JP2016187173A - 頭部装着装置 - Google Patents

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茂 鳥井原
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Abstract

【課題】使用者の装着感が、頭部に接するカウンターウェイトによって損ねられてしまうことを防止する頭部装着装置を提供する。
【解決手段】使用者の頭部に装着されて使用される頭部装着装置であって、使用者に対して画像を表示する画像表示部10と、頭部装着装置の重心の位置を調整するカウンターウェイト部40と、画像表示部とカウンターウェイト部とに結合され、使用者の頭部に対する画像表示部とカウンターウェイト部との位置を保持するベルト部30(保持部)とを有する。カウンターウェイト部は、使用者の頭部に頭部装着装置が装着された場合に、使用者の頭部の形状に応じて変形するように形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、使用者が頭部に装着して使用する頭部装着装置に関するものである。
使用者の頭部に装着され使用される頭部装着装置の一つに、ヘッドマウントディスプレイ(以後、HMD(Head Mounted Display)と呼ぶ)がある。一般的なHMDには、表示装置が内蔵されており、使用者に対して様々な映像を提示することが可能となっている。HMDを装着した使用者は、装着したまま、表示される立体映像を閲覧しながらの移動が可能である。
HMDは、ベルト状の締め付け部材や前頭部押圧部および後頭部押圧部などの装着部材を用いて、使用者の頭部に保持される。装着部材には、締め付けや押圧を調整できる調整機構が備えられており、当該調整機構の調整により使用者の頭部から着脱可能になっている。
装着部材には、使用者が正しい映像を認識できる位置および姿勢に表示部を保持することに加え、使用者の首振り等の動作に対して表示部がずれないように保持することが求められる。更に、頭部形状や大きさが異なる様々な人が、長時間使用しても快適な装着感が得られることが望ましい。
特許文献1には、装着部材に加え、カウンターウェイトを頭部装着装置に備えさせることが開示されている。カウンターウェイトを備えることによって、頭部装着装置全体の重心位置を調整し、使用者の頭部に対する表示部のずれを軽減することが可能となっている。
特開2004−233899号公報
上述の通り、特許文献1には、頭部装着装置にカウンターウェイトを備えさせることが開示されている。具体的な構成として、装着時に、表示部やカウンターウェイトなどの頭部装着装置を構成する部材と使用者の頭部との接する面積を大きくする構成と小さくする構成とが挙げられる。
使用者の頭部との接する面積を小さくする構成を採用した場合、使用者の首振り等の動作によって表示部のずれが発生してしまう可能性が残る。表示部のずれの発生を防止するためには、頭部装着装置の保持機構の締め付けを強くしたり、摩擦係数の大きい部材を用いる必要がある。しかしながら、いずれにしても使用者の装着感を損ねてしまう可能性がある。
一方、使用者の頭部との接する面積を大きくする構成を場合、保持機構の締め付けを強くしたり、摩擦係数の大きい部材を用いなくても、保持力を高めることが出来る。しかしながら、一般的に固い部材で構成されているカウンターウェイトと使用者の頭部との接する面積が大きくなるため、使用者の装着感を損ねてしまう可能性が同様にある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、頭部装着装置の使用者の装着感が、当該使用者の頭部に接するカウンターウェイトによって損ねられてしまうことを防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明における頭部装着装置は、使用者の頭部に装着されて使用される頭部装着装置であって、前記使用者に対して画像を表示する表示部と、前記頭部装着装置の重心の位置を調整するカウンターウェイト部と、前記表示部と前記カウンターウェイト部とに結合され、前記使用者の頭部に対する前記表示部と前記カウンターウェイト部との位置を保持する保持部とを有し、前記カウンターウェイト部は、前記使用者の頭部に前記頭部装着装置が装着された場合に、前記使用者の頭部の形状に応じて変形するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、頭部装着装置の使用者の装着感が、当該使用者の頭部に接するカウンターウェイトによって損ねられてしまうことを防止することが出来る。
第1の実施形態における頭部装着型表示装置の外観を示した図である。 第1の実施形態におけるカウンターウェイトの構造に関する概略図である。 第1の実施形態におけるベルト部の構成とカウンターウェイトの着脱に関する概略図である。 第1の実施形態におけるカウンターウェイトの機能に関する概略図である。 第2の実施形態におけるカウンターウェイトの構造に関する概略図である。 第3の実施形態における頭部装着型表示装置の外観を示した図である。 第4の実施形態における頭部装着型表示装置の外観を示した図である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における頭部装着型の表示装置(表示部を備える頭部装着装置)の外観を示した図である。本実施形態の頭部装着型表示装置は、画像表示部10と、前頭支持部20と、ベルト部30(保持部)と、カウンターウェイト40(カウンターウェイト部)から構成されている。図1に示す通り、頭部装着型表示装置は使用者の頭部に装着されて使用される。
それぞれの具体的な機能について以下に述べる。画像表示部10の内部には、映像を表示する表示素子と、その表示素子の映像を拡大し使用者の眼に導く光学系とが配置されている。前頭支持部20には、画像表示部10とベルト部30とがそれぞれ結合されており、装着する際に使用者Hの前頭部近傍に触れることで画像表示部10は保持される。ベルト部30は、厚み方向に柔軟性を持った板材で、重力Gの方向に対して剛性を有し、頭部に巻き付く方向に柔軟性を有する。また、ベルト部30は、自身の長さを調整できる調整機構を有する。カウンターウェイト40は使用者Hの頭部に沿う形状に変形が可能な構成で、ベルト部30の一部である調整用ベルト32と結合されている。装着時には、使用者Hの後頭部近傍に配置される。この頭部装着型表示装置は、前頭支持部20を支点として、画像表示部10の自重によるモーメントと、カウンターウェイト40の自重によるモーメントが概ね釣り合うように重心位置が調整されている。また、ベルト部30の剛性によってモーメントが伝達され、この釣り合いが実現されている。これにより画像表示部10の位置と姿勢が安定し、使用者Hが正しい映像を認識できるような位置と姿勢に画像表示部10を保持させることが容易となる。画像表示部10を保持するにあたっては、ベルト部30の長さを調整し、画像表示部10とベルト部30とカウンターウェイト40を使用者Hの頭部に密着させる。これにより、使用者Hの首振り等の諸動作に対して、画像表示部10の位置と姿勢を保持する摩擦力を得ることができ、頭部装着型表示装置の使用時に画像表示部10の位置と姿勢がずれにくくなる。
尚、上述では、表示部を備える頭部装着装置について説明した。しかしながら、表示部を備えず、視覚以外の頭部の感覚器を刺激する本体部を備える頭部装着装置に本実施形態を適用することも可能である。例えば、視覚が不自由な使用者に対して音声でガイドを行うサウンドガイド装置や、仮想物体に対する現実感を増幅させるために、人工的に匂いを発生させる装置などを内蔵した頭部装着装置に適用することが可能である。
図2は、カウンターウェイト40の構造に関する概略図である。図2(a)が外観図、図2(b)がカウンターウェイト40の断面図である。カウンターウェイト40は、シート状で伸縮性のある布製部材41を2枚重ね合わせ、縁に封入用布部材42を縫い付けることで袋状になっている。そして、図2(b)に示す通り、その中に複数の鉄玉43が詰められている。袋は自由に形状が変わり、また複数の鉄玉43は袋内で自由に動くため、カウンターウェイト40は使用者Hの頭部に沿う形状に変形できる。またカウンターウェイト40には、着脱用布部材44が縫い付けられている。布製部材41にスナップボタンのソケット45、着脱用布部材44にスナップボタンのスタッド46がそれぞれ取り付けられ、互いが嵌まる構成である。これにより、調整用ベルト32に巻きつけて取り付けることができる。図2(a)、(b)に示す通り、カウンターウェイト40は使用者の後頭部の形状に沿うような矩形形状をしており、更に凹部が形成されている。このような形状にすることによって、使用者の後頭部に適切に装着することが可能になる。上記では、カウンターウェイト40が布製部材41で構成され、複数の鉄玉43が封入されている構成について説明した。しかしながら、布製部材だけでなく、他の可撓性を有する部材を用いても良いし、鉄玉だけでなく、他の金属部材の球状部材を用いても良い。
図3は、ベルト部30の構成とカウンターウェイト40の着脱機能に関する概略図である。図3(a)はベルト部30の構成に関する概略図である。格納部31は2枚の板材で構成され、2枚の板材の間には一定間隔の隙間が設けられている。ベルト部30を使用者Hの頭部に巻き付けるために、格納部31に設けられた隙間に調整用ベルト32が格納され、ベルト部30の長さが調整される。調整部33は格納部31に取り付けられており、調整用ベルト32が格納部31に格納される際に調整用ベルト32を保持する機能、使用者が操作して保持を解除する機能を有している。つまみ34は格納部31と調整用ベルト32に取り付けられている。装着時には、使用者が格納部31に取り付けられているつまみ34と調整用ベルト32に取り付けられているつまみ34を手で互いに引き寄せる。当該操作によって、格納部31に調整用ベルト32が格納され、ベルト部30を使用者Hの頭部に巻きつけることができる。パッド部材35は柔軟性を持った部材であり、使用者の前頭部から側頭部にかけて当たり、装着時にかかる押圧力を分散させる。溝36はカウンターウェイト40を調整用ベルト32に装着し固定するためにある。図3(b)は調整用ベルト32にカウンターウェイト40を装着する時の概略図である。溝36にソケット45が収まることでカウンターウェイト40の位置決めがなされる。図3(c)は調整用ベルト32にカウンターウェイト40を装着した時の概略図である。着脱用布部材44に取り付けてあるスタッド46を布製部材41に取り付けてあるソケット45に嵌めることで、調整用ベルト32に着脱用布部材44を巻き付け固定することができる。またソケット45からスタッド46を外すことで調整用ベルト32からカウンターウェイト40を着脱することが可能である。これによって、例えばカウンターウェイト40に皮脂などが付着した場合や重さを変えたい場合に、別のものと交換することが可能となり、ユーザビリティの向上に繋がる。
図4はカウンターウェイト40が使用者Hの後頭部に密着した際の概略図である。図4(a)は使用者Hの後頭部にカウンターウェイト40が密着し巻き付いた時の概略図である。図4(b)、図4(c)はそれぞれ図4(a)におけるAの方向から見た図、Bの方向から見た図である。カウンターウェイト40は任意に形状を変えることができるため、図4(b)のXと図4(c)のY方向に反ることができ、頭部形状に追従できる。また、カウンターウェイト40の形状が変形することで、使用者Hの後頭部近傍に密着した際にかかる押圧を分散でき、装着感の向上が期待できる。
以上より、第1の実施形態では画像表示部10を任意の位置に装着し保持しやすく、使用者Hの動作に対しても画像表示部10の位置と姿勢がずれにくくなる。またカウンターウェイト40の形状が変形することで頭部形状に追従して密着させることができる。さらに、密着している時にかかる頭部への押圧が分散されやすくなることから、装着感の向上が期待できる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態における頭部装着型表示装置の外観を示した図である。カウンターウェイト50は、第1の実施形態と同様の頭部装着型表示装置に適用されるが、カウンターウェイト40の構成とは異なる。図5(a)が外観図、図5(b)がカウンターウェイト50の断面図である。カウンターウェイト50は、袋状に構成させた伸縮性のある非浸透部材51で形成されている。そして、非浸透部材51の内部に、注入口52から注入された液体53が詰められている。非浸透部材51が柔軟性をもつことと、液体53が流動的に動くことから、カウンターウェイト40と同様、カウンターウェイト50は使用者Hの頭部に沿う形状に変形することができ、また装着時にかかる押圧を分散できる。また、液体53の注入量を調整することで、使用者Hがカウンターウェイト50の重量を任意に調整することが可能となり、ユーザビリティの向上に繋がる。着脱用部材54は非浸透部材51の表面に取り付けられている。また、非浸透部材51にスナップボタンのソケット55が、着脱用部材54にスナップボタンのスタッド56がそれぞれ取り付けられ、それぞれが嵌まる構成になっている。この構成により、図3(b)、図3(c)と同様の方法で、調整用ベルト32にカウンターウェイト50を取り付け、取り外しができる。尚、上記では、非浸透部材51に液体53が詰められている構成について説明したが、液体53の代わりに、液状もしくはゲル状の他の物質を用いても良い。
以上から、本実施形態は、第1の実施形態と同様に、画像表示部を任意の位置に装着し保持しやすく、使用者Hの動作に対しても画像表示部の位置と姿勢がずれにくい。また、カウンターウェイト50の形状が変形することで頭部形状に追従して密着させることができる。さらに、密着している時にかかる頭部への押圧が分散されやすくなることから、装着感の向上が期待できる。
(第3の実施形態)
図6(a)は、第3の実施形態における頭部装着型表示装置の外観を示した図である。カウンターウェイト部60は、第1および第2の実施形態のカウンターウェイト同様の構成で変形可能な後頭支持部61と、回動軸62を有する。カウンターウェイト部60は、可動部として機能する回動軸62を介し、ベルト部と結合する。カウンターウェイト部60とベルト部は、回動軸62が規制する範囲内で、互いに回動自由である。図6(b)は、特徴的な形状の後頭下部を持つ使用者に、第3の実施形態における頭部装着型表示装置を装着した様子である。カウンターウェイト部60は、回動軸62を中心に、角度B1回転する。この回転で、カウンターウェイト部60は、頭の形状にいっそう追従し、装着感が向上する。
(第4の実施形態)
図7(a)は、第4の実施形態における頭部装着型表示装置の外観を示した図である。カウンターウェイト部70は、第1および第2の実施形態のカウンターウェイト同様の構成で変形可能な後頭支持部71と、着脱部72を有する。たとえば、着脱部は、第1第2の実施形態のカウンターウェイト同様、スナップボタンのソケットとスタッドの組み合わせであり、ベルトに空いた丸穴を挟みつつ、スナップボタンを留める構成である。丸いスタッドの外壁と丸穴の内壁がぶつかり、カウンターウェイト部70はベルトから外れないが、丸いスタッドと丸穴は、互いに回動自由である。よって、カウンターウェイト部70はベルトに対し、ある規制範囲で回動自由である。図7(b)は、特徴的な形状の後頭下部を持つ使用者に、第4の実施形態における頭部装着型表示装置を装着した様子である。カウンターウェイト部70は、着脱部72を中心に、角度B2回転する。この回転で、カウンターウェイト部70は、頭の形状にいっそう追従し、装着感が向上する。以上を踏まえて、本実施形態の頭部装着型表示装置の効果を述べる。本実施形態の頭部装着型機器は、頭部装着型機器における本体部の位置と姿勢を使用者の頭に対して保持できる。使用者の動作によって生じる前記本体部の位置と姿勢のずれを軽減でき、かつ使用者の頭部にかかる押圧を分散できるため、装着感の向上が期待できる。
10 画像表示部
30 ベルト部
40 カウンターウェイト部

Claims (9)

  1. 使用者の頭部に装着されて使用される頭部装着装置であって、
    前記使用者に対して画像を表示する表示部と、
    前記頭部装着装置の重心の位置を調整するカウンターウェイト部と、
    前記表示部と前記カウンターウェイト部とに結合され、前記使用者の頭部に対する前記表示部と前記カウンターウェイト部との位置を保持する保持部とを有し、
    前記カウンターウェイト部は、前記使用者の頭部に前記頭部装着装置が装着された場合に、前記使用者の頭部の形状に応じて変形するように形成されていることを特徴とする頭部装着装置。
  2. 前記カウンターウェイト部は、前記保持部と着脱が可能に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部装着装置。
  3. 前記カウンターウェイト部は、可撓性のある部材で形成されていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の頭部装着装置。
  4. 前記カウンターウェイト部の内部には、複数の球状部材が封入されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭部装着装置。
  5. 前記カウンターウェイト部の内部には、液状もしくはゲル状の物質が封入されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭部装着装置。
  6. 前記カウンターウェイト部は矩形形状をしており、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の頭部装着装置。
  7. 前記カウンターウェイト部は、前記保持部に対して可動になる可動部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の頭部装着装置。
  8. 前記保持部に対して着脱することが可能な着脱部を更に有し、
    前記着脱部は、前記可動部に装着されることを特徴とする請求項7に記載の頭部装着装置。
  9. 使用者の頭部に装着されて使用される頭部装着装置であって、
    前記使用者の頭部の感覚器を刺激する本体部と、
    前記頭部装着装置の重心の位置を調整するカウンターウェイト部と、
    前記本体部と前記カウンターウェイト部とに結合され、前記使用者の頭部に対する前記本体部と前記カウンターウェイト部との位置を保持する保持部とを有し、
    前記カウンターウェイト部は、前記使用者の頭部に前記頭部装着装置が装着された場合に、前記使用者の頭部の形状に応じて変形するように形成されていることを特徴とする頭部装着装置。
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