JPH082487B2 - タンディッシュ内添加用フラックス - Google Patents
タンディッシュ内添加用フラックスInfo
- Publication number
- JPH082487B2 JPH082487B2 JP3061226A JP6122691A JPH082487B2 JP H082487 B2 JPH082487 B2 JP H082487B2 JP 3061226 A JP3061226 A JP 3061226A JP 6122691 A JP6122691 A JP 6122691A JP H082487 B2 JPH082487 B2 JP H082487B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tundish
- flux
- slag
- molten steel
- sio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Description
フラックスに関し、詳細には連続鋳造用タンディッシュ
を熱間で連続的に再使用する場合において、タンディッ
シュ内スラグの排滓性向上を目的としてタンディッシュ
内に添加されるタンディッシュ内添加用フラックスに関
するものである。
ィッシュの交換時または終了時の状態を示す概略断面図
である。図7(a)の様にタンディッシュ1内の溶鋼2
及びスラグ3が所定量となった段階で、ノズル4の根本
側に配設されたスライドバルブ5を閉じタンディッシュ
1を図7(b)に示す残鋼滓排出位置に速やかに移動
し、上記スライドバルブ5を開いてノズル4から溶鋼2
及びスラグ3を鋼滓受け皿6へ排出する方法がある。但
し、全てのスラグが排出される訳ではなく、タンディッ
シュ内には酸化鉄が残存したり、或いは内壁にAl2O
3が付着しているので、タンディッシュが冷却した後
に、これらの付着物を除去する必要があり、この除去作
業が行った後に再び加熱して連続鋳造に用いられる。
を熱間で連続的に再使用することが望ましいことは明ら
かであるが、この場合には、酸化鉄がタンディッシュ内
に残っており、また多量のAl2O3がタンディッシュ
内壁に付着した状態で、取鍋から新たな溶鋼を受鋼する
ことになる。この受鋼直後には、溶鋼中の[Al]や
[Si]成分とタンディッシュ内の酸化鉄との間で、下
記の様な酸化還元反応が進行し、溶鋼中に微細なAl2
O3が多量に懸濁する。 2FeO+Si → 2Fe+SiO2 3FeO+2Al → 3Fe+Al2O3 また同時に、タンディッシュ内壁に付着したAl2O3
は、受鋼後徐々に溶鋼中に溶解して、Al2O3介在物
の量は増加する。
て存在すると、これがタンディッシュノズル近傍に付着
して徐々に堆積しノズル閉塞を引き起こす。そこで表1
に示す様に種々のフラックスA〜Cが開発され溶鋼処理
に用いられている。
として溶融温度を下げると共に、Al2O3濃度を10
%以下として鋼中のAl2O3介在物の吸収能を高めた
ものである。但し、スラグのSiO2濃度が高くなり、
高粘性となることから排滓性には乏しかった。
2の活量を下げることにより溶鋼の再酸化を防止すると
共に、Al2O3濃度を高くすることによって溶融温度
を下げようとするものであるが、スラグ中のAl2O3
濃度が高まり結果として高融点のスラグを形成してしま
う。
て中空形状とし保温性を重視するものであるが、融点が
高く、溶鋼の熱だけでは溶融しないので加熱する必要が
ある。
合、タンディッシュ内のスラグ3が高粘性であったり高
融点であったりする為に排滓性が悪く、図7(b)の様
に酸素吹きランスまたは酸素富化バーナー7等を用いて
タンディッシュ1の内面や排出孔周辺のスラグを強制的
に排出しなければならない。従ってこれらの作業に長時
間を必要とすると共に、タンディッシュの内面に付着し
た地金の酸化量が増し、結果としてスラグの排出が十分
に行われずに、タンディッシュを熱間で連続的に再使用
すると、溶鋼品質の劣化を招くという問題を有してい
た。
目してなされたものであって、タンディッシュ内スラグ
の排出性を向上させるタンディッシュ内添加用フラック
スを提供しようとするものである。
明のタンディッシュ内添加用フラックスとは、熱間で連
続的に再使用する連続鋳造用タンディッシュに添加する
フラックスであって、CaO,CaF2,MgO,Al
2O3,SiO2を含み、下記式を満足することを要旨
とするものである。 (CaO+MgO)/SiO2≧10 Al2O3≦3% 10%≦CaF2≦40%
生成物,耐火物からの溶出物,取鍋充填砂及び取鍋流出
スラグから構成されてAl2O3やSiO2を主成分と
しており、図6に示すCaO−SiO2−Al2O3系
状態図からも明らかな様に融点が高くタンディッシュ内
では固体状態となってしまう。
ュ内の溶鋼上に添加すると溶鋼の熱によってしだいに溶
融すると共に、タンディッシュ内で生成したAl2O3
及びSiO2を吸収しさらに低融点化して滓化するもの
である。本発明に係るフラックスの組成を限定した理由
を以下に述べる。
高い塩基度とすることによって、図5にCaO−SiO
2−Al2O3の粘度を示すような低粘性スラグとし、
且つスラグ中のSiO2を低減して溶鋼の再酸化を防止
している。上記の式で示す比率が10未満では粘性が高
くなり好ましくない。
ンディッシュ内で生成したAl2O3の吸収能を高めて
溶鋼を清浄化すると共に、スラグ中のAl2O3濃度が
過剰に増加することを防ぎ溶融点の上昇を抑えることが
できる。従って本発明のフラックスでは、Al2O3の
含有量は可及的に少ないことが望ましく、Al2O3の
上限を3%として、不可避的に混入する程度を許容する
ものである。
示した様に、CaF2濃度が10%未満になると軟化温
度が1500℃以上となり、タンディッシュ内の溶鋼熱
では溶融が困難となる。そこで下限を10%と定めた。
一方40%を超えると軟化温度はほとんど変化せず、し
かもCaF2がタンディッシュ耐火物を著しく侵食して
溶出損が大きくなるので、40%を上限とした。
える影響を調べる目的でAl2O3製の耐火物を有する
高周波誘導炉を用い、耐火物の浸食試験を行った。該浸
食試験において、耐火物は85%Al2O3、溶鋼はS
S41を用い、CaO10%−Al2O360%−Si
O230%のスラグと、(CaO+MgO)/SiO2
≧10,Al2O3≦3%,10%≦CaF2≦50%
の条件を満足するフラックスを1対1の重量比でスラグ
厚さを20mmになる様に添加し、溶鋼温度を1580
±20℃で2時間保持した後、炉を40rpmで回転し
てスラグと耐火物との反応を高め最大浸食深さを測定し
た。その結果を図5に示すが、スラグ中CaF2濃度が
高くなる程浸食されやすくCaF2濃度が20%を越え
ると浸食深さは非常に大きくなることが分かる。また図
4からスラグ中のMgO濃度が高くなるにつれて浸食深
さは浅くなることが分かる。このようにスラグの粘性低
下とフラックスの軟化温度低減を目的として添加するC
aF2は、一方で耐火物の浸食を増大させるものである
が、MgOの添加によって上記浸食を防止することが可
能である。
ックスA)を用いて連続鋳造を行なった場合の鋳造終了
から次の鋳造開始までの時間Tと、鋳造初期溶鋼のAl
損失量ΔAlを測定した。結果は図1に示す。一般的に
上記Tが長い程酸素洗浄作業や酸素富化バーナーによる
加熱が長くタンディッシュ内の残鋼滓の酸化量が増加
し、それに比例してΔAlが増大する。本発明に係るフ
ラックスを用いた場合は、従来のフラックスを用いた場
合に比較してΔAlが小さく且つバラツキも少ない。こ
れは本発明に係るフラックスを用いることによりタンデ
ィッシュ内スラグの排出性が向上し、タンディッシュ内
の残鋼滓量が低減したことと、タンディッシュ内面の酸
素洗浄作業および酸素富化バーナーによる加熱が軽微に
なったことによるものである。
ックスA)を用いて鋳造を行ない、各鋳造長さにおける
取鍋内溶鋼に対する鋳造内溶鋼中の介在物の量を測定し
た。結果は図2に示す。本発明に係るフラックスを用い
れば、介在物の増加量を大幅に低減できることがわか
る。
で、タンディッシュ内スラグの排出性を大幅に向上でき
るタンディッシュ内添加用フラックスが提供できること
になった。したがってタンディッシュ内面の酸素洗浄作
業及び酸素富化バーナーによる加熱の必要がほとんどな
くなり、タンディッシュ再使用時の溶鋼品質は非常に優
れたものとなった。
造終了から次の鋳造開始までの時間と鋳造初期溶鋼のA
l損失量との関係を示すグラフである。
なった場合の取鍋内溶鋼に対する鋳造内溶鋼中の介在物
の量を示すグラフである。
示すグラフである。
物の最大浸食深さの関係を示すグラフである。
状態図である。
状態図である。
は終了時(b)の状態を示す概略説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 熱間で連続的に再使用する連続鋳造用タ
ンディッシュに添加するフラックスであって、CaO,
CaF2,MgO,Al2O3,SiO2を含み、下記
式を満足することを特徴とする排滓性に優れたタンディ
ッシュ内添加用フラックス。 (CaO+MgO)/SiO2≧10 Al2O3≦3% 10%≦CaF2≦40%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3061226A JPH082487B2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | タンディッシュ内添加用フラックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3061226A JPH082487B2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | タンディッシュ内添加用フラックス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04274866A JPH04274866A (ja) | 1992-09-30 |
JPH082487B2 true JPH082487B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=13165088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3061226A Expired - Lifetime JPH082487B2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | タンディッシュ内添加用フラックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH082487B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06218504A (ja) * | 1993-01-20 | 1994-08-09 | Nippon Steel Corp | タンディッシュ精錬法 |
KR100380745B1 (ko) * | 1998-12-24 | 2004-05-31 | 주식회사 포스코 | 청정강제조용턴디쉬플럭스 |
KR20010047713A (ko) * | 1999-11-23 | 2001-06-15 | 이구택 | 열간재사용 턴디쉬의 잔류물질 배출 촉진제 및 이를이용한 잔류물질의 배출방법 |
KR100489240B1 (ko) * | 2000-03-17 | 2005-05-17 | 주식회사 포스코 | 다기능 턴디쉬 플럭스 |
KR100489236B1 (ko) * | 2000-10-31 | 2005-05-17 | 주식회사 포스코 | 턴디쉬 플럭스 |
KR100490741B1 (ko) * | 2000-12-22 | 2005-05-24 | 주식회사 포스코 | 턴디쉬 플럭스를 이용하는 청정도가 우수한 스테인레스강제조방법 및 턴디쉬 플러스 |
JP4648133B2 (ja) * | 2004-09-01 | 2011-03-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 活性金属含有銅合金の溶製法 |
CN115156492B (zh) * | 2022-06-15 | 2024-02-20 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种高洁净钢if钢连铸过程中间包覆盖剂及其加入方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60258406A (ja) * | 1984-06-06 | 1985-12-20 | Nippon Steel Corp | 溶鋼用合成フラツクス |
JPH01180764A (ja) * | 1987-12-28 | 1989-07-18 | Nippon Steel Corp | 高清浄鋼の連続鋳造方法 |
-
1991
- 1991-03-02 JP JP3061226A patent/JPH082487B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04274866A (ja) | 1992-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6791711B2 (ja) | Fe−Cr−Ni合金およびその製造方法 | |
JPH082487B2 (ja) | タンディッシュ内添加用フラックス | |
JP2894190B2 (ja) | タンディッシュ内添加用フラックス | |
JP2008101259A (ja) | Zr入りCr含有溶鋼の製造方法及び浸漬ノズル閉塞抑制方法 | |
JP3893770B2 (ja) | 高清浄極低炭素鋼の溶製方法 | |
JP3679475B2 (ja) | ステンレス粗溶鋼の精錬方法 | |
JPH06218504A (ja) | タンディッシュ精錬法 | |
JP6737304B2 (ja) | 鋼の溶製方法及び連続鋳造方法 | |
JP4301112B2 (ja) | タンディッシュを熱間繰り返し使用する連続鋳造方法 | |
WO2018155334A1 (ja) | 鋼の溶製方法 | |
JP3813902B2 (ja) | タンディッシュの連続使用方法 | |
JPH09323142A (ja) | タンディッシュ排滓用フラックスおよびタンディッシュスラグの排滓処理法 | |
KR20090062149A (ko) | 티타늄이 첨가된 페라이트 스테인레스강의 제조 방법 | |
JP2000017320A (ja) | 取鍋内張り耐火物の溶損防止方法 | |
JP6734539B2 (ja) | 超高マンガン鋼の連続鋳造方法 | |
JPH11279623A (ja) | 精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法 | |
JP3770076B2 (ja) | 脱燐専用炉のスラグコーティング方法 | |
SU1033550A1 (ru) | Способ производства хромсодержащей нержавеющей стали | |
JPH02163311A (ja) | 溶鉄の脱Cr方法 | |
JP4521879B2 (ja) | 鉛含有鋼の連続鋳造方法 | |
CN110257712A (zh) | 一种易切削刀柄专用钢及制备方法 | |
JP3375528B2 (ja) | 転炉炉口に付着した地金の回収方法及び再利用方法 | |
JPS58100952A (ja) | 浸漬ノズルを用いて鋼を連続的に鋳造する方法 | |
JPH0941021A (ja) | クロム含有鋼の連続鋳造方法 | |
JP3075911B2 (ja) | タンディッシュ内スラグ軟質化及び排出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19971209 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080117 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117 Year of fee payment: 15 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117 Year of fee payment: 16 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117 Year of fee payment: 16 |