JPH08248217A - 液晶カラーフィルター用インキ、これを用いた液晶カラーフィルターおよびその製造方法 - Google Patents

液晶カラーフィルター用インキ、これを用いた液晶カラーフィルターおよびその製造方法

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JPH08248217A
JPH08248217A JP5008995A JP5008995A JPH08248217A JP H08248217 A JPH08248217 A JP H08248217A JP 5008995 A JP5008995 A JP 5008995A JP 5008995 A JP5008995 A JP 5008995A JP H08248217 A JPH08248217 A JP H08248217A
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color filter
crystal color
ink
colored layer
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JP5008995A
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Inventor
Yasuhiko Kondo
康彦 近藤
Teruo Sasaki
輝男 佐々木
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分光特性、耐光性、耐熱性、耐溶剤性および
耐薬品性に優れた液晶カラーフィルター用インキ、これ
を用いた液晶カラーフィルターおよびその製造方法を提
供すること。 【構成】 樹脂と溶剤と着色剤とを含み、前記着色剤が
酸性染料と有機顔料とを5:95〜85:15の重量比
で含む混合物からなり、かつ前記有機顔料の平均粒径
(メジアン径)が1μm以下である液晶カラーフィルタ
ー用インキと、このインキを用いて透明着色層を形成し
た液晶カラーフィルターおよび凹版オフセット印刷法に
より上記インキを印刷して透明着色層を形成する液晶カ
ラーフィルターの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレーに用
いられる液晶カラーフィルター、液晶カラーフィルター
の透明着色層に用いるインキ、このインキを用いた液晶
カラーフィルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】液晶
ディスプレー(LCD)は軽量、薄型、省電力などの特
徴を有しており、従来のブラウン管(CRT)に代わる
表示装置としてパーソナルコンピューター、電子式卓上
計算器、テレビ等の多くの分野で利用されている。さら
に近年の液晶ディスプレーは、1画素毎にパターン化さ
れた赤(R)、緑(G)および青(B)の3色の透明着
色層からなる液晶カラーフィルターを用いることによ
り、表示のカラー化を実現している。
【0003】液晶カラーフィルターの透明着色層を作製
する方法には大きく分けてフォトリソグラフィー法と印
刷法がある。このうち、フォトリソグラフィー法には顔
料分散法、染色法、電着法などがあり、いずれもフォト
レジストの塗布、乾燥、露光、現像、硬化の各工程を経
て透明着色層のパターンを透明基板上に形成するもので
ある。このフォトリソグラフィー法を用いた場合、寸法
精度の高い微細なパターンを形成することができるとい
う利点がある反面、工程数が多く、高価な設備が必要で
あるためにコストがかかるという問題がある。
【0004】一方、印刷法は、各色のインキを透明基板
上に印刷し、硬化させるだけで透明着色層を製造するこ
とができることから、コストの面から最も有利な方法で
ある。しかしながら、着色剤として顔料を用いたインキ
は粘度が非常に高く、顔料を凝集させずに分散させるの
が困難であり、通常行われる3本ロールでの長時間の混
練によっても、顔料の平均粒径が0.5μm以下となる
ようにインキ中に分散させることが極めて難しい。この
結果、分光透過性が上がらず、液晶ディスプレーの表示
が暗くなるおそれがある。
【0005】また、顔料を用いたインキを印刷して液晶
カラーフィルターを作製する場合、透明着色層の平坦性
が損なわれるという問題が生じる。通常、顔料の含有量
が多いインキほど平坦性が悪く、透明着色層の表面に凹
凸が発生する。ところが、スーパーツイストネマティッ
ク(STN)型液晶の場合には前記表面平坦性に対する
要求が高く、平坦性が悪い場合にはITO膜が断線する
という重大な欠陥が発生するおそれがある。また、液晶
ディスプレーの視野角を広げるという観点から、透明着
色層の膜厚を薄くすることが要求されており、表面の平
坦性がよりいっそう重要になるものの、色濃度の面から
顔料の添加量を増やす必要があるために表面の平坦化が
困難になるという問題がある。
【0006】一方、着色剤として顔料に代えて染料を用
いた場合は、分子レベルでの分散状態を得ることができ
るために分光透過率の非常に高いものが得られるもの
の、染料自体の耐光性、耐熱性が弱いという問題を有し
ている。このため、通常、オーバーコート剤を塗布して
液晶カラーフィルターに耐熱性を付与しているが、薄膜
トランジスタ(TFT)型液晶に用いる液晶カラーフィ
ルターの場合はオーバーコート処理を施さない方が表示
性能が優れるために、耐熱性の問題を解決することがで
きない。
【0007】本発明の目的は、分光特性に優れ、耐光性
と耐熱性とに優れ、さらに高い耐溶剤性、耐薬品性を有
しており、しかも平坦な透明着色層を形成することがで
きる印刷適性の優れた液晶カラーフィルター用のインキ
を提供することである。本発明の他の目的は、十分な耐
光性および耐熱性を有しており、かつ透明着色層の表面
が平坦な液晶カラーフィルターを提供することである。
【0008】本発明のさらに他の目的は、透明着色層を
安価に製造することのできる液晶カラーフィルターの製
造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を解決するために、液晶カラーフィルター
用インキにおける着色剤について検討を行った結果、耐
光性、耐薬品性(特に耐酸性、耐アルカリ性)が良好
で、かつ色相も鮮明である酸性染料を使用し、かつ酸性
染料の欠点である耐熱性や耐溶剤性を改善するためにこ
れらの諸特性に優れた有機顔料を酸性染料に一定の割合
で混合し、さらに顔料の欠点である分散性の悪さを改善
するために平均粒径が1μm以下の有機顔料を用いるこ
とにより、分光透過性に優れ、透明着色層の平坦性や印
刷適性にも優れたインキが得られるという新たな事実を
見出し、本発明の液晶カラーフィルター用インキを完成
するに至った。
【0010】すなわち、本発明の液晶カラーフィルター
用インキは、樹脂と溶剤と着色剤とを含み、前記着色剤
が酸性染料と有機顔料との混合物からなり、前記酸性染
料と有機顔料との添加比率が重量比で5:95〜85:
15の範囲にあり、かつ前記有機顔料の平均粒径(メジ
アン径)が1μm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0011】上記液晶カラーフィルター用インキを用い
て透明着色層を形成することにより、十分な耐光性、耐
熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの耐性を有する本発明の
液晶カラーフィルターを作製することができる。すなわ
ち、本発明の液晶カラーフィルターは、透明基板と、こ
の透明基板上にパターン状に形成された複数の透明着色
層とからなる液晶カラーフィルターにおいて、前記透明
着色層が上記液晶カラーフィルター用インキを用いて形
成されていることを特徴とするものである。
【0012】さらに本発明者らは、上記液晶カラーフィ
ルターの製造方法として凹版オフセット印刷法を用い、
上記本発明のインキを凹版に充填し、これをオフセット
ブランケットを介して透明基板上に転写することによ
り、上記各特性を有しており、かつ表面が平坦な液晶カ
ラーフィルターを安価に製造することができることを見
出し、本発明の液晶カラーフィルターの製造方法を完成
するに至った。
【0013】本発明の液晶カラーフィルターにおける透
明着色層の製造方法として、凹版オフセット印刷法を用
いた理由は以下のとおりである。一般に、印刷法を用い
て液晶カラーフィルターの透明着色層を形成する場合、
印刷法の問題点であるピンホールの発生、ライン形状、
寸法精度などについて十分検討する必要がある。また、
液晶カラーフィルターの透明着色層には極めて微細なレ
ベルの寸法再現性が必要となるため、ライン形状や寸法
精度に優れることが要求されている。線幅が100μm
以下の微細パターンを再現できる印刷法としては、従来
よりスクリーン印刷法、水無しオフセット印刷法および
凹版オフセット印刷法が提案されている。ところが、液
晶カラーフィルターにおける透明着色層には線幅が約1
0〜40μmもの超微細印刷が要求されており、スクリ
ーン印刷ではこのような微細なメッシュが作製できず、
メッシュの伸縮などにより寸法精度にも問題が生じるほ
か、パターンの直線性も著しく劣るために好ましくな
い。また、水無しオフセット印刷はインキの膜厚が非常
に薄く、インキの粘度も高いことからピンホールが起こ
りやすく、また印刷されたパターンのエッジが良好でな
く、また連続印刷時において膜厚のばらつきが大きいた
め、透明着色層のような超微細印刷を要する印刷には適
さない。これに対して凹版オフセット印刷法は、超微細
パターンを忠実に再現することができるので、透明着色
層を安価にかつ簡単に作製する印刷法として最適であ
る。
【0014】以下、本発明の液晶カラーフィルター用イ
ンキについて詳細に説明する。本発明のインキに用いら
れる樹脂としては、例えばポリエステル−メラミン樹
脂、エポキシ−メラミン樹脂、ポリエステル−エポキシ
−メラミン樹脂、紫外線硬化型樹脂などが挙げられ、こ
れらのうち、分子量が5000〜30000程度の液状
の樹脂が好ましい。また、これらの樹脂は単独で使用す
ることもできるが、2種以上を混合して使用してもよ
い。
【0015】上記樹脂として、より具体的には、ポリエ
ステル樹脂(日立化成(株)製のエスペル1102、同
1612)、エポキシ(油化シェルエポキシ社製のエピ
コート1001、同828)、メラミン樹脂(住友化学
(株)製のスミマールM100C、三井サイアナミッド
社製のサイメル350、日立化成(株)製のメラン52
2)等が例示される。
【0016】本発明のインキに用いられる着色剤として
は、酸性染料と有機顔料とが用いられる。前記着色剤に
は耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、耐光性が要求される
が、有機顔料には高級顔料と呼ばれる耐熱性の良好なグ
レードが数多く有り、物性上では全く問題がない。一
方、染料は一般的に耐薬品性(特に耐酸性)や耐光性を
有しているが、耐熱性や耐溶剤性に劣る。しかし、その
なかでも酸性染料は他の染料に比べて上記各耐性におい
て優れている。本発明に使用可能な酸性染料は、染料分
子中にスルホン基、カルボキシル基、水酸基などの酸性
基を有するものである。本発明に使用可能な酸性染料を
カラーインデックス番号で以下に例示する。
【0017】赤色系;CI Acid Red 37、
50、111、114、257、266、317 青色系;CI Acid Blue 41、83、9
0、113、125、129、182 緑色系;CI Acid Blue 25、41 黄色系;CI Acid Yellow17、49、6
7、72、110、127、135、161 紫色系;CI Acid Violet 27、28、
48、97 また、本発明に使用可能な有機顔料をカラーインデック
ス番号で以下に示す。
【0018】赤色系;CI Pigment Red
19、38、43、88、122、123、144、1
49、166、168、177、179、208、21
6、226 青色系;CI Pigment Blue 15:1、
15:3、15:4、15:6、16、22、29、6
0 緑色系;CI Pigment Green 7、36 黄色系;CI Pigment Yellow 81、
83、97、108、109、110、137、13
8、139、153、154、166、168、185 紫色系;CI Pigment Violet 19、
23、29、30、37、88 上記例示の染料または顔料は、それぞれ単独で用いるよ
りも、色調調整のために2種以上を混合して用いるのが
よい。また、印刷形状やインキ転移量を調節するため
に、非常に微細な粉末の乾式シリカ粉体や硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、クレー等を体
質顔料として添加することもできる。
【0019】また、前記有機顔料は、平均粒径(メジア
ン径)が1μm以下になるようにインキ中で分散されて
いる必要がある。前記平均粒径が1μmを超える場合
は、透明着色層の分光透過性が低下するおそれがある。
本発明における酸性染料と有機顔料との添加比率は、重
量比で5:95〜85:15であるのが適当であり、特
に20:80〜60:40の範囲であるのが好ましい。
酸性染料と有機顔料との添加比率が前記範囲内にあると
きは得られるインキの粘度が低くなり、得られる透明着
色層の平坦性が良好になったり、インキ転移性が向上す
るなどの印刷適性が良好になるために好ましい。
【0020】本発明のインキにおける着色剤の添加量
は、樹脂100重量部に対して10〜50重量部、好ま
しくは20〜40重量部である。本発明のインキに用い
られる溶剤としては、グリコールもしくは水酸基を1個
以上有するアルコールまたはこれらのエーテルであり、
沸点が150℃以上であればよい。具体的には、1−ヘ
キサノール、1−ヘプタノール、4−ヘプタノール、1
−オクタノール、2−オクタノール、ノナノール、デカ
ノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノー
ル、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリル
アルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、
2−メチルシクロヘキサノールなどのアルコール;エチ
レングリコール−モノブチルエーテル(ブチルセロソル
ブ)、エチレングリコール−モノフェニルエーテル、ジ
エチレングリコール、ジエチレングリコール−モノエチ
ルエーテル(カルビトール)、ジエチレングリコール−
モノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セロソル
ブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビト
ールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどの
アルキルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではなく、印刷適性(インキ転移性など)や作
業性などを考慮して適宜選択すればよい。また、溶剤と
して高級アルコールを使用する場合にはインキの乾燥性
や流動性に劣るおそれがあるが、この場合は、これより
も乾燥速度が速いブチルカルビトール、ブチルセロソル
ブ、エチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテー
ト、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール等
を併用すればよい。
【0021】溶剤の添加量は使用する混合樹脂などの成
分の溶解性または分散性、得られるインキの粘度、作業
性、印刷適性などを考慮して適宜決定すればよく、通
常、インキ総量に対して5〜80重量%、好ましくは1
5〜50重量%程度である。本発明のインキの粘度は、
通常10〜30000ポアズ、好ましくは500〜10
000ポアズである。上記範囲よりも粘度が低い場合
は、ライン形状が乱れたり、エッジにヒゲが発生するた
めに好ましくない。一方、上記範囲よりも粘度が高い場
合は、得られる液晶カラーフィルターの表面の平坦性や
インキ転移性などの印刷適性が著しく低下するために好
ましくない。
【0022】本発明のインキを製造するには、所定量の
前記熱硬化性樹脂、着色剤、溶剤を配合し、着色剤の分
散性を向上させるために3本ロール等を使用してベース
練りを行うが、着色剤の分散性をさらに向上させるため
に、3本ロールによるベース練りの前にあらかじめプラ
ネタリーミキサーなどで十分に混合しておくのが好まし
い。また、着色剤の粉体自体をボールミル等で微粉末化
するようにしてもよい。
【0023】次に、本発明の液晶カラーフィルターにつ
いて詳細に説明する。本発明の液晶カラーフィルター
は、上述した本発明のインキを用いて形成した透明着色
層を透明基板上に設けたものである。前記透明着色層
は、通常赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からな
り、ストライプパターンで形成されるが、非常に微細な
線幅で、かつ十分な光透過率と分光特性とを有すること
が必要とされる。前記透明着色層の線幅としては、通常
10〜40μm、好ましくは10〜30μmである。ま
た、前記透明着色層は、各色の着色層が透過する波長領
域において70%以上の光透過率を有することが好まし
い。
【0024】また、透明着色層の厚さ(インキ膜の乾燥
後)は1〜5μm程度であり、通常1〜2μmの厚さに
設定される。透明着色層の厚さが前記範囲よりも厚い場
合は、カラーフィルターの光透過率が減少するなどの問
題が生じるために好ましくない。一方、前記範囲よりも
薄い場合は、十分な分光特性が得られないおそれがあ
る。
【0025】前記透明基板としては、例えばノンアルカ
リガラス、ソーダライムガラス、低アルカリガラス等の
ガラス基板や、ポリエーテル、ポリサルホン、ポリアリ
レート等のフィルムが使用可能である。次に、上述した
本発明の液晶カラーフィルターの製造方法について詳細
に説明する。
【0026】本発明の液晶カラーフィルターにおける透
明着色層の作製には、凹版オフセット印刷法が用いられ
る。この凹版オフセット印刷法によれば、凹版の凹部に
充填したインキがブランケットを介して透明基板上に転
写される。このとき、前記凹版を圧胴上に設置し、同様
にして圧胴上に設置したオフセットブランケットと接触
させてインキを転写するか、あるいは凹版を平台上に設
置した上で圧胴上に設置したオフセットブランケットと
接触させることによってインキを転写させてもよい。
【0027】凹版オフセット印刷に用いられる凹版は、
基板の表面に透明着色層のパターンに対応した凹部を形
成したものである。前記基板としては、例えばソーダラ
イムガラス、ノンアルカリガラス、石英、低アルカリガ
ラス、低膨張ガラス、ステンレス、銅などが挙げられ、
これらのうち、ソーダライムガラスなどの軟質ガラスを
用いるのが、微細なパターンを高精度で再現するうえで
特に好ましい。
【0028】凹版の凹部の深さは透明着色層の膜厚に大
きく影響しており、透明着色層の膜厚を乾燥後の厚さで
通常1〜5μm程度となるように、前記凹部の深さを1
〜10μmの範囲で設定される。凹部の深さが10μm
よりも大きい場合は膜厚が前記範囲よりも厚くなり、得
られるカラーフィルターの表面の平坦性が悪くなるため
に好ましくない。一方、凹部の深さが1μmよりも小さ
い場合は、透明着色層の表面を平坦にすることが困難に
なるなどの問題が生じるおそれがある。
【0029】凹版オフセット印刷に用いられるオフセッ
トブランケットとしては、従来公知のものが使用できる
が、その表面がシリコーンゴムからなり、ゴム硬度(J
ISA)が30〜70°のブランケットを用いた場合
は、インキの転写が良好であるために好ましい。また、
得られる液晶カラーフィルターの表面の平坦性をより良
好なものとするためには、オフセットブランケットの表
面粗度が十点平均粗さ(Rz)で1μm以下であること
が好ましい。
【0030】本発明の液晶カラーフィルターの透明着色
層は、本発明のインキを使用し、上記凹版およびオフセ
ットブランケットを用いた凹版オフセット印刷法により
形成される。より詳しくは、前記インキを透明基板上に
印刷し、次いで、通常180〜250℃の温度で加熱す
ることによって形成される。
【0031】
【実施例】
実施例1〜5および比較例1〜2 樹脂としてポリエステル−メラミン樹脂〔住友ゴム工業
(株)製のポリエステル樹脂と住友化学(株)製のメラ
ミン樹脂「スミマールM100C」とを80:20(重
量比)で混合したもの、粘度8000ポアズ〕、エポキ
シ−メラミン樹脂〔油化シェルエポキシ社製のエポキシ
樹脂「エピコート1001」と住友化学(株)製のメラ
ミン樹脂(前出)とを80:20(重量比)で混合した
もの、粘度8000ポアズ〕またはポリエステル−エポ
キシ−メラミン樹脂〔住友ゴム工業(株)製のポリエス
テル樹脂(前出)、油化シェルエポキシ社製のエポキシ
樹脂(前出)および住友化学(株)製のメラミン樹脂
(前出)を30:30:40(重量比)で混合したも
の、粘度8000ポアズ〕のうちのいずれかを使用し
た。
【0032】着色剤(酸性染料、有機顔料)、溶剤およ
び体質顔料を樹脂100重量部に対して下記の表1に示
す割合でそれぞれ添加し、3本ロールにて混練、分散し
て透明なインキを作製した。
【0033】
【表1】
【0034】表1中、酸性染料にはCI Acid B
lue 90を、有機顔料にはフタロシアニンブルー
(CI Pigment Blue 15:3、平均粒
径0.3μm)を、溶剤には三菱化学(株)製の高級ア
ルコール(炭素数13〜15、商品名「ダイヤドール1
35」)を、体質顔料には日本アエロジル社製の商品名
「アエロジルR200」をそれぞれ用いた。液晶カラーフィルターの作製 上記実施例および比較例毎に得られた青色のインキを用
い、平台校正機に凹版を設置し、オフセットブランケッ
トを圧胴に設置して、厚さ1.1mmのソーダライムガ
ラスに幅100μmのストライプパターンを印刷し、青
色の透明着色層を形成した。印刷に使用した凹版はソー
ダライムガラス製で、硬化後のインキ膜の厚さが1.5
μmとなるように凹部の深さを7μmに設定したもので
ある。また、印刷に使用したオフセットブランケットは
シリコーンゴム製で、ゴム硬度(JIS A)が50°
であり、表面粗度(十点平均粗さ、Rz)が0.3μm
のものであった。透明着色層の評価 上記各実施例および比較例について、液晶カラーフィル
ターの透明着色層(青色)に波長460nmの光を照射
し、そのときの光透過率を分光光度計を用いて測定し
た。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】また、他の評価として、得られた透明着色
層のパターンの形状、インキの転移性を確認し、さらに
透明着色層の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカ
リ性を調べた。耐熱性は透明着色層を250℃で1時間
放置した後の色調の変化を、耐溶剤性はイソプロピルア
ルコール(IPA)、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)、γ−ブチロラクトン、N,N’ジメチルアセト
アミド(DMAC)のそれぞれの溶剤について23℃で
10分間浸漬した後の透明着色層の色調の変化を、耐酸
性は10N−FeCl3 に40℃で10分間浸漬した後
の透明着色層の色調の変化を、耐アルカリ性は4%−K
OHに40℃で10分間浸漬した後の透明着色層の色調
の変化を分光顕微鏡(オリンパス(株)製、OSP−S
P100)を用いてそれぞれ測定し、色調の変化(色差
ΔE)が2以上のものについては、実用上不適当とし
た。また、各実施例および比較例において、透明着色層
の剥がれ等の有無を確認した。
【0037】上記各評価項目のうち、パターンの形状お
よびインキの転移性については、いずれの実施例または
比較例とも良好であった。また、実施例1〜5および比
較例1のインキは耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカ
リ性が良好で、透明着色層に剥がれ等の劣化が見られな
かったものの、比較例2のインキを用いた場合は色差
(ΔE)が2より大きくなり、実用上使用できないこと
がわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の液晶カラーフィルター用インキ
は、耐光性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの各耐性
に優れ、分光特性や印刷適性さらには印刷後の表面平坦
性にも優れていることから、液晶カラーフィルターの透
明着色層の製造に好適である。また、上記インキを用い
た本発明の液晶カラーフィルターは、上記各特性を有し
ており、スーパーネマティック(STN)型液晶や薄膜
トランジスタ(TFT)型液晶などの種々の用途におい
て好適に用いられる。
【0039】さらに、本発明の液晶カラーフィルターの
製造方法を用いることにより、上記液晶カラーフィルタ
ーを安価に製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂と溶剤と着色剤とを含み、前記着色剤
    が酸性染料と有機顔料との混合物からなり、前記酸性染
    料と有機顔料との添加比率が重量比で5:95〜85:
    15の範囲にあり、かつ前記有機顔料の平均粒径が1μ
    m以下であることを特徴とする液晶カラーフィルター用
    インキ。
  2. 【請求項2】前記樹脂がポリエステル−メラミン樹脂、
    エポキシ−メラミン樹脂、ポリエステル−エポキシ−メ
    ラミン樹脂または紫外線硬化型樹脂である請求項1記載
    の液晶カラーフィルター用インキ。
  3. 【請求項3】前記溶剤がグリコールもしくは水酸基を1
    個以上有するアルコールまたはこれらのエーテルであ
    り、沸点が150℃以上である請求項1記載の液晶カラ
    ーフィルター用インキ。
  4. 【請求項4】透明基板と、この透明基板上にパターン状
    に形成された複数の透明着色層とからなる液晶カラーフ
    ィルターにおいて、前記透明着色層が請求項1記載の液
    晶カラーフィルター用インキを用いて形成されているこ
    とを特徴とする液晶カラーフィルター。
  5. 【請求項5】透明基板上に透明着色層を設ける液晶カラ
    ーフィルターの製造方法において、請求項1記載の液晶
    カラーフィルター用インキを用いた凹版オフセット印刷
    法により前記透明着色層を形成することを特徴とする液
    晶カラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】前記凹版オフセット印刷法に用いる凹版の
    凹部の深さが1〜10μmである請求項5記載の液晶カ
    ラーフィルターの製造方法。
  7. 【請求項7】前記凹版オフセット印刷法に用いるオフセ
    ットブランケットが、ゴム硬度(JIS A)が30〜
    70°のシリコーンゴムである請求項5記載の液晶カラ
    ーフィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】前記凹版オフセット印刷法に用いるオフセ
    ットブランケットの表面粗度が十点平均粗さ(Rz)で
    1μm以下である請求項5記載の液晶カラーフィルター
    の製造方法。
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