JPH0824965A - プレス機械における位置合わせ用ガイドプレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期調整を容易に行うことができ、また摩耗
に対する修復を短時間で容易に行うことができるプレス
機械における位置合わせ用ガイドプレートを提供するこ
とにある。 【構成】 位置合わせ用ガイドプレート１は、上型に取
り付けられる取り付け部２と、取り付け部２に一体的に
形成された案内部３と、案内部３の前面４並びに前面４
に隣接する両側面５及び６の三面のそれぞれに、取り外
し自在に固定された摺動部材９、１０及び１１とを具備
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレス機械における位
置合わせ用ガイドプレートに関する。

【０００２】

【従来の技術】プレス機械においては、従来は、例えば
基台（ポンチプレート）上にブランクホルダとポンチと
からなる下型を配し、ラムに取り付けられた上型を下型
上方に配し、ラムの作動で上型を下型に向かって押下
し、上型と下型との間に配された板体に絞り加工などを
施すようにしている。そして下型のポンチは基台にボル
トなどにより固定される一方、クッションピンにより上
下方向に可動に支持されたブランクホルダは、基台に対
して若干横方向に可動になるようにして、当該基台に植
設されたラフガイドピンに保持されており、上型又は下
型には、上型の下降における上型と下型との位置合わせ
のために、ガイドプレートが取り付けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで従来のガイド
プレートの一つは、上型又は下型に取り付けられる取り
付け部と、焼入れを施されて必要により表面に固体潤滑
剤が埋め込まれた摺動部とが一体に形成された板体から
なるため、例えば組付け誤差などにより上型に対して下
型が横方向に変位している場合には、ガイドプレートの
摺動部自体を肉盛り又は切削したり、ガイドプレートが
嵌入する上型又は下型の案内溝を肉盛り又は切削した
り、場合により新な他のガイドプレートを用意する必要
があり、初期調整に困難を伴いかなりの時間を要する虞
がある。また、多数回のプレス作業を繰り返すとガイド
プレートの摺動部又は上型若しくは下型の案内溝に摩耗
が生じるが、従来ではこのようなものの修復において
は、上型又は下型の案内溝に肉盛り溶接を施すと共に、
そこに機械加工を施し平坦にして再び摺動面としたり、
或いは若干大きめの新なガイドプレートに取換え、上型
又は下型の案内溝をこの新なガイドプレートに対応する
ように機械加工を施したりしているため、かなりの時間
と手間とを要し、生産性が比較的悪いものである。

【０００４】上記のような問題は、下型に対して上型を
位置決めする場合に限って生じるものでなく、例えば下
型側の部材である基台に対して同じく下型側の部材であ
るブランクホルダを位置決めする場合、また、基台に対
してブランクホルダ及び上型を位置決めする場合等にお
いても生じるのである。

【０００５】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、初期調整を容易に
行うことができ、また摩耗に対する修復を短時間で容易
に行うことができるプレス機械における位置合わせ用ガ
イドプレートを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、上型側の部材又は下型側の部材に取り付けられる取
り付け部と、この取り付け部に一体的に形成された案内
部と、この案内部の四面にうちで上型側の部材又は下型
側の部材に対する位置合わせ面に、取り外し自在に固定
された摺動部材とを具備したプレス機械における位置合
わせ用ガイドプレートによって達成される。

【０００７】本発明の一つの好ましい例では、案内部の
位置合わせ面は、段差部を介して当該位置合わせ面に隣
接する取り付け部の面に対して低くなっている。また、
他の好ましい例では、案内部の位置合わせ面は、上型側
の部材又は下型側の部材に対面する取り付け部の面に隣
接する前面と、この前面に隣接する両側面との三面から
なっている。

【０００８】

【作用】本発明のガイドプレートは、取り付け部が例え
ば上型に取り付けられてプレス機械の上型と下型との位
置合わせに用いられる。ラムの作動により上型が下型に
向かって下降されると、上型に対する下型の位置合わせ
面に摺動部材が取り外し自在に固定されて、取り付け部
に一体的に形成された案内部は、下型に形成された案内
溝に嵌入され、而して本ガイドプレートにより上型に対
して下型が案内、位置決めされて、上型と下型との間に
配された板体に例えば絞り加工が施される。そして初期
調整時に摺動部材と案内溝との間に隙間が生じる場合に
は、摺動部材を取り外して、摺動部材と案内部の位置合
わせ面との間に、隙間幅に対応する厚みを有したシムを
挟んで再び摺動部材を案内部の位置合わせ面に固定する
ことにより、摺動部材と案内溝との間を隙間のないもの
にし得、ラムの作動による上型の下降で、下型を上型に
対して案内、位置決めすることができる。

【０００９】以下本発明を、図に示す好ましい一具体例
に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら
具体例に何等限定されないのである。

【００１０】

【具体例】図１及び図２において、本例のプレス機械に
おける位置合わせ用ガイドプレート１は、上型側の部材
又は下型側の部材に取り付けられる、本例では、上型側
の部材である上型に取り付けられる取り付け部２と、取
り付け部２に一体的に形成された案内部３と、案内部３
の四面４、５、６及び７のうちで上型側の部材又は下型
側の部材に対する位置合わせ面、本例では四面４、５、
６及び７のうちで、上型に対面する取り付け部２の面８
に隣接する前面４並びに前面４に隣接する両側面５及び
６の三面のそれぞれに、取り外し自在に固定された摺動
部材９、１０及び１１とを具備している。

【００１１】案内部３の前面４並びに両側面５及び６
（位置合わせ面）は、段差部２１、２２及び２３を介し
て当該前面４並びに両側面５及び６に隣接する取り付け
部２の面８並びに両側面２４及び２６に対して低くなっ
ている。摺動部材９はねじ３１を介して前面４に、摺動
部材１０はねじ３２を介して側面５に、そして摺動部材
１１はねじ３３を介して側面６に、それぞれ段差部２
１、２２及び２３に端面がぴったりと当接してかつ取り
外し自在に固着されている。摺動部材９、１０及び１１
のそれぞれの下端の外表面側は、案内されやすくするた
めテーパ付けされている。取り付け部２には、貫通孔４
１が形成されており、貫通孔４１にねじが適用されるこ
とにより、取り付け部２は上型に取り付けられる。

【００１２】以上のようなガイドプレート１は、例えば
図３に示すようなプレス機械５１の上型５２の凹所５２
ａに取り付け部２が嵌合されて、貫通孔４１に適用され
たねじ５３により上型５２に取り付けられて使用され
る。ここで、プレス機械５１は、基台（ポンチプレー
ト）６１と、基台６１上に配されたブランクホルダ６２
及びブランクホルダ６２内に配されたポンチ６３からな
る下型６４と、上面６５でラム（図示せず）に連結され
る前記の上型５２と、ブランクホルダ６２を貫通して基
台６１に植設されたラフガイドピン６６とを具備し、下
型６４のポンチ６３が基台６１にボルト６７などにより
固定されている一方、ブランクホルダ６２が基台６１に
対して若干横方向に可動になるようにして、ラフガイド
ピン６６により上下動自在に保持されてなる。基台６１
側には、当該基台６１を貫通してブランクホルダ６２に
一端が当接してなるクッションピン６８が設けられてお
り、クッションピン６８は、上型５２が下降されない際
に、プレス加工されるべき板体６９をポンチ６３と共に
受容するように、ブランクホルダ６２を上昇位置に配す
る。ブランクホルダ６２の外面には、ガイドプレート１
の案内部３が摺動部材９、１０及び１１を介して嵌合し
得る案内溝７０が形成されている。ラフガイドピン６
６、ガイドプレート１及び案内溝７０は、図示の例では
それぞれ一個設けられているが、上型５２と下型６４と
の位置合わせのため必要数設ける。

【００１３】プレス機械５１は、ラムの作動で上型５２
を下型６４に向かって、すなわちＡ方向に下降させ、上
型５２と下型６４との間に配された板体６９に図３に示
すように絞り加工などを施すようにしている。上型５２
に取り付けられたガイドプレート１は、上型５２の下降
と共に下降され、この下降においてその案内部３が摺動
部材９、１０及び１１を介してブランクホルダ６２の案
内溝７０に嵌合し、これにより上型５２に対して下型６
４が位置合わせされる。ラムの逆作動で上型５２は上昇
位置に配され、絞り加工された板体６９は、下型６４か
ら取り外されるようになっている。

【００１４】ところで、ブランクホルダ６２の案内溝７
０の加工誤差等により、初期組み付け時に、図４に示す
ように、案内溝７０が正規の位置から左にずれる場合、
本例のガイドプレート１では、ねじ３２を外して摺動部
材１０と側面５との間にシム８１を挟んでこれらを再び
ねじ３２により側面５に固着する一方、ねじ３３を外し
て摺動部材１１をこれよりも薄い厚みの摺動部材１１に
取り換えてこれを再びねじ３２により側面６に固着す
る。案内溝７０が正規の位置から右にずれる場合も同様
であって、側面５の摺動部材１０を薄い摺動部材１０に
取り換え、側面６にシムを挟んで摺動部材１１を再度固
着する。更に、摺動部材９についても同様であって、よ
り薄い摺動部材９に取り換えたり、シムを挟んだりし
て、初期調整を行う。また、多数回のプレス作業を繰り
返して、摺動部材９、１０及び１１のいずれかに摩耗が
生じて、案内溝７０との間に隙間が生じる場合には、摩
耗した摺動部材を取り換えるか、それに前記と同様にシ
ムを用いればよい。

【００１５】以上のように本例のガイドプレート１で
は、ねじの取り外し、取り付けで短時間で簡単に初期調
整、修復調整を行うことができる。

【００１６】本例のガイドプレート１はまた図５及び図
６に示すようにして用いてもよい。図５においては、一
方のガイドプレート１は、プレス機械５１の上型５２の
凹所８１に取り付け部２が嵌合されて貫通孔４１に適用
されたねじ８２により上型５２に取り付けられ、当該ガ
イドプレート１の案内部３が基台６１の外面に形成され
た案内溝８３に摺動部材９、１０及び１１を介して嵌合
し得るようになっている。したがってこの場合でも当該
一方のガイドプレート１は、基台６１に対して上型５２
を相対的に位置決めする。図５において他方のガイドプ
レート１は、プレス機械５１の基台６１の凹所８５に取
り付け部２が嵌合されて貫通孔４１に適用されたねじ８
６により基台６１に取り付けられ、当該ガイドプレート
１の案内部３の摺動部材９のみがブランクホルダ６２の
外面に摺動自在に当接し得るようになっている。したが
ってこの場合では当該他方のガイドプレート１は、基台
６１に対してブランクホルダ６２を相対的に位置決めす
る。また、図６においては、ガイドプレート１は、プレ
ス機械５１の基台６１の凹所８５に取り付け部２が嵌合
されて貫通孔４１に適用されたねじ８６により基台６１
に取り付けられ、当該ガイドプレート１の案内部３の摺
動部材９のみがブランクホルダ６２及び上型５２の外面
に摺動自在に当接し得るようになっている。したがって
この場合では当該ガイドプレート１は、基台６１に対し
てブランクホルダ６２及び上型５２を相対的に位置決め
する。

【００１６】以上のようにガイドプレート１は、プレス
機械における種々の案内、位置合わせに適用し得、この
ように適用しても、初期調整を容易に行うことができ、
また摩耗に対する修復を短時間で容易に行うことができ
る。

【００１７】

【発明の効果】前記のように本発明によれば、摺動部材
が、案内部の位置合わせ面に取り外し自在に固定されて
いるため、初期調整を容易に行うことができ、また摩耗
に対する修復を短時間で容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい一具体例の正面図である。

【図２】図１に示すＩＩ−ＩＩ線断面図である。

【図３】図１に示す具体例をプレス機械の上型に取り付
けた説明図である。

【図４】図１に示す具体例の作用の説明図である。

【図５】図１に示す具体例をプレス機械の基台及び上型
に取り付けた説明図である。

【図６】図１に示す具体例をプレス機械の基台及び上型
に取り付けた説明図である。

【符号の説明】

１ ガイドプレート ２ 取り付け部 ３ 案内部 ４ 前面 ５、６ 側面 ９、１０、１１ 摺動部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上型側の部材又は下型側の部材に取り付
   けられる取り付け部と、この取り付け部に一体的に形成
   された案内部と、この案内部の四面にうちで上型側の部
   材又は下型側の部材に対する位置合わせ面に、取り外し
   自在に固定された摺動部材とを具備したプレス機械にお
   ける位置合わせ用ガイドプレート。
2. 【請求項２】 案内部の位置合わせ面は、段差部を介し
   て当該位置合わせ面に隣接する取り付け部の面に対して
   低くなっている請求項１に記載のプレス機械における位
   置合わせ用ガイドプレート。
3. 【請求項３】 案内部の位置合わせ面は、上型側の部材
   又は下型側の部材に対面する取り付け部の面に隣接する
   前面と、この前面に隣接する両側面との三面からなる請
   求項１又は２に記載のプレス機械における位置合わせ用
   ガイドプレート。