JPH0824926A - 金属帯の製造方法 - Google Patents

金属帯の製造方法

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JPH0824926A
JPH0824926A JP6163603A JP16360394A JPH0824926A JP H0824926 A JPH0824926 A JP H0824926A JP 6163603 A JP6163603 A JP 6163603A JP 16360394 A JP16360394 A JP 16360394A JP H0824926 A JPH0824926 A JP H0824926A
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信太郎 兼安
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属帯の圧延時にその始端部分と終端部分と
を効率的に付加しておいて、実質的な製品歩留りを向上
させる。 【構成】 先行金属帯の終端であるボトム部分37と、
後行金属帯の始端であるトップ部分36とは、溶接部分
35で接合される。#1スタンド21、#2スタンド2
2および#3スタンド23で構成されるタンデム式冷間
圧延設備では、ライン停止せずにゲージ変更しながら、
トップ部分36およびボトム部分37を残余の部分と区
分けされる予め定める板厚に圧延する。走間剪断機32
によって溶接部分35付近を切離した後の金属帯には、
予め定める板厚のトップ部分36とボトム部分37とが
効率的に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、普通鋼、ステンレス鋼
などの特殊鋼、あるいは銅やアルミニウムなどの非鉄や
非鉄合金などを含む金属帯を冷間圧延し、予め設定され
る板厚仕様および表面仕様などを満足させる金属帯の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属帯1の冷間圧延には、図5
に示すようなレバース式圧延機2が使用される場合があ
る。レバース式圧延機2は、一対のテンションリール3
a,3b間に配置され、通板方向を切換えながら複数の
パスで金属帯1をレバース圧延する。金属帯1が、ステ
ンレス鋼帯である場合などは、変形抵抗が大きく加工硬
化しやすいために、金属帯1を上下両面から押圧するワ
ークロール4a,4bの径が小さいゼンジミア圧延機や
ローン圧延機などのクラスタ形多段圧延機が多用され
る。すなわちワークロール4a,4bを、上下からサポ
ートロール5a,5b,6a,6bおよびバックアップ
ロール7a,7bによって補強し、ワークロール4a,
4bが小径であるために避けられない剛性の低下を補っ
ている。
【0003】レバース式圧延機2では、圧延に必要な金
属帯1の張力を、レバース式圧延機2と各テンションリ
ール3a,3bとの間で発生させてから圧延を行ってい
る。このため、レバース式圧延機2の両側に、少なくと
もLaおよびLbの長さの金属帯1が必要である。レバ
ース式圧延機2とテンションリール3a,3b間に必要
な金属帯1の長さをDa,Dbとし、各テンションリー
ル3a,3bに2〜3回金属帯1を巻付けて緊張させる
ために必要な長さをRa,Rbとすれば、圧延張力を得
るために必要な金属帯1の長さLa,Lbは、次の第1
式および第2式でそれぞれ表される。
【0004】 La=Da+Ra …(1) Lb=Db+Rb …(2) レバース式圧延機2を用いる金属帯1の圧延は、一方の
テンションリール3a,3bからデフレクタロール8
a,8bを経て供給される金属帯1を、他方側のデフレ
クタロール8a,8bを経てテンションリール3a,3
bに巻取る。この際に、通常冷間圧延は金属帯1に張力
を張ったままの状態で行われるため、その金属帯1の終
端は供給側のテンションリール3a,3bに巻付けたま
まの状態で残しておかなければならない。このため、前
述の長さLa,Lbの部分はレバース式圧延機2では圧
延することができず、板厚についての製品仕様を満足す
ることができない未圧部、すなわち未圧屑となり、製品
の製造歩留りを大きく低下させる。金属帯1がステンレ
ス鋼帯などで、その材料の単価が高い場合は、金属帯の
始端と終端とに接合し直しては寿命まで繰返し使用され
るサービステールと称される別の材料を接合し、レバー
ス式圧延機2で必要となる圧延張力を確保する場合もあ
る。この場合、別の材料としては、材料強度、接合強度
(たとえば溶接強度)、耐酸性、耐熱性などを有する金
属材料が望まれる。したがって、たとえば板厚不良や表
面疵などの理由でもって既に屑化されているステンレス
鋼帯やこのサービステール用に製作された金属帯などが
好ましく用いられる。このように、金属帯1の製造工程
の少なくとも途中の段階では、金属帯1を巻取ったコイ
ル9の始端と終端とには、最終的な金属帯1の製品とし
ては使用しない部分が付加されることがある。
【0005】図6は、金属帯のコイル9を工程間で一時
的に保管したりするコイル取扱いヤード10の構成を示
す。コイル取扱いヤード10におけるコイル9の搬送
は、このヤード10を含めて自動搬送化、無人搬送化さ
れており、たとえば天井走行クレーン11によって無人
状態で行われる。天井走行クレーン11には、基板1
2、把持部13および支持部14などが設けられ、コイ
ル9を吊下げて搬送する。天井走行クレーン11は、工
場建屋の壁15上に設けられる一対の走行レール16,
17間にまたがって、走行レール16,17間で支持さ
れ、走行レール16,17に沿って往復移動可能であ
る。基板12以下の部分は、横行レール18,19に沿
って、走行レール16,17と垂直な方向に移動可能で
ある。このような天井走行クレーン11によって搬送さ
れるコイル9は、工場建屋の床20上に載置され、場合
によっては2段積みないし多段積みされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図5に示すようなレバ
ース式圧延機2を用いる冷間圧延では、金属帯1の始端
と終端とに圧延が不可能な未圧部が生じるので、未圧屑
となって製造歩留りを大幅に低下させる。金属帯1がス
テンレス鋼帯などで、比較的材料単価が高い場合は、サ
ービステールと称される他の材料による薄板を始端と終
端とに取付け、未圧屑の発生を防止するけれども、サー
ビステールを接合するための設備やサービステールその
ものの費用や作業費などが新たに発生しコストアップに
つながる。従来は、未圧屑として捨てる場合の費用と、
サービステールを取付ける作業費等々とを勘案し、金属
帯1の厚みが基準値よりも厚い場合には、未圧屑のコス
トがサービステール取付けの作業コストを上まわるの
で、サービステールを取付けるように標準化している。
【0007】しかしながら、サービステールは、レバー
ス式圧延機2を用いる冷間圧延の際に必要な張力を発生
させるために取付けるので、接合部の機械的強度が大き
い必要がある。安価な材料は、材料自体に付加すること
ができる張力が限られる。また、サービステールと金属
帯1とが異なる材料であったり、金属帯1自体の溶接が
どのようなサービステール材質のものと組合せてもその
強度上、弱いものであったりすると、このような溶接な
どによって接合する部分の強度がどうしても不足したり
あるいは溶接施工部の異常が発生したりして、実圧延時
に溶接部破断による多大なトラブルが発生する。
【0008】一方、図6に示すようなコイル取扱いヤー
ド10では、コイル9の内周部を天井走行クレーン11
の把持部13で把持したり、コイル9の外周部を床20
上に一段または多段に積重ねたりしている。その他、コ
イル9の取扱いでは、たとえばフオークリフトのフォー
クをコイル9の内空間に差入れてコイル9を持上げなが
ら、運搬することも多い。このようにコイル9の取扱い
や運搬時にはコイル9の内周部がフォークリフトのフォ
ークなど他の物体と触れて疵がつきやすく、保管状態で
はその外周部が床20上や他のコイルに押圧され接触し
て疵がつきやすい。このコイル9の内周部には、最初に
テンションリールに巻付けられる始端部が存在し、コイ
ル9の外周部には最後にテンションリールに巻取られる
終端部が存在する。このようにコイル9として巻取られ
た金属帯1の始端部と終端部とは、コイル9の工程間に
おける取扱いなどによって疵が発生しやすく、製品とし
て要求される表面品質を満たすことが困難である。この
ようなコイル9の多くの取扱いなどにおいて、コイル9
として巻取られた金属帯1の始端部と終端部に対応する
部分に、繰返し使用可能で疵が発生しても何ら支障のな
い前記サービステールを接合することが行われていたの
である。
【0009】本発明の目的は、金属帯の圧延時に、圧延
により金属帯の薄手の始端部分と終端部分とを効率的に
付加しておいて、その後の圧延を何らトラブルなく安定
して圧延できるように、またその後の圧延を含めて加工
処理される際に金属帯自体の表面に疵などを発生させな
いようにして、実質的に金属帯の製造歩留りを向上させ
低コストで製造することができる金属帯の製造方法を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一連の焼鈍お
よび脱スケール装置に後続して配設されるタンデム式冷
間圧延設備に、複数のコイル状金属帯を供給し、先行金
属帯の終端と後行金属帯の始端とを順次接合しながら連
続通板し、圧延後の金属帯の接合部を切離し、各コイル
毎に巻取る際に、切離されてコイルとして巻取られる金
属帯の始端から予め定める長さの始端部分、および終端
から予め定める長さの終端部分を、残余の部分の金属帯
の板厚に対して区分けして予め定める板厚に圧延するこ
とを特徴とする金属帯の製造方法である。
【0011】また本発明の前記始端部分は先行金属帯と
同一条件で圧延し、前記終端部分は後行金属帯と同一条
件で圧延することを特徴とする。
【0012】また本発明の前記切離されてコイルとして
巻取られる金属帯は、さらにレバース式圧延機によって
冷間圧延され、前記先端部分および前記後端部分を、レ
バース式圧延機の未圧部に対応させることを特徴とす
る。
【0013】また本発明の前記金属帯は、ステンレス鋼
帯であり、光揮熱処理を受けることを特徴とする。
【0014】また本発明の前記始端部分および前記終端
部分を、金属帯コイルを取扱う際に損傷を受けやすい部
分に対応させることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明に従えば、一連の焼鈍および脱スケール
装置に後続配設されるタンデム式冷間圧延設備に複数の
コイル状金属帯を供給し、先行金属帯の終端と後行金属
帯の始端とを順次接合しながら連続通板するので、1つ
のコイルの先端部と始端部とを他のコイルからの金属帯
と接合した状態で圧延することができる。一連の焼鈍お
よび脱スケール装置に後続配設されるタンデム式冷間圧
延設備で始端部分と終端部分とを圧延するので、金属帯
の製造において焼鈍および脱スケールが必要な場合は、
同時に板厚の薄い始端部分と終端部分とを効率的に得る
ことができる。金属帯の始端部分と終端部分とが薄く圧
延されているので、最終的に未圧部となったりあるいは
表面疵などが発生したりして屑となる場合であっても、
製品化する上で製造歩留りを向上させ低コストで製造す
ることができる。
【0016】また本発明に従えば、始端部分および終端
部分は、先行金属帯および後行金属帯とそれぞれ同一条
件で圧延するので、複数のコイルからの金属帯を順次圧
延する際に、金属帯間の接合部の前後を同一条件で圧延
することができる。このため接合部がタンデム冷間圧延
設備の各スタンドを通過する際の切換え操作が簡単にな
り、効率的に始端部分と終端部分との圧延を行うことが
できる。
【0017】また本発明に従えば、始端部分と終端部分
とを薄く圧延された金属帯は、さらにレバース式圧延機
によって圧延されることがある。この場合でもレバース
式圧延機では、圧延張力を確保するために未圧部分が必
要となるけれども、前もって未圧部分に対応する始端部
分と終端部分とを付加し薄くしてあるので、未圧屑とな
る部分が実質的に減少し、製造歩留りを向上させること
ができる。
【0018】また、前述の如くステンレス鋼帯などの比
較的単価の高い金属帯を圧延し種々の工程で加工処理し
ながら製造してゆく場合には、金属帯の始端と終端にサ
ービステールを接合(溶接)して製造しているが、この
ようにサービステールを用いる場合の諸々の費用総額よ
りもこの未圧屑となる部分に要する費用総額が下回るこ
とができるように薄引圧延板厚にすることによって、か
かるサービステールの製作手配、接合(溶接)取付けお
よび取外し(切離し)作業、これらの作業に付随して発
生して必要な諸々のライン内外における諸設備や装置、
場所(スペース)、配員、比例消耗材料が必要となり、
コストダウンなどにつながる。そして、かかるサービス
テールの製作手配、接合(溶接)取付けおよび取外し
(切離し)作業が不要となるので、作業性改善、能率や
生産性の向上、省力や省工程、顧客への製品納期短縮な
どにつながる。
【0019】また本発明に従えば、ステンレス鋼帯を光
揮熱処理してレバース式圧延機で圧延するための未圧部
を、予め始端部分と終端部分とに形成しておく。光揮熱
処理されるステンレス鋼帯は、必要な表面仕上げ状態を
得るためにレバース式圧延機によって圧延される場合が
多く、その圧延のパス数も多い。繰返してレバース圧延
された部分は製品として歩留りよく利用することができ
るので、効率的な金属帯の製造が可能となる。
【0020】また本発明に従えば、金属帯コイルを取扱
う際に損傷を受けやすい部分に対応させて始端部分およ
び終端部分を形成する。金属帯コイルを取扱う際には、
内周側と外周側が損傷を受けやすい。金属帯の始端部分
は巻取られて内周側となり、終端部分は巻取られて外周
側となるけれども、内周側と外周側との板厚が薄くなっ
ているので、損傷を受けやすい部分を最終的な製品から
除外しても、製造歩留りの低下を小さくし低コスト化を
実現することができる。
【0021】
【実施例】以下図面によって、本発明の実施例を説明す
る。図1は、本発明の一実施例を示すタイムチャート、
図2は図1に示す実施例に関連するタンデム式冷間圧延
設備の構成を示す簡略化した正面図、図3は図1の実施
例によって圧延される金属帯を示す正面図、図4は図3
の金属帯の部分的な正面図である。
【0022】図1(1)および図2において、タンデム
式冷間圧延設備は、#1スタンド21、#2スタンド2
2および#3スタンド23から成る圧延機と、2Hロー
ル24を含んで構成される。#1スタンド21は4重圧
延機であり、#2スタンド22および#3スタンド23
は6重圧延機である。2Hロール24は、実質的に通板
されるステンレス鋼帯25に圧延に必要な前方張力を付
与するための張力付与装置として用いられている。圧延
されたステンレス鋼帯25は、テンションリール26に
よって巻取られる。#1スタンド21の上流側には、後
方張力を付与するためのブライドル装置27が設けられ
ている。
【0023】このようなタンデム式冷間圧延設備は、本
件出願人が、特開平5−212410号公報や特開平5
−228504号公報で開示しているステンレス鋼帯用
の一連の連続焼鈍装置および脱スケール装置に後続配設
される多機能形の冷間圧延設備であり、#1スタンド2
1のみを使用する場合もある。このため#1スタンド2
1と#2スタンド22との間には、剪断機28、デフレ
クタロール29およびテンションリール30も設けられ
ている。また#1スタンド21と#2スタンド22との
間の距離が長くなるので、センタリング装置31も設け
られている。#1スタンド21のみを用いる場合は、#
1スタンド21を2重圧延機の構成に切換え、調質圧延
を行う場合もある。この設備工程でステンレス鋼帯25
を圧延し、次工程として光揮熱処理を必要とする場合
も、#1スタンド21のみを用いて圧延し、圧延後のス
テンレス鋼帯25を引続き別工程のレバース式圧延機で
圧延することができる。しかしながら、本実施例では、
光揮熱処理を行う金属帯25に対しても、#2スタンド
22および#3スタンド23をも使って圧延する。
【0024】2Hロール24の下流側には、金属帯25
の通板と同調して走行しながら金属帯2を剪断する走間
剪断機32、デフレクタロール33および先端案内装置
34が設けられる。先端案内装置34は、走間剪断機3
2によって切離された後行金属帯の先端を把持して誘導
案内する。この間に先行金属帯は高速度でテンションリ
ール26に巻取られる。
【0025】図1(2)は、金属帯25の通板速度の変
化を示す。先行金属帯の圧延中は、たとえば40mpm
である速度V1で通板し、図1(3)に示すように先行
金属帯と後行金属帯との接合部である溶接部分(WP)
35の後方に設けられ、後行金属帯の先端部分であるト
ップ部分36と、先行金属帯の終端部分であるボトム部
分37とが通過しようとする際にはたとえば30mpm
である速度V2に減速する。ボトム部分37の先端部、
つまり溶接部分35が#1スタンド21に到達したら、
ライン停止せずに走間のまま、#1スタンド21のゲー
ジ変更を行う。図1(4)に示すように、溶接部分3
5、トップ部分36およびボトム部分37の後端部が#
1スタンド21を通過時、再びライン停止することなく
#1スタンドのゲージ変更を行う。図1(5),(6)
に示すように、ボトム部分37の先端が#2スタンド2
2または#3スタンド23に到達したらライン停止せず
に走間にて#2スタンド22または#3スタンド23の
ゲージ変更を行う。いずれにしても、溶接部分35が通
過する際には、ライン停止することなくそのまま圧延し
てしまう。図1(7)に示すように、トップ部分36の
終端が#2スタンド22の通過時に再びライン停止する
ことなく#2スタンド22のゲージ変更を行う。また、
図1(8)に示すように、トップ部分36の終端が#3
スタンド23の通過時に再びライン停止することなく#
3スタンド23のゲージ変更を行う。さらに、溶接部分
35が2Hロール24を通過した時点で走間剪断機32
により走間剪断可能な速度まで減速する。
【0026】図1(9)に示すように、溶接部分35が
走間剪断機(シャー)32に達すると、金属帯25を走
間剪断し、先行金属帯のボトム部分37を後行金属帯の
通板速度V3よりも高速なV4の通板速度で急速に巻取
る。V3,V4はたとえば10mpm,30mpmであ
る。この間後行金属帯のトップ部分36は、図1(1
0)に示すように、先端案内装置34によって比較的低
速なV3で案内される。このように、先行金属帯と後行
金属帯とが材質、形状において同一または一定の範囲内
であれば、溶接部分35をその通板を停止しないでその
まま圧延することができ、効率的である。
【0027】図3は、金属帯25に付加されるトップ部
分36とボトム部分37の形状変化を示す。トップ部分
36は、圧延前にはL10の長さがあり、圧延後にはL
11に延びる。ボトム部分37は圧延前にはL20の長
さがあり、圧延後にL12に延びる。トップ部分36お
よびボトム部分37を除く残余の部分は、粗延部分38
となり、圧延前より少し延びた状態となる。
【0028】図4は、トップ部分36と粗延部分38の
境界付近の板厚変化を示す。トップ部分36には、強圧
下部39と走間ゲージ変更部48が含まれる。粗延部分
38は、#1スタンド21、#2スタンド22および#
3スタンド23によって30%以下、多くは数%程度の
圧下率で粗延され、厚みがt11、t12およびt13
に変化する。強圧下部39は、#1スタンド21、#2
スタンド22および#3スタンド23によって30%以
上の圧下率で強圧下され、厚みがt21、t22および
t23に変化する。走間ゲージ変更部48では、通板を
停止せずにワークロール間隔を変化させながら、強圧下
により段々に板厚が変化している。
【0029】さて、以上に図3および図4により金属帯
25のトップ部分36およびボトム部分37を除く残余
の部分が、より肉厚の粗延部分38となるように粗延さ
れる実施例について説明してきたのであるが、必ずしも
そうする必要はなく、この肉厚の粗延部分38をこのト
ップ部分36およびボトム部分37の板厚と同程度かそ
れ以上に、つまり予め金属帯25に定められている薄肉
の目標板厚によるように精度良く強圧下圧延しても当然
よいのである。そして、この金属帯25に圧延付加され
たトップ部分36およびボトム部分37が以後の圧延や
焼鈍脱スケールや光輝熱処理などなど幾多の設備装置工
程を経て製造され製品化する過程で、製造ルーティング
上で真に不要になった時点で、前述の如きサービステー
ルとして用いられてきて役目を終えたかかるトップ部分
36およびボトム部分37の取外し(切離し)作業を行
えばよいのである。すなわち、トップ部分36およびボ
トム部分37は残余の部分の金属帯38の板厚に対して
区分けして予め定める板厚に圧延すればよい。
【0030】しかし、先に説明した肉厚の粗延部分38
となるように粗延される実施例は、たとえば以下に説明
するような理由によって多用されており有効なのであ
る。
【0031】たとえば熱間圧延を終えたステンレス鋼帯
などの金属帯25を焼鈍など熱処理かつ脱スケール処理
し、金属帯25の表面に種々の疵や不良皮膜層が残存し
ているのでこれらを除去してやるために砥粒を有するエ
ンドレス回転ベルトを備える研摩装置によって研摩し、
その後にかかる金属帯25を本格的に冷間圧延する場合
に非常に有効なのである。この場合に、前述の如く肉厚
の粗延部分38となるように数%程度の粗延を行わず
に、仮に所定の全圧下率の途中に至るまで強圧下圧延を
行い、次いで研摩してから残りの圧延を行ったりする
と、圧延後の金属帯25の表面に研摩時の研摩目が残存
してしまい、その表面品質に異常をきたすからである。
また、この粗延部分38を全長に渡って所定の全圧下率
に至るまで強圧下圧延してしまうと、当然金属帯25は
加工硬化しそれだけ全長が延びてしまうので、その表面
疵などを研摩除去しようとしても研摩不能に陥ったり、
延びてしまった分だけ研摩時間が長くなって研摩能率を
低下させてしまったりあるいは不必要に研摩歩留りを低
下させてしまったりするからである。
【0032】さらに、この図3および図4に示すような
出側での寸法の変化は次の第3式の関係で表される。
【0033】
【数1】
【0034】ここで入側の長さLiは、トップ部分36
またはボトム部分37の長さL10またはL20を表
す。出側の長さLoは、トップ部分36の長さL11ま
たはボトム部分37の長さL12を表す。入側の板厚t
iは、もとの金属帯25の板厚寸法を表す。出側の板厚
toは、トップ部分36の板厚t23またはボトム部分
37の板厚を表す。
【0035】本実施例によれば、素材として金属帯25
の圧延中に、圧延してサービステールに相当する部分を
形成するのであるから、サービステールを製作手配する
作業やその取付ける作業が全く不要となり、また屑とし
て除去する量を減らすことができるので、総合的な生産
コストを低減することができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属帯の
始端と終端とから、それぞれ予め定める長さの部分を圧
延して始端部分と終端部分とを効率的に形成する。この
ため、始端部分と終端部分とが最終的に金属帯として製
品化されないでも、歩留りの低下を抑えることができ
る。また金属帯の製造上、始端と終端とに製品化されな
い部分が必要な場合でも、別の材料を取付ける作業を行
う必要がないので、作業コストを低減することができ
る。
【0037】また本発明によれば、始端部分および終端
部分を、先行金属帯および後行金属帯とそれぞれ同一条
件で圧延するので、タンデム式冷間圧延設備における接
合部通過の際の制御を簡単にして、効率的に安定な圧延
を行うことができる。
【0038】また本発明によれば、1つの実施例とし
て、始端部分と終端部分とを残余の部分よりも薄く圧延
された金属帯は、レバース式圧延機によって冷間圧延さ
れる。始端部分と終端部分とは、レバース式圧延機にお
ける未圧部分の長さに対応しているので、歩留りよくレ
バース式圧延機による複数パスの冷間圧延を行うことが
できる。レバース式圧延機の未圧部は圧延張力を確保す
るために必要であるけれども、サービステールとして接
合(溶接)した場合に比較して、この接合による強度上
や危険性に何ら心配なく大きな張力に耐えることがで
き、接合部の破断など多大な圧延トラブルもなく、効率
的な冷間圧延を行うことができる。
【0039】しかもこのサービステールを用いる場合の
諸々の費用総額よりもこの製品仕様として満足しない未
圧部(未圧屑となる部分)に要する費用総額が下回るこ
とができるように薄引圧延板厚にすることが可能とな
り、かかるサービステールの製作手配作業、接合(溶
接)取付作業および不必要になったときの取外し(切離
し)作業、これらの作業に付随し発生して必要となる諸
々のライン内外における諸設備や装置、場所(スペー
ス)、配員、比例消耗材料などが全く不必要となる。こ
のため、さらに製造コスト低減につながるだけでなく、
作業性の改善、能率や生産性の向上、省力や省工程、顧
客への製品納期短縮などにもつながるのである。
【0040】また本発明によれば、ステンレス鋼帯を光
揮熱処理してレバース式圧延機で冷間圧延する際の、材
料歩留りを向上し、圧延を効率的に行うことができる。
【0041】また本発明によれば、金属帯をコイルとし
て巻取った状態で、損傷を受けやすい内周側と外周側と
を予め薄く圧延してあるので、製品歩留りの低下を抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による金属帯の製造方法を示
すタイムチャートである。
【図2】図1の実施例に関連するタンデム式冷間圧延設
備の構成を示す簡略化した正面図である。
【図3】本実施例によって冷間圧延される金属帯の寸法
変化を示す簡略化した正面図である。
【図4】図3のトップ部分36と粗延部分38との境界
付近の厚み変化を示す部分的な正面図である。
【図5】従来からのレバース式圧延機を用いる圧延方法
を示す簡略化した正面図である。
【図6】従来からのコイル取扱いヤードの構成を示す簡
略化した斜視図である。
【符号の説明】
21 #1スタンド 22 #2スタンド 23 #3スタンド 24 2Hロール 25 ステンレス鋼帯 26 テンシヨンリール 27 ブライドル装置 32 走間剪断機 35 溶接部分 36 トップ部分 37 ボトム部分 38 粗延部分 39 強圧下部 48 走間ゲージ変更部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一連の焼鈍および脱スケール装置に後続
    して配設されるタンデム式冷間圧延設備に、複数のコイ
    ル状金属帯を供給し、先行金属帯の終端と後行金属帯の
    始端とを順次接合しながら連続通板し、圧延後の金属帯
    の接合部を切離し、各コイル毎に巻取る際に、 切離されてコイルとして巻取られる金属帯の始端から予
    め定める長さの始端部分、および終端から予め定める長
    さの終端部分を、残余の部分の金属帯の板厚に対して区
    分けして予め定める板厚に圧延することを特徴とする金
    属帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記始端部分は先行金属帯と同一条件で
    圧延し、 前記終端部分は後行金属帯と同一条件で圧延することを
    特徴とする請求項1記載の金属帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記切離されてコイルとして巻取られる
    金属帯は、さらにレバース式圧延機によって冷間圧延さ
    れ、 前記先端部分および前記後端部分を、レバース式圧延機
    の未圧部に対応させることを特徴とする請求項1または
    2記載の金属帯の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属帯は、ステンレス鋼帯であり、
    光揮熱処理を受けることを特徴とする請求項3記載の金
    属帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記始端部分および前記終端部分を、金
    属帯コイルを取扱う際に損傷を受けやすい部分に対応さ
    せることを特徴とする請求項1または2記載の金属帯の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008296268A (ja) * 2007-06-01 2008-12-11 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 熱間圧延ステンレス鋼帯および連続焼鈍酸洗ライン向け熱間圧延ステンレス鋼帯の製造方法
JP2014124658A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Jfe Steel Corp 冷間圧延設備及び冷間圧延方法

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