JPH0825023B2 - 記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク位置検出方法 - Google Patents

記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク位置検出方法

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JPH0825023B2
JPH0825023B2 JP16468688A JP16468688A JPH0825023B2 JP H0825023 B2 JPH0825023 B2 JP H0825023B2 JP 16468688 A JP16468688 A JP 16468688A JP 16468688 A JP16468688 A JP 16468688A JP H0825023 B2 JPH0825023 B2 JP H0825023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、予め記憶させた所要の溶接作業を再生動作
する記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク位置検出
方法に関し、溶接トーチにセンシング電圧を印加し、そ
の溶接トーチから所定長さ突出した消耗電極とワークと
の接触による通電を検出する通電検出手段を用いて、教
示(記憶)したワーク位置に対するワークごとの正確な
ワーク位置を検出するようにした、記憶・再生型自動溶
接装置におけるワーク位置検出方法に関する。
〔従来の技術〕
記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク位置検出方
法として、教示したワーク位置に対するワークごとの正
確なワーク位置を検出するために、溶接突出にセンシン
グ電圧を印加し、その溶接トーチから所定長さ突出した
消耗電極(以下、溶接ワイヤという)とワークとの接触
による通電を検出する通電検出手段を用いて、ワークの
位置を検出する方法が従来から知られている。
このワーク位置検出方法では、溶接トーチをワークに
向かって移動させ、この溶接トーチの移動中に、通電検
出手段によって溶接ワイヤとワークとが当接したことを
検出し、この検出信号により溶接トーチの移動を停止
し、トーチ停止位置の所定位置座標をワークの位置とし
て検出するようにしている。
ところが、このワーク位置検出方法では、溶接ワイヤ
自体の剛性が小さいこと及び溶接トーチの移動停動作の
遅れにより、ワークに当接した溶接ワイヤが曲がった状
態で溶接トーチが停止し、正確なワーク位置が検出でき
ず、検出誤差が生じる。
そこで、この検出誤差をなくしてワークの正確な位置
を検出するために、本出願人は、予め記憶させた所要の
溶接作業を再生動作する自動溶接装置のワーク検知方法
として特願昭63−76002号を先に提案した。
この従来のワーク検知方法は、溶接トーチにセンシ
ング電圧を印加して溶接トーチを高速でワークに接近さ
せ、通電検出手段からの通電検出出力により溶接トー
チの移動動作を停止させ、続いて、その通電検出出力
によって溶接トーチをワークから低速で離反させて、
ワークより溶接ワイヤが離反したことを通電検出手段に
て検出し、通電検出手段からの離反検出出力を自動溶
接装置の制御信号として用いるようにしている。
すなわち、この従来のワーク検知方法では、ワークに
当接した溶接ワイヤが曲がった状態で溶接トーチが停止
しても、溶接トーチをワークから低速で離反させること
により溶接トーチからの溶接ワイヤ突出し部の曲がりを
徐々に解消させることで、溶接トーチから突出した部分
の溶接ワイヤが略直線状になってワークから離れる位置
をワーク位置として検出するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが前記従来のワーク検知方法では、ソリッド溶
接ワイヤに比べて一般に塑性変形しやすいフラックス入
り溶接ワイヤを消耗電極として用いる場合、次のような
問題があった。
すなわち、溶接ワイヤとワークとの当接により出力さ
れる通電検出出力によって、ワークに高速で接近してい
た溶接トーチの移動停止を指令すると、溶接トーチが実
際に停止するまでに停止動作の遅れがあって、ワークに
当接したフラックス入り溶接ワイヤは、溶接トーチから
の突出し部分が曲がって塑性変形してしまう。
このため、溶接トーチ停止後に溶接トーチをワークか
ら低速で離反させても、フラックス入り溶接ワイヤは、
その曲がりがワークに当接する前の略直線状に復帰する
ことなくワークから離れ、このような状態で通電検出手
段からワークの位置を示す離反検出出力が出力されるた
め、正確なワーク位置を検出できないという問題が生じ
ている。
また、ソリッド溶接ワイヤを消耗電極として用いる場
合においても、溶接トーチの通電チップから突出した溶
接ワイヤが通電チップの出口近くでワークと当接したと
きには、溶接ワイヤ先端部付近でワークと当接したとき
に比べて当接による変形をワイヤ弾性力によって充分に
吸収するということができず、溶接トーチから突出した
部分の溶接ワイヤが塑性変形し、位置検出誤差が生じる
ことがあった。
本発明は、このような従来の問題点を解消するために
なされたもので、記憶・再生型自動溶接装置において、
溶接トーチにセンシング電圧を印加し、その溶接トーチ
から所定長さ突出した溶接ワイヤとワークとの接触によ
る通電を検出する通電検出手段を用いて、教示したワー
ク位置に対するワークごとの実際のワーク位置を検出す
るに際し、溶接トーチをワークに接近させるときのトー
チ移動開始からワーク接触までに要する時間が長くなら
ずに、ワーク接触時に溶接トーチから突出した溶接ワイ
ヤにワーク位置検出誤差を招く塑性変形が生じることを
防止して、確実に正確なワーク位置を検出できるように
した、記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク位置検
出方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記の目的を達成するために、本発明による記憶・再
生型自動溶接装置におけるワーク位置検出方法は、溶接
トーチにセンシング電圧を印加し、溶接トーチから突出
した消耗電極とワークとの接触による通電を検出する通
電検出手段を有し、基準ワークにおけるそのワーク位置
が基準ワークのワーク教示位置として教示されるととも
に、前記ワーク教示位置への溶接トーチの移動開始位置
が教示された記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク
位置検出方法において、前記基準ワークと同種のワーク
についてワークごとのそのワーク位置を検出するに際
し、(a)前記教示された前記移動開始位置から前記ワ
ーク教示位置を通るトーチ移動線上の前記両位置の間に
センシング開始位置を設定し、(b)このセンシング開
始位置に溶接トーチを前記移動開始位置から所定の第1
速度で移動させ、(c)センシング開始位置に溶接トー
チが達したのち、溶接トーチにセンシング電圧を印加す
るとともにその溶接トーチをワークに向かってトーチ移
動線上を減速させながら移動させ、(d)この溶接トー
チの移動を前記通電検出手段からの通電検出出力によっ
て停止させ、(e)続いて、この通電検出出力によって
溶接トーチをワークから離反する方向に前記第1速度よ
り低速の第2速度で移動させ、(f)ワークからの前記
消耗電極の離反を前記通電検出手段によって検出し、
(g)この通電検出手段から出力される離反検出信号を
得ること、を特徴とするものである。
〔作用〕
本発明によるワーク位置検出方法においては、記憶・
再生型自動溶接装置によって自動溶接を行う同種の各ワ
ークのうち、ワーク固定用ポジショナに取り付けられた
状態でのワーク位置、溶接開始位置及び溶接終了位置な
どを教示するための教示操作がなされる初めのワークが
基準ワークである。そして、記憶・再生型自動溶接装置
に、基準ワークの位置が基準ワークのワーク教示位置と
して教示されるとともに、前記ワーク教示位置への溶接
トーチの移動開始位置が教示されている。
基準ワークと同種のワークについてワークごとのその
ワーク位置を検出する際には、まず、溶接トーチは、教
示された前記移動開始位置から前記ワーク教示位置を通
るトーチ移動線上の該両位置の間に設定されたセンシン
グ開始位置に向かって、前記移動開始位置から所定の第
1速度で移動する。ここで、溶接トーチを移動させる前
記第1速度としては、溶接トーチから突出した溶接ワイ
ヤをワーク接触時に塑性変形させる移動速度と弾性変形
させる速度とのさかいの弾性変形臨界速度を設定するこ
とがよい。
次に、センシング開始位置に溶接トーチが到達したの
ち、溶接トーチにセンシング電圧が印加され、溶接トー
チから突出した溶接ワイヤと検出対象であるワークとが
当たって接触することによる通電の有無の検出が開始さ
れるとともに、溶接トーチはワークに向かってトーチ移
動線上を減速されながら移動する。
そして、溶接トーチの溶接ワイヤとワークとが当接す
ると、通電検出手段から通電検出出力が出力されて、溶
接トーチの移動が停止される。ここで、溶接トーチから
突出した溶接ワイヤは前記第1速度より低速にてワーク
と当接するので、ワークへの当接から溶接トーチ移動停
止までの間に生じる溶接ワイヤの曲がりは、弾性変形の
範囲内にとどめられる。
次に、溶接トーチが移動停止したのち、通電検出出力
がなくなるまで、溶接トーチは、ワークから離反する方
向に第1速度より低速の第2速度で移動する。この移動
によって、弾性変形の範囲内にある溶接ワイヤの曲がり
は、ワークに当接する前の略直線状の状態に徐々に復帰
して行く。そして、溶接トーチから突出した溶接ワイヤ
が略直線状の状態でワークからわずかに離れる時に、通
電検出手段からワーク位置を表す離反検出信号が出力さ
れる。なお、溶接トーチは、教示された前記移動開始位
置からセンシング開始位置までは前記第1速度にて移動
させようにしているので、溶接トーチのワーク接触まで
に要する時間が長くならずに、ワーク位置検出をなし得
る。
〔実施例〕
本発明の実施例を、第1図乃至第9図の図面を参照し
ながら説明する。
まず、記憶・再生型自動溶接装置としてのアーク溶接
ロボットの構成を説明する。第8図に示すように、アー
ク溶接ロボット(1)は、多関節型のアーク溶接ロボッ
ト本体(2)、ロボット制御盤(3)、溶接電源(4)
及び教示箱(5)より構成されている。符号(6)はポ
ジショナで、このポジショナ(6)にはワーク(7)が
取り付けられている。そして、ロボット本体(2)の手
首部(2a)には、その位置と姿勢がロボット制御盤
(3)により制御される溶接トーチ(8)が取り付けら
れ、溶接トーチ(8)には、溶接条件に従って溶接ワイ
ヤ(9)が供給される。
そして、本発明に係る方法を含む溶接作業内容が教示
箱(5)を使って教示され、ロボット制御盤(3)の記
憶装置に記憶される。この溶接作業内容が入力された所
定のプログラムに従ってアーク溶接ロボット(1)によ
る溶接作業の再生動作が行なわれる。ロボット制御盤
(3)には、この再生動作などを制御するマイクロコン
ピュータが備えられている。
また、溶接トーチ(8)にセンシング電圧を印加する
ためのセンシング用電源(図示せず)が、溶接電源
(4)内に備えられている。溶接時には、溶接トーチ
(8)に溶接電源(4)から溶接電圧および溶接電流が
供給される。そして、センシング用電源を作動させて溶
接トーチ(8)にセンシング電圧を印加し、溶接トーチ
(8)から突出した溶接ワイヤ(9)とワーク(7)と
の接触による通電を検出し、その検出信号を出力する公
知の通電検出手段(図示せず)がロボット制御盤(3)
に備えられている。なお詳しくは、センシング電圧は、
溶接ワイヤ(9)・ワーク(7)間に印加されるもので
ある。
次に、前記構成になるアーク溶接ロボット(1)を用
いて行われる本発明によるワーク位置検出方法について
説明する。
まず、第9に示す教示手順説明図を参照しながら、ア
ーク溶接ロボット(1)への教示操作手順を説明する。
この教示操作は以下の各実施例に共通するものである。
ここで、自動溶接を行う水平すみ肉溶接用継手でなる同
種の各ワークのうち教示操作がなされる初めのワークを
基準ワーク(7a)と称し、また、溶接トーチ(8)から
所定長さ突出した溶接ワイヤ(9)は、フラックス入り
溶接ワイヤである。教示箱(5)による教示手順は次の
とおりである。
基準ワーク(7a)への溶接トーチ(8)の移動開始位
置P1までロボット本体(2)を誘導し、移動開始位置P1
と、この位置P1からの再生時の移動速度300cm/分とを教
示する。この第1速度としての溶接トーチ移動速度は、
溶接トーチ(8)から突出した溶接ワイヤ(9)をワー
ク接触時に塑性変形させる移動速度と弾性変形させる速
度とのさかいの弾性変形臨界速度である。
移動開始位置P1からロボット本体(2)を誘導して溶
接トーチ(8)の溶接ワイヤ(9)を基準ワーク(7a)
の立板端面に当接させ、この位置を基準ワーク(7a)の
ワーク教示位置P2としてアーク溶接ロボット(1)に教
示する。
ワーク教示位置P2から退避位置P3までロボット本体
(2)を誘導し、位置P3を教示する。しかる後、位置P3
から溶接開始位置P4、溶接終了位置P5を経て退避位置P6
までロボット本体(2)を誘導し、これらの位置P4,P5,
P6と、位置P3から位置P4までの移動速度と、位置P5から
位置P6までの移動速度と、位置P4から位置P5に至る溶接
線での溶接条件とを教示する。
基準ワーク(7a)についての教示が終了すると、所定
のプログラムに従って最初のワークであるこの基準ワー
ク(7a)の溶接が実施されるが、理解を容易にするため
に、基準ワーク(7a)溶接後の新ワーク(次のワーク)
において、本発明による方法を説明する。
なお、以下の各実施例では、基準ワーク(7a)に対し
て溶接線方向にずれた新ワークの位置を検出する場合に
ついて説明する。
第1実施例 第1図は本発明による第1実施例のワーク位置検出手
順のフローチャートであり、第2図(a)、第2図
(b)及び第3図に示す第1図でのトーチ移動動作の説
明図をも参照しながら第1実施例を説明する。
なお、新ワーク(7b)は、第2図(a)に示すよう
に、教示操作がなされた基準ワーク(7a)より図におけ
る右側(溶接線進行方向側)に位置ずれしてポジショナ
(6)にセットされているものとする。
まず、第1図のフローチャートのステップN1で、溶接
トーチ(8)は前記教示された移動開始位置P1へ移動さ
れる。次に、ステップN2で、移動開始位置P1から前記教
示されたワーク教示位置P2を通るトーチ移動線と、この
トーチ移動線上にあって位置P1と位置P2との間にあるセ
ンシング開始位置PSとが教示された位置P1,P2の位置デ
ータを用いて演算され、設定される。この実施例では、
センシング開始位置PSとワーク教示位置P2との距離を20
mmに設定している。
ステップN3では、溶接トーチ(8)は、移動開始位置
P1からトーチ移動線上を速度300cm/分の第1速度で移動
するように指令される。なお以下、速度単位cm/分をcpm
と記す。
そしてステップN4で、トーチ移動線上を速度300cpmで
新ワーク(7b)に向かって移動する溶接トーチ(8)
が、センシング開始位置PSに到達したか否かが判断され
る。センシング開始位置PSに到達したら、ステップN5
で、溶接トーチ(8)にセンシング電圧が印加されて、
通電検出手段により、溶接トーチ(8)から突出した溶
接ワイヤ(9)と新ワーク(7b)との当接による通電の
有無の検出が開始される。
そしてステップN6で、溶接トーチ(8)を、新ワーク
(7b)に向かってトーチ移動線上をその速度が最大検出
位置PEで60cpmとなるように速度300cpmから緩減速させ
る速度設定を行って、さらに移動させる。ここで、最大
検出位置PEは、ワーク教示位置P2より右側(溶接線進行
方向側)20mmに予め設定された位置である。この実施例
では、ワーク教示位置P2を基準にして、センシング開始
位置PSから最大検出位置PEまでの範囲で新ワーク(7b)
の位置を検出するように設計している。この範囲40mm
は、経験から得たワークの位置ずれ範囲に余裕を持たせ
て設定したものである。
このステップN6では、溶接トーチ(8)がトーチ移動
線上を緩減速されながら新ワーク(7b)に向かって移動
中であり、ステップN7で、通電検出手段からの通電検出
信号の有無を検出することによって、溶接トーチ(8)
の溶接ワイヤ(9)が新ワーク(7b)に当接したか否か
を判断する。
以下、第3図をも参照しながら、さらにステップN7か
らステップN11まで説明する。
ステップN7において、溶接ワイヤ(9)と新ワーク
(7b)との当接によって立上がる通電検出信号が検出さ
れると、ステップN8で溶接トーチ(8)の移動停止を指
令する。溶接トーチ(8)は、溶接ロボット(1)の制
御に係わるCPU(中央処理装置)の制御周期が数十msを
要するために、新ワーク(7b)のワーク位置PWよりも行
き過ぎて、第2図(a)に示す位置Sにて停止する。こ
の時に、溶接ワイヤ(9)は曲がった状態で新ワーク
(7b)に当接しているが、新ワーク(7b)に当接すると
きの溶接トーチ(8)の移動速度が第1速度より減速さ
れているので、溶接ワイヤ(9)の曲がりを弾性変形の
範囲内にとどめることができる。
続いて、ステップN9で、溶接トーチ(8)は、第1速
度より充分低速の第2速度である速度30cpmで新ワーク
(7b)の位置Sから後退させられる。このステップN9で
は、溶接トーチ(8)から突出した溶接ワイヤ(9)の
曲がりが徐々に是正されながら溶接トーチ(8)が後退
している状態であり、ステップN10で通電検出手段から
の通電検出信号の有無を検出することによって、溶接ト
ーチ(8)の後退を続行するか否かを判断する。つま
り、ステップN10では、通電検出手段からの通電検出信
号の存在によって溶接トーチ(8)の後退続行が指令さ
れる。
そして、ステップN11では、溶接トーチ(8)から突
出した溶接ワイヤ(9)が溶接トーチ(8)の後退に伴
い、略直線状となって新ワーク(7b)から極くわずかに
離れる位置、すなわちワーク位置PWにおいて、通電検出
信号の立下がりに同期して立上がる通電検出手段からの
離反検出信号が出力される。
そして以後は、得られたこの離反検出信号を、基準ワ
ークに対して教示された位置P2および位置P3の位置情報
から予め演算されたP2P3移動ベクトルに平行に溶接トー
チ(8)をワーク位置PWから移動させるための移動開始
信号に用い、次に、溶接トーチ(8)がワーク位置PWか
ら移動した新たな移動位置P3aと基準ワークに対する教
示位置P3との差を求め、この求めた位置差に基づいて、
教示された溶接開始位置P4及び溶接終了位置P5の位置情
報を修正して新ワーク(7b)の溶接を行う手順となる。
以上のように、溶接トーチを、センシング開始位置ま
では溶接ワイヤの弾性変形臨界速度である第1速度で移
動させ、このセンシング開始位置に到達した後は、第1
速度より緩減速しながらワークに向かって移動させるよ
うにしているので、使用する溶接ワイヤの弾性変形臨界
速度にばらつきがある場合でも、ワーク接触時に溶接ト
ーチから突出した部分の溶接ワイヤに塑性変形が生じる
ことを防止して、確実に正確なワーク位置を検出でき
る。これにより基準ワークと同種の各ワークにおいて、
溶接線に対して位置ずれのない正確な溶接を行うことが
できる。
第2実施例 第4図は本発明による第2実施例のワーク位置検出手
順のフローチャートであり、第5図に示す第4図でのト
ーチ移動動作の説明図をも参照しながら第2実施例を説
明する。
この実施例では、ワーク位置検出手順において、第1
実施例と異なる点について説明する。
ステップN6では、センシング開始位置PSから、溶接ト
ーチ(8)が緩減速されながら新ワーク(7b)に向かっ
て移動している状態である。ここで、新ワーク(7b)
は、基準ワーク(7a)より右側(溶接線進行方向側)に
位置ずれしてポジショナ(6)にセットされており、緩
減速されながら移動する溶接トーチ(8)がワーク教示
位置P2に到達したか否かをステップN8で判断する。そし
て、ワーク教示位置P2への到達が判断されると、つぎの
ステップN9において、溶接トーチ(8)がワーク教示位
置到達時の速度を維持して、新ワーク(7b)に向かって
移動ベクトル上を移動するように指令する。このステッ
プN8、N9が第1実施例と異なる。
そして、ステップN10で溶接トーチ(8)の移動停止
を指令すると、溶接トーチ(8)は、新ワーク(7b)の
ワーク位置PWよりも行き過ぎて停止する。続いて、ステ
ップN11で、溶接トーチ(8)を、第1速度より充分低
速の第2速度、すなわち、その速度が最大検出位置PEで
30cpmとなるように、停止から起動して緩加速しながら
後退させる。このステップN11が第1実施例と異なる。
以後の手順は第1実施例と同様である。
以上のようなこの実施例においても、第1実施例と同
様に、ワーク当接時のフラックス入り溶接ワイヤ(9)
の曲がりを、弾性変形の範囲内にとどめることができる
とともに、溶接ワイヤ(9)が溶接トーチ(8)の後退
に伴い略直線状となって新ワーク(7b)から極くわずか
に離れる位置で離反検出信号が得られ、この結果、新ワ
ーク(7b)の正確なワーク位置PWを検出できる。
そして、溶接トーチ(8)を、センシング開始位置PS
までは溶接ワイヤ(9)の弾性変形臨界速度である第1
速度で移動させ、教示されたワーク教示位置P2に達した
場合、つまり、基準ワーク(7a)の位置に対する新ワー
ク(7b)の位置ずれが大きい場合は、第1速度より低速
のワーク教示位置到達速度を維持して、新ワーク(7b)
に向かって移動させることによって、溶接トーチのワー
ク接触までに要する時間が長くならずに、ワーク位置検
出をなし得る。さらに、溶接トーチ(8)を新ワーク
(7b)から離反させる場合に、第1速度より充分低速の
第2速度で緩加速しながら起動することによって、起動
時の溶接ワイヤ振れによる通電検出手段の検出誤動作を
確実に防止できる。
第3実施例 第6図は本発明による第3実施例のワーク位置検出手
順のフローチャートであり、第7図に示す第6図でのト
ーチ移動動作の説明図をも参照しながら第3実施例を説
明する。新ワーク(7b)は、他の実施例と同様、第2図
(a)に示すように、基準ワーク(7a)より右側(溶接
線進行方向側)に位置ずれしてポジショナ(6)にセッ
トされている。
この実施例では、ワーク位置検出手順において、他の
実施例と異なる点について説明する。
センシング開始位置PSから緩減速されながら移動する
溶接トーチ(8)は、やがてワーク教示位置P2に到達す
るが、これをステップN8で判断する。
そしてワーク教示位置P2に達したら、ステップN9で、
溶接トーチ(8)を、トーチ移動線上をその速度が最大
検出位置PEで270cpmとなるように緩加速しながら移動す
るように指令する。このステップN9が他の実施例と異な
る。
ステップN9により、その速度が第1速度より低速の速
度で緩加速されながら新ワーク(7b)に向かって移動し
ている溶接トーチ(8)は、やがて新ワーク(7b)のワ
ーク位置PWに到達する。そして、ステップN7で通電検出
信号を検出し、ステップN10で溶接トーチ(8)の移動
停止を指令する。以後の手順は、第1実施例と同様であ
る。
以上のような実施例においても、前記した他の実施例
と同様に、ワーク当接時にフラックス入り溶接ワイヤ
(9)の曲がりを、弾性変形の範囲内にとどめることが
できるとともに、溶接ワイヤ(9)が溶接トーチ(8)
の後退に伴い略直線状となって新ワーク(7b)から極く
わずかに離れる位置で離反検出信号が得られ、この結
果、新ワーク(7b)の正確なワーク位置PWを検出でき
る。
また、センシング開始位置PSまでは第1速度として溶
接ワイヤ(9)の弾性変形臨界速度で溶接トーチ(8)
を移動させたのち、溶接トーチ(8)がワーク教示位置
P2に達した場合は、溶接トーチ(8)を第1速度より低
速の速度で緩加速しながら移動させることによって、溶
接トーチのワーク接触までに要する時間が長くならず
に、ワーク位置検出をなし得る。
以上、各実施例を説明したが、これらの各実施例で
は、トーチ移動線を移動開始位置からワーク教示位置を
最短距離で通る直線としたが、教示されたワーク位置
(ワーク教示位置)に対するワークのずれ方によって
は、例えば、移動開始位置からワーク教示位置を通るト
ーチ移動線を状に設定し、この屈折点をセンシング開
始位置に設定するようにしてもよい。
また、センシング開始位置からワークに至るまでの溶
接トーチの移動速度パターンと、溶接トーチのワークか
らの離反速度パターンとは、ワークのずれ方および溶接
ワイヤの特性に応じて、最もワーク位置検出時間が短縮
でき、かつ、確実で正確にワークの位置が検出できるよ
うに各種の移動速度パターンを組合わせることが可能で
ある。
そして、各実施例では、教示されたワーク位置に対し
て、溶接線方向に位置ずれしたワークの位置を検出する
場合について説明したが、本発明による方法は、これに
限定されるものではなく、例えば、ワークの溶接線の溶
接開始位置の検出、ワークの溶接終了位置を事前に探っ
て行う溶接長の検出や、ワークの開先ギャップの検出な
どにも適用される。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明による記憶・再生型自動
溶接装置におけるワーク位置検出方法によると、溶接ト
ーチにセンシング電圧を印加し、その溶接トーチから所
定長さ突出した溶接ワイヤ(消耗電極)とワークとの接
触による通電を検出する通電検出手段を用いて、教示し
たワーク位置に対する各ワークごとの実際のワーク位置
を検出するに際し、溶接トーチから突出した溶接ワイヤ
がワークに当たって接触する時の溶接トーチの移動速度
が溶接ワイヤに塑性変形が生じる速度以下になるように
途中より減速させるようにしたものであるから、溶接ト
ーチをワークに接近させるときのトーチ移動開始からワ
ーク接触までに要する時間が長くならずに、溶接トーチ
から突出した溶接ワイヤにワーク位置検出誤差を招く塑
性変形が生じることを防止して、確実に正確なワーク位
置を検出でき、これによって塑性変形しやすいフラック
ス入り溶接ワイヤを用いる場合にも、各ワークにおいて
溶接線に対して位置ずれのない正確な溶接を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第1実施例のワーク検出手順のフ
ローチャート、第2図(a)、第2図(b)、及び第3
図は第1図での溶接トーチ移動動作の説明図、第4図は
本発明による第2実施例のワーク検出手順のフローチャ
ート、第5図は第4図での溶接トーチ移動動作の説明
図、第6図は本発明による第3実施例のワーク検出手順
のフローチャート、第7図は第6図での溶接トーチ移動
動作の説明図、第8図はアーク溶接ロボットの構成説明
図、第9図は、本発明による第1乃至第3実施例におけ
る第8図に示すアーク溶接ロボットへの教示手順説明図
である。 (1)…アーク溶接ロボット、(2)…アーク溶接ロボ
ット本体、(3)…ロボット制御盤、(4)…溶接電
源、(5)…教示箱、(6)…ポジショナ、(7)…ワ
ーク、(7a)…基準ワーク、(7b)…新ワーク、(8)
…溶接トーチ、(9)…溶接ワイヤ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接トーチにセンシング電圧を印加し、溶
    接トーチから突出した消耗電極とワークとの接触による
    通電を検出する通電検出手段を有し、基準ワークにおけ
    るそのワーク位置が基準ワークのワーク教示位置として
    教示されるとともに、前記ワーク教示位置への溶接トー
    チの移動開始位置が教示された記憶・再生型自動溶接装
    置におけるワーク位置検出方法において、前記基準ワー
    クと同種のワークについてワークごとのそのワーク位置
    を検出するに際し、 (a)前記教示された前記移動開始位置から前記ワーク
    教示位置を通るトーチ移動線上の前記両位置の間にセン
    シング開始位置を設定し、 (b)このセンシング開始位置に溶接トーチを前記移動
    開始位置から所定の第1速度で移動させ、 (c)センシング開始位置に溶接トーチが達したのち、
    溶接トーチにセンシング電圧を印加するとともにその溶
    接トーチをワークに向かってトーチ移動線上を減速させ
    ながら移動させ、 (d)この溶接トーチの移動を前記通電検出手段からの
    通電検出出力によって停止させ、 (e)続いて、この通電検出出力によって溶接トーチを
    ワークから離反する方向に前記第1速度より低速の第2
    速度で移動させ、 (f)ワークからの前記消耗電極の離反を前記通電検出
    手段によって検出し、 (g)この通電検出手段から出力される離反検出信号を
    得ること、 を特徴とする記憶・再生型自動溶接装置におけるワーク
    位置検出方法。
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