JPH08248090A - 平衡対回線の故障種別判定方法 - Google Patents

平衡対回線の故障種別判定方法

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JPH08248090A
JPH08248090A JP4969495A JP4969495A JPH08248090A JP H08248090 A JPH08248090 A JP H08248090A JP 4969495 A JP4969495 A JP 4969495A JP 4969495 A JP4969495 A JP 4969495A JP H08248090 A JPH08248090 A JP H08248090A
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fault
balanced pair
conductors
line
difference
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JP4969495A
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Junichi Yamamoto
潤一 山本
Akira Hayashi
明 林
Kiyoshi Soda
潔 左右田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、外来電圧の有無に関わらず、容易に
基準の特徴量の決定ができ、多種多様な線路構成(伝播
定数)等に対応する平衡対回線の故障種別判定方法を提
供することを目的とする。 【構成】本発明は、交流信号に対する伝送特性に基づ
き、平衡対回線の状態を判定する平衡対回線の故障種別
判定方法において、故障した回線を構成する2本の導体
間、および該導体とアース間に生じる入力アドミタンス
を測定し、該入力アドミタンスの実数部の低周波数領域
における傾きにより、該判定対象の平衡対回線の故障種
別(絶縁系不良故障あるいは断線系故障)を判定し、断
線系故障については、平衡対回線を構成する2導体とア
ース間の各々の入力アドミタンスの虚数部の差により、
該判定対象の平衡対回線の故障種別(両線断線故障ある
いは片線断線故障)を判定する平衡対回線の故障種別判
定方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠隔より通信用平衡対
回線の伝送特性を測定することにより、該通信用平衡対
回線の故障種別を判定する平衡対回線の故障種別判定方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、通信用平衡対回線の故障種別の判
定は、平衡対回線および平衡対回線を収容している通信
用線路の保守に不可欠なものとして知られている。ここ
で、平衡対回線の故障種別とは、故障の有無および故障
が有る場合の故障の種類(絶縁不良系故障および断線系
故障)であるものとする。
【0003】図8には、平衡対回線の故障の種類を示し
説明する。図中の構成において、2乃至4本の平衡対回
線1と、アース2と、他回線の導体3と、絶縁不良状態
4を示す。
【0004】一般に、平衡対回線の故障は、大別して絶
縁不良系故障と断線系故障がある。この絶縁不良系故障
には、 (1)平衡対回線1を構成する2本の導体の間に絶縁不
良状態4が発生した場合の「自混」、 (2)平衡対回線1を構成する1本の導体とアース間に
絶縁不良状態4が発生した場合の「片線地気」、 (3)平衡対回線1を構成する2本の導体とアース間に
各々絶縁不良状態4が発生した場合の「両線地気」、 (4)平衡対回線1を構成する1本の導体と他の回線3
との間に絶縁不良状態4が発生した場合の「片線他
混」、 (5)平衡対回線1を構成する2本の導体と他の回線3
との間に各々絶縁不良状態4が発生した場合の「両線他
混」がある。
【0005】また、断線系故障には、 (1)平衡対回線1を構成する2本の導体が共に断線し
た場合の「両線断線」 (2)平衡対回線1を構成する1本の導体が断線した場
合の「片線断線」、がある。
【0006】従来の技術による故障の判定方法は、第1
の方法として、「絶縁抵抗および静電容量および外来電
圧測定による方法」と、第2の方法として、「平衡対回
線の状態認識方法(特開平6−232789号公報)」
等がある。
【0007】第1の方法「絶縁抵抗及び静電容量及び外
来電圧測定による方法」においては、まず、平衡対回線
を構成する導体間および各導体とアース間の直流絶縁抵
抗を測定し、その値が一定の規格値より小さい時に、各
々自混および地気故障と判定する。
【0008】次に、平衡対回線を構成する導体間の静電
容量を測定し、その値が一定の規格値より小さい時に、
断線系故障と判定する。さらに、縦回線の静電容量の差
がある場合、片線断線と判定する。また、平衡対回線を
構成する導体に流れ込む電流(外来電圧)を測定し、そ
の値が一定の規格値より大きい時に、他混故障と判定す
る。
【0009】第2の方法「平衡対回線の状態認識方法」
においては、予め、多数の故障した回線において、平衡
対回線を構成する導体間、平衡対回線を構成する導体と
他の回線を構成する導体間、平衡対回線を構成する導体
とアース間の伝送特性を測定し、その値に基づいて、7
種類の特徴量を決定する。
【0010】ここで、7種類(A)〜(G)の特徴量を
以下に説明する。 (A)予め状態の既知な平衡対回線に対して、該状態の
既知な平衡対回線を構成する2本の導体の各々とアース
間にそれぞれ特定周波数の所定電圧v1、v2を加え、
この時各導体とアース間に流れる電流i1、i2を測定
し、該電圧v1、v2および電流i1、i2の値を、 z1=ABS(v1/i1)、z2=ABS(v2/i
2) の式に代入して得られるインピーダンスの絶対値z1、
z2を算出し、該絶対値z1、z2の値を、 T1=ABS(z1−z2)/z1 の式に代入して算出される値T1、もしくは複数の周波
数のそれぞれに対して算出した値T1の平均値。
【0011】(B)予め状態の既知な平衡対回線に対し
て、該状態の既知な平衡対回線を構成する2本の導体間
に特定周波数の所定電圧v3を加えた時に、該2本の導
体の平衡中点とアース間で測定される電圧をv4とし、
該電圧v3、v4の値を、 T2=20log(ABS(v3/v4)) の式に代入して算出される値T2、もしくは複数の周波
数のそれぞれに対して算出した値T2の平均値。
【0012】(C)予め状態の既知な平衡対回線に対し
て、該状態の既知な平衡対回線を構成する2本の導体間
に、特定周波数から別の特定周波数まで周波数を掃引き
して電圧v3を加えた時に、該2本の導体の平衡中点と
アース間で測定される電圧v4の位相と該電圧v3の位
相との差の変化量T3。
【0013】(D)前記(B)項で規定した値T2を相
異なる周波数h1、h2で測定したときの値をT2(h
1)、T2(h2)とした時、該周波数h1、h2の値
およびT2(h1)、T2(h2)の値を、 T4=(T2(h1)−T2(h2)/log(h1/
h2)) の式に代入して算出される値T4。
【0014】(E)予め状態の既知な平衡対回線に対し
て、該状態の既知な平衡対回線を構成する2本の導体の
平衡中点とアース間に所定電圧v5を加えた時に、該平
衡中点と該アース間で測定される電流i5とし、該電圧
v5および電流i5の値を、 z5=ABS(v5/i5) の式に代入して算出されるインピーダンスの絶対値z5
を相異なる周波数h3、h4で求め、この時の絶対値z
5をそれぞれz5(h3)、z5(h4)とし、該絶対
値z5(h3)、z5(h4)の値を、 T5=(z5(h3)−z5(h4)/z5(h3)) の式に代入して算出される値T5。
【0015】(F)予め状態の既知な平衡対回線に対し
て、該状態の既知な平衡対回線を構成する2本の導体間
に電圧v3を加えた時に、該2本の導体間で測定される
電流i3とし、該電圧v3および電流i3の値を、 z3=ABS(v3/i3) の式に代入して算出されるインピーダンスの絶対値z3
を相異なる周波数h5、h6で求め、この時の絶対値z
3をそれぞれz3(h5)、z3(h6)とし、該絶対
値z3(h5)、z3(h6)の値を、 T6=(z3(h5)−z3(h6)/z3(h5)) の式に代入して算出される値T6。
【0016】(G)前記(F)項で規定した特定周波数
での絶対値z3、若しくは複数の周波数のそれぞれに対
して算出した絶対値z3の平均値。以上のように、決定
した特徴量および各回線の状態に基づいて、回線状態の
判定結果を与えるルールを探索し、誤りの少ない状態判
定結果を与えるルールを採用する。この後、状態判定対
象となる平衡対回線の伝送特性を測定し、前述した特徴
量を算出し、ルール群に基づいて判定対象となる平衡対
回線の状態を判定する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
第1,第2の故障判定方法には、各々以下に示すような
欠点があった。まず、第1の故障判定方法の欠点につい
て述べる。
【0018】通常、通信用の平衡対回線には、端末機器
に電力を供給する目的で平衡対回線を構成する2本の導
体のうちの片方とアースとの間に直流電流が加えられて
いる(通常、アースに対して−48v)。この平衡対回
線に他混が発生している場合、他の回線を構成する導体
に加えられている直流電圧が、判定したい平衡対回線に
回り込んでしまう。この回り込んだ電圧は、外来電圧と
呼ばれており、この外来電圧により、測定した絶縁抵抗
および静電容量に大きな誤差が生じ、しばしば判定結果
に誤りを生じるという欠点があった。
【0019】次に、第2の故障判定方法の欠点について
は、予め平衡対回線の状態が既知の多数の回線の伝送特
性を測定し、この測定結果から、判定に用いる基準関係
を決定するために7種類の特徴量を求めることを基盤と
しているため、種々の回線構成において、各々故障を生
ぜしめた平衡対回線を多量に測定する必要があるという
欠点があった。
【0020】そこで本発明は、外来電圧の有無に関わら
ず、容易に基準の特徴量の決定ができ、多種多様な線路
構成(伝播定数)等に対応する平衡対回線の故障種別判
定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、故障した平衡対回線の伝送特性の測定
により、該平衡対回線の状態を判定する平衡対回線の故
障種別判定方法において、判定対象の回線を構成する2
本の導体間、及びこれらの導体とアース間に生じる入力
アドミタンスを測定する工程と、所定の低周波数領域に
おける前記入力アドミタンスの実数部の傾きを第1の基
準値と比較し、前記実数部の傾きが第1の基準値未満で
あれば、絶縁系不良故障と判定し、前記実数部の傾きが
第1の基準値以上であれば、断線系故障を判定する工程
と、前記断線系故障の場合に、平衡対回線を構成する2
導体とアース間の各々の入力アドミタンスの虚数部の差
を算出する工程と、所定の低周波数領域における前記虚
数部の差を第2の基準値と比較し、前記虚数部の差が第
2の基準値未満であれば、両線断線故障と判定し、前記
虚数部の差が第2の基準値以上であれば、片線断線故障
と判定する工程と、で構成される平衡対回線の故障種別
判定方法を提供する。
【0022】また、前記所定の低周波数領域が10Hz
〜1KHzであって、絶縁不良故障が存在する平衡対回
線の等価回路から任意の2導体間の入力アドミタンスY
(前記2導体間の電流差/電圧差の2倍)を求め、10
0〜500Hzの間の傾きを前記所定の第1の基準値と
し、前記絶縁不良故障が存在する平衡対回線の等価回路
から、100Hzの時の任意の2導体とアース間のそれ
ぞれ静電容量の差を第2の基準値とする。
【0023】
【作用】以上のような構成の平衡対回線の故障種別判定
方法は、入力アドミタンスの実数部の低周波数領域にお
ける傾きにより、判定対象の平衡対回線の絶縁不良系故
障の有無および絶縁不良量の判定を行う。
【0024】さらに、絶縁不良系故障の場合には、絶縁
不良故障種別および絶縁不良量として判別され、また、
断線系故障は、入力アドミタンスの虚数部の低周波数領
域における差により、両線断線故障および片線断線故障
として判別される。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1に示すフローチャートを参照して、第
1実施例としての平衡対回線の故障種別判定方法の手順
について説明する。
【0026】この故障種別判定方法においては、まず、
判定対象の平衡対回線の入力アドミタンスを測定する
(ステップS1)。測定した入力アドミタンスの実数部
の低周波数領域における傾きを求め(ステップS2)、
後述する基準値αと比較する(ステップS3)。
【0027】この比較で、入力アドミタンスの実数部の
低周波数領域における傾きが基準値α未満であれば(N
O)、絶縁不良系故障であるものとする(ステップS
6)。しかし、基準値α以上であれば(YES)、絶縁
不良系故障以外の故障と判断して、判定対象の平衡対回
線の2導体とアース間の各々の入力アドミタンスの虚数
部の差を求め(ステップS4)、該入力アドミタンスの
虚数部の差と後述する基準値βとを比較する(ステップ
S5)。この比較により、入力アドミタンスの虚数部の
差が基準値β未満であれば(NO)、両線断線故障と判
定し(ステップS7)、基準値β以上であれば(YE
S)、片線断線故障と判定する(ステップS8)。
【0028】ここで、本実施例において故障の判定に用
いる前述した基準値α、βの設定方法について説明す
る。図2は、絶縁不良故障が存在する平衡対回線の等価
回路モデルを示す。任意の導体p−q間の入力アドミタ
ンスYin_pqは式(1)の様になる。
【0029】 Yin_pq=(ip−iq)/2(vp−vq) (1) 例えば、導体1−2間の入力アドミタンスを求める場合
には、p=1,q=2を代入して計算する。
【0030】図3は、図2に示した回線の等価回路を用
いて計算した入力アドミタンスの実数部の傾きの周波数
特性を示している。導体p−q間の入力アドミタンスの
実数部の低周波における傾きψは、1KHz付近で傾き
が緩慢になり、500Hz以下の周波数で差が顕著にな
る。絶縁不良故障が無い場合は、ある傾きを持ち、絶縁
不良故障の絶縁不良量が悪くなるにつれて、傾きが小さ
くなる。本実施例では、100〜500Hzの傾きを計
算して、一例として基準値αの値として用いる。 図4
は、図2に示した回線の等価回路を用いて計算した導体
pとアース間の入力アドミタンスの虚数部C1と導体q
とアース間の入力アドミタンスの虚数部C2の値を示し
ている。C1とC2の差は約500Hz以下の低周波数
領域で顕著になる。本実施例では、100Hzの静電容
量の差を計算して、一例として基準値βの値として用い
る。以上説明した方法により、基準値α、βを求める。
【0031】次に、平衡対回線の故障種別判定方法の故
障位置依存性について説明する。図5には、一例とし
て、導体径0.4mmの50対の平衡ケーブルを用い
て、全長6kmの線路を構成し、1、3、5km地点に
模擬故障を作成し、該平衡対回線の入力アドミタンス実
数部を測定し、該平衡ケーブルの全長並びに故障点を変
更して、測定した結果を示す。
【0032】図中において、特性線は計算した入力アド
ミタンスの実数部の傾き(100〜500Hz)の値、
プロットは測定値の傾きを表している。絶縁不良系故障
では、計算値および実測値が故障位置に依存せず絶縁不
良量により一定の値となる。この関係を用いれば、絶縁
不良の有無判定が、線路長に依存せず可能であることが
わかる。しかも、絶縁不良量により、傾きψが一定な値
となるので基準値を細分化して決定することにより、絶
縁不良量を判定することが可能となる。
【0033】次に第2実施例としての平衡対回線の故障
種別判定方法について説明する。ここで、この故障種別
判定方法の回線種別(ケーブル種別)依存性について説
明する。
【0034】一例として、実交換局で予め分岐線路をは
ずした回線[導体径0.5mmの1000対スタルベス
ケーブル(ST)、0.65mmの800対ペックケー
ブル(PEC)、0.65mmの800対ガス隔壁つき
CCP−Hケーブル(CLA)、0.65mmの400
対CCP−APケーブル(CA)、0.65mmの20
0対CCP−APケーブル(CA)、0.9mmの10
0対CCP−APケーブル(CA)の複合直線ケーブ
ル、全長7km]を用いて1、3、5、7km地点に模
擬故障を作成し、該平衡対回線の入力アドミタンスの実
数部を測定した結果を図6に示す。特性線は計算した入
力アドミタンスの実数部の傾き(100〜500Hz)
の値で、プロットは測定値の傾きを表している。前述し
た第1実施例と同様に絶縁不良系故障の傾きは故障位置
に依存せず、一定となる。このことより、故障種別判定
が回線種別に関係しないことがわかる。
【0035】次に第3実施例としての平衡対回線の故障
種別判定方法について説明する。平衡対回線の故障種別
判定方法の回線構成(分岐の有無)の関係について説明
する。第2実施例で用いた回線に分岐線路(500m・
2本)を付加し、同様に、1、3、5、7km地点に模
擬故障を作成し、該平衡対回線の入力アドミタンスの実
数部を測定した結果を図7に示す。特性線は計算した入
力アドミタンスの実数部の傾き(100〜500Hz)
の値でプロットは測定値の傾きを表している。実施例
1、2と同様に絶縁不良系故障の傾きは故障位置に依存
せず、一定となる。このことより故障種別の判定が、回
線構成(分岐の有無)に関係しないことがわかる。
【0036】以上のような第1実施例乃至第3実施例を
用いて、88回線の状態を判定した結果、全回線の故障
種別を誤り無く判定することができる。従って、本実施
例によれば、従来技術における第2の方法の欠点であっ
た基準の特徴量を決定するのに回線故障種別がわかる平
衡対回線を多量に測定することを解決するばかりでな
く、多種多様な回線構成(故障位置、種別、分岐の有
無)等に対応する基準値として、いわゆる入力アドミタ
ンスの実数部の低周波領域における傾きを求めた値を用
いることにより、故障した平衡対回線の故障種別を判定
することができる。
【0037】さらに、従来技術における第1の方法の欠
点であった外来電圧に起因する断線障害の判定誤りにつ
いても、基本的に交流での伝送特性を基にして基準値を
決定するため、直流である外来電圧の影響を排除した故
障種別判定をすることができる。
【0038】尚、本実施例で用いた回線故障種別、低周
波数領域、基準値等は一例であり、これに限定されるこ
とはない。以上の実施例に基づいて説明したが、本明細
書には、以下のような発明も含まれる。
【0039】(1) 故障した平衡対回線の伝送特性を
測定することにより、該平衡対回線の状態を判定する平
衡対回線の故障種別判定方法において、以下のステップ
に従い、判定対象の平衡対回線を両線断線故障あるいは
片線断線故障あるいは絶縁不良系故障と判定することを
特徴とする平衡対回線の故障種別判定方法。
【0040】(ステップ1)故障した回線を構成する2
本の導体間、および該導体のいずれか1本の導体とアー
ス間に生じる入力アドミタンスを測定する。 (ステップ2)該入力アドミタンスの実数部の周波数領
域10Hz〜1KHzにおける傾きを求める。
【0041】(ステップ3)ステップ2で求めた傾きの
値が、基準値αより大きいかまたは等しいときにステッ
プ4に行き、基準値αより小さければステップ8に行
く。 (ステップ4)上記周波数領域について、判定した平衡
対回線を構成する2本の導体のそれぞれについて、アー
ス間との各々の入力アドミタンスの虚数部の値を求めた
後、両者の差を求める。
【0042】(ステップ5)ステップ4で求めた差の値
が、基準値βより大きいかまたは等しいときにステップ
6に行き、基準値αより小さければステップ7に行く。 (ステップ6)片線断線と判断する。 (ステップ7)両線断線と判断する。 (ステップ8)絶縁不良系故障と判定する。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、判定対象
となる平衡対回線に対する測定結果と絶縁不良系故障を
判定する基準値αと比較することにより、該判定対象と
なる平衡対回線の故障種別(断線系故障あるいは絶縁不
良系故障)を判定する。次に、判定した断線系故障につ
いて、判定対象となる平衡対回線に対する測定結果と片
線断線故障を判定する基準値βと比較することにより、
該判定対象となる平衡対回線の故障種別が判定されるの
で、片線断線故障あるいは両線断線故障に判定すること
ができ、判定能力の向上が期待できるので、通信用等の
平衡対回線の故障種別を遠隔より、極めて低い誤り率で
判定することができる。これにより、平衡対回線および
平衡対回線を収容している通信用線路の保守管理を効率
的に行うことができる。
【0044】従って、本発明によれば、外来電圧の有無
に関わらず、容易に基準の特徴量の決定ができ、多種多
様な線路構成(伝播定数)等に対応する平衡対回線の故
障種別判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例としての平衡対回線の
故障種別判定方法の手順について説明するためのフロー
チャートである。
【図2】絶縁不良故障が存在する平衡対回線の等価回路
モデルを示す図である。
【図3】図2に示した回線の等価回路を用いて計算した
入力アドミタンスの実数部の傾きの周波数特性を示す図
である。
【図4】図2に示した回線の等価回路を用いて計算した
入力アドミタンスの虚数部の差を示す図である。
【図5】本発明の実施例において用いた入力アドミタン
スの実数部の傾きと線路長の関係を示す図である。
【図6】本発明による第2実施例としての入力アドミタ
ンスの実数部の傾きと回線構成(長さ、種類)の関係を
示す図である。
【図7】本発明による第3実施例としての入力アドミタ
ンスの実数部の傾きと回線構成(分岐の有無)の関係を
示す図である。
【図8】平衡対回線の故障の種類を示す図である。
【符号の説明】
1…平衡対回線、2…アース、3…他回線の導体、4…
絶縁不良状態。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故障した平衡対回線の伝送特性の測定に
    より、該平衡対回線の状態を判定する平衡対回線の故障
    種別判定方法において、 判定対象の回線を構成する2本の導体間、及びこれらの
    導体とアース間に生じる入力アドミタンスを測定する工
    程と、 所定の低周波数領域における前記入力アドミタンスの実
    数部の傾きを第1の基準値と比較し、前記実数部の傾き
    が第1の基準値未満であれば、絶縁系不良故障と判定
    し、前記実数部の傾きが第1の基準値以上であれば、断
    線系故障を判定する工程と、 前記断線系故障の場合に、平衡対回線を構成する2導体
    とアース間の各々の入力アドミタンスの虚数部の差を算
    出する工程と、 所定の低周波数領域における前記虚数部の差を第2の基
    準値と比較し、前記虚数部の差が第2の基準値未満であ
    れば、両線断線故障と判定し、前記虚数部の差が第2の
    基準値以上であれば、片線断線故障と判定する工程と、
    で構成されることを特徴とする平衡対回線の故障種別判
    定方法。
  2. 【請求項2】前記所定の低周波数領域が10Hz〜1K
    Hzであって、 絶縁不良故障が存在する平衡対回線の等価回路から任意
    の2導体間の入力アドミタンスY(前記2導体間の電流
    差/電圧差の2倍)を求め、100〜500Hzの間の
    傾きを前記所定の第1の基準値とし、 前記絶縁不良故障が存在する平衡対回線の等価回路か
    ら、100Hzの時の任意の2導体とアース間のそれぞ
    れ静電容量の差を第2の基準値とすることを特徴とする
    請求項1記載の平衡対回線の故障種別判定方法。
  3. 【請求項3】 平衡対回線において、周波数領域10H
    z〜1KHzにおける、2本の導体間及び該各導体とア
    ース間にそれぞれ生じる入力アドミタンスの実数部の変
    化率と、 前記周波数領域において前記2本の導体とアース間との
    間にそれぞれ生じる入力アドミタンスの虚数部の値の差
    と、 を用いて判定することを特徴とする平衡対回線の故障種
    別判定方法。
JP4969495A 1995-03-09 1995-03-09 平衡対回線の故障種別判定方法 Pending JPH08248090A (ja)

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