実施の形態のHMD3の装着者(医師)36は、映像表
示アセンブリ3a(眼前部27)の電子映像を観察しな
がら、患部の処置をしている。このとき医師36は手術
の作業に忙しく、また、HMD3を頭部に装着し続けて
いることによる蒸れが生じ、手術が長時間に及ぶ程に多
量の発汗が起こる。しかしながら、HMD3を電子映像
を観察するための正規の位置で頭部に装着したままであ
ると、この汗を拭き取ることができず、汗が眼に入った
りして手術の妨げになり、且つ、大変不快であり、更に
重大なことは、患部に汗が落ちたりすれば不衛生極まり
ない。また、汗を拭き取るために、その都度HMD3を
頭部から外すのは大変面倒であり、手術の作業効率の低
下を招来する。
【0049】この場合、図10および図11の本発明の
頭部装着型表示装置(HMD)3によれば、映像表示ア
センブリ3a(眼前部27)のみを上述した変位機構に
よって許容される範囲まで前方に摺動させて引き出すこ
とにより、図12に示されたように、額や鼻の近傍を含
む顔面37から、即ち支持メンバー部3b側から離隔さ
せることができるため、この離隔した位置で映像表示ア
センブリ3a(眼前部27)を上述のように適宜位置を
保持しておき、額や鼻の近傍を含む顔面37の汗を布3
8等で拭き取ることができる。
【0050】また、この実施の形態のHMD3が上述し
た図12のような状態になったとき、映像表示アセンブ
リ3a(眼前部27)の前方への移動に伴って、装置全
体としての重心位置が前方に移動してしまい、且つ額支
持部22も前方に移動してこの部位での位置保持力が作
用しなくなってしまう。しかしながら、本実施の形態で
は、残りの他の支持部20,21L,21R,26L,
26Rの位置保持力によってHMDは図12のように略
々当初の姿勢を維持することかできる。このため、汗を
拭く作業がし易く、元の観察状態に復帰させても再度大
幅に位置調整する必要がなく作業能率の低下を最小限に
止めることができる。
【0051】尚、図10および図11を用いて説明した
実施の形態における、一対の小突起32,33はこれを
設けることが必須であるわけではなく、このうよな小突
起は設けずに適宜剛性の板29,29に関するストロー
クの途中で映像表示アセンブリ3a(眼前部27)を静
止させるようにしても、汗を拭く作業に別段の支障はな
い。
【0052】図13は本発明の第5の実施の形態を示す
斜視図である。この図13でも、既述の図1,図5,図
6との対応部は同一符号を附して示してある。図13の
実施の形態でも、額支持部22、天頂支持部20、左右
の後方支持部21L,21R、左右頭部側面支持部26
L,26R、の6箇所でHMD本体を頭部に支持し装着
姿勢を維持できるように構成してある。これら6箇所の
支持部は、頭部をそれぞれの当接部で軽く押圧すること
により、それらの押圧力の平衡によって効果的に装着姿
勢を維持できる点は図10の実施の形態と同様である。
【0053】また、これらの各支持部22,20,21
L,21R,26L,26Rの押圧面部にはパッドが設
けられ、快適な装着感が得られる。このパッドの材質と
しては、例えば、弾力性に富んだウレタン素材や合成ゴ
ム等が適用され得る点も既述の図10の実施の形態と同
様である。
【0054】この図13の実施の形態では、HMD3の
映像表示アセンブリ3a(少なくともその眼前部27)
は、アームメンバー41を含んでなる後述の変位機構に
より観察者の眼球の下方で顔面前方に変位可能に変位可
能に支持されている。この変位機構による映像表示アセ
ンブリ3a(眼前部27)の変位によって該映像表示ア
センブリ乃至上記支持メンバー部3bの所定部位が観察
者の額乃至鼻から離隔せしめられ得るように構成されて
いる。
【0055】図14は図13の実施の形態における上記
変位機構の詳細を説明するための部分拡大図である。図
14において、映像表示アセンブリ3a(眼前部27)
には、その左右端近傍の各上部に弧状のアームメンバー
41,41が、同メンバーの小穴39に映像表示アセン
ブリ3a側に植設されたピン42が相対的に回動可能に
挿通される様にして取り付けられている。弧状のアーム
メンバー41はその外形に沿う中央部に弧状のスリット
40が形成されている。この弧状のスリット40に支持
メンバー部3b側の左右前端近傍に設けられた支持軸4
3が挿通されている。
【0056】上述のように変位機構が構成され、アーム
メンバー41は自己の弧状のスリット40に支持軸43
が挿通された状態でこのスリット40内で支持軸43が
相対移動できる範囲で円弧状に変位し得、且つ、アーム
メンバー41,41の一端側に小穴39とピン42によ
って映像表示アセンブリ3aが懸架された状態になさて
いる。従って、図13のHMD3の観察者(装着者)
は、映像表示アセンブリ3aを図14で一点鎖線図示の
通常の装着状態から、実線図示のように円弧状にこの映
像表示アセンブリ3aを動かして、装着者の顔面から離
隔した位置に変位せしめることができる。この状態で、
装着者は額や眼の回りの汗などを拭き取ることかでき
る。このため、HMD3を医師が手術に用いているとき
でも、装置3自体を外すことなく汗を拭くことが可能
で、衛生的であり、作業能率の低下も避けることができ
る。
【0057】図15は本発明の第6の実施の形態を示す
斜視図である。この図15でも、既述の図1,図5,図
6との対応部は同一符号を附して示してある。図15の
実施の形態でも、額支持部22、天頂支持部20、左右
の後方支持部21L,21R、左右頭部側面支持部26
L,26R、の6箇所でHMD本体を頭部に支持し装着
姿勢を維持できるように構成してある(21R,26
L,26Rは図15では見えないが図13のもの等と同
様である)。これら6箇所の支持部は、頭部をそれぞれ
の当接部で軽く押圧することにより、それらの押圧力の
平衡によって効果的に装着姿勢を維持できる点は図10
の実施の形態と同様である。
【0058】また、これらの各支持部22,20,21
L,21R,26L,26Rの押圧面部にはパッドが設
けられ、快適な装着感が得られる。このパッドの材質と
しては、例えば、弾力性に富んだウレタン素材や合成ゴ
ム等が適用され得る点も既述の図10の実施の形態と同
様である。
【0059】この図15の実施の形態では、HMD3の
映像表示アセンブリ3a(少なくともその眼前部27)
は、支持メンバー部3b側の両腕前端に向けて設けられ
た溝116内を移動可能なスライド板110を含んでな
る後述の変位機構により観察者の眼球の上方および顔面
前方に変位可能に変位可能に支持されている。この変位
機構による映像表示アセンブリ3a(眼前部27)の変
位によって支持メンバー部3bの所定部位が観察者の額
乃至鼻から離隔せしめられ得るように構成されている。
【0060】図16は図15の実施の形態における上記
変位機構の詳細を説明するための部分拡大図である。図
14において、映像表示アセンブリ3a(眼前部27)
には、その左右端近傍の各上部内に長方形のスライド板
110,110(片方のものは図では見えない)が、同
スライド板110の小穴111に映像表示アセンブリ3
a側に植設されたピン115が相対的に回動可能に挿通
される様にして取り付けられている。スライド板110
はその外形に沿う中央部に直線状に延長されるようにし
てスライド溝112が形成されている。このスライド板
110は、支持メンバー部3b側の両腕部内に前端に向
けてHMD3の前後方向に延長するようにして各設けら
れた溝116,116(図15)内に移動可能に挿通さ
れている。上記支持メンバー部3bの溝116内には、
この溝内をその幅方向に横断するようにして板状突起1
13、スライド板110のスライド溝112に相対変位
可能に挿通される軸114、および、この軸114の垂
直上方位置にスライド溝112に対して出没自在に嵌入
してクリック機能を得る小突起117が設けられてい
る。
【0061】図15および図16のHMD3は、使用者
の頭部に装着されて、電子映像が観察され得る正規の使
用位置(姿勢)では、図16に2点鎖線で示す(a)の
位置に映像表示アセンブリ3aが位置する。医師などの
使用者(装着者)が汗をかいたときには、まず、この映
像表示アセンブリ3aを図16に1点鎖線で示す前方の
(b)の位置にスライドさせる。このときスライド板1
10は上記支持メンバー部3bの溝116内で板状突起
113により支承され且つ軸114がスライド溝112
に嵌入していることで案内されるため、下方に傾斜する
ことなく、装着者の前方に略々沿う方向に進出すること
になる。次に、軸114を回動中心として映像表示アセ
ンブリ3aを上方に回動させると、スライド板110が
略々垂直になった位置で小突起117がスライド板11
0のスライド溝112に嵌入してクリック機能を得、こ
の姿勢が維持される。
【0062】この状態で、装着者は額や眼の回りの汗な
どを拭き取ることかできる。HMD3を医師が手術に用
いているときでも、装置3自体を外すことなく汗を拭く
ことが可能で、衛生的であり、作業能率の低下も避ける
ことができる点も既述の他の実施の形態同様である。
尚、従来の装置のうちにも映像表示部を上方に退避させ
ることが可能になされているものがある。しかしなが
ら、これらにおいては装置を頭部に支持するための支持
ベルトが依然額を覆ったままであり、額の汗を拭くのに
障害となる。これに対しこの実施の形態では額を含む顔
面前方部位が開放されるため、額や顔面の汗を拭く作業
がし易い。
【0063】図17は本発明の第7の実施の形態を示す
斜視図である。この図17においても、図1,図5,図
6との対応部は同一符号を附して示し、それらの説明は
省略する。図17の実施の形態では、映像表示アセンブ
リ3aが左眼用映像表示部47Lと右眼用映像表示部4
7Rとに左右に分かれる構成がとられ、左眼用映像表示
部47L内に左眼用光学系46L、右眼用映像表示部4
7R内に右眼用光学系46Rが各別に設けられている。
この左眼用映像表示部47Lには左側額支持部44L
が、右眼用映像表示部47Rには右側額支持部44Rが
各別に設けられている。
【0064】この実施の形態では、上述した左側額支持
部44L,右側額支持部44R、鼻部45b、天頂支持
部20、左右の後方支持部21L,21Rの5箇所(4
4L,44Rは左右合わせて1箇所)でHMD本体を頭
部に支持し装着姿勢を維持できるように構成してある。
これら5箇所の支持部は、頭部をそれぞれの当接部で軽
く押圧することにより、それらの押圧力の平衡によって
効果的に装着姿勢を維持できる点に特徴がある。
【0065】これら、左側額支持部44L,右側額支持
部44R、天頂支持部20、左右の後方支持部21L,
21Rのの押圧面部にはパッドが設けられ、快適な装着
感が得られる。このパッドの材質としては、例えば、弾
力性に富んだウレタン素材や合成ゴム等が適している。
【0066】映像表示アセンブリ3aの左眼用映像表示
部47Lと右眼用映像表示部47Rとは、映像表示アセ
ンブリ3aの底部に設けられた板状のベースメンバー4
5の中央部(装着者の鼻に対接する部位)に設けられた
基部(鼻部)45bからベースメンバー45の上面に沿
って左右に向けて各張り渡され、各対応する左眼用映像
表示部47L、右眼用映像表示部47Rに設けられた、
基部45bの外郭を左右で各収容する凹所45a,45
a(一方は図17では見えない)内の小穴に嵌入する左
2本、右2本の各一対のロッド49に案内されて、左右
方向に相互に離反するようにスライド可能になされてい
る。
【0067】図17の実施の形態では、左眼用映像表示
部47Lと右眼用映像表示部47Rとを、左右横手方向
にスライドさせて、顔面からその側方に離隔させること
で、額や眼の前が開放されるため、このHMD3を手術
に用いた場合でも、手術中にHMDを外すことなく、汗
を拭くことができ、衛生的であり、作業の効率が低下す
ることも回避される。また、左眼用映像表示部47Lあ
るいは右眼用映像表示部47Rのいずれか片方をスライ
ドさせれば、他方側の眼で映像の観察を続けながら汗を
拭くことができ、作業の中段を最小限にすることができ
る。
【0068】図18は本発明の第8の実施の形態を示す
斜視図である。この図18においても、図1,図5,図
6,図17との対応部は同一符号を附してある。図18
の実施の形態では、映像表示アセンブリ3aが左眼用映
像表示部47Lと右眼用映像表示部47Rとに左右に分
かれる構成がとられ、左眼用映像表示部47L内に左眼
用光学系46L、右眼用映像表示部47R内に右眼用光
学系46Rが各別に設けられている。この左眼用映像表
示部47Lには左側額支持部44Lが、右眼用映像表示
部47Rには右側額支持部44Rが各別に設けられてい
る。
【0069】この実施の形態でも、上述した左側額支持
部44L,右側額支持部44R、鼻部45b、天頂支持
部20、左右の後方支持部21L,21Rの5箇所(4
4L,44Rは左右合わせて1箇所)でHMD本体を頭
部に支持し装着姿勢を維持できるように構成してある。
これら5箇所の支持部は、頭部をそれぞれの当接部で軽
く押圧することにより、それらの押圧力の平衡によって
効果的に装着姿勢を維持できる点に特徴がある。
【0070】これら、左側額支持部44L,右側額支持
部44R、天頂支持部20、左右の後方支持部21L,
21Rのの押圧面部にはパッドが設けられ、快適な装着
感が得られる。このパッドの材質としては、例えば、弾
力性に富んだウレタン素材や合成ゴム等が適している。
【0071】映像表示アセンブリ3aの左眼用映像表示
部47Lと右眼用映像表示部47Rとは、映像表示アセ
ンブリ3aの底部に設けられた板状のベースメンバー4
5の中央部(装着者の鼻に対接する部位)に設けられた
鼻部45bからベースメンバー45の上面に沿って左右
方向に相互に離反するようにスライド可能に構成されて
いる。鼻部45bの左側および右側に各対応する左眼用
映像表示部47L、右眼用映像表示部47Rに設けられ
た、鼻部45bの外郭を左右で各収容する凹所45a,
45a(一方は図18では見えない)により、双方の表
示部47L,47Rが対接する位置ではそれらが隙間な
く合わされ得るようになされている。
【0072】図18の実施の形態では、上述したベース
メンバー45の下面側に、左眼用映像表示部47Lと右
眼用映像表示部47Rとを、左右横手方向にスライドさ
せるための変位伝達機構が設けられている。図19は図
18の実施の形態におけるこの変位伝達機構を示す底面
図である。尚、説明の便宜のために、図19ではベース
メンバー45を図示することは省略し、変位の伝達経路
が直接的に理解できるようにしてある。図示のようにこ
の変位伝達機構は左眼用映像表示部47Lに固定された
一方のラック50Lと右眼用映像表示部47Rに固定さ
れた他方のラック50Rとが支軸52によって軸支され
た共通のピニオンギア53に支軸52を挟んで反対側か
ら各噛合するようになされている。従って、左眼用映像
表示部47Lおよび右眼用映像表示部47Rは同方向
(横手方向)逆向きに連動変位する。
【0073】図18および図19の実施の形態では、左
眼用映像表示部47Lと右眼用映像表示部47Rとを、
左右横手方向にスライドさせて、顔面からその側方に離
隔させることで、額や眼の前が開放されるため、このH
MD3を手術に用いた場合でも、手術中にHMDを外す
ことなく、汗を拭くことができ、衛生的であり、作業の
効率が低下することも回避される。また、左眼用映像表
示部47Lあるいは右眼用映像表示部47Rのいずれか
片方をスライドさせれば、他方側も連動するため双方の
映像表示部47L,47Rが相互に離反するようにスラ
イドするため、片手で左右同時に開閉操作を行なうこと
ができる。また図19について説明した通り、簡単な連
動機構であるため、操作力量も軽微であり、操作性がよ
い。
【0074】尚、上述したピニオンギア53を支軸52
の回りに回動操作するための例えば摘まみのような操作
部材を設け、この操作部材を操作して双方の映像表示部
47L,47Rをスライドさせるように構成することも
できる。
【0075】図20は本発明の第9の実施の形態を示す
斜視図である。この図20においても、図1,図5,図
6,図10,図11との対応部は同一符号を附してあ
る。図20の実施の形態は、図10および図11を用い
て説明した第4の実施の形態と映像表示アセンブリ3a
が観察者の視線に沿う前後方向に変位可能になされてい
る点では共通のものである。
【0076】図20の実施の形態では、額支持部2
2′、天頂支持部20、左右の後方支持部21L,21
RでHMD3を頭部に支持し装着姿勢を維持できるよう
に構成してある。これらの支持部は、頭部をそれぞれの
当接部で軽く押圧することにより、それらの押圧力の平
衡によって効果的に装着姿勢を維持できるようになされ
ている。尚、図10および図11を用いて説明した第4
の実施の形態では額支持部22は映像表示アセンブリ3
aの上面側に設けられていたが、この図20の実施の形
態では、額支持部22′が装着メンバー部3bの両腕部
55L,55Rの前端を左右方向に結ぶ構造部分55M
の上面側に設けられている。
【0077】これらの各支持部22,20,21L,2
1R,26L,26Rの押圧面部にはパッドが設けら
れ、快適な装着感が得られる。このパッドの材質として
は、例えば、弾力性に富んだウレタン素材や合成ゴム等
が適している。
【0078】図20のHMD3の映像表示アセンブリ3
a(少なくともその眼前部54)は、後述するアイリリ
ーフ可変支持機構により観察者の視線に沿った顔面前方
に後方支持部21L,21Rに対して相対的に変位可能
に支持されている。この変位機構による映像表示アセン
ブリ3a(眼前部54)の変位によって該映像表示アセ
ンブリ乃至上記装着メンバー部3bの所定部位が観察者
の額乃至鼻から矢線図示のように離隔せしめられて、ア
イリリーフ調整を可能ならしめるように構成されている
【0079】既述のように、この実施の形態では、装着
メンバー部3bの両腕部55L,55R前端を左右方向
に結ぶ構造部分55Mが設けられ、且つその上面側に額
支持部22′が設けられ、これらの部材によって、後述
する固定機構により上記アイリリーフ可変支持機構にお
ける調節された位置に映像表示アセンブリ3aの位置が
固定されてHMD3としての重心位置が前後方向に移動
してもこの移動に拘らず観察者の頭部に対するHMD3
の相対的姿勢を維持するための姿勢維持機構が構成され
ている。
【0080】図20の実施の形態において、上述のアイ
リリーフ可変支持機構は、装着メンバー部3bの両腕部
55L,55R内に自己の一端部が固定され、両腕部5
5L,55Rの両前端部から観察者の視線に沿った顔面
前方に各々突出するようにして設けられた剛性の板5
6,56が映像表示アセンブリ3a(眼前部54)の対
応する孔部に進退自在に挿入されることにより、結果的
に、映像表示アセンブリ3a(眼前部54)が観察者の
視線に沿った顔面前方または反対方向に摺動自在に支持
されるように構成されている。
【0081】図21は図20の装置におけるアイリリー
フ可変支持機構の詳細を示す側面図である。図21にお
いて図20との対応部は同一の符号を附してある。上述
した剛性の板56には、その上縁部に前後方向に連続し
て各側断面が半円状の小突起群57が設けられており、
この小突起群57の各凹所のうちの適宜のものに映像表
示アセンブリ3a側に設けられた弾性片58と係止用凸
片59とでなるストッパー部材が嵌入して位置の調節と
固定がなされ得るように構成されている。尚、小突起群
57の前端部にこれら小突起より大きい最終突起部60
が設けられ、剛性の板56に嵌挿された映像表示アセン
ブリ3aの抜け落ちが防止される。
【0082】図20および図21を用いて説明した実施
の形態では、映像を表示する映像表示素子および該映像
を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系を含ん
でなる映像表示アセンブリ3aを前後方向に変位させる
ことができるため、アイリリーフの調整が可能である。
この調整が出来ないと、例えば、眼鏡をかけている観察
者(装着者)の場合、眼眼鏡の大きさによっては眼鏡が
HMD3に突き当たってしまい、装着が困難である場合
がある。また、例え装着ができても、眼鏡と映像表示ア
センブリ3aとが干渉してしまい、HMD3に眼鏡が押
されて顔面に押し付けられてしまって痛くなる等の生理
的負担が生じるが、上記実施の形態によれば、このよう
な不具合が一掃されることになる。
【0083】図22は図20および図21を用いて説明
した実施の形態における映像表示アセンブリ3aに適用
される光学系の光路図である。図22に示す光路は瞳か
らの逆追跡である。瞳は直径8mm(ヒトの瞳径は通常4
mm程度である)で設定し、図示のbが眼球の瞳位置であ
る。順追跡では、LCD61からの光線はプリズムの第
1曲面62で屈折し、凹面鏡63で反射されて、ハーフ
ミラー64で折り返し反射して、視度補正レンズ65を
介して瞳bに到達する。基本的に、LCD61の電子像
はa〜c間のでは観察可能である。bは瞳を旋回運動さ
せたときに最適な瞳位置である。従って、瞳位置はa〜
c間では移動可能である。この実施の形態では、a〜c
間は34mmであり、映像表示アセンブリ3aの前後方向
への変位量はこの範囲に規制されることが望ましい。従
って、図20および図21を用いて説明した実施の形態
では、剛性の板56の上縁部に前後方向に連続して設け
られた小突起群57の範囲は、図22で説明したa〜c
間の34mm相応のものとされている。
【0084】図23は本発明の第10の実施の形態を示
す斜視図である。この図23においても、図1,図5,
図6等との対応部は同一符号を附してある。図23の実
施の形態では、映像表示アセンブリ3aに、内部の光学
系66L,66Rと装着者(当該観察者)の眼球との距
離を調節可能なように該光学系66L,66Rを支持す
る可変アイリリーフ機構と、この可変アイリリーフ機構
における調節された位置に該光学系の位置を固定するた
めの固定機構とが設けられている。
【0085】即ち、この可変アイリリーフ機構は、左お
よび右の光学系66L,66Rの上部に垂直上方に向け
て植設された各スライド軸67L,67Rが、これらに
各対応して映像表示アセンブリ3aの外装体上面側部に
前後方向に穿設された長穴68L,68Rに挿通され、
且つ、左および右の光学系66L,66Rはアセンブリ
3aの外装体内で適宜の摩擦でこれらを案内支持する機
構により支持されて構成さる。この案内支持する機構に
おける適宜の摩擦を得る機能部により上述した可変アイ
リリーフ機構における調節された位置に該光学系の位置
を固定するための固定機構が構成される。
【0086】上記左および右の光学系66L,66Rは
長穴68L,68R内でスライド軸67L,67Rが移
動可能な範囲でそれらの前後方向の位置をスライド調節
することができる。このスライド調節可能な範囲は、図
20および図21を用いて説明した実施の形態と同様0
〜34mmの範囲であるが、この実施の形態の場合、左お
よび右の光学系66L,66Rはそれぞれ別個に調節可
能である。
【0087】この図23の実施の形態によっても、アイ
リリーフの調整が可能である。従って、この調整が出来
ない場合に生じる、眼鏡がHMD3に突き当たってしま
い、装着が困難であったり、また、例え装着ができて
も、眼鏡と映像表示アセンブリ3aとが干渉してしま
い、HMD3に眼鏡が押されて顔面に押し付けられてし
まって痛くなり生理的負担が生る等の不具合が一掃され
ることになる。
【0088】図24は本発明の第11の実施の形態を示
す斜視図である。この図24においても、図1,図5,
図6および上述の図23等との対応部は同一符号を附し
てある。図24の実施の形態でも、図23のものと同様
に、映像表示アセンブリ3aに、内部の光学系66L,
66Rと装着者(当該観察者)の眼球との距離を調節可
能なように該光学系66L,66Rを支持する可変アイ
リリーフ機構と、この可変アイリリーフ機構における調
節された位置に該光学系の位置を固定するための固定機
構とが設けられている。
【0089】この可変アイリリーフ機構および固定機構
は、図23の実施の形態について説明したものと略同様
であるが、特にこの図24のものでは、左および右の光
学系66L,66Rに各植設された各スライド軸70
L,70Rが挿通される長穴68L,68R近傍の映像
表示センブリ3aの外装体外面に、スライド軸70L,
70Rのシフト量、従ってアイリリーフの調節量、の目
安とするための、例えば5mm間隔の目盛り69L,69
Rが設けられている。これらの目盛り69L,69Rの
スパンはアイリリーフ調節可能な範囲、即ち、図20お
よび図21を用いて説明した実施の形態と同様0〜34
mmの範囲である。この実施の形態でも、左および右の光
学系66L,66Rはそれぞれ別個に調節可能である。
【0090】この図24の実施の形態によっても、アイ
リリーフの調整が可能である。従って、この調整が出来
ない場合に生じる、眼鏡がHMD3に突き当たってしま
い、装着が困難であったり、また、例え装着ができて
も、眼鏡と映像表示アセンブリ3aとが干渉してしま
い、HMD3に眼鏡が押されて顔面に押し付けられてし
まって痛くなり生理的負担が生る等の不具合が一掃され
ることになる。
【0091】更に、図24の実施の形態では、目盛り6
9L,69Rより読み取られるアイリリーフの調節量
が、光学系による画面の下部に数値等によって表示され
るように構成されている。従って、次回装着時より表示
される調節量を初回で得た適切な値に合わせるようにす
れば、調節量の再現性を利用して使い易さが向上する。
【0092】図25は、図24の実施の形態における光
学系による画面等での表示の状況を説明する図である。
図25のように、光学系による画面72の下部に数値等
によってアイリリーフの調節量の表示71がなされる。
この表示は、例えば、スライド軸70L(70R)の位
置(変位)に応じて液晶の数字表示が行われるように構
成することにより実現される。
【0093】図26は、アイリリーフの調節量の表示を
機械的に行なうための機構を示す図である。光学系66
L(66R)側面にアイリリーフの調節方向に沿って設
けられたラックに噛合するピニオンギア73の軸がアイ
リリーフ調整操作用回転ノブ74を構成し、この回転ノ
ブ74を回動操作すると、光学系66L(66R)が前
後方向に移動する。ピニオンギア73には伝達ギア75
が噛合し、この伝達ギア75の回転はドライブシャフト
を通して下方の一対のベベルギア76,77に伝達さ
れ、ベベルギア77の回転がディジタル表示板78に伝
達される。ディジタル表示板78は、例えば、0,5,
10,15,……のように5mm調節毎に各対応する数字
表示部分を光学系66L(66R)を通して画面乃至そ
の近傍の視認可能な位置に表示する。
【0094】図27は本発明の第12の実施の形態を示
す斜視図である。この図27において図1,図5,図
6,図10との対応部は同一符号を附してある。図27
の実施の形態は、図10および図11を用いて説明した
第4の実施の形態と映像表示アセンブリ3aが観察者の
視線に沿う前後方向に変位可能になされている点では共
通のものである。図28は図27の実施の形態において
映像表示アセンブリ3aが前方にシフトした位置に進出
した状態を示す斜視図である。また、図29は図27の
実施の形態の背面図である。図28および図29におい
て図27との対応部は同一符号を附してある。
【0095】図27の実施の形態では、額支持部22、
天頂支持部20、左右の後方支持部21L,21RでH
MD3を頭部に支持し装着姿勢を維持できるように構成
してある。これらの支持部は、頭部をそれぞれの当接部
で軽く押圧することにより、それらの押圧力の平衡によ
って効果的に装着姿勢を維持できるようになされてい
る。
【0096】これらの各支持部22,20,21L,2
1R,26L,26Rの押圧面部にはパッドが設けら
れ、快適な装着感が得られる。このパッドの材質として
は、例えば、弾力性に富んだウレタン素材や合成ゴム等
が適している。
【0097】図27のHMD3の映像表示アセンブリ3
a(少なくともその眼前部54)は、図10の第4の実
施の形態と同様の変位機構により観察者の視線に沿った
顔面前方に後方支持部21L,21Rに対して相対的に
変位可能に支持されている。図27の実施の形態ではこ
の変位機構により、装着者の顔面形状の相違などに拠ら
ず、また、眼鏡の大きさ等に拘らず、映像表示アセンブ
リ3aを最適な位置に装着支持することができる。
【0098】上述した図27,図28,図29の実施の
形態では、特に、映像表示アセンブリ3a上方内面乃至
光学系の内面周辺から装着者の額乃至両眼の周囲に向け
て幕或いは枠体が張り出すようにして外光を遮断するた
めの遮光部材79が設けられている。この遮光部材79
は伸縮自在な材質でなるか、或いは、伸縮を許容する構
造になされている。この遮光部材79により電子映像の
観察の妨げとなる外光が遮断されるため、装着者は映像
観察が一層しやすくなる。
【0099】図30は図27,図28,図29の実施の
形態において、特に蛇腹式の遮光部材80を設けた第1
3の実施の形態を示す背面図である。蛇腹式の遮光部材
80としては、好ましくは、顔面に当接したときに顔面
に強い押圧力を加える虞れのない、例えば、軟質の材料
である合成ゴムや塩化ビニル等が推奨される。
【0100】以上、図27,図28,図29および図3
0の実施の形態では、特に、映像表示アセンブリ3aを
前後方向にシフトさせて位置調節しても、蛇腹式の遮光
部材80が柔軟に伸縮して、遮光部材80による電子映
像の観察の妨げとなる外光遮断の作用が十全になされ得
るため、装着者は映像観察が極めてしやすくなる。
【0101】図31は本発明の第14の実施の形態を示
す斜視図である。この図31においても、図1,図5,
図6,図10,図11,図20との対応部は同一符号を
附してある。図27の実施の形態は、図10および図1
1を用いて説明した第4の実施の形態、或いは、図20
および図21を用いて説明した第9の実施の形態と映像
表示アセンブリ3a(左右の光学系46L,46R)が
観察者の視線に沿う前後方向に変位可能になされている
点では共通のものである。
【0102】図31の実施の形態では、額支持部2
2′、天頂支持部20、左右の後方支持部21L,21
RでHMD3を頭部に支持し装着姿勢を維持できるよう
に構成してある。これらの支持部は、頭部をそれぞれの
当接部で軽く押圧することにより、それらの押圧力の平
衡によって効果的に装着姿勢を維持できるようになされ
ている。また図20の実施の形態同様、額支持部22′
が装着メンバー部3bの両腕部55L,55Rの前端を
左右方向に結ぶ構造部分55Mの上面側に設けられてい
る。
【0103】これらの各支持部22,20,21L,2
1R,26L,26Rの押圧面部にはパッドが設けら
れ、快適な装着感が得られる。このパッドの材質として
は、例えば、弾力性に富んだウレタン素材や合成ゴム等
が適している。
【0104】図31のHMD3の映像表示アセンブリ3
aは、図21について既述のものと同様のアイリリーフ
可変支持機構により観察者の視線に沿った顔面前方に後
方支持部21L,21Rに対して相対的に変位可能に支
持されている。この変位機構による映像表示アセンブリ
3a(左右の光学系46L,46R)の変位によって該
映像表示アセンブリ乃至上記装着メンバー部3bの所定
部位が観察者の額乃至鼻から矢線図示のように離隔せし
められて、アイリリーフ調整を可能ならしめるように構
成されている
【0105】図31の実施の形態では、特に、映像表示
アセンブリ3a上方内面乃至光学系の内面周辺から装着
者の額乃至両眼の周囲に向けて幕或いは枠体が張り出す
ようにして外光を遮断するための遮光部材81が設けら
れている。遮光部材81の張り出した前端部は固定端8
2となされ、装着メンバー部3b側の支持部83に固定
されている。この遮光部材81は、例えば、薄い黒布状
のもの(綿、ジャージ素材、薄手のゴムシート等)でな
り、後述のような伸縮を許容する構造になされている。
この遮光部材81により電子映像の観察の妨げとなる外
光が遮断されるため、装着者は映像観察がしやすくな
り、快適な映像観察状態が得られる。
【0106】図32および図33は図31の実施の形態
における遮光部材81の伸縮を許容する構造を説明する
ための図である。既述のように、遮光部材81の前端側
は固定端82により図31のようにHMD3の装着メン
バー部3b側の支持部83に固定されている。また、遮
光部材81の他端84側は、ばね90を含む巻き取り機
構の巻き取り軸85の周囲にロール状に巻き取られる。
巻き取り軸85は、その内部に固定軸86が設けられて
おり、この固定軸86にはばね90の一端87が固定さ
れている。また、固定軸86は、その外周よりも大きい
巻き取り軸85の内部に同軸状に延長して設けられてい
る。上記ばね90の他端88は巻き取り軸85の内周面
に固定されている。更に、巻き取り軸85には遮光部材
81の他端84側が固定されており、巻き取り軸85の
周囲にロール状に巻き付けられている。
【0107】左右の光学系46L,46Rを顔面前方に
移動すると、遮光部材81は矢線dの方向に引き出され
る。このとき取り軸85も固定軸86の回りに矢線d方
向に回転する。従って、自己の両端87,88で巻き取
り軸85の内周面と固定軸86の外周面とを結んでいる
ばね90は引き延ばされ、その伸びによって、遮光部材
81が引き出されることが許容される。またばね90の
張力によって巻き取り軸85には矢線dとは反対方向の
矢線eの方向に復元する回動力が作用する。
【0108】左右の光学系46L,46Rを顔面前方に
所定量移動した状態では、図21を用いて説明した位置
固定機構、即ち、剛性の板56の上縁部に前後方向に連
続して設けられた半円状の小突起群57の各凹所のうち
の適宜のものに映像表示アセンブリ3a側に設けられた
弾性片58と係止用凸片59とでなるストッパー部材が
嵌入して位置の調節と固定がなされ得る固定機構89に
より、上記移動した状態での姿勢が維持され、この間上
述した巻き取り軸85を矢線eの方向に復元する回動力
が作用し続ける。
【0109】上記の状態で固定機構89による位置の固
定が解除され、左右の光学系46L,46Rを元の位置
に復すると、上記復元する回動力の作用により、この巻
き取り軸85が矢線eの方向に回動し、遮光部材81は
元の程度まで巻き取られる。上述の作用により、遮光部
材81は常に装着者とHMD3の隙間から洩れ込む光を
適当な大きさに展開された遮光部分で遮光することがで
き、快適な映像観察状態を得ることができる。
【0110】図34は本発明の第15の実施の形態を示
す斜視図である。この図34においても、図1,図5,
図6,図23等との対応部は同一符号を附してある。図
34の実施の形態では、図23の第10の実施の形態と
同様に、映像表示アセンブリ3aに、内部の光学系46
L,46Rと装着者(当該観察者)の眼球との距離を調
節可能なように該光学系46L,46Rを支持する可変
アイリリーフ機構と、この可変アイリリーフ機構におけ
る調節された位置に該光学系の位置を固定するための固
定機構とが設けられている。
【0111】即ち、この可変アイリリーフ機構は、回転
ダイヤル91を回動操作することによって左および右の
光学系46L,46Rを前後方向に変位せしめることが
できるように構成されている。
【0112】図35は図34のHMDにおける上記可変
アイリリーフ機構の詳細を示す図である。図35におい
て、回転ダイヤル91はその軸下端側にピニオンギア9
4が設けられ、このピニオンギア94は左側の光学系4
6Lの上面外側部に前後方向に設けられた長溝93の一
辺に形成されたラック92と噛合するようになれてい
る。回転ダイヤル91を回動操作することによって同回
転ダイヤル91の軸下端側に設けられたピニオンギア9
4が回転し、この回転がラック92に伝達されて左側の
光学系46Lが前後方向に変位せしめられる。左側の光
学系46Lと右側の光学系46Rとは連結桿95よって
結合されて両光学系が一体に変位するようになされてい
る。また、左および右の光学系46L,46Rの各上下
の外側部に夫々前後の両端が折り返されてストッパーと
しても機能するように形成された誘導レール96,96
が設けられている。即ち、左および右の光学系46L,
46Rはこれらの誘導レール96,96がHMD3の映
像表示アセンブリ3aの外装体内側の対応する構造部に
よって移動可能に支持され、上述のようにして前後方向
に動く。
【0113】この図34および図35の実施の形態によ
っても、アイリリーフの調整が可能である。従って、こ
の調整が出来ない場合に生じる、眼鏡がHMD3に突き
当たってしまい、装着が困難であったり、また、例え装
着ができても、眼鏡と映像表示アセンブリ3aとが干渉
してしまい、HMD3に眼鏡が押されて顔面に押し付け
られてしまって痛くなり生理的負担が生る等の不具合が
一掃されることになる。また、左および右の光学系46
L,46Rの前後方向への調節変位はHMD3の映像表
示アセンブリ3aの外装体とは独立の変位であるため、
第12乃至第14の実施の形態のような別段の遮光部材
を用いずとも、調節変位に伴って不所望な外光の洩れ込
みが生じる虞れがない。
【0114】図36は本発明の第16の実施の形態を示
す概念図である。この実施の形態では、HMD3は受信
用のアンテナ104を有する電波受信ユニット105を
有し、装着者25の頭部に所定の姿勢で装着される。H
MD3で観察されるべき映像は、映像出力装置108で
所定の映像ソースから生成され、この映像出力装置10
8の出力が電波発信部107で送信用のアンテナ106
から電波として放射するに適合した形態の信号に変換さ
れて該アンテナ106に供給される。送信用のアンテナ
106から放射される電波は、距離D離隔したHMD3
の受信用のアンテナ104で受信され、電波受信ユニッ
ト105でHMD3の映像表示アセンブリ3aの表示部
を通して観察するに適合した信号に変換される。
【0115】図36のシステムを屋外で使用する場合、
アンテナの仕様や天候等の影響を受けることになるが、
伝播距離が100mのときレベルが10V/m以下とな
るような強度の電波が送信用のアンテナ106から放射
されている場合、上述した距離Dが100m越える地点
まで装着者25が移動すると、電界強度が10V/mよ
り強いことを条件とする電波受信可能範囲から外に出て
しまうことになる。
【0116】図37は屋内型のワイヤレス式HMDシス
テムの使用に際しての有効使用範囲について説明する図
である。装着者25は映像電波受信手段99を備え映像
表示部8で映像を観察するように構成されたHMD3を
装着している。当初、この装着者25が映像電波放射手
段98からの電波受信可能範囲100内の位置Aに居る
ときにはHMD3で正規の状態でワイヤレスで伝播して
くる映像を観察することができるが、この位置から移動
して電波受信可能範囲100の外の位置Bに出てしまう
と、映像を観察することができなくなる。
【0117】図38および図39は図37を用いて説明
した状況で、別段の手段を講じない場合に、HMD3に
映出される画像の様子を説明するための図である。図3
8はHMD3を外界視野(外界像)内に電子映像を重ね
て観察できるモードで使用したときの状態を示したもの
である。図38の(a)部は、図37の装着者25が電
波受信可能範囲100内の位置Aに居るときHMD3に
映出される画像の様子を示している。外界視野(外界
像)103内に電子映像102が所謂スーパーインポー
ズのようにして重畳されるかたちで双方の像(映像)が
融像視野101内に観察される。一方、図38の(b)
部は、図37の装着者25が電波受信可能範囲100外
の位置Bに移動したときHMD3に映出される画像の様
子を示している。融像視野101内にスーパーインポー
ズされていた電子映像102は消えて、外界像103の
み観察される。
【0118】図39はHMD3を専ら電子映像を観察す
るモードで使用したときの状態を示したものである。図
39の(a)部は、図37の装着者25が電波受信可能
範囲100内の位置Aに居るときHMD3に映出される
画像の様子を示している。背景となる融像視野101内
に電子映像102が観察される。図39の(b)部は、
図37の装着者25が電波受信可能範囲100外の位置
Bに移動したときHMD3に映出される画像の様子を示
している。電子映像102が消えて背景101だけとな
り、突如視野が暗くなってしまう。
【0118】図40は図36の実施の形態において観察
される映像の様子を示す図である。図40の(a)部
は、図36の装着者25が電波受信可能範囲である距離
Dが100m以内の位置居るときHMD3に映出される
画像の様子を示している。背景となる融像視野101内
に電子映像102が正規の状態で観察される。図40の
(b)部は、図36の装着者25が電波受信可能範囲で
ある距離Dが100m以内の領域を越えた位置に移動し
たときHMD3に映出される画像の様子を示している。
電子映像102が消えるが、HMD3の映像表示アセン
ブリ3aの表示部はシースルー状態となって、図39の
(b)部のように突如視野が暗くなる状態に替えて融像
視野101内に外界視野103が確保される。
【0119】図36の実施の形態では、受信用アンテナ
104の位置での電界強度が10V/m以下になると、
映像が正規に受信されなくなるため、電子映像を映出で
きないが、このとき、映像表示アセンブリ3aの表示部
の液晶シャッタに印加する駆動電圧を制御してシースル
ー状態に切り換えるように構成されている。表示部がシ
ースルー状態になれば装着者25は自己の外界視野を確
保できるため、外を見ながら受信可能な地点まで安全に
戻ることができる。装着者25が電界強度が10V/m
より強い電波受信可能範囲内の領域に居るとき、また
は、この領域にもどると、映像が正規に受信されるよう
になるため、電子映像を観察できる。
【0120】図41は図36のシステムにおける信号処
理の系統図である。映像出力装置から供給された映像信
号は、映像信号変換部で電波信号に変換されて、発信器
から電波として空中を伝播する。受信器で受信された電
波は電界強度検出器でその強度が検出され、電界強度が
10V/mより強い場合は信号変換回路で映像信号に変
換されて、LCD駆動回路を介してLCD上に表示され
る。また電界強度が10V/m以下の場合には、LCD
駆動回路により映像を映出させるための系統はカットオ
フされて、同時に液晶シャッタ駆動回路には電圧が印加
されて液晶シャッタは透過状態(シースルー状態)に切
り換えられる。尚、上述の例では、電子映像を観察する
か液晶シャッタを透過状態にして外界視野を確保するか
の切り換えとなる電界強度の臨界値を10V/mとした
が、この値は装置の用途や使用環境に応じて適切な値を
選択すればよい。
【0121】図42は本発明の第17の実施の形態にお
ける信号処理の系統図である。この実施の形態では第1
6の実施の形態におけるワイヤレスの映像信号として電
波に替えて光信号を適用したものである。映像出力装置
から供給された映像信号は、映像信号変換部で光信号に
変換されて、発信器から光が変調された信号として空中
を伝播する。受信器で受信された光信号は光強度検出器
でその強度が検出され、光強度が17dB/Kmより強い場
合は信号変換回路で映像信号に変換されて、LCD駆動
回路を介してLCD上に表示される。また光強度が17
dB/Km以下の場合には、LCD駆動回路により映像を映
出させるための系統はカットオフされて、同時に液晶シ
ャッタ駆動回路には所定電圧が印加されて液晶シャッタ
は透過状態(シースルー状態)に切り換えられる。
【0122】図43は図42の実施の形態における受信
部の詳細例を示すブロック図である。装置に到来した光
信号はフォトダイオードを含む受光部で受光され電気的
信号に変換された後アンプで増幅され、フィルタを通し
て復調回路に供給され、ここで復調される。次段の信号
処理回路では映出するに適した形態の信号への変換処理
と、信号レベルの検出(強度検出器)がなされる。信号
レベルに応じて、LCDや液晶シャッタの駆動が上述の
ように行われる。尚、上述の例では、電子映像を観察す
るか液晶シャッタを透過状態にして外界視野を確保する
かの切り換えとなる光強度の臨界値を17dB/Kmとした
が、これは可視光で10Km先の山が見えなくなる光出力
(強度)である。但しこの臨界値は装置の用途や使用環
境に応じて適切な値を選択すればよい。また、受信され
た信号レベルに応じて、液晶シャッタの駆動を制御する
に替えて、あるいはこの制御と共に、音声信号に基づい
て受信信号レベルが低すぎること、即ち、映像の送信源
から離れ過ぎたことを警告したり、液晶シャッタの開閉
の駆動を制御するように構成してもよい。即ち、映像を
AM波で音声をFM波で伝送し、それらの信号の振幅乃
至パルス幅を所定の閾値と比較してこの比較結果に応じ
て警告や液晶シャッタの開閉を行なうように構成しても
よい。
【0123】図44は図41または図42により説明し
た装置の変形例における信号処理の系統図である。この
形態ではワイヤレスの映像信号の受信レベルが所定値以
下になったとき、液晶シャッタの駆動を制御して表示部
をシースルー状態にするに替えて、あるいはこの制御と
共に、表示部に文字表示乃至マークをスーパーインポー
ズ表示させ、乃至は音声により受信信号レベルが低すぎ
ること、即ち、映像の送信源から離れ過ぎたことを警告
するように構成したものである。として電波に替えて光
信号を適用したものである。
【0124】映像出力装置から供給された映像信号は、
映像信号変換部で電波或いは光信号等のワイヤレス信号
に変換されて、発信器から電波乃至光が変調された信号
として空中を伝播する。受信器で受信されたワイヤレス
信号は信号強度検出器でその強度が検出され、電界強度
が10V/mより強い(または光強度が17dB/Kmより
強い)場合は信号変換回路で映像信号に変換されて、L
CD駆動駆動回路を介してLCD上に表示される。また
電界強度が10V/m以下(同、光強度が17dB/Km以
下)の場合には、ROMなどのメモリに予め保持されて
いる「遠すぎます」,「戻って下さい」などの文字情報
や、戻るべき方向、即ち、送信アンテナの在る方向を示
す矢印などの図形(マーク)情報がLCD駆動回路によ
り表示部に表示される。同時にROMなどのメモリに予
め保持されている「遠すぎます」,「戻って下さい」な
どの音声がスピーカーを通して発音される。尚、この発
音時には映像に伴なう主音声はミュートして副音声とし
てスピーカーから発音させるようにすることが望まし
い。無論、主音声の系統を遮断して「遠すぎます」,
「戻って下さい」などの音声だけをアナウンスするよう
にしてもよい。また一方、受信信号レベルが不十分にな
ると液晶シャッタ駆動回路には電圧が印加されて液晶シ
ャッタは透過状態(シースルー状態)に切り換えられ
る。
【0125】図45は図44を用いて説明した装置の動
作のうち、融像視野101をシースルーにして外界視野
103が確保された状態にした上、「戻って下さい」と
いう文字情報をスーパーインポーズ表示させた状態の例
を示す図である。HMDの装着者がワイヤレス信号の受
信強度が十分なレベルとなる領域内に戻戻れば信号強度
検出器による検出レベルが所定値に到り、これに応じて
「戻って下さい」の表示が消え、装着者は信号受信範囲
内に戻ったことを認識できる。
【0126】図46は図44を用いて説明した装置の動
作のうち、融像視野101をシースルーにして外界視野
103が確保された状態にした上、戻るべき方向、即
ち、送信アンテナの在る方向を示す矢印(マーク情報)
102mをスーパーインポーズ表示させた状態の例を示
す図である。HMDの装着者はこの矢印の示す方向に移
動することによりワイヤレス信号の受信強度が十分なレ
ベルとなる領域内に戻ることができる。この領域内に戻
れば信号強度検出器による検出レベルが所定値に到り、
これに応じて矢印の表示が消え、乃至は、矢印の表示の
消失と共に正規の映像表示状態に復帰する。装着者は信
号受信範囲内に戻ったことを認識できる。
【0127】図47は図41または図42により説明し
た装置の他の変形例を示す概念図である。このシステム
では、映像信号や音声信号である主信号(ワイヤレス信
号)とは別途に距離計測用の信号を同時に発信するよう
に構成されたコントローラー2TXと距離計測用信号受
信用の副アンテナ104bが映像信号(ワイヤレス信
号)受信用の主アンテナ104aの他に設けられ双方の
信号を受信することができるようになされたHMD3を
含んで構成される。尚、コントローラー2TXから映像
信号や音声信号である主信号(ワイヤレス信号)と距離
計測用信号とを混合した複合信号として同時に送出する
ように構成することも可能である。この場合には、受信
側に主信号と距離計測用信号とを分離する分離回路を設
け、この回路によって複合信号を分離して各別に処理を
する構成を採ればよい。
【0128】距離計測用信号は定常的なレベルの出力と
して送出されており、受信側で、距離計測用信号の受信
レベルが所定の閾値以下になったことに応じて観察視野
をシースルーやスーパーインポーズに切り換える制御を
行なう。
【0129】図48は本発明の第18の実施の形態を示
す概念図である。また、図49は図48のシステムにお
ける信号処理の系統図である。この実施の形態では、観
察者25には装着しているHMD3を通して仮想現実空
間118が提供されている。仮想現実空間118は、例
えば、CG(コンピューターグラフィックス)等でつく
られた空間であり、観察者25が動くとそれに合わせて
CGの映像信号も逆向きに動く。従って、観察者にとっ
ては、恰もその世界に居るかの如く認識されるものであ
る。
【0130】この実施の形態では、観察者の移動距離は
磁気センサにより検出する。想定した仮想現実空間にお
ける原点位置に磁気発生器119を設けておく。HMD
3には磁気センサ120が設けられ、磁気発生器119
から発生する磁場を検出している。この検出により得ら
れる信号により、上記原点位置を基準にしてx−y座標
上での観察者25の位置を傑出する。
【0131】HMD3に表示する映像は、そのソースの
出力を再生する映像信号出力装置108に接続された電
波発信部107のアンテナ106からワイヤレス信号
(電波)として放射され、この信号がHMD3の受信用
のアンテナ104で受信され、電波受信ユニット105
でHMD3の映像表示アセンブリ3aの表示部を通して
観察するに適合した信号に変換されて表示される。
【0132】観察者25が仮想現実空間118の内の
(イ)の位置から外の(ロ)の位置に移動した場合、位
置検出信号が信号変換回路内の液晶シャッタの切り換え
スイッチに送られ、(ロ)の状態に到ったときに、液晶
シャッタを透過(シースルー)状態に切り換えるように
電圧が印加され、外界視野が確保されるようになる。
尚、上述においては、ワイヤレス信号には映像信号をの
せているが、音声信号を加えてもよい。音声を加えるこ
とで、仮想現実の現実感は一層向上する。
【0133】以下に、本願に含まれる種々の局面で見た
発明を列挙して、それらの作用効果について併記する。
【0134】(1)映像を表示する映像表示素子および
該映像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系
を含んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセ
ンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着
メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上
記映像表示アセンブリ乃至装着メンバー部の、当該観察
者の眼の上部或いはその周辺部を含む額部乃至頭部への
当接部に対し、交換可能な水分吸収部材を上記当接部を
覆うようにして着脱自在に配設し得るように構成したこ
とを特徴とする頭部装着型表示装置。
【0135】上記(1)の発明以前の技術では、一旦H
MDを外さないと顔面の汗を拭くことができず、また一
度HMDを外すと再度装着したときに装置の装着姿勢や
映像の見え方その他を調節し直すことが必要となり煩わ
しく作業能率の低下を招来するような不具合があった
が、この(1)の発明によれば交換可能な水分吸収部材
により汗が吸着されこのような不具合が解消される。
【0136】(2)映像を表示する映像表示素子および
該映像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系
を含んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセ
ンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着
メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上
記装着メンバー部は当該観察者の略々後頭部に当接する
後方支持部を有し、上記映像表示アセンブリを観察者の
上方または眼球の下方もしくは視線に沿った顔面前方に
上記後方支持部に対して相対的に変位可能にした変位機
構を持ち、該変位機構による映像表示アセンブリの変位
によって該映像表示アセンブリ乃至上記装着メンバー部
の所定部位が観察者の額乃至鼻から離隔せしめられ得る
ように構成されたものであることを特徴とする頭部装着
型表示装置。
【0137】上記(2)の発明以前の技術では、装置を
一旦外さなければ汗を拭くことができずまた一度装置を
外すと再度装着したときに装置の装着姿勢や映像の見え
方その他を調節し直すことが必要となり煩わしく作業能
率の低下を招来するような不具合があったが、この
(2)の発明によれば装置を装着したままで汗を拭き取
ることができ、このような不具合が解消される。
【0138】(3)映像を表示する映像表示素子および
該映像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系
を含んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセ
ンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着
メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上
記装着メンバー部は上記映像表示アセンブリと当該観察
者の眼球との距離を調節可能なように該映像表示アセン
ブリを支持するアイリリーフ可変支持機構と、このアイ
リリーフ可変支持機構における調節された位置に該映像
表示アセンブリの位置を固定するための固定機構と、該
映像表示アセンブリの変位による当該頭部装着型表示装
置の重心位置の移動に拘らず観察者の頭部に対する自己
の相対的姿勢を維持するための姿勢維持機構とが設けら
れてなるものであることを特徴とする頭部装着型表示装
置。
【0139】上記(3)の発明によれば、装着者(映像
の観察者)の視力等によく適合した調節状態で且つ正規
の装着姿勢を維持した良好な状態で装置を用いることが
可能となる。
【0140】(4)映像を表示する映像表示素子および
該映像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系
を含んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセ
ンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着
メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上
記映像表示アセンブリは観察者の鼻部乃至その近傍部へ
の当接部位並びにその周辺部を境界として左眼用映像表
示部と右眼用映像表示部とに分離可能に構成され、上記
装着メンバー部は該映像表示アセンブリの左眼用映像表
示部と右眼用映像表示部とを左右に離反する方向に摺動
変位可能に支持する摺動変位機構が設けられてなるもの
であることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【0141】上記(4)の発明によれば、観察者の鼻部
乃至その近傍部を中心に左右に映像表示部が分かれて移
動するため、一層容易に顔面や額を汗を拭き取るこうが
できる。
【0142】(5)映像を表示する映像表示素子、該映
像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系、お
よび、この観察者が外界視野を確保できない状態で眼球
内に上記映像表示素子による像を導くか或いは観察者が
外界視野を確保できるようにするかを切り換えるための
視野切換手段、を含んでなる映像表示アセンブリと、こ
の映像表示アセンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着
するための装着メンバー部とを備えた頭部装着型表示装
置において、自己に適合するデータ伝送装置により当該
頭部装着型表示装置とは離隔した位置から無線伝送され
る映像等のデータを受信するためのデータ受信手段と、
上記データ受信手段により受信された映像等のデータを
上記映像表示素子に適合する形態にして該映像表示素子
に供給する変換手段と、上記データ受信手段により受信
されるデータの受信レベルに応じて上記視野切換手段に
おける切り換えの動作を制御する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする頭部装着型表示装置。
【0143】上記(5)の発明によれば、受信信号が距
離に応じて減衰した場合に外界視野が確保され、画面が
暗闇のようになって不安を抱くこともなくなり、危険も
会費できる。また観察者(装着者)は無線伝送される映
像等の信号を受信可能な位置に容易に戻ることができ
る。
【0144】(6)映像を表示する映像表示素子、該映
像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系、お
よび、この観察者が外界視野を確保できない状態で眼球
内に上記映像表示素子による像を導くか或いは観察者が
外界視野を確保できるようにするかを切り換えるための
視野切換手段、を含んでなる映像表示アセンブリと、こ
の映像表示アセンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着
するための装着メンバー部とを備えた頭部装着型表示装
置において、自己に適合するデータ伝送装置により当該
頭部装着型表示装置とは離隔した位置から無線伝送され
る映像等のデータを受信するためのデータ受信手段と、
上記データ受信手段により受信された映像等のデータを
上記映像表示素子に適合する形態にして該映像表示素子
に供給する変換手段と、当該頭部装着型表示装置の位置
を検出するための位置検出手段と、上記位置検出手段に
よる検出状態に応じて上記視野切換手段における切り換
えの動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴と
する頭部装着型表示装置。
【0145】上記(6)の発明は仮想現実(VR)空間
での使用に特に適合するものである。この(6)の発明
によれば、装着者はVR空間内で自らが何処に位置して
いるか位置検出手段の出力に基づいて認識することがで
き、VR空間から外に外れてしまったときには外界視野
が確保され、VR空間に戻ったときにはVRを体験する
状態に復帰することかできる。このため、コンピュータ
ーグラフィックス等等のVRソース側に徒に大きな規模
のものが要求されることがない。
【0146】(7)映像を表示する映像表示素子および
該映像を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系
を含んでなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセ
ンブリを観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着
メンバー部とを備えた頭部装着型表示装置において、上
記映像表示アセンブリは自己の光学系と当該観察者の眼
球との距離を調節可能なように該光学系を支持する可変
アイリリーフ機構と、この可変アイリリーフ機構におけ
る調節された位置に該光学系の位置を固定するための固
定機構とが設けられてなるものであることを特徴とする
頭部装着型表示装置。
【0147】上記(7)の発明によれば、映像表示アセ
ンブリの外装体(筐体)自体は変位させることなく光学
系のみを動かすことができるため、装着メンバー部と映
像表示アセンブリの固定部は常に位置が安定している。
このためアイリリーフ調整をしても、これによって不所
望な外光が洩れ込むような虞れがない。
【0148】(8)上記水分吸収部材としてスポンジを
適用したことを特徴とする上記(1)の頭部装着型表示
装置。
【0149】上記(8)の発明によれば、水分吸収の機
能が十分である一方その弾力により装着感を向上させる
ことができる。
【0150】(9)上記水分吸収部材を上記当接部を覆
うようにして着脱自在に配設するために粘着テープ乃至
相互に係止可能な対をなす係止片の集合体が植設されて
なるシート状体を適用してなることを特徴とする上記
(1)の頭部装着型表示装置。
【0151】上記(9)の発明によれば、水分吸収部材
の着脱操作が極めて容易である。
【0152】(10)上記変位機構は当該頭部装着型表
示装置を観察者に装着した状態における上記映像表示ア
センブリと装着メンバー部との境界部位から該映像表示
アセンブリが10cm以上離隔することが許容され得るよ
うに構成されたものであることを特徴とする上記(2)
の頭部装着型表示装置。
【0153】上記(10)の発明によれば、容易に額部
分の空間に手を入れて額を拭き取ることができる。
【0154】(11)上記変位機構は上記表示アセンブ
リを観察者の視線に沿った前方への変位および上下方向
へのチルト変位が可能に構成されたものであることを特
徴とする上記(2)の頭部装着型表示装置。
【0155】上記(11)の発明によれば、支持部(装
着メンバー部)から前眼部の表示アセンブリが十分遠ざ
けられ、装着者の額や鼻とは十分間隙が開いて容易に額
部分の空間に手を入れて額を拭き取ることができる。
【0156】(12)上記変位機構は上記チルト変位に
ついて上記視線に沿った方向に対して上方に90°以上
の変位が可能に構成されてなるものであることを特徴と
する上記(10)の頭部装着型表示装置。
【0157】上記(12)の発明によれば、容易に額部
分の空間に手を入れて額を拭き取ることができる。
【0158】(13)上記装着メンバー部に観察者の頭
部の側面に当接する頭部側面パッドを設けたことを特徴
とする上記(4)の頭部装着型表示装置。
【0159】上記(13)の発明によれば、支持部(装
着メンバー部)から表示アセンブリが十分遠ざけられる
ように変位して、全体の重心位置が移動しても頭部側面
パッドによりHMDの装着姿勢が崩れることがない。
【0160】(14)上記アイリリーフ可変支持機構に
よる上記装着メンバー部と映像表示アセンブリとの相対
変位によって両者間に生じる間隙からの入射光を遮るた
めに当該間隙の拡縮に連動する遮光部材を設けてなるこ
とを特徴とする上記(3)の頭部装着型表示装置。
【0161】上記(14)の発明によれば、アイリリー
フ調整を行って装着メンバー部と映像表示アセンブリと
の間に生じる隙間が遮光部材で効果的に塞がれ、不所望
な外光の洩れ込みを防ぐことができ、快適に映像観察が
できる。
【0162】(15)上記データ伝送装置からの無線伝
送は電波による伝送であり、上記制御手段は上記データ
受信手段により受信される電波の強度に応じて上記視野
切換手段における切り換えの動作を制御するものである
ことを特徴とする上記(5)の頭部装着型表示装置。
【0163】上記(15)の発明によれば、一般的に普
及している電波による信号伝搬の技術を適用して装置の
製造コストを低減することができる。
【0164】(16)上記データ伝送装置からの無線伝
送は光波による伝送であり、上記制御手段は上記データ
受信手段により受信される光波の強度に応じて上記視野
切換手段における切り換えの動作を制御するものである
ことを特徴とする上記(5)の頭部装着型表示装置。
【0165】上記(16)の発明によれば、高速で大容
量の情報伝送が行えるため複雑な或いは高精細な画像を
取り扱う装置を実現できる。
【0166】(17)上記データ伝送装置から映像およ
び音声のデータが伝送されるようになされ上記制御手段
は受信手段で受信された音声データに依拠して上記視野
切換手段における切り換えの動作を制御するものである
ことを特徴とする上記(5),(15)または(16)
の頭部装着型表示装置。
【0167】上記(17)の発明によれば、音声のデー
タが含まれるため情報が多くなり、観察における臨場感
も高まり、また、映像は見えても音声は聞こえないよう
な受信状況に到ったときにも適切な対応をとることがで
きる。
【発明の効果】本願発明によれば、医療分野、建設、ア
ミューズメント等での現実の使用状況において、より十
全な利便性が確保され得るこの種の装置を提供すること
ができる。
【0168】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての頭部装着型表示装
置を含むシステムの概要を示す斜視図である。
【図2】図1の頭部装着型表示装置(HMD)を観察者
の頭部に装着した状態を示す斜視図である。
【図3】HMDの光学系の一例を示す光路図である。
【図4】図3のもの以外の光学系の例を示す光路図であ
る。
【図5】本発明の第1の実施の形態としての頭部装着型
表示装置を示す斜視図である。
【図6】図5の実施の形態のHMDの背面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す背面図であ
る。
【図9】図8の実施の形態のHMDを装着した状態での
装着者の顔面への当接状態を説明するための概念図であ
る。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図11】図10の装置における変位機構の詳細を示す
側面図である。
【図12】図10および図11の装置を医師が手術に用
いた場合の様子を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図14】図13の実施の形態における変位機構の詳細
を説明するための部分拡大図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図16】図15の実施の形態における変位機構の詳細
を説明するための部分拡大図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図18】本発明の第8の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図19】図18の実施の形態における変位伝達機構を
示す底面図である。
【図20】本発明の第9の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図21】図20の装置におけるアイリリーフ可変支持
機構の詳細を示す側面図である。
【図22】図20および図21を用いて説明した実施の
形態における映像表示アセンブリに適用される光学系の
光路図である。
【図23】本発明の第10の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図24】本発明の第11の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図25】図24の実施の形態における光学系による画
面等での表示の状況を説明する図である。
【図26】アイリリーフの調節量の表示を機械的に行な
うための機構を示す図である。
【図27】本発明の第12の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図28】図27の実施の形態において映像表示アセン
ブリが前方にシフトした位置に進出した状態を示す斜視
図である。
【図29】図27の実施の形態の背面図である。
【図30】図27,図28,図29の実施の形態におい
て、特に蛇腹式の遮光部材を設けた第13の実施の形態
を示す背面図である。
【図31】本発明の第14の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図32】図31の実施の形態における遮光部材の伸縮
を許容する構造を説明するための図である。
【図33】図31の実施の形態における遮光部材の伸縮
を許容する構造を説明するための図である。
【図34】本発明の第15の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図35】図34のHMDにおける可変アイリリーフ機
構の詳細を示す図である。
【図36】本発明の第16の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図37】屋内型のワイヤレス式HMDシステムの使用
に際しての有効使用範囲について説明する図である。
【図38】HMDを外界視野(外界像)内に電子映像を
重ねて観察できるモードで使用したときの状態を示した
ものである。
【図39】HMDを専ら電子映像を観察するモードで使
用したときの状態を示した図である。
【図40】図36の実施の形態において観察される映像
の様子を示す図である。
【図41】図36のシステムにおける信号処理の系統図
である。
【図42】本発明の第17の実施の形態における信号処
理の系統図である。
【図43】図42の実施の形態における受信部の詳細例
を示すブロック図である。
【図44】図41または図42により説明した装置の変
形例における信号処理の系統図である。
【図45】図44を用いて説明した装置の動作のうち文
字情報をスーパーインポーズ表示させた状態の例を示す
図である。
【図46】図44を用いて説明した装置の動作のうち送
信アンテナの在る方向を示す矢印(マーク情報)をスー
パーインポーズ表示させた状態の例を示す図である。
【図47】図41または図42により説明した装置の他
の変形例を示す概念図である。
【図48】本発明の第18の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図49】図48のシステムにおける信号処理の系統図
である。
【符号の説明】
1 画像出力装置 2 コントロールボックス 3 頭部装着型表示装置(HMD) 3a 映像表示アセンブリ 3b 装着メンバー部 4 光学系 5L,5R スピーカー 7 操作スイッチ 8 表示素子 9 光学要素 10 バックライト 11 非球面 12 凹面鏡 13 ハーフミラー 14 プリズム 15 液晶シャッタ 16 眼球 17,18L,18R,19 吸収パッド 20 天頂支持部 21L,21R 後方支持部 22,22′ 額支持部 23 パッド 24 パッド 25 装着者 26L 左頭部側面支持部 26R 右頭部側面支持部 27 眼前部 28 後方支持部 29 剛性の板 30,31 一対の小突起 32,33 一対の小突起 34 弾性片 35 係止用凸片 36 装着者(医師) 37 顔面 38 布 39 小穴 40 スリット 41 アームメンバー 42 ピン 43 支持軸 44L 左側額支持部44 44R 右側額支持部 45 ベースメンバー 45b 基部(鼻部) 46L 左眼用光学系 46R 右眼用光学系 47L 左眼用映像表示部 47R 右眼用映像表示部 49 ロッド 50L ラック 50R ラック 52 支軸 53 ピニオンギア 54 眼前部 55L,55R 両腕部 56 剛性の板 57 小突起群 58 弾性片 59 係止用凸片 60 最終突起部 61 LCD 62 第1曲面 63 凹面鏡 64 ハーフミラー 65 視度補正レンズ 66L,66R 光学系 67L,67R スライド軸 68L,68R 長穴 69L,69R 目盛り 70L,70R スライド軸 71 表示 72 画面 73 ピニオンギア 74 回転ノブ 75 伝達ギア 76,77 ベベルギア 78 ディジタル表示板 79 遮光部材 80 蛇腹式の遮光部材 81 遮光部材 82 固定端 83 支持部 84 遮光部材の他端 85 巻き取り軸 86 固定軸 87 ばねの一端 88 ばねの他端 89 固定機構 90 ばね 91 回転ダイヤル 92 ラック 93 長溝 94 ピニオンギア 95 連結桿 96 誘導レール 98 映像電波放射手段 99 映像電波受信手段 100 電波受信可能範囲 101 融像視野 102 電子映像 102m 送信アンテナの在る方向を示す矢印(マーク
情報) 103 外界視野 104 受信用のアンテナ 104a 主アンテナ 104b 副アンテナ 105 電波受信ユニット 106 送信用のアンテナ 107 電波発信部 108 映像出力装置 110 スライド板 111 小穴 112 スライド溝 113 板状突起 114 軸 115 ピン 116 溝 117 小突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】映像を表示する映像表示素子および該映像
    を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系を含ん
    でなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセンブリ
    を観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着メンバ
    ー部とを備えた頭部装着型表示装置において、 上記映像表示アセンブリ乃至装着メンバー部の、当該観
    察者の眼の上部或いはその周辺部を含む額部乃至頭部へ
    の当接部に対し、交換可能な水分吸収部材を上記当接部
    を覆うようにして着脱自在に配設し得るように構成した
    ことを特徴とする頭部装着型表示装置。
  2. 【請求項2】映像を表示する映像表示素子および該映像
    を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系を含ん
    でなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセンブリ
    を観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着メンバ
    ー部とを備えた頭部装着型表示装置において、 上記装着メンバー部は当該観察者の略々後頭部に当接す
    る後方支持部を有し、上記映像表示アセンブリを観察者
    の上方または眼球の下方もしくは視線に沿った顔面前方
    に上記後方支持部に対して相対的に変位可能にした変位
    機構を持ち、該変位機構による映像表示アセンブリの変
    位によって該映像表示アセンブリ乃至上記装着メンバー
    部の所定部位が観察者の額乃至鼻から離隔せしめられ得
    るように構成されたものであることを特徴とする頭部装
    着型表示装置。
  3. 【請求項3】映像を表示する映像表示素子および該映像
    を観察者の眼球内網膜上に投影するための光学系を含ん
    でなる映像表示アセンブリと、この映像表示アセンブリ
    を観察者の頭部に着脱自在に装着するための装着メンバ
    ー部とを備えた頭部装着型表示装置において、 上記装着メンバー部は上記映像表示アセンブリと当該観
    察者の眼球との距離を調節可能なように該映像表示アセ
    ンブリを支持するアイリリーフ可変支持機構と、このア
    イリリーフ可変支持機構における調節された位置に該映
    像表示アセンブリの位置を固定するための固定機構と、
    該映像表示アセンブリの変位による当該頭部装着型表示
    装置の重心位置の移動に拘らず観察者の頭部に対する自
    己の相対的姿勢を維持するための姿勢維持機構とが設け
    られてなるものであることを特徴とする頭部装着型表示
    装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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