JPH08246445A - 既成杭による地中拡底杭 - Google Patents

既成杭による地中拡底杭

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JPH08246445A
JPH08246445A JP7840595A JP7840595A JPH08246445A JP H08246445 A JPH08246445 A JP H08246445A JP 7840595 A JP7840595 A JP 7840595A JP 7840595 A JP7840595 A JP 7840595A JP H08246445 A JPH08246445 A JP H08246445A
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JP
Japan
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pile
reinforcing bar
end plate
bottom expanding
cage
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Application number
JP7840595A
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English (en)
Inventor
Yosuke Kodama
洋介 児玉
Yoshihiko Maeno
賀彦 前野
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KODAMA CONCRETE KOGYO KK
Original Assignee
KODAMA CONCRETE KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既成杭3の下端に孔底拡開部2内へ拡大した
鉄筋8により補強された拡底部を設ける地中拡底杭であ
って、杭3の下端に杭荷重により折れ曲がる鉄筋8より
も短い支柱12を突設しておくことにより、鉄筋拡大後
の硬化材22の投入から硬化までの間、杭3の孔内での
支持を可能とする。 【構成】 既成杭3の下端に、両端が上方端板6と下方
端板7との間に固定された鉄筋8と、上端を上方端板6
に固定し下端を自由端13とした鉄筋8よりも短い鉄パ
イプ状の支柱12とが突設された鉄筋篭5を取付けて、
杭3の荷重により支柱12の下端が下方端板7へ当接す
ることで鉄筋8を孔底拡開部2内へ屈曲拡大させると共
に、支柱12により杭孔内へ挿入された杭3の荷重を支
持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、杭の下端に杭径より大
きな拡底部を設ける拡底杭、詳細にはコンクリートパイ
ル等の既成杭の下端に拡底部を設ける拡底杭の構成に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、杭の支持力及び引き抜き抵抗
を増加させるための手段として、杭の下端に拡底部を設
ける拡底杭が広く知られている。この場合、拡底杭とし
ては、現場打ち杭の下端に拡底部を設けるものと、既成
杭の下端に拡底部を設けるものとがあり、いずれも予め
杭孔の底部に杭径よりも大径な孔底拡開部を掘削してお
き、この孔底拡開部内にコンクリートを打設して拡底部
を設ける。
【0003】この拡底杭としては、杭の下端に設けるコ
ンクリート拡底部が単に杭径よりも拡大されているとい
うだけでは、杭の支持力には対応できても、引き抜き抵
抗には対応できないという問題があり、そのため従来よ
り、孔底拡開部内で鉄筋もしくは鉄筋に代わる補強材を
杭径よりも大きくなるように拡大させてからコンクリー
トを打設して、補強材により補強された杭径よりも大き
いコンクリート拡底部を設ける手段が提唱されている。
【0004】また、孔底拡開部内で鉄筋もしくは鉄筋に
代わる補強材を杭径よりも大きくなるように拡大させる
手段としては、孔内に挿入した鉄筋篭もしくは既成杭あ
るいはロッド等を孔内で回転することで拡大する方式
と、鉄筋篭もしくは既成杭あるいはロッド等を押し下げ
ることで拡大する方式とが知られている。
【0005】前記の回転拡大方式では、孔底拡開部材内
の泥水中で補強材を回転力により拡大させるので、泥土
により補強材の拡大が阻害されることがあり、補強材が
孔底拡開部材内で充分に拡大したか否かを地上から確認
できないという問題がある。これに対して、押し下げ拡
大方式では、押圧力によって補強材が拡大したことを充
分見込めるので、回転拡大方式に較べて現実的であると
いう利点を有する。この押し下げ拡大方式によるものと
しては、例えば特開昭58−519号、実公平2−61
06号あるいは特開平5−339941号等がある。
【0006】前記押し下げ拡大方式による拡底杭のう
ち、特開昭58−519号及び実公平2−6106号の
拡底杭は現場打ち杭によるもの、特開平5−33994
1号の拡底杭は鋼管杭であって、いずれも主鉄筋篭なり
杭体の下端に外側へ拡大する拡張鉄筋部材を取り付け、
孔内で主鉄筋篭なり杭体を押し下げて拡張鉄筋部材を孔
底へ押し付けることで拡張鉄筋部材を孔底拡開部内へ拡
大させるものである。
【0007】
【発明が解決すべき課題】ところで、特開昭58−51
9号及び実公平2−6106号の拡底杭では、現場打ち
杭であるため、孔内で主鉄筋篭を押し下げることによ
り、該主鉄筋篭に取付けられた拡張鉄筋部材が孔底へ押
し付けられて孔底拡開部内へ拡大されるが、この拡張鉄
筋部材が拡大した後でも、主鉄筋篭自体の下端は孔底面
上に支持されているので、孔底拡開部内へ拡大した拡張
鉄筋部材が主鉄筋篭の荷重を受けて変形するという問題
は生じない。
【0008】しかしながら、現場打ち杭ではなく、コン
クリートパイルのような既成杭の下端に拡底部を設ける
ものにおいては、杭の下端に杭自体を押し下げることで
孔底拡開部内へ拡大させるような拡張鉄筋部材を取付け
たとしても、杭の荷重がきわめて大きいために、杭自体
を押し下げて拡張鉄筋部材を設計通りの形状に拡大させ
る作業が非常に困難であるという問題がある。
【0009】また、現場打ち杭では、主鉄筋篭の押し下
げによって拡張鉄筋部材を孔底拡開部内へ拡大させた後
でも、主鉄筋篭自体の下端を孔底面上に支持させるこが
できるが、既成杭の場合は、現場打ち杭の場合と違っ
て、拡張鉄筋部材を杭の下端に直接取付けなければなら
ないので、杭の押し下げにより拡張鉄筋部材を孔底拡開
部内へ拡大させた後で、杭自体の下端を孔底面上に支持
させるこができないという問題がある。
【0010】そのため、既成杭の下端に前記のような拡
張鉄筋部材を設ける場合には、杭の押し下げによって拡
張鉄筋部材を孔底拡開部内へ拡大させた後に、杭の荷重
によって拡張鉄筋部材が押し潰されないように、杭を地
上に配置したクレーン等によって孔内に吊下げ支持し
て、次の工程として孔底拡開部内へコンクリートを打設
し、このコンクリートが完全に硬化するまでの比較的長
い期間にわたって、杭の吊下げ状態を維持しておかなけ
ればならないという問題がある。このような問題は、特
開平5−339941号の拡底杭のような鋼管杭の場合
であっても同様である。
【0011】
【課題を解決する手段】本発明は、上記のような従来に
おける拡底杭の問題点に鑑み、コンクリートパイルのよ
うな重量のある既成杭であっても、下端に鉄筋等により
補強された拡底部を支障なく設けることのできる既成杭
による拡底杭の提供を目的としたものであり、以下、本
発明の概要を実施例に対応する図面の符号を用いて説明
する。
【0012】本発明における請求項1の拡底杭は、既成
杭3の下端に、杭挿入時は中間部外径が杭3の外径より
も大きくない鉄筋篭5が連結され、該鉄筋篭5は、上下
の端板6,7とこれらの端板6,7との間に連結され
て、杭挿入後に加えられる上方からの押圧力により、予
め所要位置に設けた軸着部9が孔底拡開部2内で折れ曲
がって、中間部外径が杭3の外径よりも孔底拡開部2の
内周面方向へ放射状に拡大する鉄筋8によって構成され
ている。
【0013】また、前記鉄筋篭5における上下両端板
6,7間の鉄筋8と平行する位置には、上端を上方端板
6に固定して下端が下方端板7に対し自由端13となる
ように突出され、前記上方からの押圧力により鉄筋8が
拡大した位置で、下方自由端13が前記下方端板7と当
接することで、杭3の荷重を支える前記鉄筋8よりも短
い支柱12を備えている。
【0014】本発明の請求項2の拡底杭は、既成杭3の
下端に、複数枚の縦リブ19により間隔を保持されたス
ペーサー18を設けると共に、前記スペーサー18の下
面に杭挿入時は中間部外径が杭3の外径よりも大きくな
い鉄筋篭5が連結され、該鉄筋篭5は上下の端板6,7
とこれらの端板6,7との間に連結されて、杭挿入後に
加えられる上方からの押圧力により、予め所要位置に設
けた軸着部9が孔底拡開部2内で折れ曲がって、中間部
の外径が杭3の外径よりも孔底拡開部2の内周面方向へ
放射状に拡大する鉄筋8によって構成さる。
【0015】前記鉄筋篭5における上下両端板6,7間
の鉄筋8と平行する位置に、上端を上方端板6に固定し
て下端が下方端板7に対し自由端13となるように突出
され、前記上方からの押圧力により鉄筋8が拡大した位
置で、下方自由端13が前記下方端板7と当接すること
で、杭3の荷重を支える前記鉄筋8よりも短い支柱12
を備え、更に、前記鉄筋篭5の外周に上下両端を前記ス
ペーサー18の下端と前記鉄筋篭下方端板7とに連結固
定した通気性のあるシートからなる袋体20を備えてい
る。
【0016】請求項3の発明は、鉄筋篭5における鉄筋
8が、上下の端板6,7から突出する固定辺8a,8b
と、これらの固定辺8a,8bの先端に軸着されるアー
ム辺8c,8dと、これらのアーム辺8c,8d間に軸
着される胴部辺8eと、これらを互いに連結する軸着部
9とにより構成され、また、固定辺8a,8bの先端に
はアーム辺8c,8dと交差して、アーム辺8c,8d
が固定辺8a,8bに対して若干外側に傾斜して軸着さ
れるための突片10を有していることを特徴とする。
【0017】請求項4の発明は、鉄筋篭5の下方端板7
に、上方端板6から突出される夫々の支柱13の下方自
由端13と摺動自在に係合するガイド15を備えている
ことを特徴とし、また請求項5の発明は、支柱12が複
数本の鉄パイプからなってることを特徴とする。更に、
請求項6の発明は、支柱12が上方端板6の中心部から
突出される一本の鋼管製筒状体32からなっていること
を特徴とする。
【0018】
【作用】本発明の拡底杭では、鉄筋篭5の下方端板7が
孔底に達した状態で、更に上方から押圧力が加えられる
と、各鉄筋8の軸着部9が外方向へ折れ曲がって中間部
の外径が杭径よりも外側へ拡大される。鉄筋篭5が所定
の外径に拡大された位置で鉄筋篭5の上方から突出され
ている支柱12の下方自由端13が下方端板7に当接す
るので、鉄筋篭5のそれ以上の拡大が停止されると共
に、支柱12が鉄筋篭5の圧壊を防止しつつ上方の杭3
の荷重を支える。
【0019】鉄筋篭5における下方端板7上の支柱12
と対応した位置に、支柱下方自由端13と摺動自在に係
合するガイド15を設けた場合には、杭3の押し下げに
よる支柱12の下方移動をガイド15に沿って正しく行
い、支柱12の下方自由端13を下方端板7に対して垂
直に当接できるので、支柱12による杭3の荷重支持を
正確にして安全に行うことができる。
【0020】既成杭3の下端に、複数枚の縦リブ19に
より間隔を保持されたスペーサー18を取付けて、鉄筋
篭5の外周に上下両端を前記スペーサー18の下端と鉄
筋篭下方端板7とに連結固定した通気性のあるシートか
らなる袋体20を設ける態様の拡底杭では、前記袋体2
0により密閉された鉄筋篭5を取付けた杭3を杭孔1内
に挿入した時に、杭孔1内の安定液23を前記スペーサ
ー18の部分から杭3内に導通させて、杭3の杭孔1内
への挿入によって杭孔1内の安定液23が地上に溢出す
ることを防止する。
【0021】
【実施例】次に本発明に係る拡底杭を図面に示す実施例
により説明すると、図1は第1の実施例の鉄筋篭を拡大
する前の側面図であり、予め孔底拡開部2が設けられる
ように掘削された杭孔1内に、下端に鉄筋篭5を取付け
たコンクリートパイル等の既成杭3が挿入される。
【0022】前記既成杭3の下端に取付けられる前記鉄
筋篭5は、上方端板6と下方端板7との間に所定の等間
隔を置いて配置された複数本の鉄筋8が、夫々上下両端
を前記上下両端板6,7に溶接することにより取付けら
れており、前記上方端板6が既成杭3の下端面の端板4
に固定されることにより既成杭3と一体的に接続されて
いる。
【0023】前記鉄筋篭5は、既成杭3が杭孔1内に挿
入される時には中間部の外径が杭3の外径よりも大きく
なく、鉄筋篭5の下方端板7が孔底2a上に達する位置
まで挿入された時点で上方から加えられる押圧力によ
り、夫々の鉄筋8の所要位置に予め設けておいた軸着部
9が夫々外側方向へ折れ曲がって、図2のように、鉄筋
篭中間部の外径が杭3の外径よりも孔底拡開部2の内周
面方向へ放射状に拡大するように構成されている。
【0024】前記鉄筋篭5における鉄筋8は、図4のよ
うに、上下の端板6,7から突出する固定辺8a,8b
と、これらの固定辺8a,8bの先端に軸着されるアー
ム辺8c,8dと、これらのアーム辺8c,8d間に軸
着される胴部辺8eと、これらを互いに連結する軸着部
9からなっており、固定辺8a,8bの先端にアーム辺
8c,8dと交差する突片10を有しており、既成杭3
が杭孔1内に挿入される時には、アーム辺8c,8dの
先端が前記突片10と係合して、固定辺8a,8bに対
して若干外側に傾斜した状態で軸着されるようになって
いる。
【0025】前記のように、固定辺8a,8bの先端に
アーム辺8c,8dと交差する突片10を設けて、アー
ム辺8c,8dの先端が前記突片10と係合して、固定
辺8a,8bに対して若干外側に傾斜した状態で軸着さ
れると、固定辺8a,8bとアーム辺8c,8dと胴部
辺8eとが一直線上に配列されずに、胴部辺8eだけを
予め外側に位置させることができるので、既成杭3を杭
孔1内に挿入したあとで、上方から押圧力が加えられた
時に、夫々の軸着部9が内側方向へ折れ曲がらずに外側
方向へ折れ曲がって、図2のように、鉄筋篭5の中間部
外径が杭3の外径よりも孔底拡開部2の内周面方向へ放
射状に拡大する。
【0026】図1のように、前記鉄筋篭5における上下
両端板6,7間の鉄筋8と平行する位置には、前記軸着
部9によって大きく折れ曲がる前の鉄筋8よりも長さの
短い支柱12が設けられている。この支柱12は複数本
の平行する鉄パイプからなり、夫々上端を上方端板6に
固定し、下端が下方端板7とは分離した自由端13とな
るようにして、下方端板7の方向へ突出されており、図
2のように、前記鉄筋篭5の下方端板7が孔底2aに当
接して、杭3の荷重を受けることで鉄筋8が前記のよう
に拡大変形したときに、鉄筋8が必要以上に拡大しない
所定の位置で、夫々の支柱12が杭3の荷重を支えるよ
うになっている。
【0026】鉄筋篭5の前記支柱12は、上端のみが上
方端板6に固定されて下端は下方端板7に対して自由端
13であるため、夫々の支柱12の下端部分を除く相互
間に複数段にわたって水平方向の連結材14を設けてお
くことが好ましい。
【0027】また、下方端板7の表面の前記支柱12と
対応する位置には、夫々支柱12の自由端13と摺動自
在に係合するスリーブ状のガイド15を設けておき、杭
3の荷重を受けて支柱12の自由端13が下方端板7上
に当接する前の段階で、予め自由端13をガイド15内
に係合させておくことで、杭3を押し下げたとき各支柱
12の自由端13がガイド15に沿って正しく下方移動
できて、夫々の自由端13が下方端板7に対して垂直に
当接できるようになっている。
【0028】なお、前記ガイド15には外側から水平ボ
ルト15aを螺着して、内部に挿通された支柱自由端1
3を軽く締め付けることで前記ガイド15が支柱12に
連結しておくことが好ましく、これによって杭3が杭孔
1内に挿入される時に、前記ガイド15を含めた下方端
板7が前記鉄筋8だけにより吊られずに、前記支柱12
によっても保持された状態で孔底2aまで吊降され、下
方端板7が孔底2aに到った時に、上方からの押圧力に
より支柱12が水平ボルト15aの締め付け力に抗して
ガイド15内に押し込められて、自由端13が下方端板
7上に支持される。
【0029】前記支柱12は、複数本の平行な鉄パイプ
以外にも溝型鋼等の鉄骨でもよく、また、図8のよう
に、鉄筋篭5の上方端板6及び下方端板7の間に配置す
ることができる外径をもった一本の短い鋼管製筒状体3
2を使用して、この筒状体32の上端を上方端板6に固
定し、下端が下方端板7と分離するようにしたものであ
ってもよい。なお、この実施例の場合も、下方端板7に
筒状体32の下端を受け入れるガイド部材35を設ける
ことができる。
【0030】前記鉄筋篭5の鉄筋8間には、鉄筋8の拡
大前は弛るんでいるが、鉄筋8が拡大されることによっ
て、鉄筋8間に水平状に緊張される複数本の外周リング
筋16が設けられている。このリング筋16はワイヤな
どを使用して必要な部分を鉄筋8に溶接しておくことに
より構成される。また、このリング筋16とは別に、同
一平面上の各対角線上に位置する夫々の鉄筋8の間を連
結する内側水平筋17を設けるようにしてもよい。
【0031】図5は別の実施例であり、この実施例の拡
底杭では、既成杭3の下端と前記鉄筋篭5との間に、複
数枚の縦リブ19により適宜の間隔を保持されたスペー
サー18が設けられると共に、前記鉄筋篭5の外周に上
下両端を前記スペーサー18と前記鉄筋篭下方端板7と
に連結固定した通気性のあるシートからなる袋体20が
取付けられている。
【0032】前記袋体20は、図6のように、前記鉄筋
篭5が孔底拡開部2内で拡大された後で、予め杭3内を
通して下端を鉄筋篭5の上方端板6の中央部に接続した
導管21を介して、モルタル等の硬化材22が圧縮空気
と共に加圧投入された際に、袋体20内及び該硬化材2
2に含まれる空気や水分を、通気性のあるシートの表面
から外部に逃がしながら、硬化材22を孔底拡開部2の
内周面に適切に充填させることができる。
【0033】袋体20は通気性のあるシートにより構成
されているとはいえ、この袋体20上下両端は鉄筋篭5
の上方端板6及び下方端板7により外部と遮蔽されてい
るので、この袋体20を下端に備えた杭3が杭孔1内に
挿入された時点で、袋体20内には杭孔1内に貯留され
ている孔内安定液(泥水)24が侵入しない。また、こ
の袋体20の上端が杭3の下端に直接接続されている場
合には、前記孔内安定液23は杭体3の内部にも侵入で
きないため、杭3の挿入により孔内安定液23が杭外へ
溢出して公害の原因となる。このような場合、杭3の下
端と鉄筋篭5との間に前記スペーサー18を設けておく
ことにより、杭3が杭孔1内に挿入された時に杭孔1内
の安定液23がスペーサー18から杭3の内部へ流入し
て、安定液23の杭外溢出量を抑制することができる。
【0034】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の拡底杭
は、コンクリートパイルのような既成杭3の下端に、押
圧力により折れ曲がって外径が杭径よりも外側へ拡大さ
れる鉄筋篭5と、上端を該鉄筋篭5の上方端板6に固定
し、下端が自由端13となるように突設した、折れ曲が
る前の鉄筋8よりも短い支柱12を取付けたので、孔底
拡開部2内で鉄筋篭5が所定の外径に拡大されると同時
に、支柱12の下方自由端13が下方端板7に当接し
て、鉄筋篭5のそれ以上の拡大を防止しつつ上方の杭3
の荷重を支えることができ、孔内へ挿入された杭3が孔
底の支柱12により安全に支持された状態で、拡大され
た鉄筋篭5を有する孔底拡開部2内へ硬化材22を投入
することができる。
【0035】従って、コンクリートパイルのような既成
杭を使用して、孔底拡開部内に杭径よりも大きな径の拡
開部を設ける場合に、孔内に挿入した杭3を硬化材22
の投入時から硬化するまでの間、孔内に吊下げておく必
要がなく、既成杭を使用するこの種の施工を能率的に行
えるという利点を有する。
【0036】また、杭3と鉄筋篭5との間にスペーサー
18を設ける拡底杭では、杭3の下端に硬化材22を孔
底拡開部内へ効率よく充填するための袋体21を設ける
構造の拡底杭において、杭3が杭孔1内に挿入される時
に、杭孔1内の安定液23をスペーサー18から杭3の
内部方向へ流入させて、安定液23の杭外溢出を抑制で
きるので、既成杭を使用するこの種の拡底杭の施工を現
実的なものとすることができる。
【0037】更に、この発明の拡底杭では、孔底拡開部
内に鉄筋で補強された杭径よりも径の大きい拡底部を設
けることができので、支持力はもとより、引き抜きにも
強度のある杭を得ることができると共に、孔底拡開部内
に設けられた拡底部は、鉄筋8と支柱12としての溝型
鋼あるいは鋼管等の鉄骨とにより補強されることになる
ので、水平力にも充分な耐久性を発揮することができる
という利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は第1の実施例の拡底杭における鉄筋篭を拡開する
前の部分側面図。図2は図1の鉄筋篭が拡開した後の部
分側面図。図3は図2のA−A線における断面図。図4
は鉄筋の軸着部の形状を示す部分拡大図。図5は第2の
実施例の拡底杭における鉄筋篭を拡開する前の部分側面
図。図6は図5の鉄筋篭が拡開した後の部分側面図。図
7は図5のB−B線における断面図。図8は更に別の実
施例の杭下端部の構成を示す一部切欠き側面図。
【符号の説明】
1:杭孔 2:孔底拡開
部 3:既成杭 4:杭下端端
板 5:鉄筋篭 6:鉄筋篭上
方端板 7:鉄筋篭下方端板 8:鉄筋 8a,8b:固定端 8c,8d:
アーム辺 8e:胴部辺 9:軸着部 10:突片 12:支柱 13:下方自由端 14:連結材 15:ガイド 16:外周リ
ング筋 17:内側水平筋 18:スペー
サー 19:縦リブ 20:袋体 21:導管 22:硬化材 23:安定液 32:筒状体 35:ガイド部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔底拡開部内に杭径よりも大きい鉄筋補
    強型の拡底部を設ける既成杭による地中拡底杭であり、
    既成杭3の下端に、杭挿入時は中間部外径が杭径よりも
    大きくない鉄筋篭5が連結され、該鉄筋篭5は上下の端
    板6,7とこれらの端板6,7との間に連結されて、杭
    挿入後に加えられる上方からの押圧力により、予め所要
    位置に設けた複数個の軸着部9が孔底拡開部2内で折れ
    曲がって、中間部外径が杭径よりも孔底拡開部2の内周
    面方向へ放射状に拡大する鉄筋8と、前記上下両端板
    6,7間の鉄筋8と平行する位置に、上端を上方端板6
    に固定して下端が下方端板7に対し自由端13となるよ
    うに突出され、前記上方からの押圧力により鉄筋8が拡
    大した位置で、下方自由端13が前記下方端板7と当接
    することで、杭3の荷重を支える前記鉄筋8よりも短い
    支柱12を備えていることを特徴とする既成杭による地
    中拡底杭。
  2. 【請求項2】 孔底拡開部内に杭径よりも大きい鉄筋補
    強型の拡底部を設ける既成杭による地中拡底杭であり、
    既成杭3の下端に、複数枚の縦リブ19により間隔を保
    持されたスペーサー18を設けると共に、前記スペーサ
    ー18の下面に杭挿入時は中間部外径が杭径よりも大き
    くない鉄筋篭5が連結され、該鉄筋篭5は上下の端板
    6,7とこれらの端板6,7との間に連結されて、杭挿
    入後に加えられる上方からの押圧力により、予め所要位
    置に設けた複数個の軸着部9が孔底拡開部2内で折れ曲
    がって、中間部外径が杭径よりも孔底拡開部2の内周面
    方向へ放射状に拡大する鉄筋8と、前記上下両端板6,
    7間の鉄筋8と平行する位置に、上端を上方端板6に固
    定して下端が下方端板7に対し自由端13となるように
    突出され、前記上方からの押圧力により鉄筋8が拡大し
    た位置で、下方自由端13が前記下方端板7と当接する
    ことで、杭3の荷重を支える前記鉄筋8よりも短い支柱
    12を備え、更に、前記鉄筋篭5の外周に上下両端を前
    記スペーサー18の下端と前記鉄筋篭下方端板7とに連
    結固定した通気性のあるシートからなる袋体20を備え
    ていることを特徴とする既成杭による地中拡底杭。
  3. 【請求項3】 鉄筋篭5における鉄筋8が、上下の端板
    6,7から突出する固定辺8a,8bと、これらの固定
    辺8a,8bの先端に軸着されるアーム辺8c,8d
    と、これらのアーム辺8c,8d間に軸着される胴部辺
    8eと、前記各辺を互いに連結する軸着部9からなり、
    固定辺8a,8bの先端にアーム辺8c,8dと交差し
    て、アーム辺8c,8dが固定辺8a,8bに対して若
    干外側に傾斜して軸着されるための突片10を有してい
    る請求1又は2の既成杭による地中拡底杭。
  4. 【請求項4】 前記鉄筋篭5の下方端板7に、上方端板
    6から突出される支柱12の下方自由端13と摺動自在
    に係合するガイド15を備えている請求項1又は2の既
    成杭による地中拡底杭。
  5. 【請求項5】 支柱12が複数本の鉄パイプからなって
    いる請求項1又は2の既成杭による地中拡底杭。
  6. 【請求項6】 支柱12が上方端板6の中心部から突出
    される一本の鋼管製筒状体32からなっている請求項1
    又は2の既成杭による地中拡底杭。
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