JP2004029768A - 頭部装着型画像表示装置 - Google Patents

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Jiyouji Karasawa
唐澤 穣児
Shoichi Ishizawa
石澤 彰一
Shoichi Uchiyama
内山 正一
Yoko Miyazawa
宮澤 容子
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Abstract

【課題】人体のもつ解剖学的見地からみて、たとえば、頭部の大きさ、眼幅、視力、感度などに充分に対応可能な構成とすることによって、使用感を向上可能な頭部装着型画像表示装置を提供する。
【解決手段】頭部に装着した状態で、拡大レンズで虚像拡大した液晶表示装置の像を視認する頭部装着型画像表示装置(1)において、装置本体(10)の内部には、光学系を眼幅方向および光学軸方向に移動させる調整機構が配置され、それらのノブは、装置本体(10)の前方に集中的に配置されている。
【選択図】図15

Description

【0001】
【技術分野】
この発明は、画像表示手段で表示した画像を虚像拡大して鑑賞するための画像表示装置に関し、特に、装置本体を頭部に装着した状態で画像を鑑賞する頭部装着型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
装置本体を頭部に装着して、画像を鑑賞する装置としては、たとえば、特開平5−lOO192号公報に記載されたものがある。この装置では、眼鏡タイプのフレームで構成され、このフレームを眼鏡をかけるようにして、頭部に装着する。従って、眼鏡の使用者がしばしば経験するように、わずかな重量の増加によって、装置本体が触れる鼻や耳に疲労感や不快感を与えるため、画像表示装置に装備できる機能や鑑賞時間が限られてしまうという問題点がある。また、装着状態が不安定であるため、頭部や身体を動かすと、装置本体がずれて、安定した状態で画像を鑑賞することができないという問題点もある。さらに、頭部や身体を大きく動かすと、装置本体が頭部から落下して、壊れてしまうという間題点もある。
【0003】
また、特開平4−22358号公報に記載の頭部装着型画像表示装置では、装置本体に側頭部にまで延設した一対の側枠を設け、この側枠の端部をゴムベルトで結んだ状態で頭部に巻き付けるようにして装着するようになっている。しかしながら、このような方法では、ゴムベルトで頭部から装置本体が落下することを防止しているが、ゴムベルトの幅が狭いので、落下を防止する効果が充分でない。また、ゴムベルトの幅を広くしても、弾性体であるゴムベルトだけで保持する以上、装置本体が不安定であることには変わりなく、画像のぶれ、疲労感、不快感といった問題点がある。
【0004】
このように、従来の頭部装着型画像表示装置では、装置を装着する部分が大きさや形状に個人差のある頭部であって、この頭部では安定した状態に装着しにくいことを考慮していないことに起因して、使用感が劣るという第1の問題点がある。
【0005】
次に、頭部装着型画像表示装置は、パーソナルユーズであるため、日経エレクトロニクス,No.571,Pll9に記載の頭部装着型画像表示装置では、視力および眼幅に応じて、画像の表示条件を調整できるようにしてある。しかしながら、この頭部装着型画像表示装置では、液晶ライトバルブ、反射ミラー、および拡大レンズから構成された左右一対の光学ユニットに対して、1つのバックライトで照らす構造になっているため、使用感が悪いという問題点がある。すなわち、使用者の視力に応じて結像位置を調整するときに、バックラィトと別体に構成されている液晶ライトバルプのみを光学ユニットの光学軸に沿って移動させると、バックライトに用いている蛍光管からは、発散光が照射されているので、バックライトと液晶ライトバルブとの距離が変化すると、液晶ラィトバルプヘの照射状態も変化し、画質が低下してしまうからである。特に、使用者の視力が左右で異なると、左右の虚像の画質(輝度)が異なるので、眼精疲労の原因になる。さらに、バックライトと液晶ライトバルブとの距離が大きくなる程、バックライトの照明効率が低下し、画像の高輝度化の妨げになる一方、それを解消しようとすると、低消費電力化の妨げになってしまう。
【0006】
さらにまた、眼幅には個人差があって、一般的には約58mmから約72mmまでの範囲であると言われている。従って、左右の光学ユニットは、相対的に約14mm移動可能であることが必要である。しかしながら、このような調整を従来の頭部装着型画像表示装置のように左右の光学ユニット毎に行なうと、片目毎の調整が必要になって手間がかかるという問題点がある。また、相対距離が合っても、一方の光学ユニットが移動しすぎたということもあり、このような状態のままで使用すると、眼精疲労の原因となる。
【0007】
また、特開平5−48991号公報に記載されている頭部装着型画像表示装置では、画像表示装置、拡大光学系、および眼球がなす光学軸は、この眼球の水平視線上にある。従って、鑑賞者は、視線を水平方向に定めた状態のままで画像を鑑賞するため、瞼を強制的に開けた感じになって、眼や瞼に負担を感じ、この状態を長く続けると、眼精疲労の原因になるという間題点がある。
【0008】
このように、従来の装置では、視覚で情報を鑑賞するという特殊性を充分に考慮していないことに起因して、使用感が低いという第2の問題点がある。
【0009】
また、頭部装着型画像表示装置としては、米国特許5162828号などがあり、この装置には、画像の表示素子、それが表示した画像に対する拡大光学系、およびこの拡大光学系と表示素子とを鑑賞者の眼前に位置決めする保持手段が設けられている。これらの構成部分のうち、表示素子は、他の部分に対して構造的な影響を最も及ぼすなど、重要な構成部分であり、この表示素子としては、一般に小型、軽量であるとともに、消費電力が小さいことが求められていることから、対角3インチ以上の液晶表示素子や1インチ未満の液晶表示素子が用いられている。しかしながら、液晶表示素子が大きすぎる場合、および小さすぎる場合のいずれの場合でも大きな問題点がある。
【0010】
まず、液晶表示素子が大きすぎる場合には、表示素子自身が大きくなるだけでなく、それを拡大表示するための拡大光学系も大きくなってしまう。このため、頭部装着型画像表示装置は、非常にかさばり、重いものになってしまうので、鑑賞者に大きな負担をかけるという問題点がある。また、液晶表示素子のアドレッシングに関する問題も発生する。すなわち、左右の光学系において、液晶表示素子モジュールが大きすぎるため、それを眼前に並べて配置すると、互いにぶつかり合って、画像表示面の中心位置を眼球と拡大レンズの中心とを結ぶ光学軸上に配置できない。このような場合には、鑑賞者の左右の視野において、拡大画像が占める位置が異なることになって、テレビやビデオを鑑賞するときに、脳内で左右の画像を融像しようとしても、完全に重ならなくなってしまう。それ故、1つの画像として認識できるようにするには、左右の液晶表示モジュールにおいて、異なる画像を表示させる必要があり、その原画面を左右の液晶表示モジュールに分割表示するための回路などを付加する必要が生じる。このため、頭部装着型画像表示装置の小型・軽量化、および低コスト化を実現できないという問題点がある。
【0011】
一方、液晶表示素子が小さすぎる場合には、画像の品位を向上できないという問題点がある。液晶表示モジュールにおいて、画像の品位を向上するには、液晶表示素子の画素数を多くすることが重要である。これに対して、小型の液晶表示素子では、表示面積が小さいため、大きなサイズの液晶表示素子と画素数を同じくすると、画素サイズを小さくすることになる。すなわち、液晶表示素子のサイズが1/2になれば、画素サイズも1/2になってしまう。従って、画素サイズが1/2になっても鮮明な拡大表示画像を得ようとすると、拡大光学系の解像度を2倍にしなければならないが、頭部装着型画像表示装置を小型化および軽量化するには、簡素な拡大光学系しか搭載できないという制約があり、あまりに小さな液晶表示素子で品位の高い画像を得ることが不可能である。また、液晶表示素子では、画素サイズを小さくしても、画素をスイッチングする薄膜トランジスタの占有面積は変わらない。従って、液晶表示素子のサイズが小さくなる程、画素部における開口率が低下し、表示画像の明るさが低下してしまう。それに加えて、ソース線およびゲート線に対する各画素の相対的な大きさが低下するため、表示画像全体に遮光領域が目立ち、表示画像の画質が低下するという問題点がある。
【0012】
さらに、小型の液晶表示素子を用いたときに、広い画角を得るには、拡大光学系の拡大倍率を高める必要があり、それには、焦点距離の短いレンズを用いる必要がある。しかし、頭部装着型画像表示装置では、それを小型、軽量化する目的から、1枚のレンズで拡大光学系を構成する必要があり、焦点距離を短くするには、レンズ肉厚を厚くできるプラスチックレンズを用いることになる。しかしながら、肉厚が厚いプラスチックレンズは、精度が低くて、しかも量産時のスループットが悪いので、結果的には画質が低下するとともに、コストも高くなってしまうという問題点がある。また、鑑賞者の視力に合わせて、液晶表示素子を光学軸に沿って前後方向に移動させるときに、焦点距離の短いレンズを用いると、液晶表示素子を僅かに動かすだけで、拡大虚像の形成位置が大きく変化するので、精密な調整機構を搭載しないと、その調整が難しいという問題点がある。
【0013】
このように、従来の装置では、眼幅寸法との関係などを考慮せずに、単に小さな表示装置を用いて設計するなど、画像の品位を高めることにまで充分に配慮されていないことに起因して、画像の品位、操作性、さらには経済性も低いという第3の問題点がある。
【0014】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、人体のもつ解剖学的見地からみて、たとえば、頭部の大きさ、眼幅、視力、感度などに充分に対応可能な構成とすることによって、使用感を向上可能な頭部装着型画像表示装置を提供することにある。
【0015】
【発明の開示】
上記課題を解決するために、本発明では、頭部に装着した状態で、画像表示手段が形成した画像を拡大手段で虚像拡大して視認する頭部装着型画像表示装置において、画像表示手段および拡大手段を備え、頭部に被ったときに、前頭部側に位置する前頭部支持部、および後頭部側に位置する後頭部支持部を備える装置本体と、この装置本体を頭部に被ったときに前頭部支持部と前頭部とを当接した状態に保持する固定手段とを設けたことに特徴を有する。
【0016】
このような構成によれば、前頭部支持部と前頭部との位置関係を直接、確実に規定できるので、画像を最適な状態で鑑賞できる。また、装置本体を装着する部分が頭部であるという特殊性に充分対応でき、安定した使用感を得ることができる。
【0017】
本発明では、固定手段としては、後頭部支持部の内面のうち、後頭部が当接する位置で膨張した状態およぴ萎縮した状態に切り換え司能に膨張収縮部を設けたものを用いることができる。
【0018】
また、固定手段としては、装置本体上における後頭部支持部の位置を前頭部支持部に向けて移動させて前頭部を相対的に前頭部支持部に押し付ける変位機構を有するものを利用することもできる。
【0019】
このような場合には、前頭部支持部には、前頭部が当接する位置に弾性部材を、好ましくは、マジックテープなどで着脱自在な緩衝用パッドを設けることが好ましい。
【0020】
本発明では、頭部に装着した状態で、画像表示手段が形成した画像を拡大手段で虚像拡大して視認する頭部装着型画像表示装置において、画像表示手段および拡大手段を備え、頭部に被ったときに、前頭部側に位置する前頭部支持部、および後頭部側に位置する後頭部支持部を備える装置本体と、この装置本体の内面のうち、少なくとも前頭部支持部およぴ後頭部支持部の内面において、膨張した状態および萎縮した状態に切り換え可能な膨張収縮部とを設けてもよい。この場合に、膨張収縮部は、後頭部支持部側での膨張度合いが前頭部支持部側での膨張度合いよりも大きいことが好ましい。後方から押し付けることによって、前後方向における装置本体の安定性が向上するからである。
【0021】
本発明において、膨張収縮部としては、空気袋で構成することが好ましい。装置の簡略化とともに、軽量化を図ることができるからである。
【0022】
本発明では、装置本体に対し、画像表示手段、拡大手段、および前頭部支持部を備える前方カバーと、後頭部支持部を備える後頭部支持カバーと、これらのカバーを側頭部で連結する連結部とを設け、この連結部には、そこを回転中心として後頭部支持カバーを前方カバーに対して回転可能に連結する支持機構を設けることが好ましい。この場合には、連結部には、後頭部支持カバーを前方カバーに対して回転可能なままで、後頭部支持カバーを前方カバーに向けて移動させるスライド機構を設けることが好ましい。
【0023】
また、連結部にスピーカを内蔵する場合には、このスピーカを支持機構の構成要素として利用することが好ましい。すなわち、スピーカの枠体自身を後頭部支持カバーを前方カバーに対して回転可能に連結する回転中心軸として用いることが好ましい。さらに、連結部にスピーカを内蔵しても、外音が聞こえるように、連結部には、内側および外側を連通する通気孔を形成することが好ましい。
【0024】
また、前方カバーには、排気孔を設けることが好ましい。
【0025】
本発明では、画像表示手段を、透過型の画像表示部、およびこの画像表示部を背面側から照らす照明手段とを備える画像表示ユニットとして一体化するとともに、この画像表示ユニットを、拡大手段とともに光学ユニットとして一体化して装置本体内に左右一対に収納するとともに、一対の光学ユニットに対しては、それらを眼幅方向に一体で移動させてそれらの光学軸の離間幅を調整する眼幅方向位置調整機構を有することが好ましい。
【0026】
この場合には、眼幅方向位置調整機構において、光学ユニットから突出する案内ピンと、この案内ピンが嵌まるように装置本体側に形成されたガイド溝とによって案内されながら、光学ユニットが眼幅方向に移動することが好ましい。また、眼幅方向位置調整機構の操作ノブは、装置本体の前方位置に配置することが好ましい。
【0027】
また、一対の光学ユニットに対しては、それらの光学軸に沿って画像表示ユニットを光学ユニット毎に移動させる軸方向位置調整機構を視度調整機構として設けることが好ましい。この場合にも、軸方向位置調整機構の操作ノブを装置本体の前方位置に配置することが好ましい。
【0028】
本発明では、装置本体には、光学ユニットの上方位置に相当する部分に対し、照明手段が発する熱を放出するための排気孔を形成することが好ましい。
【0029】
また、光学ユニットの光学軸は、前方に向かう延長線上で交差するように設定して、輻輳角を形成することが好ましい。この方が、自然な視線であるため、疲労感が小さいからである。
【0030】
さらに、光学ユニットには、光学軸の途中位置に反射ミラーを設け、この反射ミラーによって、光学ユニットの光学軸を屈曲させることか好ましい。画像表示ユニットの側と、拡大手段とをより立体的に配置できるからである。
【0031】
本発明では、透過型の表示部としては、たとえば、液晶ライトバルブを用いることが好ましい。
【0032】
また、画像表示手段および拡大手段を含む光学系の光学軸は、眼球の水平視線に対して俯角をなしていることが好ましい。目然の視線で画像を見ることができるため、疲労感が小さくなるからである。ここで、俯角が10°以下、好ましくは、6°以下であることが好ましい。
【0033】
本発明において、画像表示手段は、基板上に液晶表示素子が実装された左右一対の液晶表示モジュールとして構成でき、この液晶表示モジュールの水平方向幅の寸法をW[mm]とし、左右の液晶表示素子の中心間の距離寸法をG[mm]としたときに、下式を満たすように設計することが好ましい。
【0034】
<G
ここで、左右の液晶表示素子の中心間の距離寸法は、約55mmに設定すればよい。
【0035】
本発明において、拡大手段は、1枚の拡大レンズで構成する場合には、まず、液晶表示素子の画像表示面の水平方向幅の寸法をW[mm]とし、その画素ピッチの寸法をP[mm]としたときに、下式を満たすように設計する。
【0036】
30×10−3≦P≦0.OO21×W
この場合には、画像表示面の拡大虚像の水平方向の画角を30°以上にして画像の品位を高めることが好ましい。
【0037】
また、P≦O.OO16×Wであることがさらに好ましい。
【0038】
本発明において、さらに使用感を高める目的に、装置本体において、上頭部に相当する部分を開放状態にすることが好ましい。また、装置本体には、画像表示手段および拡大手段を内蔵する光学系収納空間と、この光学系収納空間から前頭部の形状に沿って斜めに延設された前頭部支持カバーとを形成し、この前頭部支持カバーの内面が前頭部支持部であることが好ましい。装置本体がずり落ちにくくするためである。
【0039】
また、装置本体に、画像表示手段および拡大手段を内蔵する光学系収納空間と、この光学系収納空間を顔面側で区画する仕切り壁とを設けた場合には、この仕切り壁に対して、鼻が位置する部分に光学系収納空間側に向けて凹む凹部を形成することが好ましい。
【0040】
また、装置本体の前方側では、下方に向かって半透明の遮光カバーを設けることが好ましい。この場合でも、遮光カバーは、下側への視界を確保可能な大きさであることが好ましい。足元を確認できるようにして、安全性を高めるためである。
【0041】
さらに、装置本体の軽量化、および設計の自由度を高める目的に、画像表示手段に対する駆動回路をフレキシブル基板上に構成し、このフレキシブル基板を装置本体内に沿って配置することが好ましい。
【0042】
【発明を実施するための最良の形態】
実施例1
図1は、本例の頭部装着型画像表示装置の外観を示す斜視図、図2(a)、(b)は、それを頭部に装着した状態を示す断面図、図3は、その分解図である。
【0043】
(全体構成)
図1において、本例の頭部装着型画像表示装置1は、装置本体1Oを頭部に装着した状態で画像を鑑賞するための画像表示装置である。装置本体10は、前方カバー2と後頭部支持カバー3(後頭部支持部)とから構成され、装置本体10の上面が開放状態にある。このため、装置本体10を頭部に被ったときでも、装置本体10は、上頭部に接しないので、髪が舌しれにくくなっている。また、装置本体10を頭部に被ったときに、装置本体10は、頭部の周囲を取り巻くように装着されるので、前後方向および左右方向のいずれの方向に対しても、重量のバランスが確保されている。しかも、装置本体lOは、全体として丸みを帯ぴた形状になっているので、鑑賞者自身はもとより、周囲の者と衝突しても、安全である。
【0044】
図2(a)、(b)に示すように・前方カバー2の内部には、装置本体lOを頭部に搭載したときに、鑑賞者に画像を見せる光学装置4が構成されている。この光学装置4に、駆動回路を介して画像信号を入力する目的に、装置本体10の一方の側頭部に相当する部分には、外部の映像装置と接続されたケーブル11が引き出されている。
【0045】
(前方カバーおよび後頭部支持カバーの構成)
図2および図3において、前方カバー2の本体部分は、装置本体1Oを頭部に装着したときに、その目前および前頭部を覆うとともに、その側頭部で耳を覆う位置まで延びる上ケース21で構成され、この上ケース21の上方側には、前頭部の形状に沿って後方に向けて傾斜する姿勢で前頭部支持カバー22(前頭部支持部)が延設されている。前頭部支持カバー22の内面には、パッド支持板23が配置され、このパッド支持板23の内面には、緩衝パッド221が貼られている。この緩衝パッド221は、装置本体10を被ったときに前頭部が接する前頭部当接部220になっている。なお、緩衝パッド221は、マジックテープでパッド支持板23に接着されているので、交換司能である。従って、頭部が接する部分を衛生的に保っことができる。
【0046】
また、装置本体10は、顔面との間に余裕のある隙間が形成されるので、眼鏡をかけたままでも装着しやすい。また、内部に空気が籠もらないので、眼鏡が曇らないなど、装着感に優れている。さらに、このような隙間を確保しても、前頭部支持カバー22は、前頭部の形状に沿って後方に向けて傾斜しているので、装置本体10は、ずり落ちにくい。
【0047】
上ケース21の内側には、下ケース25が取り付けられた状態にあり、この下ケース25と上ケース21とによって区画された部分が光学装置4を配置する光学系収納空間20になっている。
【0048】
下ケース25は、前方に張り出す前方部251、この前方部251に対して直角に佇立する仕切り壁252、およびこの仕切り壁252に対して直角を成して側方に位置する側面部253とから構成されており、光学装置4を配置する光学系収納空間20は、前方部251および仕切り壁252で外部から仕切られた状態にある。仕切り壁252には、眼球に対応する位置に左右一対の窓291が形成され、それらの間には、前方に向けて凹んで、内側に鼻との接触を避けるための凹み292が形成されている。なお、前方部251は、後述する光学ユニット40を配置するときの基準面となる。また、上ケース21の内面も光学ユニット40を配置するときの基準面となる。ここで、前方部251、光学ユニット40、および上ケース21の内面のいずれかの隙間に、ばねなどの付勢部材を配置して、光学ユニット40を基準面に付勢して、その位置決め精度を高めてもよい。
【0049】
以上のとおり、本例では、装置本体10を頭部に装着しても、鼻は、装置本体10と接触しないので、圧迫感がないとともに、女性が使用しても化粧が乱れないなど、使い勝手を高めてある。また、前方部251には、左右一対の長孔485が形成されている。
【0050】
下ケース25の下方位置には、アクリル系樹脂製の半透明の遮光カバー26が取り付けられており、その意匠性を高めてある。この遮光カバー26は、図4(a)、(b)に示すように、下ケース25の下方において、装置本体10の下方から光が差し込む.ことを防止する。また、本例では、遮光カバー26の幅を必要最小限の寸法にして、顔面と遮光カバー26との隙間260から、装置本体1Oを頭部に装着した状態でも、足元を見ることができるようになっている。
【0051】
再び、図3において、下ケース25には、左右の側面部253に孔254が2個ずつ形成されている。これに対して、上ケース21の側には、孔254に対応する位置にそれぞれねじ孔(図示せず。)が形成されており、ビス(図示せず。)が内側から孔254を通って上ケース21のねじ孔に螺着されることにより、上ケース21と下ケース25とが固定されている。また、遮光カバー26の左右の端部にも孔261が形成されている。これに対し、上ケース21の側には、孔261に対応する位置にそれぞれねじ孔(図示せず。)が形成されており、ビス(図示せず。)が内側から孔261を通って上ケース21のねじ孔に螺着されることにより、上ケース21と遮光カバー26とが固定されている。
【0052】
前方カバー2と後頭部支持カバー3とは、装置本体lOを頭部に装着したときに、耳の側方に位置する部分で連結されており、この連結部5には、円形のスピーカ6が左右にそれぞれ固定されている。また、スピーカ6の外側に位置する前方カバー2の端部20には、通気孔281が形成され、これらの通気孔281を介して、連結部5では、装置本体10の内外が連通している。このため、スピーカ6が鑑賞者の耳に密着した状態になっても、通気孔281を介して、鑑賞者には外音が届くので、鑑賞者には不安感がなく、また、緊急時の安全性も高い。
【0053】
(連結部の構成)
前方カバー2と後頭部支持カバー3との連結部5のうち、後方からみて左側の連結部5の構造を図5に拡大して示してある。スピーカ6は、スピーカ面61を囲むリング状の枠体62が剛性のプラスチックス製であり、この枠体62には、外側に向けて円形の突出部63が形成されている。また、前方カバー2の端部20の内面では、リング状の受け部201が内側に向けて突出している。一方、後頭部支持カバー3の端部30には、円形の穴301が形成されている。従って、前方カバー2の受け部201を後頭部支持カバー3の穴301に嵌め込んだ状態で、受け部201の内側にスピーカ6の突出部63を嵌め込むことにより、前方カバー2と後頭部支持カバー3とが連結されている。従って、連結部5では、図6に示すように、スピーカ6の突出部63を回転中心軸として、後頭部支持カバー3を前方カバー2に対して上下方向に回転させることが可能であり、装着感が最もよい位置まで後頭部支持カバー3の位置を変えることができる。さらに、図7(a)に示すように、後頭部支持カバー3を矢印Aまたは矢印Bの方向に回転させて、後頭部支持カバー3を前方カバー2の方に完全に折り返し、装置本体10をコンパクトにしてから保管または運搬することも可能である。また、鑑賞者が頭部装着型画像表示装置1を頭部に装着した状態で寝ころんだときに、後頭部に後頭部支持カバー3があると邪魔になるため、図7(b)に示すように、後頭部支持カバー3を斜め上方にまで立てて使用すれば、後頭部がほとんど開放状態になるため、寝ころびながら画像の鑑賞を楽しむことができる。また、前方カバー2の側は、後頭部支持カバー3と相違して回転しないので、光学装置40に画像信号を無線を利用して入力する場合には、アンテナ111を前方カバー2の側に固定すれば、アンテナ111は、常に側頭部に沿って立っているので、邪魔にならない。
【0054】
さらに、前方カバー2と後頭部支持カバー3との連結部5での回転機構を利用して、図7(c)に示すように、後頭部支持カバー3の上端から上頭部の上方位置まで回転して頭部からのずり落ちを防止する幅の狭い支持帯39を設けてもよい。この状態でも、上頭部のほとんどの部分が開放状態にあるので、鑑賞者の使用感を損なわない。
【0055】
また、連結部5では、前方カバー2と後頭部支持カバー3との連結部5での回転機構を利用して、図8(a)、(b)に示すように、前方カバー2の端部20に長孔115を形成し、この長孔115からケーブル11を引き出してもよい。このような構成によれば、ケーブル11の引出し方向を長孔115に沿って変更し、後方に向けて引き出すことによって、ケープル11に邪魔されずに、装置本体10を安定した状態で机などの上に置くことができる。
【0056】
(装置本体の頭部への固定構造)
このように構成した頭部装着型画像表示装置1では、装置本体10を頭部に装着した状態で使用することから、使用中に頭部を動かしたときでも、装置本体10が頭部からずれないようにすることが必要である。また、装置本体10には、光学装置4が一体に構成されているため、鑑賞者に対して、光学装置4の重さなどが疲労感や不快感を与えないように、装置本体10を安定した状態で頭部に装着する必要がある。さらに、装置本体10に内蔵された光学装置4と、鑑賞者の眼球との位置関係を安定した状態に固定する必要がある。
【0057】
そこで、本例では、頭部に対する位置ずれ防止構造(固定手段)として、図9に示す構造を採用している。なお、図9には、画像信号の入力のためのアンテナ111を立てた状態で図示してある。
【0058】
本例の位置ずれ防止構造では、後頭部支持カバー3の内面に沿ってゴム製の空気袋8が貼ってあり、この空気袋8は、装置本体10を頭部に装着したときに後頭部に位置するようになっている。空気袋8からは、後頭部支持カバー3を貫通して空気管81が引き出されており、この空気管81の先端には、バルブ82が取り付けられている。従って、鑑賞者は、装置本体10を頭部に被った後に、ゴムポンプ83などで空気管81から空気袋8に圧縮空気を供給して空気袋8を膨らますことによって、装置本体10のうち、前頭部支持カバー22に向けて前頭部を相対的に押し付けて、装置本体10を頭部に装着することができる。この状態で、空気袋8の内側の面が後頭部当接部80になる。この状態でも、前頭部は、前頭部支持カバー22の緩衝用パッド221に押し付けられているため、不快感がない。なお、装置本体10を頭部から外すときには、空気袋8から空気を抜いて空気袋8を萎ませるだけで、装置本体10を簡単に外すことができる。
【0059】
ここで、装置本体10とは別体のゴムポンプ83を用いずに、空気袋8に空気を供給できるように、電動式のポンプを装置本体10に内蔵させてもよい。この場合には、後頭部支持カバー3の側において、空気袋8の側方位置に配置することによって、装置本体10の前後方向の重量バランスを向上できる。また、ポンプから空気袋8までの経路が短くて済むなど、構造の簡素化の面でも有利である。
【0060】
このように本例の頭部装着型画像表示装置1では、空気袋8で装置本体10が頭部に対して前後方向から押し付ける構造になっているため、図9に矢印Cおよび矢印Dのいずれの方向にもずれない。従って、装着状態が安定しているので、使用感に優れている。しかも、頭部は、緩衝用パッド221および空気袋8に当接しているため、装置本体10を頭部に被った状態で、装置本体10を壁面などにぶつけても、大きな衝撃が頭部に伝わらない。
【0061】
また、鑑賞者は、頭部の形状や大きさに合わせて、たとえば、図10(a)に示すように、後頭部の真後ろに空気袋8が位置する状態に、または、図10(b)に示すように、後頭部のやや下方側に空気袋8が位置する状態にしても、空気袋8を膨らませたときには、装置本体10が頭部に対して前後方向から押し付けられるので、鑑賞者の頭部の形状や大きさにかかわらず、装着状態が安定している。
【0062】
(光学装置)
次に、光学装置4の基本的な構成、および頭部装着型画像表示装置1の基本的な原理を図11を参照して説明しておく。
【0063】
図11において、光学装置4には、左右で一対の画像表示装置としての液晶表示素子42(画像表示手段、液晶ライトバルブ)、およびそれを後方から照らすバックライト43(照明手段)が配置され、この液晶表示素子42と鑑賞者の眼球との間には、拡大レンズ45(拡大手段、凸レンズ)が配置されている。ここで、液晶表示素子42は、拡大レンズ45に対し、その物体側焦点45aよりも拡大レンズ45の側に配置されている。また、拡大レンズ45の像側焦点45b付近に鑑賞者の眼球が位置するようになっている。従って、装置本体10を頭部に装着した状態で、液晶表示素子42に画像を表示させ、それをバックライト43で照らすと、画像は、拡大レンズ45によって左右の眼球にそれぞれ集光され、虚像が視認される。このとき、眼球で視認された画像は、脳で融像されて、画像を鑑賞する。このような構成の光学装置4として、本例では、図2および図3に示したように、光学装置4を左右で一対の角形の光学ユニット40で構成してあり、この光学ユニット40からは、側方に向けてフレキシブル基板41が延びている。このフレキシブル基板41には、液晶表示素子42での表示動作を駆動するための駆動回路が構成されており、この駆動回路に対して、ケーブル11やアンテナ111を介して画像信号が入力されるようになっている。
【0064】
また、本例では、図12に示すように、液晶表示素子42と、拡大レンズ45との間には、その光学軸L上に反射ミラー44を配置し、光学軸Lを屈曲させている。このため、反射ミラー44の上方位置に液晶表示素子42およびバックライト43を配置して、液晶表示素子42と、拡大レンズ45とを立体的に配置してある。しかも、光学ユニット40を縦長の直方体にして、それらを前方ケース2の内部に効率よく配置して、前方ケース2があまりに前方に張り出さないようになっている。なお、反射ミラー44は、光学ユニット40の光学紬Lの途中位置であれば、いずれの位置に介挿してもよく、また、光学軸Lの屈曲方向にも限定がない。また、図13に示すように、光学ユニット40の筐体400は、その上面が開口状態にあって、バックライト43から発生する熱が光学ユニット40の内部に籠もらないようになっている。また、上面開口は、前方カバー2の排気孔282に向いており、バックライト43から発生した熱を外部に逃がすようになっている。さらに、前方カバー2では、上ケース21と前頭部支持カバー22との連結部分にも排気孔283が形成されており、矢印Fで示すように空気の流れが可能であるため、たとえば、装置本体10を眼鏡を掛けたままで頭部に装着しても、眼鏡レンズが曇らない。
【0065】
さらに、左右の光学ユニット40は、図14(a)に反射ミラー44を用いない場合の概念図を示し、図14(b)に反射ミラー44を用いた場合の概念図を示すように、光学軸Lが眼球の水平視線Pに対して俯角θをなすように配置されている。その理由は、本例の頭部装着型画像表示装置1では、拡大レンズ45によって拡大された液晶表示素子42の虚像Vを鑑賞者が視認するときの瞼への負担を小さくするためである。すなわち、視線方向が水平視線Pに対してなす角度と、鑑賞者が視線を前方に向けたときの瞼への負担の度合いとの関係を、20歳から45歳までの男女合わせて50名による主観評価により検討したところ、表1に示す結果が得られた。
【0066】
【表1】
Figure 2004029768
【0067】
表1に示すように、被験者は、水平視線Pよりも上方位置に虚像を視認すると、瞼を強制的に開けた感じを受け、瞼への負担感が大きいと感じる。これに対して、水平視線Pの下方位置に虚像Vを視認するときには、瞼の開き具合が自然と感じ、負担感が小さい。しかも、その角度は、0°から10°の範囲が好ましいという結果であった。そこで、本例では、光学軸Lが水平視線に対して10°以下の俯角をなすように配置し、特に、6°以下の俯角をなすように配置してある。なお、俯角としては、約15°位までが瞼への負担感の低減に効果があることが確認されている。
【0068】
このような俯角を構成するにあたって、本例では、光学ユニット40を下方側位置にずらし、そこで、拡大レンズ45を斜め上方に向けている。
【0069】
(光学装置の視度調整機構および眼幅方向位置調整機構)
本例では、光学装置4をユニット化するにあたって、光学ユニットを図15および図16に示すように構成してある。光学ユニット40では、樹脂等で構成された略箱型の筐体400に対して、画像表示ユニット46、反射ミラー44、および拡大レンズ45を搭載してある。すなわち、筐体400は、上面および前面に開口451、452が形成されており、開口452に拡大レンズ45が嵌め込まれている。筐体400の高さ方向の略中央部分には、画像表示ユニット46が開口451に向けて取り付けられており、この画像表示ユニット46では、図16に示すように、上下に開口466が形成された四角形のフレーム461の内部に対し、その仕切り板462をバックライト43と液晶表示素子42とが挟むようにして取り付けられている。フレーム461の両側の外周側面部には、横断面が半円形の突起464、465が上下方向に形成されており、そのうち、一方の突起464に対しては、雌ねじ466が貫通している。
【0070】
再び、図15において、筐体400の両側の外周側面部には、その上下方向に延びる突起453、454が形成されており、それらの内部には、半円形の開口断面を有する案内溝456、457がそれぞれ形成されている。これらの案内溝456、457に対して、フレーム461の突起464、465が嵌まるようにして、画像表示ユニット46は、匡体400の内部に収納されている。ここで、案内溝456、457の内径寸法は、画像表示ユニット46の突起464の外径寸法よりもやや大きいため、画像表示ユニット46は、案内溝456、457に案内されながら、上下方向に移動可能である。
【0071】
また、筐体400では、一方の突起453の上方位置に支持孔470が形成された座部455が形成されている。支持孔470には、視度調整用送りねじ458が回転可能に支持され、この視度調整用送りねじ458の先端側は、画像表示ユニット46の雌ねじ466に噛み合っている。従って、視度調整用送りねじ458の上端に取り付けられている視度調整用ノブ459を回すと、画像表示ユニット46が光学軸Lに沿って昇降し、鑑賞者の視力に応じて、液晶表示素子42の上下方向の位置、すなわち、液晶表示素子42と拡大レンズ45との光学上の距離を調整できるようになっている。また、本例では、液晶表示素子42を画像表示ユニット46としてバックライト43とともに移動させるので、液晶表示素子42とバックライト43との距離が一定のままである。このようにして、本例では、視度調整機構47(軸方向位置調整機構)が構成されている。
【0072】
この視度調整機構47によれば、鑑賞者の視力に応じて、視度調整を行なっても、液晶表示素子42とバックライト43との距離が一定であるため、鑑賞者が変わっても、輝度の変化がない。
【0073】
また、左右の視力は違っていても、輝度に差がない。また、左右の筐体400からは、側方に向けてラック481が互いに対向する向きに平行に延びており、これらのラック481に対して、ピニオン482が噛み合っている。従って、ピニオン482の上端に取り付けられている眼幅方向位置調整用ノブ483を回すと、その回転に伴って、1対の筐体400は、それぞれ離間する方向、または接近する方向に移動可能である。この移動の際には、光学ユニット40に電気的接続されている駆動回路も移動するが、この駆動回路は、図3に示したフレキシフ゛ル基板41で構成されているので、駆動回路に大きな負荷がかからない。
【0074】
このように構成した眼幅方向位置調整機構48では、1つのピニオン482で双方の筐体400を移動させるため、扱いが容易である。それに加えて、左右の光学ユニット40は、同じ距離だけ対称に移動するので、一対の筐体400間の中心位置は、常に固定された状態にあるので、両眼同時に簡単に調整できる。
【0075】
このように構成した眼幅方向位置調整機構48および視度調整機構47において、図17に示すように、眼幅方向位置調整用ノブ483および視度調整用ノブ459は、いずれも前方カバー2の上面に位置している。これらのノブのうち、眼幅方向位置調整用ノブ483を操作すると、視度調整用ノブ459が横方向にスライドするため、前方カバー2に長孔484を形成することにより、視度調整用ノブ459および視度調整用送りねじ458が横方向に移動できるようにしてある。また、長孔484に対応して、前方カバー2の下面にも長孔485が形成されており、この長孔485内には、筐体46の下面から下方に向けて突出する位置決め用ピン469が嵌まって、ガイド機構を構成している。また、長孔485と位置決め用ピン469とは、光学ユニット40が回転して光学軸Lがずれることを防止している。また、長孔484と視度調整用送りねじ458も同様である。
【0076】
このように、眼幅方向位置調整用ノブ483および視度調整用ノブ459はいずれも前方カバー2の上面に集中して配置してあるので、これらのノブを視認できない状態でも操作するのが容易である。また、装置本体10を組み立てるときには、上ケース21に予め、光学ユニット40およびフレキシブル基板41を取付け、しかる後に、下ケース25を上ケース21に取り付ける。このとき、いずれの部品も不透明であるが、下ケース25には、長孔485が形成されているため、そこから内部を覗きながら、長孔485に位置決め用ピン469を嵌めることができるので、便利である。
【0077】
なお、図17において、光学ヘッド40の側方には、フレキシブル基板41や回路ブロックが配置され、それには、液晶表示素子駆動回路、バックライト駆動回路、バッテリー、TVチューナーなどが構成されている。
【0078】
(光学装置の改良例)
なお、図15に示す光学装置4では、左右の光学ユニット40の光学軸Lが平行になるように、光学ユニット40を並べてあるが、図18に示すように、光学軸Lを前方に向かう延長線上で内向させて交差させ、約3°位の輻輳角θを形成することが好ましい。すなわち、入間の自然な視線は、その覚醒時には常に内側への輻輳角θを形成した状態にあるため、本例では、光学ユニット40をそれぞれ1.5°ずつ傾かせて、光学軸Lが約3°の輻輳角θを形成するようになっている。このため、鑑賞者は、左右の眼球でとらえた画像を容易に融像することができるので、疲労感がない。
【0079】
このような構造にする目的に、本例では、図19に示すように、左右の光学ユニット40を外側に向けてやや傾けるとともに、筐体400の側面からラック481が斜めに延びるように形成してある。このため、ラック481同士は、互いに平行に向き合っているので、1つのピニオン482で眼幅方向位置調整機構48を操作することができる。また、約3°の輻輳角を保ったまま、眼幅方向位置の調整、および視度調整を行なうことができる。
【0080】
(液晶表示装置の構成)
本例では、画像表示素子42として、左右で一対の液晶表示モジュール420を隣接して配置するため、これらの液晶表示モジュール420がぶつからないように配置する必要がある。そこで、本例では、光学ユニット40の光学軸Lが約3°位の輻輳角θを形成していても、図20において、光学軸Lが平行なものとして見見做して、各寸法を設定してある。
【0081】
まず、液晶表示モジュール420の水平幅を寸法W[mm]とし、左右の液晶表示素子42の中心間の距離を寸法G[mm]としたときに、下式を満たすように設定してある。
<G
【0082】
ここで、人間の眼幅は、個人、年齢、人種などによりばらつきがあるが、その最低値を約55mmと考えればよい。種々調査した結果、子供の眼幅の平均値が約55mmだからである。従って、液晶表示素子の中心間の距離を寸法G[mm]を55mmとし、この寸法よりも幅の狭い液晶表示モジュール420を用いる。なお、液晶表示モジュール420では、液晶表示素子42と、それを実装するための実装基板とから構成され、実装基板の水平方向の幅は、画像表示面の水平方向の幅に比して約10mmから約15mm大きいのが一般的である。また、左右の眼の光学ユニット40の間には、反対側の画像の干渉を避けるために、仕切り板などを挿入することがある。従って、液晶表示素子42の画像表示面の水平方向寸法が40mmを越える場合、すなわち、NTSC方式の液晶表示素子では、その画像表示面の対角寸法が2.Oインチを越える場合には、液晶表示モジュール同士のぶっかりによる、アドレッシングの問題が発生するので、本例では、液晶表示素子42の画像表示面の水平方向寸法が40mm以下、NTSC方式の液晶表示素子では、その画像表示面の対角寸法が2.0インチ以下の液晶表示モジュール420を用いてある。
【0083】
また、画素数については、その良否が主観的なものであるため、本例では、主観評価法により、画素数と画質との関係を調査したところ、画素数が17万画素以上のときに、ほぼ満足できる画質が得られ、画質が高いと感じるには、約30万画素以上の画素数か必要であることが確認された。これらの画素数をNTSC方式の液晶表示素子で得るには、画像表示面の水平方向の幅を寸法W[mm]とし、画素ピッチP[mm]としたときに、下式を満たすように設定することになる。
画素数が17万画素以上のとき:P≦0.0021×W
画素数が30万画素以上のとき:P≦0.0016×W
【0084】
また、上記の調査において、画像に充分な臨場感を得ようとすると、30°以上の水平画角が必要であることが確認されたことから、水平画角を30°以上に設定してある。
【0085】
さらに、本例では、拡大レンズ45として、1枚の非球面レンズで構成してあることから、画素ピッチの寸法Pを下式を満たすように設定してある。
P≧30×10−3
【0086】
すなわち、1枚の非球面レンズで鑑賞者に歪曲収差を目立たないように、歪曲収差を±2%の範囲に抑え、かつ、すみずみまで鮮明な表示画像を得るためのO.1以上のMTFを確保するために、液晶表示素子42における空間周波数を17本/mmに抑えることが必要であり、液晶表示素子42の画素ピッチを30μm以上にしてある。
【0087】
以上に述べたアドレッシングと画像品位の問題を同時に解消する条件を、図21に液晶表示素子の表示面対角サイズ(横軸)と、画素ピッチ(縦軸)との関係で示すと、図21に斜線で示す範囲となる。
【0088】
この図において、破線101は、17万画素に対応する下式の境界線である。
P≦0.021×W
【0089】
さらに、破線102は、30万画素に対応する下式の境界線である。
P≦0.016×W
【0090】
破線103は、下式に相当する境界線である。
<55
すなわち、W<40
【0091】
破線104は、下式に相当する境界線である。
P≧30×10−3
【0092】
従って、本例で用いる液晶表示素子42は、画素数が17万画素の場合には、図中、a、b、c、dで囲んだ斜線領域であり、更に、画素数が30万画素の場合には、f、e、cで囲んだ領域に条件を設定してある。それ故、本例では、画像表示面の対角サイズが約1.0インチから約2.0インチであって、画素数が17万画素以上の液晶表示素子42を用いている。
【0093】
たとえば、対角サイズ1.32インチの液晶表示素子42を用いて、水平画角が30°の拡大虚像を得る場合の構成は、以下のとおりである。
【0094】
この構成では、液晶表示素子42に対してバックライト43で背面から照射し、その表示画像を1枚の非球面レンズで拡大観察するものである。液晶表示素子42では、対角サイズが1.32インチ、アスペクト比が4:3のものを用いており、30万画素(水平方向で640画素×垂直方向で480画素)、画素ピッチは、水平方向42μm×垂直42μmであり、開口率は、29.5%である。また、拡大レンズ45(非球面凸レンズ)は、焦点距離が48.46mm、拡大率が5.16倍である。また、拡大レンズ45の2面(S、S)は、いずれも非球面であり、その形状は、非球面サグ量を与える以下の式で表される。
【0095】
【式1】
Figure 2004029768
【0096】
但し、Cは各面頂点の曲率、Rは光学軸Lからの高さ、Kはコーニック定数、AおよびBは非球面係数である。
【0097】
本例では、表2に示す各レンズにおいて、そのレンズ中心厚を求めた。なお、いずれの場合でも、レンズの屈折率nは、1.49154である。また、鑑賞者の眼球と、拡大レンズ(非球面凸レンズ)の面Sの頂点との距離を20.0mm〜35.0mmに設定してある。
【0098】
【表2】
Figure 2004029768
【0099】
ここで、眼球と、拡大レンズ45(非球面凸レンズ)の面S1の頂点との距離は、個人差があるので、幅をもって設定する必要がある。しかも、眼鏡をかけている者にとっても、眼鏡を外さなくても使用できるように、少なくとも20mm以上は、確保する必要がある。
【0100】
このように設定した頭部装着型画像表示装置1では、重量が280gであり、顔面から前方への突出寸法は、48mmであり、いずれの場合でも、装着性がよいことが確認された。ここで、1.32インチの液晶表示素子42を用いながら、軽量化を図ることができたのは、拡大光学系をプラスチック製の単レンズで構成したことによる。
【0101】
また、30万画素という高精細表示素子を用いたにもかかわらず、液晶表示素子42の開口率は、約29.5%ある。従って、約24cd/mという明るさを確保することができ、高精細な画像を鑑賞するのに充分な明るさである。
【0102】
また、液晶表示素子42の画素数が多いことに加えて、拡大レンズの性能がそれにマッチしているので、拡大表示画像の画質は、歪みがなく、すみずみまで鮮やかである。さらに、使用した拡大レンズは、非球面化したことにより、歪曲収差を±2%の範囲内に抑えてあるため、画像の歪みがない。それに加えて、液晶表示素子42の画素ピッチから求められる空間周波数は、12本/mmであるのに対し、拡大レンズ45は、最大水平画角において12本/mmの空間周波数のMTFが0.18であるため、充分に解像し得る。
【0103】
さらに、本例の拡大レンズ45であれば、プラスチック射出成型により精度よく生産できるので、その点も高画質化に寄与している。しかも、量産時のスループットが高いので、コストを低減することができる。
【0104】
たとえぱ、表3に示すように、対角サイズが0.7インチの液晶表示素子(比較例)を用いた場合と比較すると、この比較例の液晶表示素子では、開口率が5%しか確保できないため、約4cd/mという明るさであり、高精細な画像を鑑賞することができない。
【0105】
【表3】
Figure 2004029768
【0106】
また、比較例の液晶表示素子では、画素ピッチが23μmになってしまい、拡大レンズに対して、22本/mmの解像度が要求される。従って、1枚の拡大レンズでは、最大水平画角において解像し得る条件ではない。
【0107】
しかも、視度調整において、−2.5Dから2.5Dまでの範囲で調整するのに、1.32インチの液晶表示素子を用いた場合には液晶表示素子の前後方向の移動量が約10mmあるため、最適位置に調整するのが容易である。これに対し、0.7インチの液晶表示素子では、同じ視度調整において、約4mmの移動量になって、微調整が不可能である。
【0108】
なお、同じく、1.32インチの液晶表示素子を用い、水平画角35°まで虚像拡大して鑑賞するときには、表4に示す構成の拡大レンズを用いればよい。
【0109】
【表4】
Figure 2004029768
【0110】
この場合でも、先に説明したように、図21にa、b、c、dで囲む斜線領域内にある液晶表示素子42を用いた場合には、その範囲外にある液晶表示素子を用いた場合に比較して、画質面、および視度調整の容易さなどの面で優れている。
【0111】
さらに、拡大光学系を1枚の凸レンズで構成した場合の拡大画像の画質と、液晶表示素子42のサイズとの関係を検討した。拡大画像については、客観的評価のために、液晶表示素子42の表示画質は、サイズにかかわらず一定であると仮定して、凸レンズのMTF値で比較してある。但し、液晶表示素子の画素数は30万画素、拡大画像の最大水平画角は30°とし、凸レンズは、非球面化により、歪曲収差を±2%の範囲に抑えてある。
【0112】
この関係を液晶表示素子の画像表示面対角サイズと、拡大凸レンズの最大水平画角におけるMTFとの関係として、図22に示す。ここで、液晶表示素子の空問周波数Mとは、液晶表示素子の画素ピッチPから求まる幾何学的な値であり、以下の式から求まる。
M=1/2P〔本/mm〕
【0113】
従って、液晶表示素子42の最大空間周波数に相当し、拡大画像にはこれ以上の空間周波数は、存在しない。
【0114】
この図から明らかなように、液晶表示素子42の画像表示面対角サイズが1.0インチよりも小さくなると、MTFが0.1を下回る。すなわち、各画素を解像しなくなって、画質の大きな劣化が生じる。さらに、液晶表示素子の対角サイズが1.0インチよりも小さいと、マトリクス状の遮光部が目立つようになって、MTFの低下との相乗効果もあって、鑑賞者には、大幅な画質の劣化が生じたと感じる。
【0115】
これに対して、対角サイズが1.6インチ以上になると、MTFは、0.3を越えるようになる。但し、MTFが0.3以上になると、その数値がそれ以上大きくなっても、入間の眼には、その差がほとんど認識できない。従って、1.6インチ以上では、画質に差がないといえる。逆に、対角サイズが2.0インチを越えると、アドレッシングの問題が発生し、かっ、頭部装着型表示装置全体のサイズ、重量が大きくなって、装着感が損なわれる。
【0116】
それ故、拡大光学系を1つの凸レンズで構成し、かつ、装置全体の小型軽量化を図りながら、画像表示面対角サイズを1.0インチから2.0インチまでの範囲に設定し、画素ピッチ30μm以上、画素数17万画素以上の液晶表示素子を用いてあるため、本例の頭部装着型画像表示装置では、画質、操作性、および装着性に優れている。
【0117】
実施例2
図23は、本発明の実施例に係る頭部装着型画像表示装置の装置本体に設けた位置ずれ防止機構(固定手段)の構成を示す説明図である。本例、および以下に説明する実施例5に係る頭部装着型画像表示装置では、装置本体の構造のみが相違し、光学装置などの構成が同様であるため、対応する機能を有する部分には同じ符号を付して、それらの説明を省略する。
【0118】
図23において、本例の頭部装着型画像表示装置でも、装置本体10の内側で空気袋8aを膨らませて、装置本体を頭部に装着するようになっている。但し、本例では、装置本体の内面全体にわたって空気袋8aを設けてある。この空気袋8aに対しては、実施例1と同様に、空気管81およびバルブ82が設けてある。従って、装置本体10を頭部に被った状態で、空気管81から空気袋8aに空気を供給すると、空気袋8aが膨らんで頭部の周囲に密着し、装置本体10は、頭部に安定した状態で保持される。このため、鑑賞者には、装置本体10を頭部に装着しても違和感が小さい。また、装置本体10のぶれがないので、画質の高い画像を楽しむことができるなどの効果を奏する。なお、装置本体10には、スピーカ6が設けてあり、このスピーカ6の位置を避けるように空気袋8aが配置されている。
【0119】
さらに、本例では、空気袋8aのうち、後頭部に当接する部分80aが大きく膨らむようにして、装置本体10が頭部の前後方向で位置ずれしないようになっている。従って、光学装置40と眼球との位置関係が確実に規定されるなど、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0120】
なお、空気袋8aについては、その配置位置としては、頭部の全周囲に限らず、前頭部および後頭部に相当する位置のみに配置しても、頭部と装置本体10との前後位置を確実に規定できる。なお、空気袋8aを側頭部に相当する位置のみに配置してもよい。
【0121】
実施例3
図24は、本発明の実施例3に係る頭部装着型画像表示装置において、その装置本体に設けた位置ずれ防止機構(固定手段)の構成を示す説明図である。
【0122】
図24において、本例の頭部装着型画像表示装置では、装置本体10を頭部に機構的に固定するようになっている。すなわち、後頭部支持カバー3(後頭部支持部)には、ねじ孔85が形成され、このねじ孔85には、ねじ軸86が嵌まっている。このねじ軸86では、基端側にノブ861が取り付けられ、先端側には後頭部パッド862が設けられている。後頭部パッド862は、頭部に対応して湾曲した形状の背面板863と、その表面に張られたゴムなどの弾性体864(後頭部当接部)とから構成されている。
【0123】
従って、装置本体10の緩衝用パッド221に前頭部を当接するようにして、装置本体10を頭部に被せた後に、ノブ861をねじ軸86のねじ込み方向に回転させると、ねじ軸86は、後頭部パッド862を頭部に押し付ける。その結果、頭部は、緩衝パッド221と後頭部パッド862との間に挟まれた状態になって、装置本体10は、頭部に確実に固定される。また、弾性体864を後頭部に当接させているため、後頭部の形状や大きななどに個人差があっても、それらを吸収して、安定して支持することができる。それ故、頭部や身体が動いても、安定した装着状態を保持できるので、疲労感や不快感がない。また、画質の高い画像を楽しむことができる。
【0124】
なお、このような送りねじを利用した後頭部当接部の変位機構については、その締結位置や支持位置などについて限定がない。
【0125】
実施例4
図25(a)、(b)は、本発明の実施例4に係る頭部装着型画像表示装置において、その装置本体に設けた位置ずれ防止機構(固定手段)の構成を示す説明図である。
【0126】
図25(a)において、本例の頭部装着型画像表示装置でも、装置本体10を頭部に機構的に固定するようになっている。すなわち、前方カバー2から頭上までには、保持アーム87が形成されており、この保持アーム87には、ねじ孔871が形成されている。これに対して、後頭部支持カバー3には、図25(b)に示すように、長孔872が形成されており、この長孔872を介して、ねじ孔871には、ノブ付きのねじ873が固定されるようになっている。また、前方カバー2と後頭部支持カバー3との連結部5では、基本的には図5に示した構造と同じ連結構造になっているが、後頭部支持カバー3の端部30では、円形の穴301に代えて、図25(a)に示すように、長穴874が形成されている。
【0127】
従って、まず、装置本体10の緩衝用パッド221に前頭部が当接するようにして、装置本体10を被り、視線位置を合わせる。しかる後に、ねじ873をねじ孔に螺着するとき、保持アーム87と後頭部支持カバー3との重なり代の大きさを調整すると、長穴872の長手方向における幅の範囲内で後頭部支持カバー3の位置が変わる。従って、装置本体10の前後方向における内径寸法が調整されるので、頭部に装置本体10を安定した状態に装着することができる。それ故、違和感や不快感なく、画質の高い画像を楽しむことができる。
【0128】
なお、後頭部支持カバー3の内面には、ゴムやばねなどの弾性体で構成された後頭部用パッド875が形成されているので、後頭部は、後頭部用パッド875を介して前後方向に締め付けられる状態になるので、不快感が小さい。
【0129】
実施例5
実施例1で図5を参照して説明したように、前方カバー2の端部20で内側に突出する突出部201を後頭部支持カバー3の端部30に形成した穴301に嵌め込み、後頭部支持カバー3の内側に突出した突出部201の内部に対してスピーカ6の突出部63を嵌め込む連結構造において、この状態のままで、図26に点線で示すように、前方カバー2の内部に後頭部支持カバー3が収納されるまでスライド可能にする場合には、図27(a)ないし(e)に示すスライド機構を利用できる。
【0130】
すなわち、図27(a)において、前方カバー2の端部20には、突出部201を備えるスライド部材50が取り付けられている。このスライド部材50は、図27(b)、(c)に示すように、突出部201の背面側に、一対のL字形の爪52が形成されている。これらの爪52は、互いに上下逆の向きに形成されており、上下方向に撓むことが可能である。また、各爪52には、小さな突起53が形成されている。一方、前方カバー2の端部20では、前後方向に延びるスリット65が形成されており、このスリット65を挟むようにガイド部66が前方カバー2の端部20で外側に張り出している。従って、スリット65の内部に爪52を嵌め込むことによって、スライド部材50を前方カバー2の端部20に取り付け可能である。また、後頭部支持カバー3は、その端部30が前方カバー2の端部20とスピーカ6とによって挟まれた状態のまま、図27(a)に示す位置から、図27(d)に示す位置まで移動できるので、後頭部支持カバー3を、図26に実線で示す位置から点線で示す位置まで引っ込めて、後頭部支持カバー3を前方カバー2の内側に収納できる。
【0131】
ここで、図27(e)に示すように、ガイド部66の所定位置に対して、突起53が入り込む孔67を形成してある。従って、突起53が孔67に嵌まり込んだ位置で、後頭部支持カバー3を前方カバー2に固定できるので、持ち運びに便利である。しかも、図27(c)に示すように、突起53の頂上部分がガイド部66の内面を摺動するので、後頭部支持カバー3を前方カバー2に対して簡単にスライドさせることができる。
【0132】
【産業上の利用可能性】
以上のとおり、本発明においては、装置本体に前頭部支持部と後頭部支持部とを設け、この後頭部支持部側において、空気袋などを用いて、頭部を相対的に前方に押し付けるようにして、前頭部と前頭部支持部とを当接することに特徴を有する。従って、本発明によれば、装置本体の前頭部支持部を基準にして、頭部を位置決めできるので、安定した装着感が得られる。また、身体や頭部が動いても、装置本体がずれないので、装置本体から重量感を感じにくい。従って、疲労感や不快感がない。さらに、光学系と眼球との位置関係を規定できるため、画像がぶれないなど、画像の品位も向上する。
【0133】
また、本発明では、画像表示装置と照明手段とをユニット化して、ユニット毎に光学軸に沿って移動可能にした場合には、視度調整の目的に、それらを移動させても、画像表示装置と照明手段との位置関係が変化しないので、画質が低下しない。また、左右の眼球の視力が異なっていても、ユニット毎に視度調整できるので、安定した画質で鑑賞できる。さらに、画像表示装置と照明手段とをユニット化することで近接した位置に配置できるので、照明効率が高い。それ故、低消費電力化を図っても、画質が低下しない。
【0134】
また、左右の光学ユニットを一体に移動させて、眼幅方向位置調整を行なう場合には、左右連動して動くので、光学ユニット間の中心位置が移動しない。それ故、相対距離だけでなく、光学ユニットの絶対位置を合わせやすいので、眼幅に合った状態で鑑賞できる。
【0135】
さらに、水平視線よりも光学袖を斜め下方に向けた場合には、瞼などに負担をかけずに自然な視線で画像を楽しむことができる。従って、鑑賞者は、疲労感が少ないため、映像に没入できるので、高い臨場感を得ることができる。
【0136】
また、表示装置として、画像表示面の対角サイズが1.0〜2.0インチ、画素ピッチが30μm以上、画素数17万画素以上の液晶表示素子を用いることによって、小型・軽量化できるとともに、高い画質を得ることができる。しかも、明るさ、操作性、経済性の面でも向上する。とりわけ、1枚の拡大レンズで拡大手段を構成することによって、装置の小型軽量化を実現しながら、高い画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る頭部装着型画像表示装置の外観を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1に示す頭部装着型画像表示装置の使用方法を模式的に示す縦断面図、(b)は、その横断面図である。
【図3】図1に示す頭部装着型画像表示装置の分解図である。
【図4】(a)は、図1に示す頭部装着型画像表示装置を頭部に装着した状態で鑑賞者の眼球と遮光カバーとの配置関係を示す説明図、(b)は、この状態における顔面と遮光カバーとの配置関係を示す説明図である。
【図5】図1に示す頭部装着型画像表示装置において、前方カバーと後頭部支持カバーの連結構造を示す分解図である。
【図6】図5に示す連結部を中心に後頭部支持カバーを回転させた状態を示す説明図である。
【図7】(a)は、図6に示す後頭部支持カバーの回転動作を利用して後頭部支持カバーを前方カバーに収納した状態を示す説明図、(b)は、後頭部支持カバーを後頭部から上頭部よりの位置に回転させた状態を示す説明図、(c)は、図6に示す連結部に支持帯を付加した状態を示す説明図である。
【図8】(a)は、図1に示すケーブルの引出し方法とは別の引出し方法を示す背面図、(b)は、その側面図である。
【図9】図1に示す頭部装着型画像表示装置において、頭部への装置本体の固定方法を示す説明図である。
【図10】(a)は、図9に示す頭部への装置本体の固定状態の一例を示す説明図、(b)は、別の頭部への装置本体の固定状態を示す説明図である。
【図11】図1に示す頭部装着型画像表示装置における光学系の基本的な原理を示す説明図である。
【図12】図11に示す光学系の光学軸上に反射ミラーを挿入した構成を示す説明図である。
【図13】図12に示す光学系を構成する光学ユニットの装置本体内における配置位置を示す説明図である。
【図14】(a)は、図1に示す頭部装着型画像表示装置において、水平視線と光学軸との関係を示す説明図、(b)は、別の水平視線と光学軸との関係を示す説明図である。
【図15】図1に示す頭部装着型画像表示装置に搭載した光学ユニットの構成を示す斜視図である。
【図16】図15に示す光学ユニット内に構成した画像表示ユニットの構成を示す分解図である。
【図17】図15に示す光学ユニットの装置本体への配置構造を模式的に示す説明図である。
【図18】図15に示す光学ユニットを用いて輻輳角を形成した状態を示す説明図である。
【図19】、図18に示す輻輳角を形成するのに用いた光学ユニットの構成を示す斜視図である。
【図20】図15に示す光学ユニットの幅寸法に関する制約を示す説明図である。
【図21】図1に示す頭部装着型画像表示装置に搭載した光学系において、画像表示面のサイズと、画素ピッチとの最適条件を示すグラフである。
【図22】図1に示す頭部装着型画像表示装置に搭載した光学系において、画像表示面のサイズと、最大水平画角におけるMTFとの関係を示すグラフである。
【図23】本発明の実施例2に係る頭部装着型画像表示装置に用いた装置本体の頭部への固定構造を模式的に示す説明図である。
【図24】、本発明の実施例3に係る頭部装着型画像表示装置に用いた装置本体の頭部への固定構造を模式的に示す説明図である。
【図25】本発明の実施例4に係る頭部装着型画像表示装置に用いた装置本体の頭部への固定構造を模式的に示す説明図である。
【図26】本発明の実施例5に係る頭部装着型画像表示装置に用いた装置本体の頭部への固定構造を模式的に示す説明図である。
【図27】図26に示す固定構造を示す分解図である。

Claims (34)

  1. 頭部に装着した状態で、画像表示手段が形成した画像を拡大手段で虚像拡大して視認する頭部装着型画像表示装置において、
    前記画像表示手段および前記拡大手段を備え、頭部に被ったときに、前頭部側に位置する前頭部支持部、および後頭部側に位置する後頭部支持部を備える装置本体と、
    この装置本体を頭部に被ったときに前記前頭部支持部と前頭部とを当接した状態に保持する固定手段とを有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  2. 請求項1において、前記固定手段は、前記後頭部支持部の内面のうち、後頭部が当接する位置で膨張した状態および萎縮した状態に切り換え可能な膨張収縮部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  3. 請求項1において、前記固定手段は、前記装置本体上における前記後頭部支持部の位置を前記前頭部支持部に向けて移動させて前頭部を相対的に前記前頭部支持部に押し付ける変位機構を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの項において、前記前頭部支持部には、前頭部が当接する位置に弾性部材を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  5. 頭部に装着した状態で、画像表示手段が形成した画像を拡大手段で虚像拡大して視認する頭部装着型画像表示装置において、
    前記画像表示手段および前記拡大手段を備え、頭部に被ったときに、前頭部側に位置する前頭部支持部、および後頭部側に位置する後頭部支持部を備える装置本体と、
    この装置本体の内面のうち、少なくとも前記前頭部支持部および前記後頭部支持部の内面において、膨張した状態および萎縮した状態に切り換え可能な膨張収縮部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  6. 請求項5において、前記膨張収縮部は、前記後頭部支持部側での膨張度合いが前記前頭部支持部側での膨張度合いよりも大きいことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  7. 請求項2、5、または6において、前記膨張収縮部は、空気袋であることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記装置本体は、前記画像表示手段、前記拡大手段、および前記前頭部支持部を備える前方カバーと、前記後頭部支持部を備える後頭部支持カバーと、これらのカバーを両側頭部でそれぞれ連結する連結部とを有し、これらの連結部には、そこを回転中心として前記後頭部支持カバーを前記前方カバーに対して回転可能に連結する支持機構を備えることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  9. 請求項8において、前記連結部には、前記後頭部支持カバーを前記前方カバーに対して回転可能なままで、前記後頭部支持カバーを前記前方カバーに向けて移動させるスライド機構を備えることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  10. 請求項8において、前記連結部には、スピーカが内蔵されているとともに、前記支持機構では、前記スピーカの枠体自身が前記後頭部支持カバーを前記前方カバーに対して回転可能な状態で連結する回転中心軸になっていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  11. 請求項8において、前記連結部には、スピーカが内蔵されているとともに、そこには、内側および外側を連通する通気孔が形成されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  12. 請求項8ないし11のいずれかの項において、前記前方カバーには排気孔が形成されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  13. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記画像表示手段は、透過型の画像表示部、およびこの画像表示部を背面側から照らす照明手段とを備える画像表示ユニットとして一体化されているとともに、この画像表示ユニットは、前記拡大手段とともに光学ユニットとして一体化されて前記装置本体内に左右一対に収納されており、
    前記一対の光学ユニットに対しては、それらを眼幅方向に一体で移動させてそれらの光学軸の離間幅を調整する眼幅方向位置調整機構を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  14. 請求項13において、前記眼幅方向位置調整機構では、前記光学ユニットは、それから突出する案内ピンと、この案内ピンが嵌まるように前記装置本体側に形成されたガイド溝とによって案内されながら眼幅方向に移動することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  15. 請求項13において、前記眼幅方向位置調整機構の操作ノブは、前記装置本体の前方位置に配置されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  16. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記画像表示手段は、透過型の画像表示部、およびこの画像表示部を背面側から照らす照明手段を備える画像表示ユニットとして一体化されているとともに、この画像表示ユニットは、前記拡大手段とともに光学ユニットとして一体化されて前記装置本体内に左右一対で収納されており、
    前記一対の光学ユニットに対しては、それらの光学軸に沿って前記画像表示ユニットを光学ユニット毎に移動させる軸方向位置調整機構を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  17. 請求項16において、前記軸方向位置調整機構の操作ノブは、前記装置本体の前方位置に配置されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  18. 請求項11ないし17のいずれかの項において、前記装置本体には、前記光学ユニットの上方位置に相当する部分に排気孔が形成されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  19. 請求項11ないし17のいずれかの項において、前記光学ユニットの光学軸は、前方に向かう延長線上で交差するように設定されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  20. 請求項11ないし17のいずれかの項において、前記光学ユニットは、その光学軸に反射ミラーが介挿され、この反射ミラーによって、前記光学ユニットの光学軸が屈曲していることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  21. 請求項11ないし17のいずれかの項において、前記透過型の表示部は、液晶ライトバルブであることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  22. 請求項1ないし21のいずれかの項において、前記画像表示手段および前記拡大手段を含む光学系の光学軸は、眼球の水平視線に対して術角をなしていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  23. 請求項22において、前記俯角は、10°以下であることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  24. 請求項22において、前記俯角は、6°以下であることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  25. 請求項1ないし24のいずれかの項において、前記画像表示手段は、基板上に液晶表示素子が実装された左右一対の液晶表示モジュールであり、これらの液晶表示モジュールの水平方向幅の寸法をW[mm]とし、左右の液晶表示素子の中心間の距離寸法をG[mm]としたときに、下式
    <G
    を満たすことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  26. 請求項25において、前記の左右の液晶表示素子の中心間の距離寸法は、約55mmであることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  27. 請求項25または26において、前記拡大手段は、1枚の拡大レンズで構成され、
    かつ、前記液晶表示素子の画像表示面の水平方向幅の寸法をW[mm]とし、その画素ピッチの寸法をP[mm]としたときに、下式
    30×10−3≦P≦0.0021×W
    を満たし、
    さらに、前記画像表示面の拡大虚像の水平方向の画角が30°以上あることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  28. 請求項25ないし27のいずれかの項において、下式
    P≦0.0016×W
    を満たすことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  29. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記装置本体は、上頭部に相当する部分は、開放状態にあることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  30. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記装置本体は、前記画像表示手段および前記拡大手段を内蔵する光学系収納空間と、この光学系収納空間から前頭部の形状に沿って斜めに延設された前頭部支持カバーとを有し、この前頭部支持カバーの内面が前記前頭部支持部であることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  31. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記装置本体は、前記画像表示手段および前記拡大手段を内蔵する光学系収納空間と、この光学系収納空間を顔面側で区画する仕切り壁とを有し、この仕切り壁には、鼻が位置する部分に前記光学系収納空間側に向けて凹む凹部が形成されていることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  32. 請求項1ないし7のいずれかの項において、前記装置本体の前方側では、下方に向かって半透明の遮光カバーが形成されていることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  33. 請求項32において、前記遮光カバーは、下側への視界を確保可能な大きさであることを特徴とする頭部装着型液晶表示装置。
  34. 請求項1ないし33のいずれかの項において、前記画像表示手段に対する駆動回路は、フレキシブル基板上に構成され、このフレキシブル基板は、前記装置本体内に沿って配置されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
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